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特開2022-23638ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法
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  • 特開-ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法 図1
  • 特開-ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法 図2
  • 特開-ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法 図3
  • 特開-ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法 図4
  • 特開-ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法 図5
  • 特開-ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023638
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】ケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/06 20060101AFI20220201BHJP
【FI】
H02G1/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020126718
(22)【出願日】2020-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】593027716
【氏名又は名称】株式会社エステック
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博之
(72)【発明者】
【氏名】雪田 勉
(72)【発明者】
【氏名】赤松 寛治
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352CB08
5G352CF03
5G352CL02
(57)【要約】
【課題】ケーブル載置面へのケーブルの載せ替え作業を容易化できるとともに、ケーブルの損傷を抑制できるケーブル搬送装置を提供する。
【解決手段】ケーブル搬送装置は、ケーブルを延線するためのケーブル搬送装置であって、搬送ローラーと、搬送ローラーを収容するフレーム本体部及びケーブルラックの腕金物に連結されるラック連結部を有するフレームと、を備える。腕金物に取り付けたときに、搬送ローラーの上面とケーブルラックのケーブル載置面とが面一となるように、フレーム本体部にラック連結部が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを延線するためのケーブル搬送装置であって、
搬送ローラーと、
前記搬送ローラーを回転可能に収容するフレーム本体部及びケーブルラックの腕金物に連結されるラック連結部を有するフレームと、を備え、
前記腕金物に取り付けたときに、前記搬送ローラーの搬送面と前記ケーブルラックのケーブル載置面とが面一となるように、前記フレーム本体部に前記ラック連結部が設けられている、
ケーブル搬送装置。
【請求項2】
前記フレームに前記腕金物を固定するための固定部を備える、
請求項1に記載のケーブル搬送装置。
【請求項3】
前記固定部は、
前記ラック連結部の下方に配置される固定座と、
前記固定座に設けられた貫通穴に挿通され、先端部が前記腕金物に当接した状態で固定されるボルトと、で構成される、
請求項2に記載のケーブル搬送装置。
【請求項4】
前記フレーム本体部は、床面に設置するための補助固定部材を取り付け可能に構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のケーブル搬送装置。
【請求項5】
前記搬送ローラーを軸方向に挟むように前記フレームに着脱可能に取り付けられる複数のガイドローラーを備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のケーブル搬送装置を用いてケーブルラックにケーブルを延線するケーブル敷設方法であって、
前記搬送ローラーの搬送面と前記ケーブルラックのケーブル載置面とが面一となるように、前記ケーブル搬送装置を前記ケーブルラックの腕金物に取り付ける第1工程と、
ドラムから前記ケーブルを引き出しつつ、前記搬送ローラーの搬送面に這わせて長手方向に搬送する第2工程と、
所定長の前記ケーブルを引き出した後、前記搬送ローラーの搬送面から前記ケーブル載置面に載せ替える第3工程と、
を有する、ケーブル敷設方法。
【請求項7】
