ホーム > 特許ランキング > ＫＢセーレン株式会社
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023777
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】簡易マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220201BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220201BHJP
【ＦＩ】
A41D13/11 H
A62B18/02 C
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021061850
(22)【出願日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2020126582
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】305037123
【氏名又は名称】ＫＢセーレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮原 和久
(72)【発明者】
【氏名】来田 貴大
【テーマコード（参考）】
2E185
【Ｆターム（参考）】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CC36
(57)【要約】
【課題】 繰り替えし何度も使用でき、ずれにくく、眼鏡が曇りにくく、顔面の蒸れ、息苦しさ、耳の痛みがない着用感に優れるマスクを提供することを目的とする。
【解決手段】 口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクであって、破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、破断伸度が３６０％以上であり、５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、１００％伸長回復率が９０％以上であり、目付が６０～９０ｇ／ｍ２である一層のポリウレタン弾性不織布からなり、口鼻を含む顔面を覆うための口鼻覆部と、耳に掛けるための一対の耳掛け部を備え、特定の形状の一対の耳挿入孔を有する簡易マスク。
【選択図】図１
【解決手段】 口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクであって、破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、破断伸度が３６０％以上であり、５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、１００％伸長回復率が９０％以上であり、目付が６０～９０ｇ／ｍ２である一層のポリウレタン弾性不織布からなり、口鼻を含む顔面を覆うための口鼻覆部と、耳に掛けるための一対の耳掛け部を備え、特定の形状の一対の耳挿入孔を有する簡易マスク。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクであって、一層のポリウレタン弾性不織布からなり、口鼻を含む顔面を覆うための口鼻覆部と、耳に掛けるための一対の耳掛け部を備え、
前記口鼻覆部は長方形であり、前記一対の耳掛け部は、それぞれが前記口鼻覆部の短辺と、前記短辺から外側へ向けて前記短辺の上端から下端へ連続して形成された円弧とで囲まれており、
前記短辺の長さが９０～１３０ｍｍであり、前記耳掛け部の円弧の中心点同士の距離が３３０～３４５ｍｍであり、前記それぞれの円弧の中心点の曲率半径が４５～６５ｍｍであり、
前記マスクは、耳を通すための一対の耳挿入孔を有し、それぞれの耳挿入孔は、外周が上方に向けて形成される上側凸部と、前記円弧の中心点に向けて形成される外側凸部と、下方に向けて形成される下側凸部と、マスクの重心に向けて形成される内側凸部とを有する連続した曲線であり、前記上側凸部と前記内側凸部との間には上側凹部があり、前記下側凸部と前記内側凸部との間には下側凹部があり、
前記内側凸部頂点と前記外側凸部頂点までの距離が４０～６０ｍｍであり、前記上側凸部頂点と前記下側凸部頂点までの距離が５０～６０ｍｍであり、前記内側凸部頂点の曲率半径が１．０～２．０ｍｍであり、前記外側凸部頂点の曲率半径が３０～４０ｍｍであり、前記上側凸部頂点及び前記下側凸部頂点の曲率半径が６～１０ｍｍであり、
前記口鼻覆部の短辺の中心同士を結ぶ直線を長軸としたときに、前記簡易マスク及び前記耳挿入孔は前記長軸に対して線対称の形状であり、
前記ポリウレタン弾性不織布は、破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、破断伸度が３６０％以上であり、５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、１００％伸長回復率が９０％以上であり、目付が６０～９０ｇ／ｍ２であることを特徴とする簡易マスク。
前記口鼻覆部は長方形であり、前記一対の耳掛け部は、それぞれが前記口鼻覆部の短辺と、前記短辺から外側へ向けて前記短辺の上端から下端へ連続して形成された円弧とで囲まれており、
前記短辺の長さが９０～１３０ｍｍであり、前記耳掛け部の円弧の中心点同士の距離が３３０～３４５ｍｍであり、前記それぞれの円弧の中心点の曲率半径が４５～６５ｍｍであり、
前記マスクは、耳を通すための一対の耳挿入孔を有し、それぞれの耳挿入孔は、外周が上方に向けて形成される上側凸部と、前記円弧の中心点に向けて形成される外側凸部と、下方に向けて形成される下側凸部と、マスクの重心に向けて形成される内側凸部とを有する連続した曲線であり、前記上側凸部と前記内側凸部との間には上側凹部があり、前記下側凸部と前記内側凸部との間には下側凹部があり、
前記内側凸部頂点と前記外側凸部頂点までの距離が４０～６０ｍｍであり、前記上側凸部頂点と前記下側凸部頂点までの距離が５０～６０ｍｍであり、前記内側凸部頂点の曲率半径が１．０～２．０ｍｍであり、前記外側凸部頂点の曲率半径が３０～４０ｍｍであり、前記上側凸部頂点及び前記下側凸部頂点の曲率半径が６～１０ｍｍであり、
