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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024103
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】外科用器具の組織装填
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20220201BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187736
(22)【出願日】2021-11-18
(62)【分割の表示】P 2019510897の分割
【原出願日】2017-08-24
(31)【優先権主張番号】62/379,550
(32)【優先日】2016-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/679,967
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】クレム・ウィリアム・イー
(72)【発明者】
【氏名】ウィード・ザ・サード・ジョン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】スタウト・エリック
(72)【発明者】
【氏名】デイビス・クレイグ・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ブレイディ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ジョセフ・ディー
(72)【発明者】
【氏名】クラウダ・フィリップ・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ゼッケル・モニカ・エル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】超音波器具は、器具の切断長さを示し、把持された組織が器具の切断長を超えて延びたことを検出し、かつ切断長を超えて組織が延びることを防止するように構成された構造体を含む。各種類の構造体のいくつかの技術を提供する。
【解決手段】外科用器具は、長手方向軸に沿って延び、かつトランスデューサに連結される超音波導波管を含み得る。外科用器具は、近位端と遠位端とを有する本体を含み、この遠位端は、トランスデューサによって生成される振動によって、長手方向軸に対して移動可能であり、近位端は、トランスデューサに機械的に連結される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
前記エンドエフェクタに重なる前記顎部の一部と同一の広がりを持つ印と、
第1の電極と、
第2の電極と、
前記顎部上に配置された協働表面と、を備えており、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生し、
前記協働表面が、前記エンドエフェクタに整列されており、前記第1の電極が、前記協働表面と同一の広がりを持ち、前記第2の電極が、前記協働表面の近位に位置決めされている、超音波外科用器具。
【請求項2】
超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
前記エンドエフェクタに重なる前記顎部の一部と同一の広がりを持つ印と、
第1のアームであって、前記顎部が、前記第1のアームの遠位端に配置されている、第1のアームと、
前記第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームであって、前記エンドエフェクタが、前記第2のアームの遠位端に配置されている、第2のアームと、
前記顎部に対して近位の位置において、前記第1のアームを通って、前記第2のアームから延びるバー部材であって、前記第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を備える、超音波外科用器具。
【請求項3】
前記印が、色を含む、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項4】
前記エンドエフェクタに隣接して固定的に取り付けられた第1の端と、前記顎部に隣接して枢動可能に取り付けられた第2の端と、を備える、リンク部を更に備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記リンク部が、枢動して前記顎部の近位端に接触するように構成され、
前記顎部開放位置では、前記リンク部が、前記顎部の前記近位端から離れて枢動するように構成されている、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項5】
リンク部を介して前記顎部に移動可能に接続されたカムを更に備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記カムが、延びて前記顎部の近位端に接触するように構成され、
前記顎部開放位置では、前記カムが、後退するように構成されている、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項6】
後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材の伸長位置では、前記摺動可能な部材が、前記顎部の近位端に接触するように構成され、前記部材が、前記後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、
突起であって、前記顎部閉鎖位置では、前記ばね付勢部材と接触するように構成され、前記顎部閉鎖位置では、前記摺動可能な部材を前記伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を更に備える、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項7】
枢動可能部材を更に備え、前記枢動可能部材は、第1の位置から、前記枢動可能部材が前記顎部及び前記エンドエフェクタの側方側部を横切って延びている第2の位置へ枢動するように構成されている、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項8】
前記エンドエフェクタの上に嵌め込まれるように構成されたリングを更に備える、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項9】
前記エンドエフェクタと前記顎部との間に配置されたエラストマー部材を更に備え、前記顎部開放位置では、前記エラストマー部材が、前記エンドエフェクタと前記顎部との間で引き伸ばされ、前記顎部閉鎖位置では、前記エラストマー部材が、前記エンドエフェクタと前記顎部との間で圧縮される、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項10】
可撓性ストリップであって、
前記顎部に固定的に取り付けられた第1の端と、
第2の端と、を備える、可撓性ストリップと、
前記第2の端を摺動可能に受容するように構成されたチャネルと、を更に備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記第2の端が、前記チャネル内に後退し、前記顎部開放位置では、前記第2の端が、前記チャネルから延びる、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項11】
前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、請求項1または2に記載の超音波外科用器具。
【請求項12】
超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
開放位置と閉鎖位置との間で、前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
リンク部を介して前記顎部に移動可能に接続されたカムと、を備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記カムが、前記顎部の近位端に向かって延びるように構成され、
前記顎部開放位置では、前記カムが、後退するように構成されている、超音波外科用器具。
【請求項13】
前記トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
第1のアームと、
前記第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと、を更に備え、
前記ハウジングが、前記第1のアームに固定的に接続され、前記第2のアームに取り外し可能に接続可能である、請求項12に記載の超音波外科用器具。
【請求項14】
第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、請求項12に記載の超音波外科用器具。
【請求項15】
前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、請求項12に記載の超音波外科用器具。
【請求項16】
超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
開放位置と閉鎖位置との間で、前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材の伸長位置では、前記摺動可能な部材が、前記顎部の近位端に接触するように構成され、前記部材が、前記後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、
突起であって、前記顎部閉鎖位置では、前記ばね付勢部材と接触するように構成され、前記顎部閉鎖位置では、前記摺動可能な部材を前記伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を備える、超音波外科用器具。
【請求項17】
前記トランスデューサアセンブリが、ハウジング内に包囲され、前記ハウジングが、前記第1のアーム又は前記第2のアームのうちの少なくとも1つに取り外し可能に接続可能である、請求項16に記載の超音波外科用器具。
【請求項18】
第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、請求項16に記載の超音波外科用器具。
【請求項19】
前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、請求項16に記載の超音波外科用器具。
【請求項20】
超音波外科用器具であって、
第1のアームと、
前記第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと
前記第1のアームの遠位端に配置された顎部と
前記第2のアームの遠位端に配置されたエンドエフェクタであって、前記顎部が、開放位置と閉鎖位置との間で、前記エンドエフェクタに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
前記顎部に対して近位の位置において、前記第1のアームを通って、前記第2のアームから延びるバー部材であって、前記第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を備える、超音波外科用器具。
【請求項21】
前記トランスデューサアセンブリが、前記第1のアーム又は前記第2のアームのうちの少なくとも1つに取り外し可能に接続可能である、ハウジング内に包囲されている、請求項20に記載の超音波外科用器具。
【請求項22】
第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、請求項20に記載の超音波外科用器具。
【請求項23】
前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、請求項20に記載の超音波外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2016年8月25日に出願された米国特許仮出願第62/379,550号に対する優先権の利益を主張するものであり、当該特許仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、超音波外科用器具に関し、より具体的には、超音波導波管を駆動するための超音波トランスデューサに関する。中空コア及び中実コア器具の両方を含めた超音波器具が、多くの医学的状態の安全かつ有効な処置のために使用されている。超音波器具、特に中実コアの超音波器具は、超音波周波数で外科用エンドエフェクタに伝達される機械的振動形態のエネルギーを使用して、有機組織を切断及び/又は凝固するのに使用され得るため、有利である。超音波振動は、好適なエンドエフェクタを使用して好適なエネルギーレベルで有機組織に伝達されるときには、組織を切断し、解離し、持ち上げ、若しくは焼灼し、又は筋肉組織を骨から引き離すために使用することができる。中実コアテクノロジーを利用する超音波器具は、超音波トランスデューサから導波管を通って外科用エンドエフェクタに伝達され得る超音波エネルギー量に起因して特に有利である。このような器具は、観血的処置、又は内視鏡的若しくは腹腔鏡的処置などの低侵襲処置に使用することができ、エンドエフェクタは、手術部位に到達するようにトロカール内に通される。
【0003】
