(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022023951
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】認証プロトコルを有する聴覚装置
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20220201BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
H04R25/00 M
H04L9/32 200E
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021178186
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2015222432の分割
【原出願日】2015-11-12
(31)【優先権主張番号】PA201470704
(32)【優先日】2014-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】14193328.3
(32)【優先日】2014-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ダム ペダーセン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】公共の場において、装着した使用者が、送信されたメッセージが信頼できる発信元によって作成されたという確信を持って、メッセージを聞くことが可能な聴覚装置及び送信システムを提供する。
【解決手段】聴覚装置回路10は、発話メッセージ又はテキスト・メッセージなどのメッセージを含む信号を受信する無線回路44を備える。これらのメッセージは、後で認証するために暗号化されている。聴覚装置回路はさらに、メッセージを認証する認証器48と、メッセージの認証に成功したとき、聴覚装置回路の使用者の鼓膜に向けて送信するためにメッセージを音響信号に変換するレシーバ40と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が第1キーで暗号化されており、その第1キーが第2キーで暗号化されているメッセージを含む信号を受信するための無線回路と、
第1キーを第3キーで復号し、前記メッセージの少なくとも一部を第1キーで復号することによって前記メッセージを認証するように構成された認証器と、
聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、前記メッセージを音響信号に変換するように構成された処理ユニットと、
を備える聴覚装置。
【請求項2】
処理ユニットは、前記メッセージの認証に成功したときに、聴覚装置によって受信された少なくとも1つの他の信号をミュートするように構成されている請求項1に記載の聴覚装置。
【請求項3】
処理ユニットは、前記メッセージの認証に成功したときに、前記メッセージを聴覚装置によって受信された少なくとも1つの他の信号と混合するためのミキサを備えており、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、混合された出力を音響信号に変換するように構成されている請求項1に記載の聴覚装置。
【請求項4】
処理ユニットは、信号内のメッセージの認証に失敗したときに、その信号を無視するように構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項5】
処理ユニットは、前記メッセージを追加メッセージと混合して混合された出力を得るためのミキサを備えており、前記追加メッセージの少なくとも一部は、信号内のメッセージの少なくとも一部と時間的に重複する請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項6】
さらに、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて音響信号の伝達中に受信された第1の追加メッセージを記憶するためのメモリを備えている請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項7】
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、記憶された第1の追加メッセージを追加音響信号に変換するように構成されている請求項6に記載の聴覚装置。
【請求項8】
前記メモリは、第2の追加メッセージを記憶するためのものでもあり、
処理ユニットは、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージが聴覚装置によって受信される順番で聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成されている請求項7に記載の聴覚装置。
【請求項9】
前記メモリは、第2の追加メッセージを記憶するためのものでもあり、
処理ユニットは、優先順位の順に聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成されている請求項6または7に記載の聴覚装置。
【請求項10】
第2キーはプライベートキーである請求項1から9のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項11】
第3キーはパブリックキーである請求項1から10のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項12】
暗号化された第1キーなしで受信された暗号化されたメッセージ部分は、後で記憶された暗号化されたメッセージ部分の暗号化に使用された暗号化された第1キーを受信したときに認証および複号するために聴覚装置に記憶される請求項1から11のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項13】
暗号化された第1キーは、暗号化されたメッセージなしの信号内で受信される請求項1から12のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項14】
第3キーを備える請求項1から13のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項15】
送信のためにメッセージの一部を符号化するように構成されたエンコーダと、
前記メッセージの一部を第1キーで暗号化し、第1キーを第2キーで暗号化するように構成された暗号化ユニットと、
聴覚装置によって受信するために暗号化された第1キーおよびメッセージの暗号化された一部を送信するように構成された送信機と、を備える送信システムであって、
