(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024116
(43)【公開日】2022-02-08
(54)【発明の名称】遊技用貨幣の管理システム、及び保管箱
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20220201BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188548
(22)【出願日】2021-11-19
(62)【分割の表示】P 2018558809の分割
【原出願日】2017-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2016258007
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】 (修正有)
【課題】RFIDタグで情報が付与されたプレイングカードとRFIDタグで情報が付与された遊技用貨幣とを管理するシステムを提供する。
【解決手段】システムは、プレイングカードを保管するためのカード用引き出しと、遊技用貨幣を保管するためのチップ用引き出しとを含んで一体的に構成された保管箱と、カード用引き出しに保管されたプレイングカードに付与されたRFIDタグの情報を読み取るカード用RFIDリーダと、チップ用引き出しに保管された遊技用貨幣に付与されたRFIDタグの情報を読み取るチップ用RFIDリーダとを備え、カード用RFIDリーダとチップ用RFIDリーダとは、異なる周波数を用いて各RFIDタグの情報を読み取る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッフルプレイングカードのパッケージと遊技用貨幣(チップ)とを管理するシステムであって、
前記システムは、
所定数のデッキを構成するプレイングカードがランダムな順番にシャッフルされ、個々に1つの容器もしくはパッケージとして構成され、固有のカードIDが前記容器もしくはパッケージに付与されたシャッフルプレイングカードと、
チップIDを備えた遊技用貨幣(チップ)と、
前記シャッフルプレイングカードおよび前記遊技用貨幣(チップ)を用いてゲームが行われるゲームテーブルと、
カードルームから運ばれ前記ゲームテーブル上のカードシュータ装置に装着するシャッフルプレイングカードを複数保管するカード保管箱と、
前記ゲームテーブル上で使用する前記遊技用貨幣(チップ)を複数保管し開閉ロック装置を備えるチップ保管箱と、
を有し、
前記カードID及びチップIDは、無線タグを使用して特定され、
前記カード保管箱及びチップ保管箱は、保管している全てのシャッフルプレイングカードのカードIDを読み取る1または複数のカード用読取り装置を備えるとともに、保管されている全てのチップのチップIDを読み取る1または複数のチップ用読取り装置を備え、
前記カード用読取り装置及びチップ用読取り装置は、それぞれ互いに異なる周波数またはモードを使用した読取り装置により構成され、前記カードIDと前記チップIDとの無線タグによる読み取り不良を最小にした、シャッフルプレイングカードと遊技用貨幣(チップ)を管理するシステム。
【請求項2】
前記カードIDは、UHFの無線タグを使用し、前記チップIDはHFの無線タグを使用した、請求項1に記載のシャッフルプレイングカードと遊技用貨幣(チップ)を管理するシステム。
【請求項3】
前記カード用読取り装置及び前記チップ用読取り装置に接続され、前記カード用読取り装置により読み取った情報、又は前記チップ用読取り装置により読み取った情報に変動があった場合に、当該変動を検知する制御手段をさらに備えた、請求項1又は2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記カード用読取り装置は、電波方式によって前記無線タグの情報を読み取り、
前記チップ用読取り装置は、電磁誘導方式により前記無線タグの情報を読み取る、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
カード用RFIDタグでカード情報が付与されたプレイングカードとチップ用RFIDタグでチップ情報が付与された遊技用貨幣とを管理するシステムであって、
前記プレイングカードを保管するためのカード保管手段と、前記遊技用貨幣を保管するためのチップ保管手段とを含んで一体的に構成された保管手段と、
前記カード保管手段に保管されたプレイングカードに付与されたRFIDタグの情報を読み取るカード用RFIDリーダと、
前記チップ保管手段に保管された前記遊技用貨幣に付与されたRFIDタグの情報を読み取るチップ用RFIDリーダと、
を備え、
前記カード用RFIDリーダとチップ用RFIDリーダとは、異なる周波数を用いて各RFIDの情報を読み取る、システム。
【請求項6】
前記カード情報は、複数の前記プレイングカードからなるパッケージに対して付与され、前記チップ情報は、前記遊技用貨幣の各々に付与されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記パッケージに前記カード用RFIDタグが付されており、前記遊技用貨幣に前記チップ用RFIDタグが内蔵されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プレイングカードに前記カード用RFIDタグが内蔵されており、前記カード情報は、前記プレイングカードの各々に付与されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記カード用RFIDリーダ及び前記チップ用RFIDリーダに接続され、前記カード用RFIDリーダにより読み取った情報、又は前記チップ用RFIDリーダにより読み取った情報に変動があった場合に、当該変動を検知する制御手段をさらに備えた、請求項5~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記カード用RFIDリーダは、電波方式によって前記カード用RFIDタグの情報を読み取り、
前記チップ用RFIDリーダは、電磁誘導方式により前記チップ用RFIDタグの情報を読み取る、請求項5~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
カード用RFIDタグでカード情報が付与されたプレイングカードと、チップ用RFIDタグでチップ情報が付与された遊技用貨幣とを保管するための保管箱であって、
前記プレイングカードを保管するためのカード保管手段と、
前記遊技用貨幣を保管するためのチップ保管手段と、
前記カード保管手段に保管された前記プレイングカードの前記カード情報を読み取るためのカード用アンテナと、
前記チップ保管手段に保管された前記遊技用貨幣の前記チップ情報を読み取るためのチップ用アンテナと、
を備え、
前記カード用アンテナと前記チップ用アンテナとは、互いに異なる周波数の電波を用いて情報を読み取る、保管箱。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願では、2016年12月30日に日本国に出願された特許出願番号2016-258007の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、プレイングカードと遊技用貨幣を管理するシステム、及びプレイイングカードと遊技用貨幣を保管する保管箱に関する。
【背景技術】
【0003】
カジノやゲーム施設において行われる多くのテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。これらのゲームは52枚のプレイングカードからなる標準的なデッキを使用し、プレイ開始前にシャッフルされた複数のデッキ(6から9あるいは10デッキ)を備えるシュータから通常配布される。またカジノやゲーム施設においては、こうしたゲームに使用するために多数の遊技用貨幣(チップ)が使われる。
【0004】
遊技用貨幣(チップ)はゲームテーブル上のチップトレイに収められ、各ゲームが終了したのち、カジノ側が勝ったチップ(敗者のチップ)を回収して、チップトレイに収納されるとともに、勝者への掛け金の清算としてチップトレイからチップが支払われる。
【0005】
チップトレイの遊技用貨幣(チップ)が不足した場合、不足分のチップはカジノのケージ(キャッシャー)から直接チップトレイに運ばれ、チップトレイに補充される。ケージからチップトレイへのチップの運搬の際には、チップは専用のケース(例えば、100枚収納できるケース)に収納されて運ばれる。逆にチップトレイのチップが過剰になった場合には、余剰分のチップは専用のケースに収納されて、カジノのケージに直接運ばれる。
【0006】