前記口鼻覆部の短辺の中心同士を結ぶ直線を長軸としたときに、前記簡易マスク及び前記耳挿入孔は前記長軸に対して線対称の形状であり、
前記ポリウレタン弾性不織布は、破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、破断伸度が３６０％以上であり、５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、１００％伸長回復率が９０％以上であり、目付が６０～９０ｇ／ｍ２であることを特徴とする簡易マスク。
【請求項2】
一対の耳掛け部はいずれも外側凸部頂点と円弧の中心点との距離が１０～３０ｍｍである請求項１記載の簡易マスク。
【請求項3】
前記ポリウレタン弾性不織布の通気度が２８０ｃｃ／ｃｍ２／ｓ以上である請求項１又は２記載の簡易マスク。
【請求項4】
前記ポリウレタン弾性不織布の厚さが０．２５～０．４ｍｍである請求項１～３記載の簡易マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年花粉症対策やインフルエンザ対策、その他感染症対策等で飛沫を防ぐためにマスクを着用する人が増えている。マスクは優れた着用感が要求されている。また、ウイルスの流行によりマスクが品切れとなることもあり、昨今、マスクを洗濯して繰り返し使用する人がいる。洗濯が可能な織編物からマスクを自作する人もいる程、日々の生活の中でマスクに関する注目度が高まっており、着用感だけでなく、繰り返し何度も使用できる再利用性に優れたマスクも着目される。
【0003】
一般的なマスクは、マスク本体と耳掛け部とからなり、マスク本体の材質としては綿などの天然繊維のガーゼ又は化学繊維の不織布が使用される。マスクの形状としては平型、プリーツ型及び立体型がある。例えば、平型のマスクには通常はガーゼを含む織布が使用され、プリーツ型及び立体型のマスクには通常は不織布が使用される。
【0004】
上記のガーゼを含む織布が使用される平型のマスクは、平型の生地が口鼻を含む顔面に密着するため、呼吸がしにくく、口を大きく動かして話をするとマスクがずれやすい。織布を多数重ねている場合には、長時間着用していると顔面が蒸れやすく、圧迫感及び耳の痛みを感じ、着用感は悪かった。また、洗濯する度にマスク全体が収縮してしまい、着用感が悪くなることもあり、繰り返し何度も使用できなかった。
【0005】
上記の不織布が使用されるプリーツ型及び立体型のマスクは、口鼻周辺に空間ができるため平型のマスクと比べると呼吸が楽であり、マスクもずれにくいが、平型のマスクと同様に長時間の着用により耳が痛くなる。また、いずれも洗濯する度に不織布が毛羽立ち、肌ざわりも悪くなり、繰り返し何度も使用できなかった。
【0006】
上記のように平型、プリーツ型及び立体型マスクはいずれも飛沫を防ぐことはできるが着用感に問題があった。例えば、口を大きく動かして話をするとマスクがずれ、マスクと鼻の間にできる隙間から呼気が出てメガネを曇らせる。また、マスクを長時間着用していると顔面の蒸れ、息苦しさ、耳の痛みを感じる。また、いずれも繰り返し何度も使用できるものではなかった。
【0007】
上記の着用感の問題を解決するために様々な工夫がされてきた。例えば耳の痛みを軽減するために耳掛け部の長さを調節できるマスクがある（特許文献１）。また、耳掛け部に保湿剤を塗布することで耳にかかる摩擦を軽減するマスクがある（特許文献２）。
【0008】
また、眼鏡の曇りの原因となるマスクと鼻の間にできる隙間をなくすために、鼻の外形に沿って変形かつ維持できる押さえ部材を鼻当て部材を備えたマスクがある（特許文献３）。
【0009】
繰り返し使用できる再利用性の高いマスクとして、ゴム紐に備えられた取付け器具をガーゼやハンカチなどの布の両端に挟んで耳掛け紐として緊急用マスクを自作する技術が開示されている。（特許文献４）
【0010】
また、耳掛け紐に備えられた取付け器具により両端を保持してマスクとして使用するためのマスク兼用ティッシュペーパーがある（特許文献５）。このようなものは両辺の端部がヒートシールされて強度が高くなっており、破れにくくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開２０１４－２１０１５３号公報
【特許文献2】特開２０１９－２０５７８８号公報
【特許文献3】特開２０２０－０５６１２３号公報
【特許文献4】特開２００６－１６７３８９号公報
【特許文献5】特開２０１１－０６２２６９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献１は耳掛け部の長さを長く調節して耳にかかる負荷を軽減するためマスクの密着性が低下し、マスクがずれやすくなる。
【0013】
特許文献２は洗浄すると耳掛け部に塗布された保湿剤が落ちてしまうため、一度洗浄すると耳の痛みを軽減する効果はなくなる。
【0014】
特許文献３は押さえ部材として樹脂製や、保形性のある固い部材を用いている。マスクを洗浄すると固い部材が飛び出てしまい、飛び出た部材が肌にあたり着用感が悪くなるため、繰り返し何度も使用できなかった。
【0015】
特許文献４はガーゼ又はハンカチ等の布を取り換えることで何度でも清潔な状態でマスクを使用できるが、ゴム紐でガーゼやハンカチを顔面に押さえているだけであり、一般的な平型マスクと同様の問題がある。すなわち、話をすると口を覆う布がずれやすく、鼻とマスクの間から呼気が漏れ眼鏡が曇ってしまう。また、通常のゴム紐では長時間の着用で耳が痛くなる。また、取付け器具が肌にあたり不快である。
【0016】
特許文献５は耳掛け用の掛け紐を着脱自在に取り付けてマスク本体として使用されるマスク兼用ティッシュペーパーであり、ティッシュペーパーがプリーツ型の形状をしているため話をしてもずれにくく、息苦しさも少ない。しかし、強度が高くなっているとはいえ、くしゃみによる濡れや、長時間の着用によりティッシュペーパーが破れてしまう。また、鼻とマスクの間から呼気が漏れて眼鏡が曇る。また、紐に工夫はされていないため長時間の着用で耳が痛くなり、耳掛け紐に備えられた取付け器具が肌にあたり不快である。
【0017】
上記のように、従来は、着用感に優れ、かつ繰り返し何度も使用できるマスクがなかった。
したがって、繰り替えし何度も使用でき、ずれにくく、眼鏡が曇りにくく、顔面の蒸れ、息苦しさ、耳の痛みがない着用感に優れるマスクを提供することを目的とする。
