(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024240
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】アンテナの給電構造
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/38 20060101AFI20220202BHJP
H01P 5/08 20060101ALI20220202BHJP
H01Q 21/08 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01P5/08 B
H01P5/08 A
H01Q21/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119689
(22)【出願日】2020-07-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 元樹
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA11
5J021AB06
5J021CA05
5J046AA14
5J046AB03
5J046AB13
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
【課題】 基板上に形成されたアンテナに、ハンダ付けによる給電を行えるようにする。
【解決手段】 第1フィルム基板11aおよび第2フィルム基板11bは樹脂製の基板とされ、第1フィルム基板11aにはエレメントとエレメントに給電する給電ラインとが形成されている。耐熱性の給電基板21には、給電ケーブル31の内部導体と外部導体がハンダ付けされ、給電基板21の周縁の凹部が第2フィルム基板11bの給電部のグランド14にハンダ付け部15でハンダ付けされると共に、給電ラインの始端部13aに給電基板21の凹部の一つがハンダ付け部15aでハンダ付けされる。凹部は径の小さい円弧の半円状とされ、これにより、同軸ケーブル31からエレメントにハンダ付けによる給電がされるようになる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の基板の面に形成されたエレメントに給電する前記基板の面に形成された給電ラインおよびグランドを有する給電部と、
給電パターンと給電部グランドとが形成され、前記給電部上に載置される給電基板とを備え、
前記給電基板の縁部には、前記給電パターンの一端が形成されている半円状の第1凹部と、前記給電部グランドが形成されている半円状の第2凹部とが形成されており、前記給電基板が前記給電部上に載置された時に、前記給電ライン上に前記第1凹部が位置すると共に、前記グランド上に前記第2凹部が位置して、前記給電ラインと前記第1凹部の縁部に形成されている前記給電パターンの一端とがハンダ付けされていると共に、前記グランドと前記第2凹部の縁部に形成されている前記給電部グランドとがハンダ付けされていることを特徴とするアンテナの給電構造。
【請求項2】
前記基板は、耐熱性を有さない樹脂製の基板とされており、
前記給電基板の前記給電パターンに、前記エレメントに給電する同軸ケーブルの内部導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記同軸ケーブルの外部導体がハンダ付けされていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項3】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記同軸ケーブルの内部導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナの給電構造。
【請求項4】
前記給電基板上に前記エレメントに給電するコネクタが配置されて、前記給電基板の前記給電パターンに、前記コネクタの中心導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記コネクタのグランドとなる平板部がハンダ付けされていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項5】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナの給電構造。
【請求項6】
前記エレメントに給電するコネクタは、中心導体と、複数の係止孔が形成されたグランドとなる平板部とを有し、前記給電部の前記グランドおよび前記給電基板の前記給電部グランドに前記係止孔に対応する位置にそれぞれ挿通孔が形成されており、前記給電部の下から前記給電部および前記給電基板に形成された前記挿通孔に挿通した係止手段を前記平板部の前記係止孔に係止することにより、前記給電部の上に前記給電基板および前記コネクタが固着されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項7】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項6に記載のアンテナの給電構造。
