(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023477
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】新型コロナウイルス感染症の国内分離株を用いた人用不活化ワクチン
(51)【国際特許分類】
A61K 39/215 20060101AFI20220201BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
A61K39/215
A61P31/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020126437
(22)【出願日】2020-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】720006467
【氏名又は名称】株式会社ジァース
(72)【発明者】
【氏名】鉾之原 節夫
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085AA03
4C085BA71
4C085CC03
4C085CC04
4C085CC05
4C085CC08
4C085DD01
4C085EE01
4C085GG01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新型コロナウイルス不活化ワクチンの提供。
【解決手段】日本国内(東京、愛知、大阪、福岡、北海道他)で無症状の人から分離された新型コロナウイルス(Covid-19)を選び、10日令の発育鶏卵の尿膜腔に接種し、得られたウイルスを使用した人用不活化ワクチン。日本国内(東京、愛知、大阪、福岡、北海道他)で無症状の人から分離された新型コロナウイルス(Covid-19)を選び、鶏腎細胞(CK)、鶏10日令胎児から作成した線維芽細胞、又は幼ハムスターの腎(BHK-21)細胞、人の直腸がん細胞(HRT18)を用い回転培養、得られたウイルスを使用した人用不活化ワクチン。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日本国内(東京、愛知、大阪、福岡、北海道他)で無症状の人から分離された新型コロナウイルス(Covid -19)を選び、 10日令の発育鶏卵の尿膜腔に接種し、得られたウイルスを使用した人用不活化ワクチン。
【請求項2】
日本国内(東京、愛知、大阪、福岡、北海道他)で無症状の人から分離された新型コロナウイルス(Covid -19)を選び、鶏腎細胞(CK)、鶏10日令胎児から作成した線維芽細胞、又は 幼ハムスターの腎(BHK-21)細胞、人の直腸がん細胞(HRT18)を用い回転培養、得られたウイルスを使用した人用不活化ワクチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、令和2年7月現在 世界的に流行が止まらない新型コロナウイルス感染症を日本国内で分離したウイルス株を使用して培養、増殖、不活化し、ワクチンを製造する。 人への使用前に、中和抗体の上昇による有効性と動物接種試験(ウサギ、ミニブタ、山羊)による安全性を確かめる。 ワクチン接種により、感染拡大を防止、死亡、重症者数を減らし併せて人の経済活動を支援する効果を有する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスは、新しく令和1年12月頃に出現したウイルスで性状は未解明の部分があり、ワクチンも開発途上である。 一方 これまで、コロナウイルス科に属する動物の感染症に対しては、家禽、豚、牛、犬、猫のワクチンが開発、使用され効果を挙げている。 株式会社 微生物化学研究所の犬、猫のコロナウイルスワクチンは、愛玩動物用として先駆的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-228444号公報
【特許文献2】特開2008-127283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために、有望な医薬品、治療薬が治験使用されているが、対象療法的で、十分とは言えない。 予防用ワクチンについては国内及び海外においてDNA, RNAワクチン、Vero細胞を用いた不活化ワクチン等、20種類が臨床試験中とされている。ウイルスベクターを用いる核酸ワクチンは、有効性と安全性において歴史が浅く、必要かつ十分とは言いがたい。 この点、不活化ワクチンの安全性は歴史的に確認済みでより安心して使用できる。 各国の事情、資源の有効利用の観点からも、有効で安全なワクチンが複数あることが、接種される人の人権上も好ましい。 このような背景から、新型コロナウイルス感染症に罹患した人で、無症状の人から分離したウイルスなら他国の特許を侵害せず、製造上も 安全で、今回のワクチン株として用いることとした。 これにより、ウイルスを弱毒化させる時間が短縮できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、新型コロナウイルスは、無症状感染者からの国内分離株を使用した。 次にワクチンの製造方法について説明する。
【0006】
(SPF(鶏伝染性気管支炎:陰性)発育鶏卵を用いたワクチン)
【0007】
日本国内で無症状の人から分離された、新型コロナウイルス(Covid -19 / Tokyo. Aichi, Osaka, Fukuoka, Hokkaido etc)を1株選び、10日令のSPF発育鶏卵の尿膜腔に接種し、72時間後 尿膜腔で増えたウイルス溶液を採取し、1%ホルマリンで不活化、水温70度で10分間 容器ごと浸漬等により、残存ウイルスを加熱により死滅させる。 不活化したウイルス液は 低速遠心(3000 rpm)を10分行い、培養細胞断片等を取り除く。 その後、ショ糖密度勾配高速遠心(25%及び65%ショ糖濃度)(25000rpm 2時間)でウイルス集積層(バンド)を作成、濃厚ウイルス液とする。これを燐酸緩衝生理食塩水で10倍希釈し洗浄、高速遠心(100000G 1時間)で沈殿、ウイルスの回収を計3回行う。これにアジュバントとして、アルミニウム塩(2μg)、スクワレン(2μg)、アンピシリンナトリウム(3μg)、リポ多糖(1μg)を加え、ウイルス濃度を調整し(10ドース 20000 PFU)、ワクチンに供する。緊急事態が緩和してきたら 凍結乾燥したものを、使用時に燐酸緩衝生理食塩水溶解液で溶解して使用に切り替える。鶏伝染性気管支炎が陰性の鶏なら、交差抗体が無く、新型コロナウイルスの増殖が妨げられ無いと考える。
【0008】
(線維芽細胞等を用いたワクチン)
【0009】
日本国内で無症状の人から分離された、新型コロナウイルス(Covid -19 / Tokyo. Aichi, Osaka, Fukuoka, Hokkaido etc)を、SPF発育鶏卵10日令胎児から作成した、線維芽細胞をTCM199(10%仔牛血清加)等の細胞増殖培養液で37度にて 回転培養し、細胞が培養壁面一杯に貼りついた培養3.5日頃、使用した培養液を捨て、壁面の細胞表面に37度1時間掛けて ワクチン用ウイルスを接種する。その後 細胞変性効果(CPE)を確認しながら、培養7日頃、ウイルスを培養液中で1%ホルマリンにより不活化、70度の温熱水に10分間培養容器ごと浸漬、残存ウイルスを熱処理不活化させる。この後、不活化したウイルスを収穫し請求項1と同様の処理を行い、ウイルス濃度を調整し(1ドース2000 PFU)、アジュバントを加えワクチンに供する。
【発明の効果】
【0010】
当該ワクチンは、筋肉(または皮下)注射することで、新型コロナウイルス感染症に対する抗体を産生し、本症の予防が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【産業上の利用可能性】
【0012】
このウイルスを、現在使用されている人のインフルエンザウイルスの製造ラインに置き換えて、製造すると技術的にも、経済的にも 最も早く有効で安全な新型コロナウイルスワクチンが完成できる。
【符号の説明】
【0013】
1 エンベローブ
2 スパイク
3 ヌクレオキャプシッド
4 リボ核酸
5 赤血球凝集素(インフルエンザより量的に少ない。)