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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023941
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】データ構造及び複合データ生成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/908 20190101AFI20220201BHJP
   G01N 5/02 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
G06F16/908
G01N5/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176837
(22)【出願日】2021-10-28
(62)【分割の表示】P 2019524734の分割
【原出願日】2017-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】715010521
【氏名又は名称】株式会社アロマビット
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】黒木 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 賢一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 恵
(72)【発明者】
【氏名】寺田 絵里加
(72)【発明者】
【氏名】吉村 誠
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特定のにおいデータに関連付けられたデータをデータの集合から検索し抽出が可能なデータ構造及び複合データ生成装置を提供する。
【解決手段】匂いデータ含有データ1のデータ構造は、メインデータ3が格納されたメインデータ格納領域4と、匂いデータ5が格納された匂いデータ格納領域6と、を有する。匂いデータ5は、匂いセンサにより測定された空気中の匂いの測定結果に基づくものである。匂いデータ格納領域6は、複数の匂いデータ5を格納する。メインデータ格納領域4は、格納されたデータがメインデータ3であることを指標するメインデータID23を格納するためのメインデータID領域24を含む。匂いデータ格納領域6は、格納されたデータが匂いデータ6であることを指標する匂いデータID25を格納するための匂いデータID領域26を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインデータが格納されたメインデータ格納領域と、
匂いセンサにより測定された空気中の匂いの測定結果に基づく匂いデータが格納された匂いデータ格納領域と、を有する、データ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ構造及び複合データ生成装置に関する。具体的には、匂いデータを含有する匂いデータ含有データのデータ構造、及び匂いデータ含有データの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種データの集合から、特定の特徴を有するデータを検索し、抽出するために、データのそれぞれに関連付けられたメタデータを、各データに付与することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2011-507083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
匂いとヒトの記憶との間には、強固な相関関係が存在する可能性が注目されている。しかしながら、匂いをデジタルデータへ変換することは難しかった。そのため、例えばデジタル画像のようなデータの集合を、匂いに基づいて、検索したり、抽出したりすることは、潜在的な要求はあったものの、実現が困難とされていた。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、特定の匂いデータに関連付けられたデータをデータの集合から検索し、抽出することを可能とするデータ構造、及び複合データ生成装置を提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)メインデータが格納されたメインデータ格納領域と、匂いセンサにより測定された空気中の匂いの測定結果に基づく匂いデータが格納された匂いデータ格納領域と、を有する、データ構造。
【0007】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特定の匂いデータに関連付けられたデータをデータの集合から検索し、抽出することを可能とするデータ構造、及び複合データ生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係るデータ構造の第1例を示す説明図である。
図2】実施形態1に係るデータ構造の第2例を示す説明図である。
図3】測定結果データベースD1である。
図4】加工データベースD2である。
図5】加工データベースD2に基づく測定結果を示すグラフである。
図6】匂い測定結果の加工例を示す説明図である。
図7】実施形態1における匂いセンサ10の第1例を模式的に示す平面図である。
図8図7におけるA-A’断面を模式的に示す断面図である。
図9】実施形態1における匂いセンサ10の第2例を模式的に示す平面図である。
図10】匂い測定装置50の内部構成の説明図である。
図11】匂い測定装置50の空気導入を説明する模式図である。
図12】実施例1の診断装置100を示す模式図である。
図13】実施例1の診断装置100の内部構成の第1例を模式的に示すブロック図である。
図14】実施例1の診断装置100の内部構成の第2例を模式的に示すブロック図である。
図15】実施例1のデータベースD11である。
図16】実施例1の診断装置100の処理を示すフローチャートである。
図17】実施例2の携帯情報端末200を示す模式図である。
図18】実施例2の携帯情報端末200の内部構成を模式的に示すブロック図である。
図19】実施例2のデータベースD21である。
図20】実施例2の携帯情報端末200の処理を示すフローチャートである。
図21】実施例3の動画撮影端末300を示す模式図である。
図22】実施例3の動画撮影端末300の内部構成を模式的に示すブロック図である。
図23】実施例3のデータベースD31である。
図24】実施例3の動画撮影端末300の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、実施形態1に係るデータ構造について、図面を参照しながら説明する。なお、実施形態1において、「匂い」とは、ヒト、又はヒトを含む生物が、嗅覚情報として取得することができるものであり、分子単体、若しくは異なる分子からなる分子群がそれぞれの濃度を持って集合したものを含む概念とする。
【0011】
実施形態1において、上述の匂いは匂い物質によって構成される。匂い物質は分子単体や、若しくは異なる分子からなる分子群等の各種匂い成分がそれぞれの濃度を持って集合したものである。ただし、匂い物質は、広義において、後述する匂いセンサ10の物質吸着膜に吸着可能な物質を広く意味する場合があるものとする。すなわち、「匂い」には原因となる匂い物質が複数含まれることが多く、また、匂い物質として認知されていない物質又は未知の匂い物質も存在し得るため、一般的に匂いの原因物質とされていない物質も含まれ得るものとする。
【0012】
図1は、実施形態1に係るデータ構造の第1例を示す説明図である。実施形態1に係るデータ構造を有する匂いデータ含有データ1は、図1(a)に示すように、メインデータ格納領域4と、匂いデータ格納領域6と、を有する。すなわち、実施形態1に係るデータ構造は、メインデータ格納領域4に格納されたメインデータ3が、匂いデータ格納領域6に格納された匂いデータ5と関連付けられて格納されたデータ構造である。実施形態1に係るデータ構造は、メインデータ3を匂いデータ5に基づき分析すること等を可能とする匂いデータ用のデータ構造である。
【0013】
メインデータ格納領域4には、匂いデータ5と関連付けされた画像データや、位置データ、動画データ等のメインデータ3が格納される。匂いデータ格納領域6には、メインデータ3と関連付けされた匂いデータ5が格納される。すなわち、メインデータ3と、匂いデータ5とは、相互に関連付けられた状態で、匂いデータ含有データ1内に存在する。実施形態1において、匂いデータ含有データ1、メインデータ3、匂いデータ5は、いずれも電子データであり、コンピュータ等により処理される情報である。
【0014】
メインデータ3としては、特に制限なく、各種データをメインデータ3とすることができる。例えば、撮像装置によって生成される画像データや、録画装置によって生成される動画データ、録音装置によって生成される音声データ、文章等のテキストデータ、GPS装置によって生成される位置データ等、各種データをメインデータ3として用いることができる。
【0015】
メインデータ格納領域4は、メインデータID領域24を有していてもよい。メインデータID領域24は、メインデータID23を格納するための領域である。メインデータID23は、メインデータ格納領域4内に格納されたデータがメインデータ3であることを指標するデータである。
【0016】
匂いデータ5としては、例えば、後述する匂いセンサ10を備える匂い測定装置50によって測定された測定結果に基づいて生成されるデータを用いることができる。匂いセンサ10としては、センサ素子11を複数備えたものを用いることができる。各センサ素子11は、物質吸着膜13と、検出器15とを有する。物質吸着膜13は、空気中の匂い物質を吸着する。検出器15は、匂い物質が物質吸着膜13へ吸着している吸着状態を検出する。各センサ素子11は、異なった物質吸着膜13を有している。すなわち、物質吸着膜13への匂い物質の吸着特性は、各センサ素子11において異なっている。
【0017】
匂いデータ格納領域6は、匂いデータID領域26を有していてもよい。匂いデータID領域26は、匂いデータID25を格納するための領域である。匂いデータID25は、匂いデータ格納領域6内に格納されたデータが匂いデータ5であることを指標するデータである。
