(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023744
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】ゴキブリ捕獲容器
(51)【国際特許分類】
A01M 1/14 20060101AFI20220201BHJP
A01M 1/02 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
A01M1/14 E
A01M1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020137659
(22)【出願日】2020-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】308003220
【氏名又は名称】坂本 英治
(72)【発明者】
【氏名】坂本 英治
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA17
2B121BA09
2B121BA12
2B121BA42
2B121BA47
2B121BA58
2B121CC11
2B121EA01
2B121FA15
(57)【要約】
【課題】粘着式ゴキブリ捕獲器において、ゴキブリに粘着剤を認識させず警戒心を解き、狭い入口を好む習性を利用し効率よく捕獲する捕獲器を提供する。
【解決手段】所定形状に打ち抜いた一枚のシート3を組み立てた捕獲容器2において、内部粘着面30と垂直方向に距離Hを確保した上部に侵入口20を設け、その侵入口20に誘導足場となる平板23及び24を形成し、床粘着面30の中央に誘引剤40を固定する。また、側面板10の一部を切り抜いた面に透明フィルム70を張り、内部粘着面30を確認できる窓4を設置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内にゴキブリを捕獲するゴキブリ捕獲器であって、容器1の上部に側面板10から連続する上部端辺部の縁21から下側にビニール様の幕22を垂らし、その対称に形成した幕22と幕22の隙間50を侵入口20としたことを特徴とする捕獲器。
【請求項2】
容器内にゴキブリを捕獲するゴキブリ捕獲器であって、容器2の上部に側面板10から連続する上部端辺部を下側に垂壁状に平板23を形成し、その対称に形成した平板23と平板23の隙間50を侵入口20としたことを特徴とする捕獲器。
【請求項3】
所定形状に打ち抜いたシート3を折り曲げて組み立てる箱状の容器に、請求項1及び請求項2に記載の侵入口20が形成されていることを特徴とする捕獲器。
【請求項4】
前記捕獲器の側面板10に内部の状況を視認できるように開口し、透明ビニール様のフィルム70を施した確認窓4を設けていることを特徴とする捕獲器。
【請求項5】
前記の上部に侵入口20を設けた捕獲器において、同容器内の底面床上30に粘着剤30を塗布し、その中央部に誘引剤40を設置したゴキブリ捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器内にゴキブリを捕獲するゴキブリ捕獲器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴキブリの駆除で殺虫剤を使わない方法として、粘着剤で捕獲する方法がある。具体的には、容器側面に侵入口を有する容器内床面に粘着剤を塗布した組立式のゴキブリ捕獲器をゴキブリの出没する場所に配置し、侵入口から容器内に進入したゴキブリを粘着剤で捕獲する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係るゴキブリ捕獲器は、誘引剤によりゴキブリを容器内部へ誘導し床面の粘着層でゴキブリを粘着固定させるものであるが、容器の側面に侵入口があり、粘着剤と近接されているため、容器内に進入したゴキブリの一部は粘着剤を認識し、反転して容器外に出ることがある。このように、ゴキブリは警戒心が非常に強く、学習能力があり、一度引き返したゴキブリは捕獲するのが困難で粘着剤を使用した従来の捕獲器については捕獲効率が低下していた。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、侵入口20を容器の上部に設けることにより、侵入口20の下端部25と粘着面30との垂直距離Hを保ち、ゴキブリが粘着剤30を認識し難くなる。このように、ゴキブリの警戒心を解き、入りやすい構造にすることにより捕獲率を向上させる捕獲器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため、本発明はゴキブリの侵入口20を容器上部に設けて、侵入口20の下端部25と床面粘着剤30との距離Hを上下方向に一定の高さ保つことにより、ゴキブリが粘着剤30を直接認識し難くさせたことを特徴とするものである。
【0007】
上記の捕獲容器1の上部に設けた侵入口20は側面板10から連続する上部端辺部の縁21から下側にビニール様の幕22を垂らし、左右対称に垂らした幕22と幕22との隙間50を侵入口20とし、その幕23が誘導足場となりゴキブリが入りやすくしたことを特徴とするものである。
【0008】
同様に捕獲容器2の上部に設けた侵入口20は側面板10から連続する上部端辺部を下側に垂壁状になるよう平板23及び24を形成し、左右対称に形成した平板23と平板23との隙間50を侵入口20とし、その平板23が誘導足場となりゴキブリが入りやすくしたことを特徴とするものである。
【0009】
また、侵入口20の隙間50から内部床面30に設置している誘引剤40の匂いが容器外に漏れて誘引作用が確保されることを特徴とするものである。
【0010】
この発明の捕獲容器1及び2は上部に設けた侵入口20を横長にすることで、侵入口20の範囲を確保したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は捕獲容器1及び2の上部に侵入口20を設置したことにより、侵入口20の下端部25と粘着面30との垂直距離Hが確保され、ゴキブリが粘着剤40を認識することが難しくなり、警戒心を解き、引き返すゴキブリを減らすことができる。
【0012】
さらに、同容器1及び2の横長にした侵入口20の下側にビニール様の幕22又は平板23を形成したことでゴキブリの誘導足場となり、侵入しやすい構造となった。また、ゴキブリは狭い隙間を好んで通る習性があるため、上記構造の侵入口20は捕獲効率の向上につながる。
【0013】
前述のように、上部侵入口20から侵入したゴキブリは粘着面30に飛び降りて確実に接着固定されるため、脱走するゴキブリを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施例を示す概略斜視図(a)及び断面図(b)である。
【
図2】第2実施例の1案を示す概略斜視図(c)及び断面図(d)である。
【
図3】第2実施例の2案を示す概略斜視図(e)及び断面図(f)である。
【
図4】
図3の実施形態について、所定形状に打ち抜いたシート3を折りまげて組み立てる容器の展開図例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すゴキブリ捕獲器1において、容器の上部に横長の侵入口20を設け、その縁21から一定幅のビニール様の幕22を下方へ垂らした構成となり、ゴキブリはその幕22が有ることにより内部へ侵入する際の誘導足場となる。
【0016】
また、幕22と幕22の隙間50から内部の床面30に設置している誘引剤40の匂いが容器外へ漏れることにより誘引作用が確保される。
【0017】
さらに、上部の侵入口20から垂らした幕22の下端部25から内部床面30までの垂直距離Hをゴキブリが粘着剤30の有無を直接認識できない高さに設定している。
【0018】
図2及び
図3に示すゴキブリ捕獲器2において、容器の上部に設けた侵入口20は側面板10から連続する上部端辺部を下側に垂壁状になるよう平板23及び24を形成し、その左右対称に形成した平板23と平板23との隙間50を侵入口20とし、ゴキブリはその平板23が有ることにより内部へ侵入する際の誘導足場となる。
【0019】
また、平板23と平板23の隙間50から、内部の床面30に設置している誘引剤40の匂いが容器外へ漏れることにより誘引作用が確保される。
【0020】
さらに、上部の侵入口20に形成している平板23の下端部25から内部床面30までの垂直距離Hをゴキブリが粘着剤30を直接認識できない高さに設定している。
【0021】
前述した各容器には、内部の床粘着面30の状況を視認できるように、側面板10を切り抜き線60でくり抜いた面に透明フィルム70を施した確認窓4を設けている。
【実施例0022】
続いて、本発明の実施例について説明する、
図4は
図3の実施形態について、所定形状に打ち抜いたシート3を折り曲げて組み立てる容器の展開図例を示したもので、シート3には複数の折り曲げ線80と切り込み線90を有し、それらを利用し、
図3(e)の概略斜視図のように立体的な容器に組み立てる。