前記第1工程は、前記ケーブルの延線方向に直交する方向に沿って、前記ラック連結部を前記腕金物に内挿する工程を含む、請求項6に記載のケーブル敷設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルラックのケーブル載置面にケーブルを延線するためのケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力ケーブルや通信ケーブル等の大サイズの長尺ケーブルを延線する工法として、ローラー等の搬送手段(プーリーやキャタピラーを含む)を備えるケーブル搬送装置を延線方向に所定間隔で配置し、ローラーの搬送面にケーブルを這わせながらケーブルを引き出して敷設する工法が用いられている。例えば、床面に設置したケーブル搬送装置を用いてケーブルを延線した後に、ケーブルラックのケーブル載置面(腕金物又は受け皿)に載せ替える工法が知られている(いわゆる床置き工法)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3-49512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、床置き工法は、高所のケーブル載置面にケーブルを載せ替える際の作業効率が悪く、載せ替え時の落下等によりケーブルを損傷させる虞がある。また、特許文献1には、高所の腕金物にケーブル搬送装置を取り付けて、ケーブル載置面の近傍でケーブルを延線する工法が開示されているが、スライド棒の傾斜を利用してケーブルを横滑りさせケーブル載置面に落とし込むため、やはり、載せ替え時にケーブルを損傷させる虞がある。
【0005】
本発明の目的は、ケーブル載置面へのケーブルの載せ替え作業を容易化できるとともに、ケーブルの損傷を抑制できるケーブル搬送装置及びケーブル敷設方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケーブル搬送装置は、
ケーブルを延線するためのケーブル搬送装置であって、
搬送ローラーと、
前記搬送ローラーを回転可能に収容するフレーム本体部及びケーブルラックの腕金物に連結されるラック連結部を有するフレームと、を備え、
前記腕金物に取り付けたときに、前記搬送ローラーの搬送面と前記ケーブルラックのケーブル載置面とが面一となるように、前記フレーム本体部に前記ラック連結部が設けられている。
【0007】
上記のケーブル搬送装置を用いてケーブルラックにケーブルを延線するケーブル敷設方法であって、
前記搬送ローラーの搬送面と前記ケーブルラックのケーブル載置面とが面一となるように、前記ケーブル搬送装置を前記ケーブルラックの腕金物に取り付ける第1工程と、
ドラムから前記ケーブルを引き出しつつ、前記搬送ローラーの搬送面に這わせて長手方向に搬送する第2工程と、
所定長の前記ケーブルを引き出した後、前記搬送ローラーの搬送面から前記ケーブル載置面に載せ替える第3工程と、
を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケーブル載置面へのケーブルの載せ替え作業を容易化できるとともに、ケーブルの損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1A図1Bは、本発明の実施の形態に係るケーブル搬送装置を用いた工法を示す図である。
図2図2A図2Bは、ケーブル搬送装置の全体構成を示す外観斜視図である。
図3図3は、ケーブル搬送装置の分解斜視図である。
図4図4A図4Bは、ケーブル搬送装置をケーブルラックに取り付ける前の状態を示す図である。
図5図5A図5Bは、ケーブル搬送装置をケーブルラックに取り付けた後の状態を示す図である。
図6図6A図6Cは、補助固定部材の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1A図1Bは、本発明の実施の形態に係るケーブル搬送装置1を用いた工法を示す図である。
図1A図1Bに示すように、ケーブル搬送装置1は、例えば、洞道に所定間隔で設置されたケーブルラック5にケーブルCを敷設する際に用いられる。ケーブルラック5は、例えば、支柱52に対して腕金物51がT字状に取り付けられた構成を有する。なお、図1A図1Bでは、一段の腕金物51のみを示しているが、一般に、腕金物51は、支柱52に対して多段に設けられる。
【0012】
腕金物51の形状及び寸法等は、例えば、ケーブル線路を管理する電力会社等によって規格化されている。腕金物51は、例えば、角筒形状を有しており、側面には、固定用の貫通穴53が設けられている(図4A等参照)。本実施の形態では、腕金物51の上面がケーブル載置面であり、延線されたケーブルCが載置される。
なお、腕金物51の側面に、貫通穴53が設けられていない場合もある。また、腕金物51の上面に平板状の受け皿が取り付けられ、この受け皿にケーブルが載置される場合もある。
【0013】
図2A図2Bは、実施の形態に係るケーブル搬送装置1の全体構成を示す外観斜視図である。図3は、ケーブル搬送装置1の分解斜視図である。図2A等に示すように、実施の形態では、直交座標系(X,Y,Z)を使用して説明する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。ケーブル搬送装置1を用いてケーブルCの延線が行われる場合に、Z方向が上下方向、X方向が前後方向(ケーブルCの延線方向)となる。また、Y方向は、ケーブルCの延線方向に直交する方向であり、搬送ローラー10の軸方向である。
【0014】
図2A等に示すように、ケーブル搬送装置1は、搬送ローラー10、フレーム20、及びガイドローラー30を備える。
搬送ローラー10は、ケーブルCの引出作業を補助する搬送部材である。搬送ローラー10は、例えば、芯金11の周面にゴム等の弾性樹脂からなる表層12が形成されたゴムローラーで構成され、フレーム20に対して回転可能に取り付けられている。本実施の形態では、ローラー軸13がフレーム20の軸受214に固定され、ローラー本体(芯金11)がローラー軸13に対して回転するように構成されている。ホーリングマシーン等によりドラム(図示略)からケーブルCを引き出しつつ、搬送ローラー10の搬送面(上面)にケーブルCを這わせることにより、ケーブルCを長手方向に搬送して延線することができる。ホーリングマシーンとは、ケーブルの敷設に用いられる装置であり、例えば、特開平10-94131号公報等に開示されている。
