(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023765
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】メモリカードロック装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/78 20130101AFI20220201BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20220201BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20220201BHJP
【FI】
G06F21/78
G06F21/60 320
G06F21/31
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002332
(22)【出願日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】109125231
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514239844
【氏名又は名称】民傑資科股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 良信
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、既存技術の不足に対してメモリカードに適用するメモリカードロック装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、外付けカードリーダーを含むメモリカードロック装置を開示する。外付けカードリーダーは、メモリカードが挿入できるカードスロットを有する。外付けカードリーダーは、メインコントローラーを含む。メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからロック命令を受けて、ロック命令に従ってメモリカードに対してロックプロセスを行うことにより、外付けカードリーダー以外の装置がメモリカード内保存されたデータの確認又はアクセスのためにメモリカードをリード又は認識できないように、メモリカードをロックする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードに適用し、前記メモリカードが挿入し得るカードスロットを有する外付けカードリーダーが含まれるメモリカードロック装置であって、
前記外付けカードリーダーは、メインコントローラーを含み、前記メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからロック命令を受けて、前記ロック命令に従って前記メモリカードに対してロックプロセスを行うことにより、前記外付けカードリーダー以外の装置のいずれも、前記メモリカードに保存されたデータの確認又はアクセスのために前記メモリカードをリード又は認識できないように、前記メモリカードをロックし、
前記メインコントローラーが前記ロックプロセスを実行する時、前記メモリカード内に保存されたデータに暗号化プログラムを行って暗号化ファイルを生成することではなく、前記メモリカードの全体をロックすることになる、ことを特徴とする、メモリカードロック装置。
【請求項2】
前記メインコントローラーは、前記アプリケーションソフトウェアから状態命令を受け、前記状態命令に従って、前記メモリカードの状態情報を前記アプリケーションソフトウェアに伝送し、前記状態情報は、前記メモリカードと前記外付けカードリーダーとの接続状態、前記メモリカードのロック状態又はロック解除状態、前記メモリカード内のメモリ空間の使用状態及びデータ保存状態、前記メモリカードの稼働状態、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項3】
前記メインコントローラーは、前記アプリケーションソフトウェアからロック解除命令を受け、前記ロック解除命令に従って、前記メモリカードに対し解除プロセスを実行し、前記メモリカードをロック解除し、それにより、既に解除された前記メモリカードが挿入された電子装置が、前記メモリカードをリード又は認識し得ると共に、さらに前記メモリカードとの間のデータの転送を行うことを可能にする、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項4】
前記メインコントローラーは、前記アプリケーションソフトウェアからデータアクセス命令を受け、前記データアクセス命令に従って、前記メモリカード内に保存されたデータを前記アプリケーションソフトウェアに転送する、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項5】
前記メインコントローラーは、前記アプリケーションソフトウェアからデータ保存命令を受け、前記データ保存命令に従って、前記アプリケーションソフトウェアがインストールされた電子装置内のデータを前記メモリカードに伝送して保存する、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項6】