聴覚装置は、
前記メッセージの一部および暗号化された第1キーを受信するための無線回路と、
第1キーを第3キーで復号し、前記メッセージの一部を第1キーで復号することによってメッセージの一部を認証するように構成された認証器と、
聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために前記メッセージの一部を音響信号に変換するように構成された処理ユニットと、を備える送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
新しい聴覚装置は、発話メッセージまたはテキスト・メッセージなどのメッセージを含む送信された信号を受信するように構成された無線回路を備え、これらのメッセージは、後で認証(Authentication)するために暗号化されている。この聴覚装置は、メッセージを認証するように構成された認証器も有している。新しい聴覚装置は、メッセージの認証に成功したときに、その新しい聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するためにメッセージを音響信号に変換するようにさらに構成されている。
【背景技術】
【0002】
最近、さまざまな発信元から受信された音を補聴器の使用者に提示することが可能な補聴器が登場してきた。発信元の例としては、携帯電話、ラジオ、メディア・プレーヤ、コンパニオンのマイクロホン、たとえば公共の場、たとえば教会、講堂、劇場、映画館などで使用される放送システム、たとえば駅、空港、ショッピング・モールなどで使用される拡声装置がある。
【0003】
たとえば、電話、FMシステム(ネック・ループを有する)、および誘導ループ・システム(「ヒアリング・ループ」とも呼ばれる)によって生成されたオーディオ信号をテレコイル(telecoil)を使用して磁気的に捕捉し、それによって高い信号対雑音比で補聴器に音を送信することができることがよく知られている。より最近では、補聴器は、テレコイルを置換または補うため、たとえば、MP3プレーヤ、TVセットなどメディア・プレーヤからのストリーミングされた音楽および会話などの一般のストリーミングされたオーディオを受信するために、無線信号を受信するための無線回路を装備している。たとえば補聴器を携帯電話、オーディオ・ヘッドセット、コンピュータ・ラップトップ、携帯情報端末、デジタル・カメラなどと相互接続するために、たとえばブルートゥース技術を利用する近距離ネットワークを通してオーディオ信号のさまざまな発信元と接続する補聴器も登場している。他の無線ネットワーク、すなわちHomeRF、DECT、PHS、ワイヤレスLAN(WLAN)、または他のプロプライエタリ・ネットワークも提案されている。
【発明の概要】
【0004】
状況によっては、たとえば公共の場において、聴覚装置を装着した使用者が、送信されたメッセージが信頼できる、すなわち送信されたメッセージが信頼できる発信元によって送信のために作成されたという確信を持って、公共の通知、たとえば電車、船舶、または飛行機の出発または遅延などの発話メッセージ、または発話メッセージに変換されたテキスト・メッセージなどの送信されたメッセージを聞くことが可能であることが望ましい。
【0005】
したがって、たとえば、なりすましがなくなる、またはなりすましのリスクが低減されるように、送信されたメッセージの認証を容易にする送信方式が必要とされている。
【0006】
したがって、メッセージを通信する方法であって、送信のためにメッセージの一部を符号化するステップと、メッセージの一部を第1キーで暗号化するステップと、第1キーを第2キーで暗号化するステップと、デバイスによって受信するために暗号化された第1キーを送信するステップと、デバイスによって受信するためにメッセージの暗号化された一部を送信するステップとを備え、デバイスが、暗号化された第1キーおよびメッセージの暗号化された一部を受信し、第1キーを第3キーで復号し、メッセージの一部を第1キーで復号し、人間の鼓膜に向けて伝達するためにメッセージの一部を音響信号に変換するように構成されている方法が提供される。
【0007】
復号するステップは、デバイスによって暗号化された第1キーおよびメッセージの暗号化された一部を受信することと、第1キーを第3キーで復号することと、メッセージの一部を第1キーで復号することと、人間の鼓膜に向けて伝達するために、メッセージの一部を音響信号に変換することを含んでいてよい。
【0008】
復号するステップは、メッセージの複数の部分を第1キーで復号するステップを含んでいてよい。
【0009】
暗号化された第1キーを送信するステップは、暗号化された第1キーをメッセージの一部とともに送信するステップを含んでいてよい。
【0010】
上記方法は、メッセージの一部を誤り検査符号で符号化するステップをさらに含んでいてよい。
【0011】
さらに、送信のためにメッセージの一部を符号化するように構成されたエンコーダであって、メッセージの一部を第1キーで暗号化し、第1キーを第2キーで暗号化するように構成された暗号化ユニットと、聴覚装置によって受信するために暗号化された第1キーおよびメッセージの暗号化された一部を送信するように構成された送信機とを備える送信システムであって、聴覚装置が、メッセージの一部および暗号化された第1キーを受信するための無線回路と、第1キーを第3キーで復号し、メッセージの一部を第1キーで復号することによってメッセージの一部を認証するように構成された認証器と、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するためにメッセージの一部を音響信号に変換するように構成された処理ユニットとを備える送信システムが提供される。
【0012】
したがって、以下の聴覚装置が提供される。少なくとも一部が第1キーで暗号化されており、その第1キーが第2キーで暗号化されているメッセージを含む信号を受信するための無線回路と、第1キーを第3キーで復号し、メッセージの少なくとも一部を第1キーで復号することによってメッセージを認証するように構成された認証器と、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、メッセージを音響信号に変換するように構成された処理ユニットを備える聴覚装置。
【0013】
暗号化された第1キーは、第1キーで暗号化されている暗号化されたメッセージの一部とともに送信されてよい。
【0014】
メッセージの送信は、メッセージの一部の各々が同じ第1キーで暗号化されたメッセージを一連に送信することと、たとえば同じ第1キーで暗号化されたメッセージの暗号化部分を一連に送信する前または後に、好ましくは同じ第1キーで暗号化されたメッセージの最後に送信された暗号化部分とともに、第2キーで暗号化された第1キーを送信することを含んでいてよく、聴覚装置においては、メッセージの送信された暗号化部分を受信および記憶し、暗号化された第1キーを受信したときに第1キーでメッセージの一部を復号してよい。