【0018】
匂いデータ格納領域6には、単一の匂いデータ5が格納されていても良く、複数の匂いデータ5が格納されていてもよい。複数の匂いデータ5が匂いデータ格納領域6に格納されている場合、複数の匂いデータ5のそれぞれは、匂いセンサ10が備える複数のセンサ素子11のそれぞれに1対1で対応したものとすることができる。以下の説明中、複数のセンサ素子11にそれぞれ対応した各匂いデータ5について、素子データ7と称する場合がある。匂いデータ格納領域6中、複数の素子データ7は、図1(b)に示すように、各々が素子データ格納領域8に格納されていてもよい。
【0019】
匂いデータ格納領域6には、複数の匂いデータID領域26が含まれていてもよい。これら複数の匂いデータID領域26は、匂いデータ格納領域6に格納されている複数の匂いデータ5のそれぞれに1対1で対応付けすることができる。以下の説明中、匂いデータID領域26が複数存在する場合、各匂いデータID領域26を素子データID領域28と称する場合がある。各素子データID領域28には、素子データID27が格納される。素子データID27は、素子データID領域28に格納されたデータが、特定のセンサ素子11に対応するデータであること等を指標するデータである。各素子データID領域28は、匂いセンサ10が有する複数のセンサ素子11のそれぞれに1対1で対応している。
【0020】
各素子データ格納領域8は、匂いデータ格納領域6内で、整列して配置されていることが好ましい。センサ素子に番号が割り当てられている場合、当該番号のセンサ素子に対応する素子データ格納領域8が、割り当てられた番号順に、匂いデータ格納領域6内に整列されていることが好ましい。
【0021】
匂いデータ5は、匂いセンサ10のセンサ素子11によって測定された測定結果であってもよい。すなわち、匂いデータ5は、匂いセンサ10の測定結果が加工されずに使用される生データであってもよい。具体的には、匂いセンサ10により測定された空気中の匂いの測定結果は、空気中の匂いの経時的な変化を示す遷移データであってもよい。
【0022】
遷移データは、所定の時間幅にわたって所定の時間間隔で匂いセンサ10によって測定されたものであってもよい。遷移データは、匂いセンサ10により空気中の匂いを測定した測定値と、この測定値の測定時刻と、を含むデータセットを複数有して構成されていてもよい。
【0023】
たとえば、図1(c)に示すように、匂いデータ5(遷移データ)は、測定開始時刻(t0)から測定終了時刻(tz)までの時間経過と共にセンサ素子11のそれぞれにおいて測定された、各時刻(tx)における素子データポイント9(測定値)を複数含むデータであってもよい。各素子データポイント9(測定値)には測定時刻のデータが1対1で関連付けられ、素子データポイント9と測定時刻とを有する複数のデータセットによって、匂いデータ5(遷移データ)が構成されている。なお、本明細書中、時刻(tx)、時刻(ty)、時刻(tz)は、測定開始時刻(t0)から、それぞれ、x秒後、y秒後、z秒後の任意の時刻である。
【0024】
匂いデータ5は、測定開始時刻(t0)における素子データポイント9、測定開始時刻(t0)から所定時間(x)経過後の時刻(tx)における素子データポイント9、測定終了時刻(tz)における素子データポイント9を含んでいてもよい。各素子データポイント9は、匂いデータ格納領域6内に測定時間の経過順に整列していることが好ましい。時刻(tx)における素子データポイント9は、複数設けることが好ましい。例えば、測定開始時刻(t0)から40秒後の測定終了時刻(t40)まで1秒間隔で素子データポイント9を取得した場合、時刻(tx)における素子データポイント9は、xが1~39までの39点が得られる。
【0025】
素子データ格納領域8は、図1(c)に示すように、各素子データポイント9に対応した時間ラベル29を格納するための時間ラベル領域30を有していてもよい。すなわち、各素子データポイント9がどの時刻(tx)で測定された素子データポイント9であるのかを指標する時間ラベル29を格納するための時間ラベル領域30が、素子データ格納領域8に配置されていてもよい。時間ラベル領域30は、素子データ格納領域8内で、時間経過の順に配置されていることが好ましいが、時間ラベル29が付与されているため、各素子データポイント9は時間経過の順に関わらずランダムに配置されていてもよい。
【0026】
素子データ7としては、上述の生データではなく、匂いセンサ10が備える演算処理装置(CPU)51によって演算処理された加工データを使用してもよい。例えば、生データにおける各測定時刻(tx)における素子データポイント9の集合に対し、所定の規則に基づいて、演算処理することができる。演算処理としては、素子データポイント9の集合から、最大値と最小値を検出し、その差分(絶対値)を算出し、その値を素子データ7とする処理であってもよい。また、演算処理として、素子データポイント9の集合から、その相加平均値等の平均値や、中央値等を算出し、その値を素子データ7とする処理であってもよい。素子データ7として加工データを使用する場合、各センサ素子11に対応するデータは、基本的に1つであればよいため、データを肥大化させることなく、効率的に多数の情報を匂いデータ格納領域6に格納することができる。
【0027】
図2は、実施形態1に係るデータ構造の第2例を示す説明図である。図2(a)~(c)に示すように、実施形態1に係るデータ構造は、メインデータID領域24や、匂いデータID領域26、素子データID領域28、時間ラベル領域30を有さない構造とすることもできる。この場合、メインデータ3や匂いデータ5は、予め匂いデータ含有データ1の所定領域として決定されたメインデータ格納領域4及び匂いデータ格納領域6にそれぞれ格納することができる。
【0028】
各素子データ7は、予め決定された順に、匂いデータ格納領域6に整列して格納することができる。各素子データ7は、センサ素子11のそれぞれに番号が振られていた場合、その番号順に格納することができる。また、センサ素子11のそれぞれに番号が振られていた場合、匂いデータ格納領域6に整列された順番と、対応するセンサ素子11の番号と、が対応付けられて記憶装置53等に保存してあれば、各素子データ7はセンサ素子11の番号順に整列されている必要はない。各素子データポイント9は、測定した時系列順に整列させて格納することができる。
【0029】
実施形態1に係るデータ構造について、図1(第1例)及び図2(第2例)を用いて2つの例を示したが、データ構造はこれらに限定されない。第1例において、メインデータID領域24や、匂いデータID領域26、素子データID領域28、時間ラベル領域30のうち少なくとも1つを有さないデータ構造とすることも可能である。また、第2例において、メインデータID領域24や、匂いデータID領域26、素子データID領域28、時間ラベル領域30のうち少なくとも1つを有するデータ構造とすることも可能である。
【0030】
次に、匂いセンサ10による匂い取得のプロセスについて説明する。匂いセンサ10による匂い取得は、測定結果取得ステップS1と、データ加工ステップS2と、の各ステップによって実現することができる。
【0031】
<測定結果取得ステップS1>
測定結果取得ステップS1においては、匂いセンサ10を用いて、匂いセンサ10が備える複数のセンサ素子11のそれぞれにおいて、サンプルに含まれる匂い物質について測定された各測定結果を取得する。複数のセンサ素子11は、それぞれ匂い物質に対する検出特性が各々異なっている。匂いセンサ10の具体的構成については、後述する。
【0032】
各測定結果は、複数のセンサ素子11のそれぞれに関連付けられた状態で取得される。具体的には、各センサ素子11と、センサ素子11のそれぞれにおいて測定された各測定結果と、が相互に関連付けられた状態で格納された測定結果データベースとして取得することができる。
【0033】
図3は、測定結果データベースD1である。測定結果データベースD1では、各センサ素子11と、センサ素子11のそれぞれにおいて測定された各測定結果と、が相互に関連付けられた状態で格納されている。図3に示す測定結果データベースD1では、センサ素子11-01~11-35の計35個のセンサ素子11について、それぞれの測定結果が関連付けられた状態で格納されている。なお、図3においては、センサ素子11-06~11-34については、説明の便宜上、記載が省略されている。なお、図3に示す測定結果データベースD1は、時間tが15秒から20秒までの間に、匂いセンサ10を測定対象の匂いに接触させた場合の測定結果(データポイント9)を示すものである。
【0034】
測定結果は、具体的には、各センサ素子11が検出した生データである。匂いセンサ10が、例えば、水晶振動子センサ(QCM)である場合、センサ素子11が生成する生データとしては、水晶振動子の共振周波数の経時変化とすることができる。すなわち、センサ素子11による測定結果として、匂いセンサ10の動作開始からの経過時間が異なる複数の時点における共振周波数(データポイント9)とすることができる。例えば、図3に示すように、センサ素子11-01において測定された測定結果(データポイント9)は、0秒後(t0)において測定された共振周波数が「16101528Hz」であり、17秒後(t17)において測定された共振周波数が「16101515Hz」である。また、センサ素子11-02において測定された測定結果(データポイント9)は、匂いセンサ10の動作開始から0秒後(t0)において測定された共振周波数が「16081740Hz」であり、16秒後(t16)において測定された共振周波数が「16081728Hz」である。なお、測定に際して、測定結果の記録の時間間隔は特に制限されないが、例えば、1秒間隔とすることができる。
【0035】
匂いセンサ10の作動の開始から終了までの時間幅は特に制限されないが、匂いセンサ10を測定対象の匂いに接触させる時間幅よりも長いことが好ましい。また、匂いセンサ10の作動の開始は、匂いセンサ10を測定対象の匂いに接触させる(匂い測定)前に数秒以上早いことが好ましく、5秒以上早いことが好ましい。匂いセンサ10の作動の終了は、匂いセンサ10を測定対象の匂いに接触させた後に数秒以上遅いことが好ましく、5秒以上遅いことが好ましい。図3に示す測定結果データベースD1においては、匂いセンサ10の作動開始は、匂い測定の開始前15秒(t0)であり、匂いセンサ10の作動終了は、匂い測定の終了後20秒(t40)である。