カジノ内で使用されている遊技用貨幣(チップ)の計測のために、遊技用貨幣(チップ)の中にRFIDを埋め込んで、RFIDを読み取ることで遊技用貨幣(チップ)の数量及び金額を計測し、監視するという従来技術がある。RFID付チップを用いて、ゲームテーブル上のチップ、チップトレイに収納されたチップ、およびケージのチップを管理するという技術は公知であり特許文献1(米国特許5,735,742)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
テーブル上、チップトレイ、ケージなどカジノの一部分で遊技用貨幣(チップ)を管理するだけでは、不正や紛失等を防止することは困難である。とりわけチップトレイとケージの間での遊技用貨幣(チップ)の移動の際などにおける遊技用貨幣(チップ)の盗難、紛失を防止することは困難であるため、カジノ内にある遊技用貨幣(チップ)を常時監視することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の一態様のシステムは、シャッフルプレイングカードのパッケージと遊技用貨幣(チップ)とを管理するシステムであって、所定数のデッキを構成するプレイングカードがランダムな順番にシャッフルされ、個々に1つの容器もしくはパッケージとして構成され、固有のカードIDが前記容器もしくはパッケージに付与されたシャッフルプレイングカードと、チップIDを備えた遊技用貨幣(チップ)と、前記シャッフルプレイングカードおよび前記遊技用貨幣(チップ)を用いてゲームが行われるゲームテーブルと、カードルームから運ばれ前記ゲームテーブル上のカードシュータ装置に装着するシャッフルプレイングカードを複数保管するカード保管箱と、前記ゲームテーブル上で使用する前記遊技用貨幣(チップ)を複数保管し開閉ロック装置を備えるチップ保管箱とを有し、前記カードID及びチップIDは、無線タグを使用して特定され、前記カード保管箱及びチップ保管箱は、保管している全てのシャッフルプレイングカードのカードIDを読み取る1または複数のカード用読取り装置を備えるとともに、保管されている全てのチップのチップIDを読み取る1または複数のチップ用読取り装置を備え、前記カード用読取り装置及びチップ用読取り装置は、それぞれ互いに異なる周波数またはモードを使用した読取り装置により構成され、前記カードIDと前記チップIDとの無線タグによる読み取り不良を最小にした、シャッフルプレイングカードと遊技用貨幣(チップ)を管理するシステムである。
【0009】
前記カードIDは、UHFの無線タグを使用し、前記チップIDはHFの無線タグを使用ししてよい。
【0010】
上記システムは、前記カード用読取り装置及び前記チップ用読取り装置に接続され、前記カード用読取り装置により読み取った情報、又は前記チップ用読取り装置により読み取った情報に変動があった場合に、当該変動を検知する制御手段をさらに備えていてよい。
【0011】
前記カード用読取り装置は、電波方式によって前記無線タグの情報を読み取ってよく、前記チップ用読取り装置は、電磁誘導方式により前記無線タグの情報を読み取ってよい。
【0012】
本発明の他の態様のシステムは、カード用RFIDタグでカード情報が付与されたプレイングカードとチップ用RFIDタグでチップ情報が付与された遊技用貨幣とを管理するシステムであって、前記プレイングカードを保管するためのカード保管手段と、前記遊技用貨幣を保管するためのチップ保管手段とを含んで一体的に構成された保管手段と、前記カード保管手段に保管されたプレイングカードに付与されたRFIDタグの情報を読み取るカード用RFIDリーダと、前記チップ保管手段に保管された前記遊技用貨幣に付与されたRFIDタグの情報を読み取るチップ用RFIDリーダとを備え、前記カード用RFIDリーダとチップ用RFIDリーダとは、異なる周波数を用いて各RFIDの情報を読み取るシステムである。
【0013】
前記カード情報は、複数の前記プレイングカードからなるパッケージに対して付与されていてよく、前記チップ情報は、前記遊技用貨幣の各々に付与されていてよい。
【0014】
前記パッケージに前記カード用RFIDタグが付されていてよく、前記遊技用貨幣に前記チップ用RFIDタグが内蔵されていてよい。
【0015】
前記プレイングカードに前記カード用RFIDタグが内蔵されていてよく、前記カード情報は、前記プレイングカードの各々に付与されていてよい。
【0016】
前記カード用RFIDリーダ及び前記チップ用RFIDリーダに接続され、前記カード用RFIDリーダにより読み取った情報、又は前記チップ用RFIDリーダにより読み取った情報に変動があった場合に、当該変動を検知する制御手段をさらに備えていてよい。
【0017】
前記カード用RFIDリーダは、電波方式によって前記カード用RFIDタグの情報を読み取ってよく、前記チップ用RFIDリーダは、電磁誘導方式により前記チップ用RFIDタグの情報を読み取ってよい。
【0018】
本発明の一態様の保管箱は、カード用RFIDタグでカード情報が付与されたプレイングカードと、チップ用RFIDタグでチップ情報が付与された遊技用貨幣とを保管するための保管箱であって、前記プレイングカードを保管するためのカード保管手段と、前記遊技用貨幣を保管するためのチップ保管手段と、前記カード保管手段に保管された前記プレイングカードの前記カード情報を読み取るためのカード用アンテナと、前記チップ保管手段に保管された前記遊技用貨幣の前記チップ情報を読み取るためのチップ用アンテナとを備え、前記カード用アンテナと前記チップ用アンテナとは、互いに異なる周波数の電波を用いて情報を読み取る保管箱である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態の、テーブルゲームシステムの概要を示す概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施の形態のチップケースを示す斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の第1の実施の形態の変形例のチップケースを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態のチップを収納するチップケースを管理するシステムの全体の概要を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態のチップの斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるチップの正面断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施の形態の、管理システムのカード配布シュータに使用されるパッケージおよびパッケージが剥がされたシャッフルプレイングカードの斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2の実施の形態の複数のパッケージと、複数のチップケースを保管する、本発明の実施の形態の保管箱を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2の実施の形態のシャッフルプレイングカードのパッケージと、チップを収納するチップケースとを管理するシステムの概要を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施の形態のシャッフルプレイングカードのパッケージと、チップを収納するチップケースとを管理するシステムの概要を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3の実施の形態のシステムの構成を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の第3の実施の形態のカード用引き出しの一例の斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の第3の実施の形態の他の例のカード用引き出しの平面図である。
【
図13】
図13は、本発明の第3の実施の形態のチップ用引き出しの一例の平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第3の実施の形態の管箱を使用した管理システムにおけるカード6の移動を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態は、カジノの遊技用貨幣(チップ)をリアルタイムで監視するシステムを提供するものであり、カジノにある遊技用貨幣(チップ)の全てを管理して、異常が起こったときにはその対応を行うことができるものである。さらに遊技用貨幣(チップ)の管理と併せて、シャッフルプレイングカードパッケージについても一旦カジノ内で紛失されたものであれば誰かがその並びを知っているかもしれず、ゲームで使用することはできないため、紛失が起こらないよう常時監視するシステムを提供するものである。
【0021】