【0015】
暗号化された第1キーの送信の割合の減少は、聴覚装置における電力消費量を減少させるという利点を有する。
【0016】
好ましくは、メッセージは、誤り検査符号、たとえばCRC符号を使用して符号化される。
【0017】
好ましくは、認証の成功は、誤り検査符号を使用したメッセージの受信された一部の正しい検証を含む。これは、たとえば、暗号化されたメッセージの一部を復号しようとしてキーの使用が成功しなかった場合、聴覚装置の使用者の耳へのノイズの伝達を防止し得る。
【0018】
好ましくは、第2キーはプライベートキー(private key)であるかまたはこれを備え、第3キーはパブリックキー(public key)であるかまたはこれを備える。
【0019】
好ましくは、聴覚装置は、第3キーを備える。第3キーは、その製造中に聴覚装置に入力されてよい。あるいは、またはこれに加えて、第3キーは、売店で、たとえば空港でのチェックイン中に、および/またはフィッティング・ソフトウェア(fitting sostware)によって、および/またはスマートフォンに保存されたアプリを使用して、および/またはインターネットなどに接続されたコンピュータを使用して、聴覚装置に入力されてよい。
【0020】
聴覚装置は、BTE、RIE、ITE、ITC、CICなどの補聴器であってもよいし、両耳補聴器であってもよいし、耳かけ形、耳あな形、耳載せ形(On-Ear)、耳覆い形(Over-the-Ear)、ビハインド・ザ・ネック形(Behind-the-Neck)、ヘルメット、ヘッドギアなどであってもよいし、ヘッドセット、ヘッドホン、イヤホン、イヤー・ディフェンダ、イヤーマフなどであってもよい。
【0021】
メッセージは、聴覚装置において会話に変換されるテキスト・メッセージであってよい。好ましくは、メッセージは、発話メッセージである。
【0022】
本開示全体を通して、送信された信号は、信号の生成、たとえば通知を行う人間からの音響学的出力から、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けての伝達までに取り得る任意の形態の、複数の受信機によって受信可能な信号であって、ワイヤレス送信に適した形態および聴覚装置における信号処理に適した形態のデジタル化された信号を含む。
【0023】
メッセージを含むデジタル化された信号は、ワイヤレス送信の分野でよく知られているように、パッケージまたはパケットの形で分割され、ワイヤレスで送信されてよい。パッケージは、通常、データ、たとえばデジタル化されたオーディオと、制御情報および制御データを含む。このデータは、ペイロードまたはペイロード・データとしても知られている。制御情報は、通常、意図された受信機にデータまたはペイロードを配信するためにネットワークが必要とする情報データ、たとえば発信元デバイス・アドレスおよび宛先デバイス・アドレス、誤り検出符号、ならびに順序付け情報を提供する。通常、制御情報は、パケット・ヘッダおよびパケット・トレーラに見いだされ、ペイロード・データは中間にある。
【0024】
処理ユニットは、メッセージの認証に成功したときに聴覚装置の使用者の鼓膜に向けてのメッセージの伝達中に聴覚装置によって受信される少なくとも1つの他の信号、たとえば聴覚装置のマイクロホンからの信号をミュートするように構成され得る。このようにして、あり得る混乱(distraction)を減少しながら、使用者が通知に集中することができる。
【0025】
聴覚装置は、送信された信号を無視するように構成されていてよく、たとえば、処理ユニットは、送信された信号内のメッセージの認証に失敗したときに送信された信号を無視するように構成されてよく、したがって、聴覚装置の使用者は、無許可送信機からのメッセージに煩わされない。
【0026】
聴覚装置は、メッセージを受信する無線回路の出力に接続された入力と、聴覚装置のマイクロホンなどのオーディオ信号の他の送信機に接続された他の入力と、オーディオ信号入力の重み付き結合であるオーディオ信号をミキサに提供する出力とを有する、たとえば信号処理ユニットに含まれるミキサを有していてよい。
【0027】
したがって、処理ユニットは、メッセージの認証に成功したときに聴覚装置によって受信されるメッセージを少なくとも1つの他の信号と混合するためのミキサを備えていてよい。
【0028】
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、混合された出力を音響信号に変換するように構成され得る。
【0029】
ミキサでは、ミュートすることが、メッセージ以外の信号の重みをゼロに設定することによって実行され得る。
【0030】
ミキサでは、無許可送信機からのメッセージを無視することが、メッセージの重みをゼロに設定することによって実行され得る。
【0031】
認証器がメッセージの送信機の認証に成功した場合、聴覚装置は、使用者に現在送信される他の信号がメッセージの使用者への送信中に減衰されて、同時に使用者が聴覚装置によって受信される他の信号との接続を失うことなく、メッセージが使用者によってはっきりと聴取可能であるように、ミキサの重みを調整するように構成されていてよい。たとえば、メッセージの送信中に聴覚装置のマイクロホンによって受信される使用者の周囲からの音響信号の減衰によって、使用者は、同時にメッセージを聞きながら、周囲と接続したままでいることができる。
【0032】
聴覚装置は、複数の認証されたメッセージを同時に受信することがある。すなわち、1つまたは複数のメッセージが、前のメッセージの受信が進行している間に受信されることがあり、それによって、複数の認証されたメッセージが、時間的に完全にまたは部分的に重複することがある。
【0033】
そのような状況は、さまざまな方法で対処されてよい。たとえば、メッセージは優先順位が割り当てられてよく、優先順位に関する情報、たとえば整数が小さいほど優先順位が高い、たとえば1以上の整数とともに送信されてよい。警告メッセージは、たとえば、最も高い優先順位を有していてよく、交通情報は2番目に高い優先順位を有していてよく、場合によっては、コマーシャルは、最も低い優先順位を有していてよい。
【0034】
認証に成功したメッセージは、優先順位の順に聴覚装置の使用者に一度に1つ提示されてよく、たとえば、最も高い優先順位の認証されたメッセージは、遅延なしで聴覚装置の使用者に送信されてよいが、他のメッセージは、聴覚装置の使用者へ後で提示するために優先順位の順に中間的に記憶される。
【0035】
あるいは、認証に成功したメッセージは、聴覚装置によって受信されたのと同じ順序で聴覚装置の使用者に一度に1つ提示されてもよい。
【0036】