【0036】
匂いセンサ10による測定は、複数回行い、複数回行った測定の生データの平均値を測定結果とすることが好ましい。測定の回数は、特に制限されないが、例えば3回とすることができる。平均値としては、算術平均(相加平均)による平均値を採用することができる。
【0037】
<データ加工ステップS2>
データ加工ステップS2においては、測定結果取得ステップS1において取得した測定結果をそれぞれ加工して、複数のセンサ素子11のそれぞれに関連付けられた匂いデータ5(加工データ)を生成する。
【0038】
加工データとしては、匂いセンサ10により測定された空気中の匂いの測定結果であって、所定の時間幅における測定結果の平均値や中央値とすることができる。加工データは、これらに限定されず、以下に説明するような加工データとすることもできる。
【0039】
(t0を基準とした差分データ)
匂いデータ5は、匂いセンサ10により測定された空気中の匂いの測定結果であって、空気中の匂いの経時的な変化を示すための第1の時刻又は時間幅における空気中の匂いの第1の測定結果と、第2の時刻又は時間幅における空気中の匂いの第2の測定結果との差分データであってもよい。たとえば、匂いデータ5は、加工データとして、所定時刻(tx)におけるデータポイント9と、所定時刻(ty)におけるデータポイント9と、の間の差分であってもよい。
【0040】
図4は、加工データベースD2である。図4に示すように、匂いデータ5は、差分データとして時刻0(t0)における値を、時刻0より後の時間幅(t1~t40)の各測定結果から差し引いてもよい。すなわち、匂いデータ5は、時刻0(t0)の測定結果を基準とした差分データであってもよい。
【0041】
(異なる2点間の差分データ)
差分データとしては、第1の時刻における空気中の匂いの測定結果である第1の測定結果と、第2の時刻における空気中の匂いの測定結果である第2の測定結果との間の差分データであってもよい。このとき、第1の時刻と第2の時刻との時刻差は、少なくとも数秒であることが好ましく、少なくとも5秒であることが更に好ましく、少なくとも10秒であることが特に好ましい。たとえば、匂いセンサ10に測定対象の匂い物質が接触可能な状態にある時刻と、接触可能な状態にない時刻との間で数秒以上の間隔が空けられた2点間で、差分データを取得することにより、匂いデータ5として、匂いの特徴をより明確にすることができる。
【0042】
このような異なる2点間の差分データとしては、たとえば、各時刻における測定結果(データポイント9)と時刻0(t0)における測定結果(データポイント9)との間の差分とすることができる。
【0043】
異なる2点間の差分データとしては、たとえば、所定の時間幅における測定結果のうちの最大値と、所定の時間幅における測定結果のうちの最小値と、の間の差分(絶対値)とすることもできる。ここで、最大値が含まれる所定の時間幅と、最小値が含まれる所定の時間幅と、は重複していても、重複していなくてもよく、重複している場合、一部が重複していても全部が重複していてもよい。所定の時間幅としては、匂い測定の時間幅とすることができるし、匂い測定の時間幅以外の時間幅(バックグラウンド測定用の時間幅)とすることもできる。具体的には、匂い測定の時間幅における測定結果のうちの最大値と、匂い測定の時間幅以外の時間幅(バックグラウンド)における最小値と、の差分を差分データとすることができる。匂い測定の時間幅における測定結果のうちの最大値と、匂い測定の時間幅における最小値と、の差分を差分データとすることもできる。匂い測定の時間幅における測定結果のうちの最小値と、匂い測定の時間幅以外の時間幅(バックグラウンド)における最大値と、の差分を差分データとすることもできる。匂い測定の時間幅における測定結果のうちの最小値と、匂い測定の時間幅における最大値と、の差分を差分データとすることもできる。
【0044】
差分データとしては、所定の時間幅における測定結果のうちの最大値又は最小値と、所定の時間幅における測定結果の平均値若しくは中央値と、の間の差分(絶対値)とすることもできる。
【0045】
差分データとしては、後述するように匂い測定装置50に調整装置55、57、59等が配置されていた場合に、測定対象の匂いの匂い物質を含む空気を導入口56から導入する際に、調整装置55が開いている状態での測定結果と、調整装置55が閉じている状態での測定結果と、の間の差分を、差分データとすることができる。調整装置55、57、59は、ファンやシャッター、封止弁等とすることができる。調整装置55がファンである場合、測定対象の匂い物質を含む空気を導入する方向にファンが回転(正転)している状態での測定結果と、ファンが停止しているか、又は逆方向に回転(逆転)している状態での測定結果と、の間の差分を、差分データとすることができる。
【0046】
差分データとして、測定結果取得ステップS1において取得された測定結果(生データ)について、極大値と、当該極大値を経た後の最初の極小値(以下「極大値直後の極小値」ともいう)と、の間の差分とすることもできる。このような差分(極大値とその直後の極小値)が複数存在する場合は、差分の値(絶対値)が最大のものを当該測定結果の差分とする。このようにして、各測定結果に対して、複数のセンサ素子11のそれぞれに関連付けられた差分を得る。
【0047】
図5は、加工データベースD2に基づく測定結果を示すグラフである。図5のグラフでは、差分データとして、極大値と極大値直後の極小値との間の差分としている。図5において、縦軸は、匂いセンサ10の動作開始から0秒後における共振周波数を基準とした場合の所定時間後において測定された共振周波数の変位量[Hz]であり、横軸は、匂いセンサ10の動作開始後の経過時間[秒]である。図5においては、加工データベースD2に示されている測定結果のうち、センサ素子11-01、11-02、11-03についての測定結果が示されている。図5中、センサ素子11-01の測定結果が実線で、センサ素子11-02の測定結果が破線で、センサ素子11-03の測定結果が一点破線で示されている。他のセンサ素子11-04~11-35についても、同様にグラフを作成できることは言うまでもない。図5中、センサ素子11-01について、測定結果の差分は「22Hz」である。すなわち、センサ素子11-01についての測定結果において、匂いセンサ10の動作開始後の経過時間14秒における極大値「9Hz」と、匂いセンサ10の動作開始後の経過時間17秒における極小値「-13Hz」との間の差分である。
【0048】
差分の算出に際して、匂い測定結果として用いる匂いセンサ10の動作開始後の経過時間の範囲を制限してもよい。例えば、匂いセンサ10の動作開始から15秒経過後にサンプルの匂いの測定を開始し、匂いセンサ10の動作開始から20秒経過後にサンプルの匂いの測定を終了した場合、差分の算出を行う経過時間の範囲を匂いセンサ10の動作開始からの経過時間が14秒から25秒までの間とすることができる。なお、この経過時間の範囲は、任意に設定することができる。
【0049】
加工データとしては、算出された差分のそれぞれについて対数演算を行い、複数のセンサ素子11のそれぞれに関連付けられた対数値を匂いデータ5(素子データ7)としてもよい。対数演算に際して、底は特に制限されないが、例えば2とすることができる。
【0050】
加工データとして、測定結果を分類し、その分類に応じてフラグを付けたデータのような、簡略化したデータを用いてもよい。たとえば、上述のように対数演算によって得られた対数値を値の大きさに応じて複数の領域に分類することができる。分類する領域の数としては、特に制限されないが、例えば、3~5領域等とすることができる。以下、3領域に分類する場合について説明する。
【0051】
まず、各測定結果についての対数値のうち、最大のものと、最小のものと、を特定する。次いで、最大の対数値と最小の対数値との間の差を3で除した場合の商を算出する。このようにして得られた商を用いて最大の対数値と最小の対数値との間の数値範囲を3等分された領域に区分することができる。すなわち、最小の対数値から最小の対数値に商を加算した値までの領域と、最小の対数値に商を加算した値から最小の対数に商の2倍を加算した値までの領域と、最小の対数に商の2倍を加算した値から最大の対数値までの領域と、に3等分することができる。
【0052】
次いで、各センサ素子11に関連付けられた対数値のそれぞれを、3つの領域のうち、いずれかの領域に分類する。各対数値について、分類された領域を識別するためのフラグを設けてもよい。例えば、3等分された3つの領域に対して、値が小さいものから順に(1)、(2)、(3)のようにフラグを設けることができる。これにより、各センサ素子11に関連付けられた測定結果を、その値の大きさに応じて3つの段階に分類することができる。
【0053】
図6は、匂い測定結果の加工例を示す説明図である。図6中、表(A)は、あるサンプルについて算出された差分を示す表である。センサ素子11-01~11-35のそれぞれについて、その差分の値を示している。例えば、表(A)中、センサ素子11-01において得られた差分は「38.7」であり、センサ素子11-02において得られた差分は「27.0」である。なお、説明の便宜上、センサ素子11-11~11-34の値については、表示を省略する(後述する表(B)、表(E)についても同様)。
【0054】
次いで、各センサ素子11についての差分を対数演算処理する。ここでの対数演算は、下記式(1)で表される。すなわち、差分の値の絶対値を、底を2として対数演算することで、対数値を求める。
[対数値]=log|[差分]|・・・式(1)
【0055】
表(B)は、各センサ素子11についての対数値を示す表である。例えば、表(B)中、センサ素子11-01において得られた差分に基づいて算出された対数値は「5.3」であり、センサ素子11-02において得られた差分に基づいて算出された対数値は「4.8」である。
【0056】
次いで、値分類サブステップS2-3により、得られた対数値に基づいて、各センサ素子11についての対数値を3つの領域に分類する。具体的には、まず、測定中のサンプルにおいて、各センサ素子11についての対数値のうち、最大のもの(最大値)と、最小のもの(最小値)とを特定する。そして、最大値と最小値との間の差を3で除した場合の商を算出する。これら特定した最大値、最小値、及び算出した商を表(C)に示す。表(C)中、特定された最大値は「6.7」であり、特定された最小値は「3.1」であり、算出された商は「1.2」である。