したがって、繰り替えし何度も使用でき、ずれにくく、眼鏡が曇りにくく、顔面の蒸れ、息苦しさ、耳の痛みがない着用感に優れるマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、耳掛け紐に備えられた取付け器具などでフィルターを顔面に押さえるのではなく、口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクであれば、簡易マスク自体は直接口鼻に接触せず、口鼻に接触するフィルターの汚れが気になったときにフィルターを交換するだけで良く、清潔なまま繰り返し何度も使用でき再利用性に優れると考えた。
種々検討を重ねた結果、特定の形状の耳挿入孔を設けた特定の物性の不織布であれば、フィルターを顔面に優しく押さえることができ、数日間使用しても目立つ変形や汚れがつかず、着用感にも優れる簡易マスクが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクであって、一層のポリウレタン弾性不織布からなり、口鼻を含む顔面を覆うための口鼻覆部と、耳に掛けるための一対の耳掛け部を備え、
前記口鼻覆部は長方形であり、前記一対の耳掛け部は、それぞれが前記口鼻覆部の短辺と、前記短辺から外側へ向けて前記短辺の上端から下端へ連続して形成された円弧とで囲まれており、
前記短辺の長さが９０～１３０ｍｍであり、前記耳掛け部の円弧の中心点同士の距離が３３０～３４５ｍｍであり、前記それぞれの円弧の中心点の曲率半径が４５～６５ｍｍであり、
前記マスクは、耳を通すための一対の耳挿入孔を有し、それぞれの耳挿入孔は、外周が上方に向けて形成される上側凸部と、前記円弧の中心点に向けて形成させる外側凸部と、下方に向けて形成される下側凸部と、マスクの重心に向けて形成される内側凸部とを有する連続した曲線であり、前記上側凸部と前記内側凸部との間には上側凹部があり、前記下側凸部と前記内側凸部との間には下側凹部があり、
前記内側凸部頂点と前記外側凸部頂点までの距離が４０～６０ｍｍであり、前記上側凸部頂点と前記下側凸部頂点までの距離が５０～６０ｍｍであり、前記内側凸部頂点の曲率半径が１．０～２．０ｍｍであり、前記外側凸部頂点の曲率半径が３０～４０ｍｍであり、前記上側凸部頂点及び前記下側凸部頂点の曲率半径が６～１０ｍｍであり、
前記口鼻覆部の短辺の中心同士を結ぶ直線を長軸としたときに、前記簡易マスク及び前記耳挿入孔は前記長軸に対して線対称の形状であり、
前記ポリウレタン弾性不織布は、破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、破断伸度が３６０％以上であり、５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、１００％伸長回復率が９０％以上であり、目付が６０～９０ｇ／ｍ２であることを特徴とする簡易マスクによって達成される。
種々検討を重ねた結果、特定の形状の耳挿入孔を設けた特定の物性の不織布であれば、フィルターを顔面に優しく押さえることができ、数日間使用しても目立つ変形や汚れがつかず、着用感にも優れる簡易マスクが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
口鼻を含む顔面にフィルターを押さえるための簡易マスクであって、一層のポリウレタン弾性不織布からなり、口鼻を含む顔面を覆うための口鼻覆部と、耳に掛けるための一対の耳掛け部を備え、
前記口鼻覆部は長方形であり、前記一対の耳掛け部は、それぞれが前記口鼻覆部の短辺と、前記短辺から外側へ向けて前記短辺の上端から下端へ連続して形成された円弧とで囲まれており、
前記短辺の長さが９０～１３０ｍｍであり、前記耳掛け部の円弧の中心点同士の距離が３３０～３４５ｍｍであり、前記それぞれの円弧の中心点の曲率半径が４５～６５ｍｍであり、
前記マスクは、耳を通すための一対の耳挿入孔を有し、それぞれの耳挿入孔は、外周が上方に向けて形成される上側凸部と、前記円弧の中心点に向けて形成させる外側凸部と、下方に向けて形成される下側凸部と、マスクの重心に向けて形成される内側凸部とを有する連続した曲線であり、前記上側凸部と前記内側凸部との間には上側凹部があり、前記下側凸部と前記内側凸部との間には下側凹部があり、
前記内側凸部頂点と前記外側凸部頂点までの距離が４０～６０ｍｍであり、前記上側凸部頂点と前記下側凸部頂点までの距離が５０～６０ｍｍであり、前記内側凸部頂点の曲率半径が１．０～２．０ｍｍであり、前記外側凸部頂点の曲率半径が３０～４０ｍｍであり、前記上側凸部頂点及び前記下側凸部頂点の曲率半径が６～１０ｍｍであり、
前記口鼻覆部の短辺の中心同士を結ぶ直線を長軸としたときに、前記簡易マスク及び前記耳挿入孔は前記長軸に対して線対称の形状であり、
前記ポリウレタン弾性不織布は、破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、破断伸度が３６０％以上であり、５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であり、１００％伸長回復率が９０％以上であり、目付が６０～９０ｇ／ｍ２であることを特徴とする簡易マスクによって達成される。
【0019】
また、前記一対の耳掛け部はいずれも外側凸部頂点と円弧の中心点との距離が１０～３０ｍｍであることが好ましい。
【0020】
また、前記ポリウレタン弾性不織布の通気度が２８０ｃｃ／ｃｍ２／ｓ以上であることが好ましい。
【0021】
また、前記ポリウレタン弾性不織布の厚さが０．２５～０．４ｍｍであることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、口鼻を含む顔面にティッシュペーパーなどのフィルターを押さえることができ、飛沫を防止し、汚れが気になればフィルターを交換するだけで良く、簡易マスクに汚れが直接付着しにくいため繰り返し使用でき、口を大きく動かして話をしてもマスクがずれることがなく、マスクと鼻の間にできる隙間から呼気が出てメガネを曇ることがなく、長時間着用しても顔面が蒸れにくく、息苦さがなく、耳が痛くならない簡易マスクを提供できる。また、フィルターを固定部材で固定せずに簡易マスクでフィルターを顔面に押さえるという特殊な着用方法にも関わらず着脱が容易であり、着脱の際に不織布に大きな負荷をかける必要がないため繰り返しの着脱でも破れなどの目立った傷が付きにくい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る簡易マスクの外観を示す平面図
