(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023784
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】材料処理装置及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220201BHJP
B01J 3/00 20060101ALI20220201BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
H01L21/02 D
B01J3/00 M
H01L21/52 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083822
(22)【出願日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】63/056,725
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】109130119
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521213819
【氏名又は名称】劉 劭▲祺▼
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 劭▲祺▼
【テーマコード(参考)】
5F047
【Fターム(参考)】
5F047FA51
5F047FA61
5F047FA81
5F047FA82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子製品の信頼性と歩留まりを向上することのできる、材料処理装置及びその操作方法を提供する。
【解決手段】材料処理装置100は、内部空間Sを有する処理チャンバ110と、外部圧力源120と、真空発生器130と、温度調節器140と、コントローラ150とを含む。外部圧力源は、前記内部空間の正圧動作のため前記処理チャンバと接続される。真空発生器は、前記内部空間の負圧動作のため前記処理チャンバと接続される。温度調節器は、内部空間内の温度を調節するため処理チャンバ内に配置される。コントローラは、処理チャンバ内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるため外部圧力源を制御するよう構成され、圧力が第1の所定圧へ上昇した後、処理チャンバ内の圧力を常圧よりも低い第2の所定圧へ下げるため真空発生器を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料処理装置であって、
内部空間を有する、処理チャンバと、
前記内部空間の正圧動作のため前記処理チャンバと接続された、外部圧力源と、
前記内部空間の負圧動作のため前記処理チャンバと接続された、真空発生器と、
前記処理チャンバ内に配置されて、前記内部空間の温度を調節するよう構成された、温度調節器と、
前記処理チャンバ内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるため前記外部圧力源を制御するよう構成され、前記処理チャンバ内の前記圧力が前記第1の所定圧へ上昇した後、前記処理チャンバ内の前記圧力を、前記常圧よりも低い第2の所定圧へ下げるため前記真空発生器を制御するよう構成された、コントローラと
を含む、
材料処理装置。
【請求項2】
前記処理チャンバの外側に配置されて、前記処理チャンバへ連接された、少なくとも1つのモータを更に含む、
請求項1に記載の材料処理装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモータが大気環境に位置する、
請求項2に記載の材料処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのモータが複数のモータであり、前記複数のモータのうちの1つが前記処理チャンバ内へ部分的に延伸した、
請求項2に記載の材料処理装置。
【請求項5】
前記処理チャンバ内に配置されて、前記温度調節器と前記複数のモータのうちの1つとを接続する、ターボファンを更に含む、
請求項4に記載の材料処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのモータが単一のモータであり、前記単一のモータが前記処理チャンバから距離を有する、
請求項2に記載の材料処理装置。
【請求項7】
前記処理チャンバと前記真空発生器との間に配置され、前記処理チャンバから排出されたガスを冷却するよう構成された、冷却器を更に含む、
請求項1に記載の材料処理装置。
【請求項8】
電子製品が冷却される前に、前記コントローラが前記処理チャンバ内の前記圧力を前記第2の所定圧へ下げるよう構成された、
請求項1に記載の材料処理装置。
【請求項9】
電子製品が冷却された後に、前記コントローラが前記処理チャンバ内の前記圧力を前記第2の所定圧へ下げるよう構成された、
請求項1に記載の材料処理装置。
【請求項10】
材料処理装置の操作方法であって、
請求項1~9のいずれか1項に記載の材料処理装置を提供することと、
電子製品を前記処理チャンバ内へ配置することと、
前記処理チャンバ内の前記圧力を前記常圧から前記第1の所定圧へ上げるため前記コントローラを操作することと、
前記処理チャンバ内の前記圧力が前記第1の所定圧へ上昇した後、前記処理チャンバ内の前記圧力を前記第2の所定圧へ下げるため前記コントローラを操作することと
を含む、