【0057】
これら特定した最大値、最小値、及び算出した商に基づき、各センサ素子11についての対数値を3段階に分類する。分類に際しては、表(D)に示すような分類規則に基づいて分類する。具体的には、最も小さい対数値の領域(領域1)は、3.1≦[対数値]≦4.3の範囲、次に小さい対数値の領域(領域2)は、4.3<[対数値]≦5.5の範囲、最も大きい対数値の領域(領域3)は、5.5<[対数値]≦6.7の範囲との分類規則に基づいて分類する。
【0058】
次いで、分類した結果に基づいて、各センサ素子11について、フラグを付与する。表(E)に各センサ素子11についてフラグを付与した結果を示す。領域1に該当する対数値が得られたセンサ素子11についてはフラグ(1)を、領域2に該当する対数値が得られたセンサ素子11についてはフラグ(2)を、領域3に該当する対数値が得られたセンサ素子11についてはフラグ(3)を付与する。例えば、表(E)中、センサ素子11-01についてはフラグ(2)が付与され、センサ素子11-30についてはフラグ(1)が付与され、センサ素子11-09についてはフラグ(3)が付与されている。
【0059】
<匂いセンサ10>
図7は、実施形態1における匂いセンサ10の第1例を模式的に示す平面図である。実施形態1における匂いセンサ10を模式的に示す平面図である。図8は、図7におけるA-A’断面を模式的に示す断面図である。匂いセンサ10は、複数のセンサ素子11と、センサ基板17と、を備える。センサ素子11は、それぞれ、匂い物質を吸着する物質吸着膜13と、この物質吸着膜13への匂い物質の吸着状態を検出する検出器15と、を有する。
【0060】
図8に示すように、センサ素子11は、検出器15と、検出器15の表面上に設けられた物質吸着膜13と、で構成されている。物質吸着膜13は、検出器15の表面の全体を覆っていることが好ましい。すなわち、検出器15の大きさは、物質吸着膜13の形成範囲と同じか、又は物質吸着膜13の形成範囲よりも小さいことが好ましい。なお、1つの物質吸着膜13の形成範囲内に複数の検出器15が設けられていてもよい。
【0061】
センサ素子11は、センサ基板17上に、複数配設されており、図7に示すように整列されている。このとき、隣り合うセンサ素子11の物質吸着膜13同士が接触していないか、又は絶縁されている。なお、センサ素子11は、センサ基板17上で、必ずしも整列されている必要はなく、ランダムに配設されていたり、3行3列以外の形態に整列されていたりしてもよい。センサ基板17上のセンサ素子11の数は特に制限されない。図7に示すように7個であってもよいし、例えば、図9に示すように、7行5列の35個であってもよい。図9は、実施形態1における匂いセンサ10の第2例を模式的に示す平面図である。
【0062】
センサ基板17上に配設される複数のセンサ素子11は、それぞれの物質吸着膜13の性状が互いに異なっている。具体的には、複数のセンサ素子11のすべてがそれぞれ異なる組成の物質吸着膜13で構成されており、同一の性状の物質吸着膜13は存在しないことが好ましい。ここで、物質吸着膜13の性状とは、匂い物質の物質吸着膜13への吸着特性ということもできる。すなわち、同じ匂い物質(又はその集合体)であっても、異なる性状を有する物質吸着膜13には、異なる吸着特性を示すことになる。図7図10においては、便宜上、物質吸着膜13をすべて同様に示しているが、実際にはその性状が互いに異なっている。なお、各センサ素子11の物質吸着膜13の吸着特性は、必ずしもすべて異なっている必要はなく、中には、同一の吸着特性を有する物質吸着膜13が配設されたセンサ素子11が設けられていてもよい。
【0063】
物質吸着膜13の材質としては、π電子共役高分子で形成される薄膜を用いることができる。この薄膜には、ドーパントとして、無機酸、有機酸、又はイオン性液体のうち、少なくとも1種を含有させることができる。ドーパントの種類や含有量を変化させることで、物質吸着膜13の性状を変化させることができる。
【0064】
π電子共役高分子としては、特に限定されないが、ポリピロール及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリアズレン及びその誘導体等の、π電子共役高分子を骨格とする高分子が好ましい。
【0065】
π電子共役高分子が酸化状態で骨格高分子自体がカチオンとなる場合、ドーパントとしてアニオンを含有させることによって導電性を発現させることができる。なお、本発明では、ドーパントを含有させていない中性のπ電子共役高分子も物質吸着膜13として採用することができる。
【0066】
ドーパントの具体例としては、塩素イオン、塩素酸化物イオン、臭素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオン等の無機イオン、アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カルボン酸等の有機酸アニオン、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等の高分子酸アニオン等を挙げることができる。
【0067】
また、中性のπ電子共役高分子に、食塩のような塩や、イオン性液体のような陽イオン、陰イオン両方を含むイオン性化合物を共存させることで化学平衡的にドーピングを行う方法も用いることができる。
【0068】
π電子共役高分子におけるドーパントの含有量は、π電子共役高分子を構成する2つの繰り返し単位あたり1つのドーパント単位(イオン)が入る状態を1とした場合、0.01~5の範囲、好ましくは0.1~2の範囲に調整されればよい。ドーパントの含有量を、この範囲の最低値以上とすることにより、物質吸着膜13としての特性が消失することを抑制することができる。また、ドーパントの含有量を、この範囲の最大値以下とすることにより、π電子共役高分子自体が持つ吸着特性の効果が低下し、望ましい吸着特性を有する物質吸着膜13を作成するのが困難になることを抑制することができる。また、通常は低分子量物質であるドーパントが優勢な膜となるために、物質吸着膜13の耐久性が大幅に低下することを抑制することができる。よって、ドーパントの含有量を上述の範囲とすることにより、匂い物質の検出感度を好適に維持することが可能である。
【0069】
複数のセンサ素子11において、それぞれ物質吸着膜13の吸着特性を変化させるために、異なる種類のπ電子共役高分子を用いることができる。また、同種のπ電子共役高分子を用いて、ドーパントの種類や含有量を変化させることで、異なる吸着特性を発現させてもよい。例えば、π電子共役高分子の種類や、ドーパントの種類、含有量等を変化させることにより、物質吸着膜13の疎水・親水性能を変化させることができる。
【0070】
物質吸着膜13の厚さは、吸着対象となる匂い物質の特性に応じて適宜選択することが可能である。例えば、物質吸着膜13の厚さは10nm~10μmの範囲とすることができ、50nm~800nmとすることが好ましい。物質吸着膜13の厚さが10nm未満となると、十分な感度が得られない場合がある。また、物質吸着膜13の厚さが10μmを越えると、検出器15が検出できる重量の上限を超えてしまう場合がある。
【0071】
検出器15は、物質吸着膜13の表面に吸着した匂い物質による、物質吸着膜13の物理、化学、又は電気的特性の変化を測定し、その測定結果を例えば電気信号として出力する信号変換部(トランスデューサ)としての機能を有する。すなわち、検出器15は、匂い物質の物質吸着膜13の表面への吸着状態を検出する。検出器15が測定結果として出力する信号としては、電気信号、発光、電気抵抗の変化、振動周波数の変化等の物理情報が挙げられる。
【0072】
検出器15としては、物質吸着膜13の物理、化学、又は電気的特性の変化を測定するセンサであれば特に制限されず、種々のセンサを適宜用いることができる。検出器15として、具体的には、水晶振動子センサ(QCM)、表面弾性波センサ、電界効果トランジスタ(FET)センサ、電荷結合素子センサ、MOS電界効果トランジスタセンサ、金属酸化物半導体センサ、有機導電性ポリマーセンサ、電気化学的センサ等を挙げることができる。
【0073】
なお、検出器15として水晶振動子センサを用いる場合には、図示しないが、励振電極として、水晶振動子の両面に電極を設けてもよいし、高いQ値を検出するべく片面に分離電極を設けてもよい。また、励振電極は、水晶振動子のセンサ基板17側に、センサ基板17を挟んで設けられていてもよい。励振電極は、任意の導電性材料で形成することができる。励振電極の材料として、具体的には、金、銀、白金、クロム、チタン、アルミニウム、ニッケル、ニッケル系合金、シリコン、カーボン、カーボンナノチューブ等の無機材料、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等の有機材料を挙げることができる。
【0074】
検出器15の形状は、図8に示すように、平板形状とすることができる。平板形状の平板面の形状は、図7に示すように、円形とすることができるが、四角形や正方形、楕円形等、種々の形状とすることができる。また、検出器15の形状は、平板形上に限られず、その厚さが変動していてもよく、凹状部や凸状部が形成されていてもよい。
【0075】
検出器15が、上述の水晶振動子センサのように振動子を用いるものである場合、複数のセンサ素子11における各振動子の共振周波数を変化させることで、同一のセンサ基板17上に共存する他の振動子から受ける影響(クロストーク)を低減することが可能である。同一のセンサ基板17上の各振動子が、ある振動数に対して異なる感度を示すよう、共振周波数を任意に設計することが可能である。共振周波数は、例えば、振動子や物質吸着膜13の厚さを調節することで変化させることができる。
【0076】
センサ基板17としては、シリコン基板、水晶結晶からなる基板、プリント配線基板、セラミック基板、樹脂基板等を用いることができる。また、基板は、インターポーザ基板等の多層配線基板であり、水晶基板を振動させるための励振電極と実装配線、通電するための電極が任意の位置に配置されている。
【0077】