【図2】本発明の実施形態に係る簡易マスクの説明図
【図3】本発明の簡易マスクにおける耳挿入孔の説明図
【図4】本発明の簡易マスクにおける耳挿入孔の説明図
【図5】本発明の簡易マスクにおける耳挿入孔の説明図
【図6】本発明の簡易マスクにおける耳挿入孔の説明図
【図7】本発明におけるフィルターの位置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の簡易マスクは、口鼻を含む顔面にフィルター押さえるためのマスクである。フィルターとしてはティッシュペーパー、ガーゼ又はハンカチ等が挙げられ、フィルターのサイズを適宜調整して使用することができる。汚れが気になったときに新しいものとすぐさま取り換えることができる点で、ティッシュペーパーをフィルターとして利用することが好ましい。
【0025】
本発明の簡易マスクは、一層のポリウレタン弾性不織布からなる。ポリウレタン弾性不織布であれば、全体が伸縮しフィルターを顔面に優しく押さえることができる。また、顔面にフィットしやすいため鼻と簡易マスクとの間に隙間が空きにくく、口の動きに簡易マスクが追従して伸縮するため簡易マスク及びフィルターがずれにくい。
【0026】
以下、本発明を、図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明の実施形態に係る簡易マスクの外観を示す平面図である。本発明の簡易マスク１は、口鼻を含む顔面を覆うための口鼻覆部２と、耳に掛けるための一対の耳掛け部３、３’を備える。口鼻覆部２は長方形であり、一対の耳掛け部３、３’は、それぞれが口鼻覆部の短辺４、４’と、短辺４、４’から口鼻覆部２の外側へ向けて短辺４、４’の上端から下端へ連続して形成された円弧とで囲まれている。なお、点線は説明のために描いた仮想直線である。
【0027】
図２に示すように、口鼻覆部２の短辺４、４’の中心同士を結ぶ仮想直線を長軸５としたときに、簡易マスクは長軸に対して線対称の形状である。
【0028】
本発明における口鼻覆部の短辺４、４’の長さは９０～１３０ｍｍであることが必要である。また、１００～１２０ｍｍであることが好ましい。９０～１３０ｍｍであれば、簡易マスクが顔面の大きさに対応し、たるむことなく、顔にフィットしやすいため、簡易マスク及びフィルターがずれにくい。
【0029】
本発明における円弧の中心点６、６’は、長軸５上に位置し、円弧の中心点同士の距離が、３３０～３４５ｍｍであることが必要である。また、３３３～３４５ｍｍであること好ましい。３３０ｍｍ以上であれば、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくく、３４５ｍｍ以下であれば、簡易マスクにテンションが適度にかかり、優しくフィルターを口鼻に押さえることができ、たるむことなく顔面にフィットしやすいため、簡易マスク及びフィルターがずれにくい。
【0030】
本発明の簡易マスクは、耳を通すための一対の耳挿入孔７、７’を有する。以下、耳挿入孔７’に関しての説明は、耳挿入孔７と同様であるため省略する。
【0031】
本発明における耳挿入孔７は、図３に示すように外周が上方に向けて形成される上側凸部８と、円弧の中心点６に向けて形成される外側凸部９と、下方に向けて形成される下側凸部１０と、マスクの重心に向けて形成される内側凸部１１とを有する連続した曲線であり、上側凸部８と内側凸部１１との間には上側凹部１２があり、下側凸部１０と内側凸部１１との間には下側凹部１３がある。また、耳挿入孔は長軸５に対して線対称の形状である。上側凹部１２及び下側凹部１３付近の不織布は図４のようにめくれやすく、耳挿入孔は広くなるため、必要以上に簡易マスクを伸ばさずとも着脱が容易である。以て、繰り返し脱着しても耳掛け部３が破断しにくい。装着の際に耳挿入孔は広くなるが、着用中は上側凹部１２と下側凹部１３のめくれは元に戻り、二つ折にしたティッシュペーパーなどの長いフィルターを使用した場合でも、フィルター全体を簡易マスクで覆い隠すことができる。なお、耳挿入孔７、７’の説明において、図３以降では耳挿入孔７を用いて説明しているが耳挿入孔７’についても同様の説明であり、図示しないが耳挿入孔７’に対しては耳掛け部３’円弧の中心点６’が対応する。
【0032】
本発明における耳挿入孔の上側凸部８、外側凸部９、及び下側凸部１０は耳掛け部に位置し、内側凸部１１は口鼻覆部に位置する。
【0033】
図５に示すように、本発明における耳挿入孔７の内側凸部１１と長軸５の交点を内側凸部頂点１４とし、外側凸部９と長軸５の交点を外側凸部頂点１５とし、長軸５から上方に最も垂直距離が長い上側凸部８の頂点を上側凸部頂点１６とし、長軸５から下方に最も垂直距離が長い下側凸部１０の頂点を下側凸部頂点１７とし、内側凸部頂点１４と上側凸部頂点１６を結ぶ仮想直線との垂直距離が最も長くなる上側凹部１２の頂点を上側凹部頂点１８とし、内側凸部頂点１４と下側凸部頂点１７を結ぶ仮想直線との垂直距離が最も長くなる下側凹部１３の頂点を下側凹部頂点１９とすると、内側凸部頂点１４と外側凸部頂点１５の距離が４０～６０ｍｍであることが必要である。４０ｍｍ以上であれば、着脱しやすく、６０ｍｍ以下であれば、内側凸部頂点１４が簡易マスクの重心に近づきすぎないため、フィルター全体を簡易マスクで覆い易く、フィルターが耳挿入孔から見えにくく、フィルターがずれにくい。図５以降の説明では内側凸部、上側凸部、外側凸部、下側凸部、上側凹部、及び下側凹部は図番号を付さずに省略しているが、それぞれは図３を参照できる。
【0034】
本発明における耳挿入孔の上側凸部頂点と下側凸部頂点の距離が５０～６０ｍｍであることが必要である。５０ｍｍ以上であれば、着脱しやすく、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくい。また、６０ｍｍ以下であれば、耳掛け部が耳にフィットしやすいため、簡易マスク及びフィルターがずれにくい。
【0035】