材料処理装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は処理装置及び操作方法に関するものであり、特に材料処理装置及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子製品の製造の間、通常、処理すべき材料に多数の気泡が生成し、これら気泡は電子製品の信頼性と歩留まりを低下させる。従来、気泡を取り除くために、負圧動作(真空引き)が度々用いられる。しかし、上記方法は材料の温度均一性を低下させ、測定温度と実際の材料の全体的な温度との間の誤差を引き起こしやすい。結果として、関連パラメータ間の正確な切り替えが実行できず、制御が不正確となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、電子製品の信頼性と歩留まりを向上することのできる、材料処理装置及びその操作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の材料処理装置は、処理チャンバと、外部圧力源と、真空発生器と、温度調節器と、コントローラとを含む。処理チャンバは内部空間を有する。外部圧力源は、内部空間の正圧動作のため処理チャンバと接続される。真空発生器は、内部空間の負圧動作のため処理チャンバと接続される。温度調節器は、処理チャンバ内に配置され、内部空間内の温度を調節するよう構成される。コントローラは、処理チャンバ内の圧力を常圧から第1の所定圧へと上げるため外部圧力源を制御するよう構成され、処理チャンバ内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、処理チャンバ内の圧力を常圧よりも低い第2の所定圧へと下げるため真空発生器を制御するよう構成される。
【0005】
本発明の1つの実施形態において、材料処理装置は、処理チャンバの外側に配置されて処理チャンバへ連接された、少なくとも1つのモータを更に含む。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つのモータは大気環境に位置する。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つのモータは複数のモータであり、モータのうちの1つは処理チャンバ内へ部分的に延伸している。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、材料処理装置は、処理チャンバ内に配置されて、温度調節器と、モータのうちの1つとを接続する、ターボファンを更に含む。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つのモータは単一のモータであり、単一のモータは処理チャンバから距離を有する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、材料処理装置は、処理チャンバと真空発生器との間に配置され、処理チャンバから排出されたガスを冷却するよう構成された、冷却器を更に含む。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、コントローラは、電子製品が冷却される前に、処理チャンバ内の圧力を第2の所定圧へ下げるよう制御するよう構成される。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、コントローラは、電子製品が冷却された後に、処理チャンバ内の圧力を第2の所定圧へ下げるよう制御するよう構成される。
【0013】
本発明の材料処理装置の操作方法は以下を含んでよい。上述した材料処理装置を提供する。電子製品を処理チャンバ内に配置する。処理チャンバ内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるため、コントローラを操作する。処理チャンバ内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、圧力を第2の所定圧へ下げるため、コントローラを操作する。
【発明の効果】
【0014】
上記に基づき、コントローラが処理チャンバ内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるよう外部圧力源を制御することにより、電子製品の処理工程における材料全体から比較的均一な温度が得られ(材料の中心の温度が材料の辺縁の温度に近い)、このため測定温度と実際の材料の全体的な温度との間の誤差が低減される。更に、本発明の材料処理装置は関連パラメータ間の正確な切り替えが可能であり、制御の不正確さが低減され、電子製品の信頼性と歩留まりが向上する。加えて、外部圧力源が処理チャンバ内の圧力を第1の所定圧へ上げるためコントローラにより制御された後、コントローラが処理チャンバ内の圧力を第2の所定圧(少なくとも常圧未満)へ下げるため真空発生器を制御することにより、材料から気泡が効果的に取り除かれ、これにより電子製品の信頼性と歩留まりが更に向上する。
【0015】
上述をより理解し易くするよう、以下に図面を伴い実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態による材料処理装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明のもう1つの実施形態による材料処理装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の1つの実施形態による材料処理装置の操作方法のフロー図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による、温度と圧力と時間との間の関係のグラフである。
【
図4B】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、温度と圧力と時間との間の関係のグラフである。
【
図4C】