そのような器具のエンドエフェクタ(例えば、切断刃)を超音波周波数で作動又は励振させると、隣接組織内に局所的な熱を発生する長手方向の振動運動が誘発される。超音波器具の性質ゆえに、超音波によって作動される特定のエンドエフェクタは、例えば、切断及び凝固を含めた多数の機能を果たすように設計することができる。超音波振動は、例えば、トランスデューサを電気で励振することによって、手術用エンドエフェクタに引き起こされる。トランスデューサは、器具ハンドピース内の1つ又は2つ以上の圧電又は磁気歪素子から構成され得る。トランスデューサによって生成された振動は、トランスデューサから外科用エンドエフェクタまで延在する超音波導波管を介して、外科用エンドエフェクタに伝達される。導波路及びエンドエフェクタは、トランスデューサと同一周波数で共振するように設計される。したがって、エンドエフェクタがトランスデューサに取り付けられると、全システムの周波数はトランスデューサそれ自体と同一の周波数になる。
【0004】
エンドエフェクタの先端における長手方向の超音波振動の振幅dは、共振周波数では次に与えられるように単一シヌソイドとして挙動する。
d=A sin(ωt)
式中、
ωは、周期的振動数fの2π倍に等しい角振動数、及び
Aは、ゼロからピークまでの振幅である。
【0005】
エンドエフェクタ先端の長手方向の振動幅(excursion)は、ピーク間(p-t-p)振幅として定義され、正弦波の振幅のちょうど2倍又は2Aである。多くの場合、エンドエフェクタはブレードを備え、このブレードは、長手方向の振動幅により組織を切断及び/又は凝固することができる。2001年9月4日に発行され、METHOD OF BALANCING ASYMMETRIC ULTRASONIC SURGICAL BLADESと題する米国特許第6,283,981号、それらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2001年10月30日に発行された、CURVED ULTRASONIC WAVEGUIDE HAVING A TRAPEZOIDAL CROSS SECTIONと題する米国特許第6,309,400号、及び2002年8月20日に発行されたBALANCED ULTRASONIC WAVEGUIDE INCLUDING A PLURALITY OF BALANCE ASYMMETRIESと題する米国特許第6,436,115号は、様々な超音波外科用器具を開示している。
【0006】
これまでにいくつかのデバイスが製造及び使用されてきたが、本発明者らよりも以前に添付の特許請求の範囲に記載されるデバイスを製造又は使用した者はないものと考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの一般的な態様では、様々な態様は、所定の周波数で外科用器具の長手方向軸に沿って振動を生成するように構成されたトランスデューサを備える超音波外科用器具を対象とする。様々な態様では、外科用器具は、長手方向軸に沿って延び、かつトランスデューサに連結される超音波導波管を含み得る。様々な態様では、外科用器具は、近位端と遠位端とを有する本体を含み、この遠位端は、トランスデューサによって生成される振動によって、長手方向軸に対して移動可能であり、近位端は、トランスデューサに機械的に連結される。
【0008】
いくつかの態様において、超音波外科用器具が提供される。超音波外科用器具は、エンドエフェクタと、エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含むトランスデューサアセンブリと、エンドエフェクタに重なる顎部の一部と同一の広がりを持つ印と、を備える。
【0009】
いくつかの別の態様において、超音波外科用器具が提供される。超音波外科用器具は、エンドエフェクタと、開放位置と閉鎖位置との間で、エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含むトランスデューサアセンブリと、リンク部を介して顎部に移動可能に接続されたカムと、を備え、顎部閉鎖位置では、カムが、顎部の近位端に向かって延びるように構成され、顎部開放位置では、カムが、後退するように構成される。
【0010】
いくつかの別の態様において、超音波外科用器具が提供される。超音波外科用器具は、エンドエフェクタと、開放位置と閉鎖位置との間で、エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含むトランスデューサアセンブリと、後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材の伸長位置では、摺動可能な部材が、顎部の近位端に接触するように構成され、部材が、後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、突起であって、顎部閉鎖位置では、ばね付勢部材と接触するように構成され、顎部閉鎖位置では、摺動可能な部材を伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を備える。
【0011】
いくつかの別の態様において、超音波外科用器具が提供される。超音波外科用器具は、第1のアームと、第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと、を更に備え、第1のアームの遠位端に配置された顎部と、第2のアームの遠位端に配置された、エンドエフェクタであって、顎部が開放位置と閉鎖位置との間で、エンドエフェクタに対して移動可能である、エンドエフェクタと、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含むトランスデューサアセンブリと、第2のアームから近位位置にある第1のアームを通して顎部に延びるバー部材であって、第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
様々な態様の特徴が、添付の特許請求の範囲で詳細に記載されている。しかしながら、構成及び操作方法の両方に関する様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照すれば最もよく理解することができる。
図1】本開示の一態様による超音波外科用器具システムを例示する。
図2A】本開示の一態様による、圧電トランスデューサを例示する。
図2B】本開示の一態様による、圧電トランスデューサを例示する。
図2C】本開示の一態様による、圧電トランスデューサを例示する。
図3】本開示の一態様による、超音波導波管と、超音波導波管に固定された1つ又は2つ以上の圧電素子と、を含む、D31超音波トランスデューサアーキテクチャを例示する。
図4】本開示の一態様による、超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図5】本開示の一態様による、図4の超音波外科用器具の断面図を例示する。
図6】本開示の一態様による、超音波外科用器具が開放位置にある、図4の超音波外科用器具の断面図を例示する。
図7】本開示の一態様による、図4の超音波外科用器具の展開図を例示する。
図8】本開示の一態様による、線8-8に沿った図4の超音波外科用器具の断面図を例示する。
図9】本開示の一態様による、図4の超音波外科用器具の顎部及びエンドエフェクタ部分の詳細図を例示する。
図10】本開示の一態様による、湾曲したエンドエフェクタを含む超音波外科用器具の遠位部分の斜視図を例示する。
図11】本開示の一態様による、図10の超音波外科用器具の遠位部分の側面図を例示する。
図12】本開示の一態様による、クリップ式閉鎖部を含む超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図13】本開示の一態様による、不適切な組織クランプを検出するように構成された超音波外科用器具の遠位部分の側面図を例示する。
図14】本開示の一態様による、図13の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図15】本開示の一態様による、枢動可能部材が収納位置にある枢動可能部材組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の端部分の斜視図を例示する。
図16】本開示の一態様による、枢動可能部材が展開位置にある図15の超音波外科用器具の端部分の斜視図を例示する。
図17】本開示の一態様による、機械的リンク部組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図18】本開示の一態様による、開放位置にある図17の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図19】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図17の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図20】本開示の一態様による、変形可能部材組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の側面図を例示する。
図21】本開示の一態様による、部分的にクランプ位置にある図20の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図22】本開示の一態様による、クランプ位置にある図20の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図23】本開示の一態様による、湾曲したバー組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図24】本開示の一態様による、図23の超音波外科用器具の部分断面図を例示する。
図25】本開示の一態様による、開放位置にある図23の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図26】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図23の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図27】本開示の一態様による、エンドエフェクタリング組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図28】本開示の一態様による、図27の組織停止部の一態様の側面図を例示する。
図29】本開示の一態様による、図27の組織停止部の正面図を例示する。
図30】本開示の一態様による、図27の組織停止部の一態様の上面図を例示する。
図31】本開示の一態様による、超音波外科用器具が開放位置にある、長手方向に摺動可能な部材組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図32】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図31の超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図33】本開示の一態様による、図31の長手方向に摺動可能な部材組織停止部の断面図を例示する。
図34】本開示の一態様による、開放位置にあるカム作動部材組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の側面図を例示する。
図35】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図37の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図36】本開示の一態様による、可撓性ストリップ組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図37】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図36の超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図38】本開示の一態様による、可撓性ストリップ組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図39】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図38の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図40】本開示の一態様による、開放位置にある図38の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図41】本開示の一態様による、可撓性ストリップ組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具の斜視図を例示する。
図42】本開示の一態様による、閉鎖位置にある図41の超音波外科用器具の側面図を例示する。
図43】本開示の一態様による、開放位置にある図41の超音波外科用器具の側面図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な態様を詳細に説明する前に、かかる態様はそれらの応用又は利用の際に、添付図面及び説明に例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な態様は、他の態様、変形、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。例えば、以下に開示する外科用器具は、単に例示のためのものであり、それらの範囲又は応用を限定することを意味しない。更に、特に指示のない限り、本明細書で使用される用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な態様を説明する目的で選択されたものであって、それらの範囲を制限するためのものではない。
