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▶ 内田 清子の特許一覧

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  • 特開-装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023312
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 5/02 20060101AFI20220201BHJP
   F03D 9/32 20160101ALI20220201BHJP
   F03D 7/06 20060101ALI20220201BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
F03D5/02
F03D9/32
F03D7/06 Z
F03B17/06
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020126157
(22)【出願日】2020-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】310024077
【氏名又は名称】内田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】592151650
【氏名又は名称】内田 隆志
(72)【発明者】
【氏名】内田隆志
【テーマコード(参考)】
3H074
3H178
【Fターム(参考)】
3H074AA08
3H074BB11
3H074CC20
3H178AA18
3H178AA22
3H178AA32
3H178AA41
3H178AA56
3H178BB31
3H178BB71
3H178CC02
3H178CC14
3H178DD02X
3H178DD26X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所要強度を有しかつ軽量である動力伝達用のチェーン・スプロケットを提供する。
【解決手段】動力伝達用のチェーン・スプロケットとして、連続長繊維で強化されたプラスチック製チェーン3及びスプロケット4はその強力な手段である。このチェーン・スプロケットを装備した装置本体1はブレード移動速度の高速化を可能とし、該装置本体は大きな力を発生することができる。装置本体の発生した流れ(気流)を偏向すれば、変更方向の逆方向に反力が生ずる。偏向装置としてルーバー51,52,53を取り付けることにより、装置本体とルーバーの一体装置(当該装置)の姿勢制御を可能にする。このことは、当該装置を搭載した機体を浮揚させることができ、浮揚中に姿勢制御をおこない、また、前後左右等の空中運動を可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動索で結合された複数枚の翼(ブレード) が複数の平行軸間を並進運動し、軸周りに回転運動して方向転換し、ブレードが水流や風のよう な媒体の流れ方向と角度を持つことによりブレードが発生する力で全平行軸周りにブレー ドが無限軌道運動を行う、あるいは平行軸のいずれかに動力を負荷しブレードを媒体内で 動かすことにより媒体に流れを発生させる装置において、連続長繊維強化プラスチック複合材で作られた駆動策、駆動用スプロケットを使用することを特徴とする装置(前者)、あるいは前者と協働して前者の発生する流れ、あるいは流れ込む流れ、を1方向ないし複数方向へ分流あるいは合流させることを可能とするルーバーを備えたことを特徴とする装置(後者)、前者あるいは後者を推力発生装置として使用することを特徴とする装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流れの持つエネルギーを吸収する装置あるいはエネルギーを発生する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動索で結合された複数枚の直線矩形翼(ブレード)が平行軸間を並進運動し、軸周りに回転運動して方向転換し、ブレードが水流や風のような媒体の流れ方向と角度を持つことによりブレードが発生する力で全平行軸周りにブレードが無限軌道運動を行う、あるいは平行軸のいずれかに動力を付加しブレードを媒体内で動かすことにより媒体に流れを発生させる装置に媒体の流れ方向を制御する機構を組み付けることにより、当装置の発生する力を制御することができる。また、一般に、装置を構成する可動体は可能な限り軽量化を図ることにより装置駆動に要するエネルギーを少なくできる。当装置での主たる可動体は複数枚のブレード、ブレードを駆動するチェーンおよびスプロケットである。これら可動体は軽量であることが望ましい。当装置においてはブレード自体の発生力を大きくすることこそが求められるので、質量の大きなブレードやチェーンやスプロケットを駆動するエネルギーは可能な限り少ないことが望まれる。上記内容を実現する装置を以下では当該装置という。
【特許文献1】実開平5-12700
【特許文献2】特開平10-061598
【特許文献3】特許第6133833
【特許文献4】特願2020-015088
【発明の開示】
【0003】
当該装置では多数のブレードを駆動索(以下チェーン)で結びスプロケットで駆動するが、本来ブレードの発生する抗力に対抗するために動力等が使われるべきなのに、チェーン等の運搬にも動力が費やされることになる。スプロケット自体も金属の場合、その質量は大きく、特に駆動の立ち上がりにはその大きな慣性質量故に大きな起動力を必要とする。当該装置においては可動体の質量を極力小さくする必要がある。
【0004】
スプロケット・チェーン駆動において、チェーンはスプロケットとの噛み合い時には、スプロケット周りでの円周運動となるため遠心力が発生する。この遠心力はチェーンをスプロケットから離す方向に働くため、スプロケット回転数を上げるためにはチェーンに遠心力に応じた張力を持たせる必要がある。チェーンの張りを強めるとスプロケットへの負荷が増し、駆動力をも大きくすることが必要となり、駆動エネルギーの浪費につながる。さらに、この遠心力延いてはチェーンへの負荷は、チェーンの駆動速度(スプロケットの回転数)制限となる。ブレードの発生力は、併進速度すなわちチェーンの駆動速度を上げるほど大きくなることから、駆動速度制限は装置性能向上の妨げでもある。
【0005】
これら諸課題に対し、チェーンあるいはスプロケットをプラスチック製とすることでかなりな部分を解決できるが、金属並みの強度を要する課題に対してはプラスチックでは対応できない。プラスチックの代わりに繊維強化プラスチック(FRP)製とすることで解決できる。 ただし、FRPとはいっても、繊維を短く切ってプラスチックに混合したものでは、プラスチック製よりは強度は幾分上がるが、繊維自体の有する引張強度を最大限に利用することはできない。 従い、FRP製チェーン、FRP製スプロケットは、連続長繊維から成るFRP製である必要がある。ブレード自体もFRP製とすることにより大幅に軽量化が図れる。