【請求項8】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端に第1スルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成され、前記給電部の前記給電ラインの先端に第2スルーホールが形成されており、前記コネクタの中心導体が前記第1スルーホールを介して前記第2スルーホールに挿通されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項6に記載のアンテナの給電構造。
【請求項9】
前記給電基板は、プリント基板を分割することにより複数の前記給電基板を作成することができ、
前記プリント基板上には、前記給電パターンおよび前記給電部グランドが形成されていると共に、前記第1凹部および前記第2凹部の位置にスルーホールとされた円形の孔部がそれぞれ形成されており、前記プリント基板を分割する際に、前記円形の孔部が分割されることにより前記第1凹部および前記第2凹部が形成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のアンテナの給電構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に形成されて構成されたアンテナの給電構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信用のアンテナや自動車搭載用のアンテナの一つとして、フィルムアンテナが用いられている。フィルムアンテナは、絶縁性とされたフィルムの面にプリントや貼着等によりアンテナや給電ラインとして機能する導電層を形成して構成されている。特許文献1に従来のフィルムアンテナが開示されている。
従来のフィルムアンテナ100の構成を
図18に示す。
図18は従来のフィルムアンテナ100の構成を示す平面図である。
図18示す従来のフィルムアンテナ100は、ポリイミド樹脂等の合成樹脂製とされたフレキシブルなフィルム基板である誘電体基板110と,誘電体基板110の表面上に形成された導体箔からなる第1放射素子121および第2放射素子122とから構成されている。第1放射素子121と第2放射素子122とは横に並んで形成されており、互いに向き合う端部が給電領域114とされて、給電領域114に同軸ケーブル131から給電されている。この場合、同軸ケーブル131の外部導体が給電領域114において第1放射素子121の端部にハンダ付けされて接続され、同軸ケーブル131の内部導体が給電において第2放射素子122の端部にハンダ付けされて接続されている。これにより、同軸ケーブル131から第1放射素子121および第2放射素子122へ給電される。
【0003】
図19は、コネクタからアンテナに給電する従来の他のフィルムアンテナの構成の一例を示す斜視図であり、
図19にはフィルムアンテナにおける給電部の構成だけが示されている。
図20(a)は、給電部の構成を示す正面図であり、
図20(b)は給電部の構成を示す背面図である。
図19に示す従来の他のフィルムアンテナにおける給電部では、フレキシブルな合成樹脂製のフィルム基板211の表面上には図示しないアンテナの導電膜が形成されていると共に、このアンテナに給電する給電ライン213とグランド214とが形成されている。給電ライン213とグランド214とに金属製のコネクタ240から給電されている。
コネクタ240の構成を
図21(a)~(d)に示す。
図21(a)はコネクタ240の構成を示す上面図であり、
図21(b)はコネクタ240の構成を示す正面図であり、
図21(c)はコネクタ240の構成を示す側面図であり、
図21(d)はコネクタ240の構成を示す下面図である。
これらの図に示すように、コネクタ240は円筒部243と、円筒部243の下端に円筒部243と一体に設けられた矩形状のグランドとされる平板部241とを備えている。円筒部243の中心軸上には中心導体244が配置されて、円筒部243と中心導体244とにより同軸構造が形成されている。円筒部243の側周面にはネジ部が形成されており、このネジ部に同軸ケーブルの先端に装着された同軸プラグを螺着可能とされている。平板部241の裏面には、
図21(d)に示すように一の端縁から所定幅の凹溝242が形成されており、凹溝242の先端部は半円形に形成されて、当該半円形のほぼ中心に中心導体244の下端が臨んでいる。
【0004】
図19および