本発明の第1の実施の形態のチップを管理するシステムを以下に説明する。
図1は本発明の実施の形態のカジノのテーブルゲームの概要を示す説明図である。本実施例において、ゲームテーブル21は賭けている人2が賭け金としてチップ3を置く賭け領域24と、各ゲームが終了したのち負けチップ3Lの回収及び勝ちチップ3Wに対する償還を行うために、複数枚のチップが収納可能なチップトレイ17を有する。またゲームテーブル21上に置かれ、カード6の数(ランク)およびマークを読み取るカード読取部を有し、カードシュータ装置25が順次読み取ったカード6の数(ランク)の情報に基づいて、テーブルゲームのルールに従い、勝ち手を判定する制御部27を有するカードシュータ装置25が設置されている。
【0022】
負けチップ3Lの回収及び勝ちチップ3Wに対する償還が行われる前後のチップトレイ17におけるチップ3の増減額は、負けチップ3Lの回収及び勝ちチップ3Wに対する償還をする前のチップトレイ17内のチップ3の総額と負けチップ3Lの回収及び勝ちチップ3Wに対する償還をした後のチップトレイ17内のチップ3の総額とを比較することで算出できる。負けチップ3Lの回収及び勝ちチップ3Wに対する償還をする前のチップトレイ17内のチップ3の総額、及び負けチップ3Lの回収及び勝ちチップ3Wに対する償還をした後のチップトレイ17内のチップ3の総額は、チップ3内にその額を示すRFIDを埋め込むとともにチップトレイ17にRFIDリーダ18を設けることで、検出可能である。
【0023】
図2Aはカジノにおいて使用されるチップ120を複数枚収納するための専用のチップケース100の斜視図である。チップケース100は、上部101と下部102とが合わさって構成される。本実施の形態では、上部101及び下部102は、透明の樹脂でできている。カメラを使って収納されているチップを撮像することができるように、光を透過する光透過部分があってもよい。また、本実施の形態では、ケース100が上部101と下部102とからなる密閉構造であったが、光透過部分が穴あき状態となっていてもよい。
【0024】
本実施の形態では、ケース100は、それぞれ20枚のチップ3が重ねて収容される5本のカラムが並列に形成された形状を有し、
図2Aの例では、上部101及び下部102が収容される遊技用貨幣Cの形状に概略沿うように、各カラムの断面が多角形(8角形)になっている。
【0025】
チップケース100にはユニークなチップケースIDコード103が添付されている。チップケースIDコード103は、そのチップケースに収納されているチップ3のチップIDコード4と関連している。
【0026】
図2Bは、変形例のケース100´の斜視図である。ケース100´も透明の樹脂で構成される上部101´と下部102とからなる。本変形例では、上面が平面で形成されている。このように平面とすることで、カメラには、ケース100´の多角形断面の角による線状の影が映りこまず、カメラの撮影画像に対する画像解析において、チップ3の側面の情報を正確に識別できる。
【0027】
図3は本発明の実施の形態の、ゲームテーブル21の脇に設置され、チップ3が収納されているチップケース100を複数保管する保管箱200を使用した、チップの管理システムの概要を示す説明図である。保管箱200には補充用のチップ3がチップケース100に収められた状態で収容されており、チップトレイ17のチップ3が不足した際に、ディーラ11は保管箱200から補充用のチップ3をチップケース100ごと取り出し、チップトレイ17にセットする。またチップトレイ17のチップ3が過剰になった際には、余剰分のチップ3をチップケース100に収め、保管箱200に収容することができる。このため、保管箱200はゲームテーブル21の脇のディーラ11の横に置かれている。
【0028】
保管箱200に保管された、チップ3が収納されているチップケース100が不足した場合には、カジノ内のケージ(キャッシャー)201から必要な数のチップケース100を補充することができる。また保管箱200に保管するチップケース100が過剰になった際には、余剰分のチップケース100をケージ201に移動させることができる。
【0029】
チップケース100にはチップケースIDコード103が添付されており、保管箱200内に設置された1または複数のチップケースID読み取り用リーダ202によって、チップケース100に添付されたチップケースIDコード103が常時読み続けられている。
【0030】
また保管箱200は、保管している全てのチップ3のチップIDコード4を読み取る1または複数のチップ用リーダを備える。
【0031】
制御装置204は、チップ用リーダ203により読み取られたチップIDコード4を監視して、前記保管箱に保管されているチップ3の総数と、前記保管箱に保管されているすべてのチップIDコード4を出力する機能を有する。
【0032】
制御装置204は、ゲームテーブル21のチップフロート17に置かれたチップ3の増減量もしくは増減値、またはカジノのチップ3を管理するケージ201に置かれたチップ3の増減量もしくは増減値と、保管箱200内に収納されたチップ3の増減量もしくは増減値と、が一致するか否かを出力する機能を備える。
【0033】
保管箱200にあるチップケース100が決められたタイミング(例えば1分おきあるいは5分おきあるいは1時間おきあるいはそれ以上)に保管箱200にあるかどうか、制御装置204によって監視してもよい。保管箱200はチップケース100のチップケースIDコード103を読むためのチップケースID読み取り用リーダ202を保管箱200の引き出し205に配置していてもよい。保管箱200のチップケースID読み取り用リーダ202及びチップ用リーダ203はバーコードリーダーR(あるいはRFIDタグ読取装置かQRコード(登録商標)リーダー(図示せず)をバーコードリーダーRの代わりに用いてもよい)でよい。チップケースID読み取り用リーダ202及びチップ用リーダ203は引き出し205に設置されたスキャン手段53によってチップケース100の全てのIDコードを読むためにX方向とY方向をスキャンできるように設置されていてもよい。保管箱200の外部へチップケースID読み取り用リーダ202及びチップ用リーダ203によって得られた情報を送信するために伝達手段206も設けられている。保管箱200は引き出し205を開けて保管箱200からチップケース100を取り出すことを防ぐためのロック手段207を持つ。カジノで権限を有する人が保管箱200からチップケース100を出し入れする間のみ、ロック手段207は解錠される。カジノで権限を有する人だけがロック手段207を操作することができる。
【0034】
保管箱200は引き出し205が開くことを防ぐロック手段207を備え、ロック手段207も引き出し205が開いた状態を知らせるための知らせあるいは警告手段(無線でよい)を備えてもよい。引き出し205が開いたと知らせが入ると(あるいは随時)、権限を有する人か他の人による保管箱200からのチップケース100の出し入れを記録するため、保管箱200の画像を一番近い監視カメラ29で撮影してもよい。これらの行動(保管箱200が開いた状態の画像)を記録することによって、権限を有する人によってロック手段27が解錠されている(引き出し205が開いている)間のみ保管箱200からチップケース100を出し入れできるという事実を確認できる。これらの画像を監視することによって、保管箱200中の全てのチップケース100の存在が確認できる。
【0035】
保管箱200はチップケースIDコード103を読むための複数のリーダー202を保管箱200の内部の上部に有していてもよい。保管箱200は引き出し205を有し、引き出し205の開閉によりチップケース100を出し入れできる。保管箱200はチップケース100の不正な抜き取りを防ぐためのロック手段207を備える。さらに、他の考えとして、保管箱200はチップケース2を保管できる最大数と同じ数のリーダー202を保管箱200の内部の上部に備えてもよい。
【0036】
<チップの説明>
次に、本発明の実施の形態のチップについて説明する。
図4は、チップ3の積み重ねられた状態の斜視図であり、
図5は、チップ3の側断面図である。
図4に示すように、チップ3は、共通色層122の表面(上面と下面)にチップ3の種類(価値)を表す印刷123(100ポイントなど)が施され、最外層に透明層120が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらのチップ3は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(指定色層121、共通色層122、透明層120)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層120の端にR加工(丸い角)が施される。
【0037】
