(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023837
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】自動車用ロールシャッタードアの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/14 20060101AFI20220201BHJP
B29C 45/16 20060101ALI20220201BHJP
B29C 33/04 20060101ALI20220201BHJP
B29C 45/73 20060101ALI20220201BHJP
B29C 45/78 20060101ALI20220201BHJP
B29C 33/00 20060101ALI20220201BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20220201BHJP
B29C 65/70 20060101ALI20220201BHJP
B29C 51/10 20060101ALI20220201BHJP
B60J 5/12 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C45/16
B29C33/04
B29C45/73
B29C45/78
B29C33/00
B29C45/26
B29C65/70
B29C51/10
B60J5/12
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021122414
(22)【出願日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】202010730399.4
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521330460
【氏名又は名称】東莞廣華汽車飾件科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】莊 ▲ウー▼釧
(72)【発明者】
【氏名】李 叔明
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
4F208
4F211
【Fターム(参考)】
4F202AA13
4F202AA21
4F202AD05
4F202AD08
4F202AD24
4F202AF07
4F202AF10
4F202AF14
4F202AF15
4F202AF16
4F202AG01
4F202AG03
4F202AG04
4F202AH18
4F202AR06
4F202AR11
4F202CA11
4F202CA17
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4F202CB26
4F202CB28
4F202CK35
4F202CN05
4F202CN12
4F202CQ01
4F206AA13
4F206AA21
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4F206AD21
4F206AD24
4F206AF07
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4F206AF16
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4F206AG03
4F206AG04
4F206AH18
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4F211AH18
4F211TA08
4F211TC03
4F211TJ08
4F211TN82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用寿命が長い自動車用ロールシャッタードアをコストを抑えて製造する方法を提供する。
【解決手段】自動車用ロールシャッタードアの生産技術分野に関するものである。まず、1つのプラスチックシート部材1を必要な形状に真空成形してから、真空成形したプラスチックシート部材にプラスチック材2を射出成形し、プラスチック材とプラスチックシート部材を一体成形して、1本のロールシャッターストリップを形成した後、必要な数の1本のロールシャッターストリップをフレキシブル基材3の上に揃えて順番に広げて接着し、自動車用ロールシャッタードアを形成する自動車用ロールシャッタードアの製造方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1射出成形金型により1つのプラスチックシート部材を射出成形する、あるいは、まず、第1射出成形金型により1枚のプラスチックシートを射出成形してから、必要な規格に基づいて前記プラスチックシートを切断機構で切断し、1つのプラスチックシート部材を形成するステップ(一)と、