上述のような構成とすることにより、匂い物質の吸着特性がそれぞれ異なる物質吸着膜13を有するセンサ素子11を複数有する匂いセンサ10を得ることができる。これにより、ある匂い物質又はその組成を含む空気の匂いを匂いセンサ10で測定した場合、各センサ素子11の物質吸着膜13には、同様に匂い物質又はその組成が接触することになるが、各物質吸着膜13には、匂い物質がそれぞれ異なる態様で吸着される。すなわち、各物質吸着膜13において、匂い物質の吸着量が異なる。そのため、各センサ素子11において検出器15の検出結果が異なることになる。したがって、ある匂い物質又はその組成に対して、匂いセンサ10が備えるセンサ素子11(物質吸着膜13)の数だけ、検出器15による測定結果が生成される。
【0078】
ある匂い物質又はその組成について測定することにより匂いセンサ10が出力する測定結果は、通常、特定の匂い物質や匂い物質の組成に対して特異的(ユニーク)である。そのため、匂いセンサ10によって匂いを測定することにより、匂いを、匂い物質単独で、又は匂い物質の組成(混合物)として識別することが可能である。
【0079】
<匂い測定装置50>
次に、匂いセンサ10を備える匂い測定装置50について説明する。図10は、匂い測定装置50の内部構成の説明図である。匂い測定装置50は、匂いセンサ10と、匂いセンサ10に接続された演算処理装置51と、演算処理装置51に接続された記憶装置53と、を有する。匂いセンサ10によって測定された測定結果は、演算処理装置51において処理され、匂いデータ5としてメインデータ3と共に匂いデータ含有データの形で記憶装置53に記憶させることができる。匂い測定は、記憶装置53に記憶されたプログラムP1を演算処理装置51に実行させることにより、匂い測定装置を匂い測定手段として機能させることができる。なお、匂いデータの取得は、演算処理装置51による実行によらずとも、その他の構成によって実行されてもよい。実施形態1において、演算処理装置51は、たとえば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)等であり、記憶装置53は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SDD)、メモリ(RAM)等である。
【0080】
匂い測定装置50を使用して匂いを測定する場合、バックグラウンドを取得するために、測定対象の匂いが存在しない状態での匂いを測定することが好ましい。バックグラウンドを取得し、匂いの測定結果から差し引くことにより、測定対象の匂いによる影響をより適確に検出することができる。
【0081】
バックグラウンドの取得に際して、測定対象の匂いが存在しない状態とは、例えば、測定対象の匂いを匂いセンサ10が検出することができない、又は匂いセンサ10による検出量が無視できる程度に小さい状態とすることができる。具体的には、測定対象の匂いの発生源が、匂いセンサ10が設置されている空間に存在しないか、物理的に隔離されている状態とすることができる。
【0082】
匂いセンサ10と測定対象の匂いの発生源とを物理的に隔離する構成としては、たとえば、図11に示すような調整装置55等を挙げることができる。図11は、匂い測定装置50の空気導入を説明する模式図である。図11においては、矢印の方向から測定対象の匂いが拡散してくるものとしている。このとき、測定対象の匂いを含む空気は、測定対象の匂いの発生源に向けて開口する導入口56から匂い測定装置50内へ導入され、匂いセンサ10へ到達する。導入口56と匂いセンサ10との間には調整装置55が設けられている。調整装置55は、空気の流出入を調整する装置である。調整装置55としては、たとえば、開閉可能に構成された封止弁や、ファン等を挙げることができる。なお、図11においては、匂い測定装置50の外形を、説明の便宜上、簡略化して長方形として示しているが、匂い測定装置50の外形はこれに限定されることはない。
【0083】
匂い測定装置50は、図11に示すように、導入口56とは異なる方向、すなわち、測定対象の匂いが導入される方向とは、異なる方向に開口する換気口58を有することが好ましい。このような測定対象の匂いの導入方向と異なる方向から空気を導入することにより、測定対象の匂いを含まない、又は検出量が無視できる程度に小さい空気を匂いセンサ10へと導入することができる。これにより、より適切なバックグラウンドの値を取得することができる。換気口58と匂いセンサ10との間には、調整装置57が配置されていてもよい。
【0084】
換気口58のような導入口以外の開口としては、換気口58のように導入口56と匂いセンサ10とを結ぶ直線の延長上に限定されず、測定対象の匂いの導入方向と異なる方向であればよく、たとえば、換気口60等であってもよい。換気口58と換気口60とは、併存していてもよい。換気口60と匂いセンサ10との間にも調整装置59が配置されていてもよい。
【0085】
調整装置55、57、59としては、空気の流出入を調整可能なものであれば特に制限されず、たとえば、開閉可能に構成された封止弁や、シャッター、正転・逆転可能なファン等とすることができる。調整装置55、57、59は、併存する場合、それぞれ同様の構成を有していてもよいが、それぞれ異なる構成を有していてもよい。また、調整装置55、57、59は、相互に連動して作動するものであってもよい。たとえば、調整装置55、57、59がいずれも封止弁であり、調整装置55が開いた状態である場合、調整装置57が開いた状態であり、調整装置59が閉じた状態であることが好ましい。これにより、導入口56から導入された空気は匂いセンサ10を通過した後、換気口58から排出されることになる。一方、調整装置55が閉じた状態である場合、調整装置57が閉じた状態であり、調整装置59が開いた状態であることが好ましい。これにより、バックグラウンドの測定値を取得する場合に、測定対象の匂いが含まれない空気を換気口60から導入し、匂いセンサ10により測定することができる。
【0086】
匂いセンサ10と測定対象の匂いの発生源とを物理的に隔離する構成としては、匂いセンサ10の位置が可変である構成を採用することもできる。例えば、匂いセンサ10がアームの先端に配設され、測定対象の匂いを測定する場合にのみ、測定対象の匂いの発生源の近傍に匂いセンサ10を移動させることができる。バックグラウンドの取得に際しては、測定対象の匂いの発生源から十分離れた場所での匂いの測定結果を用いることができる。
【0087】
<複合データ生成装置>
複合データ生成装置は、メインデータ3を生成するメインデータ生成手段と、匂いセンサ10と、を備える。複合データ生成装置は、上述のデータ構造に基づく複合データとしての匂いデータ含有データ1を生成可能な装置である。
【0088】
以下、実施例を用いて、複合データ生成装置について、具体的に説明する。
【0089】
[実施例1]
実施例1として、複合データ生成装置が診断装置100であり、メインデータが画像データである場合について説明する。実施例1として、画像データが、具体的にコンピュータ断層撮影画像(CT画像)のデータである場合について、図面を参照しながら説明する。なお、画像としては、CT画像に限定されず、レントゲン撮影装置によるレントゲン画像や、その他放射線を用いた画像診断による各種画像であってもよい。
【0090】
図12は、実施例1の診断装置100を示す模式図である。図12の診断装置100は、具体的には、コンピュータ断層撮影装置(CT装置)である。診断装置100は、円筒状のガントリ111と、ガントリ111の円筒形状の中空部分に被験者の体の少なくとも一部を搬送し、当該中空部分に挿入することを可能とする寝台117と、を備える。寝台117は、ガントリ111の中空部分に挿入される方向に平行移動可能に構成されている。この平行移動は、寝台117の上に被験者が寝た状態で、ガントリ111の中空部分に挿入されるよう平行移動可能である。ガントリ111は、その内部にX線照射装置112と、X線検出装置113と、を有する。X線照射装置112から発せられたX線はガントリ111の中空部分に移動された被験者に照射され、被験者を透過したX線はX線検出装置113で検出される。これにより、被験者の診断画像を得ることができる。診断画像は、画像データ103として出力することができる。
【0091】
診断装置100は、ガントリ111の一部に匂い測定装置115を備えている。匂い測定装置115は、被験者が発する口臭や体臭を検出することができる。例えば、匂い測定装置115は、ガントリ111の中空部分の近傍であり、ガントリ111の筐体の表面に露出するように配置することができる。この場合、被験者が検査室内にいない状態の匂いをバックグラウンドの匂いとして検出することができる。
【0092】
匂い測定装置115は、前述の導入口56や、換気口58、60、調整装置55、57、59等を有していてもよい。ガントリ111の内部に匂い測定装置115が配置されている場合、導入口56は、ガントリ111の中空部分、すなわち被験者が挿入される部分に向けて開口している。その場合、換気口58、60は、ガントリ111の中空部分とは異なる方向、すなわち、ガントリ111の外側に向けて開口している。
【0093】
匂い測定装置115は、被験者が発する口臭や体臭を検出することができる位置である限り、ガントリ111に限定されず、どの位置に配置されていてもよい。例えば、匂い測定装置115は、寝台117に配置されていてもよいし、ガントリ111、寝台117から独立した、別個のアームに配置されていてもよい。
【0094】
匂い測定装置115は、複数のセンサ素子155a、155b、155cを有している。なお、図13においては、説明の都合上、3つのセンサ素子155a、155b、155cのみを示しているが、センサ素子の数は3つに限定されない。
【0095】
図13は、実施例1の診断装置100の内部構成の第1例を模式的に示すブロック図である。図13に示すように、診断装置100においては、演算処理装置(CPU)131と、記憶装置133と、ガントリ111と、寝台117と、匂い測定装置115と、が相互に通信可能に接続されている。CPU131は、記憶装置133、ガントリ111、寝台117、及び匂い測定装置115の動作を制御することができる。記憶装置133には、プログラムP11、データベースD11が格納されている。CPU131は、プログラムP1を実行することで、診断装置100は診断画像を取得する機能、被験者が発する匂いを測定する機能等を発揮することができる。
【0096】