本発明における耳挿入孔の内側凸部頂点１４は、曲率半径が１．０～２．０ｍｍであることが必要である。着脱の際、耳挿入孔を上下に広げると、内側凸部頂点１４に負荷が集中する。１．０ｍｍ以上であれば局所的な負荷がかかりにくく、破れにくい。また、２．０ｍｍ以下であれば、上側凹部１２と下側凹部１３との隙間が小さくなりやすくなり、二つ折にしたティッシュペーパーなどの長いフィルターを使用した場合でも、フィルター全体を簡易マスクで覆いやすく、フィルターにシワが発生しにくく、フィルターがずれにくい。また、上側凹部１２と下側凹部１３との隙間からフィルターが見えにくいため着用時の外観にも優れる。
【0036】
本発明における耳挿入孔の外側凸部頂点１５は、曲率半径が３０～４０ｍｍであることが必要である。３０～４０ｍｍであれば、耳掛け部が耳にフィットしやすく、簡易マスク及びフィルターがずれにくく、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくい。
【0037】
本発明における耳挿入孔の上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７は、曲率半径が６～１０ｍｍであることが必要である。６～１０ｍｍであれば耳掛け部が耳にフィットしやすく、簡易マスク及びフィルターがずれにくく、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくい。
【0038】
本発明における耳挿入孔の上側凹部頂点１８及び下側凹部頂点１９は、曲率半径が６～１０ｍｍであることが好ましい。６～１０ｍｍであれば上側凹部１２と下側凹部１３との隙間が小さくなり、二つ折にしたティッシュペーパーなどの長いフィルターを使用した場合でも、フィルター全体を簡易マスクで覆いやすく、フィルターにシワが発生しにくく、フィルターがずれにくい。また、上側凹部１２と下側凹部１３との隙間からフィルターが見えにくいため着用時の外観にも優れる。
【0039】
図６に示すように本発明における耳挿入孔の上側凸部頂点に接する曲率円の中心を上側凸部の曲率中心２０とし、下側凸部頂点に接する曲率円の中心を下側凸部の曲率中心２１とし、上側凹部頂点に接する曲率円の中心を上側凹部の曲率中心２２とし、下側凹部頂点に接する曲率円の中心を下側凹部の曲率中心２３とすると、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離が、３０～４８ｍｍであることが好ましい。３０～４８ｍｍであれば、耳掛け部が耳にフィットしやすく、簡易マスク及びフィルターがずれにくく、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくい。
【0040】
本発明における耳挿入孔の上側凹部の曲率中心２２と下側凹部の曲率中心２３の距離が、１３～２５ｍｍであることが好ましい。１３～２５ｍｍであれば、上側凹部１２と下側凹部１３と隙間が小さくなり、二つ折にしたティッシュペーパーなどの長いフィルターを使用した場合でも、フィルター全体を簡易マスクで覆いやすく、フィルターにシワが発生しにくく、フィルターがずれにくい。また、上側凹部１２と下側凹部１３との隙間からフィルターが見えにくいため着用時の外観にも優れる。
【0041】
本発明における耳挿入孔の上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１とを結ぶ直線と長軸５の交点と、外側凸部頂点１５との距離が、１６～２０ｍｍであることが好ましい。１６～２０ｍｍであれば、耳掛け部が耳にフィットしやすく、簡易マスク及びフィルターがずれにくく、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくい。
【0042】
本発明における耳挿入孔の上側凹部の曲率中心２２と下側凹部の曲率中心２３とを結ぶ直線と長軸５の交点と、外側凸部頂点１５との距離が３４～３８ｍｍであることが好ましい。３４ｍｍ以上であれば、着用時にマスクにシワが発生しにくい。３８ｍｍ以下であれば、二つ折にしたティッシュペーパーなどの長いフィルターを押さえるときにティッシュペーパー全体を簡易マスクで覆いやすい。
【0043】
本発明における耳掛け部の円弧の中心点６と耳挿入孔の外側凸部頂点１５の距離は、１０～３０ｍｍであることが好ましく、１６～２０ｍｍであることがより好ましい。１０ｍｍ以上であれば、繰り返しの着用でも耳掛け部が破断しにくく、３０ｍｍ以下であれば簡易マスクを長時間の着用しても耳が痛くなりにくい。
【0044】
本発明における耳掛け部の円弧の中心点６は、曲率半径が４５～６５ｍｍであることが好ましい。４５～６５ｍｍであれば、円弧と耳挿入孔の外側凸部９の距離が均一に保たれ、局所的な負荷が耳にかかりにくいため、簡易マスクを長時間着用しても耳が痛くなりにくい。
【0045】
本発明の簡易マスクは例えばポリウレタン弾性不織布を用いて打ち抜き成形又は溶融切断することにより形成される。着用時の肌触りの点から、打ち抜き成形が好ましい。例えば打ち抜き成形の場合、簡易マスクの外周と耳挿入孔の外周の形状をした金型を用いてポリウレタン弾性不織布を打ち抜くことで簡易マスクが得られる。
【0046】
本発明におけるポリウレタン弾性不織布は、例えばエーテル系又はエステル系のポリウレタン樹脂から得られる。加水分解を起こさず、肌ざわりが良い点から、エーテル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
【0047】
本発明におけるポリウレタン弾性不織布はメルトブロー法により得られるものが好ましい。メルトブロー紡糸法で得られる不織布は、伸縮性、柔軟性が良好である。
【0048】
本発明におけるポリウレタン弾性不織布は、ＭＤ方及びＣＤ方向の破断強度が６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上である。６８０ｃＮ／２０ｍｍ以上であれば、簡易マスクとしたときに繰り返しの着用でも破断しにくい。中でも、簡易マスクの長軸方向となる方向の破断強度が９９０ｃＮ／２０ｍｍ以上であることが好ましい。
【0049】
発明におけるポリウレタン弾性不織布は、ＭＤ方向及びＣＤ方向の破断伸度が３６０％以上である。３６０％以上であれば、簡易マスクとしたときに装着時に伸ばしても破断しにくい。中でも、簡易マスクの長軸方向となる方向の破断伸度が３９０％以上であることが好ましい。
【0050】
本発明におけるポリウレタン弾性不織布は、ＭＤ方向及びＣＤ方向の５０％モジュラスが１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上である。１３０ｃＮ／２０ｍｍ以上であれば、簡易マスクとしたときにコシがあり、着脱が容易である。