【0014】
本明細書に開示されるデバイス及び方法の、構造、機能、製造、並びに使用の原理について、総合的な理解を提供するために、特定の態様を以後記載する。これらの態様の1つ又は2つ以上の例が、添付の図面に例示されている。当業者は、本明細書で具体的に説明され、添付図面に示されるデバイス及び方法が、非限定的な例示的態様であること、並びに、様々な態様の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの態様に関連して例示又は説明される特徴は、他の態様の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0015】
本明細書に記載の様々な態様は、広くは、超音波外科用器具、及び超音波外科用器具と共に使用するためのブレードに関する。超音波外科用器具及びブレードの例は、米国特許第5,322,055号、同第5,954,736号、同第6,309,400号、同第6,278,218号、同第6,283,981号、同第6,325,811号及び同第8,319,400号、に記載され、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
様々な態様によれば、ブレードなどのエンドエフェクタを有する外科用器具を含む超音波器具は、出血を抑制しながら皮質骨及び/又は組織を除去することが望ましい整形外科処置において特に有益であり得る。その切断特性及び凝固特性に起因して、超音波外科用器具のブレードは、一般的な軟組織の切断及び凝固に有用であり得る。ある特定の状況では、様々な態様によるブレードは、組織の切断と止血封止又は焼灼を同時に行うのに有用であり得る。ブレードは、真直ぐであっても又は湾曲していてもよく、開腹用途又は腹腔鏡用途のいずれかに有用であり得る。様々な態様によるブレードは、脊椎手術、特に骨から筋肉を取り外すための背面からの接近を支援するのに有用であり得る。
【0017】
本願の出願人は、同時に本明細書と共に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全体内容が参照により本明細書に組み込まれる:
発明者Jeffrey Messerlyらによる「Ultrasonic Transducer Techniques for Ultrasonic Surgical Instrument」と題する、2017年8月17日出願の代理人整理番号END7919USNP/160045M。
発明者Jeffrey Messerlyらによる「Ultrasonic Transducer for Surgical Instrument」と題する、2017年8月17日出願の代理人整理番号END7919USNP1/160045-1。
発明者Jeffrey Messerlyらによる「Electrical And Thermal Connections For Ultrasonic Transducer」と題する、2017年8月17日出願の代理人整理番号END7919USNP2/160045-2。
発明者Jeffrey Messerlyらによる「Ultrasonic Transducer to Waveguide Acoustic Coupling,Connections,and Configurations」と題する、2017年8月17日出願の代理人整理番号END7919USNP5/160045-3。
発明者Jeffrey Messerlyらによる「Ultrasonic Transducer to Waveguide Joining」と題する、2017年8月17日出願の代理人整理番号END7919USNP4/160045-4。
【0018】
図1は、超音波システム10の一態様を例示する。超音波システム10の一態様は、超音波トランスデューサ14に連結された超音波信号発生器12と、ハンドピースハウジング16を備えるハンドピースアセンブリ60と、エンドエフェクタ50とを備える。「ランジュバンスタック(Langevin stack)」として知られている超音波トランスデューサ14は、一般に、変換部分18と、第1の共振器又はエンドベル20と、第2の共振器又はフォアベル22と、補助構成要素と、を含む。様々な態様において、超音波トランスデューサ14は、以下により詳細に説明するように、好ましくは長さが2分の1システム波長の整数倍(nλ/2)である。音響アセンブリ24は、超音波トランスデューサ14と、マウント26と、速度変換器28と、表面30とを含むことができる。
【0019】
本明細書では、用語「近位」及び「遠位」は、ハンドピースアセンブリ60を握っている臨床医に準拠して使用されることが理解されよう。したがって、エンドエフェクタ50は、より近位のハンドピースアセンブリ60に対して遠位にある。便宜上及び明瞭さのため、「上部」及び「下部」のような空間的用語もまた、本明細書では、ハンドピースアセンブリ60を把持する臨床医に準拠して使用されることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0020】
エンドベル20の遠位端は、変換部分18の近位端に接続され、フォアベル22の近位端は、変換部分18の遠位端に接続される。フォアベル22及びエンドベル20は、変換部分18の厚さ、エンドベル20及びフォアベル22を製造するために使用される材料の密度及び弾性率、並びに超音波トランスデューサ14の共振周波数などを含む、多くの変数によって決定される長さを有する。フォアベル22は、速度変換器28の超音波振動の振幅を増幅するため、近位端からその遠位端まで内向きに先細にしてもよく、又は代替的に、フォアベル22は、増幅を有しなくてもよい。
【0021】
図1を再度参照すると、エンドベル20は、そこから延びるねじ付き部材を含むことができ、このねじ付き部材は、フォアベル22の中のねじ付き開口部と螺着可能に係合されるように構成されることができる。様々な態様では、圧電素子32などの圧電素子は、例えば、エンドベル20とフォアベル22が組み合わされると、エンドベル20とフォアベル22との間で圧縮されることができる。圧電素子32は、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は、例えば任意の好適な圧電性結晶材料などの任意の好適な材料から製作されてもよい。
【0022】
様々な態様では、以下により詳細に論じるように、トランスデューサ14は、正電極34及び負電極36などの電極を更に備えることができ、この電極は、例えば、1つ又は2つ以上の圧電素子32の両端に電圧ポテンシャルを作成するように構成されることができる。正電極34、負電極36、及び圧電素子32の各々は、中心を通る穴を含むことができ、この穴は、エンドベル20のねじ付き部材を受容するように構成され得る。様々な態様では、正電極34及び負電極36は、それぞれワイヤ38及び40と電気的に連結され、ワイヤ38及び40は、ケーブル42内に入れられて、超音波システム10の超音波信号発生器12と電気的に接続可能であり得る。
【0023】
様々な態様では、音響アセンブリ24の超音波トランスデューサ14は、超音波信号発生器12からの電気信号を機械的エネルギーに変換し、この機械的エネルギーは、超音波トランスデューサ14及びエンドエフェクタ50の超音波周波数における長手方向振動運動を主としてもたらす。好適な発生器は、オハイオ州シンシナティのエチコン・エンドサージェリー社(Ethicon Endo-Surgery,Inc.)から、モデル番号GEN11として入手可能である。音響アセンブリ24が通電されると、振動運動の定常波が音響アセンブリ24を通して発生する。好適な振動周波数範囲は約20Hz~120kHzであってもよく、適切な振動周波数範囲は約30kHz~70kHzであってもよく、動作振動周波数の1つの例は、約55.5kHzあってもよい。
【0024】
音響アセンブリ24に沿った任意の点での振動運動の振幅は、音響アセンブリ24に沿った振動運動が測定される位置によって様々であり得る。振動運動定在波において、最小又はゼロの交差は、一般的に波節(即ち、運動が通常は最小の場所)と称され、定在波において、最大絶対値(absolute maximum)又はピークは、一般的に波腹(即ち、運動が通常は最大の場所)と称される。波腹点とそれに最も近い波節点との間の距離は4分の1波長(λ/4)である。
【0025】
ワイヤ38及び40は、超音波信号発生器12から正電極34及び負電極36に電気信号を伝達する。圧電素子32は、例えば、音響アセンブリ24において音響定在波を生成するためのフットスイッチ44に応答して、超音波信号発生器12から供給される電気信号によって通電される。電気信号により、結果的に材料内の大きな圧縮力となる繰り返し小変位の形態で、圧電素子32内に擾乱が生じる。繰り返される小さな変位は、圧電素子32を電圧勾配の軸に沿って連続的な形態で膨張及び収縮させ、超音波エネルギーの長手方向の波を生成する。
【0026】
様々な態様では、トランスデューサ14によって生成される超音波エネルギーは、音響アセンブリ24を通って、超音波伝達導波管46を介してエンドエフェクタ50に伝達されることができる。音響アセンブリ24がエンドエフェクタ50にエネルギーを供給するために、音響アセンブリ24の構成要素は、エンドエフェクタ50に音響的に連結される。例えば、超音波トランスデューサ14の遠位端は、表面30において超音波伝達導波管46の近位端に、スタッド48のようなねじ接続により音響的に連結されてもよい。
【0027】
音響アセンブリ24の構成要素は、いずれかのアセンブリの長さが2分の1波長の整数倍(nλ/2)となるように音響的に調整されることができ、式中、波長λは、音響アセンブリ24の予め選択された波長、又は動作する長手方向振動駆動周波数fdであり、nは、任意の正の整数である。音響アセンブリ24は、音響要素の任意の好適な配列を組み込むことができることも想到される。
【0028】
超音波エンドエフェクタ50は、2分の1システム波長(λ/2)の整数倍と実質的に等しい長さを有することができる。超音波エンドエフェクタ50の遠位端52は、遠位端の最大、又は少なくともほぼ最大の長手方向の振動幅を提供するために、波腹の位置に、又は少なくともその近くに配置されてもよい。トランスデューサアセンブリが通電されるとき、様々な態様では、エンドエフェクタ50の遠位端52は、例えば、所定の振動周波数において、およそ10~500ミクロンのピーク対ピークの範囲、及び好ましくは約30~150ミクロンの範囲で移動するように構成されてもよい。
【0029】
上記に概略されているように、超音波エンドエフェクタ50は、超音波伝達導波管46に連結されてもよい。様々な態様では、例示のような超音波エンドエフェクタ50及び超音波伝送ガイド46は、例えば、Ti6Al4V(アルミニウム及びバナジウムを含むチタン合金)、アルミニウム、ステンレス鋼、及び/又は任意の他の好適な材料など、超音波エネルギーの伝達に好適な材料による単一構造物として形成される。代替的に、超音波エンドエフェクタ50は、超音波伝達導波管46から分離可能(及び異なる組成物のもの)であってもよく、例えば、スタッド、溶接、接着剤、迅速接続、又は他の好適な既知の方法により連結されてもよい。超音波伝達導波管46は、例えば、2分の1システム波長(λ/2)の整数倍に実質的に等しい長さを有することができる。例えば、超音波伝送導波路46は、好ましくは、例えば、チタン合金(即ち、Ti6Al4V)又はアルミニウム合金など、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料から構成された中実コア軸から製作されてもよい。
【0030】
図1に例示される態様では、超音波伝達導波管46は、複数個の波節の位置又は少なくともその近くに位置決めされる、複数個の安定化シリコーンリング又は弾性支持体56を含む。シリコーンリング56は、望ましくない振動を弱め、かつ導波管46を少なくとも部分的に囲む外装58から超音波エネルギーを隔離することができ、それによって、超音波エネルギーがエンドエフェクタ50の遠位端52まで長手方向に最高効率で流れることを確実にする。
【0031】
図1に示されるように、外装58は、ハンドピースアセンブリ60の遠位端に連結され得る。外装58は、一般に、アダプタ又はノーズコーン62と、細長い管状部材64とを含む。管状部材64は、アダプタ62に取り付けられ及び/又はアダプタ62から延び、かつ、そこを通って長手方向に延びる開口部を有する。様々な態様では、外装58は、ハウジング16の遠位端の上に螺着されてもよく、又はスナップ嵌めされてもよい。少なくとも1つの態様では、超音波伝達導波管46は、管状部材64の開口部を通って延び、シリコーンリング56はこの開口部の側壁と接触して、その中の超音波伝達導波管46を隔離することができる。様々な態様では、外装58のアダプタ62は、例えば、Ultem(登録商標)から構築されるのが好ましく、管状部材64は、例えばステンレス鋼から製作される。少なくとも1つの態様では、超音波伝達導波管46は、例えば、それを外部接触から隔離するためにこれを取り囲む高分子材料を有してもよい。
【0032】