さらに、チップ3には、共通色層122の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによる標識Mが設けられている。この標識Mはチップ3の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てると標識Mが目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。印刷123やマークMを覆うように最外層には透明層120が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層120にはエンボス加工が施され、チップ3が互いに密着するのを防いでいる。
【0038】
印刷123(100ポイントなど)が施された最外層の透明層120の端はR加工(R)が施され、チップ3の打ち抜き工程において、共通色層122の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、チップ3は鋭利な端が残り手や他のチップ3を損傷するのを防いでいる。
【0039】
指定色層121は、
図5に示すように、指定色に着色された複数の層(
図5では3層)により形成されてもよい。指定色に着色された複数の層(
図5では3層)は互いに熱圧着されているので、
図5のように3層構造が目視可能な状態ではなく、
図5は説明上、指定色層121の3層を表している。さらには指定色層121の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、RFDIタグ125はその中に内蔵される。
【0040】
図4及び
図5に示したように、チップ3は、積層した多層構造になっており、側面に積層方向の縞模様がくっきりと形成されているので、従来チップに比べて、画像分析によって指定色層121の色(遊技用貨幣の種類)及び枚数の測定を容易かつ正確に行うことが可能となる。カメラによってチップ3の側面を撮影することで、指定色層121を明確に識別することができる。さらに、この画像解析に人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いれば、画像の分析、判定がより正確に可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0041】
次に本発明の第二の実施の形態の保管箱を使用した、チップとシャッフルプレイングカードのパッケージの管理システムの概要を以下で、説明する。本発明の第二の実施の形態ではチップとシャッフルプレイングカードのパッケージの両方を管理する。
【0042】
図6は本発明の実施の形態のカジノのテーブルゲームに使用されるランダムな順に並んだシャッフルプレイングカードのパッケージがカジノにおいて使用される概要を示す説明図である。本実施例においてシャッフルプレイングカード301Sは、パッケージ302として包装されているが、シャッフルプレイングカード301sがテーブル上のゲームに使用することができるようにパッケージ302の包装が解かれ、カードシュータ装置25に設置される。ゲームの間、ディーラ11がカード301をカードシュータ装置25から引き出しゲームテーブル21に配る。所定数のデッキ(通常6,8,9あるいは10デッキ)で構成される、各シャッフルプレイングカード301sのカードはランダムにシャッフルされ、個別にユニークなランダムな並びになるように製造され、バーコードリーダRにより個別に識別可能なバーコード303としてパッケージ302に付与されたパッケージIDコード304と合わせて包装される。RFID(あるいはRFタグ)はバーコード303の代わりにあるいは一緒にIDコード304として添付してもよい。
【0043】
(第2の実施の形態)
図7、8は本発明の第2の実施の形態の保管箱を使用した、チップとシャッフルプレイングカードのパッケージの管理システムの概要を示す説明図である。本発明の実施の形態は、ゲーム(バカラ)をプレイするためのチップ3とシャッフルプレイングカード301Sのパッケージ302との管理システムを提供する。保管箱200には補充用のチップ3がチップケース100に収められた状態で収容されており、チップトレイ17のチップ3が不足した際に、ディーラ11は保管箱200から補充用のチップ3をチップケース100ごと取り出し、チップトレイ17にセットする。またチップトレイ17のチップ3が過剰になった際には、余剰分のチップ3をチップケース100に収め、保管箱200に収容することができる。また保管箱200には、次のゲームで使うパッケージ302が収容されており、ディーラ11は保管箱200から次のゲームで使うパッケージ302を取り出し、カードシュータ装置25にシャッフルプレイングカード301sをセットする。
【0044】
チップケース100にはチップケースIDコード103が添付されており、保管箱200内に設置されたチップケースID読み取り用リーダ202によって、チップケース100に添付されたチップケースIDコード103が常時読み続けられている。またパッケージ302にはパッケージIDコード304が添付されており、保管箱200内に設置されたパッケージID読み取り用リーダ305によって、パッケージ302に添付されたパッケージIDコード304が常時読み続けられている。
【0045】
保管箱200は、保管している全てのシャッフルプレイングカードのプレイングカードIDコードを読み取る1または複数のパッケージID読み取り用リーダー305を備えるとともに、保管されている全てのチップケースのケースIDコードを読み取る1または複数のチップ用リーダ202、203を備える。
【0046】
制御装置204は、パッケージID読み取り用リーダ305により読み取られたプレイングカードIDコードおよびチップ用リーダ203により読み取られたチップケースIDコード103を監視して、保管箱200に保管されているシャッフルプレイングカード301sおよびチップケース100の総数と、保管箱200に保管されているすべてのパッケージIDコード304およびチップケースIDコード103を出力する機能を有する。
【0047】
制御装置204は、チップケース100のケースIDコード103を定期的に監視することにより、保管箱200内に収納されたチップケース100の増減を把握し、増減の把握時に保管箱200内に収納された全てのチップ3の価値の増減後の総額を出力する機能を備える。
【0048】
保管箱200にあるチップケース100及びパッケージ302が決められたタイミング(例えば1分おきあるいは5分おきあるいは1時間おきあるいはそれ以上)に保管箱200にあるかどうか、制御装置204によって監視してもよい。保管箱200はシャッフルプレイングカードのパッケージ302のIDコード304を読むためのパッケージID読み取りリーダー305及び、チップケース100のチップケースIDコード103を読むためのチップケースID読み取りリーダ202を保管箱200の引き出し205に配置していてもよい。保管箱200のパッケージID読み取りリーダー305及びチップケースID読み取りリーダ202はバーコードリーダーRあるいは監視カメラ29(あるいはRFIDタグ読取装置かQRコード(登録商標)リーダー(図示せず)をバーコードリーダーRの代わりに用いてもよい)でよい。パッケージID読み取りリーダー305及びチップケースID読み取りリーダ202は引き出し205に設置されたスキャン手段53によってパッケージ302の全てのIDコード304を読むためにX方向とY方向をスキャンできるように設置されている。保管箱200の外部へパッケージID読み取りリーダー305及びチップケースID読み取りリーダ202によって得られた情報を送信するために伝達手段206も設けられている。保管箱200は引き出し205を開けて保管箱200からパッケージ302を取り出すことを防ぐためのロック手段207を持つ。カジノで権限を有する人が保管箱200からパッケージ302を出し入れする間のみ、ロック手段207は解錠される(引き出し205は開かれる)。カジノで権限を有する人だけがロック手段207を操作することができる。
【0049】
保管箱200は引き出し205が開くことを防ぐロック手段207を備え、ロック手段207も引き出し205が開いた状態を知らせるための知らせあるいは警告手段(無線でよい)を備えてもよい。引き出し205が開いたと知らせが入ると(あるいは随時)、権限を有する人か他の人による保管箱200からのチップケースのパッケージ302の出し入れを記録するため、保管箱の画像を一番近い監視カメラ29で撮影してもよい。これらの行動(保管箱200が開いた状態の画像)を記録することによって、権限を有する人によってロック手段207が解錠されている(引き出し205が開いている)間のみ保管箱200からパッケージ302を出し入れできるという事実を確認できる。これらの画像を監視することによって、保管箱200中の全てのパッケージ302の存在が確認できる。
【0050】
