(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023717
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】チューブ圧入装置
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20220201BHJP
F16L 33/00 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
B23P21/00 306D
F16L33/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020126838
(22)【出願日】2020-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】591023985
【氏名又は名称】千代田工販株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 尚志
(74)【代理人】
【識別番号】100181434
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 正明
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩司
(72)【発明者】
【氏名】西尾 一久
【テーマコード(参考)】
3C030
3H017
【Fターム(参考)】
3C030BB11
3C030BC07
3C030BC12
3C030BC19
3C030CA20
3H017DA03
(57)【要約】
【課題】分岐コネクタに対するチューブの接続を容易に行う。
【解決手段】チューブ圧入装置30は、コネクタ台座32と、3対のチューブクランプ33~35と、3つのエアシリンダ36~38と、3つのエアバルブと、2つのスイッチ39a,39bと、コントローラとを備える。コネクタ台座32は、分岐コネクタを下方から支持する。チューブクランプ33~35は、分岐コネクタの第1~第3チューブ接続部と同軸に第1~第3チューブを支持する。スイッチ39a,39bは、操作者からの操作入力を受ける。コントローラは、2つのスイッチ39a,39bへの操作者からの操作入力に応じて3つのエアバルブを開状態にしてエアシリンダ36~38を作動させる。コントローラがエアバルブを開状態にすると、エアシリンダ36~38がチューブクランプ33~35を初期位置からコネクタ台座32側へ移動させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐部から互いに離間する方向へ延びる第1チューブ接続部及び第2チューブ接続部と、前記分岐部から前記第1チューブ接続部及び前記第2チューブ接続部の延設方向と交叉する方向へ延びる第3チューブ接続部とを少なくとも有する分岐コネクタの前記第1チューブ接続部、前記第2チューブ接続部、及び前記第3チューブ接続部のそれぞれを、円筒状の第1チューブ、第2チューブ、及び第3チューブの内径部に圧入するチューブ圧入装置であって、
前記第1チューブ接続部および前記第2チューブ接続部が上下方向と交叉する所定方向へ延び、前記第3チューブ接続部が上方へ延びる状態に前記分岐コネクタを保持し、前記分岐コネクタを下方から支持するコネクタ支持部と、
前記コネクタ支持部の前記所定方向の一側に配置され、前記コネクタ支持部に支持された前記分岐コネクタの前記第1チューブ接続部と同軸に前記第1チューブを支持可能な第1チューブ支持部と、
前記コネクタ支持部の前記所定方向の他側に配置され、前記コネクタ支持部に支持された前記分岐コネクタの前記第2チューブ接続部と同軸に前記第2チューブを支持可能な第2チューブ支持部と、
前記コネクタ支持部の上方に配置され、前記コネクタ支持部に支持された前記分岐コネクタの前記第3チューブ接続部と同軸に前記第3チューブを支持可能な第3チューブ支持部と、
前記第1チューブ支持部を前記コネクタ支持部から前記一側へ離間した初期位置から前記第1チューブ接続部の軸方向に沿って前記他側の前記コネクタ支持部側へ移動させる第1移動手段と、
前記第2チューブ支持部を前記コネクタ支持部から前記他側へ離間した初期位置から前記第2チューブ接続部の軸方向に沿って前記一側の前記コネクタ支持部側へ移動させる第2移動手段と、
前記第3チューブ支持部を前記コネクタ支持部から上方へ離間した初期位置から前記第3チューブ接続部の軸方向に沿って下方の前記コネクタ支持部側へ移動させる第3移動手段と、
前記第1移動手段、前記第2移動手段、及び前記第3移動手段を作動させる制御部と、
操作者からの操作入力を受ける入力部と、を備え、
前記制御部は、前記入力部への操作者からの操作入力に応じて、前記第1移動手段、前記第2移動手段、及び前記第3移動手段を作動させて、前記第1チューブ支持部、前記第2チューブ支持部、及び前記第3チューブ支持部を、前記初期位置から前記コネクタ支持部側へ移動させる
ことを特徴とするチューブ圧入装置。
【請求項2】
請求項1に記載のチューブ圧入装置であって、
前記第1チューブ支持部、前記第2チューブ支持部、及び前記第3チューブ支持部の少なくとも一つのチューブ支持部の前記初期位置から前記コネクタ支持部側への移動を所定の位置までに規制するストッパを備えた
ことを特徴とするチューブ圧入装置。
【請求項3】
請求項2に記載のチューブ圧入装置であって、
前記コネクタ支持部は、前記分岐コネクタの種類に応じて取替可能であり、