図20に戻り、上記説明したコネクタ240がフィルム基板211上に載置される。この際に、給電ライン213の先端には中心導体244の下端が挿通されるスルーホールが形成されており、このスルーホールに中心導体244の下端を挿入すると共に、平板部241における凹溝242が形成されていない縁を除く3縁がグランド214上に位置するように載置する。そして、平板部241の裏面の凹溝242がグランド214の間の給電ライン213を跨ぐように位置合わせする。次いで、フィルム基板211の裏面において中心導体244の先端をスルーホールにハンダ付け部215でハンダ付けする。さらに、フィルム基板211のおもて面において平板部241における凹溝242が形成されていない縁を除く3縁をグランド214にハンダ付け部215でハンダ付けする。これにより、コネクタ240から給電ライン213を介して図示しないアンテナに給電されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルムアンテナのフィルム基板は、高周波特性の優れたフィルム素材を用いることが好適とされており、高周波特性の優れた一般的なフィルム素材として、例えばPET(PolyEthylene Terephthalate)樹脂などのフレキシブルな樹脂素材が知られている。しかしながら、PET樹脂製のフィルム基板は、ハンダ付けに耐えられる耐熱性を有していないという問題点があった。このため、従来のフィルムアンテナ100ではハンダ付けに耐えられる耐熱性を有するポリイミド樹脂製の誘電体基板110とされていた。また、従来の他のフィルムアンテナのフィルム基板211には、コネクタ240がハンダ付けされることから、ハンダ付けに耐えられる耐熱性を有するフィルム基板211とする必要があった。
しかしながら、ハンダ付けに耐えられる耐熱性を有するポリイミド樹脂製のフィルム基板とすると、フィルム基板の高周波損失が周波数が高くなるにつれて増加し、アンテナ製品の高周波性能を重んじる場合は、ポリイミド樹脂製のフィルム基板を採用しがたかった。
すなわち、給電部において安定した電気性能を維持するためにはハンダ付けによる給電を行うことが最良とされているが、ハンダ付けには高熱を伴うことから、高周波特性は良好であるが耐熱性を有さないPET樹脂等のフィルム基板とすると、ハンダ付けによる給電を用いることができなかった。これに対して、耐熱性に優れるポリイミド樹脂製等のフィルム基板を用いてハンダ付けによる給電を行うようにすると、安定した電気性能を維持できるが、フィルム基板の高周波損失が周波数が高くなるにつれて増加してしまうという問題点があった。
【0007】
また、同軸ケーブルに替えてコネクタから給電するようにすると、フィルムアンテナの適用性が広がるようになり、従来の他のフィルムアンテナの給電部では、コネクタ240から給電できる構成とされている。
しかしながら、コネクタ240から給電できる構成の従来の他のフィルムアンテナでは、コネクタ240の平板部241において裏面に凹溝242を形成して給電ライン213を跨ぐ構成のコネクタ240とする必要があり、このため、一般的な構成のコネクタを使用することができないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することができるアンテナの給電構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のアンテナの給電構造は、樹脂製の基板の面に形成されたエレメントに給電する前記基板の面に形成された給電ラインおよびグランドを有する給電部と、給電パターンと給電部グランドとが形成され、前記給電部上に載置される給電基板とを備え、前記給電基板の縁部には、前記給電パターンの一端が形成されている半円状の第1凹部と、前記給電部グランドが形成されている半円状の第2凹部とが形成されており、前記給電基板が前記給電部上に載置された時に、前記給電ライン上に前記第1凹部が位置すると共に、前記グランド上に前記第2凹部が位置して、前記給電ラインと前記第1凹部の縁部に形成されている前記給電パターンの一端とがハンダ付けされていると共に、前記グランドと前記第2凹部の縁部に形成されている前記給電部グランドとがハンダ付けされていることを主要な特徴としている。
また、本発明のアンテナの給電構造において、前記基板は、耐熱性を有さない樹脂製の基板とされており、前記給電基板の前記給電パターンに、前記エレメントに給電する同軸ケーブルの内部導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記同軸ケーブルの外部導体がハンダ付けされている。
さらに、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記同軸ケーブルの内部導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされている。
【0010】