CPU131は、被験者が乗った寝台117の平行移動を制御し、診断部位がガントリ111の中空部分に位置するX線照射領域に挿入されるよう、寝台117を移動させることができる。次いで、CPU131はガントリ111のX線診断装置を制御し、X線を被験者の診断部位へ向けて照射させる。透過したX線は、ガントリ111の検出装置で検出される。診断画像の画像データ103は、CPU131によって記憶装置133内のデータベースD11の所定領域へ格納される。これにより、診断装置100は診断画像を取得することができる。
【0097】
CPU131は、プログラムP11を実行することで匂い測定装置115を制御し、上述の診断画像の取得と同時、又は診断画像の取得の前後に、被験者の口臭、体臭、又はその両方を、匂い測定装置115を用いて取得し、測定させることができる。匂い測定装置115としては、前述の匂いセンサ10を用いることができる。CPU131は、プログラムP11を実行することで、匂い測定装置115によって測定された測定結果に基づき、匂いデータ105を生成することができる。
【0098】
図14は、実施例1の診断装置100の内部構成の第2例を模式的に示すブロック図である。図14に示すように、CPU131がプログラムP1を実行することによる匂いデータ105の生成は、CPU131によらなくとも、匂い測定装置115が備えるCPU151が記憶装置153に格納されたプログラムPaを実行することによって実現することができる。これにより、匂いセンサ116の各センサ素子155a、155b、155c等による測定結果の加工処理を、匂い測定装置115内で完結することができる。
【0099】
匂い測定装置115は、センサ素子155a、155b、155c等以外に、演算処理装置(CPU)151、記憶装置153を有していている。CPU151は、各センサ素子155a、155b、155c等によって得られた測定結果を取得し、記憶装置153に記憶させることができる。なお、CPU151は、測定結果を記憶装置153に記憶させずに、診断装置100のCPU131へ受け渡し、記憶装置133に記憶させてもよい。
【0100】
記憶装置133には、被験者名や、診断日時、診断画像、匂いデータ、診断結果、症状・症例、病因等のCT検査に不随する各種情報が、相互に関連付けられて格納されたデータベースD11が格納されている。データベースD11に格納される匂いデータ105は、匂いセンサ116によって取得された匂い測定結果そのもの(生データ)であってもよいし、匂い測定結果に基づいて加工された匂いデータであってもよい。このように匂いデータ105と、CT検査に付随する各種情報と、を相互に関連付けることにより、匂いと診断、症状との関係を分析することが可能となる。例えば、特定の診断を受けた被験者についての匂いデータが特徴を有するものであった場合、その特徴を有する匂いデータがその体臭や口臭から測定された被験者は、当該特定の診断を受ける可能性があるということになる。
【0101】
図15は、実施例1のデータベースD11である。データベースD11には、CT検査によって得られる診断画像のデータに関連付けられて、匂いデータ5、被験者名、診断日時、確定診断、症状・症例、病因のデータが格納されている。匂いデータ5は、処置の前後や、匂い測定する部位等に応じて、複数の匂いデータ5が、データベースD11に格納されていてもよい。
【0102】
データベースD11は、記憶装置133に格納されるだけでなく、診断装置100がインターネットを介して接続されたクラウドサーバに格納されていてもよい。データベースD11がクラウドサーバに格納されている場合、診断装置100は、データベースD11に格納される各情報を、記憶装置133に格納することなく、クラウドサーバ上のデータベースD11へ直接格納してもよい。
【0103】
ここで、診断装置100におけるCT検査及び匂いデータ105の取得の処理の流れについて、図16を参照しつつ説明する。図16は、実施例1の診断装置100の処理を示すフローチャートである。ステップ(以下「S」)1001において、診断装置100は、画像データ103の取得を開始すると共に、匂い測定装置115が匂い測定を開始する。具体的には、CPU131が、X線照射装置112、X線検出装置113、寝台117、及び匂い測定装置115を制御する。CT検査が開始されると、CPU131は匂い測定装置115を作動させ、匂いセンサ116による匂い測定を行う。次いで、CPU131は、寝台117、X線照射装置112、X線検出装置113を作動させ、画像データ103としてのCT画像を取得する。なお、匂い測定装置115による匂い測定と、画像データ103の取得は、一方の処理が完了するのを待たずに他方が開始されてもよく、動作時間帯が重複していてもよい。また、画像データ103の取得が匂い測定よりも先に開始されてもよい。
【0104】
S1002において、CPU131は匂い測定装置115による匂いの測定結果を加工し、匂いデータ105へ変換する。具体的には、CPU131は、匂い測定装置115による匂いの測定結果を取得し、その差分を算出し、加工データとしての匂いデータ105を得る。
【0105】
S1003において、CPU131は、画像データ103と匂いデータ105とを、画像データ103と匂いデータ105とが相互に関連付けられた状態で有する匂いデータ含有データ101を生成する。
【0106】
S1004において、CPU131は、匂いデータ含有データ101の匂いデータ105と、データベースD11内のデータが有する匂いデータと、を比較する。そして、比較したデータ同士のうち、匂いデータが一致又は類似するデータを、データベースD11から抽出する。データベースD11は、記憶装置133に格納されていても、インターネット介して通信可能に接続されたクラウドサーバに格納されていてもよい。データベースD11がクラウドサーバに格納されたものであった場合、CPU131は、抽出したデータを、ダウンロードし、記憶装置133に記憶させることができる。
【0107】
S1005において、CPU131は、抽出したデータに含まれる確定診断や、症状、症例等の情報を、例えば診断装置100の表示画面(図示せず)に出力することができる。これにより、被験者のCT検査を行うだけでなく、被験者の匂いデータと似たような特徴を有する匂いデータが測定された他の被験者の場合の診断名や症状、症例等を参照することができることになる。
【0108】
[実施例2]
実施例2として、複合データ生成装置が携帯情報端末200であり、メインデータ3が位置データである場合について説明する。携帯情報端末200は、全地球測位システム(GPS)装置213を備える携帯情報端末200であり、具体的には、GPS装置213を備えるスマートフォンや、タブレット端末、携帯電話等の携帯端末とすることができる。携帯情報端末200は、GPS装置213以外に、匂い測定装置215を備えている。携帯情報端末200は、表示画面211、撮像装置217、気圧測定装置219を更に備えていてもよい。
【0109】
図17は、実施例2の携帯情報端末200を示す模式図である。図17に示すように携帯情報端末200は、匂い測定装置215を備えているため、携帯情報端末200が位置している雰囲気空気の匂いを測定することができる。匂い測定装置215は、前述の導入口56や、換気口58、60、調整装置55、57、59等を有していてもよい。携帯情報端末200の筐体の内部に匂い測定装置215が配置されている場合、導入口56は、携帯情報端末200の筐体のいずれかの面に開口している。その場合、換気口58、60は、携帯情報端末200の筐体の導入口56が開口している面とは異なる面において開口している。
【0110】
匂い測定装置215の導入口56は、撮像装置217と同じ面に配置されていてもよい。撮像装置217は、たとえば、カメラである。匂い測定装置215の導入口56が撮像装置217と同じ面に配置されていることにより、撮像装置217によって撮影された画像に測定対象の匂いの発生源が写っている可能性が高くなる。
【0111】
匂い測定装置215は、複数のセンサ素子255a、255b、255cを有している。なお、図18においては、説明の都合上、3つのセンサ素子255a、255b、255cのみを示しているが、センサ素子の数は3つに限定されない。
【0112】
図18は、実施例2の携帯情報端末200の内部構成を模式的に示すブロック図である。図18に示すように、携帯情報端末200においては、演算処理装置(CPU)231と、記憶装置233と、GPS装置213と、撮像装置217と、気圧測定装置219と、匂い測定装置215と、が相互に通信可能に接続されている。CPU231は、記憶装置233、GPS装置213、撮像装置217、気圧測定装置219、及び匂い測定装置215の動作を制御することができる。記憶装置233には、プログラムP21、データベースD21が格納されている。CPU231は、プログラムP21を実行することで、携帯情報端末200は位置データ203を取得する機能、画像を撮影する機能、気圧を測定する機能、雰囲気空気の匂いを測定する機能等を発揮することができる。
【0113】
CPU231は、プログラムP21を実行することで匂い測定装置215を制御し、上述の位置データ203の取得と同時、又は位置データ203の取得の前後に、匂い測定装置215を用いて雰囲気空気を取得し、その匂いを測定することができる。匂い測定装置215としては、前述の匂いセンサ10を用いることができる。CPU231は、プログラムP21を実行することで、匂い測定装置215によって測定された測定結果に基づき、匂いデータ205を生成することができる。
【0114】
匂い測定装置215は、センサ素子255a、255b、255c等以外に、演算処理装置(CPU)251、記憶装置253を有していている。CPU251は、各センサ素子255a、255b、255c等によって得られた測定結果を取得し、記憶装置253に記憶させることができる。なお、CPU251は、測定結果を記憶装置253に記憶させずに、携帯情報端末200のCPU231へ受け渡し、記憶装置233に記憶させてもよい。
【0115】
記憶装置233には、緯度及び経度の位置データ203や、気圧情報、匂いデータ、測定時刻、画像データ等の各種情報が、相互に関連付けられて格納されたデータベースD21が格納されている。データベースD21に格納される匂いデータ205は、匂い測定装置215によって取得された匂い測定結果そのもの(生データ)であってもよいし、匂い測定結果に基づいて加工された匂いデータ5であってもよい。このように匂いデータ205と、携帯情報端末200によって取得される各種情報と、を相互に関連付けることにより、匂いと位置情報を関連付けることが可能となる。例えば、匂いと位置情報とが関連付けられたデータベースD21を拡充することによって、特定の場所において携帯情報端末200を用いて測定した匂いが、地図上でどのように分布しているかを把握することができるようになる。また、携帯情報端末200等で測定した匂いデータと同一又は類似した匂いデータを有する匂いが発生している場所がどこであるかを、匂いデータをキーとして検索することで、把握することが可能となる。