あるいは、認証に成功したメッセージは、互いに対して実質的に変更されないタイミングで聴覚装置の使用者に送信されてもよい。ミキサは、認証に成功した各個別のメッセージを、上記で説明されたミキサへの他のオーディオ送信機の入力に類似したミキサへの別個の入力として扱うことができる。この認証に成功した個別のメッセージは、ミキサ内で、たとえば優先順位に従って重み付けされてよい。
【0037】
したがって、処理ユニットは、メッセージを追加メッセージと混合し、混合された出力を得るためのミキサを備えていてよく、追加メッセージの少なくとも一部は、信号内のメッセージの少なくとも一部と時間的に重複する。
【0038】
聴覚装置は、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けての音響信号の送信中に受信された第1の追加メッセージを記憶するためのメモリをさらに備えていてよい。
【0039】
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、記憶された第1の追加メッセージを追加音響信号に変換するように構成され得る。
【0040】
メモリはまた、第2の追加メッセージを記憶するために利用されてもよい。
【0041】
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージが聴覚装置によって受信される順に、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成され得る。
【0042】
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、優先順位の順に、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成され得る。
【0043】
聴覚装置は、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて最も優先順位の高いメッセージの送信中に聴覚装置によって受信される1つまたは複数の他の信号を常にミュートするように構成され得る。
【0044】
聴覚装置は、使用者が、送信を必要に応じて受信しながら他の音信号を引き続き聞くことをそれぞれ可能にするまたは不可能にするために、他の信号をミュートにすることのオンとオフを必要に応じて切り換えることができるように、ユーザ・インタフェース、たとえばプッシュ・ボタン、リモコンなどを有していてよい。
【0045】
ユーザ・インタフェースは、増分調整を目的としたダイアルまたはプッシュ・ボタンなどの、使用者による入力オーディオ信号の組合せの重みの調整のための手段をさらに含んでいてよい。
【0046】
聴覚装置がメッセージの発信元を認証することを可能にするために、メッセージの発信元を一意に識別するデジタル署名が送信されてもよい。
【0047】
第1キーは、第2キーで署名され第3キーによって検証されるデジタル署名に含まれていてよい。
【0048】
デジタル署名は、認証局(certificate authority)によって発行されたデジタル証明書を含んでいてよい。
【0049】
デジタル署名は、聴覚装置が暗号学的に簡単な方法でメッセージの発信元を認証することを可能にするために、メッセージ認証コードなどのハッシュ・コードを含んでいてよい。
【0050】
一実施形態では、メッセージは、複数の受信機にワイヤレスにデジタル形態で送信される。メッセージは、ワイヤレス送信の分野でよく知られているように、メッセージをデジタル化し、このデジタル化されたメッセージを、データ・パケットに含まれるメッセージ部分に分割することによって、送信するために符号化される。
【0051】
巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)チェック・ビットがメッセージ部分ごとに計算されてよく、そのメッセージ部分に追加されて、メッセージ・ペイロードを形成し得る。
【0052】
CRCチェック・ビットを有するメッセージ部分は、対称キー(symmetric key)すなわち第1キーで暗号化され、送信される暗号化されたメッセージ・ペイロードを形成し得る。
【0053】
対称的な第1キーは、プライベートキーすなわち第2キーで暗号化され、たとえば送信されるデジタル署名に含まれる暗号化された第1キーを形成し得る。
【0054】
暗号化された第1キーは、暗号化されたあらゆるメッセージ・ペイロードとともに送信されなくてもよい。むしろ、複数の暗号化されたメッセージ・ペイロードは、後に記憶された暗号化されたメッセージ・ペイロードの暗号化に使用された暗号化された第1キーを受信したときに認証および復号するために、聴覚装置で受信および記憶するように暗号化された第1キーなしで送信され得る。
【0055】
暗号化された第1キーは、対称的な第1キーで暗号化されている最後の暗号化されたメッセージ・ペイロードを備えるパケットにおいて送信されてよい。次のメッセージ・ペイロードは、新たな対称キーで暗号化されてよい。
【0056】
別の例では、暗号化された第1キーは、暗号化されたメッセージ・ペイロードを備えていないパケットにおいて送信されてよい。
【0057】
さらに別の例では、暗号化された第1キーは、対称的な第1キーで暗号化されたメッセージ・ペイロードのうちの別のメッセージ・ペイロード、たとえば対称的な第1キーで暗号化された最初の暗号化されたメッセージ・ペイロードとともに送信されてよい。
【0058】
一実施形態では、送信を受信する聴覚装置で実行される動作は、以下を含む。すなわち、暗号化された第1キーを受信したときに、対称キーが第3キーすなわちパブリックキーを使用して復号され得る。
【0059】
次いで、対称キーを使用し、受信された暗号化されたメッセージ・ペイロードをメッセージ・ペイロードに復号することができ、CRCチェックが実行されてよく、メッセージ部分が出力されてよい。CRCチェックが成功することを条件として、メッセージが聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するための音響信号に変換されるように、対応する重みがミキサにおいて非ゼロ値に設定されてよい。
【0060】
認証プロセスは比較的単純であり、聴覚装置における実装に適している。プライベートキーは、メッセージのすべてのあり得る信頼できる発信元に分配されなければならない。言うまでもなく、プライベートキーを所有する人なら誰でも、新しい聴覚装置での認証に成功するメッセージを生成することが可能であるので、プライベートキーの分配は注意深く実行されなければならない。
【0061】