前記ストッパは、前記コネクタ支持部に一体的に設けられる
ことを特徴とするチューブ圧入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チューブ圧入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プロテクタ付チューブの圧入装置が記載されている。筒状コネクタと、プロテクタ付チューブとは同一軸線上に配置される。プロテクタ付チューブの上下にはクランプが配置され、クランプはエアシリンダのロッドに固定されて空気圧により上下動するようになっている。エアシリンダはプレートに固定され、エアシリンダにより左右方向に移動できるようになっている。プロテクタ付チューブをクランプで把持した状態で筒状コネクタへ圧入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、流体の流路の分岐部に設けられる分岐コネクタには、少なくとも3つのチューブ接続部が設けられる。このような分岐コネクタの各チューブ接続部をチューブの内径部に圧入する場合、上記特許文献1に記載の圧入装置では、分岐コネクタを圧入装置にセットして一のチューブ接続部をチューブに圧入した後、他のチューブ接続部にチューブを接続するために、分岐コネクタを圧入装置から取り外し、分岐コネクタの向きを変え、分岐コネクタを圧入装置に再度セットする必要がある。上記一のチューブ接続部をチューブに圧入した後、上記他のチューブ接続部にチューブを接続するために、分岐コネクタを圧入装置から取り外し、分岐コネクタの向きを変え、分岐コネクタを圧入装置に再度セットする際、上記一のチューブ接続部には長尺のチューブが接続されているので、作業が煩雑になってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、分岐コネクタに対するチューブの接続を容易に行うことが可能なチューブ圧入装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、分岐部から互いに離間する方向へ延びる第1チューブ接続部及び第2チューブ接続部と、前記分岐部から前記第1チューブ接続部及び前記第2チューブ接続部の延設方向と交叉する方向へ延びる第3チューブ接続部とを少なくとも有する分岐コネクタの前記第1チューブ接続部、前記第2チューブ接続部、及び前記第3チューブ接続部のそれぞれを、円筒状の第1チューブ、第2チューブ、及び第3チューブの内径部に圧入するチューブ圧入装置であって、コネクタ支持部と第1チューブ支持部と第2チューブ支持部と第3チューブ支持部と第1移動手段と第2移動手段と第3移動手段と制御部と入力部とを備える。コネクタ支持部は、第1チューブ接続部および第2チューブ接続部が上下方向と交叉する所定方向へ延び、第3チューブ接続部が上方へ延びる状態に分岐コネクタを保持し、分岐コネクタを下方から支持する。第1チューブ支持部は、コネクタ支持部の上記所定方向の一側に配置され、コネクタ支持部に支持された分岐コネクタの第1チューブ接続部と同軸に第1チューブを支持可能である。第2チューブ支持部は、コネクタ支持部の上記所定方向の他側に配置され、コネクタ支持部に支持された分岐コネクタの第2チューブ接続部と同軸に第2チューブを支持可能である。第3チューブ支持部は、コネクタ支持部の上方に配置され、コネクタ支持部に支持された分岐コネクタの第3チューブ接続部と同軸に第3チューブを支持可能である。第1移動手段は、第1チューブ支持部をコネクタ支持部から上記一側へ離間した初期位置から第1チューブ接続部の軸方向に沿って上記他側のコネクタ支持部側へ移動させる。第2移動手段は、第2チューブ支持部をコネクタ支持部から上記他側へ離間した初期位置から第2チューブ接続部の軸方向に沿って上記一側のコネクタ支持部側へ移動させる。第3移動手段は、第3チューブ支持部をコネクタ支持部から上方へ離間した初期位置から第3チューブ接続部の軸方向に沿って下方のコネクタ支持部側へ移動させる。制御部は、第1移動手段、第2移動手段、及び第3移動手段を作動させる。入力部は、操作者からの操作入力を受ける。制御部は、入力部への操作者からの操作入力に応じて、第1移動手段、第2移動手段、及び第3移動手段を作動させて、第1チューブ支持部、第2チューブ支持部、及び第3チューブ支持部を、初期位置からコネクタ支持部側へ移動させる。
【0007】
上記構成では、分岐コネクタの第1~第3チューブ接続部を第1~第3チューブの内径部に圧入する場合、作業者は、分岐コネクタをコネクタ支持部にセットし、第1~第3チューブを(例えば各チューブの先端を分岐コネクタの各チューブ接続部の先端に当接させた状態で)第1~第3チューブ支持部にセットし、入力部(例えば、作動スイッチ)を操作する。入力部が操作者(作業者)からの操作入力を受けると、制御部は、入力部への操作者からの操作入力に応じて、第1移動手段、第2移動手段、及び第3移動手段を作動させて、第1チューブ支持部、第2チューブ支持部、及び第3チューブ支持部を初期位置から移動させる。第1チューブ支持部、第2チューブ支持部、及び第3チューブ支持部が初期位置から各チューブ接続部の軸方向に沿って移動すると、第1~第3チューブ接続部が第1~第3チューブの内径部に圧入される。このように、分岐コネクタをコネクタ支持部にセットして、第1~第3チューブを第1~第3チューブ支持部にセットして、入力部を操作することによって、第1~第3チューブ接続部を第1~第3チューブの内径部に一度に圧入することができるので、分岐コネクタに対するチューブの接続を容易に行うことができる。