図9は、本発明の第2の実施の形態のシャッフルプレイングカードのパッケージと、チップを収納するチップケースとを管理するシステムの概要を示す図である。保管箱200の他の実施例として、保管箱200はパッケージIDコード304を読むための複数のパッケージID読み取り用リーダー305及びチップケースIDコード103を読むための複数のチップケースID読み取りリーダー202を保管箱200の内部の上部に有する。保管箱200の上部に配置された各スキャニング手段53をY方向に移動させることによって、各IDコードリーダーはY方向に移動して各IDコードリーダーの下の各列にあるパッケージ302のパッケージIDコード304及びチップケース100チップケースIDコード103の全てを読み取る。保管箱200は引き出しを有し、引き出しの開閉によりパッケージ302及び、チップケース100を出し入れできる。保管箱200はパッケージ302、及びチップケース100の不正な抜き取りを防ぐためのロック手段56を備える。さらに、他の考えとして、保管箱200はパッケージ302及びチップケース100を保管できる最大数と同じ数のIDコードリーダーを保管箱200の内部の上部に備えてもよい。
【0051】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、上記の第2の実施の形態のように、保管箱200で遊技用貨幣3及びプレイングカード6についてIDの読み取りを行う技術の改良に関する。なお、第1又は第2の実施の形態で説明した事項は第3の実施の形態にも適用できる。
【0052】
遊技用貨幣とプレイングカードのように異なるアイテムにRFIDタグを付して管理をする場合、通常は同じ周波数のRFIDタグを使用し、RFIDタグにそのアイテムの内容を書き込む。これにより、RFIDタグを読み取ることでアイテムの内容を認識できる。例えば、衣料品販売店では靴下とシャツに同じ周波数の電波を使用するRFタグが付され、そのRFタグにそれが靴下であるかシャツであるかの情報(アイテムの種類を表す情報)が書き込まれる。そして、このRFタグを読み取ることで、その商品が靴下であるかシャツであるかを認識できる。
【0053】
しかしながら、カジノにおいて用いる遊技用貨幣及びプレイングカードのようなセキュリティアイテムの場合には、求められるセキュリティレベルがアイテムごとに異なる場合がある。また、同じ読取デバイス(RFIDリーダ)ですべての種類のセキュリティアイテムのRFIDタグを読取可能である状況は危険であり、セキュリティアイテムごとに読取デバイスを分けることが望ましい。
【0054】
本実施形態は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種類のセキュリティアイテムをRFIDで管理する場合に、その安全性を向上することである。
【0055】
以下、図面を参照して本実施の形態のシステムを具体的に説明する。なお、以下の説明において、上記の実施の形態の要素と同じ要素については同一の符号を付すことで説明を適宜省略する。
図10は、本実施の形態のシステムの構成を示す図である。システム500は、シャッフルプレイングカード301sのパッケージ302と遊技用貨幣(チップ)3とを管理する。システム500は、カードゲームを行うためのゲームテーブル21と、カードゲームで使用するプレイングカード6と遊技用貨幣3とを保管するための保管箱200とを備えている。
【0056】
ゲームテーブル21は、ディーラが位置するディーラポジションに対応する辺が直線状に形成され、複数のプレイヤが位置するプレイヤポジションに対応する辺が楕円曲線状に形成されている。ゲームテーブル21のディーラポジションの前には、ディーラの遊技用貨幣3を収容するためのチップトレイ17が設けられる。ゲームテーブル21の上では、プレイングカード6及び遊技用貨幣3を用いてゲームが行われる。
【0057】
チップトレイ17は、取り外し可能な方法でゲームテーブル21に埋め込まれる。ディーラは、カードゲームにおいて、負けたプレイヤがベットした遊技用貨幣3をゲームテーブル21から回収してチップトレイ17に収容し、勝ったプレイヤに対してチップトレイ17から遊技用貨幣3を払い出す。
【0058】
用いられる遊技用貨幣3は、第1の実施の形態で説明したものと同じであり、無線タグとしてRFIDタグ125を内蔵するとともに、側面に縞模様を有している。RFIDタグ125には、遊技用貨幣3を唯一に特定するチップIDと、当該遊技用貨幣3の価値を示す情報が記憶されている。また、側面の縞模様の色は遊技用貨幣3の価値を表している。
【0059】
ゲームテーブル21の上にはカードシュータ装置25が設置される。このカードシュータ装置25の構成も第1の実施の形態と同様であり、カードシュータ装置25には、パッケージ302から取り出された所定デッキ数のプレイングカードが収容されて、ディーラによって取り出し口から1枚ずつ取り出されてカードゲームに供される。
【0060】
カードシュータ装置25に収容されるプレイングカードは、パッケージ若しくは容器(以下単に「パッケージ」という。)302として提供される。所定数のデッキを構成するプレイングカードが、ランダムな順番にシャッフルされ、個々に1つのパッケージ302として構成される。パッケージ302の構成は第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、パッケージ302には無線タグとしてRFIDタグ306が付されている。RFIDタグ306には、各パッケージ302を唯一に特定するパッケージIDが記憶されている。なお、RFIDタグ306は、パッケージ302に埋め込まれ、又は内包されていてもよい。
【0061】
保管箱200は、キャビネットの形態を有しており、複数の引き出しを有している。本実施の形態では、上段の引き出しは、遊技用貨幣3を収容するチップ保管箱ないしチップ保管手段としてのチップ用引き出し210であり、下段の引き出しは、シャッフルプレイングカードのパッケージ302を収容するカード保管箱ないしカード保管手段としてのカード用引き出し220である。すなわち、保管箱200において、遊技用貨幣3とパッケージ302は、異なる引き出しに収容される。また、保管箱200には、チップ保管箱であるチップ用引き出し210とカード保管箱であるカード用引き出し220とを含んで一体的に構成される。
【0062】
チップ用引き出し210は、ゲームテーブル21上で使用する複数の遊技用貨幣3を保管する。カード用引き出し220は、カードルームから運ばれてゲームテーブル21上のカードシュータ装置25に装填されるシャッフルプレイングカードのパッケージ302を複数保管する。チップ用引き出し210及びカード用引き出し220は、開閉ロック装置としてのロック手段207を備えている。
【0063】
保管箱200は、ディーラからアクセスしやすく、かつ、プレイヤからアクセスしにくい位置として、ゲームテーブル21のディーラポジションの下に配置される。また、保管箱200には、第1の実施の形態と同様の制御手段204及び伝達手段206が設けられる。制御手段204は、記憶装置を含むコンピュータが本実施の形態の管理プログラムを実行することで構成される。また、伝達手段206は、有線又は無線で他の機器と通信を行う。
【0064】
図11は、カード用引き出し220の一例の斜視図である。
図11の例のカード用引き出し220は、パッケージ302を幅方向に3つ、奥行き方向に3つ収容可能な大きさを有し、最大で9つのパッケージ302を収容可能である。カード用引き出し220の左右の側壁には、パッケージ302に付されたRFIDタグ306を読み取るためのカード用アンテナ602が内蔵されている。なお、カード用アンテナ602は、側壁の内側面に張り付けられていてもよい。
【0065】
保管箱200は、さらにカード用アンテナ602に接続されたパッケージID読取用リーダ601を備え、パッケージID読取用リーダ601は制御手段204に接続される。パッケージID読取用リーダ601は、RFIDリーダであり、カード用アンテナ602を介してパッケージ302に付されたRFIDタグ306に記憶された情報を読み取る。カード用アンテナ602は、側壁の奥行き方向に延在しており、カード用引き出し220に収容されたすべてのパッケージ302のRFIDタグ306を読み取ることが可能である。このカード用RFIDリーダ601とカード用アンテナ602とパッケージ302に添付されたRFIDタグ306とで、カード用RFDIシステム600が構成される。
【0066】
図12は、他の例のカード用RFIDシステム600の平面図である。この例のカード用RFIDシステム600のカード用引き出し220は、横方向に3つ、奥行き方向に6つのパッケージ302を収容可能な大きさを有し、最大で18個のパッケージ302を収容可能である。保管箱200においてカード用引き出し220を上から覆う部材(チップ用引き出し210とカード用引き出し220とを仕切る板材)の下面には、幅方向に2つ、奥行き方向に3つの合計6つのカード用アンテナ602が設けられている。この6つのカード用アンテナ602を用いて、収容可能な18個のパッケージ302に付されたRFIDタグ306を読み取る。