図4Cは、本発明のいくつかの実施形態による、温度と圧力と時間との間の関係のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の1つの実施形態による材料処理装置のブロック図である。ここでの材料処理装置は、例えば、フロントエンド(FEOL)、バックエンド(BEOL)、及びボールレベルでのシステムインパッケージ(SiP)及びチップレベルでのチップオンウェハの材料処理といった、電子製品の製造のための関連処理に用いられる。電子製品は、自動車用電子製品又はセンシング電子製品を含むが、これに限定されない。以下の説明は電子製品の処理工程であると見なされてよい。
【0018】
図1を参照し、材料処理装置100は、処理チャンバ110と、外部圧力源120と、真空発生器130と、温度調節器140と、コントローラ150とを含む。具体的には、処理チャンバ110は内部空間Sを有する。外部圧力源120は、内部空間Sの正圧動作のため処理チャンバ110と接続される。ここで、正圧動作は、内部空間S内の圧力が常圧よりも大きくなるよう、外部圧力源120により処理チャンバ110の内部空間Sへ高圧ガスを提供することであってよい。ただし、本発明はこれに限定されず、外部圧力源120は他の適切な方法で内部空間Sの正圧動作を実行してよい。いくつかの実施形態において、正圧動作は、内部空間Sの圧力を1気圧から100気圧までの範囲内にしてよい。ただし、本発明はこれに限定されない。本発明で言及される常圧は1気圧(atm)であることに注意されたい。
【0019】
真空発生器130は、内部空間Sの負圧動作のため処理チャンバ110と接続される。ここで、負圧動作は、内部空間Sの圧力が常圧以下へと下がるよう、真空ポンプにより処理チャンバ110の内部空間Sを真空引きすることであってよい。ただし、本発明はこれに限定されず、真空発生器130は他の適切な方法で内部空間Sの圧力に負圧動作を実行してよい。
【0020】
温度調節器140は、内部空間Sの温度を調節するため処理チャンバ110内に配置される。本実施形態において、温度調節器140は、例えば、温度調節のため対流方式で熱風循環を実行し、内部空間S内のガス温度を均一にする。ただし、本発明はこれに限定されず、温度調節器140は他の適切な方法で温度調節を実行してよい。
【0021】
コントローラ150は、外部圧力源120と真空発生器130とを制御するよう少なくとも構成される。具体的には、コントローラ150は、処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるため外部圧力源120を制御するよう構成されてよく、処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、処理チャンバ110内の圧力を常圧よりも低い第2の所定圧へ下げるため真空発生器130を制御するよう構成されてよい。
【0022】
処理チャンバ110を加圧することにより、処理チャンバ110内の熱分子の密度が増加され、熱分子が電子製品の処理工程における材料を均一に加熱する。このため、コントローラ150が処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ増加させるよう外部圧力源120を制御することにより、電子製品の処理工程における材料全体で比較的均一な温度が得られ(材料の中心の温度が材料の辺縁の温度に近い)、このため測定温度と実際の材料の全体的な温度との間の誤差が低減される。更に、本実施形態の材料処理装置100は、関連パラメータの正確な切り替えが可能であり、制御の不正確さが低減され、電子製品の信頼性と歩留まりが向上する。
【0023】
加えて、処理チャンバ110内の圧力を第1の所定圧へ上げるためコントローラ150により外部圧力源120を制御した後、コントローラ150が処理チャンバ110内の圧力が第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げるため真空発生器130を制御することにより、材料から気泡を効果的に取り除くことができ、これにより電子製品の信頼性と歩留まりが更に向上する。
【0024】
コントローラ150は、例えば、中央処理装置(CPU)、または他のプログラム可能な汎用又は特定用途向けマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、又は他の類似の処理装置、又は上記の組み合わせであってよく、内蔵メモリを含むか、外部メモリに接続されてよい。
【0025】
処理チャンバ110内の圧力が常圧から第1の所定圧へ上げられるときと、圧力が第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられるときの時点は、実際の設計要件により調整されてよいことに注意されたい。例えば、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ110内の圧力が処理において初めて調節されるとき、常圧から第1の所定圧へ上げられてよい。例えば、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ110内の圧力が処理においてn回目に調節されるとき、第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられてよく、n>1であってnは整数である。
【0026】