【0008】
また、コネクタ支持部は、分岐コネクタを下方から支持するので、第3チューブ支持部を初期位置から下方のコネクタ支持部側へ移動させて第3チューブの内径部を分岐コネクタの第3チューブ接続部に圧入する際に、分岐コネクタが下方へ移動せず、分岐コネクタの下方へのズレを防止することができる。
【0009】
また、制御部は、入力部への操作者からの操作入力に応じて、第1移動手段、第2移動手段、及び第3移動手段を作動させて、第1チューブ支持部、第2チューブ支持部、及び第3チューブ支持部を、初期位置からコネクタ支持部側へ移動させる。すなわち、分岐コネクタの第1チューブ接続部および第2チューブ接続部に第1チューブ及び第2チューブを圧入している際には、第3チューブ接続部にも第3チューブを圧入している。このように、第1チューブ接続部および第2チューブ接続部に第1チューブ及び第2チューブを圧入している際には、第1チューブ接続部および第2チューブ接続部が延びる方向(上記所定方向)と交叉する方向から第3チューブ接続部に第3チューブを圧入しているので、分岐コネクタが上記所定方向へ移動し難い。このため、チューブの圧入時に、仮に、第1チューブ接続部および第2チューブ接続部に対する上記所定方向の両側からの圧力が異なる場合であっても、分岐コネクタの上記所定方向へのズレを防止することができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のチューブ圧入装置であって、ストッパを備える。ストッパは、第1チューブ支持部、第2チューブ支持部、及び第3チューブ支持部の少なくとも一つのチューブ支持部の初期位置からコネクタ支持部側への移動を所定の位置までに規制する。
【0011】
上記構成では、ストッパが、第1チューブ支持部、第2チューブ支持部、及び第3チューブ支持部の少なくとも一つのチューブ支持部の初期位置からコネクタ支持部側への移動を所定の位置までに規制するので、チューブ接続部をチューブの内径部に圧入する際に、所望の位置よりも深く圧入してしまうことを防止することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様のチューブ圧入装置であって、コネクタ支持部は、分岐コネクタの種類に応じて取替可能である。ストッパは、コネクタ支持部に一体的に設けられる。
【0013】
上記構成では、コネクタ支持部は、分岐コネクタの種類に応じて取替可能であるので、複数種類の分岐コネクタに対応することができる。
【0014】
また、ストッパがコネクタ支持部に一体的に設けられるので、チューブ接続部に対するチューブの圧入距離が分岐コネクタの種類によって異なる場合、所定の分岐コネクタに対応するストッパを上記所定の分岐コネクタに対応するコネクタ支持部に一体的に設けることができ、分岐コネクタの種類に応じてコネクタ支持部を交換するだけで、ストッパも交換することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、分岐コネクタに対するチューブの接続を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】チューブ圧入装置を手前側から視た状態の概略側面図である。
【
図4】コネクタ台座を手前側から視た状態の側面図である。
【
図6】分岐コネクタ及びチューブをセットした状態のチューブ圧入装置の要部の側面図である。
【
図7】分岐コネクタにチューブを圧入した状態のチューブ圧入装置の要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、上下方向は、
図2~
図4、
図6、及び
図7の上下方向に対応し、幅方向は、
図2、
図4、
図6、及び
図7の左右方向に対応する。また、手前側とは、作業者から視て手前側をいい、
図2、
図4、
図6、及び
図7の紙面に対して垂直な方向の上側に対応し、奥側とは、作業者から視て奥側をいい、
図2、
図4、
図6、及び
図7の紙面に対して垂直な方向の下側に対応する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るチューブ圧入装置30は、例えば、車両のエアブレーキのエアの流路が分岐している箇所に設けられる分岐コネクタ11(本実施形態では、三又の分岐コネクタ11)に対してチューブ12~14を圧入するための装置である。
【0019】
分岐コネクタ11は、所定の分岐部15から所定方向に沿って互いに離間する方向へ延びる第1チューブ接続部16及び第2チューブ接続部17と、分岐部15から上記所定方向と交叉する(本実施形態では、直交する)方向へ延びる第3チューブ接続部18とを一体的に有し、内部にエアの流路を区画する。すなわち、本実施形態に係る分岐コネクタ11は、略T状の分岐コネクタ11である。チューブ接続部16~18は、それぞれ略円筒状に形成される。第1チューブ接続部16及び第2チューブ接続部17の軸は、上記所定方向に沿う同一直線上に配置される。チューブ接続部16~18の外周面21には、周方向に延びるチューブ抜け止め用の複数の段差部19がそれぞれ設けられる。チューブ接続部16~18の基端側(分岐部15側)には、チューブ接続部16~18の外周面21から径方向外側へ突出する鍔状のチューブ当接部20がそれぞれ設けられる。
【0020】