【0067】
6つのカード用アンテナ602は、パッケージID読取用リーダとしてのカード用RFIDリーダ601に接続される。この場合に、カード用RFIDリーダ601が複数設けられ、1つのカード用RFIDリーダ601が1つのカード用アンテナ602に接続されてもよいし、1つのカード用RFIDリーダ601が複数のカード用アンテナ602に接続されてもよい。このように、1つ又は複数のRFDIリーダ601によって、カード用引き出し220に収容されているすべてのパッケージ302のRFDIタグ306を読み取ることができる。
【0068】
なお、
図12の例では、カード用アンテナ602は、保管箱200におけるチップ用引き出し210とカード用引き出し220とを仕切る板材に設けられたが、これに代えて、
図12と同様の配置でカード用引き出し220の底面に設けられてもよい。
【0069】
図13は、チップ用RFIDシステム700の一例の平面図である。
図13の例では、幅方向に3つ、奥行き方向に2つのチップケース100を収容可能な大きさを有し、最大で6つのチップケース100を収容可能である。なお、チップケース100は第1の実施の形態のチップケース100と同様の構成を有する。すなわち、チップケース100には、遊技用貨幣3を厚さ方向に重ねて収容する複数のカラムが互いに並行に形成されており、チップケース100は、100枚の遊技用貨幣3を収容可能である。
【0070】
6つのチップケース100の各々の収容位置には、チップケース100を両側から挟む左右一組のチップ用アンテナ702が設けられる。チップ用アンテナ702は、保管箱200においてチップ用引き出し210を覆う部材(保管箱200の天板)の下面に設けられて、下方に延びている。チップ用アンテナ702は、チップ用ID読取リーダとしてのチップ用RFIDリーダ701に接続される。この場合に、チップ用RFIDリーダ701が複数設けられ、1つのチップ用RFIDリーダ701が1つのチップ用アンテナ702に接続されてもよいし、1つのチップ用RFIDリーダ701が複数のチップ用アンテナ702に接続されてもよい。このように、1つ又は複数のRFIDリーダ701によって、チップ用引き出し210に収容されているすべての遊技用貨幣3のRFIDタグ125に記憶された情報を読み取ることができる。このチップ用RFIDリーダ701とチップ用アンテナ702と遊技用貨幣3に内蔵されたRFIDタグ125とで、チップ用RFIDシステム700が構成される。
【0071】
なお、
図13の例では、チップ用アンテナ702は、保管箱200の天板に設けられたが、これに代えて、
図13と同様の配置でチップ用引き出し210の底面の上面に設けられて、上方に延びていてもよい。
【0072】
以下、制御手段204の制御について説明する。まず、制御手段204は、第1及び第2の実施の形態と同様の機能を有する。制御手段204は、カード用RFIDシステム600によるパッケージ302に付されたRFIDタグ306の読取結果によって、保管箱200のカード用引き出し220に収容されているパッケージ302の数量とそのパッケージIDを把握する。
【0073】
また、制御手段204は、チップ用RFIDシステム700による遊技用貨幣3に内蔵されたRFIDタグ125の読取結果によって、保管箱200のチップ用引き出し210に収容されている遊技用貨幣3の数量と、チップIDと、価値とを把握する。制御手段204は、さらに、チップ用引き出し210に収容されている遊技用貨幣3の各価値の枚数に基づいて、チップ用引き出し210に収容されている遊技用貨幣3の価値の総額を求める。
【0074】
カード用RFIDシステム600及びチップ用RFIDシステム700は、所定の時間間隔で周期的にRFIDタグ125及びRFIDタグ306の読取りを行い、該当するゲームテーブル21を特定するテーブルIDとともにその読取結果を制御手段204に出力する。制御手段204は、カード用RFIDシステム600及びチップ用RFIDシステム700の読取結果を監視して、読取結果に変動があった場合に、当該変動を検知して、そのときの日時とともに、テーブルIDと読取結果を記憶装置に記録する。なお、これに代えて、制御手段204は、カード用RFIDシステム600及びチップ用RFIDシステム700のすべての読取結果を、そのときの日時及びテーブルIDとともに記憶装置に記録してもよい。あるいは、制御手段204とロック手段207とが連動して、ロック手段207のロックが解除されたときに、制御手段204が読取結果を記録するようにしてもよい。
【0075】
制御手段204には、警報手段(例えば、警報ランプ、警報音出力スピーカ)が接続されてよい。この場合において、制御手段204の記憶装置には、検知され得るすべてのパッケージID及びチップIDが記憶されており、制御手段204は、読み取ったパッケージIDやチップIDが記憶装置に記憶されたいずれかのパッケージID又はチップIDと合致するか否かを判断する。制御手段204は、読み取ったパッケージIDやチップIDが記憶装置に記憶されたいずれのパッケージID又はチップIDとも合致しない場合に、警報手段を制御して、警報手段から警報を出力(例えば、警報ランプを点灯、又は警報音出力スピーカから警報音を出力)してよい。
【0076】
制御手段204は、また、一度に2つ以上のパッケージ302が減少した場合(通常、パッケージ302は1つずつ取り出される)、遊技用貨幣3の枚数が100の倍数でない場合(通常、遊技用貨幣3はチップケース100に最大収容数100枚で収容されてチップ用引き出し210に収容される)に、それをパッケージ302や遊技用貨幣3の不正な移動として検知して、そのことを記録し、又は警報を出力してよい。
【0077】
上述のように、保管箱200において、遊技用貨幣3の収容場所とパッケージ302の収容場所とは、物理的に分けられているが、あくまでも保管箱200内で分離されているだけであってメートルオーダーで離れているわけではない。よって、カード用RFIDシステム600とチップ用RFIDシステム700との間の干渉を避ける必要がある。
【0078】
そこで、本実施の形態では、カード用RFIDシステム600とチップ用RFIDシステム700とで異なる周波数を採用する。具体的には以下のとおりである。本実施の形態では、チップ用RFIDシステム700には、電磁誘導方式を採用し、その使用周波数帯は、HF帯(MODE3)とする。HF帯(MODE3)は、13.56MHzの短波帯である。チップ用アンテナ702はコイル状に形成される。また、遊技用貨幣3に内蔵されるRFIDタグ125にもコイル状のアンテナが設けられる。遊技用貨幣3のアンテナは、チップ用アンテナ701との間でHF帯の電波を送受信し、またチップ用アンテナ701からHF帯の電波を受けてRFIDタグ125の動作電力を得る。
【0079】
HF帯は、通信距離(読み取り可能な距離)が短く指向性を有するため、読取るエリアを所定の範囲内に制限でき、読み取るべきでない位置にある遊技用貨幣3の読取りを意図的にしないようにできる。また、チップトレイ17に収容された遊技用貨幣3のRFIDタグ125の読取りを行う場合には、ゲームテーブル21上の遊技用貨幣3のRFIDタグ125は読まないようにできる。さらには、チップトレイ17に収容された遊技用貨幣3の読取りを行う際に、カラムごとにアンテナを分けることで、カラム間の干渉を避けつつカラムごとの読取りを行うことも可能である。また、遊技用貨幣3は、積み重ねて使用、管理されるが、HF帯を使用することで、遊技用貨幣3が積み重ねられて複数のRFIDタグ125が密集した状態となっていても読取が可能である。
【0080】
一方、カード用RFIDシステム600には、電波方式を採用する。その周波数帯は、UHF帯であり、900MHz帯の極超短波が用いられる。カード用アンテナ602は空間に電波を放射する。RFIDタグ306にもアンテナが設けられ、このアンテナで空間に放射された電波を受信する。UHF帯(極超短波)は、HF帯(短波帯)と比較して周波数が高いため、波長が短く、アンテナの小型化に有利である。また、UHF帯は、一般的にHF帯と比較して通信距離が長い。
【0081】
本実施の形態では、UHF帯を使用するカード用RFIDシステム600のカード用アンテナ601としては、
図12に示すように、パッチアンテナが使用され、パッケージ302のRFIDタグ306には、ダイポールタイプのアンテナが使用される。UHF帯で使用されるRFIDタグは、一般的に小さく、メモリ容量も小さいため、安価に製造できる。パッケージ302は、プレイングカードの使用後にプレイングカードとともに廃棄されるものであるため、安価であることが有利である。また、UHF帯は通信距離が長いため、パッケージ302がカートンに入れられた状態、あるいはさらにパレットに積まれた状態であっても、そのようなカートンないしパレットに含まれるパッケージ302をまとめて読取ることが可能となる。