前記外付けカードリーダーはさらに、前記メインコントローラーに接続するデータバックアップモジュールを含み、前記メインコントローラーは、自動的に、又は前記アプリケーションソフトウェアによるデータ転送命令に従って受動的に、前記メモリカードの保存されたデータを取得する、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項7】
前記外付けカードリーダーは前記メインコントローラーに接続するデータバックアップモジュールをさらに含み、前記メインコントローラーは、前記アプリケーションソフトウェアからデータバックアップ命令を受け、前記データバックアップ命令に従って、電子装置から取得したデータを保存する、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項8】
前記メインコントローラーは、前記メモリカードの一意識別子を認識して、前記メモリカードをパスワードでロックした後、前記一意識別子及びそれに対応した前記パスワードを記憶する、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項9】
前記メモリカードは、ストレージモジュール及びストレージコントローラーを含み、前記ストレージコントローラーは、前記ストレージモジュールに接続され、前記ストレージコントローラーは、前記ストレージモジュールがデータを保存するように制御し、さらに、前記ロック命令に従って、前記ロックプロセスを実行する、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【請求項10】
前記外付けカードリーダーは、電子装置が前記外付けカードリーダーに接続した時、前記電子装置を充電し、前記充電モジュールが外部電源に接続した時、前記外部電源が前記充電モジュールを充電するように用いられる充電モジュールをさらに含む、請求項1に記載のメモリカードロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードに関し、特にメモリカードロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリは、不揮発性、省電力、小型化、機械的構造を持たない等の特性を有するため、幅広い電子機器に使用されている。例えば、フラッシュメモリカードは、その小型で大容量であることから、内部記憶媒体として使用されている。
【0003】
携帯性を高めるために、フラッシュメモリカードのデザインがコンパクトになり、比較的紛失しやすく、データ漏洩の原因になりやすい。その結果、フラッシュメモリカード上のデータを保護するためのデータ暗号化や認証技術が数多く開発されている。例えば、データにアクセスするために使用者にパスワードを入力させる技術では、データのセキュリティを向上させるために、複数のパスワードによるクロスバリデーションを使用するケースが増えている。
【0004】
また、フラッシュメモリカードの中には、オペレーティングシステムなどのプラットフォームにパスワードでの保護を自動で実行する機能を提供することにより、コンピュータシステムがフラッシュメモリカードを検出すると、自動的に上記の機能を実行してユーザにパスワードを要求するものもある。しかし、フラッシュメモリカードの所有者がメモリカードを利用したいときに毎回パスワードを入力しなければならないのであれば、不便なこととなる。特に、メモリカードを紛失した場合には、パスワードが破られて、メモリカードに格納されているデータが外部に漏れる可能性がある。
【0005】
さらに、パスワードで保護されたデータは、パスワードを入力する回数を制限するのが一般的であり、デフォルト値以上の間違ったパスワードを入力すると、フラッシュカードがロックされる。この場合、専用のソフトウェアを使用するか、端末メーカーのサービス窓口に出向いてロックを解除しなければならず、時間と手間がかかるようになってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本本発明が解決しようとする課題は、既存技術の不足に対してメモリカードに適用するメモリカードロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
メモリカードロック装置は、外付けカードリーダーを含む。外付けカードリーダーは、メモリカードが挿入できるカードスロットを有する。外付けカードリーダーは、メインコントローラーを含む。メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからロック命令を受けて、ロック命令に従ってメモリカードに対してロックプロセスを実行するように用いられ、それにより、メモリカードをロックすることで、外付けカードリーダーに外の装置のいずれも、メモリカードをリード又は認識できないため、さらにメモリカードに保存されたデータを確認及びアクセスできない。メインコントローラーがロックプロセスを実行する場合、メモリカードの全体に対してロックするが、メモリカード内に保存されたデータに対して暗号化プログラムが実行されないため、暗号化ファイルの作成は行われない。
【0008】