【0116】
匂いデータ205、位置データ203と共に、気圧測定装置219によって測定した気圧情報を関連付けることによって、匂い測定装置215によって測定した匂いデータがどのような気圧環境で測定されたデータであるのかを把握することができる。また、匂いデータ205、位置データ203と共に、撮像装置217によって撮影した画像データを関連付けることによって、測定した匂いデータがどのような環境において発生したものであるか、その環境の画像を参照することができる。たとえば、画像データを関連付けることにより、匂いの発生源の画像を取得することができる可能性がある。
【0117】
図19は、実施例2のデータベースD21である。データベースD21には、GPS装置213によって取得される位置データ203に関連付けられて、匂いデータ205、経度、緯度、気圧、測定時刻、画像データが格納されている。データベースD21は、記憶装置233に格納されるだけでなく、携帯情報端末200がインターネットを介して接続されたクラウドサーバに格納されていてもよい。データベースD21がクラウドサーバに格納されている場合、携帯情報端末200は、データベースD21に格納される各情報を、記憶装置233に格納することなく、クラウドサーバ上のデータベースD21へ直接格納してもよい。
【0118】
ここで、携帯情報端末200における位置データ203等の取得及び匂いデータ205の取得の処理の流れについて、図20を参照しつつ説明する。図20は、実施例2の携帯情報端末200の処理を示すフローチャートである。S2001において、携帯情報端末200は、GPS装置213による位置データ203の取得を開始すると共に、匂い測定装置215が匂い測定を開始する。具体的には、CPU231が、GPS装置213を制御し、位置データ203を記録する。なお、匂い測定装置115による匂い測定と、位置データ203の取得は、一方の処理が完了するのを待たずに他方が開始されてもよく、動作時間帯が重複していてもよい。また、位置データ203の取得が匂い測定よりも先に開始されてもよい。このとき、気圧測定装置219による気圧の測定や、撮像装置217による画像の撮影も、位置データ203の取得又は匂い測地と同時又はその前後で行われてもよい。
【0119】
S2002において、CPU231は匂い測定装置215による匂いの測定結果を加工し、匂いデータ205を取得する。具体的には、CPU231は、匂い測定装置215による匂いの測定結果を取得し、その差分を算出し、加工データとしての匂いデータ205を得る。
【0120】
S2003において、CPU231は、位置データ203と匂いデータ205とを、位置データ203と匂いデータ205とが相互に関連付けられた状態で有する匂いデータ含有データ201を生成する。
【0121】
S2004において、CPU231は、匂いデータ含有データ201の匂いデータ205と、データベースD21内のデータが有する匂いデータと、を比較する。そして、比較したデータ同士のうち、匂いデータが一致又は類似するデータを、データベースD21から抽出する。データベースD21は、記憶装置233に格納されていても、インターネット介して通信可能に接続されたクラウドサーバに格納されていてもよい。データベースD21がクラウドサーバに格納されたものであった場合、CPU231は、抽出したデータを、ダウンロードし、記憶装置233に記憶させることができる。
【0122】
S2005において、CPU231は、抽出したデータに含まれる位置、気圧、画像、測定時刻等の情報を、例えば携帯情報端末200の表示画面211に出力することができる。
【0123】
[実施例3]
実施例3として、複合データ生成装置が動画撮影端末300であり、メインデータ3が動画データである場合について説明する。動画撮影端末300は、動画撮影装置313を備える動画撮影端末300であり、具体的には、ビデオカメラや、スマートフォン、タブレット端末、アクションカメラ等であってもよい。動画撮影端末300は、動画撮影装置313以外に、匂い測定装置315を備えている。動画撮影端末300は、レンズ311、音声記録装置317を更に備えていてもよい。
【0124】
図21は、実施例3の動画撮影端末300を示す模式図である。図21に示すように動画撮影端末300は、匂い測定装置315を備えているため、動画撮影端末300が位置している雰囲気空気の匂いを測定することができる。匂い測定装置315は、前述の導入口56や、換気口58、60、調整装置55、57、59等を有していてもよい。動画撮影端末300の筐体の内部に匂い測定装置315が配置されている場合、導入口56は、動画撮影端末300の筐体のいずれかの面に開口している。その場合、換気口58、60は、動画撮影端末300の筐体の導入口56が開口している面とは異なる面において開口している。
【0125】
匂い測定装置315の導入口56は、レンズ311と同じ面又は近似する方向を向く面に配置されていていることが好ましい。匂い測定装置315の導入口56がレンズ311と同じ方向又はそれに近似する方向を向いて配置されていることにより、レンズ311を介して動画撮影装置313によって撮影された画像に測定対象の匂いの発生源が写っている可能性が高くなる。
【0126】
匂い測定装置315は、複数のセンサ素子355a、355b、355cを有している。なお、図22においては、説明の都合上、3つのセンサ素子355a、355b、355cのみを示しているが、センサ素子の数は3つに限定されない。
【0127】
図22は、実施例3の動画撮影端末300の内部構成を模式的に示すブロック図である。図22に示すように、動画撮影端末300においては、演算処理装置(CPU)331と、記憶装置333と、動画撮影装置313と、音声記録装置317と、匂い測定装置315と、が相互に通信可能に接続されている。CPU331は、記憶装置333、動画撮影装置313、音声記録装置317、及び匂い測定装置315の動作を制御することができる。記憶装置333には、プログラムP31、データベースD31が格納されている。CPU331は、プログラムP31を実行することで、動画撮影端末300は動画データ303を取得する機能、音声データ307を記録するする機能、雰囲気空気の匂いデータ305を測定する機能等を発揮することができる。
【0128】
CPU331は、プログラムP31を実行することで匂い測定装置315を制御し、上述の動画の撮影と同時、又は動画の撮影の途中、又は動画の撮影の前後に、匂い測定装置315を用いて雰囲気空気を取得し、その匂いを測定することができる。匂い測定装置315としては、前述の匂いセンサ10を用いることができる。CPU331は、プログラムP31を実行することで、匂い測定装置315によって測定された測定結果に基づき、匂いデータ305を生成することができる。
【0129】
匂い測定装置315は、センサ素子355a、355b、355c等以外に、演算処理装置(CPU)351、記憶装置353を有していている。CPU351は、各センサ素子355a、355b、355c等によって得られた測定結果を取得し、記憶装置353に記憶させることができる。なお、CPU351は、測定結果を記憶装置353に記憶させずに、動画撮影端末300のCPU331へ受け渡し、記憶装置333に記憶させてもよい。
【0130】
記憶装置333には、動画データ303や、匂いデータ305、音声データ307等の各種情報が、相互に関連付けられて格納されたデータベースD31が格納されている。データベースD31に格納される匂いデータ305は、匂い測定装置315によって取得された匂い測定結果そのもの(生データ)であってもよいし、匂い測定結果に基づいて加工された匂いデータ5であってもよい。このように匂いデータ305と、動画撮影端末300によって取得される各種情報と、を相互に関連付けることにより、匂いと動画データ303を関連付けることが可能となる。例えば、匂いと位置情報とが関連付けられたデータベースD31を拡充することによって、特定の場所において動画撮影端末300を用いて測定した匂いが、どのような状況で発生した匂いであるかを把握することができるようになる。また、動画撮影端末300等で測定した匂いデータ305と同一又は類似した匂いデータを有する匂いが発生している状況がどのような状況であるかを、匂いデータをキーとして検索することで、把握することが可能となる。匂いデータ305、動画データ303と共に、音声記録装置317を用いて記録した音声データ307を関連付けることができる。
【0131】
図23は、実施例3のデータベースD31である。データベースD31には、動画撮影装置313によって取得される動画データ303に関連付けられて、匂いデータ305、音声データ307、撮影日時の情報等が格納されている。データベースD31は、記憶装置333に格納されるだけでなく、動画撮影端末300がインターネットを介して接続されたクラウドサーバに格納されていてもよい。データベースD31がクラウドサーバに格納されている場合、動画撮影端末300は、データベースD31に格納される各情報を、記憶装置333に格納することなく、クラウドサーバ上のデータベースD31へ直接格納してもよい。
【0132】
ここで、動画撮影端末300における動画データ303等の取得及び匂いデータ305の取得の処理の流れについて、図24を参照しつつ説明する。図24は、実施例3の動画撮影端末300の処理を示すフローチャートである。S3001において、動画撮影端末300は、動画撮影装置313による動画データ303の取得を開始すると共に、匂い測定装置315が匂い測定を開始する。具体的には、CPU331が、動画撮影装置313を制御し、動画データ303を記録する。なお、匂い測定装置315による匂い測定と、動画データ303の記録と、音声データ307の記録と、は同時に行われることが好ましい。
【0133】