【0006】
当該装置が媒体(水や空気)からエネルギーを吸収する、あるいは流れを発生する機構を装置本体とする。以後の記述の簡単のため装置本体をPBCRと略記する。また、以後の展開簡略のために、媒体に流れを生じさせる場合について記述するが、エネルギーを吸収する場合に対しても同様である。
媒体に流れを発生するには、媒体中でブレードを動かすことにより実現できる。その例に、航空機の推進器であるプロペラやヘリコプターのローターがある。これらは、1軸周りにブレードを運動させており、その占有面は円形である。
【0007】
一般に媒体を吹き出すと、吹き出した本体には吹き出した方向とは逆方向に力(反力)が働く。PBCRはそのサイズを大きくすることにより、吹き出し流量や流速を任意に大きくすることができ、PBCRにも大きな反力が働く。従い、PBCRを航空機等に設置すれば、推進プロペラや、ヘリコプターローターと同様に機能させることができる。
【0008】
プロペラやローターは、基本的には1方向にのみ流れを送る。これに対し、PBCRはその形状が矩形状であるゆえに、流れ方向を所要方向に制御しやすい特徴がある。吹き出した流れの方向を変えると、変えた方向と逆方向に反力が発生する。この事実を利用し、PBCRから吹き出す流れの方向を変えるルーバーをPBCRに取り付け(当該装置の一形態)、ルーバーのベーン角度を変えることにより当該装置の姿勢を変えることなく当該装置に働く反力方向を変えることができる。ルーバーベーンの角度を複数方向に変えられるようにすることで、当該装置の姿勢制御が可能になる。
【0009】
PBCRの吸い込み側にルーバーを設置することによって、装置本体への流れの制御が可能であり、整流や、流入角度制御等が行える。整流はブレードの性能を引き出すためには必要であり、流入角は、ブレードピッチ角と関わりブレード性能を決めるパラメータでもある。
【実施例0010】
図1は、当該装置構成の1例である。
ルーバーは所要流れ方向に応じ、形式あるいは配置は選定される。
【産業上の利用可能性】
【0011】
当該装置により、矩形の風車や水車あるいはポンプが実現できる 。例えば、水車として使用する場合、矩形状であるので水路幅全体を利用することができエネルギー密度の低い流れを集中することなく、そのエネルギーを吸収することができる。また、風車として使用する場合は、その受風面が矩形であり縦・横サイズを任意に設定できることから設置場所の選択の自由度が増す。一方、当該装置を動力により駆動すれば、各種ポンプや送風機ともなる。送風機は、例えば航空機の推進器あるいはヘリコプターのローター同様に浮揚器ともなり得る。当該装置の使用により新しい空の移動体の実現も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】当該装置構成例
図2】ルーバーの形式例
図3】当該装置搭載の装置例
【符号の説明】
【0013】
1 当該装置本体(PBCR)
2 ブレード
3 チェーン
4 スプロケット
51,52,53 ルーバー
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2020-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正書】
【提出日】2020-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動索で結合された複数枚の翼(ブレード) が複数の平行軸間を並進運動し、軸周りに回転運動して方向転換し、ブレードが水流や風のよう な媒体の流れ方向と角度を持つことによりブレードが発生する力で全平行軸周りにブレー ドが無限軌道運動を行う、あるいは平行軸のいずれかに動力を負荷しブレードを媒体内で 動かすことにより媒体に流れを発生させる装置において、連続長繊維強化プラスチック複合材で作られたチェーン(前者)、あるいは連続長繊維強化プラスチック複合材で作られた駆動用スプロケット(後者)、あるいは前者と後者を共に使用することを特徴する装置(当該装置)、あるいは当該装置と、当該装置の発生する流れ、あるいは当該装置へ流れ込む流れを1方向ないし複数方向へ分流あるいは合流させることを可能とするルーバーを組合わせたことを特徴とする当該装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
PBCRの吸い込み側にルーバーを設置することによって、装置本体への流れの制御が可能であり、整流や、流入角度制御等が行える。整流はブレードの性能を引き出すためには必要であり、流入角は、ブレードピッチ角と関わりブレード性能を決めるパラメータでもある。流入側のルーバーと流出側のルーバーはその機能において、全く同様とし、PBCRの使用に際しては、流出側が流入側となり、流入側が流出側となる(逆流時)用途もある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動用スプロケットと、当スプロケット間に巻き掛けられた駆動索と、駆動索に取り付けられた複数枚の翼(ブレード) 、から成りブレードが無限軌道運動行う装置において、以下の特徴を有する装置
1.駆動索(前者)、あるいはスプロケット(後者)、あるいは前者・後者共に連続長繊維強化プラスチック複合材で作られていること
2.当該装置の発生する流れを1方向ないし複数方向へ分流させることを可能とするルーバーを備えていること
【手続補正書】
【提出日】2021-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動用スプロケットと、当スプロケット間に巻き掛けられた駆動索と、駆動索に取り付けられた複数枚の翼(ブレード) 、から成りブレードが無限軌道運動行う以下の特徴を有する装置を搭載した航空機
1.駆動索(前者)、あるいはスプロケット(後者)、あるいは前者・後者共に連続長繊維強化プラスチック複合材で作られていること
2.当該装置の発生する流れを1方向ないし複数方向へ分流させることを可能とするルーバーを備えていること
3.当該装置を搭載した航空機において、航空機本体が飛行中に揚力を出す形状となっていることを特徴とする航空機
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動用スプロケットと、当スプロケット間に巻き掛けられた駆動索と、駆動索に取り付けられた複数枚の翼(ブレード) から成りブレードが無限軌道運動を行う以下の構成から成る装置を搭載したことを特徴とする航空機
1.駆動索(前者)、あるいはスプロケット(後者)、あるいは前者・後者共に連続長繊維強化プラスチック複合材で作られていること
2.任意方向へ空気の流れを偏向させることを可能とする装置(ルーバー)を備えていること
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3