特定の実施形態において、メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアから状態命令を受けて、状態命令に従ってメモリカードの状態情報をアプリケーションソフトウェアに転送する。該状態情報は、メモリカードと外付けカードリーダーとの接続状態、メモリカードのロック状態又はロック解除状態、メモリカードにおけるメモリ空間の使用状態及びデータ保存状態、メモリカードの稼働状態、又はそれらの状態の任意の組み合わせを含む。
【0009】
特定の実施形態において、メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからロック解除命令を受け、ロック解除命令に従ってメモリカードに対して解除プロセスを実行し、それにより、メモリカードをロック解除して、ロック解除されたメモリカードが挿入された電子機器が、メモリカードとの間でデータを読み取ったり、識別したり、転送したりすることを可能にする。
【0010】
特定の実施形態において、メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからデータアクセス命令を受けて、データアクセス命令に従ってメモリカードに保存されたデータをアプリケーションソフトウェアに転送する。
【0011】
特定の実施形態において、メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからデータ保存命令を受け、データ保存命令に従ってアプリケーションソフトウェアがインストールされている電子装置内のデータをメモリカードに保存するためにメモリカードに転送する。
【0012】
特定の実施形態において、外付けカードリーダーはさらに、メインコントローラーに接続されるデータバックアップモジュールを含む。データバックアップモジュールによって、メインコントローラーが、自動的に、又はアプリケーションソフトウェアによるデータ転送命令に従って受動的に、メモリカード内のデータを取得して保存することができる。
【0013】
特定の実施形態において、外付けカードリーダーはさらに、メインコントローラーに接続されるデータバックアップモジュールを含む。データバックアップモジュールによって、メインコントローラーは、アプリケーションソフトウェアからデータバックアップ命令を受け、データバックアップ命令に従って、電子装置から取得したデータを保存することができる。
【0014】
特定の実施形態において、メインコントローラーは、メモリカードの一意識別子を認識して、パスワードでメモリカードをロックしてから、一意識別子及びそれに対応したパスワードを記憶する。
【0015】
特定の実施形態において、メモリカードは、ストレージモジュール、及びストレージモジュールに接続されるストレージコントローラーを含む。前記ストレージコントローラーは、ストレージモジュールがデータを保存するように制御すると共に、ロック命令に従ってロックプロセスを実行する。
【0016】
特定の実施形態において、外付けカードリーダーは、電子装置が外付けカードリーダーに接続した時、電子装置を充電するために用いられる充電モジュールをさらに含む。充電モジュールが外部電源に接続した時、外部電源が前記充電モジュールを充電する。
【発明の効果】
【0017】
上記のように、本発明が提供するメモリカードロック装置は、外付けカードリーダーが、電子装置内にインストールされたアプリケーションソフトウェアによるロック命令に従って、メモリカードをロックすることにより、メモリカードが紛失した時、メモリカード内に保存された個人情報や会社の重要な機密情報等の洩れを防止することができる。
【0018】
本発明におけるメモリカードに対してロック等のプロセスを行う外付けカードリーダーは、コンピューター等の電子装置に内蔵されたものではない小型の外付けの装置であるため、持ち運びに便利で、複数の電子機器や各種OSに対応したメモリカードの装着に適している。操作の面では、メモリカードを外付けカードリーダーに挿入するだけで、自動的にロックしたり、ロック解除したりすることができるため、手動でパスワードやキーを入力する必要はなく、使用性は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置を示す外観模式図である。
【
図2A】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置及びメモリカードを示す外観模式図である。
【
図2B】本発明に係る実施形態のメモリカードがメモリカードロック装置に挿入される過程を示す模式図である。
【
図2C】本発明に係る実施形態のメモリカードがメモリカードロック装置に挿入された状態を示す使用状態模式図である。
【
図3】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の外付けカードリーダーと携帯電話との間で転送を行う例を示す模式図である。
【
図4】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の外付けカードリーダーとメモリカードとの間、及び外付けカードリーダーと電子装置との間で転送を行う例を示す模式図である。
【
図5】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の複数の外付けカードリーダーの各々が、対応した単一のメモリカード及び単一の電子装置と転送を行う例を示す模式図である。
【