いくつかの実施形態において、例えば、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ110内の圧力が処理において初めて調節されるとき、常圧から第1の所定圧へ上げられてよい。例えば、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ110内の圧力が処理において2回目に調節されるとき、第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられてよい。即ち、圧力は、常圧から第1の所定圧へ上昇した後、引き続き第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられてよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ110内の圧力が処理において初めて調節されるとき、常圧から第1の所定圧へ上げられてよい。例えば、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ110内の圧力が処理において3回目以降に調節されるとき、第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられてよい。即ち、圧力は、常圧から第1の所定圧へ上昇した後、間接的に第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられてよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、処理チャンバ110内の圧力は、例えば、直線的に、第1の所定圧へ上げられてよい。ただし、本発明はこれに限定されない。他の実施形態において、処理チャンバ110内の圧力は、例えば、多段階にて、第1の所定圧へ上げられてよい。同様に、処理チャンバ110内の圧力は、直線的又は多段階にて第2の所定圧へ下げられてよい。
【0029】
具体的には、本発明における、真空(V)、圧力(P)、温度(P)そして時間(t)は、材料の特性により調節されてよい。本発明は、コントローラ150が、処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるため外部圧力源120を制御するよう構成され、処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、処理チャンバ110内の圧力を常圧よりも低い第2の所定圧へ下げるため真空発生器130を制御するよう構成されることのできる全ての改変をカバーする。
【0030】
本実施形態において、材料処理装置100は、少なくとも1つのモータを任意に含んでよい。モータ160は、処理チャンバ110の外側に配置されて、処理チャンバ110と連接されてよい。換言すれば、モータ160は内部空間S内には配置されない。このため、内部空間S内に配置されて内部空間Sと同一の圧力を有するモータと比較し、本実施形態のモータ160は内部空間S内の圧力変化による損傷が防止され、耐用年数が長くなる。いくつかの実施形態において、モータ160は、回転シャフト、パイプ、又は他の適切な接続部品により処理チャンバ110と連接されてよい。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態において、モータ160は大気環境に位置してよい。即ち、モータ160が筐体により覆われなくてよく、空気に直接露出されてよい。ただし、本発明はこれに限定されない。他の実施形態において、モータ160は、外力による衝撃や損傷を防ぐため、筐体により覆われてよい。
【0032】
本実施形態において、材料処理装置100は、ターボファン170を任意に含んでよく、少なくとも1つのモータ160は複数のモータ160であってよい。具体的には、モータ160のうちの1つが処理チャンバ110内に部分的に延伸しており、ターボファン170が処理チャンバ110内に配置され、温度調節器140と、モータ160のうちの1つとを接続してよい。
【0033】
図1に示されるように、モータ160は、モータ1601とモータ1602とを含んでよく、モータ1601は処理チャンバ110内に部分的に延伸してよい。加えて、ターボファン170が処理チャンバ110内に配置されてよく、温度調節器140とモータ1601とを接続してよい。換言すれば、ターボファン170は、温度調節器140とモータ1601との間に挟まれてよい。モータ1602は、処理チャンバ110内のガス濃度を調節するため処理チャンバ110へ連接されてよい。例えば、処理チャンバ110内のガス濃度が高いとき、コントローラ150は処理チャンバ110からガスを排出するためモータ1602を制御してよい。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0034】
いくつかの実施形態において、モータ1601は駆動モータであってよく、このため内部空間S内の均一なガス濃度を達成するためターボファン170を回転するよう駆動してよい。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0035】
本実施形態において、材料処理装置100は、冷却器180を任意に含んでよい。冷却器180は、処理チャンバ110と真空発生器130との間に配置されてよく、処理チャンバ110から排出されたガスの冷却するよう構成されてよい。加えて、冷却器180は、処理チャンバの外側に配置されて、内部空間Sと接続してよい。このため、冷却器180により冷却されたガスは、循環のため処理チャンバへ回流してよい。いくつかの実施形態において、冷却器180はプレート熱交換器であってよい。ただし、本発明はこれに限定されず、冷却器180は任意の適切な冷却装置であってよい。
【0036】