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電基板上に前記エレメントに給電するコネクタが配置されて、前記給電基板の前記給電パターンに、前記エレメントに給電する前記コネクタの中心導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記コネクタのグランドとなる平板部がハンダ付けされている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされている。
【0011】
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記エレメントに給電するコネクタは、中心導体と、複数の係止孔が形成されたグランドとなる平板部とを有し、前記給電部の前記グランドおよび前記給電基板の前記給電部グランドに前記係止孔に対応する位置にそれぞれ挿通孔が形成されており、前記給電部の下から前記給電部および前記給電基板に形成された前記挿通孔に挿通した係止手段を前記平板部の前記係止孔に係止することにより、前記給電部の上に前記給電基板および前記コネクタが固着されている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端に第1スルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成され、前記給電部の前記給電ラインの先端に第2スルーホールが形成されており、前記コネクタの中心導体が前記第1スルーホールを介して前記第2スルーホールに挿通されてハンダ付けされている。
【0012】
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電基板は、プリント基板を分割することにより複数の前記給電基板を作成することができ、前記プリント基板上には、前記給電パターンおよび前記給電部グランドが形成されていると共に、前記第1凹部および前記第2凹部の位置にスルーホールとされた円形の孔部がそれぞれ形成されており、前記プリント基板を分割する際に、前記円形の孔部が分割されることにより前記第1凹部および前記第2凹部が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のアンテナの給電構造は、樹脂製の基板の面に形成されたエレメントに給電する給電部上に、給電基板を載置して、給電基板の縁部に形成された半円状の凹部においてハンダ付けすることにより、給電基板から給電するようにしたので、ハンダ付けに耐えられる耐熱性を有さない基板とされていても、その基板上に形成されたアンテナに、ハンダ付けによる給電を行うことができるようになる。
また、本発明のアンテナの給電構造では、樹脂製の基板の面に形成されたエレメントに給電する給電部上に載置された給電基板上にエレメントに給電するコネクタが配置されていることから、一般的な構成のコネクタからエレメントに給電することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造を備えるフィルムアンテナの構成を斜視図で示す平面図である。
【
図2】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す背面図である。
【
図5】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の組立工程を説明する斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の他の組立工程を説明する斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施例のアンテナの給電構造のさらに他の組立工程を説明する斜視図である。
【
図8】本発明にかかるアンテナの給電構造が適用されるフィルムアンテナにおけるフィルム基板の構成を示す平面図、側面図、正面図、背面図である。
【
図9】本発明にかかるアンテナの給電構造の給電基板の構成を示す平面図、右側面図、左側面図、正面図、背面図である。
【
図10】本発明にかかるアンテナの給電構造の給電基板を作成する第1ステップを説明する図である。
【
図11】本発明にかかるアンテナの給電構造の給電基板を作成する第2ステップを説明する図である。
【
図12】本発明の第2実施例のアンテナの給電構造の組立工程を説明する斜視図である。
【
図13】本発明の第2実施例のアンテナの給電構造の他の組立工程を説明する斜視図である。
【
図14】本発明の第2実施例のアンテナの給電構造のさらに他の組立工程を説明する斜視図である。
【
図15】本発明の第2実施例のアンテナの給電構造の構成を示す正面図、斜視図で示す背面図である。
【
図16】本発明の第3実施例のアンテナの給電構造の組立工程を説明する斜視図である。