匂い測定装置315による匂い測定は、たとえば、測定間隔を1秒ごととして匂いデータ305を取得することができるが、動画が長い場合には、測定間隔を30秒や、1分、5分、10分、30分、1時間等と、長くすることもできる。また、動画撮影の際の雰囲気空気の匂いに変化が少ないことが予測される場合は、匂い測定装置315による匂い測定の回数を減らし、たとえば、動画撮影開始前、動画撮影中、動画撮影終了後の任意の時期に少ない回数で匂い測定を行うことができる。
【0134】
S3002において、CPU331は匂い測定装置315による匂いの測定結果を加工し、匂いデータ305を取得する。具体的には、CPU331は、匂い測定装置315による匂いの測定結果を取得し、その差分を算出し、加工データとしての匂いデータ305を得る。
【0135】
S3003において、CPU331は、動画データ303と匂いデータ305とを、動画データ303と匂いデータ305とが相互に関連付けられた状態で有する匂いデータ含有データ301を生成する。
【0136】
S3004において、CPU331は、匂いデータ含有データ301の匂いデータ305と、データベースD31内のデータが有する匂いデータと、を比較する。そして、比較したデータ同士のうち、匂いデータが一致又は類似するデータを、データベースD31から抽出する。データベースD31は、記憶装置333に格納されていても、インターネット介して通信可能に接続されたクラウドサーバに格納されていてもよい。データベースD31がクラウドサーバに格納されたものであった場合、CPU331は、抽出したデータを、ダウンロードし、記憶装置333に記憶させることができる。
【0137】
S3005において、CPU331は、抽出したデータに含まれる動画、音声、撮影日時等の情報を、例えば動画撮影端末300の表示画面(図示せず)に動画と共に出力することができる。
【0138】
(実施例3の応用例1)
動画撮影端末300を使用して、ある料理の動画が撮影された場合、動画撮影端末300の匂い測定装置315は、その料理から発せられる匂いを測定し、その料理の動画データ303と関連付けられた匂いデータ305が生成される。この生成された匂いデータ305をキーとして、データベースD31から、匂いデータ305と同一又は近似した匂いデータが検索され、同一又は近似した匂いデータとそれに関連付けられた動画データ等の情報がデータベースD31から抽出される。これにより、撮影した料理と同一又は近似した匂いデータと関連付けられた動画データが得られることになる。
【0139】
たとえば、ユーザが動画撮影端末300を使用して、気に入った料理の動画を撮影すると、その料理の調理動画や、その料理の匂いデータ305と近似した匂いデータを有する別の料理の動画等を、ユーザが入手することができる。
【0140】
(実施例3の応用例2)
動画撮影端末300を防犯カメラ等として使用することができる。防犯カメラ等は、不特定多数の人物が撮影されるものである。防犯カメラ等の映像を基に人物を特定するという需要は大きい。そこで、動画撮影端末300を防犯カメラ等として使用することで、動画の撮影範囲に入った人物が発する体臭や香水の匂い等を匂い測定装置315は検出することができることになる。特定したい人物の体臭を測定して得られた匂いデータ305がデータベースD31等に格納されていれば、動画に基づく人物の特定だけでなく、動画撮影端末300を使用して得られた匂いデータ305に基づく人物の特定も可能となる。そのため、動画に基づく人物の特定に加えて、匂いデータ305に基づく人物の特定が可能となり、人物特定の精度が大幅に向上することが期待される。
【0141】
たとえば、迷子や犯罪者を捜索する場合に、迷子となった人物や、犯罪者の匂いデータが予め取得できていれば、その匂いデータを動画データや画像データと共に、データベースD31に格納しておくことができる。そして、動画撮影端末300としての防犯カメラが迷子となった人物や犯罪者を撮影し、その匂いデータ305を取得できれば、取得した匂いデータ305と、データベースD31に格納された匂いデータとが一致、又は近似することで人物の特定を図ることができる。このとき、人物の特定は、動画撮影端末300を使用して撮影された動画による人物の特定と匂いデータによる人物の特定とを組み合わせることで、人物特定の精度が向上することが期待される。
【0142】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、本発明は以下の趣旨を含むものとする。
【0143】
(趣旨1)メインデータが格納されたメインデータ格納領域と、匂いセンサにより測定された空気中の匂いの測定結果に基づく匂いデータが格納された匂いデータ格納領域と、を有する、データ構造を趣旨とする。
【0144】
これによれば、特定の匂いデータに関連付けられたデータをデータの集合から検索し、抽出することができる。
【0145】
(趣旨2)前記メインデータ格納領域は、当該メインデータ格納領域内に格納されたデータが前記メインデータであることを指標するメインデータIDを格納するためのメインデータID領域を含むこと、及び/又は、前記匂いデータ格納領域は、当該匂いデータ格納領域内に格納されたデータが前記匂いデータであることを指標する匂いデータIDを格納するための匂いデータID領域を含むこと、を特徴とするデータ構造であってもよい。
【0146】
(趣旨3)前記匂いデータ格納領域が、複数の前記匂いデータを格納する、データ構造であってもよい。
【0147】
(趣旨4)前記匂いデータ格納領域が、複数の前記匂いデータID領域を有する、データ構造であってもよい。
【0148】
(趣旨5)前記匂いセンサが、空気中の匂い物質を吸着する物質吸着膜と検出器とを有して構成されるセンサ素子を複数備え、前記物質吸着膜は、前記センサ素子ごとに前記匂い物質に対する異なる吸着特性を有し、複数の前記センサ素子は、前記匂い物質の前記物質吸着膜への吸着量に応じて異なる測定結果を出力し、前記複数の匂いデータは、前記複数のセンサ素子に各々対応する、データ構造であってもよい。
【0149】
(趣旨6)前記匂いデータが、前記匂いセンサにより測定された空気中の匂いの測定結果であって、前記空気中の匂いの経時的な変化を示す遷移データである、データ構造であってもよい。
【0150】
(趣旨7)前記遷移データが、所定の時間幅にわたって所定の時間間隔で前記匂いセンサにより前記空気中の匂いを測定した測定値と当該測定値の測定時刻とのデータセットを複数有して構成される、データ構造であってもよい。
【0151】
(趣旨8)前記匂いデータが、前記匂いセンサにより測定された空気中の匂いの測定結果であって、前記空気中の匂いの経時的な変化を示すための第1の時刻又は時間幅における前記空気中の匂いの第1の測定結果と第2の時刻又は時間幅における前記空気中の匂いの第2の測定結果との差分データである、データ構造であってもよい。
【0152】
(趣旨9)前記第1の測定結果が前記第1の時刻における前記空気中の匂いの測定結果であり、前記第2の測定結果が前記第2の時刻における前記空気中の匂いの測定結果であり、前記第1の時刻と前記第2の時刻との時刻差が少なくとも5秒である、データ構造であってもよい。
【0153】
(趣旨10)前記第1の測定結果が、前記第1の時間幅における前記空気中の匂いの測定結果のうちの最大値であり、前記第2の測定結果が、前記第2の時間幅における前記空気中の匂いの測定結果のうちの最小値である、データ構造であってもよい。
【0154】
(趣旨11)前記メインデータが、画像データ、動画データ、音声データ、テキストデータ、位置データのうち少なくとも1つのデータを含み、前記メインデータ格納領域と前記匂いデータ格納領域とが相互に関連付けられている、データ構造であってもよい。
【0155】
(趣旨12)前記メインデータを生成するメインデータ生成手段と、前記匂いセンサと、を備え、趣旨1から趣旨11のうちいずれか1つに記載のデータ構造に基づく複合データを生成する、複合データ生成装置をも趣旨とする。
【符号の説明】
【0156】
1:匂いデータ含有データ 3:メインデータ
4:メインデータ格納領域 5:匂いデータ
6:匂いデータ格納領域 7:素子データ
8:素子データ格納領域 9:素子データポイント
10:匂いセンサ 11:センサ素子
13:物質吸着膜 15:検出器
17:センサ基板 19:センサ面
23:メインデータID 24:メインデータID領域
25:匂いデータID 26:匂いデータID領域
27:素子データID 28:素子データID領域
29:時間ラベル 30:時間ラベル領域
50:匂い測定装置
51:(匂い測定装置の)演算処理装置(CPU)
53:(匂い測定装置の)記憶装置
55:調整装置 56:導入口
57:調整装置 58:換気口
59:調整装置 60:換気口
100:診断装置 101:匂いデータ含有データ
103:画像データ 105:匂いデータ
111:ガントリ 112:X線照射装置
113:X線検出装置 115:匂い測定装置
117:寝台
131:(診断装置の)演算処理装置(CPU)
133:(診断装置の)記憶装置
151:(匂い測定装置の)演算処理装置(CPU)
153:(匂い測定装置の)記憶装置
155a:センサ素子 155b:センサ素子
155c:センサ素子 200:携帯情報端末
201:匂いデータ含有データ 203:位置データ
205:匂いデータ 211:表示画面
213:GPS装置 215:匂い測定装置
217:撮像装置 219:気圧測定装置
231:(携帯情報端末の)演算処理装置(CPU)
233:(携帯情報端末の)記憶装置
251:(匂い測定装置の)演算処理装置(CPU)
253:(匂い測定装置の)記憶装置
255a:センサ素子 255b:センサ素子
255c:センサ素子 300:動画撮影端末
301:匂いデータ含有データ 303:動画データ
305:匂いデータ 307:音声データ
311:レンズ 313:動画撮影装置
315:匂い測定装置 317:音声記録装置
331:(動画撮影端末の)演算処理装置(CPU)
333:(動画撮影端末の)記憶装置
351:(動画撮影端末の)演算処理装置(CPU)
353:(動画撮影端末の)記憶装置
355a:センサ素子 355b:センサ素子
355c:センサ素子
D1:測定結果データベース D2:加工データベース
D11:(実施例1の)データベース
D21:(実施例2の)データベース
D31:(実施例3の)データベース
P11:(実施例1の)プログラム
P21:(実施例2の)プログラム
P31:(実施例3の)プログラム
Pa:プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24