上に記載されるように、電圧源、又は電力源は、トランスデューサの圧電素子の1つ又は2つ以上と動作可能に連結することができ、圧電素子の各々に印加される電圧ポテンシャルによって、圧電素子を長手方向に膨張及び収縮、又は振動させることができる。同様に上に記載されるように、電圧ポテンシャルは、周期的であり得、様々な態様では、電圧ポテンシャルは、例えば、トランスデューサ14、導波管46、及びエンドエフェクタ50を備える構成要素のシステムの共振周波数と同じか、又はほとんど同じ周波数で周期的にサイクルすることができる。しかしながら、様々な態様では、トランスデューサ内の特定の圧電素子は、トランスデューサの他の圧電素子よりも、長手方向振動の定在波に対する寄与が大きい場合がある。より具体的には、長手方向の変位を制御、又は制限することができる長手方向のひずみプロファイルが、トランスデューサ内で生じ得、圧電素子の一部は、特にシステムが共振周波数で又はその近くで振動している場合に、振動の定在波に寄与し得る。
【0033】
図1の超音波外科用器具システム10を参照すると、圧電素子32から導波管46を通してエンドエフェクタ50に機械的振動を連結するために、複数の構成要素が必要とされ得ることが認識され得る。音響アセンブリ24を構成する追加の要素は、追加の製造コスト、製作工程、及びシステムへの複雑さを追加する可能性がある。本明細書で開示されているのは、図1に例示される同等のデバイスよりも少ない構成要素、製造工程、及びコストを必要とし得る超音波外科用器具の態様である。
【0034】
再び図1を参照すると、圧電素子32は、「ランジュバンスタック」内に構成されており、そこでは圧電素子32と、それらの作動電極34及び36(一緒に、トランスデューサ14)とが、交互配置されている。作動している圧電素子32の機械的振動は、トランスデューサ14の長手方向軸に沿って伝播し、音響アセンブリ24を介して導波管46の端に連結される。圧電素子のこのような動作モードは、特に、例えばジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、又はチタン酸鉛を含むセラミック圧電素子の場合、素子のD33モードとして記載されることが多い。セラミック圧電素子のD33モードを、図2A図2Cに例示する。
【0035】
図2Aは、セラミック圧電材料から製作された圧電素子200を描写する。圧電セラミック材料は、複数の個々の微結晶ドメインを含む多結晶材料である。各微結晶ドメインは、分極軸を有し、それに沿って、ドメインは、印加電界に応答して、膨張又は縮小することができる。しかしながら、天然セラミックでは、微結晶ドメインの分極軸は、ランダムに配列されているので、バルクセラミックには正味の圧電効果はない。分極軸の正味の再配向は、セラミックを材料のキュリー温度より高い温度に供し、材料を強い電界に置くことによって誘発され得る。サンプルの温度がキュリー温度を下回ると、個々の偏光軸の大部分が再配向され、バルク偏光方向に固定される。図2Aは、誘導電界軸Pに沿って分極された後のそのような圧電素子200を例示する。無分極圧電素子200は、正味の圧電軸を欠いているが、分極素子200は、誘導電界軸P方向に平行な分極軸d3を有するとして説明することができる。完全を期すために、d3軸に直交する軸をd1軸と呼ぶ場合がある。圧電素子200の寸法は、長さ(L)、幅(W)、及び厚さ(T)として標識されている。
【0036】
図2B及び2Cは、圧電素子200をd3(又はP)軸に沿って配向された作動電界Eに供することによって誘発され得る圧電素子200の機械的変形を例示する。図2Bは、d3軸に沿って分極場Pと同じ方向を有する電界Eが圧電素子205に及ぼす影響を例示する。図2Bに示すように、圧電素子205は、d1軸に沿って圧縮しながら、d3軸に沿って膨張することによって変形することができる。図2Cは、d3軸に沿って分極場Pとは反対方向を有する電界Eが圧電素子210に及ぼす影響を例示する。図2Cに例示するように、圧電素子210は、d1軸に沿って膨張しながら、d3軸に沿って圧縮することによって変形することができる。d3軸に沿った電界の印加中のd3軸に沿った振動結合は、D33結合又は圧電素子のD33モードを使用した活性化と呼ばれる場合がある。図1に例示するトランスデューサ14は、導波管46に沿って、機械的振動をエンドエフェクタ50に伝達するために、圧電素子32のD33モードを使用する。圧電素子もd1軸に沿って変形するので、d3軸に沿った電界の印加中のd1軸に沿った振動結合もまた、機械的振動の有効な発生源となり得る。そのような結合は、D31結合又は圧電素子のD31モードを使用する活性化と呼ばれる場合がある。
【0037】
図2A図2Cによって例示されるように、D31モードでの動作中、圧電素子200、205、210の横方向の膨張は、以下の式によって数学的にモデル化され得る。
【0038】
【数1】
【0039】
この式において、L、W、及びTはそれぞれ、圧電素子の長さ、幅、及び厚さ寸法を指す。Vd31は、D31モードで動作する圧電素子に印加される電圧を表す。上に記載されるD31結合から生じる横方向の膨張量は、ΔL(即ち、長さ方向に沿った圧電素子の膨張)、及びΔW(即ち、幅方向に沿った圧電素子の膨張)によって表される。付加的に、横方向膨張方程式は、ΔL及びΔWと印加電圧Vd31との間の関係をモデル化する。以下に開示されるのは、圧電素子によるD31活性化に基づく超音波外科用器具の態様である。
【0040】
以下に記載するように、様々な態様において、超音波外科用器具は、長手方向の振動を生成するように構成されたトランスデューサ、及びトランスデューサ、エンドエフェクタ、及びその間の導波管に動作可能に連結されたトランスデューサベースプレート(例えばトランスデューサ装着部分)を有する外科用器具を備えることができる。特定の態様では、同様に以下のように、トランスデューサは、エンドエフェクタに伝達され得る振動を生成することができ、この振動は、トランスデューサベースプレート、導波管、エンドエフェクタ、及び/又は超音波外科用器具の他の様々な構成要素を、共振周波数で又はその近くで駆動することができる。共振状態では、例えば、長手方向ひずみパターン、又は長手方向応力パターンが、トランスデューサ、導波管、及び/又はエンドエフェクタ内に発現する可能性がある。様々な態様では、このような長手方向のひずみパターン、又は長手方向の応力パターンは、トランスデューサベースプレート、導波管、及び/又はエンドエフェクタの長さに沿って、正弦曲線手法、又は少なくとも実質的に正弦曲線手法で、長手方向のひずみ、又は長手方向の応力を変化させることができる。少なくとも1つの態様では、例えば、長手方向のひずみパターンは、最大ピーク及びゼロ点を有することができ、ひずみ値は、かかるピークとゼロ点との間で非線形的な形態で変化することができる。
【0041】
図3は、本開示の一態様による、超音波外科用器具250がD31モードで動作するように構成されている接合材料によって超音波トランスデューサ264に取り付けられた超音波導波管252を含む超音波外科用器具250を例示する。超音波トランスデューサ264は、接合材料によって超音波導波管252に取り付けられた第1及び第2の圧電素子254a、254bを含む。圧電素子254a、254bは、圧電素子254a、254bを駆動するのに適した電圧源(例えば、通常は高電圧)の一方の極を電気的に連結するための導電性プレート256a、256bを含む。電圧源の反対極は、導電性ジョイント258a、258bによって超音波導波管252に電気的に連結されている。一態様では、導電性プレート256a、256bは、電圧源の正極に連結され、導電性接合部258a、258bは、金属超音波導波路252を介して接地電位に電気的に連結される。一態様では、超音波導波管252は、チタン又はチタン合金(即ち、Ti6Al4V)で作製され、圧電素子254a、254bは、化学式Pb[ZrxTi1-x]O3(0≦x≦1)を有するジルコン酸チタン酸鉛金属間化合物で作製される。それは、PZTとも呼ばれ、著しい圧電効果を示すセラミックペロブスカイト材料であり、つまり、電界が印加されると化合物の形状が変化する。それは、超音波トランスデューサや圧電共振子PZTなどの多数の実用的な用途で使用されている。圧電素子254a、254bの分極軸(P)は、方向矢印260で示されている。圧電素子254a、245bの励振に応答した超音波導波管252の運動軸は、超音波導波管252の超音波ブレード部分と一般に称される超音波導波管252の遠位端の運動矢印262によって示される。運動軸262は、分極軸(P)260と直交している。
【0042】
図1に示すような従来のD33超音波トランスデューサアーキテクチャでは、ボルト締めされた圧電素子32は、電極34、36を利用して各圧電素子33の両方のサイズに電気的接触を作成する。しかしながら、本開示の一態様によるD31アーキテクチャ250は、各圧電素子254a、254bの両側への電気的接触を作成するために異なる技術を使用する。圧電素子254a、254bへの電気的接触を提供するための様々な技術は、高電位接続のために各々の圧電素子254a、254bの自由表面に導電性素子(例えばワイヤ)を接合することと、はんだ、導電性エポキシ、又は本明細書に記載の他の技術を使用して、接地接続のために各圧電素子254a、254bを超音波導波管252に接合することと、を含む。圧縮を使用すると、恒久的な接続を行わずに音響トレインへの電気的接触を維持することができる。これは、デバイスの厚さを増加させる可能性があり、圧電素子254a、254bを損傷しないように制御されるべきである。低圧縮は、スパークギャップによって圧電素子254a、254bを損傷する可能性があり、高圧縮は、局所的な機械的摩耗によって圧電素子254a、254bを損傷する可能性がある。他の技術では、金属製ばね接点を使用して圧電素子254a、254bと電気的に接触させることができる。他の技術は、ホイルオーバーフォームガスケット、導電性フォーム、はんだを含み得る。圧電素子254a、254bの両側への電気的接続はD31音響トレイン構成である。圧電素子254a、254bと超音波導波管252との間に電気的接触がある場合、導電性である金属製超音波導波管252に対して電気的接地接続を行うことができる。
【0043】
以下に記載するように、様々な態様において、超音波外科用器具は、長手方向の振動を生成するように構成されたトランスデューサ、及びトランスデューサ、エンドエフェクタ、及びその間の導波管に動作可能に連結されたトランスデューサベースプレートを有する外科用器具を備えることができる。特定の態様では、同様に以下のように、トランスデューサは、エンドエフェクタに伝達され得る振動を生成することができ、この振動は、トランスデューサベースプレート、導波管、エンドエフェクタ、及び/又は超音波外科用器具の他の様々な構成要素を、共振周波数で又はその近くで駆動することができる。共振状態では、例えば、長手方向ひずみパターン、又は長手方向応力パターンが、トランスデューサ、導波管、及び/又はエンドエフェクタ内に発現する可能性がある。様々な態様では、このような長手方向のひずみパターン、又は長手方向の応力パターンは、トランスデューサベースプレート、導波管、及び/又はエンドエフェクタの長さに沿って、正弦曲線手法、又は少なくとも実質的に正弦曲線手法で、長手方向のひずみ、又は長手方向の応力を変化させることができる。少なくとも1つの態様では、例えば、長手方向のひずみパターンは、最大ピーク及びゼロ点を有することができ、ひずみ値は、かかるピークとゼロ点との間で非線形的に変化することができる。
【0044】
図1に示すような従来のD33超音波トランスデューサアーキテクチャでは、ボルトは、圧電素子リングを超音波導波管に音響的に連結する圧縮を提供する。本開示の一態様によるD31アーキテクチャ250は、圧電素子254a、254bを超音波導波管252に音響的に連結するために様々な異なる技術を使用する。これらの技術は、以下に開示される。
【0045】
図4図12は、超音波外科用器具9000の様々な図を例示する。様々な態様では、外科用器具9000は、一般に一対の超音波剪断機として具現化することができる。より具体的には、外科用器具9000は、例えば締結具9006によって、枢動領域9016で第2のアーム9004に枢動可能に接続された第1のアーム9002を含むことができる。外科用器具9000は、それぞれ第1のアーム9002及び第2のアーム9004の近位端に配置された一対のハンドル又はアイリング9010、9012を更に含む。第1のアーム9002は、第2のアーム9004から遠位方向に延びるエンドエフェクタ9054と協働するように構成された協働表面9026を含む、その遠位端に位置決めされた顎部9008又はクランプを含む。第1のアーム9002を第1の方向に作動させると、顎部9008がエンドエフェクタ9054に向かって枢動し、第1のアーム9002を第2の方向に作動させると、顎部9008がエンドエフェクタ9054から離れて枢動する。いくつかの態様では、協働表面9026は、ポリマー又は他の弾性材料から構築され、エンドエフェクタ9054と係合するパッドを更に含む。外科用器具9000は、図1図3に関して上記で説明されたようなトランスデューサアセンブリを更に含む。トランスデューサアセンブリは、例えばD31又はD33アーキテクチャに配列することができる。外科用器具9000は、D31アーキテクチャに配列された超音波トランスデューサ9062の第1及び第2の圧電素子9064a、9064bを含む、超音波システム10(図1)の様々な構成要素を包囲するハウジング9052と、圧電素子9064a、9064b、を受容するために、対向側部に平坦な面を備えるトランスデューサベースプレート9050(例えば、トランスデューサ装着部分)と、超音波トランスデューサ9062からエンドエフェクタ9054へ振動を長手方向に移す導波管9058と、を更に備える。外科用器具9000は、上に記載されるように、超音波トランスデューサ9062を駆動するための超音波信号発生器に接続可能な電気コネクタ9056を更に備える。導波管9058は、複数の波節(即ち、振動運動定在波の最小又はゼロ交差に位置する点)又は少なくともその近くに位置決めされた複数の安定化シリコーンリング又は弾性支持体9060を備えることができる。弾性支持体9060は、超音波エネルギーが長手方向にエンドエフェクタ9054に確実に伝達されるように、望ましくない横方向の振動を減衰させるように構成される。導波管9058は、ハウジング9052及び第2のアーム9004を通って延び、エンドエフェクタ9054においてハウジング9052の外部に終端する。エンドエフェクタ9054及び顎部9008は、組織を把持するように構成され、全体的にクランプ9030として機能する協働要素である。顎部9008をエンドエフェクタ9054に向かって移動すると、それらの間に載置された組織をエンドエフェクタ9054に接触させ、エンドエフェクタ9054が把持した組織に対して動作することが可能になる。エンドエフェクタ9054が喘ぎ状組織に対して超音波振動すると、エンドエフェクタ9054は、摩擦力を発生させ、それが組織を凝固させ、最終的にエンドエフェクタ9054の切断長さに沿って切断する。