プラスチックシート部材を加熱して、プラスチックシート部材を軟化するステップ(二)と、
軟化したプラスチックシート部材を真空成形法により形状固定処理し、プラスチックシート部材を必要な形状に成形して、前記プラスチックシート部材の底面に凹溝を設置するステップ(三)と、
真空成形により形状固定したプラスチックシート部材を第2射出成形金型内に置いて、射出成形機で第2射出成形金型を駆動して型締めするとともに、溶融したプラスチック材を第2射出成形金型に注入して、溶融したプラスチック材とプラスチックシート部材を第2射出成形金型内で一体成形することにより、プラスチックシート部材の底面をプラスチック部材につなぎ合わせて、プラスチック部材をプラスチックシート部材の凹溝内に突出させ、ロールシャッターストリップを形成するステップ(四)と、
射出成形機で第2射出成形金型を駆動して型開きした後、ロールシャッターストリップを取り出すステップ(五)と、
フレキシブル基材を提供し、必要な数のロールシャッターストリップをフレキシブル基材の上に揃えて順番に広げて接着し、プラスチック部材のプラスチックシート部材から離れた一側をフレキシブル基材に貼り合わせて、自動車用ロールシャッタードアを形成するステップ(六)と、
を含む自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項2】
前記プラスチックシート部材が、上から下に向かって、硬化した保護膜層、パターン層、および基底層を含む請求項1に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項3】
ステップ(四)において、必要な数のプラスチックシート部材を第2射出成形金型内に揃えて順番に置いて、第2射出成形金型を型締めした後、溶融したプラスチック材を射出成形機で第2射出成形金型内の全てのプラスチックシート部材に射出成形して、複数のロールシャッターストリップを1回で製造する請求項1または2に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項4】
前記フレキシブル基材が、不織布である請求項1~3のいずれか1項に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項5】
ステップ(六)において、必要な数のロールシャッターストリップをラミネート接着剤でフレキシブル基材の上に接着し、自動車用ロールシャッタードアを形成する請求項1~4のいずれか1項に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項6】
ステップ(六)において、さらに、圧着装置を提供し、自動車用ロールシャッタードアを圧着装置内に置いて、圧着装置で自動車用ロールシャッタードアを圧着するステップを含む請求項5に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項7】
ステップ(一)において、前記切断機構が、第1射出成形金型に可動に設置された切断ナイフと、切断ナイフの移動を駆動するための切断駆動装置とを含み、前記切断駆動装置で切断ナイフが第1射出成形金型に相対して移動するよう駆動し、移動した切断ナイフで第1射出成形金型が射出成形したプラスチックシートを切断して、1つのプラスチックシート部材を形成する請求項1~6のいずれか1項に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項8】
自動車用ロールシャッタードアにおいて、隣接する2本のロールシャッターストリップの間の間隔が、0.2mm~0.4mmである請求項1~7のいずれか1項に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【請求項9】