【0051】
本発明におけるポリウレタン弾性不織布は、目付が６０～９０ｇ／ｍ２である。６０ｇ／ｍ２以上であれば、簡易マスクとしたときに、強度が優れたものとなる。また、フィルターが簡易マスク越しに透けて見えにくく、着用時の外観に優れる。また、９０ｇ／ｍ２以下であれば、簡易マスクを長時間着用しても顔面が蒸れにくく、息苦しさを感じにくい。
【0052】
本発明におけるポリウレタン弾性不織布は、通気度が２８０ｃｃ／ｃｍ２／ｓ以上であることが好ましい。２８０ｃｃ／ｃｍ２／ｓ以上であれば、長時間着用時しても顔面が蒸れにくく、息苦しさを感じにくい。
【0053】
本発明におけるポリウレタン弾性繊維不織布は、厚さが０．２５～０．４ｍｍである。０．２５ｍｍ以上であれば、簡易マスクとしたときにコシがあり、着脱が容易である。また、０．４ｍｍ以下であれば、着用中に圧迫感を感じにくい。
【0054】
本発明の簡易マスクを着用する際、ティッシュペーパー又はガーゼなど適宜サイズ調整して使用することができる。例えばフィルターとして二つ折りにしたティッシュペーパーを使用した場合、図７のようにフィルター２４の重心を簡易マスクの重心に合わせるように乗せた状態で、簡易マスクを装着し、口鼻と簡易マスクの口鼻覆部の間にフィルターが位置するように着用することが好ましい。フィルターとして四つ折りにしたティッシュペーパー又はガーゼを使用した場合も、二つ折りにしたティッシュペーパーと同様の方法で着用することが好ましい。
【実施例0055】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。実施例の説明中の不織布の物性は下記に示す方法により測定を実施した。
【0056】
（不織布の破断強度、破断伸度及び５０％モジュラス）
ＪＩＳ Ｌ１９１３ ２０１０ ６．３．１「一般不織布試験方法」の標準時に準拠して測定した。幅２０ｍｍ、長さ１００ｍｍの試験片を採取し、引張試験機（オリエンテック製）を用いて、チャック間を５０ｍｍに設定して試験片を固定した。引張速度２００ｍｍ／ｍｉｎで伸長させ、破断した時の強度を破断強度、破断した時の伸度を破断伸度とした。伸び５０％時の引張応力を５０％モジュラスとした。各測定は不織布のＭＤ方向とＣＤ方向とでそれぞれ測定した。
ＪＩＳ Ｌ１９１３ ２０１０ ６．３．１「一般不織布試験方法」の標準時に準拠して測定した。幅２０ｍｍ、長さ１００ｍｍの試験片を採取し、引張試験機（オリエンテック製）を用いて、チャック間を５０ｍｍに設定して試験片を固定した。引張速度２００ｍｍ／ｍｉｎで伸長させ、破断した時の強度を破断強度、破断した時の伸度を破断伸度とした。伸び５０％時の引張応力を５０％モジュラスとした。各測定は不織布のＭＤ方向とＣＤ方向とでそれぞれ測定した。
【0057】
（不織布の１００％伸長回復率）
ＪＩＳ Ｌ１０９６ ２０１０ ８．１６．２「織物及び編物の生地試験方法」の伸長弾性率（伸長回復率）及び残留ひずみ率に準拠して測定した。幅２０ｍｍ、長さ１００ｍｍの試験片を採取し、引張試験機（オリエンテック製）を用いて、チャック間を５０ｍｍに設定して試験片を固定した。引張速度２００ｍｍ／ｍｉｎで１００％伸長させた後に同じ速度で元の位置まで戻すサイクルを２回繰り返した。２サイクル目の伸長点から残留ひずみを求め、伸長回復率を算出した。
ＪＩＳ Ｌ１０９６ ２０１０ ８．１６．２「織物及び編物の生地試験方法」の伸長弾性率（伸長回復率）及び残留ひずみ率に準拠して測定した。幅２０ｍｍ、長さ１００ｍｍの試験片を採取し、引張試験機（オリエンテック製）を用いて、チャック間を５０ｍｍに設定して試験片を固定した。引張速度２００ｍｍ／ｍｉｎで１００％伸長させた後に同じ速度で元の位置まで戻すサイクルを２回繰り返した。２サイクル目の伸長点から残留ひずみを求め、伸長回復率を算出した。
【0058】
（不織布の目付）
ＪＩＳ Ｌ１９１３ ２０１０ ６．２「一般不織布試験方法」の単位面積当たりの質量に準拠して測定した。目付は１００×１００ｍｍの試験片を採取し、重量を測定して１ｍ２あたりに換算した。
ＪＩＳ Ｌ１９１３ ２０１０ ６．２「一般不織布試験方法」の単位面積当たりの質量に準拠して測定した。目付は１００×１００ｍｍの試験片を採取し、重量を測定して１ｍ２あたりに換算した。
【0059】
（不織布の通気度）
ＪＩＳ Ｌ１９１３ ２０１０ ６．８．１「一般不織布試験方法」のフラジール形法に準拠して測定した。約２００×２００ｍｍの試験片を採取し、通気性試験機（ＴＥＸＴＥＳＴ製）を用いて測定した。
ＪＩＳ Ｌ１９１３ ２０１０ ６．８．１「一般不織布試験方法」のフラジール形法に準拠して測定した。約２００×２００ｍｍの試験片を採取し、通気性試験機（ＴＥＸＴＥＳＴ製）を用いて測定した。
【0060】
（不織布の厚さ）
ダイヤルシックネスゲージＳＭ－１１２（テクロック社製）を用いて測定した。
ダイヤルシックネスゲージＳＭ－１１２（テクロック社製）を用いて測定した。
【0061】
［実施例１］
ジフェニルメタンジイソシアナートと、ポリテトラメチレングリコール（分子量１０００）と、１，４－ブタンジオールからなるポリウレタン弾性体を、前述のメルトブロー法によって、不織布を得た。得られた不織布の物性は下記の表１に示すとおりである。得られた不織布から、ＭＤ方向が簡易マスクの長軸方向になるようにして、図２に示す様に一対の耳挿入孔を有し、長軸５に対して線対称の形状に打ち抜き成形をして表２に記載の形状の簡易マスクを得た。
ジフェニルメタンジイソシアナートと、ポリテトラメチレングリコール（分子量１０００）と、１，４－ブタンジオールからなるポリウレタン弾性体を、前述のメルトブロー法によって、不織布を得た。得られた不織布の物性は下記の表１に示すとおりである。得られた不織布から、ＭＤ方向が簡易マスクの長軸方向になるようにして、図２に示す様に一対の耳挿入孔を有し、長軸５に対して線対称の形状に打ち抜き成形をして表２に記載の形状の簡易マスクを得た。
【0062】
【表1】
【0063】
［実施例２］
口鼻覆部の短辺４、４’の長さを１０３ｍｍにしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