【
図17】本発明の第3実施例のアンテナの給電構造の他の組立工程を説明する斜視図である。
【
図18】従来のフィルムアンテナの構成を示す斜視図である。
【
図19】コネクタからアンテナに給電する従来のフィルムアンテナにおいて、給電部の構成を示す斜視図である。
【
図20】コネクタからアンテナに給電する従来の他のフィルムアンテナにおいて、給電部の構成を示す正面図、背面図である。
【
図21】コネクタからアンテナに給電する従来の他のフィルムアンテナにおけるコネクタの構成を示す上面図、正面図、側面図、下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<本発明の第1実施例のアンテナの給電構造>
本発明の第1実施例のアンテナの給電構造を備えるフィルムアンテナの構成を斜視図で示す平面図を
図1に示す。そして、本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を
図2ないし
図4に示す。
図2は本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す平面図であり、
図3は本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す正面図であり、
図4は本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す背面図である。
図1に示す本発明の第1実施例のアンテナの給電構造を備えるフィルムアンテナ1は、フィルム基板11と、フィルム基板11の上に載置された給電基板21とを備えている。フィルム基板11は、高周波特性の良好なPET等のフィルム素材からなり、フレキシブルな基板とされている。フィルム基板11は、矩形状の第1フィルム基板11aと、第1フィルム基板11aの一方の長辺のほぼ中央部から矩形状に突出している第2フィルム基板11bとから構成され、第1フィルム基板11aの一面に、アンテナを構成する複数のエレメント12と、エレメント12に給電する給電ライン13と、グランド14との導電膜がプリントや貼着等により形成されている。また、第2フィルム基板11bには、グランド14と給電ライン13の始端部13aとなる導電膜がプリントや貼着等により形成されて給電部を構成している。第2フィルム基板11bの給電部の上に載置されている給電基板21は、ガラスエポキシ樹脂やテフロン(登録商標)樹脂等の高周波特性の良好な耐熱性の基板とされており、エレメント12に給電ライン13を介して給電する同軸ケーブル31が給電基板21の上にハンダ付けされている。
【0016】
給電基板21は横長の矩形状とされて長辺の縁部に3つずつ半円状の凹部22が形成され、短辺の縁部には半円状の1つの凹部22aまたは2つの半円状の凹部22が形成されている。後述するが、給電基板21には給電ライン13の始端部13aに電気的に接続される給電パターンの導電膜と、グランド14に電気的に接続される給電部グランド21aの導電膜とがプリントや貼着等により形成されている。第2フィルム基板11bの上に給電基板21が載置されて、凹部22aに形成されている給電パターンと始端部13aとがハンダ付けされ、凹部22に形成されている給電部グランド21aとグランド14とがハンダ付けされている。これにより、同軸ケーブル31から給電基板21を介して給電ライン13に給電されてエレメント12に給電されるようになる。
このように、同軸ケーブル31からフィルムアンテナ1にハンダ付けによる給電を行う構造が本発明の第1実施例のアンテナの給電構造であり、第2フィルム基板11bの給電部と、給電基板21および同軸ケーブル31とにより構成されている。
【0017】
本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の構成を示す
図2ないし
図4は、
図1に示すフィルムアンテナ1の主に第2フィルム基板11bの給電部の構成を拡大して示す図とされている。これらの図に示すように、本発明の第1実施例のアンテナの給電構造では、同軸ケーブル31からフィルムアンテナ1にハンダ付けによる給電が行われている。この場合、同軸ケーブル31の内部導体31aの先端がL字状に折曲されて給電基板21の後述する給電パターンのスルーホールに挿入されてハンダ付けされ、同軸ケーブル31の先端部において被覆が取り除かれて露出した外部導体31cが給電基板21の給電部グランド21aにハンダ付けされている。そして、給電基板21の長辺に形成されている複数の凹部22の立設面には給電部グランド21aの導電膜が形成されており、これらの凹部22に形成されている給電部グランド21aは第2フィルム基板11bのグランド14にハンダ付けされている。さらに、給電基板21の一方に形成された凹部22aの立設面には給電パターンの先端となる導電膜が形成されており、この凹部22aに形成された給電パターンは給電ライン13の始端にハンダ付けされている。そして、半円状の凹部22は例えば約3mmの径の円弧で形成され、半円状の凹部22aは例えば約2.5mmの径の円弧で形成されることから、凹部22,22aに形成されている導電膜を第2フィルム基板11bに形成されている導電膜にハンダ付けする際に、ハンダ付けする領域が小さく限られ、第2フィルム基板11bに悪影響を及ぼすことなくハンダ付けを行うことができる。これにより、第2フィルム基板11bが耐熱性を有さないフィルム素材であっても、同軸ケーブル31は給電基板21にハンダ付けされることから、第2フィルム基板11bに悪影響を及ぼすことなくハンダ付けによる給電を行うことができる。