ステップ(四)において、プラスチック部材とプラスチックシート部材を射出成形した後、第2射出成形金型の冷却通路に冷却液を注入し、第2射出成形金型内のロールシャッターストリップを75℃~85℃に冷却した後、冷却通路に冷却液を注入するのを停止して、ロールシャッターストリップを第2射出成形金型内で5秒~8秒自然に冷却してから、ステップ(五)を行う請求項1~8のいずれか1項に記載の自動車用ロールシャッタードアの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ロールシャッタードアの生産技術分野に関するものであり、特に、自動車用ロールシャッタードアの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用ロールシャッタードアは、いずれも硬質プラスチックおよび軟質プラスチックを射出成形することによって作られる。る具体的な製造方法は、以下の通りである:まず、硬質プラスチックを射出成形してから、硬質プラスチックを射出成形金型に埋め込む。そして、射出成形機で型締めして、軟質プラスチックを射出成形金型に注入し、軟質プラスチックと硬質プラスチックを射出成形して一体化する。最後に、射出成形機で型開きして、射出成形品を取り出す。軟質プラスチック(TPE、熱可塑性エラストマー)は、表面が比較的滑らかになっているため、軟質プラスチックの表面にシボ加工、パターンの増加、およびテクスチャの作成を行うことが難しく、同時に、軟質プラスチックの表面は、ハイライト効果を出すことができない。また、軟質プラスチックは、硬質プラスチックから脱落しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題を解決するために、現有技術は、細長い形をした一枚構造のプラスチックシートを射出成形金型内に置いて、射出成形機でプラスチック材をプラスチックシートに射出成形し、プラスチックシートとプラスチック材を一体成形して、自動車用ロールシャッタードアを形成する。しかし、この方法により製造された自動車用ロールシャッタードアは、柔軟性が悪く、細長い形をした一枚構造のプラスチックシートは、割れやすいため、自動車用ロールシャッタードアの使用寿命が短い。また、必要な射出成形金型の体積が大きくなり、射出成形金型の精度要求が高くなるため、金型の製造が難しく、製造コストが高い。したがって、欠陥は非常に明らかであり、迅速に解決案を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した技術課題を解決するため、本発明は、自動車用ロールシャッタードアの各ロールシャッターストリップを互いに独立させることによって、互いに干渉したり、影響を与えたりすることがなく、自動車用ロールシャッタードアの柔軟性を高めることのできる自動車用ロールシャッタードアの製造方法を提供することを目的とする。現有技術における自動車用ロールシャッタードアの細長い形をした一枚構造のプラスチックシートと比較して、本発明の各プラスチックシート部材は、互いに独立しており、一枚構造のプラスチックシートに見られる断裂しやすいという欠陥が発生しないため、自動車用ロールシャッタードアの寿命を延ばすことができる。また、1つのプラスチックシート部材の生産コストは、一枚構造のプラスチックシートの生産コストよりも低く、効率が高いため、異なるプラスチックシート部材に異なる色彩、テクスチャ、パターン等を設計するのに便利である。その中の1つのロールシャッターストリップが破損した時、破損したロールシャッターストリップのみを交換するだけでよく、自動車用ロールシャッタードア全体を交換する必要がないため、メンテナンスを簡便かつ迅速に行うことができ、資源の無駄遣いを回避して、メンテナンスコストを下げることができる。
【0005】
上記の目的を実現するため、本発明は、以下の技術方案を採用する。
【0006】
自動車用ロールシャッタードアの製造方法は、
第1射出成形金型により1つのプラスチックシート部材を射出成形する、あるいは、まず、第1射出成形金型により1枚のプラスチックシートを射出成形してから、必要な規格に基づいて前記プラスチックシートを切断機構で切断し、1つのプラスチックシート部材を形成するステップ(一)と、
プラスチックシート部材を加熱して、プラスチックシート部材を軟化するステップ(二)と、
軟化したプラスチックシート部材を真空成形法により形状固定処理し、プラスチックシート部材を必要な形状に成形して、前記プラスチックシート部材の底面に凹溝を設置するステップ(三)と、
真空成形により形状固定したプラスチックシート部材を第2射出成形金型内に置いて、射出成形機で第2射出成形金型を駆動して型締めするとともに、溶融したプラスチック材を第2射出成形金型に注入して、溶融したプラスチック材とプラスチックシート部材を第2射出成形金型内で一体成形することにより、プラスチックシート部材の底面をプラスチック部材につなぎ合わせて、プラスチック部材をプラスチックシート部材の凹溝内に突出させ、ロールシャッターストリップを形成するステップ(四)と、
射出成形機で第2射出成形金型を駆動して型開きした後、ロールシャッターストリップを取り出すステップ(五)と、