【0015】
搬送ローラー10は、モーター(図示略)の動力によって回転する駆動ローラー(モーターローラー)であってもよいし、ケーブルCを搬送する際の摩擦力によって回転する従動ローラー(フリーローラー)であってもよい。ケーブルCを延線する際には、例えば、駆動ローラーを備えるケーブル搬送装置1と、従動ローラーを備えるケーブル搬送装置1とが、交互に設置される。
【0016】
ガイドローラー30は、ケーブルCの引出作業を行う際にケーブルCの脱落を防止するガイド部材であり、例えば、金属ローラー、プラスチックローラー、又はゴムローラーを適用できる。ガイドローラー30は、Z方向に延在するとともに、搬送ローラー10をY方向(軸方向)に挟むように、フレーム20に配置される。本実施の形態では、フレーム20の4箇所にガイドローラー30を取り付けられるようになっている。また、ガイドローラー30は、フレーム20に対して着脱自在に取り付けられ、必要に応じて取り外すことができる。
【0017】
フレーム20は、例えば、一般構造用圧延鋼材(SS400)で形成され、フレーム本体部21及びラック連結部22を有する。フレーム本体部21及びラック連結部22は、板金加工によって一体的に形成された部材であってもよいし、板金加工によって形成された単位部材を溶接などにより一体化した部材であってもよい。本実施の形態で示すフレーム20の構成は一例であり、個々の機能を損なわない範囲において、構成要素の細部は適宜設計を変更することができる。
【0018】
フレーム本体部21は、底部フレーム211及び側部フレーム212、213を有する。底部フレーム211と側部フレーム212、213によって囲まれた空間に、搬送ローラー10が収容される。
【0019】
底部フレーム211は、Z方向+側(上方)から見てY方向(搬送ローラー10の軸方向)に延在する矩形状を有する。また、底部フレーム211は、長辺に沿う端縁がZ方向-側(下方)に屈曲しており、Y方向から見て断面U字状に形成されている。底部フレーム211のX方向に対向する側面には、床面に設置するための補助固定部材6(図6A図6C参照、転倒防止アダプター)を取り付け可能な取付穴216が設けられている。補助固定部材6には、底部フレーム211の取付穴216と取り合う固定穴61が形成されている。補助固定部材6は、例えば、ボルト締結により底部フレーム211に固定される。これにより、ケーブル搬送装置1は、床置き工法にも適用できることとなり、汎用性が向上する。なお、補助固定部材6の構成、及びフレーム20に補助固定部材6を固定する構成については、図6A図6Cに示す例に制限されない。
【0020】
側部フレーム212、213は、それぞれ、Z方向+側(上方)から見て断面U字状に形成されており、開放端がY方向外側を向くように、底部フレーム211の短辺に沿う端部に立設されている。側部フレーム212、213には、搬送ローラー10のローラー軸13を支持する軸受214が形成されている。また、側部フレーム212、213のそれぞれにおいて、X方向に対向する側面には、ガイドローラー30を固定するための円筒状のガイド受け24が設けられている。
【0021】
ラック連結部22は、一方の側部フレーム212の上端部に、Y方向+側(外側)へ向かって連設されている。すなわち、フレーム本体部21は、ラック連結部22に対してZ方向-側(下方)にオフセットして設けられている。
ラック連結部22は、Z方向+側(上方)から見てY方向に延在する矩形状を有する。また、ラック連結部22は、長辺に沿う端縁がZ方向-側(下方)に屈曲しており、Y方向から見て断面U字状に形成されている。ラック連結部22の断面形状は、例えば、ケーブルラック5の腕金物51に挿入できるように、腕金物51の内周面よりも一回り小さく設定される。また例えば、ラック連結部22の断面形状は、腕金物51に外挿できるように、腕金物51の外周面よりも一回り大きく設定されてもよい。
【0022】
また、ラック連結部22のX方向に対向する側面には、ボルト挿入穴221が形成されている。ボルト挿入穴221を介して腕金物51の貫通穴53にボルト43が挿入され締結されることにより、ラック連結部22と腕金物51との係合状態が保持される。ボルト挿入穴221は、個体差によって腕金物51の貫通穴53の位置がずれていても適合するように、長円形状であることが好ましい。ボルト43は、フレーム20(ラック連結部22)に腕金物51を固定するための固定部40を構成する。
【0023】
さらに、本実施の形態では、固定部40として、ラック連結部22のZ方向-側(下方)に固定座41が配置されている。固定座41は、例えば、側部フレーム212のY方向+側の端部に溶接により固定される。ラック連結部22と固定座41との間に、腕金物51の下面が配置されることとなる。固定座41に設けられた貫通穴(符号略)にボルト42が挿通され、ボルト42の先端部が腕金物51の下面に当接することにより摩擦力が生じ、フレーム20(ラック連結部22)と腕金物51が強固に固定される。すなわち、本実施の形態では、腕金物51に貫通穴53が設けられていない場合でも、確実にフレーム20と腕金物51とを固定することができる。
【0024】