口鼻覆部の短辺４、４’の長さを１０３ｍｍにしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0064】
［実施例３］
円弧の中心点６、６’同士の距離を３３３ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
円弧の中心点６、６’同士の距離を３３３ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0065】
［実施例４］
円弧の中心点６の曲率半径を６０ｍｍにしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
円弧の中心点６の曲率半径を６０ｍｍにしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0066】
［実施例５］
円弧の中心点６と外側凸部頂点１５の距離を２５ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
円弧の中心点６と外側凸部頂点１５の距離を２５ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0067】
［実施例６］
内側凸部頂点１４と外側凸部頂点１５の距離を５５ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
内側凸部頂点１４と外側凸部頂点１５の距離を５５ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0068】
［実施例７］
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を５２ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を３６ｍｍとしたこと以外は実施例と同様にして簡易マスクを作製した。
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を５２ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を３６ｍｍとしたこと以外は実施例と同様にして簡易マスクを作製した。
【0069】
［実施例８］
内側凸部頂点１４の曲率半径を１．８ｍｍとしてこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
内側凸部頂点１４の曲率半径を１．８ｍｍとしてこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0070】
［実施例９］
外側凸部頂点１５の曲率半径を３８ｍｍとし、上側凸部１６の曲率中心と下側凸部１７の曲率中心を結ぶ直線と長軸の交点と、外側凸部頂点１５との距離を１６．１ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
外側凸部頂点１５の曲率半径を３８ｍｍとし、上側凸部１６の曲率中心と下側凸部１７の曲率中心を結ぶ直線と長軸の交点と、外側凸部頂点１５との距離を１６．１ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0071】
［実施例１０］
上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７の曲率半径を９．５ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を３８ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７の曲率半径を９．５ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を３８ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0072】
二つ折りにしたボックスティッシュペーパーをフィルター２４として図７の様に用い、得られた簡易マスクを成人モニター５名に着用させた。一日８時間着用するテストを３日間行い、脱着の容易さ、簡易マスク又はフィルターのずれにくさ、眼鏡の曇り、顔面の蒸れ、息苦しさ、耳の痛みついて、以下の評価基準から選択させ、最も多く選択された評価を簡易マスクの評価結果とした。また、テスト終了後に簡易マスクに破れ等の傷の有無を目視で行い、以下の評価基準で評価した。
＜脱着の容易さ＞
◎非常に容易
〇容易
×難しい
＜簡易マスク又はフィルターのずれにくさ＞
◎簡易マスク又はフィルターがずれない
○：簡易マスク又はフィルターに部分的なタルミが多少あるが、あまりずれない
×：大きく口を開けると簡易マスク又はフィルターがずれる
＜眼鏡の曇り＞
◎曇らない
○あまり曇らない
×曇る
＜顔面の蒸れ＞
◎：ほとんど蒸れを感じない
〇：多少蒸れを感じるが気にならない
×：蒸れを感じて不快
＜息苦しさ＞
◎：息苦しさを感じない
〇：息苦しさをあまり感じない
×：息苦しさを感じる
＜耳の痛み＞
◎：痛みを感じない
○：痛みをあまり感じない
△：痛みを多少感じる
×：痛みが強く不快
＜傷の有無＞
◎：傷がない
〇：多少傷がある
×：傷がある
＜脱着の容易さ＞
◎非常に容易
〇容易
×難しい
＜簡易マスク又はフィルターのずれにくさ＞
◎簡易マスク又はフィルターがずれない
○：簡易マスク又はフィルターに部分的なタルミが多少あるが、あまりずれない
×：大きく口を開けると簡易マスク又はフィルターがずれる
＜眼鏡の曇り＞
◎曇らない
○あまり曇らない
×曇る
＜顔面の蒸れ＞
◎：ほとんど蒸れを感じない
〇：多少蒸れを感じるが気にならない
×：蒸れを感じて不快
＜息苦しさ＞
◎：息苦しさを感じない
〇：息苦しさをあまり感じない
×：息苦しさを感じる
＜耳の痛み＞
◎：痛みを感じない
○：痛みをあまり感じない
△：痛みを多少感じる
×：痛みが強く不快
＜傷の有無＞
◎：傷がない
〇：多少傷がある
×：傷がある
【0073】
上記の結果から、実施例１～１０の簡易マスクはいずれも、脱着が容易であり、簡易マスク又はフィルターがずれにくく、眼鏡の曇り、顔面の蒸れ、息苦しさ及び耳の痛みがなかった。また、着用テスト後に簡易マスクの傷の有無を確認したところ、３日間の着用で破れた箇所もなく、繰り返し何度も使用でき再利用性に優れていた。これらの結果を表２に併せて示す。