フレキシブル基材を提供し、必要な数のロールシャッターストリップをフレキシブル基材の上に揃えて順番に広げて接着し、プラスチック部材のプラスチックシート部材から離れた一側をフレキシブル基材に貼り合わせて、自動車用ロールシャッタードアを形成するステップ(六)と、
を含む。
【0007】
さらに、前記プラスチックシート部材は、上から下に向かって、硬化した保護膜層、パターン層、および基底層を含む。
【0008】
さらに、ステップ(四)において、必要な数のプラスチックシート部材を第2射出成形金型内に揃えて順番に置いて、第2射出成形金型を型締めした後、溶融したプラスチック材を射出成形機で第2射出成形金型内の全てのプラスチックシート部材に射出成形して、複数のロールシャッターストリップを1回で製造する。
【0009】
さらに、前記フレキシブル基材は、不織布である。
【0010】
さらに、ステップ(六)において、必要な数のロールシャッターストリップをラミネート接着剤でフレキシブル基材の上に接着し、自動車用ロールシャッタードアを形成する。
【0011】
さらに、ステップ(六)において、圧着装置を提供し、自動車用ロールシャッタードアを圧着装置内に置いて、圧着装置で自動車用ロールシャッタードアを圧着するステップをさらに含む。
【0012】
さらに、ステップ(一)において、前記切断機構は、第1射出成形金型に可動に設置された切断ナイフと、切断ナイフの移動を駆動するための切断駆動装置とを含み、前記切断駆動装置で切断ナイフが第1射出成形金型に相対して移動するよう駆動し、移動した切断ナイフで第1射出成形金型が射出成形したプラスチックシートを切断して、1つのプラスチックシート部材を形成する。
【0013】
さらに、自動車用ロールシャッタードアにおいて、隣接する2本のロールシャッターストリップの間の間隔は、0.2mm~0.4mmである。
【0014】
さらに、ステップ(四)において、プラスチック部材とプラスチックシート部材を射出成形した後、第2射出成形金型の冷却通路に冷却液を注入し、第2射出成形金型内のロールシャッターストリップを75℃~85℃に冷却した後、冷却通路に冷却液を注入するのを停止して、ロールシャッターストリップを第2射出成形金型内で5秒~8秒自然に冷却してから、ステップ(五)を行う。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果:本発明は、まず、1つのプラスチックシート部材を必要な形状に真空成形してから、真空成形したプラスチックシート部材にプラスチック材を射出成形し、プラスチック材とプラスチックシート部材を一体成形して、1本のロールシャッターストリップを形成する。その後、必要な数の1本のロールシャッターストリップをフレキシブル基材の上に揃えて順番に広げて接着し、自動車用ロールシャッタードアを形成する。自動車用ロールシャッタードアの各ロールシャッターストリップは、互いに独立しているため、互いに干渉したり、影響を与えたりすることがなく、自動車用ロールシャッタードアの柔軟性を高めることができる。現有技術における自動車用ロールシャッタードアの細長い形をした一枚構造のプラスチックシートと比較して、本発明の各プラスチックシート部材は、互いに独立しており、一枚構造のプラスチックシートに見られる断裂しやすいという欠陥が発生しないため、自動車用ロールシャッタードアの寿命を延ばすことができる。また、1つのプラスチックシート部材の生産コストは、一枚構造のプラスチックシートの生産コストよりも低く、効率が高いため、必要な射出成形金型の精度要求が比較的低く、射出成形金型を製造する難度を下げ、射出成形金型を製造するコストを下げることができ、異なるプラスチックシート部材に異なる色彩、テクスチャ、パターン等を設計するのに便利である。その中の1つのロールシャッターストリップが破損した時、破損したロールシャッターストリップのみを交換するだけでよく、自動車用ロールシャッタードア全体を交換する必要がないため、メンテナンスを簡便かつ迅速に行うことができ、資源の無駄遣いを回避して、メンテナンスコストを下げることができる。
【0016】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0018】
【
図1】本実施形態の自動車用ロールシャッタードアの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者が理解しやすいよう、以下、実施形態と図面を組み合わせて、本発明をさらに詳しく説明するが、実施形態が提示する内容は、本発明を限定するためのものではない。
【0020】
図1に示すように、本発明が提供する自動車用ロールシャッタードアの製造方法は、