聴覚装置は、パブリックキーを備えてよい。このパブリックキーは、世界中で利用可能にするために、その製造中に聴覚装置に入力されてよい。あるいは、またはこれに加えて、パブリックキーは、売店で、たとえば空港でのチェックイン中に、および/またはフィッティング・ソフトウェアによって、および/またはスマートフォンに保存されたアプリを使用して、および/またはインターネットなどに接続されたコンピュータを使用して、聴覚装置に入力されもよい。
【0062】
新しい聴覚装置における信号処理は、専用ハードウェアによって実行されてもよいし、1つまたは複数の信号プロセッサにおいて実行されてもよいし、専用ハードウェアと1つまたは複数の信号プロセッサの組合せで実行されてもよい。
【0063】
本明細書において使用されている、「処理ユニット」という用語は、信号処理を実行することが可能な任意の物(entity)またはアイテムを指す。たとえば、処理ユニットは、プロセッサ、信号プロセッサ、集積回路、回路構成要素などであってよい。また、処理ユニットは、ソフトウェア構成要素を含んでよい。
【0064】
また、本明細書で使用されている、「プロセッサ」、「信号プロセッサ」などの用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中ソフトウェアのいずれかであるCPU関連エンティティを指すことが意図されている。
【0065】
たとえば、「プロセッサ」、「信号プロセッサ」などは、限定するものではないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、および/またはプログラムであってよい。
【0066】
例として、「プロセッサ」、「信号プロセッサ」などの用語は、プロセッサ上で実行されるアプリケーションとハードウェア・プロセッサの両方を指定する。1つもしくは複数の「プロセッサ」、「信号プロセッサ」など、またはこの任意の組合せは、プロセスおよび/または実行のスレッド内に存在してよく、1つもしくは複数の「プロセッサ」、「信号プロセッサ」など、またはこの任意の組合せは、おそらく他のハードウェア回路と組み合わせた1つのハードウェア・プロセッサ上に局所化されてもよいし、および/またはおそらく他のハードウェア回路と組み合わせた2つ以上のハードウェア・プロセッサ間に分配されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
以下では、新しい聴覚装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【
図1】新しい聴覚装置の電子回路を概略的に示す図である。
【
図2】送信されるメッセージの暗号化を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
次に、新しい方法および聴覚装置について、新しい方法および聴覚装置のさまざまな例が示される添付の図面を参照しながら、以下でより十分に説明する。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載の新しい方法および聴覚装置は、さまざまな形態で実施されてよく、本明細書に記載される例に限定されると解釈すべきではない。そうではなく、これらの例は、本開示が完全なおよび完成したものであり、添付の特許請求の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0069】
添付の図面は分かりやすくするため概略的で簡略化され、新しい方法および聴覚装置の理解にとって不可欠な詳細を概略的に示すが、他の詳細が除外されていることに留意されたい。
【0070】
同じ参照番号は、全体を通して同じ要素を指す。したがって、同じ要素は、各図の説明に関して詳細に説明されない。
【0071】
図1は、新しい聴覚装置の例示的な聴覚装置回路10を概略的に示す。図示の新しい聴覚装置は、よく知られているタイプである、BTE、ITE、ITC、CICなどの、たとえば外耳道の中に、または外耳道内、耳の後ろ、または耳甲介の中に部分的に装着される、任意の適切な機械的設計であってよい補聴器である。
【0072】
図示の聴覚装置回路10は、周囲からの音響学的音信号の、マイクロホン12、14によって出力される対応するマイクロホン・オーディオ信号16、18への変換のための前方マイクロホン12と後方マイクロホン14とを備える。マイクロホン・オーディオ信号16、18は、それぞれのマイクロホン・オーディオ信号16、18の、たとえば聴覚装置の分野でよく知られている指向性を有するデジタル・マイクロホン・オーディオ信号30の形成のために任意選択で信号合成器28においてプレフィルタされ(図示されていないプレフィルタ)結合されるそれぞれのデジタル・マイクロホン・オーディオ信号24、26への変換のためのそれぞれのA/Dコンバータ20、22においてデジタル化される。デジタル・マイクロホン・オーディオ信号30は、ミキサ32に入力される信号の重み付け和34を出力するように構成されたミキサ32に入力される。ミキサ出力34は、聴力損失が補償された出力信号38をミキサ出力34に基づいて生成するように構成された聴力損失プロセッサ36に入力される。聴力損失が補償された出力信号38は、聴覚装置の使用者の鼓膜(図示せず)に向けての伝達を目的とした音響学的音への変換のためのレシーバ40に入力される。
【0073】
図示の聴覚装置回路10は、携帯電話、ラジオ、メディア・プレーヤ、コンパニオンのマイクロホン、たとえば公共の場所で、たとえば教会、講堂、劇場、映画館などでの放送システム、たとえば駅、空港、ショッピング・モールなどでの拡声装置などのさまざまな送信機からデジタル・オーディオを受信するようにさらに構成される。
【0074】
図示の例では、送信された暗号化された発話メッセージを含むデジタル・オーディオが、聴覚装置にワイヤレスで送信され、無線回路44に接続された聴覚装置アンテナ42によって受信される。無線回路は、暗号化された発話メッセージ、場合によっては送信機識別子、場合によってはネットワーク制御信号などを含む受信された無線信号からデジタル・データ46を取り出す。認証器48は、たとえばデジタル署名に含まれる暗号化された第1キーを無線信号46から抽出し、この第1キーを使用して、暗号化された発話メッセージを復号し、デジタル・オーディオ50をミキサ32に転送する。認証器は、以下でさらに説明するように、後に暗号化された第1キーを受信したときに復号するために、暗号化された発話メッセージの受信された一部を記憶するための1つまたは複数のメモリを有してよい。
【0075】
デジタル・オーディオ50としては、複数の発信元からのオーディオがあり、したがって、デジタル・オーディオ50は、オーディオの発信元ごとに1つの入力信号である、ミキサ32のための複数の入力信号を形成することがある。
【0076】
以下でさらに説明するように、出力認証信号52は、ミキサ入力信号の和の重みの制御のためのミキサ32への制御入力を形成する。
【0077】