図6】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の複数の外付けカードリーダーが、単一の電子装置による命令に従って、複数のメモリカードをそれぞれロックすることを示す模式図である。
【
図7】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の外付けカードリーダーが、電子装置による命令に従って、外付けカードリーダーに挿入されたメモリカードの中の1つをロックすること示す模式図である。
【
図8】本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置にメモリカードが挿入されると共に、そのメモリカードロック装置がラップトップに接続される状態を示す使用状態模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0021】
下記より、具体的な実施例で本発明に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0022】
図1、
図2A乃至
図2Cを参照されたい。なかでも、
図1は、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置を示す外観模式図である。
図2Aは、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置及びメモリカードを示す外観模式図である。
図2Bは、本発明に係る実施形態のメモリカードがメモリカードロック装置に挿入される過程を示す模式図である。
図2Cは、本発明に係る実施形態のメモリカードがメモリカードロック装置に挿入された状態を示す使用状態模式図である。
【0023】
本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置は、
図1に示した外付けカードリーダーQU1を含んでもよい。例えば、
図1に示すように、外付けカードリーダーQU1は、単一のカードスロットST1及び単一のUSBポートUB1を有してもよいが、本発明はこの例に制限されない。実用上では、外付けカードリーダーのカードスロット及びUSBポートの規格、形態、カードスロットの増設数は、実際のニーズに応じて変更してもよい。
【0024】
図2Aに示すように、カードスロットST1の規格に適合するメモリカードMYC1を用意して、メモリカードMYC1をカードスロットST1に向くようにする。
図2Bに示すように、メモリカードMYC1をカードスロットST1に、
図2Cに示すようにメモリカードMYC1がカードスロットST1に挿入された状態まで徐々に押し込む。
【0025】
図3を参照されたい。
図3は、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の外付けカードリーダーと携帯電話との間で転送を行う例を示す模式図である。
【0026】
図3に示すように、携帯電話PHN1には、アプリケーションソフトウェアがインストールされてもよい。
図2C及び
図3に示すように、メモリカードMYC1を外付けカードリーダーQU1のカードスロットST1に挿入した後、携帯電話PHN1は、アプリケーションソフトウェアを介して、外付けカードリーダーQU1と例えば命令、データ、情報、信号などの一方向または双方向転送を行うことができる。例えば、携帯電話PHN1は、アプリケーションソフトウェアを介して、外付けカードリーダーQU1にロック命令を与えて、それにより、外付けカードリーダーQU1がメモリカードMYC1に対してロックプロセスを行うように制御することができる。
【0027】
実用上では、本発明に示した携帯電話PHN1は、別の電子装置で引き換えることができると共に、アプリケーションソフトウェアも、駆動プログラム、またはメモリカードロック装置と電子装置との間のコミュニケーションブリッジとし得る他の媒体で引き換えることができる。
【0028】
注意すべきは、外付けカードリーダーQU1がメモリカードMYC1をロックする場合、メモリカードMYC1に保存されたデータに対していずれの暗号化プログラムも実行せず、暗号化ファイルの作成を行わないようにすることである。即ち、本発明が採用するロック技術は、従来技術であるデータ暗号化技術と異なり、メモリカードMYC1の全体に対してロックをすることとなる。
【0029】
詳しくは、従来技術であるデータ暗号化技術は、メモリカード内のデータを暗号化して、暗号化ファイルを作成し、暗号化プログラムが行った後、電子装置は依然としてメモリカードをリード又は認識し、看到メモリカード内に暗号化ファイルが保存されたことを確認することができる。一方、本発明に係るメモリカードロック装置は、メモリカードMYC1をロックした後、外付けカードリーダーQU1以外の装置のいずれもメモリカードMYC1をリード又は認識できないため、メモリカードMYC1のデータを確認又は取得できないと共に、データをメモリカードMYC1に転送して保存することもできない。なお、外付けカードリーダーQU1は、メモリカードMYC1をリード又は認識できるが、ロック解除する前に、メモリカードMYC1とデータの転送を行うことができない。そのため、メモリカードMYC1がロックされた時、外付けカードリーダーQU1以外の装置のいずれも、メモリカードMYC1にファイルがあるかどうかについて確認することができないため、メモリカードMYC1に保存されたデータを確認またはアクセスすることができない。