第1射出成形金型により1つのプラスチックシート部材1を射出成形する、あるいは、まず、第1射出成形金型により1枚のプラスチックシートを射出成形してから、必要な規格に基づいて前記プラスチックシートを切断機構で切断し、1つのプラスチックシート部材1を形成するステップ(一)と、
1つまたは複数のプラスチックシート部材1を加熱して、プラスチックシート部材1を軟化するステップ(二)と、
軟化したプラスチックシート部材1を真空成形法により形状固定処理し、プラスチックシート部材1を必要な形状に成形して、真空成形したプラスチックシート部材1が下向きに開口する凵字型になるようにし、前記のプラスチックシート部材1の底面に凹溝を設置するステップ(三)と、
真空成形により形状固定したプラスチックシート部材1を第2射出成形金型内に置いて、射出成形機で第2射出成形金型を駆動して型締めするとともに、溶融したプラスチック材を第2射出成形金型に注入して、溶融したプラスチック材とプラスチックシート部材1を第2射出成形金型内で一体成形することにより、プラスチックシート部材1の底面をプラスチック部材2につなぎ合わせて、プラスチック部材2をプラスチックシート部材1の凹溝内に突出させ、1本のロールシャッターストリップを製造するステップ(四)と、
射出成形機で第2射出成形金型を駆動して型開きした(開いた)後、各ロールシャッターストリップを取り出すステップ(五)と、
フレキシブル基材3を提供し、必要な数のロールシャッターストリップをフレキシブル基材3の上に揃えて順番に広げて接着して、プラスチック部材2のプラスチックシート部材1から離れた一側をフレキシブル基材3に貼り合わせ、自動車用ロールシャッタードアを形成するステップ(六)と、
を含む。
【0021】
本発明は、まず、1つのプラスチックシート部材1を必要な形状に真空成形してから、真空成形したプラスチックシート部材1にプラスチック材を射出成形し、プラスチック材とプラスチックシート部材1を一体成形して、1本のロールシャッターストリップを形成する。その後、必要な数の1本のロールシャッターストリップをフレキシブル基材3の上に揃えて順番に広げて接着し、自動車用ロールシャッタードアを形成する。自動車用ロールシャッタードアの各ロールシャッターストリップは、互いに独立しているため、互いに干渉したり、影響を与えたりすることがなく、自動車用ロールシャッタードアの柔軟性を高めることができる。現有技術における自動車用ロールシャッタードアの細長い形をした一枚構造のプラスチックシートと比較して、本発明の各プラスチックシート部材1は、互いに独立しており、一枚構造のプラスチックシートに見られる断裂しやすいという欠陥が発生しないため、自動車用ロールシャッタードアの寿命を延ばすことができる。また、1つのプラスチックシート部材1の生産コストは、一枚構造のプラスチックシートの生産コストよりも低く、効率が高いため、必要な射出成形金型の精度要求が比較的低く、射出成形金型を製造する難度を下げ、射出成形金型を製造するコストを下げることができ、異なるプラスチックシート部材1に異なる色彩、テクスチャ、パターン等を設計するのに便利で、印刷の融通性が高い。その中の1つのロールシャッターストリップが破損した時、破損したロールシャッターストリップのみを交換するだけでよく、自動車用ロールシャッタードア全体を交換する必要がないため、メンテナンスを簡便かつ迅速に行うことができ、資源の無駄遣いを回避して、メンテナンスコストを下げることができる。
【0022】
本実施形態において、前記プラスチックシート部材1は、上から下に向かって、硬化した保護膜層、パターン層、および基底層を含む。硬化した保護膜層は、PMMA材料で製造され、基底層は、ABSまたはPC等の材料で製造される。パターン層は、シボ加工、パターンの増加、およびテクスチャの作成等の処理を行ってもよく、プラスチックシート部材1の表面は、異なるパターンおよび色彩を表示して、プラスチックシート部材1の多様化を増やしてもよい。硬化した保護膜層は、パターン層がシボ加工されないようにすることができ、同時に、硬化した保護膜層は、PMMA材料で製造されるため、優れた透明性、化学安定性、力学性能および耐候性、染色しやすい、加工しやすい、外観優美等の利点を有し、硬化した保護膜層は、プラスチックシート部材1の表面にハイライト効果を出すことができる。基底層をABS材料で製造した時、ABS材料は、成形加工しやすく、収縮率が低く、サイズ安定性が強い等の特性を有するため、プラスチックシート部材1とプラスチック部材2を射出成形して一体化した後、プラスチック部材2と基底層が強く粘着し、プラスチックシート部材1がプラスチック部材2から脱落しにくくなる。
【0023】