メッセージが認証不可能な場合、対応する重みはミキサ32内でゼロに設定され、したがって、メッセージ62(
図2および
図3を参照されたい)は使用者に送信されず、むしろ、メッセージ62は無視され、それによって、たとえば、なりすましのリスクが低減される。
【0078】
メッセージが認証される場合、メッセージは使用者に送信されるが、他の信号は、メッセージの送信中に減衰される。他の信号はミュートされてもよい。使用者は、他の信号がミュートされるまたは減衰されるかどうか制御する、当技術分野でよく知られているタイプの聴覚装置のユーザ・インタフェースを通してコマンドを入力してよい。
【0079】
聴覚装置は、複数の認証されたメッセージを同時に受信することがある。すなわち、1つまたは複数のメッセージが、前のメッセージの受信が進行している間に受信されることがあり、それによって、複数の認証されたメッセージが、時間的に完全にまたは部分的に重複することがある。
【0080】
そのような状況は、さまざまな方法で対処されてよい。たとえば、メッセージは優先順位が割り当てられてよく、優先順位に関する情報、たとえば整数が小さいほど優先順位が高い、たとえば1以上の、たとえば整数とともに送信されてよい。警告メッセージは、たとえば、最も高い優先順位を有してよく、交通情報は2番目に高い優先順位を有してよく、場合によっては、コマーシャルは、最も低い優先順位を有してよい。
【0081】
認証に成功したメッセージは、ミキサへの他の入力のような別個の入力としてミキサ32によって扱われてよく、それによって、ミキサは、プロセッサ36に出力される入力の重み付け和に個々のメッセージを含み、それによって、メッセージが、互いに関する実質的に変更されないタイミングで使用者に送信される。
【0082】
あるいは、認証に成功したメッセージは、聴覚装置使用者に一度に1つ送信されてもよい。
【0083】
ミキサ32は、前のメッセージの受信が進行している間に受信されるメッセージの記憶のために、1つまたは複数のメモリを有してよい。次いで、記憶されたメッセージは、当該メッセージの認証に成功することを条件としてミキサ32の出力に含めるために、聴覚装置によって受信されたのと同じ順序で、または、優先順位の順に、ミキサ32の前のメッセージの最終出力の後にミキサに入力されてよい。
【0084】
聴覚装置は、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けての最も高い優先順位のメッセージの伝達中に聴覚装置によって受信される1つまたは複数の他の信号を常にミュートするように構成され得る。
【0085】
場合によっては、レシーバ40は、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するためにメッセージを音響信号に変換するための処理ユニットまたは処理ユニットの一部であると考えられ得る。この処理ユニットは、プロセッサ36、ミキサ32、A/Dコンバータ20、22、信号合成器28、認証器48、無線回路44もしくは無線回路の一部、または前述のものの任意の組合せなどの他の構成要素を含んでよい。
【0086】
一実施形態では、処理ユニットは、信号合成器28と、ミキサ32と、聴力損失プロセッサ36と、認証器48とを備える。
【0087】
図2は、認証のために送信されるメッセージを準備する例示的な動作60を示す。送信されるメッセージの信頼できる発信元は、空港における出発通知などの発話メッセージを送信することができる。
【0088】
図示の例では、メッセージは、複数の受信機にワイヤレスにデジタル形態で送信される。メッセージは、ワイヤレス送信の分野でよく知られているように、メッセージをデジタル化し、このデジタル化されたメッセージをパケットのメッセージ部分62に分割することによって、送信するために符号化される。
【0089】
図2および
図3では、平行四辺形はデータを示し、長方形は動作を示す。
【0090】
図2に示されるように、動作64では、CRC(巡回冗長検査)チェック・ビットがメッセージ部分62ごとに計算され、そのメッセージ部分62に追加されて、メッセージ・ペイロード66を形成する。
【0091】
CRCチェック・ビットを有するメッセージ部分62は、68において対称キーすなわち第1キー72で暗号化され、参照番号90で示されるように送信される暗号化されたメッセージ・ペイロード70を形成する。
【0092】
対称的な第1キー72は、動作74において、プライベートキーすなわち第2キー78で暗号化され、参照番号90で示されるように送信される、たとえばデジタル署名に含まれる、暗号化された第1キー76を形成する。
【0093】
図2に示されるように、暗号化された第1キー76は、あらゆる暗号化されたメッセージ・ペイロード70とともに送信されるのではない。むしろ、複数の暗号化されたメッセージ・ペイロード70は、後に記憶された暗号化されたメッセージ・ペイロード70の暗号化に使用された暗号化された第1キーを受信したときに認証および復号するために、聴覚装置で受信および記憶するように暗号化された第1キーなしで送信される。
【0094】
図2に示される例では、暗号化された第1キー76は、対称的な第1キー72で暗号化された最後の暗号化されたメッセージ・ペイロード70を有するパケットにおいて送信される。次のメッセージ・ペイロード66は、新たな対称キー72で暗号化される。
【0095】
別の例では、暗号化された第1キー76は、暗号化されたメッセージ・ペイロード70を持たないパケットにおいて送信される。
【0096】
さらに別の例では、暗号化された第1キー76は、対称的な第1キー72で暗号化されたメッセージ・ペイロードのうちの別のメッセージ・ペイロード70とともに、たとえば対称的な第1キー72で暗号化された最初の暗号化されたメッセージ・ペイロード70とともに送信される。
【0097】
図3には、送信を受信する聴覚装置で実行される動作80が示されている。
【0098】
暗号化された第1キー76を受信したとき、対称キー72は、第3キー82、すなわちパブリックキー82を使用して復号される。
【0099】
次いで、動作86では、対称キー72が、受信された暗号化されたメッセージ・ペイロード70をメッセージ・ペイロード66に復号するために使用され、CRCチェック88が実行され、メッセージ部分62が出力される。CRCチェック88が成功することを条件として、メッセージ62が聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するための音響信号に変換されるように、対応する重みがミキサ32において非ゼロ値に設定される。
【0100】
原則として
図2および