【0030】
また、注意すべきは、本発明において、メモリカードMYC1に対してロック等各種プロセスを行うための外付けカードリーダーQU1は、コンピューター等の電子装置に内蔵されたものではない小型(図面では、説明の便宜上、はっきり示すために拡大して図示したが、本発明は図面の例に制限されない)の外付けの装置であるため、持ち運びに便利で、複数の電子機器や各種OSに対応したメモリカードの装着に適している。操作の面では、メモリカードを外付けカードリーダーに挿入するだけで、自動的にロックしたり、ロック解除したりすることができるため、手動でパスワードやキーを入力する必要はなく、使用性は非常に高い。
【0031】
図1~
図4を一緒に参照されたい。なかでも、
図4は本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の外付けカードリーダーとメモリカードとの間、及び外付けカードリーダーと電子装置との間で転送を行う例を示す模式図である。
【0032】
図4に示すように、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置は、外付けカードリーダーQU1を含んでもよい。外付けカードリーダーQU1は、メインコントローラーCOTを含む。必要であれば、外付けカードリーダーQU1はさらに、データバックアップモジュールFMN、充電モジュールCHG又はその両方を含んでもよい。即ち、実用上では、外付けカードリーダーQU1は、メモリカードMYC1をロック・ロック解除したり、メモリカードMYC1にデータを転送したり、メモリカードからデータを取得・転送したり、メモリカードMYC1又は他の装置のデータを保存したり、電子装置を充電したりする機能を有してもよいが、本発明はこれらの例に制限されず、実際のニーズに応じて単一の又は複数の機能を有することができる。
【0033】
外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTは、外付けカードリーダーQU1におけるデータバックアップモジュールFMN及び充電モジュールCHGと接続できる。また、外付けカードリーダーQU1は、例えば、
図3に示した携帯電話PHN1等の電子装置EL、及びメモリカードMYC1と接続できる。即ち、外付けカードリーダーQU1は、電子装置ELとメモリカードMYC1との伝送媒体として、それらの間に接続されてもよい。
【0034】
例えば、
図3に示したメモリカードMYC1を外付けカードリーダーQU1のカードスロットST1に挿入することにより、メモリカードMYC1が電気的に外付けカードリーダーQU1に接続された後、外付けカードリーダーQU1は、メモリカードMYC1に対して各種のプロセスを行うことができる。
【0035】
例えば、まず、メインコントローラーCOTは、外付けカードリーダーQU1がメモリカードMYC1に接続した際、受動的に又は自動的にアプリケーションソフトウェアAPPに通知してもよい。さらに、アプリケーションソフトウェアAPPから状態命令を受信すると、当該状態命令に従って、メモリカードMYC1の現在の状態情報及び/又は履歴の状態情報をアプリケーションソフトウェアAPPに送信する。電子装置ELでは、アプリケーションソフトウェアAPPを介して、メモリカードMYC1の状態情報を確認したり、ダウンロードしたり、アクセスしたりすることができる。
【0036】
本発明におけるメモリカードMYC1の状態情報としては、メモリカードMYC1が外付けカードリーダーQU1に挿入・接続するかの状態、現在ではロック状態又はロック解除状態にあるかの状態、メモリカード内のメモリ空間の使用状態及びデータ保存状態(例えば、データが保存されるかの状態、現在保存されたデータが占める空間、利用可能な残余メモリ空間、メモリカードMYC1の記憶容量、保存されたデータコンテンツ等)、メモリカードの稼働状態(ビジーまたはアイドル)等が挙げられる。
【0037】
メモリカードMYC1がロック状態にあった時、外付けカードリーダーQU1以外の装置のいずれも、メモリカードMYC1に保存されたデータを確認又はアクセスすることができず、他の外部データをメモリカードMYC1に保存することもできない。
【0038】
そのため、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTが、メモリカードMYC1が現在、ロック状態にあったと判断した時、アプリケーションソフトウェアAPPに通知してもよい。アプリケーションソフトウェアAPPは、メモリカードMYC1をロック解除するために、メインコントローラーCOTにロック解除命令を送信することにより、メインコントローラーCOTがメモリカードMYC1に対して解除プロセスを行うように制御してもよい。ロック解除された後、メモリカードMYC1が挿入された電子装置は、メモリカードMYC1を読み取りまたは認識できると共に、メモリカードMYC1との間に、データ、情報、メッセージ、命令等を伝送することができるようになる。
【0039】
外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTは、メモリカードMYC1が元々ロック解除状態にあったと判断した時、上記解除プロセスを行う必要はないとここでは理解されたい。