チューブ12~14は、樹脂によって円筒状に形成される。チューブ12~14の一端24側の内径部22(エアの流路)には、分岐コネクタ11のチューブ接続部16~18がチューブ圧入装置30によって圧入される。チューブ12~14の一端24側の内径部22に分岐コネクタ11のチューブ接続部16~18を圧入した状態では、チューブ12~14の内周面23が分岐コネクタ11のチューブ接続部16~18の外周面21に密着する。
【0021】
図2に示すように、チューブ圧入装置30は、基台31と、コネクタ台座(コネクタ支持部)32と、3つのストッパボルト(ストッパ)48~50と、3対のチューブクランプ(第1~第3チューブ支持部)33~35と、3つのエアシリンダ(第1~第3移動手段)36~38と、3つのエアバルブ(第1~第3移動手段)51~53(
図8参照)と、2つのスイッチ(入力部)39a,39bと、コントローラ(制御部)40(
図8参照)とを備える。チューブ圧入装置30は、分岐コネクタ11を不動的に支持した状態でチューブ12~14を分岐コネクタ11側へ移動させて、チューブ12~14の内径部22に分岐コネクタ11のチューブ接続部16~18を圧入する。なお、以下の説明では、チューブ12~14の内径部22に分岐コネクタ11のチューブ接続部16~18を圧入することを、「チューブ12~14を圧入する」という。
【0022】
基台31上の幅方向の中央部には、コネクタ台座32を取り付け可能な台座取付部41が設けられる。基台31上の台座取付部41の奥側には、後述する第3チューブクランプ35及び第3エアシリンダ38を支持する基台起立部42が起立している。台座取付部41と基台起立部42との間には、3つのストッパボルト48~50のうちの1つの第3ストッパボルト50が配置されて起立している。第3ストッパボルト50は、その先端50a(上端)の高さ位置を上下に調節可能に、基台31に対して取り付けられる。
【0023】
コネクタ台座32は、分岐コネクタ11を載置可能な台座であって、基台31の台座取付部41に取り外し可能に取り付けられる。分岐コネクタ11には、様々な形状の複数種類の分岐コネクタ11があるので、コネクタ台座32は、分岐コネクタ11に応じた形状の複数種類のコネクタ台座32が準備され、圧入する分岐コネクタ11に応じて取替可能である。分岐コネクタ11にチューブ12~14を圧入する際には、当該分岐コネクタ11に対応するコネクタ台座32を基台31の台座取付部41に取り付け、係るコネクタ台座32に対して分岐コネクタ11を載置する(以下、「分岐コネクタ11をセットする」という。)。
【0024】
図2~
図4に示すように、コネクタ台座32は、ベース部32aと、ベース部32aの上面の幅方向の中央部から上方へ突出するコネクタ保持部32bとを有する。ベース部32aは、基台31の台座取付部41に載置され、台座取付部41に対して取り外し可能に取り付けられる(本実施形態では、ボルト挿通孔43を挿通するボルト(図示省略)によって取り外し可能に固定される)。コネクタ保持部32bは、幅方向から視た状態で、上面側から下方へ凹むように切り欠かれた凹状に形成される。すなわち、コネクタ保持部32bは、幅方向及び上方へ開放されるコネクタ挿入部44を有する。コネクタ挿入部44には、分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16及び第2チューブ接続部17を幅方向に延ばし、且つ第3チューブ接続部18を上方へ延ばした状態で、分岐コネクタ11を挿入可能である。すなわち、分岐コネクタ11をセットする際には、分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16及び第2チューブ接続部17を幅方向に延ばし、且つ第3チューブ接続部18を上方へ延ばした状態で、分岐コネクタ11をコネクタ保持部32bのコネクタ挿入部44に挿入する。コネクタ挿入部44の底面45は、コネクタ挿入部44に挿入される分岐コネクタ11(本実施形態では、分岐コネクタ11の分岐部15)を下方から支持する。コネクタ保持部32bのうちコネクタ挿入部44よりも奥側で起立する奥柱部46は、手前側で起立する手前柱部47よりも低く形成され、コネクタ挿入部44に挿入される分岐コネクタ11を奥側から支持する。コネクタ保持部32bの手前柱部47は、コネクタ挿入部44に挿入される分岐コネクタ11を手前側から支持する。ベース部32aの幅方向の両側面には、3つのストッパボルト48~50のうちの第1ストッパボルト48及び第2ストッパボルト49が取り付けられている。第1ストッパボルト48は、ベース部32aの幅方向の一側面(例えば、手前側から視た状態での左側面)から上記一側へ突出する。第2ストッパボルト49は、ベース部32aの幅方向の他側面(例えば、手前側から視た状態での右側面)から上記他側へ突出する。第1ストッパボルト48及び第2ストッパボルト49のベース部32aからの突出量(第1ストッパボルト48の先端48aの位置及び第2ストッパボルト49の先端49aの位置)は、後述するように、分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16及び第2チューブ接続部17に対するチューブ12,13の圧入長さに応じて設定される。
【0025】
図2、
図5~
図7に示すように、3対のチューブクランプ33~35は、分岐コネクタ11にチューブ12~14を圧入する際に、チューブ12~14を把持(支持)する(以下では、「チューブ12~14をセットする」という。)ためのクランプである。3対のチューブクランプ33~35は、基台31の台座取付部41から上記一側へ離間した位置に配置される1対の第1チューブクランプ(第1チューブ支持部)33と、基台31の台座取付部41から上記他側へ離間した位置に配置される1対の第2チューブクランプ(第2チューブ支持部)34と、基台31の台座取付部41から上方へ離間した位置に配置される1対の第3チューブクランプ(第3チューブ支持部)35とである。