【0082】
図14は、本発明の第3の実施の形態の保管箱を使用した管理システムにおけるカード6の移動を示す説明図である。プレイングカード6は、カードルームにおいてパッケージ302に収容されて保管されている。パッケージ302には、シャッフルされてランダムな順序に並べられた8デッキのプレイングカード6(シャッフルプレイングカード301s)からなる。保管箱200はゲームテーブル21ごとに設けられている。保管箱200においてパッケージ302のストックが少なくなると、カードルームから保管箱200にパッケージ302が補充される。この場合に、複数のパッケージ302(例えば9パッケージ)を含むパレットごとにカードルームから保管箱200に補充されてもよい。
【0083】
ゲームテーブル21には、カードシュータ装置25が設置される。また、ゲームテーブル21には、廃棄すべきプレイングカード6を入れる廃棄口28が設けられる。カードゲーム(本実施の形態ではバカラ)において、プレイングカード6は、ディーラによってカードシュータ装置25から1枚ずつ引き出されて、ゲームテーブル21に置かれる。1ゲームが終了すると、ゲームに使用されたゲームテーブル21上のプレイングカード6aは、廃棄口28から廃棄される。また、カードシュータ装置25からカットカードがドローされると、カードシュータ装置25に残っているプレイングカード6bは廃棄口28から廃棄される。廃棄口28から廃棄されたプレイングカード6は廃棄場所まで運ばれる。
【0084】
以上のように、本実施の形態によれば、カード用RFIDシステム600とチップ用RFIDシステム700とが互いに異なる周波数を用いて、互いの電波の干渉を防ぎ、パッケージ302に付与されたパッケージIDと遊技用貨幣3に付与されたチップIDとの干渉による読み取り不良を最小にしている。なお、より確実に干渉を防止するために、チップ用引き出し210とカード用引き出し220との間に、電波を遮断する遮蔽手段(例えば遮蔽板)を設けてもよい。
【0085】
なお、上記の実施の形態では、シャッフルプレイングカードのパッケージ302に対して、当該パッケージ302を唯一に特定するカードIDを付与したが、変形例として、これに代えて、又はこれに加えて、各プレイングカード6にRFIDタグを内蔵させてカード用RFIDシステム600を構成してもよい。この場合に、各プレイングカード6に内蔵されるRFIDタグには、各プレイングカード6を唯一に特定するカードIDが記憶される。
【0086】
また、上記の実施の形態では、各遊技用貨幣3に対して、当該遊技用貨幣3を唯一に特定するチップIDを付与したが、変形例として、これに代えて、又はこれに加えて、チップケース100にRFIDタグを付してチップ用RFIDシステム700を構成してもよい。この場合に、各チップケース100に付されるRFIDタグには、当該チップケースを唯一に特定するチップケースIDが記憶される。
【0087】
これらの変形例の場合にも、カード用RFIDシステム600とチップ用RFIDシステム700とで使用する電波の周波数を異ならせることで、互いの干渉を防ぐことができる。
【0088】
さらに、上記の実施の形態及びその変形例では、RFIDタグに当該RFIDタグが付されたアイテム(パッケージ302、遊技用貨幣3等)を唯一に特定するコード情報を記憶させたが、RFIDタグに記憶される情報はこれ以外の情報であってもよい。例えば、RFIDタグに、当該RFIDタグが付与されるアイテムの種類を示す情報(例えば、パッケージ302に付すRFIDタグ306にはパッケージであることを示す情報、遊技用貨幣3に内蔵されるRFIDタグ125には遊技用貨幣であることを示す情報)を記憶させてよい。この場合にも、カード用RFIDシステム600によってパッケージ302やプレイングカード6の数量を把握でき、チップ用RFIDシステム700によって遊技用貨幣3やチップトレイ100の数量を把握できる。
【0089】
また、上記の実施の形態では、カード用RFIDシステム600にUHF帯の周波数を用い、チップ用RFIDシステム700にHF帯の周波数を用いたが、カード用RFIDシステム600とチップ用RFIDシステム700とで使用する周波数帯が異なっていれば、カード用RFIDシステム600及びチップ用RFIDシステム700に用いる電波の周波数は上記の例に限られない。
【0090】
また、上記の実施の形態では、カード用RFIDシステム600は電波方式を採用し、チップ用RFIDシステム700は電磁誘導方式を採用したが、カード用RFIDシステム600及びチップ用RFIDシステム700の方式はこれらに限られず、使用する電波の周波数帯に応じて、あるいは他の要因に応じて、適宜の方式を採用することができる。
【0091】
(付記)
上記の従来の課題を解決するため、本願発明のシャッフルプレイングカードのパッケージと遊技用貨幣とを管理するシステムは、
所定数のデッキを構成するプレイングカードがランダムな順番にシャッフルされ、個々に1つの容器もしくはパッケージを管理するケージとして一体に構成され、固有のプレイングカードIDコードが前記容器もしくはパッケージを管理するケージに添付されたシャッフルプレイングカードと、
チップIDコードを備えた遊技用貨幣(チップ)を収納するとともにケースIDコードが付されたチップケースと、
前記シャッフルプレイングカードおよび前記遊技用貨幣(チップ)を用いてゲームが行われるゲームテーブルと、
前記ゲームテーブルの傍に設置され、カードルームから運ばれ前記ゲームテーブル上のカードシュータ装置に装着するシャッフルプレイングカードを複数保管するとともに、前記ゲームテーブル上で使用する前記遊技用貨幣(チップ)を収納した前記チップケースを複数保管し、前記シャッフルプレイングカードおよび前記チップトレイを取り出すことを可能にする開閉装置を備える保管箱と、
前記シャッフルプレイングカードおよび前記遊技用貨幣(チップ)を管理するための制御装置と、を有し、
前記保管箱は、保管している全てのシャッフルプレイングカードのプレイングカードIDコードを読み取る1または複数のカード用リーダを備えるとともに、保管されている全てのチップケースのケースIDコードを読み取る1または複数のチップ用リーダを備え、
前記制御装置は、前記カード用リーダにより読み取られたプレイングカードIDコードおよび前記チップ用リーダにより読み取られたケースIDコードを監視して、前記保管箱に保管されているシャッフルプレイングカードおよびチップケースの総数と、前記保管箱に保管されているすべてのプレイングカードIDおよびケースIDコードを出力する機能を有する、ものである。
【0092】
さらに前記保管箱は、前記保管箱からのシャッフルプレイングカードと遊技用貨幣(チップ)の前記チップケースの持ち出しを阻止するように構成されているロック手段を備えた、ものである。
【0093】
さらに前記保管箱は、前記シャッフルプレイングカードを保管するシャッフルプレイングカード保管箱と、前記遊技用貨幣(チップ)を独立して収納出し入れ可能にするチップ保管箱とを有する、ものであってもよい。
【0094】
さらに前記チップケースのケースIDコードは、ケース内の遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードと関連付けられており、
前記制御装置は、保管箱内に収納された全ての前記ケースIDコードを取得することにより、前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の総額を出力する機能を備えた、ものである。
【0095】
さらに前記制御装置は、前記チップケースのケースIDコードを定期的に監視することにより、保管箱内に収納された前記チップケースの増減を把握し、増減の把握時に前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の増減後の総額を出力する機能を備える、ものである。
【0096】
上記の従来の課題を解決するため、本願発明のシャッフルプレイングカードのパッケージと遊技用貨幣(チップ)とを管理するシステムは以下の形態であってもよい。すなわち、
所定数のデッキを構成するプレイングカードがランダムな順番にシャッフルされ、個々に1つの容器もしくはパッケージとして一体に構成され、固有のプレイングカードIDコードが前記容器もしくはパッケージに添付されたシャッフルプレイングカードと、
チップIDコードを備えた遊技用貨幣(チップ)を収納するチップケースと、
前記シャッフルプレイングカードおよび前記遊技用貨幣(チップ)を用いてゲームが行われるゲームテーブルと、