【0040】
メモリカードMYC1は、ストレージモジュールSTG及びストレージコントローラーMCLを含んでもよい。例えば、メモリカードMYC1は、SDメモリカード(Secure Digital Memory Card)であってもよい。ストレージモジュールSTGは、フラッシュメモリであってもよいが、この例に制限されない。ストレージコントローラーMCLはストレージモジュールSTGに接続する。ストレージコントローラーは、ストレージモジュールSTGがデータを保存するように制御し得ると共に、ロック命令に従って、メモリカードMYC1に対してロックプロセスを行うことができるか、又はロック解除命令に従って解除プロセスを行うことができる。
【0041】
メモリカードMYC1がロック解除状態にあった時、アプリケーションソフトウェアAPPは、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTにデータアクセス命令を送信してもよい。メインコントローラーCOTは、そのデータアクセス命令に従って、メモリカードMYC1内に保存されたデータを取得して、メモリカードMYC1のデータをアプリケーションソフトウェアAPP又は電子装置ELのディスプレイに表示に表示させ、それにより、使用者が確認、変更、シェアすることができる。また、必要であれば、メインコントローラーCOTはそのデータアクセス命令に従って、メモリカードMYC1のデータをアプリケーションソフトウェアAPPに、又は電子装置EL内のランダムアクセスメモリ、ソリッドステートドライブメモリセルまたはフラッシュメモリなどのストレージユニットにダウンロードして保存してもよい。ただし、本発明は、これらに限定されない。
【0042】
上記の転送方向とは反対に、メモリカードMYC1がロック解除状態にあった時、アプリケーションソフトウェアAPPは、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTに対して、データ保存命令を送信してもよいと共に、さらにアプリケーションソフトウェアAPPを介して、電子装置EL又はアプリケーションソフトウェアAPPのデータを外付けカードリーダーQU1に送信し得る。外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTは、当該データ保存命令に従って、電子装置EL又はアプリケーションソフトウェアAPPによるデータをメモリカードMYC1に保存するように送信し得る。
【0043】
図4に示した外付けカードリーダーQU1は記憶媒体として使用されてもよい。即ち、外付けカードリーダーQU1は、電子装置ELとメモリカードMYC1との間の転送・制御媒体とする以外、データを保存する機能をさらに有してもよい。
【0044】
図4に示すように、外付けカードリーダーQU1はさらに、データバックアップモジュールFMNを含んでもよい。データバックアップモジュールFMNはメインコントローラーCOTに接続してもよい。
【0045】
外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTは、アプリケーションソフトウェアAPPからのデータ転送命令を受信すると、受動的にそのデータ転送命令に従ってメモリカードMYC1内のデータを取得してからそのデータを外付けカードリーダーQU1のデータバックアップモジュールFMNに保存するようにしてもよい。
【0046】
代わりに、メインコントローラーCOTが、メモリカードMYC1が外付けカードリーダーQU1のカードスロットST1に挿入されことを検知して、さらにメモリカードMYC1を認識するが、アプリケーションソフトウェアAPPから何れの命令も受けていない場合では、メモリカードMYC1内のデータを外付けカードリーダーQU1のデータバックアップモジュールFMNに自動的に取得して保存してもよい。
【0047】
メモリカードMYC1のデータをバックアップする他、他の情報源からのデータをバックアップしてもよい。例えば、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTがアプリケーションソフトウェアAPPから電子装置ELのデータを受信して、さらにそのデータを保存するようなデータバックアップ命令を受けた時、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーCOTは、そのデータバックアップ命令に従って、外付けカードリーダーQU1のデータバックアップモジュールFMNが電子装置ELから取得したデータを保存するように制御することができる。
【0048】
また、外付けカードリーダーQU1はさらに充電機能を有してもよい。詳しくは、外付けカードリーダーQU1は充電モジュールCHGを含んでもよい。電子装置ELが有線又は無線で外付けカードリーダーQU1に接続した時、例えば、携帯電話などの電子装置ELを充電してもよいが、この例に制限されない。必要であれば、充電と転送を同時にしてもよい。
【0049】
図5を参照されたい。
図5は本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置における複数の外付けカードリーダーの各々が、対応した単一のメモリカード及び単一の電子装置と転送を行う例を示す模式図である。