【0026】
第1チューブクランプ33は、幅方向に延びる状態で互いに手前側と奥側に並列状に配置される一対のチューブクランプ33a,33aによって構成され(
図2、
図5~
図7では、手前側のチューブクランプ33aのみが図示されている。)、幅方向にスライド移動可能に基台31に支持される。各チューブクランプ33a,33aは、幅方向に亘って略直線状に延びる断面略円弧状の溝54をそれぞれ有し(
図5参照)、溝54同士を対向させた状態で配置される。溝54内の内周面には、雌ネジ状のすべり止め55が形成される。第1チューブクランプ33は、各チューブクランプ33a,33aの溝54間に第1チューブ12を幅方向に延びるように配置して、各チューブクランプ33a,33a同士を近接させる方向へ(例えば、空気圧等によって)移動させることによって、第1チューブ12を把持可能となっている。第1チューブ12をセットする際には、コネクタ台座32にセットした分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16の先端に第1チューブ12の一端24(先端)の内径部22を当接させて、その状態でチューブクランプ33a,33aを互いに近接する方向へ移動させることによって、第1チューブ12を第1チューブクランプ33によって把持する。第1チューブ12をセットした状態では、分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16の軸と第1チューブ12の軸とが略同軸に配置され(
図6の一点鎖線61参照)、第1チューブ12の一端24側が第1チューブ接続部16の先端部に当接している(
図6参照)。
【0027】
第1チューブクランプ33は、第1エアシリンダ(第1移動手段)36のロッド(図示省略)に対して固定され、台座取付部41に取り付けられたコネクタ台座32から上記一側へ離間した初期位置(
図6参照)と、初期位置よりも上記他側の圧入完了位置(
図7参照)との間を空気圧によってスライド移動可能である。第1エアシリンダ36は、基台31に固定的に設けられて第1エアバルブ(第1移動手段)51(
図8参照)に接続され、第1エアバルブ51が開状態になると第1チューブクランプ33を初期位置から圧入完了位置へ移動させ、第1エアバルブ51が閉状態になると第1チューブクランプ33を圧入完了位置から初期位置へ移動させる。第1チューブクランプ33の下方には、コネクタ台座32の第1ストッパボルト48の先端48aに対向する第1ストッパ壁部56が設けられる。第1ストッパ壁部56は、第1エアシリンダ36のロッド(図示省略)に対して固定され、第1チューブクランプ33の移動時に第1チューブクランプ33とともに幅方向へスライド移動する。第1ストッパ壁部56は、第1チューブクランプ33が初期位置に配置されるときには、コネクタ台座32の第1ストッパボルト48から上記一側へ離間しており(
図6参照)、第1チューブクランプ33が圧入完了位置に配置されるときには、第1ストッパボルト48に当接している(
図7参照)。
【0028】
第2チューブクランプ34は、幅方向に延びる状態で互いに手前側と奥側に並列状に配置される一対のチューブクランプ34a,34aによって構成され(
図2、
図5~
図7では、手前側のチューブクランプ34aのみが図示されている。)、幅方向にスライド移動可能に基台31に支持される。各チューブクランプ34a,34aは、幅方向に亘って略直線状に延びる断面略円弧状の溝をそれぞれ有する。なお、各チューブクランプ34a,34aは、第1チューブクランプ33のチューブクランプ33a,33aと同様の構成を有するため(
図5参照)、以下では詳細な説明を省略する。第2チューブクランプ34は、各チューブクランプ34a,34aの溝間に第2チューブ13を幅方向に延びるように配置して、各チューブクランプ34a,34a同士を近接させる方向へ(例えば、空気圧等によって)移動させることによって、第2チューブ13を把持可能となっている。第2チューブ13をセットする際には、コネクタ台座32にセットした分岐コネクタ11の第2チューブ接続部17の先端に第2チューブ13の一端24(先端)の内径部22を当接させて、その状態でチューブクランプ34a,34aを互いに近接する方向へ移動させることによって、第2チューブ13を第2チューブクランプ34によって把持する。第2チューブ13をセットした状態では、分岐コネクタ11の第2チューブ接続部17の軸と第2チューブ13の軸とが略同軸に配置され(
図6の一点鎖線61参照)、第2チューブ13の一端24側が第2チューブ接続部17の先端部に当接している(
図6参照)。
【0029】
第2チューブクランプ34は、第2エアシリンダ(第2移動手段)37のロッド(図示省略)に対して固定され、台座取付部41に取り付けられたコネクタ台座32から上記他側へ離間した初期位置(
図6参照)と、初期位置よりも幅方向の上記一側の圧入完了位置(
図7参照)との間を空気圧によってスライド移動可能である。第2エアシリンダ37は、基台31に固定的に設けられて第2エアバルブ(第2移動手段)52に接続され、第2エアバルブ52(