図3に示される認証プロセスは比較的単純であり、聴覚装置における実装に適している。プライベートキーは、メッセージのすべてのあり得る信頼できる発信元に分配されなければならない。言うまでもなく、プライベートキーを所有する人なら誰でも、新しい聴覚装置での認証に成功するメッセージを生成することが可能であるので、プライベートキーの分配は注意深く実行されなければならない。
【0101】
図示の例では、聴覚装置はパブリックキー82を備える。このパブリックキーは、世界中で利用可能にするために、その製造中に聴覚装置に入力されてよい。あるいは、またはこれに加えて、パブリックキーは、売店で、たとえば空港でのチェックイン中に、および/またはフィッティング・ソフトウェアによって、および/またはスマートフォンに保存されたアプリを使用して、および/またはインターネットなどに接続されたコンピュータを使用して、聴覚装置に入力されてもよい。
【0102】
さらに、以下の項目のいずれかに示される聴覚装置および送信システムが開示される。
(項目1)
少なくとも一部が第1キーで暗号化されており、その第1キーが第2キーで暗号化されているメッセージを含む信号を受信するための無線回路と、
第1キーを第3キーで復号し、前記メッセージの少なくとも一部を第1キーで復号することによって前記メッセージを認証するように構成された認証器と、
聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、前記メッセージを音響信号に変換するように構成された処理ユニットと、
を備える聴覚装置。
(項目2)
処理ユニットは、前記メッセージの認証に成功したときに、聴覚装置によって受信された少なくとも1つの他の信号をミュートするように構成されている項目1に記載の聴覚装置。
(項目3)
処理ユニットは、前記メッセージの認証に成功したときに、前記メッセージを聴覚装置によって受信された少なくとも1つの他の信号と混合するためのミキサを備えており、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、混合された出力を音響信号に変換するように構成されている項目1に記載の聴覚装置。
(項目4)
処理ユニットは、信号内のメッセージの認証に失敗したときに、その信号を無視するように構成されている項目1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目5)
処理ユニットは、前記メッセージを追加メッセージと混合して混合された出力を得るためのミキサを備えており、前記追加メッセージの少なくとも一部は、信号内のメッセージの少なくとも一部と時間的に重複する項目1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目6)
さらに、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて音響信号の伝達中に受信された第1の追加メッセージを記憶するためのメモリを備えている項目1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目7)
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、記憶された第1の追加メッセージを追加音響信号に変換するように構成されている項目6に記載の聴覚装置。
(項目8)
前記メモリは、第2の追加メッセージを記憶するためのものでもあり、
処理ユニットは、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージが聴覚装置によって受信される順番で聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成されている項目7に記載の聴覚装置。
(項目9)
前記メモリは、第2の追加メッセージを記憶するためのものでもあり、
処理ユニットは、優先順位の順に聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成されている項目6または7に記載の聴覚装置。
(項目10)
第2キーはプライベートキーである項目1から9のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目11)
第3キーはパブリックキーである項目1から10のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目12)
暗号化された第1キーなしで受信された暗号化されたメッセージ部分は、後で記憶された暗号化されたメッセージ部分の暗号化に使用された暗号化された第1キーを受信したときに認証および複号するために聴覚装置に記憶される項目1から11のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目13)
暗号化された第1キーは、暗号化されたメッセージなしの信号内で受信される項目1から12のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目14)
第3キーを備える項目1から13のいずれか一項に記載の聴覚装置。
(項目15)
送信のためにメッセージの一部を符号化するように構成されたエンコーダと、
前記メッセージの一部を第1キーで暗号化し、第1キーを第2キーで暗号化するように構成された暗号化ユニットと、
聴覚装置によって受信するために暗号化された第1キーおよびメッセージの暗号化された一部を送信するように構成された送信機と、を備える送信システムであって、
聴覚装置は、
前記メッセージの一部および暗号化された第1キーを受信するための無線回路と、
第1キーを第3キーで復号し、前記メッセージの一部を第1キーで復号することによってメッセージの一部を認証するように構成された認証器と、
聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために前記メッセージの一部を音響信号に変換するように構成された処理ユニットと、を備える送信システム。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が第1キーで暗号化されており、その第1キーが第2キーで暗号化されているメッセージを含む放送信号を受信するための無線回路と、
第1キーを第3キーで復号し、前記メッセージの少なくとも一部を第1キーで復号することによって前記メッセージを認証するように構成された認証器と、
前記メッセージの認証に成功したときに聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、前記メッセージを音響信号に変換するように構成された処理ユニットと、
を備える聴覚装置。
【請求項2】
処理ユニットは、前記メッセージの認証に成功したときに、聴覚装置によって受信された少なくとも1つの他の信号をミュートするように構成されている請求項1に記載の聴覚装置。
【請求項3】