本実施形態において、ステップ(四)は、必要な数のプラスチックシート部材1を第2射出成形金型内に揃えて順番に置いて、第2射出成形金型を型締めした後、溶融したプラスチック材を射出成形機で第2射出成形金型内の全てのプラスチックシート部材1に射出成形して、複数のロールシャッターストリップを1回で製造するため、ロールシャッターストリップの製造効率を上げることができる。
【0024】
本実施形態において、前記フレキシブル基材3は、不織布であるため、自動車用ロールシャッタードアの柔軟性を高め、自動車用ロールシャッタードアの使用寿命を延ばすことができる。
【0025】
本実施形態において、ステップ(六)は、必要な数のロールシャッターストリップをラミネート接着剤でフレキシブル基材3に接着して、自動車用ロールシャッタードアを形成するため、ロールシャッターストリップをフレキシブル基材3にしっかりとつなぎ合わせることができ、自動車用ロールシャッタードアの品質を保証することができる。
【0026】
本実施形態において、ステップ(六)は、圧着装置を提供し、自動車用ロールシャッタードアを圧着装置内に置いて、圧着装置で自動車用ロールシャッタードアを圧着するステップをさらに含むため、ロールシャッターストリップとフレキシブル基材3をつなぎ合わせる安定性をさらに上げることができる。
【0027】
本実施形態において、ステップ(一)は、前記切断機構が、第1射出成形金型に可動に設置された切断ナイフと、切断ナイフの移動を駆動するための切断駆動装置とを含み、前記切断駆動装置で切断ナイフが第1射出成形金型に相対して移動するよう駆動し、移動した切断ナイフで第1射出成形金型が射出成形したプラスチックシートを切断して、1つのプラスチックシート部材1を形成する。第1射出成形金型がプラスチックシートを射出成形した後、第1射出成形金型のキャビティ内において直接切断ナイフでプラスチックシートを切断するため、プラスチックシートを第1射出成形金型の外に移して2回位置を合わせた後に切断する必要がなく、プラスチックシートの切断収率および切断効率を上げることができる。
【0028】
本実施形態において、自動車用ロールシャッタードアは、隣接する2本のロールシャッターストリップの間の間隔が0.2mm~0.4mmである。この間隙の設計は、自動車用ロールシャッタードアを円形回転させるのに便利である。
【0029】
本実施形態において、ステップ(四)は、プラスチック部材2とプラスチックシートを射出成形した後、第2射出成形金型の冷却通路に冷却液を注入し、第2射出成形金型内のロールシャッターストリップを75℃~85℃に冷却した後、冷却通路に冷却液を注入するのを停止して、ロールシャッターストリップを第2射出成形金型内で5秒~8秒自然に冷却してから、ステップ(五)を行う。2段階式の冷却方法を採用することにより、プラスチック部材2の冷却が速すぎて湾曲変形現象が生じるのを防ぎ、自動車用ロールシャッタードアの品質を保証することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、自動車用ロールシャッタードアの各ロールシャッターストリップが互いに独立しているため、互いに干渉したり、影響を与えたりすることがなく、自動車用ロールシャッタードアの柔軟性を高めることができる。各プラスチックシート部材が互いに独立し、一枚構造のプラスチックシートに見られる断裂しやすいという欠陥が発生しないため、自動車用ロールシャッタードアの寿命を延ばすことができる。また、1つのプラスチックシート部材の生産コストは、一枚構造のプラスチックシートの生産コストよりも低く、効率が高いため、必要な射出成形金型の精度要求が比較的低く、射出成形金型を製造する難度を下げ、射出成形金型を製造するコストを下げることができ、異なるプラスチックシート部材に異なる色彩、テクスチャ、パターン等を設計するのに便利である。その中の1つのロールシャッターストリップが破損した時、破損したロールシャッターストリップのみを交換するだけでよく、自動車用ロールシャッタードア全体を交換する必要がないため、メンテナンスを簡便かつ迅速に行うことができ、資源の無駄遣いを回避して、メンテナンスコストを下げることができる。
【0031】
本実施形態における全ての技術特徴は、いずれも実際の要求に応じて自由に組み合わせることができる。
【0032】
上記は、本発明の好ましい実施形態であり、この他に、本発明は、さらにその他の方式により実現してもよく、本技術方案の構想から離脱しないことを前提として、任意の明らかな置き換えは、いずれも本発明の保護範囲に入るものとする。
【符号の説明】
【0033】
1 プラスチックシート部材
2 プラスチック部材
3 フレキシブル基材
【外国語明細書】