【0018】
<フィルム基板>
次に、本発明にかかるアンテナの給電構造が適用されるフィルムアンテナ1におけるフィルム基板11の構成を
図8(a)~(d)に示す。
図8(a)はフィルム基板11の構成を示す平面図であり、
図8(b)はフィルム基板11の構成を示す側面図であり、
図8(c)はフィルム基板11の構成を示す正面図であり、
図8(d)はフィルム基板11の構成を示す背面図である。
フィルム基板11は、高周波特性の良好なPET等のフィルム素材からなり、フレキシブルで透明な基板とされている。フィルム基板11は、矩形状の第1フィルム基板11aと、第1フィルム基板11aの一方の長辺のほぼ中央部から矩形状に突出している第2フィルム基板11bとから構成されている。
図8(a)~(d)に示すように、第1フィルム基板11aの一面に、アレーアンテナを構成する所定間隔で直線状に配列された4つのエレメント12と、4つのエレメント12にトーナメント状に分岐されたラインで給電する給電ライン13と、給電ライン13を取り囲むグランド14との導電膜がプリントや貼着等により形成されている。また、第2フィルム基板11bには、第1フィルム基板11aから延長するグランド14と給電ライン13の始端部13aとなる導電膜がプリントや貼着等により形成されて給電部が構成されている。グランド14は、給電ライン13および始端部13aを取り囲むように形成されている。
【0019】
<給電基板>
次に、本発明にかかるアンテナの給電構造が適用されるフィルムアンテナ1における給電基板21の構成を
図9(a)~(e)に示す。
図9(a)は給電基板21の構成を示す平面図であり、
図9(b)は給電基板21の構成を示す右側面図であり、
図9(c)は給電基板21の構成を示す左側面図であり、
図9(d)は給電基板21の構成を示す正面図であり、
図9(e)は給電基板21の構成を示す背面図である。
これらの図に示すように、給電基板21は横長の矩形状とされて両長辺の縁部のそれぞれに3つずつ半円状の凹部22が形成され、短辺の縁部の一方に1つの半円状の凹部22aが形成され、短辺の縁部の他方に2つの半円状の凹部22が形成されている。凹部22は所定の径の円の円弧で形成され、凹部22aは凹部22より若干小さい径の円の円弧で形成されている。給電基板21は、ガラスエポキシ樹脂やテフロン(登録商標)樹脂等の高周波特性の良好な耐熱性の基板とされており、ほぼ中央に形成された孔部にスルーホール23aが形成されている。給電基板21の一方の短辺に形成された凹部22aからスルーホール23aまで延伸している給電パターン23が給電基板21の裏面に形成されており、凹部22aの立設面に給電パターン23の端部となる導電膜が形成されていると共に、凹部22aを取り囲む円弧状の給電パターン23の導電膜がおもて面に形成されている。また、給電パターン23を取り囲むように給電部グランド21aの導電膜が裏面に形成されており、裏面に形成されている給電部グランド21aとほぼ同形状の給電部グランド21aがおもて面に形成されている。給電部グランド21aの導電膜は、長辺の縁部にそれぞれ形成された凹部22および短辺の他方の縁部に形成された凹部22の立設面にも形成されており、おもて面に形成された給電部グランド21aは、裏面に形成された給電部グランド21aと電気的に接続されている。
給電基板21の寸法の一例を挙げると、長辺の長さL1は約17mmとされ、短辺の幅W1は約10mmとされ、厚さD1は約0.8mmとされる。そして、凹部22を円弧で半円状に形成する円の所定の径は約3mmとされ、凹部22aを円弧で半円状に形成する円の所定の径は約2.5mmとされる。
【0020】
<本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の組立工程>
図5~7に戻り本発明の第1実施例のアンテナの給電構造の組立工程を説明する。
図5(a)は第1実施例のアンテナの給電構造の第1組立工程を説明する斜視図であり、
図5(b)は第1実施例のアンテナの給電構造の第2組立工程を説明する斜視図であり、
図6は第1実施例のアンテナの給電構造の第3組立工程を説明する斜視図であり、