前記ゲームテーブルの傍に設置され、カードルームから運ばれ前記ゲームテーブル上のカードシュータ装置に装着するシャッフルプレイングカードを複数保管するとともに、前記ゲームテーブル上で使用する前記遊技用貨幣(チップ)を収納した前記チップケースを複数保管し、前記シャッフルプレイングカードおよび前記チップトレイを取り出すことを可能にする開閉装置を備える保管箱と、
前記シャッフルプレイングカードおよび前記遊技用貨幣(チップ)を管理するための制御装置と、を有し、
前記保管箱は、保管している全てのシャッフルプレイングカードのプレイングカードIDコードを読み取る1または複数のカード用リーダを備えるとともに、保管されている全ての遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードを読み取る1または複数のチップ用リーダを備え、
前記制御装置は、前記カード用リーダにより読み取られたプレイングカードIDコードおよび前記チップ用リーダにより読み取られたチップIDコードを監視して、前記保管箱に保管されているシャッフルプレイングカードおよび遊技用貨幣(チップ)の総数と、前記保管箱に保管されているすべてのプレイングカードIDおよびチップIDコードを出力する機能を有する、ものである。
【0097】
さらに前記制御装置は、前記保管箱内に存在する全てのチップIDコードを読み取ることにより、前記前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の総額を出力する機能を備える、ものである。
【0098】
さらに前記保管箱は、前記保管箱からのシャッフルプレイングカードと遊技用貨幣(チップ)の前記チップケースの持ち出しを阻止するように構成されているロック手段を備える、ものである。
【0099】
さらに前記保管箱は、前記シャッフルプレイングカードを保管するシャッフルプレイングカード保管箱と、前記遊技用貨幣(チップ)を独立して収納出し入れ可能にするチップ保管箱とを有する、ものである。
【0100】
さらに前記制御装置は、保管箱内に収納された前記遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードを定期的に監視することにより、保管箱内に収納された前記遊技用貨幣(チップ)の増減を把握し、増減の把握時に前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の増減後の総額を出力する機能を備える、ものである。
【0101】
上記の従来の課題を解決するため、本願発明の保管箱は、
カードルームから運ばれシャッフルプレイングカードを複数保管するとともに、前記シャッフルプレイングカードを個別に取り出してゲームテーブル上のカードシュータ装置に装着しゲームに使用可能とする保管箱で、さらに前記ゲームテーブル上で使用する前記遊技用貨幣(チップ)を収納したチップケースを複数保管し、前記ゲームテーブルのゲームの進展に応じ、前記ゲームテーブル上の前記遊技用貨幣(チップ)過不足時に前記チップケースを用いて前記ゲームテーブルの前記遊技用貨幣(チップ)の量を調整するとともにカジノのチップを管理するケージに移送する前の余剰前記遊技用貨幣(チップ)を保管可能とし、
前記ゲームテーブルの近傍に配置されシャッフルプレイングカードおよび前記チップトレイを必要により取り出すことを可能にする開閉装置を備える保管箱であって、
前記シャッフルプレイングカードは、所定数のデッキを構成するプレイングカードがランダムな順番にシャッフルされ、個々に1つの容器もしくはパッケージとして一体に構成され、固有のプレイングカードIDコードが前記容器もしくはパッケージに添付されており、
前記遊技用貨幣(チップ)は、チップIDコードを備え、ケースIDコードが付されたチップケースに収納されており、
前記保管箱は、保管している全てのシャッフルプレイングカードのプレイングカードIDコードを読み取る1または複数のカード用リーダを備えるとともに、保管されている全てのチップケースのケースIDコードもしくはチップケース内の前記遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードを読み取る1または複数のチップ用リーダを備え、
前記制御装置は、前記カード用リーダにより読み取られたプレイングカードIDコードおよび前記チップ用リーダにより読み取られたケースIDコードまたはチップIDコードを監視して、前記保管箱に保管されているシャッフルプレイングカードおよびチップケースの総数と、前記保管箱に保管されているすべてのプレイングカードIDおよびケースIDコードまたはチップIDコードを出力する機能を有する、シャッフルプレイングカードと遊技用貨幣(チップ)を管理する、ものである。
【0102】
さらに前記保管箱は、前記保管箱からのシャッフルプレイングカードもしくは遊技用貨幣(チップ)の持ち出しを阻止するように構成されているロック手段を備える、ものであってもよい。
【0103】
さらに前記保管箱は、前記シャッフルプレイングカードを保管するシャッフルプレイングカード保管箱と、前記遊技用貨幣(チップ)を独立して収納出し入れ可能にするチップ保管箱とを備える、ものであってもよい。
【0104】
さらに前記制御装置は、前記保管箱内に存在する全てのチップIDコードを読み取ることにより、前記前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の総額を出力する機能を備える、ものであってもよい。
【0105】
さらに前記チップケースのケースIDコードは、ケース内の遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードと関連付けられており、
前記制御装置は、保管箱内に収納された全ての前記ケースIDコードを取得することにより、前記ケースIDコードを基にして前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の総額を出力する機能を備える、ものであってもよい。
【0106】
上記の従来の課題を解決するため、本願発明の遊技用貨幣(チップ)を管理するシステムは、
チップIDコードを備えた遊技用貨幣(チップ)を収納するチップケースと、
ゲームテーブル上で使用する前記遊技用貨幣(チップ)を収納した前記チップケースを複数保管し、前記ゲームテーブルのゲームの進展に応じ、前記ゲームテーブルのチップフロートに置かれた前記遊技用貨幣(チップ)の過不足があった時に前記チップケースを用いて前記ゲームテーブルの前記チップフロートの前記遊技用貨幣(チップ)の量を調整するとともにカジノのチップを管理するケージに移送する前の余剰前記遊技用貨幣(チップ)を保管可能で、前記ゲームテーブルの近傍に配置されシャッフルプレイングカードおよび前記チップトレイを必要により取り出すことを可能にする開閉装置を備える保管箱と、
前記遊技用貨幣(チップ)を用いてゲームが行われるゲームテーブルと、
前記遊技用貨幣(チップ)を管理するための制御装置と、を有し、
前記保管箱は、保管している全ての遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードを読み取る1または複数のチップ用リーダを備え、
前記制御装置は、前記チップ用リーダにより読み取られたチップIDコードを監視して、前記保管箱に保管されている遊技用貨幣(チップ)の総数と、前記保管箱に保管されているすべてのチップIDコードを出力する機能を有する、ものである。
【0107】
さらに前記制御装置は、前記保管箱内に存在する全てのチップIDコードを読み取ることにより、前記前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の総額を出力する機能を備える、ものであってもよい。
【0108】
さらに前記保管箱は、前記保管箱から遊技用貨幣(チップ)の前記チップケースの 持ち出しを阻止するように構成されているロック手段を備える、ものであってもよい。
【0109】
さらに前記制御装置は、保管箱内に収納された前記遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードを定期的に監視することにより、保管箱内に収納された前記遊技用貨幣(チップ)の増減を把握し、増減の把握時に前記保管箱内に収納された全ての遊技用貨幣(チップ)の価値の増減後の総額を出力する機能を備える、ものであってもよい。
【0110】
さらに前記制御装置は、ゲームテーブルの前記チップフロートに置かれた前記遊技用貨幣(チップ)の増減量もしくは増減値、またはカジノのチップを管理する前記ケージに置かれた前記遊技用貨幣(チップ)の増減量もしくは増減値と、
保管箱内に収納された前記遊技用貨幣(チップ)の増減量もしくは増減値と、が一致するか否かを出力する機能を備える、ものであってもよい。
【0111】
さらに前記チップケースにはケースIDコードが付され、ケース内の遊技用貨幣(チップ)のチップIDコードと関連付けられている、ものであってもよい。