【0074】
【表2】
【0075】
［比較例１］
内側凸部頂点１４と外側凸部頂点１５の距離を３８ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
内側凸部頂点１４と外側凸部頂点１５の距離を３８ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0076】
［比較例２］
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を４５ｍｍとし、外側凸部頂点１５の曲率半径を２３．４ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を２９ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を４５ｍｍとし、外側凸部頂点１５の曲率半径を２３．４ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を２９ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0077】
［比較例３］
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を６５ｍｍとし、外側凸部頂点の曲率半径を４２．２２ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を４９ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を６５ｍｍとし、外側凸部頂点の曲率半径を４２．２２ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を４９ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0078】
［比較例４］
内側凸部頂点１４の曲率半径を０．６ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
内側凸部頂点１４の曲率半径を０．６ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0079】
［比較例５］
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を５２ｍｍとし、外側凸部頂点１５の曲率半径を２８．２９ｍｍとし、上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７の曲率半径を５．５ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を３６ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を５２ｍｍとし、外側凸部頂点１５の曲率半径を２８．２９ｍｍとし、上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７の曲率半径を５．５ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を３６ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0080】
［比較例６］
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を６３ｍｍとし、外側凸部頂点１５の曲率半径を４３．３３ｍｍとし、上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７の曲率半径を１１ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を４７ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
上側凸部頂点１６と下側凸部頂点１７の距離を６３ｍｍとし、外側凸部頂点１５の曲率半径を４３．３３ｍｍとし、上側凸部頂点１６及び下側凸部頂点１７の曲率半径を１１ｍｍとし、上側凸部の曲率中心２０と下側凸部の曲率中心２１の距離を４７ｍｍとしたこと以外は実施例１と同様にして簡易マスクを作製した。
【0081】
比較例１～６においても、実施例１と同様のテストを行った。これらの結果を表３に併せて示す。
【0082】
【表3】
【0083】
比較例１～６はいずれも、眼鏡の曇り、顔面の蒸れ、息苦しさはなかったが、着脱が難しかったり、簡易マスク又はフィルターがずれやすかったり、耳の痛みがあったり、テスト後の簡易マスクに部分的に破れ傷が見られたりと問題があった。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の簡易マスクは、フィルターを口鼻に押さえて飛沫を防止するのに有用である。口鼻に接触するフィルターを交換すれば清潔を保つことができるため、繰り返し何度も使用できる。さらに、フィルターを口鼻に押さえる独特な使用方法であるがフィルターがずれることなく脱着が容易であり、着用感にも優れる。
【符号の説明】
【0085】
１ 簡易マスク
２ 口鼻覆部
３、３’ 耳掛け部
４、４’ 口鼻覆部の短辺
５ 長軸
６、６’ 円弧の中心点
７、７’ 耳挿入孔
８ 上側凸部
９ 外側凸部
１０ 下側凸部
１１ 内側凸部
１２ 上側凹部
１３ 下側凹部
１４ 内側凸部頂点
１５ 外側凸部頂点
１６ 上側凸部頂点
１７ 下側凸部頂点
１８ 上側凹部頂点
１９ 下側凹部頂点
２０ 上側凸部の曲率中心
２１ 下側凸部の曲率中心
２２ 上側凹部の曲率中心
２３ 下側凹部の曲率中心
２４ フィルター
２ 口鼻覆部
３、３’ 耳掛け部
４、４’ 口鼻覆部の短辺
５ 長軸
６、６’ 円弧の中心点
７、７’ 耳挿入孔
８ 上側凸部
９ 外側凸部
１０ 下側凸部
１１ 内側凸部
１２ 上側凹部
１３ 下側凹部
１４ 内側凸部頂点
１５ 外側凸部頂点
１６ 上側凸部頂点
１７ 下側凸部頂点
１８ 上側凹部頂点
１９ 下側凹部頂点
２０ 上側凸部の曲率中心
２１ 下側凸部の曲率中心
２２ 上側凹部の曲率中心
２３ 下側凹部の曲率中心
２４ フィルター
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】