【0050】
図5に示すように、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置は、複数の外付けカードリーダーQU1、QU2を含んで、それぞれが複数のメモリカードMYC1、MYC2に対してプロセスを行うために、複数の携帯電話PHN1、PHN2(または他のタイプの携帯装置、または他の携帯可能または非携帯可能な電子装置と実質的に交換可能である)と組み合わせて使用される。
【0051】
本実施形態において、転送又は制御手段としては、一対一の方法が用いられる。実用上では、外付けカードリーダー、携帯電話、メモリカードの数量、形態、伝送又は制御の形式は、例示したものに過ぎず、本発明は、実施形態の例に制限されない。
【0052】
図2C及び
図3に示すように、外付けカードリーダーQU1をメモリカードMYC1に接続した後、アプリケーションソフトウェアは、外付けカードリーダーQU1に自動的に命令を与えることができるが、使用者が、例えば、
図5に示した携帯電話PHN1におけるタッチスクリーンに表示したアプリケーションソフトウェアのページオプションをクリックするように操作することにより、アプリケーションソフトウェアを介して命令を与えてもよいが、本発明は上記の例に制限されない。
【0053】
同じように、外付けカードリーダーQU2をメモリカードMYC2に接続した後、例えば、
図5に示した携帯電話PHN2のタッチスクリーンに表示したアプリケーションソフトウェアのページのオプションをクリックするなど携帯電話PHN2を操作することにより、アプリケーションソフトウェアを介して命令を与えることができるが、本発明は、上記の例示した命令に制限されない。
【0054】
図6を参照されたい。
図6は、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置における複数の外付けカードリーダーが、単一の電子装置の命令に従って、複数のメモリカードをそれぞれロックすることを示す模式図である。
【0055】
図6に示すように、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置は複数の外付けカードリーダーQU1、QU2を含んでもよい。それらの各々は、複数のメモリカードMYC1、MYC2に適用するために、単一の携帯電話PHN1(または他のタイプの携帯装置、または他の携帯可能または非携帯可能な電子装置と実質的に交換可能である)と組み合わせて使用されてもよい。
【0056】
図5の実施形態とは違い、
図6に示した実施形態において、転送又は制御手段としては、一対多の方法が用いられるが、本発明は例示によりこれに限定されるものではない。
【0057】
具体的に、
図6に示した単一の携帯電話PHN1には、アプリケーションソフトウェアがインストールされてもよい。携帯電話PHN1は、アプリケーションソフトウェアを介して、複数の外付けカードリーダーQU1、QU2に、上記例示した命令を同期または非同期で与えることにより、複数の外付けカードリーダーQU1、QU2がそれぞれ複数のメモリカードMYC1、MYC2に対して対応的なプロセスを行うように制御することができる。
【0058】
図7を参照されたい。
図7は、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置の外付けカードリーダーが電子装置による命令に従って、外付けカードリーダーに挿入したメモリカードをロックすることを示す模式図である。
【0059】
図7に示すように、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置は、外付けカードリーダーQU1を含む。本実施形態において、単一の外付けカードリーダーQU1が複数のメモリカードMYC1、MYC2、MYC3に適用し得る例を挙げた。複数のメモリカードMYC1、MYC2、MYC3のいずれも順番に例えば、
図1、
図7に示した外付けカードリーダーQU1における単一のカードスロットST1に挿入し得る。実用上では、複数のメモリカードMYC1、MYC2、MYC3がそれぞれ同時に別々な複数のカードスロットに挿入できるようにするために、外付けカードリーダーQU1は形態が相同又は相同ではない複数のカードスロットを備えてもよい。
【0060】
単一の外付けカードリーダーQU1が、上述ロックプロセス、解除プロセス、データ転送、データ保存などのプロセスを、同期または非同期に複数のメモリカードMYC1、MYC2、MYC3に対してそれぞれ実行することを命じるために、携帯電話PHN1は、例えば、上述ロック命令、ロック解除命令、データアクセス命令、データ保存命令、データ転送命令、又はデータバックアップ命令等の様々な命令をアプリケーションソフトウェアに介して、単一の外付けカードリーダーQU1に与えることができる。
【0061】
詳しくは、メモリカードMYC1、MYC2、MYC3に外付けカードリーダーQU1を挿入・接続させたとき、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーは、メモリカードMYC1、MYC2、MYC3のそれぞれの一意識別子を認識でき、さらに、メモリカードMYC1、MYC2、MYC3を異なるパスワード(同じパスワードであってもよい)でロックした後、メモリカードMYC1、MYC2、MYC3の一意識別子及びロックのパスワードを記憶する。