図8参照)が開状態になると第2チューブクランプ34を初期位置から圧入完了位置へ移動させ、第2エアバルブ52が閉状態になると第2チューブクランプ34を圧入完了位置から初期位置へ移動させる。第2チューブクランプ34の下方には、コネクタ台座32の第2ストッパボルト49の先端49aに対向する第2ストッパ壁部57が設けられる。第2ストッパ壁部57は、第2エアシリンダ37のロッド(図示省略)に対して固定され、第2チューブクランプ34の移動時に第2チューブクランプ34とともに幅方向へスライド移動する。第2ストッパ壁部57は、第2チューブクランプ34が初期位置に配置されるときには、コネクタ台座32の第2ストッパボルト49から上記他側へ離間しており(
図6参照)、第2チューブクランプ34が圧入完了位置に配置されるときには、第2ストッパボルト49に当接している(
図7参照)。
【0030】
第3チューブクランプ35は、上下方向に延びる状態で互いに幅方向両側に並列状に配置される一対のチューブクランプ35a,35aによって構成され、上下方向にスライド移動可能に基台起立部42に支持される。各チューブクランプ35a,35aは、上下方向に亘って略直線状に延びる断面略円弧状の溝をそれぞれ有する。なお、各チューブクランプ35a,35aは、第1チューブクランプ33のチューブクランプ33a,33aと同様の構成を有するため(
図5参照)、以下では詳細な説明を省略する。第3チューブクランプ35は、各チューブクランプ35a,35aの溝間に第3チューブ14を上下方向に延びるように配置して、各チューブクランプ35a,35a同士を近接させる方向へ(例えば、空気圧等によって)移動させることによって、第3チューブ14を把持可能となっている。第3チューブ14をセットする際には、コネクタ台座32にセットした分岐コネクタ11の第3チューブ接続部18の先端に第3チューブ14の一端24(先端)の内径部22を当接させて、その状態でチューブクランプ35a,35aを互いに近接する方向へ移動させることによって、第3チューブ14を第3チューブクランプ35によって把持する。第3チューブ14をセットした状態では、分岐コネクタ11の第3チューブ接続部18の軸と第3チューブ14の軸とが略同軸に配置され(
図6の一点鎖線62参照)、第3チューブ14の一端24側が第3チューブ接続部18の先端部に当接している(
図6参照)。
【0031】
第3チューブクランプ35は、第3エアシリンダ(第3移動手段)38のロッド(図示省略)に対して固定され、台座取付部41に取り付けられたコネクタ台座32から上側へ離間した初期位置(
図6参照)と、初期位置よりも下側の圧入完了位置(
図7参照)との間を空気圧によってスライド移動可能である。第3エアシリンダ38は、基台起立部42に固定的に設けられて第3エアバルブ(第3移動手段)53(
図8参照)に接続され、第3エアバルブ53が開状態になると第3チューブクランプ35を初期位置から圧入完了位置へ移動させ、第3エアバルブ53が閉状態になると第3チューブクランプ35を圧入完了位置から初期位置へ移動させる。第3チューブクランプ35の奥側には、コネクタ台座32の第3ストッパボルト50の先端50aに対向する第3ストッパ壁部58が設けられる。第3ストッパ壁部58は、第3エアシリンダ38のロッド(図示省略)に対して固定され、第3チューブクランプ35の移動時に第3チューブクランプ35とともに上下方向へスライド移動する。第3ストッパ壁部58は、第3チューブクランプ35が初期位置に配置されるときには、コネクタ台座32の第3ストッパボルト50から上方へ離間しており(
図6参照)、第3チューブクランプ35が圧入完了位置に配置されるときには、第3ストッパボルト50に当接している(
図7参照)。
【0032】
スイッチ39a,39bは、基台31に対して固定的に設けられる押しボタン式のスイッチであって、操作者から押圧操作されることによって操作者からの操作入力を受ける。スイッチ39a,39bは、コントローラ40に対して有線接続または無線接続(本実施形態では、有線接続)される。
【0033】
図8に示すように、コントローラ40は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と記憶部(RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)など)等によって構成され、記憶部が記憶する各種プログラムをCPUが実行することにより、3つのエアシリンダ36~38を作動させる制御部として機能する。コントローラ40は、2つのスイッチ39a,39bの双方が押圧操作されると、3つのエアバルブ51~53を略同時に開状態にし、その後、所定の時間が経過すると3つのエアバルブ51~53を閉状態にする。すなわち、本実施形態では、コントローラ40は、2つのスイッチ39a,39bのうちのいずれか一方のスイッチのみが押圧操作されても、エアバルブ51~53を開状態にしない。コントローラ40が3つのエアバルブ51~53を開状態にすると、3つのエアシリンダ36~38が3つのチューブクランプ33~35を初期位置から圧入完了位置へ移動させ、コントローラ40が3つのエアバルブ51~53を閉状態にすると、3つのチューブクランプ33~35が把持状態を解除し、3つのエアシリンダ36~38が3つのチューブクランプ33~35を圧入完了位置から初期位置へ移動させる。
【0034】
次に3つのストッパボルト48~50の長さの設定について説明する。