【0046】
いくつかの態様では、トランスデューサベースプレート9050、導波管9058、及びエンドエフェクタ9054アセンブリは、板状部材として製造される。しかしながら、様々な態様において、第1のアーム9002が第2のアーム9004に合体されている枢動領域9016のアセンブリは、ハウジング9052の内部に延びているので、導波管9058が通って延びるハウジング9052の内部チャネルは、図8に描写されるように非線形である。外科用器具900の組み立て又は製造中に導波管9058がハウジング9052内に載置されると、導波管9058は、枢動領域9016の内側に突出した部分の周りで曲がり又は弾性変形する。ハウジング9052の内部部分は、ハウジング9052を越えて延びる導波管9058の終端、即ち、エンドエフェクタ9054が、顎部9008及び/又は第1のアーム9002と同一平面上にある、又は整列するように配列される。逆に、導波管9058の近位部分は、エンドエフェクタ9054と同一平面上にはない。この湾曲した配列により、導波管9058は、依然としてハウジング9052のためのスリムな外形を維持しながら、枢動領域9016の内側に突出した部分、例えば締結具9006を回避することが可能になる。
【0047】
外科用器具9000の切断長さは、顎部9008のエンドエフェクタ9054及び協働表面9026の長さに対応する。エンドエフェクタ9054と顎部9008の協働表面9026との間に十分な時間期間保持されている組織は、上に記載されるように、エンドエフェクタ9054によって切断される。エンドエフェクタ9054及び顎部9008の対応する部分は、様々な形状を有することができる。いくつかの態様では、エンドエフェクタ9054は、図4図8に描写されているように、実質的に線形の形状である。他の態様では、図10図11に描写されているように、エンドエフェクタ9054は湾曲している。いずれの場合も、組織をエンドエフェクタ9054と接触させるように構成された顎部9008の部分は、エンドエフェクタ9054の形状に対応し、それによって顎部9008はそれと整列する。
【0048】
本外科用器具9000のいくつかの態様では、顎部9008の協働表面9026に近接して載置されたギャップ9028が存在する。外科用器具9000の使用中に顎部9008の協働表面9026を越えて組織がギャップ9028内に延びると、顎部9008の協働表面9026が過装填された組織をエンドエフェクタ9054と接触させたままにするようにさせていないため、この過装填された組織の凝固及び切断は悪影響を受ける。したがって、外科用器具9000の様々な態様は、これらの影響を軽減するための特徴を含む。
【0049】
協働表面9026がエンドエフェクタ9054よりも長さが短いこのような一態様では、協働表面9026に対応する顎部9008の領域は、その上に印9014又は複数の印を含む。印9014は、協働表面9026の遠位端からその近位端まで顎部9008の外部表面を横切って延びる。言い換えれば、印9014は、顎部9008の協働表面9026と同一の広がりを持つ。外科用器具9000の切断長さは、エンドエフェクタ9054と顎部9008の協働表面9026とが重なる長さと等しいので、印9014は、外科用器具9000の操作者に対してエンドエフェクタ9054の切断長さを視覚的に示す。エンドエフェクタ9054とは反対側、即ち顎部9008及び/又は第1のアーム9002上の外科用器具9000の切断長さを示すことは、外科用器具9000が、エンドエフェクタ9054を覆い隠す組織を切断するために利用されているときのように、操作者がエンドエフェクタ9054自体を見ることができない状況において有用であり得る。様々な態様では、印9014は、色、マーキング(例えば、幾何学的パターン)、突起、表面の質感、エンドエフェクタ9054及び/又は顎部9008の幾何学的形状の変化(例えば、湾曲)、あるいは顎部9008の特定の領域を外科用器具9000の隣接する構造から視覚的に区別するあらゆるものを含む。特定の一態様では、印9014は、有色である。エンドエフェクタ9054が顎部9008の協働表面9026よりも長さが短い代替の態様では、顎部9008上に配置された印9014は、代わりに、長さがエンドエフェクタ9054に対応する(即ち、同一の広がりを持つ)。更に他の態様では、印9014は、顎部9008ではなくエンドエフェクタ9054上に配置されている。
【0050】
超音波システムのハウジング9052及び関連する構造は、当該分野で公知の様々な異なる手段を利用して、第1のアーム9002又は第2のアーム9004のうちの少なくとも一方に取り付けることができる。図1図4に描写される一態様では、ハウジング9052は、コレット9022を介して外科用器具9000の第2のアーム9004に固定的に取り付けられている。他の態様では、ハウジング9052は、接着剤、締結具、又はクリップなどの機械的コネクタを介して取り付けることができる。更に他の態様では、ハウジング9052は、例えば射出成形によって、第1のアーム9002又は第2のアーム9004のうちの少なくとも一方を有する単一の構造的構成要素として形づくることができる。なお更に他の態様では、ハウジング9052は、代替的に、外科用器具9000の第1のアーム9002に固定的に取り付けることができる。
【0051】
様々な態様では、ハウジング9052が据え付けられているアームに対向するアームをハウジング9052に取り外し可能に接続することができる。例えば、図12に描写される外科用器具9000の一態様において、第1のアーム9002は、ハウジング9052上に配置された対応する第2のクリップ9020と係合する、第1のアーム9002上に配置された第1のクリップ9021を介してハウジング9052に取り外し可能に接続可能である。図4図7に描写される別の態様では、第1のアーム9002は、ハウジング9052上に配置された対応する突起又はタブ9024と摩擦係合するように構成されたスロット9025を介してハウジング9052に取り外し可能に接続可能である。第1のアーム9002をハウジング9052に固定すると、外科用器具9000が使用されていないときの外形が小さくなる。ハウジング9052が第1のアーム9002に固定的に接続されている代替の態様では、ハウジング9052は、上に記載されるように、様々な方法で、第2のアーム9004に取り外し可能に接続することができる。
【0052】
図13図14は、本開示の一態様による、組織9900をクランプする外科用器具9000の側面図を例示する。描写された態様では、外科用器具9000は、外科用器具9000によってクランプされた組織9900が過装填になったとき、又は言い換えると、把持された組織9900が顎部9008の協働表面9026及び/又はエンドエフェクタ9054を越えて近位に延びるときを検出するように構成される。いくつかの異なる理由から、そのような発生を検出することが望ましい。例えば、組織9900が協働表面9026とエンドエフェクタ9054との間でしっかりとではなく、ギャップ9028内に位置決めされると、それはエンドエフェクタ9054と一貫して接触しない可能性があり、それは外科用器具9000の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。別の例として、操作者がクランプ9030で把持しようとしている組織9900が代わりに近位ギャップ9028に入った場合、外科用器具9000の操作者は、組織9900の意図しない部分を凝固及び/又は切断している可能性がある。更に別の例として、組織9900がかなり近位に移動しすぎると、それが第1のアーム9002と第2のアーム9004との間に挟まれ、組織9900に損傷を与えるか、又はそうでなければ外科用器具9000の切断動作を妨害し得る。
【0053】
この態様において、顎部9008は、第1の電位を有する第1の電極9100と、第2の電位を有する第2の電極9102と、を備える。第1の電極9100は、顎部9008の協働表面9026の位置に対応する。一態様では、第1の電極9100は、協働表面9026と同一の広がりを持つ。第2の電極9102は、ギャップ9028の位置に対応する。一態様では、第2の電極9102は、ギャップ9028に対応する顎部9008の表面と同一の広がりを持つ。組織9900が第1の電極9100及び第2の電極9102の両方に接触すると、回路が完成し、組織9900が近位ギャップ9028で検出された(即ち、過装填になっている)ことを示す信号が発生される。信号は、例えば、外科用器具9000のコントローラへの有線接続を介して伝達される電気信号を含むことができる。信号はまた、外科用器具9000と無線通信している対応する電子デバイスによって受信される無線信号を含むことができる。この信号を利用して、外科用器具9000の操作者に警告を提供し、警報を発し、エンドエフェクタ9054の作動を停止し、又は他の是正措置を講じることができる。
【0054】
図1図12に関して説明したように、外科用器具の切断長さを視覚的に示すように構成された構成要素、又は図13~14に関して説明したように、組織が過装填になるときを検出する構成要素加えて、又はその代わりに、外科用器具9000の様々な態様は、把持されたものが過装填になることを物理的に防止するように構成することができる。ここで図15図43を全体的に参照すると、組織がそれによって把持されたときに協働表面9026及び/又はエンドエフェクタ9054を超えて装填される、即ち、近位方向に延びることを物理的に防止する停止部又は障害として機能するように構成された構造的特徴を組み込んだ超音波外科用器具9000の様々な態様が示される。そのような構成要素は、「組織停止部」と総称される。本明細書に記載の組織停止部の各々は、エンドエフェクト9504に対する顎部9008の移動範囲全体にわたって組織が協働面9026を超えて近位方向に延びることを物理的に妨害又は阻止するように構成することができる。
【0055】
図15図16は、本開示の一態様による、枢動可能部材9150組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の様々な図を例示する。一態様では、枢動可能部材9150は、一対の対向側部9158a、9158b及び開放内部9154を備える。対向側部9158a、9158bは、枢動点9156で顎部9008及び/又は第1のアーム9002に接続されている。対向側部9158a、9158bによって囲まれた開放内部9154は、枢動点9156からエンドエフェクタ9054及び顎部9008の遠位端までの距離以上の長さであり、これにより、枢動可能部材9150は、外科用器具9000の遠位端の周りで、第1のアーム9002に対して収容された位置から反対側の側部9158a、9158bは、顎部9008及びエンドエフェクタ9054の側方側部を横切って延びる展開位置まで枢動することができる。一態様では、枢動可能部材9150が展開位置にあるとき、それはエンドエフェクタ9054に対して概ね直交する方向に配向される。枢動点9156は、協働表面9026の近位端と整列するように、第1のアーム9002及び/又は顎部9008上に位置決めすることができる。したがって、枢動可能部材9150が展開されると、対向側部9158a、9158bは、協働表面9026の近位端にある顎部9008及びエンドエフェクタ9054の側方側部に沿って枢動点9156から下方に延び、物理的に組織がそこを超えて延びることを防止する。枢動点9156は、展開時に枢動可能部材9150が概ね直交する方向を向く位置を超えて回転することを防止するように構成された停止部を更に含むことができる。
【0056】
一態様では、顎部9008及び/又は第1のアーム9002は、枢動可能部材9150の少なくとも一部分を受容するように構成されているチャネル9152又はスロットを更に備える。チャネル9152の深さは、一態様では、枢動可能部材9150の高さ以上であり得る。このような態様では、収納位置にあるとき、枢動可能部材9150は、外科用器具9000の表面と同一平面上にあるか又はそこから陥没している。
【0057】