図4A図4Bは、ケーブル搬送装置1をケーブルラック5に取り付ける前の状態を示す図である。図5A図5Bは、ケーブル搬送装置1をケーブルラック5に取り付けた後の状態を示す図である。ここでは、搬送ローラー10をY方向(軸方向)に挟んで、ガイドローラー30が1本ずつ配置されている。
図4A等に示すように、ケーブル搬送装置1は、Y方向に沿ってラック連結部22を腕金物51に内挿することにより、ケーブルラック5と連結される。ケーブル搬送装置1とケーブルラック5の固定状態は、ボルト42、43によって保持される。図示を省略するが、ケーブル搬送装置1のY方向-側の端部は、床面に設置された支持部材によって支持されるのが好ましい。
【0025】
本実施の形態では、図5Bに示すように、ケーブル搬送装置1を腕金物51に取り付けたときに、搬送ローラー10の上面とケーブルラック5のケーブル載置面(ここでは腕金物51の上面)とが面一となる。搬送ローラー10の上面とケーブル載置面との位置関係は、例えば、軸受214を形成する切欠きの深さによって制御される。実際には、既設の腕金物51に取り付けるため、工事の一般公差を考慮して、搬送ローラー10の上面の方がケーブル載置面よりも数mm高くなるように、切欠きの深さが設定される。また、ケーブル載置面の位置に応じて切欠きの深さ(軸受214のZ方向の位置)を自由に調節できるようになっていてもよい。
ここで、「面一」とは、厳密に段差がなく平坦である場合だけでなく、若干の段差(例えば、0~5mm)がある場合も含む。なお、段差が形成される場合は、搬送ローラー10の上面の方がケーブル載置面よりも高くなるようにする。
【0026】
ケーブル搬送装置1を用いてケーブルCを延線する場合、ホーリングマシーン等によりドラム(図示略)からケーブルCを引き出し、搬送ローラー10の搬送面(上面)にケーブルCを這わせて、ケーブルCを長手方向に搬送する(図1A参照)。
そして、所定長のケーブルCが引き出された後、ケーブルラック5側のガイドローラー30を取り外し、搬送ローラー10の搬送面からケーブル載置面である腕金物51にケーブルCを載せ替える(図1B参照)。このとき、搬送ローラー10の上面とケーブル載置面とが面一になっているので、ケーブルCを横滑りにより容易に移動させることができる。また、ケーブルCを持ち上げて載せ替える場合であっても、大きく持ち上げる必要はないので、作業者の負担は軽減される。さらに、落下等によりケーブルCが損傷することもない。
【0027】
このように、実施の形態に係るケーブル搬送装置1は、ケーブルCを延線するためのケーブル搬送装置であって、搬送ローラー10と、搬送ローラー10を回転可能に収容するフレーム本体部21及びケーブルラック5の腕金物51に連結されるラック連結部22を有するフレーム20と、を備える。ケーブル搬送装置1には、腕金物51に取り付けたときに、搬送ローラー10の搬送面とケーブルラック5のケーブル載置面(ここでは、腕金物51の上面)とが面一となるように、フレーム本体部21にラック連結部22が設けられている。
また、実施の形態に係るケーブル敷設方法は、ケーブル搬送装置1を用いてケーブルラック5にケーブルCを延線するケーブル敷設方法であって、搬送ローラー10の搬送面とケーブルラック5の腕金物51(ケーブル載置面)とが面一となるように、ケーブル搬送装置1をケーブルラック5の腕金物51に取り付ける第1工程と、ドラムからケーブルCを引き出しつつ、搬送ローラー10の搬送面に這わせて長手方向に搬送する第2工程と、所定長のケーブルCを引き出した後、搬送ローラー10の搬送面から腕金物51に載せ替える第3工程と、を有する。
これにより、ケーブル載置面へのケーブルの載せ替え作業を容易化できるとともに、ケーブルCの損傷を抑制することができる。
【0028】
また、ケーブル搬送装置1は、フレーム20に腕金物51を固定するための固定部40を備えている。
具体的には、固定部40は、ラック連結部22の下方に配置される固定座41と、固定座41に設けられた貫通穴に挿通され、先端部が腕金物51に当接した状態で固定されるボルト42と、で構成される。
これにより、ケーブル搬送装置1をケーブルラック5に安定した姿勢で取り付けることができ、ケーブルCの載せ替え作業がさらに容易になる。
【0029】
また、ケーブル搬送装置1において、フレーム本体部21は、床面に設置するための補助固定部材を取り付け可能に構成されている。これにより、ケーブル搬送装置1を床置き工法に適用することができ、汎用性が向上する。
【0030】
さらに、ケーブル搬送装置1は、搬送ローラー10の軸方向に対向するようにフレーム20に着脱可能に取り付けられる複数のガイドローラー30を備える。これにより、延線時のケーブルCの脱落を確実に防止することができる。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0032】
例えば、実施の形態では、フレーム20と腕金物51を固定するための固定部40として、固定座41とボルト42を用いた場合について説明したが、固定部40の構成はこれに限定されない。例えば、固定部40としてトグルクランプを利用して、フレーム20と腕金物51とを締結するようにしてもよい。
【0033】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0034】
1 ケーブル搬送装置
10 搬送ローラー
20 フレーム
21 フレーム本体部
22 ラック連結部
30 ガイドローラー
5 ケーブルラック
51 腕金物(ケーブル載置面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6