本実施形態において、材料処理装置100は、ガス含有量センサ190を任意に含んでよい。ガス含有量センサ190は、処理チャンバ110の外側に配置されてよく、内部空間Sと連通してよい。具体的には、ガス含有量センサ190は、内部空間S内の特定のガスの含有量を感知してよい。ガス含有量センサ190は、流体の含有量を感知する前に、特定の流体を感知に適する状態に調節する、調節ユニット(図示せず)を含んでよい。調節ユニットは、例えば、適切な流速を有する流体を感知のため通過させるよう構成されたバルブ部材であってよい。或いは、調節ユニットは、例えば、流体を感知に適した温度に調節するため温度を上昇又は下降させるよう構成された温度調節ユニットであってよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、ガス含有量センサ190は、例えば、酸素含有量分析器であってよい。ガス含有量センサ190の種類と構成部品、並びにガス含有量センサ190により感知されるガスの種類は、上記に限定されない。
【0038】
外部圧力源120と真空発生器130を制御することに加え、コントローラ150は、正確で迅速なパラメータ切り替え機構を達成するため、温度調節器140、モータ160、ターボファン170、冷却器180、ガス含有量センサ190といった部材を制御するよう選択的に構成されてもよいことに注意されたい。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0039】
上記実施形態の符号と一部内容は、同一又は類似の符号が同一又は類似の部材を示し、同一の技術的内容の繰り返しとなる説明が省略されている以下の実施形態に適用されることに注意されたい。省略された説明を理解するため、前の実施形態の説明を参照することができ、以下の実施形態には繰り返しとなる説明は含まない。
【0040】
図2は、本発明のもう1つの実施形態による材料処理装置のブロック図である。
図2を参照し、本実施形態の材料処理装置100aは、少なくとも1つのモータ160が単一のモータ160であり、モータ160が処理チャンバ110から距離を有する点において、
図1の材料処理装置100とは異なる。具体的には、本実施形態において、材料処理装置100aは、ターボファン170と、ターボファン170を駆動するモータ1601を排除している。加えて、モータ1602が冷却器180と接続され、これによりモータ1602は処理チャンバ110内のガスを調節し、循環のため冷却器180からの冷却されたガスを処理チャンバ110へ回流させるよう直接構成されてよい。
【0041】
本実施形態の材料処理装置100aを配置することにより、使用されるモータの数を削減でき、このため材料処理装置100aの製造コストを効果的に削減できる。ただし、本発明において、モータの数と位置は限定されず、実際の設計要件により調整されてよい。
【0042】
本発明の1つの実施形態による材料処理装置の操作方法を、以下に図を参照し説明する。
図3は、本発明の1つの実施形態による材料処理装置の操作方法のフロー図である。
【0043】
図3を参照し、材料処理装置100又は材料処理装置100aといった材料処理装置を提供するステップS100を実行する。電子製品を処理チャンバ110内へ配置するステップS200を実行する。処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるようコントローラ150を操作するステップS300を実行する。処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、圧力を第2の所定圧へ下げるためコントローラ150を操作するステップS400を実行する。
【0044】
本実施形態において、コントローラ150が処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるため外部圧力源を制御することにより、電子製品の処理工程において材料全体において比較的均一な温度が得られ(材料の中心の温度が材料の辺縁の温度に近い)、測定温度と実際の材料の全体的な温度との間の誤差が低減される。更に、本発明の材料処理装置100又は材料処理装置100aは、関連パラメータを正確に切り替えることができ、制御の不正確さが低減され、電子製品の信頼性と歩留まりが向上する。加えて、処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、コントローラ150が処理チャンバ110内の圧力を第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げるよう真空発生器を制御することにより、材料から気泡を効果的に取り除くことができ、これにより電子製品の信頼性と歩留まりが更に向上する。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態の操作曲線を、以下に図を参照し説明する。
図4A~
図4Cは、本発明のいくつかの実施形態による、温度と圧力と時間との関係のグラフである。
【0046】
図4Aを参照し、
図4Aの操作曲線は、電子製品製造のためのアンダーフィル工程の材料処理を表す。材料は、例えば、キャピラリーアンダーフィル(CUF)であり、アンダーフィル工程は、例えば、電子部品と基板との間に接着材料を充填する工程である。いくつかの実施形態において、キャピラリーアンダーフィルは、例えば、ポリマー材料、樹脂又は二酸化ケイ素添加剤である。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0047】
図4Bを参照し、
図4Bの操作曲線は、電子製品製造のための、被覆、印刷、及びポッティング工程の材料処理を表す。材料は、上述した工程に適用されるものとして当業者に既知のものであってよく、その説明はここでは省略する。
【0048】
具体的には、
図4A~