図7は第1実施例のアンテナの給電構造の第4組立工程を説明する斜視図である。
本発明の第1実施例のアンテナの給電構造を組み立てる場合は、
図5(a)に示す第1組立工程が最初に行われる。この第1組立工程では、内部導体31aをL字状に折曲した同軸ケーブル31が給電基板21の上に配置されて、内部導体31aの先端が給電基板21のスルーホール23aに挿入されると共に、外部導体31cが給電基板21の給電部グランド21aの上に載置される。次いで行われる
図5(b)に示す第2組立工程では、内部導体31aがスルーホール23aにハンダ付け部25でハンダ付けされると共に、外部導体31cが給電基板21の給電部グランド21aの導電膜にハンダ付け部25でハンダ付けされる。これにより、同軸ケーブル31はハンダ付け部25でハンダ付けされて給電基板21の上に固着される。
【0021】
次いで行われる
図6に示す第3組立工程では、同軸ケーブル31がハンダ付け部25でハンダ付けされた給電基板21が、第2フィルム基板11bの上に配置されて、給電基板21が第2フィルム基板11bの給電部上に位置合わせされて載置される。これにより、凹部22aが給電ライン13の始端部13aの上に位置されると共に、スルーホール23aも始端部13aの上に位置されるようになり、さらに、給電基板21の長辺と他方の短辺とが、グランド14の上に位置されるようになる。次いで行われる
図7に示す第4組立工程では、凹部22aの立設面に形成されている給電パターン23の先端の導電膜と始端部13aの導電膜とがハンダ付け部15aでハンダ付けされると共に、給電基板21の長辺と短辺の他方とに形成されている合計8つの凹部22の立設面に形成されている給電部グランド21aの導電膜とグランド14の導電膜とがハンダ付け部15でハンダ付けされる。これにより、本発明の第1実施例のアンテナの給電構造が組み立てられ、同軸ケーブル31から第1フィルム基板11aに形成された4つのエレメント12に給電されるようになる。この給電は、給電部においてハンダ付けを行う本発明の第1実施例のアンテナの給電構造により行われることから、給電部において安定した電気性能を維持することができる。また、給電基板21の凹部22,22aに形成されている導電膜をフィルム基板11に形成されている導電膜にハンダ付けする際に、凹部22,22aは径の小さい円の円弧の半円状とされていることから、凹部22,22aにおけるハンダ付けする領域が小さく限られることになる。これにより、フィルム基板11がハンダ付けに耐えられる耐熱性を有さないフィルム基板であっても、フィルム基板11に悪影響を及ぼすことなく給電部においてハンダ付けを行うことができる。
【0022】
本発明の第1実施例の給電構造は、上記した組立工程の通りでなくても組み立てることができる。例えば、給電基板21をフィルム基板11に上記したようにハンダ付けした後に、同軸ケーブル31の内部導体31aと外部導体31cとを上記したように給電基板21にハンダ付けするようにしてもよい。
また、本発明の第1実施例の給電構造は、フレキシブルなフィルム基板11だけでなく、リジッド基板にも適用することができる。この場合、フィルム基板11の素材は、PETやポリイミド樹脂等のフィルム素材とすることができる。
【0023】
<給電基板の作成方法>
次に、本発明にかかるアンテナの給電構造が適用されるフィルムアンテナ1における給電基板21の作成方法を
図10、
図11を参照して説明する。
図10は給電基板21を作成する第1のステップを説明する図であり、
図11は給電基板21を作成する第2のステップを説明する図である。
図10、
図11に示す給電基板21の作成方法では、給電基板21を一度に複数枚、図示する例では9枚の給電基板21を一度に作成することができる。
図10に示す第1ステップでは、ガラスエポキシ樹脂やテフロン(登録商標)樹脂等の高周波特性が良好で耐熱性のプリント基板50の所定位置に貫通孔とされる孔部51aおよび孔部51bと孔部51cとが形成される。孔部51aの径は約3mmとされ凹部22が形成される位置に対応する位置に形成され、孔部51bの径は約2.5mmとされ凹部22aが形成される位置に対応する位置に形成され、孔部51cは同軸ケーブル31の内部導体31aが挿通可能な径とされスルーホール23aが形成される位置に対応する位置に形成される。縦横に破線で示す線は、切断線であり切断線で囲まれた矩形の領域により給電基板21が構成される。そこで、給電基板21となる領域において給電パターン23および給電部グランド21aの導電膜をプリントや貼着等によりプリント基板50の両面に形成する。この場合、孔部51aおよび孔部51bと孔部51cの内壁面にも導電膜が形成されてそれぞれスルーホールとなる。なお、給電パターン23および給電部グランド21aの形状や形成位置は
図9(a)~(e)に示す通りとされる。
【0024】
次いで、
図11に示す第2ステップでは