図6に示すように、第1ストッパボルト48の長さは、初期位置の第1ストッパ壁部56から第1ストッパボルト48の先端48aまでの距離L1が、第1チューブ12をセットした状態の第1チューブ12の一端24から第1チューブ接続部16の鍔状のチューブ当接部20までの距離L1’と同じ距離になるように設定される。第2ストッパボルト49の長さは、初期位置の第2ストッパ壁部57から第2ストッパボルト49の先端49aまでの距離L2が、第2チューブ13をセットした状態の第2チューブ13の一端24から第2チューブ接続部17の鍔状のチューブ当接部20までの距離L2’と同じ距離になるように設定される。第3ストッパボルト50の長さは、初期位置の第3ストッパ壁部58から第3ストッパボルト50の先端50aまでの距離L3が、第3チューブ14をセットした状態の第3チューブ14の一端24から第3チューブ接続部18の鍔状のチューブ当接部20までの距離L3’と同じ距離になるように設定される。
【0035】
次に、チューブ圧入作業について説明する。各チューブ12~14を圧入する際には、作業者は、先ず、コネクタ台座32を基台31の台座取付部41に取り付け、コネクタ台座32に分岐コネクタ11をセットする。次に、作業者は、各チューブクランプ33~35に各チューブ12~14をセットする。最後に、作業者は、2つのスイッチ39a,39bの双方を押圧操作する。2つのスイッチ39a,39bの双方が押圧操作されると、コントローラ40は、各エアバルブ51~53を略同時に開状態にし、各エアシリンダ36~38が各チューブクランプ33~35を初期位置から圧入完了位置へ移動させる。圧入完了位置では、各ストッパ壁部56~58が各ストッパボルト48~50の先端48a~50aに当接することによって、圧入完了位置よりもコネクタ台座32側への各チューブクランプ33~35の移動が規制される。圧入完了位置では、各チューブ12~14の一端24(先端)が分岐コネクタ11の各チューブ接続部16~18のチューブ当接部20に当接している。各エアバルブ51~53が開状態にされてから上記所定の時間が経過すると、コントローラ40は、各エアバルブ51~53を閉状態にする。各エアバルブ51~53が閉状態になると、各チューブクランプ33~35が把持状態を解除し、各エアシリンダ36~38が各チューブクランプ33~35を圧入完了位置から初期位置へ移動させる。
【0036】
上記のように構成されたチューブ圧入装置30では、作業者は、分岐コネクタ11をコネクタ台座32にセットして、各チューブ12~14を各チューブクランプ33~35にセットして、スイッチ39a,39bを操作する。これにより、各チューブ12~14を分岐コネクタ11の各チューブ接続部16~18に一度に圧入することができるので、分岐コネクタ11に対するチューブ12~14の接続を容易に行うことができる。
【0037】
また、コネクタ台座32は、分岐コネクタ11を下方から支持するので、第3チューブ14を分岐コネクタ11の第3チューブ接続部18に圧入する際に、分岐コネクタ11が下方へ移動せず、分岐コネクタ11の下方へのズレを防止することができる。
【0038】
また、コントローラ40は、2つのスイッチ39a,39bの双方が押圧操作されると、3つのエアバルブ51~53を略同時に開状態にして、3つのチューブクランプ33~35を初期位置からコネクタ台座32側へ移動させる。すなわち、第1チューブ12及び第2チューブ13を分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16および第2チューブ接続部17に圧入している際には、第3チューブ14も第3チューブ接続部18に圧入している。このように、第1チューブ12及び第2チューブ13を分岐コネクタ11の第1チューブ接続部16および第2チューブ接続部17に圧入している際には、第1チューブ接続部16および第2チューブ接続部17が延びる方向(上記所定方向)と交叉する方向から第3チューブ14を第3チューブ接続部18に圧入しているので、分岐コネクタ11の上記所定方向への移動を抑えることができる。このため、チューブ12~14の圧入時に、仮に、第1チューブ接続部16および第2チューブ接続部17に対する上記所定方向の両側からの圧力が異なる場合であっても、分岐コネクタ11の上記所定方向へのズレを防止することができる。
【0039】
また、ストッパボルト48~50が、チューブクランプ33~35の初期位置からコネクタ台座32側への移動を所定の位置までに規制するので、チューブ12~14の圧入時に、チューブ12~14を所望の位置(本実施形態では、分岐コネクタ11のチューブ当接部20に当接する位置)よりも深く圧入してしまうことを防止することができる。
【0040】
また、コネクタ台座32は、分岐コネクタ11の種類に応じて取替可能であるので、複数種類の分岐コネクタ11に対応することができる。
【0041】
また、ストッパボルト48,49がコネクタ台座32に一体的に設けられるので、分岐コネクタ11のチューブ接続部16,17に対するチューブ12,13の圧入距離が分岐コネクタ11の種類によって異なる場合、所定の分岐コネクタ11の圧入距離に対応する長さのストッパボルト48,49を、上記所定の分岐コネクタ11に対応するコネクタ台座32に一体的に設けることができる。このため、分岐コネクタ11の種類に応じてコネクタ台座32を交換するだけで、ストッパボルト48,49も交換することができる。
【0042】
従って、本実施形態によれば、分岐コネクタ11に対するチューブ12~14の接続を容易に行うことができる。
【0043】