処理ユニットは、前記メッセージの認証に成功したときに、前記メッセージを聴覚装置によって受信された少なくとも1つの他の信号と混合するためのミキサを備えており、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、混合された出力を音響信号に変換するように構成されている請求項1に記載の聴覚装置。
【請求項4】
処理ユニットは、信号内のメッセージの認証に失敗したときに、その信号を無視するように構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項5】
処理ユニットは、前記メッセージを追加メッセージと混合して混合された出力を得るためのミキサを備えており、前記追加メッセージの少なくとも一部は、信号内のメッセージの少なくとも一部と時間的に重複する請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項6】
さらに、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて音響信号の伝達中に受信された第1の追加メッセージを記憶するためのメモリを備えている請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項7】
処理ユニットは、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、記憶された第1の追加メッセージを追加音響信号に変換するように構成されている請求項6に記載の聴覚装置。
【請求項8】
前記メモリは、第2の追加メッセージを記憶するためのものでもあり、
処理ユニットは、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージが聴覚装置によって受信される順番で聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成されている請求項7に記載の聴覚装置。
【請求項9】
前記メモリは、第2の追加メッセージを記憶するためのものでもあり、
処理ユニットは、優先順位の順に聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために、第1の追加メッセージおよび第2の追加メッセージを個別の音響信号に変換するように構成されている請求項6または7に記載の聴覚装置。
【請求項10】
第2キーはプライベートキーであり、第3キーはパブリックキーである請求項1から9のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項11】
暗号化された第1キーが、暗号化されたメッセージの一部とともに送信される請求項1から10のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項12】
前記メッセージは、各々が第1キーで暗号化された一連の暗号化部分を含んでいる請求項1から11のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項13】
第2キーで暗号化された第1キーは、前記メッセージの暗号化部分を一連に送信する前または後に送信される請求項12に記載の聴覚装置。
【請求項14】
第2キーで暗号化された第1キーは、最初又は最後に暗号化されたメッセージ部分とともに送信される請求項12に記載の聴覚装置。
【請求項15】
暗号化された第1キーなしで受信された暗号化されたメッセージ部分は、後で記憶された暗号化されたメッセージ部分の暗号化に使用された暗号化された第1キーを受信したときに認証および複号するために聴覚装置に記憶される請求項12から14のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項16】
第3キーを備える請求項1から15のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項17】
第3キーがその製造後に聴覚装置に入力されるように構成されている請求項1から16のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項18】
聴覚装置は、売店および/またはフィッティング・ソフトウェアおよび/またはスマートフォンに保存されたアプリの使用および/またはインターネットに接続されたコンピュータの使用により聴覚装置に入力された第3キーを有している請求項1から17のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項19】
聴覚装置は、使用者によって装着されるように構成されている請求項1から18のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項20】
聴覚装置は、補聴器、両耳補聴器、ヘッドセット、ヘッドホン、イヤホン、イヤー・ディフェンダ又はイヤーマフである請求項1から19のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の聴覚装置を提供する方法であって、
第3キーをその製造後に聴覚装置に入力する、方法。
【請求項22】
メッセージを通信する方法であって、
送信のために前記メッセージの一部を符号化するステップと、
前記メッセージの一部を第1キーで暗号化するステップと、
第1キーを第2キーで暗号化するステップと、
デバイスによって受信するために暗号化された第1キーを送信するステップと、
デバイスによって受信するために前記メッセージの暗号化された一部を送信するステップと、を備え、
デバイスが、
暗号化された第1キーおよび前記メッセージの暗号化された一部を受信し、
第1キーを第3キーで復号し、
前記メッセージの一部を第1キーで復号し、
前記メッセージの認証に成功したときに、人間の鼓膜に向けて伝達するために前記メッセージの一部を音響信号に変換するように構成されている、方法。
【請求項23】
送信のためにメッセージの一部を符号化するように構成されたエンコーダと、
前記メッセージの一部を第1キーで暗号化し、第1キーを第2キーで暗号化するように構成された暗号化ユニットと、
聴覚装置によって受信するために暗号化された第1キーおよび前記メッセージの暗号化された一部を送信するように構成された送信機と、を備える送信システムであって、
聴覚装置は、
前記メッセージの一部および暗号化された第1キーを受信するための無線回路と、
第1キーを第3キーで復号し、前記メッセージの一部を第1キーで復号することによって前記メッセージの一部を認証するように構成された認証器と、
前記メッセージの認証に成功したときに、聴覚装置の使用者の鼓膜に向けて伝達するために前記メッセージの一部を音響信号に変換するように構成された処理ユニットと、を備える送信システム。
【外国語明細書】