図4Bに示されるように、上記工程の材料の特性に基づき、コントローラ150は、電子製品が冷却される前に、処理チャンバ110内の圧力を第2の所定圧へ下げるよう制御するよう構成されてよい。即ち、処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、コントローラ150は、内部空間S内の温度が維持される又は継続して上昇するよう、内部空間S内の温度を調節するため温度調節器140を制御してよく、内部空間S内の圧力が第1の所定圧から第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下がるよう、内部空間Sの負圧動作を実行するため真空発生器130を制御してよい。
【0049】
図4Cを参照し、
図4Cの操作曲線は、電子製品(センサ)製造のための工程の材料処理を表す。材料は、例えば、シリカゲルである。具体的には、
図4Cに示されるように、本工程の材料特性に基づき、コントローラ150は、電子製品が冷却された後、処理チャンバ110内の圧力を第2の所定圧へ下げるよう制御するよう構成されてよい。即ち、処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、内部空間S内の温度は冷却が行われるまでに特定の温度まで継続して上昇し得る。また、圧力は常圧より下がることなく交互に上昇及び下降し得る。電子製品が冷却された後、内部空間S内の圧力は第1の所定圧から第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げられる。
【0050】
電子製品の処理工程における材料が比較的高い粘度を有する上述した接着材料であるとき、気泡と材料との間の拘束力が増加する。このため、本発明の材料処理装置が応用される。コントローラが処理チャンバ内の圧力を第1の所定圧へ上げるため外部圧力源を制御することにより、加熱中に材料の軟化点に達したとき、電子製品の処理工程における材料の流動性を向上でき、気泡に対する材料の拘束力を低減できる。処理チャンバ内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、コントローラが処理チャンバ内の圧力を第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げるよう真空発生器を制御することにより、材料から気泡を効果的に取り除くことができ、これにより電子製品の信頼性と歩留まりが更に向上する。
【0051】
加えて、
図4A~
図4Cの実施形態において、初期冷却の間、圧力は固定値に維持されてよい(減圧は行われない)。このため、初期冷却の間、熱反応による反りの発生が効果的に防止され、気泡の回復が効果的に防止され、これにより電子製品の信頼性と歩留まりを更に確実にすることができる。
【0052】
図4A~
図4Cに標記された第1の所定圧と第2の所定圧は、電子製品の処理工程における材料の材料特性に対応する温度と圧力と時間とに関係する曲線を概略的に示すのみであることに注意されたい。温度、圧力、及び時間の値は、実際の設計要件により調節されてよい。このため、
図4A~
図4Cは各ノードでの温度、圧力、時間の値を明示的に示していない。加えて、第1の所定圧は圧力曲線における最初の最高点の位置であると定義されてよく、第2の所定圧は圧力曲線の圧力が初めて常圧を下回ったときの最初の最低点の位置として定義されてよい。
【0053】
温度と圧力との関係は、
図4A~
図4Cの曲線により示されるものに限定されない(例えば、電子製品を加熱すると同時に処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げる)。即ち、温度調節と加圧の時点は、実際の設計要件により決定されてよい。本発明は、コントローラ150が処理チャンバ110内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるよう操作されることができ、処理チャンバ110内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、コントローラ150が処理チャンバ内の圧力を第2の所定圧へ下げるよう操作されることができる全ての改変をカバーする。例えば、温度は、処理チャンバ110内の圧力が上げられる前に特定の温度へ上げられてよい、又は、処理チャンバ110内の圧力は、処理チャンバ内の温度が上げられる前に特定の圧力へ上げられてよい。
【0054】
まとめると、コントローラが処理チャンバ内の圧力を常圧から第1の所定圧へ上げるよう外部圧力源を制御することにより、電子製品の処理工程における材料全体から比較的均一な温度が得られ(材料の中心の温度が材料の辺縁の温度に近い)、このため測定温度と実際の材料の全体的な温度との間の誤差が低減される。更に、本発明の材料処理装置は、関連パラメータ間の正確な切り替えが可能であり、制御の不正確さが低減され、電子製品の信頼性と歩留まりが向上する。電子製品の処理工程における材料が比較的粘度の高い接着材料である場合、コントローラが処理チャンバ内の圧力を第1の所定圧へ上げるため外部圧力源を制御することにより、加熱中に材料の軟化点に達したとき、接着材料の流動性を向上できる。処理チャンバ内の圧力が第1の所定圧へ上昇した後、コントローラが処理チャンバ内の圧力を第2の所定圧(少なくとも常圧よりも低い)へ下げるよう真空発生器を制御することにより、材料から気泡を効果的に取り除くことができ、これにより電子製品の信頼性と歩留まりが更に向上する。
【0055】
本発明をその実施形態を参照し説明したが、本発明の精神から逸脱することなく改変及び変形を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明による材料処理装置及びその操作方法は、電子製品の製造に応用できる。
【符号の説明】
【0057】
100、100a:材料処理装置
110:処理チャンバ
120:外部圧力源
130:真空発生器
140:温度調節器
150:コントローラ
160、1601、1602:モータ
170:ターボファン
180:冷却器
190:ガス含有量センサ
S:内部空間