なお、本実施形態では、3つのエアバルブ51~53を設け、コントローラ40が各エアバルブ51~53を開閉することによって、3つのエアシリンダ36~38を作動させたが、これに限定されるものではない。例えば、3つのエアシリンダ36~38に対して接続される1つのエアバルブを設け、コントローラ40が前記1つのエアバルブを開閉することによって、3つのエアシリンダ36~38を作動させてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、2つのスイッチ(入力部)39a,39bを設けたが、入力部の数は2つに限定されるものではない。また、本実施形態では、押しボタン式のスイッチ39a,39bを設けたが、これに限定されるものではなく、操作者からの操作入力を受けることが可能な様々な態様の入力部を設けることができる。
【0045】
また、本実施形態では、チューブクランプ33~35を移動させる移動手段として、エアシリンダ(第1~第3移動手段)36~38とエアバルブ(第1~第3移動手段)51~53とを設けたが、移動手段はこれに限定されるものではなく、例えば、電力によって駆動するモータ等の移動手段を設けてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、分岐コネクタ11をコネクタ台座32に載置することによって、分岐コネクタ11をコネクタ台座32にセットしたが、これに限定されるものではなく、分岐コネクタ11をコネクタ台座32に載置した後、分岐コネクタ11の倒れを防止することによって、分岐コネクタ11をコネクタ台座32にセットしてもよい。例えば、コネクタ台座32のコネクタ保持部32bの手前柱部47の奥側面のうち奥柱部46よりも上方の領域に対して奥側から分岐コネクタ11を押しつけることが可能なコネクタ保持手段を基台31の台座取付部41よりも奥側に設け、分岐コネクタ11をコネクタ台座32に載置した後、前記コネクタ保持手段によって分岐コネクタ11の倒れを防止してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、コネクタ台座32側へのチューブクランプ33~35の移動を規制するストッパとして、ストッパボルト48~50を設けたが、ストッパはこれに限定されるものではなく、他の構造であってもよい。例えば、チューブクランプ33~35側のストッパ壁部56~58に当接可能な突起部等のストッパを基台31側に設けてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、2つのストッパボルト(ストッパ)48,49をコネクタ台座32に設け、1つのストッパボルト(ストッパ)50を基台31側に設けたが、これに限定されるものではない。例えば、3つのストッパのうちのいずれか1つのストッパをコネクタ台座32に設けてもよいし、または、3つのストッパのうちの任意の2つのストッパをコネクタ台座32に設けてもよいし、または、3つのストッパの全てをコネクタ台座32に設けてもよい。或いは、コネクタ台座32側へのチューブクランプ33~35の移動を規制するストッパを設けなくてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、コネクタ台座32を基台31の台座取付部41に取り外し可能としたが、これに限定されるものではなく、コネクタ台座32を基台31側に固定的に設けてもよい。
【0050】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【0051】
例えば、上記実施形態では、分岐コネクタ11を、所定の分岐部15から上記所定方向に沿って互いに離間する方向へ延びる第1チューブ接続部16及び第2チューブ接続部17と、分岐部15から上記所定方向と交叉する方向へ延びる第3チューブ接続部18とを一体的に有し、略T状に分岐する三又の分岐コネクタ11としたが、上記3つのチューブ接続部16~18に加えて、第3チューブ接続部18の延設方向及び上記所定方向の双方と交叉する方向へ延びる第4チューブ接続部を有する四又の分岐コネクタとしてもよい。この場合、チューブ圧入装置30に、上記第4チューブ接続部にチューブを圧入するための構造を設けてもよいし、或いは設けなくてもよい。すなわち、本開示に係るチューブ圧入装置30は、少なくとも上記3つのチューブ接続部16~18を有する分岐コネクタの上記3つのチューブ接続部16~18にチューブ12~14を圧入可能な装置である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、分岐コネクタの各チューブ接続部へチューブを圧入するチューブ圧入装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
11:分岐コネクタ
12:第1チューブ
13:第2チューブ
14:第3チューブ
15:分岐部
16:第1チューブ接続部
17:第2チューブ接続部
18:第3チューブ接続部
30:チューブ圧入装置
32:コネクタ台座(コネクタ支持部)
33:第1チューブクランプ(第1チューブ支持部)
34:第2チューブクランプ(第2チューブ支持部)
35:第3チューブクランプ(第3チューブ支持部)
36:第1エアシリンダ(第1移動手段)
37:第2エアシリンダ(第2移動手段)
38:第3エアシリンダ(第3移動手段)
39a,39b:スイッチ(入力部)
40:コントローラ(制御部)
48:第1ストッパボルト(ストッパ)
49:第2ストッパボルト(ストッパ)
50:第3ストッパボルト(ストッパ)
51:第1エアバルブ(第1移動手段)
52:第2エアバルブ(第2移動手段)
53:第3エアバルブ(第3移動手段)