図17図19は、本開示の一態様による、機械的リンク部9170組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の様々な図を例示する。機械的リンク部9170は、第1の端9172と第2の端9174とを含む剛性部材である。第1の端9172は、中間リンク部9176に枢動可能に接続され、それは、次に顎部9008に隣接する第1のアーム9002に枢動可能に接続される。第2の端9174は、エンドエフェクタ9054に隣接する第2のアーム9004に枢動可能に接続されている。顎部9008が図18に描写される開放位置から図19に描写される閉鎖位置に回転すると、顎部9008の近位端に隣接して位置決めされた棚9178は、リンク部9170の第1の端9172に接触し、リンク部9170を顎部9008の近位端と実質的に同一平面上に載る位置までリンク部9170を回転させる。したがって、リンク部9170は、顎部9008の近位端と第1及び第2のアーム9002、9004との間の空間を占め、顎部9008とエンドエフェクタ9054との間に喘ぎ状組織が協働表面9026を超えて近位に延びることを物理的に防止する。
【0058】
図20図22は、本開示の一態様による、変形可能部材9190組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の様々な側面図を例示する。変形可能部材9190は、組織9900がギャップ9028内に延びることを阻止するために、クランプ9030のその開放位置とその閉鎖位置との間の移動範囲を通して弾性的に変形するように構成される。一態様では、変形可能部材9190は、エラストマー材料から構築された管状部材を備える。管状部材の長さは、クランプ9030の幅と等しくすることができる。変形可能部材9190は、第2のアーム9004及び/又はエンドエフェクタ9054に据え付けられている第1の端9192と、第1のアーム9002及び/又は顎部9008にえ付けられている第2の端9194とを含むことができる。一態様では、第2の端9194は、協働表面9026の近位端に隣接する位置で第1のアーム9002に取り付けられている。クランプ9030が開放位置に移行すると、第2のアーム9004は、第1の端9192に力を及ぼす、第1のアーム9002は、第2の端9194に力を及ぼし、組み合わせて、変形可能部材9190をエンドエフェクタ9054及び顎部9008が互いから離れて枢動するよう膨張させる。同様に、クランプ9030が閉鎖位置に移行すると、エンドエフェクタ9054と顎部9008が互いに向かって枢動するように変形可能部材9190が圧縮される。したがって、変形可能部材9190は、それらの相対位置にかかわらず、エンドエフェクタ9054と顎部9008との間の空間を占める。変形可能部材9190の端9192、9194は、例えば接着剤、締結具、機械的コネクタを介して外科用器具9000のそれらのそれぞれの部分に据え付けることができる。
【0059】
図23図26は、本開示の一態様による、湾曲したバー9200組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の様々な図を例示する。一態様では、外科用器具9000は、エンドエフェクタ9054に隣接して、第2のアーム9004の遠位端から延びる湾曲したバー9200を含む。湾曲したバー9200は、第1のアーム9002を通って延びるチャネル9204を通って、第1のアーム9002に向かって配向している第2のアーム9004の表面から延びる。湾曲したバー9200の湾曲部は、第1のアーム9002又は顎部9008の回転円弧9201(即ち、顎部9008が開放位置と閉鎖位置との間で枢動するときに第1のアーム9002又は顎部9008上の固定点が進む円弧)に対応し、その結果、第1のアーム9002は、湾曲したバー9200から妨げられることなく枢動することができる。様々な態様では、湾曲したバー9200は、その遠位端に配置され、湾曲したバー9200が位置決めされるチャネル9204の少なくとも一部分よりも大きい幅又は直径を有するヘッド9202を更に備える。ヘッド9202は、第2のアーム9004に対する第1のアーム9002の回転円弧9201を制限し、第1のアーム9002の過剰な回転によって湾曲したバー9200がチャネル9204から引き出されることを防止するように機能する。
【0060】
様々な態様では、湾曲したバー9200は、協働表面9026又はエンドエフェクタ9054の幅の少なくとも一部に等しい幅を有する。湾曲したバー9200が協働表面9026の近位端に隣接して位置決めされ、第1のアーム9002が第1のアーム9002の回転円弧9201全体を通して湾曲したバー9200にわたって摺動すると、湾曲したバー9200は、クランプ9030の開放位置と閉鎖位置との間の物理的な障害物として機能し、把持された組織がそれを超えて移ることを防止する。
【0061】
図27図30は、本開示の一態様による、エンドエフェクタリング9250組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の斜視図を例示する。リング9250は、それを通ってエンドエフェクタ9054を受容するように構成された、リング9250を通って延びる開口部9252を含む円環又はリング形状部材を含む。一態様では、リング9250の開口部9252は、エンドエフェクタ9054の寸法のサイズ及び形状と一致するように構成される。開口部9252は、リング9250をエンドエフェクタ9054の長さに沿って摺動させるが、乱されないときに所定の位置にしっかりと留まることができるようにエンドエフェクタ9054の厳密な公差に合わせた大きさにされる。エンドエフェクタ9054上に置かれると、リング9250は、顎部9008とエンドエフェクタ9054との間のギャップ9028の上限を画定する顎部9008の表面まで延びるように構成される。したがって、リング9250が協働表面9026の近位でエンドエフェクタ9054に沿って置かれると、リング9250は、組織がギャップ9028に入ることを防止する物理的障壁として機能する。リング9250は、例えばエラストマー材料から構成することができる。
【0062】
様々な態様では、リング9250は、リング9250をエンドエフェクタ9054上の所定の位置に固定することを助けるように構成されたそこに据え付けられたクリップ9256を更に備える。図28図29に描写された一態様では、クリップ9256は、リング9250の開口部9252と整列した開口部9258と、複数のアーム9254と、を備える。アーム9254は、エンドエフェクタ9054に対してクリップ9256から直交して延びる。リング9250の開口部9258も同様に、それを通してエンドエフェクタ9054を受容するように構成されている。アーム9254は、顎部9008の一部を受容するように構成されているスロット9262を画定する弾性的に付勢された部材である。顎部9008の一部がスロット9262に挿入されると、アーム9254は、顎部9008の一部と摩擦係合し、それは、リング9250を所定の位置に保持する。図30に描写された一態様では、クリップ9256は、リング9250の開口部9252と整列した開口部9258と、複数のアーム9260と、を備える。アーム9260は、エンドエフェクタ9054に対してクリップ9256から長手方向に延びる。アーム9260は、顎部9008の内部表面から延びる突起(図示せず)を受容するように構成されたスロット9264を画定する弾性的に付勢された部材である。アーム9260が顎部9008からの突起にクリップ止めされると、アーム9260は、突起と摩擦係合し、それによってリング9250が所定の位置に保持される。
【0063】
図31図33は、本開示の一態様による、長手方向に摺動可能な部材9270組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の図を例示する。この態様では、外科用器具9000は、クランプ9030が開放されたときに第1の位置又は後退位置と、クランプ9030が閉鎖されたときに第2の又は伸長位置との間で移行するように構成されるエンドエフェクタ9054上に配置された長手方向に摺動可能な部材9270を含む。摺動可能な部材9270は、エンドエフェクタ9054を受容するように構成されたチャネル9280と、遠位表面9276と、近位端から延びるアーム9278と、を備える。チャネル9280は、摺動可能な部材9270を後退位置に向かって付勢するばねアセンブリ9272を更に含む。言い換えれば、ばねアセンブリ9272は、摺動可能な部材9270を伸長位置から後退位置に戻すように構成される。外科用器具9000は、顎部9008が閉鎖位置又はクランプ位置に枢動するときに第1のアーム9002から延びる摺動可能な部材9270のアーム9278と接触する突起9274を更に備える。突起9274とアーム9278との間の接触は、摺動可能な部材9270をエンドエフェクタ9054に沿って遠位方向に駆動し、摺動可能材9270を伸長位置に置く。長手方向に摺動可能な部材9270が伸長位置にあるとき、遠位表面9276は、協働表面9026の近位端と接触する。遠位表面9276の表面積は、エンドエフェクタ9054からギャップ9028の下限まで延びるのに十分であり、それによって、摺動可能な部材9270が物理的障壁として機能して、摺動可能な部材9270が伸長位置にあるとき、組織が協働表面9026を超えて延びることを防止させる。顎部9008がエンドエフェクタ9054から離れてクランプ9030の開放位置に枢動すると、突起9274がアーム9278から脱係合し、ばねアセンブリ9272が摺動可能な部材9270をその後退位置に戻す。
【0064】
図34図35は、本開示の一態様による、開放位置にあるカム9290組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の側面図を例示する。一態様では、外科用器具9000は、枢動ピン9296によって第2のアーム9004に枢動可能に接続されている第1のアーム9002を備える。外科用器具9000は、遠位位置又は伸長位置と近位位置又は後退位置との間で長手方向に並進するように構成されたカム9290を更に含む。一態様では、カム9290は、第1のアーム9002上に配置されたカムスロット9294と係合するカムピン9298又はカム作用表面を含む。様々な態様では、カムスロット9294の形状は、顎部9008がエンドエフェクタ9054から離れるように枢動したときにカム9290を遠位方向に並進させ(即ち、延ばす)、顎部9008がエンドエフェクタ9054に向かって枢動したときに近位方向に並進させる(即ち、後退させる)ように構成される。一態様では、カムスロット9294は、顎部9008が開放されたときに(図35に描写されているように)カムピン9298と接触し、カムピン9298に第1の水平力を加えるように構成された第1のランプ9302を含む湾曲した又は蛇行形状を有する。カムピン9298がカム9290に固定的に取り付けられると、第1の水平力がカム9290を遠位に並進させる。カムスロット9294は、(図34に描写されているように)顎部9008が閉鎖されたときにカムピン9298と接触し、カムピン9298上に第2の水平力を及ぼすように構成された、第1のランプ9302と対向する第2のランプ9304を更に含む。第2のランプ9304によってカムピン9298上に及ぼされる第2の水平力は、第1の水平力とは逆の配向であり、カム9290を近位に並進させる。
【0065】
カム9290は、外科用器具9000が組織を把持するために利用されているときに、組織が顎部9008の協働表面9026を越えて延びることを防止する物理的障害又は障壁として機能するように構成される先端又は遠位表面9300を含む。カム9290が(図35に描写されるように)伸長位置にあるとき、カム9290の遠位表面9300は、協働表面9026の近位端に隣接して位置決めされる。操作者が顎部9008を開放して組織を把持すると、遠位表面9300は、組織が過装填になることを阻止する。組織が適切に装填され、次いで顎部9008が閉鎖されると、カム9290が後退する。
【0066】
カム9290は、その長さに沿って配置され、それを通して第1のアーム9002と第2のアーム9004とを接続する枢動ピン9296を受容するスロット9292を更に含む。スロット9292は、3つの目的を担う。第1に、スロット9292は、カム9290が第1のアーム9002と第2のアーム9004との間の枢動可能なリンク部(即ち、枢動ピン9296)と干渉することを防止する。第2に、いくつかの態様では、スロット9292の幅は、枢動ピン9296の直径又は幅の厳密な公差に等しい。スロット9292の幅と枢動ピン9296との間の狭い公差は、カム9290の非長手方向の移動を制限する。言い換えると、スロット9292は、カム9290が直線的又は長手方向の形態で並進することを保証する。第3に、スロット9292の長さは、顎部9008をエンドエフェクタ9054に対して枢動させることができる程度に対する絶対的な制限として機能するように構成することができる。カム9290が枢動ピン9296を横切って移動するときにスロット9292の近位端が枢動ピン9296に接触すると、カム9290がそれ以上遠位に並進するのが防止される。カム9290が遠位方向に並進することをロックされると、カムピン9298とカムスロット9294との間の係合は、第1のアーム9002と顎部9008とが更に枢動することを防止する。
【0067】