【0062】
メモリカードMYC1、MYC2、MYC3が外付けカードリーダーQU1から取り外された後、外付けカードリーダーQU1に再び接続する時、メインコントローラーは、各メモリカードMYC1、MYC2、MYC3の一意識別子を認識でき、さらに対応的なパスワードでロック解除を行うことができる。
【0063】
メモリカードMYC1、MYC2、MYC3がロック解除された後、電子装置または外付けカードリーダーQU1のデータをメモリカードMYC1、MYC2、MYC3に送信して保存することができるし、メモリカードMYC1、MYC2、MYC3に保存されたデータを転送・保存することもできる。
【0064】
データの転送及び保存作業が完成した後、外付けカードリーダーQU1のメインコントローラーが自動的に旧のパスワード又は新たなパスワードでメモリカードMYC1、MYC2、MYC3を再びロックするように、アプリケーションソフトウェアは、自動的に又は使用者による手動的にロック命令を与えることができる。
【0065】
図1、
図8を一緒に参照されたい。なかでも、
図8は、本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置にメモリカードが挿入されていると共に、そのメモリカードロック装置がラップトップにも接続されている状態を示す使用状態模式図である。
【0066】
本発明に係る実施形態のメモリカードロック装置は、例えば、
図8に示した外付けカードリーダーQU1を含んでもよい。
図8に示した外付けカードリーダーQU1は、例えば、
図1に示すように、USBポートUB1を有してもよい。外付けカードリーダーQU1のUSBポートUB1は、例えば、
図8に示したラップトップNTBのポートのように、電子装置のポートに挿入できるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、
図2Cに示すように、メモリカードMYC1を外付けカードリーダーQU1のカードスロットST1に挿入してもよい。
【0067】
理解すべきは、メモリカードロック装置と、メモリカードMYC1と、ラップトップNTBとの間の接続方法は、本発明の
図8に挙げられた方法に制限されず、別の方法を採用してもよい。実用上では、外付けカードリーダーQU1とラップトップNTBを接続するために、データ転送ケーブル(データ転送のみ)またはデータ転送・充電ケーブル(データ転送・充電付き)の一方端が外付けカードリーダーQU1のUSBポートに差し込め、他方端がラップトップNTBのUSBポートに差し込めるように、外付けカードリーダーQU1は、USBポートを有してもよい。
【0068】
ラップトップNTB又は他の電子装置内にメモリカードロック装置の駆動プログラムが予めにインストールされてもよい。メモリカードロック装置がラップトップNTBに接続する時、ラップトップNTBは、メモリカードMYC1に対して、前述に説明したロックプロセス、解除プロセス、データ転送プロセス、データ保存プロセスなどをそれぞれ実行するために、駆動プログラムを介して、メモリカードロック装置に例えば、上述したロック命令、ロック解除命令、データアクセス命令、データ保存命令、データ転送命令又はデータバックアップ命令等の命令を与えることができるが、命令は上記の例に制限されない。
【0069】
必要であれば、外付けカードリーダーQU1は充電モジュールCHGを有してもよい。充電モジュールCHGは、外部電源または電子装置が充電モジュールCHGを充電するか、または充電モジュールCHGが電子装置を充電するために、外部電源または電子装置(例えば、
図8に示したラップトップNTB、又は延長コードのソケットが挙げられる)と接続することができる。
【0070】
上記を纏めて、本発明が提供するメモリカードロック装置は、外付けカードリーダーが、電子装置内にインストールされたアプリケーションソフトウェアによるロック命令に従って、メモリカードをロックすることにより、メモリカードが紛失した時、メモリカード内に保存された個人情報や会社の重要な機密情報等の洩れを防止することができる。
【0071】
本発明におけるメモリカードに対してロック等のプロセスを行う外付けカードリーダーは、コンピューター等の電子装置に内蔵されたものではない小型の外付けの装置であるため、持ち運びに便利で、複数の電子機器や各種OSに対応したメモリカードの装着に適している。操作の面では、メモリカードを外付けカードリーダーに挿入するだけで、自動的にロックしたり、ロック解除したりすることができるため、手動でパスワードやキーを入力する必要はなく、使用性は非常に高い。
【0072】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0073】
QU1、QU2 外付けカードリーダー
ST1 カードスロット
UB1 USBポート
MYC、MYC1、MYC2、MYC3 メモリカード
PHN1、PHN2 携帯電話
EL 電子装置
APP アプリケーションソフトウェア
COT メインコントローラー
FMN データバックアップモジュール
CHG 充電モジュール
MCL ストレージコントローラー
STG ストレージモジュール
NTB ラップトップ