図36図37は、本開示の一態様による、可撓性ストリップ9350組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の斜視図を例示する。一態様では、外科用器具9000は、エンドエフェクタ9054の近位端に隣接する第2のアーム9004に取り付けられた第1の端9352と、顎部9008上に位置決めされたチャネル9356内に摺動可能に配置された第2の端9354とを含む可撓性ストリップ9350を備える。可撓性ストリップ9350は、例えば、エラストマー材料、互いに柔軟に連結された一連の剛性部材、又は顎部9008がエンドエフェクタ9054に対して移動するときに可撓性ストリップ9350が撓む又は変形することを可能にする別のそのような材料又は構造から構築され得る。描写された態様では、可撓性ストリップ9350は、顎部9008がエンドエフェクタ9054に向かって枢動するときに可撓性ストリップ9350がチャネル9356内に後退し、顎部9008がエンドエフェクタ9054から離れるように枢動するときに可撓性ストリップ9350がチャネル9356から延びるように配列される。しかしながら、可撓性ストリップ9350の第2の端9354は、顎部9008の移動範囲の全体にわたってチャネル9356内に維持されている。可撓性ストリップ9350が開放位置と閉鎖位置との間の移動範囲の全体にわたってチャネル9356に出入りして摺動すると、可撓性ストリップ9350の先端部分が協働表面9026の近位端に隣接して維持されるように可撓性ストリップ9350が曲がる又は撓む。したがって、可撓性ストリップ9350は、外科用器具9000が使用されているときに、組織が協働表面9026を超えて延びることを防止する物理的障壁として機能する。
【0068】
図38図40は、本開示の一態様による、可撓性ストリップ9350組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の斜視図を例示する。一態様では、外科用器具9000は、エンドエフェクタ9054の近位端に隣接して第2のアーム9004に摺動可能に取り付けられた第1の端9352と第2の端9354とを含む可撓性ストリップ9350を備える。一態様では、第1の端9352は、第2のアーム9004に沿って長手方向に延びるチャネル9360の内部表面に沿って摺動可能に配置された第1の端9352に位置決めされた1つ又は2つ以上のローラ9358によって第2のアーム9004に摺動可能に取り付けられる。一態様では、第2の端9354は、例えば一体蝶番を介して協働表面9026に据え付けられている。いくつかの態様では、可撓性ストリップ9350と協働表面9026は、材料の連続ストリップとして構築される。可撓性ストリップ9350は、例えば、エラストマー材料、互いに柔軟に連結された一連の剛性部材、又は顎部9008がエンドエフェクタ9054に対して移動するときに可撓性ストリップ9350が撓む又は変形することを可能にする別のそのような材料又は構造から構築され得る。描写された態様では、可撓性ストリップ9350は、顎部9008がエンドエフェクタ9054に向かって枢動するときに可撓性ストリップ9350がチャネル9360内に後退し、顎部9008がエンドエフェクタ9054から離れるように枢動するときに可撓性ストリップ9350がチャネル9360から延びるように配列される。しかしながら、可撓性ストリップ9350の第1の端9352は、顎部9008の移動範囲の全体にわたってチャネル9356内に維持されている。可撓性ストリップ9350が開放位置と閉鎖位置との間の移動範囲の全体にわたってチャネル9356に出入りして摺動すると、可撓性ストリップ9350の先端部分が協働表面9026の近位端に隣接して維持されるように可撓性ストリップ9350が曲がる又は撓む。したがって、可撓性ストリップ9350は、外科用器具9000が使用されているときに組織が協働表面9026を超えて延びることを防止する物理的障壁として機能する。
【0069】
図41図43は、本開示の一態様による、可撓性ストリップ9350組織停止部を組み込んだ超音波外科用器具9000の斜視図を例示する。一態様では、外科用器具9000は、エンドエフェクタ9054の近位端に隣接して第2のアーム9004に摺動可能に取り付けられた第1の端9352と第2の端9354とを含む可撓性ストリップ9350を備える。一態様では、第1の端9352は、第2のアーム9004に沿って長手方向に延びるチャネル9360の内部表面に沿って摺動可能に配置された第1の端9352に位置決めされた1つ又は2つ以上のローラ9358によって第2のアーム9004に摺動可能に取り付けられる。一態様では、第2の端9354は、接着剤、機械的締結具、又は当技術分野で公知の他のそのような取り付け方法を介して顎部9008に据え付けられる。可撓性ストリップ9350は、例えば、エラストマー材料、互いに柔軟に連結された一連の剛性部材、又は顎部9008がエンドエフェクタ9054に対して移動するときに可撓性ストリップ9350が撓む又は変形することを可能にする別のそのような材料又は構造から構築され得る。描写された態様では、可撓性ストリップ9350は、顎部9008がエンドエフェクタ9054に向かって枢動するときに可撓性ストリップ9350がチャネル9360内に後退し、顎部9008がエンドエフェクタ9054から離れるように枢動するときに可撓性ストリップ9350がチャネル9360から延びるように配列される。しかしながら、可撓性ストリップ9350の第1の端9352は、顎部9008の移動範囲の全体にわたってチャネル9356内に維持されている。可撓性ストリップ9350が開放位置と閉鎖位置との間の移動範囲の全体にわたってチャネル9356に出入りして摺動すると、可撓性ストリップ9350は、可撓性ストリップ9350の先端部分が協働表面9026の近位端に隣接して維持されるように、曲がる又は撓む。したがって、可撓性ストリップ9350は、外科用器具9000が使用されているときに組織が協働表面9026を超えて延びることを防止する物理的障壁として機能する。
【0070】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、デバイスは、分解することができ、デバイスの任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、デバイスを後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによって再び組み立てることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0071】
本明細書で様々な態様について記載したが、それらの実施形態態様に対する多くの修正及び変形が実施されてもよい。例えば、図4図16に描写されているような様々な態様において、エンドエフェクタは、外科用器具上の顎部の下に位置決めされているとして描写されている。一方、図17図43に描写されているものなどの他の態様では、エンドエフェクタは、外科用器具上の顎部の上に位置決めされているとして描写されている。特に、これらの態様は単なる例示であり、1つの種類の教示は別の種類にも等しく適用可能であり、そして様々な構造的特徴は、代替的な態様において互換的に利用することができる。別の例として、異なる種類のエンドエフェクタが使用されてもよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変更を全て包含することが意図される。
【0072】
全体又は部分的に、参照により本明細書に組み込まれると言及されるいずれの特許、刊行物又は他の開示物も、組み込まれる内容が既存の定義、記述、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれるものとする。そのようなものであるから、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0073】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
【0074】
実施例1.超音波外科用器具であって、エンドエフェクタと、エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含むトランスデューサアセンブリと、エンドエフェクタに重なる顎部の一部と同一の広がりを持つ印と、を備える。
【0075】
実施例2.印が、色を含む、実施例1に記載の超音波外科用器具。
【0076】
実施例3.第1の電極と、第2の電極と、を更に備え、第1の電極及び第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施例1又は実施例2に記載の超音波外科用器具。
【0077】
実施例4.顎部上に配置された協働表面を更に備え、協働表面が、エンドエフェクタに整列されており、第1の電極が、協働表面と同一の広がりを持ち、第2の電極が、協働表面に近位に位置決めされている、実施例3に記載の超音波外科用器具。
【0078】
実施例5.エンドエフェクタに隣接して固定的に取り付けられた第1の端と、顎部に隣接して枢動可能に取り付けられた第2の端と、を備えるリンク部と、を更に備え、顎部閉鎖位置では、リンク部が、枢動して顎部の近位端に接触するように構成され、顎部開放位置では、リンク部が、顎部の近位端から離れて枢動するように構成されている、実施例1~4の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0079】
実施例6.リンク部を介して顎部に移動可能に接続されたカムを更に備え、顎部閉鎖位置では、カムが、延びて顎部の近位端に接触するように構成され、顎部開放位置では、カムが、後退するように構成されている、実施例1~5の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0080】
実施例7.後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材伸長位置では、摺動可能な部材が、顎部の近位端に接触するように構成され、部材が、後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、突起であって、顎部閉鎖位置では、ばね付勢部材と接触するように構成され、顎部閉鎖位置では、摺動可能な部材を伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を更に備える、実施例1~6の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0081】
実施例8.枢動可能部材を更に備え、枢動可能部材は、第1の位置から、枢動可能部材が顎部及びエンドエフェクタの側方側部を横切って延びている第2の位置へ枢動するように構成されている、実施例1~7の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0082】
実施例9.エンドエフェクタの上に嵌め込まれるように構成されたリングを更に備える、実施例1~8の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0083】
実施例10.エンドエフェクタと顎部との間に配置されたエラストマー部材を更に備え、顎部開放位置では、エラストマー部材が、エンドエフェクタと顎部との間で引き伸ばされ、顎部閉鎖位置では、エラストマー部材が、エンドエフェクタと顎部との間で圧縮される、実施例1~9の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0084】
実施例11.第1のアームであって、顎部が、第1のアームの遠位端に配置されている、第1のアームと、第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームであって、エンドエフェクタが、第2のアームの遠位端に配置されている、第2のアームと、第2のアームから近位位置にある第1のアームを通して顎部に延びるバー部材であって、第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を更に備える、実施例1~10の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0085】
実施例12.可撓性ストリップであって、顎部に固定的に取り付けられた第1の端と、第2の端と、を備える可撓性ストリップと、第2の端を摺動可能に受容するように構成されたチャネルと、を更に備え、顎部閉鎖位置では、第2の端が、チャネル内に後退し、顎部開放位置では、第2の端が、チャネルから延びる、実施例1~11の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0086】
実施例13.超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、ハウジング上に配置された電気コネクタであって、超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施例1~12の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0087】
実施例14.超音波外科用器具であって、エンドエフェクタと、開放位置と閉鎖位置との間で、エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含むトランスデューサアセンブリと、リンク部を介して顎部に移動可能に接続されたカムと、を備え、顎部閉鎖位置では、カムが、顎部の近位端に向かって延びるように構成され、顎部開放位置では、カムが、後退するように構成される、超音波外科用器具。
【0088】
実施例15.トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、第1のアームと、第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと、を更に備え、ハウジングが、第1のアームに固定的に接続され、第2のアームに取り外し可能に接続可能である、実施例14に記載の超音波外科用器具。
【0089】
実施例16.第1の電極と、第2電極と、を更に備え、第1の電極及び第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施例14又は実施例15に記載の超音波外科用器具。
【0090】
実施例17.超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、ハウジング上に配置された電気コネクタであって、超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施例14~16の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0091】
実施例18.超音波外科用器具であって、エンドエフェクタと、開放位置と閉鎖位置との間で、エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材伸長位置では、摺動可能な部材が、顎部の近位端に接触するように構成され、部材が、後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、突起であって、顎部閉鎖位置では、ばね付勢部材と接触するように構成され、顎部閉鎖位置では、摺動可能な部材を伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を備える、超音波外科用器具。
【0092】
実施例19.トランスデューサアセンブリが、ハウジング内に包囲され、ハウジングが、第1のアーム又は第2のアームのうちの少なくとも1つに取り外し可能に接続可能である、実施例18に記載の超音波外科用器具。
【0093】
実施例20.第1の電極と、第2電極と、を更に備え、第1の電極及び第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施例18又実施例19に記載の超音波外科用器具。
【0094】
実施例21.超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、ハウジング上に配置された電気コネクタであって、超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施例18~20の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0095】
実施例22.超音波外科用器具であって、第1のアームと、第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと、第1のアームの遠位端に配置された顎部と第2のアームの遠位端に配置された、エンドエフェクタであって、顎部が、開放位置と閉鎖位置との間で、エンドエフェクタに対して移動可能である、エンドエフェクタと、エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、顎部に対して近位の位置において、第1のアームを通って、第2のアームから延びるバー部材であって、第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を更に備える、超音波外科用器具。
【0096】
実施例23.トランスデューサアセンブリが、第1のアーム又は第2のアームのうちの少なくとも1つに取り外し可能に接続可能であるハウジング内に包囲されている、実施例22に記載の超音波外科用器具。
【0097】
実施例24.第1の電極と、第2電極と、を更に備え、第1の電極及び第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施例22又実施例23に記載の超音波外科用器具。
【0098】
実施例25.超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、ハウジング上に配置された電気コネクタであって、超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施例22~24の1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【0099】
〔実施の態様〕
(1) 超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
前記エンドエフェクタに重なる前記顎部の一部と同一の広がりを持つ印と、を備える、超音波外科用器具。
(2) 前記印が、色を含む、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(3) 第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施態様1に記載の超音波外科用器具
(4) 前記顎部上に配置された協働表面を更に備え、前記協働表面が、前記エンドエフェクタに整列されており、前記第1の電極が、前記協働表面と同一の広がりを持ち、前記第2の電極が、前記協働表面に近位に位置決めされている、実施態様3に記載の超音波外科用器具。
(5) 前記エンドエフェクタに隣接して固定的に取り付けられた第1の端と、前記顎部に隣接して枢動可能に取り付けられた第2の端と、を備える、リンク部を更に備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記リンク部が、枢動して前記顎部の近位端に接触するように構成され、
前記顎部開放位置では、前記リンク部が、前記顎部の前記近位端から離れて枢動するように構成されている、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
【0100】
(6) リンク部を介して前記顎部に移動可能に接続されたカムを更に備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記カムが、延びて前記顎部の近位端に接触するように構成され、
前記顎部開放位置では、前記カムが、後退するように構成されている、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(7) 後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材の伸長位置では、前記摺動可能な部材が、前記顎部の近位端に接触するように構成され、前記部材が、前記後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、
突起であって、前記顎部閉鎖位置では、前記ばね付勢部材と接触するように構成され、前記顎部閉鎖位置では、前記摺動可能な部材を前記伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を更に備える、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(8) 枢動可能部材を更に備え、前記枢動可能部材は、第1の位置から、前記枢動可能部材が前記顎部及び前記エンドエフェクタの側方側部を横切って延びている第2の位置へ枢動するように構成されている、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(9) 前記エンドエフェクタの上に嵌め込まれるように構成されたリングを更に備える、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(10) 前記エンドエフェクタと前記顎部との間に配置されたエラストマー部材を更に備え、前記顎部開放位置では、前記エラストマー部材が、前記エンドエフェクタと前記顎部との間で引き伸ばされ、前記顎部閉鎖位置では、前記エラストマー部材が、前記エンドエフェクタと前記顎部との間で圧縮される、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
【0101】
(11) 第1のアームであって、前記顎部が、前記第1のアームの遠位端に配置されている、第1のアームと、
前記第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームであって、前記エンドエフェクタが、前記第2のアームの遠位端に配置されている、第2のアームと、
前記顎部に対して近位の位置において、前記第1のアームを通って、前記第2のアームから延びるバー部材であって、前記第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を更に備える、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(12) 可撓性ストリップであって、
前記顎部に固定的に取り付けられた第1の端と、
第2の端と、を備える、可撓性ストリップと、
前記第2の端を摺動可能に受容するように構成されたチャネルと、を更に備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記第2の端が、前記チャネル内に後退し、前記顎部開放位置では、前記第2の端が、前記チャネルから延びる、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(13) 前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(14) 超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
開放位置と閉鎖位置との間で、前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
リンク部を介して前記顎部に移動可能に接続されたカムと、を備え、
前記顎部閉鎖位置では、前記カムが、前記顎部の近位端に向かって延びるように構成され、
前記顎部開放位置では、前記カムが、後退するように構成されている、超音波外科用器具。
(15) 前記トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
第1のアームと、
前記第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと、を更に備え、
前記ハウジングが、前記第1のアームに固定的に接続され、前記第2のアームに取り外し可能に接続可能である、実施態様14に記載の超音波外科用器具。
【0102】
(16) 第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施態様14に記載の超音波外科用器具。
(17) 前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施態様14に記載の超音波外科用器具。
(18) 超音波外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
開放位置と閉鎖位置との間で、前記エンドエフェクタに対して移動可能な顎部と、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
後退位置と伸長位置との間で移動可能な摺動可能な部材であって、摺動可能な部材の伸長位置では、前記摺動可能な部材が、前記顎部の近位端に接触するように構成され、前記部材が、前記後退位置に付勢されている、摺動可能な部材と、
突起であって、前記顎部閉鎖位置では、前記ばね付勢部材と接触するように構成され、前記顎部閉鎖位置では、前記摺動可能な部材を前記伸長位置に移動させるように構成されている、突起と、を備える、超音波外科用器具。
(19) 前記トランスデューサアセンブリが、ハウジング内に包囲され、前記ハウジングが、前記第1のアーム又は前記第2のアームのうちの少なくとも1つに取り外し可能に接続可能である、実施態様18に記載の超音波外科用器具。
(20) 第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施態様18に記載の超音波外科用器具。
【0103】
(21) 前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施態様18に記載の超音波外科用器具。
(22) 超音波外科用器具であって、
第1のアームと、
前記第1のアームに枢動可能に接続された第2のアームと
前記第1のアームの遠位端に配置された顎部と
前記第2のアームの遠位端に配置されたエンドエフェクタであって、前記顎部が、開放位置と閉鎖位置との間で、前記エンドエフェクタに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを超音波振動させるように構成された少なくとも2つの圧電素子を含む、トランスデューサアセンブリと、
前記顎部に対して近位の位置において、前記第1のアームを通って、前記第2のアームから延びるバー部材であって、前記第1のアームの回転円弧に対応する湾曲部を含む、バー部材と、を備える、超音波外科用器具。
(23) 前記トランスデューサアセンブリが、前記第1のアーム又は前記第2のアームのうちの少なくとも1つに取り外し可能に接続可能である、ハウジング内に包囲されている、実施態様22に記載の超音波外科用器具。
(24) 第1の電極と、
第2の電極と、を更に備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接触している組織が、信号を発生する、実施態様22に記載の超音波外科用器具。
(25) 前記超音波トランスデューサアセンブリを包囲するハウジングと、
前記ハウジング上に配置された電気コネクタであって、前記超音波トランスデューサアセンブリに電気的に連結され、超音波信号発生器に連結可能であり、前記ハウジング内の流体に接触するときに、短絡するように構成されている、電気コネクタと、を更に備える、実施態様22に記載の超音波外科用器具。
図1
図2A
図2B
図2C
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