図10に破線で示す切断線に沿ってプリント基板50を切断する。これにより、9枚の給電基板21を一度に得ることができる。切断線でプリント基板50を切断することにより、孔部51aおよび孔部51bが分割されて、切断されて得られた給電基板21における凹部22は約3mmの径の円弧で半円状に形成され、凹部22aは約2.5mmの径の円弧で半円状に形成されることになる。
このようにして作成された給電基板21を上記説明した本発明の第1実施例のアンテナの給電構造に用いることができると共に、後述する本発明の第2実施例および第3実施例のアンテナの給電構造に用いることができる。
なお、プリント基板50の大きさを変えることにより、一度に得られる給電基板21の枚数を変更することができる。
図10に示すプリント基板50より大きくすれば一度に得られる給電基板21の枚数を増やすことができ、
図10に示すプリント基板50より小さくすれば一度に得られる給電基板21の枚数を減らすことができる。
【0025】
<本発明の第2実施例のアンテナの給電構造>
本発明の第2実施例のアンテナの給電構造は、同軸構造のコネクタ40からフィルムアンテナにハンダ付けによる給電を行う構造とされ、第1実施例のアンテナの給電構造における同軸ケーブル31に替えてコネクタ40を用いた構造とされている。本発明の第2実施例のアンテナの給電構造を備えるフィルムアンテナは、フィルム基板11と、フィルム基板11の上に載置された給電基板21とを備えており、給電基板21の上にコネクタ40が設けられている。フィルム基板11および給電基板21の構成は、本発明の第1実施例の給電構造と同様とされているので、その説明は省略する。また、コネクタ40は円筒部と、円筒部の下端に一体に形成された矩形状のグランドとされる平板部41とを備えている。円筒部の中心軸上には中心導体が配置されて、円筒部と中心導体とにより同軸構造が形成されている。円筒部の側周面にはネジ部が形成されており、このネジ部に同軸ケーブルの先端に装着された同軸プラグを螺着可能とされている。
【0026】
本発明の第2実施例のアンテナの給電構造の説明を、第2実施例のアンテナの給電構造の組立工程で説明する。
図12(a)は第2実施例のアンテナの給電構造の第1組立工程を説明する斜視図であり、
図12(b)は第2実施例のアンテナの給電構造の第2組立工程を説明する斜視図であり、
図13は第2実施例のアンテナの給電構造の第3組立工程を説明する斜視図であり、
図14は第2実施例のアンテナの給電構造の第4組立工程を説明する斜視図である。また、
図15(a)は第2実施例のアンテナの給電構造を示す正面図であり、
図15(b)は第2実施例のアンテナの給電構造を斜視図で示す背面図である。
本発明の第2実施例のアンテナの給電構造の組み立てる場合は、
図12(a)に示す第1組立工程が最初に行われる。この第1組立工程では、同軸構造のコネクタ40が給電基板21の上に配置されて、コネクタ40の中心導体42の先端が給電基板21のスルーホール23aに挿入されると共に、コネクタ40のグランドとされる矩形状の平板部41が給電基板21の給電部グランド21aの上に載置される。次いで行われる
図12(b)に示す第2組立工程では、中心導体42がスルーホール23aにハンダ付けされると共に、平板部41の周縁が給電基板21の給電部グランド21aの導電膜にハンダ付け部41aでハンダ付けされる。これにより、コネクタ40はハンダ付け部41a等でハンダ付けされて給電基板21の上に固着される。
【0027】
次いで行われる
図13に示す第3組立工程では、コネクタ40がハンダ付け部41a等でハンダ付けされた給電基板21が、第2フィルム基板11bの給電部の上に配置されて、給電基板21が第2フィルム基板11bの上に位置合わせされて載置される。これにより、凹部22aが給電ライン13の始端部13aの上に位置されると共に、スルーホール23aも始端部13aの上に位置されるようになり、さらに、給電基板21の長辺と他方の短辺とが、グランド14の上に位置されるようになる。次いで行われる
図14に示す第4組立工程では、凹部22aの立設面に形成されている給電パターン23の先端の導電膜と始端部13aの導電膜とがハンダ付け部15aでハンダ付けされると共に、給電基板21の長辺と短辺の他方とに形成されている合計8つの凹部22の立設面に形成されている給電部グランド21aの導電膜とグランド14の導電膜とがハンダ付け部15でハンダ付けされる。これにより、本発明の第2実施例のアンテナの給電構造が組み立てられ、コネクタ40から第1フィルム基板11aに形成された4つのエレメント12に給電されるようになる。給電する場合は、コネクタ40に給電用の同軸ケーブルが装着される。第1組立工程ないし第4組立工程で組み立てられた第2実施例のアンテナの給電構造の正面図は
図15(a)に示すようになり、背面図は
図15(b)に示すようになる。エレメント12への給電は、給電部においてハンダ付けを行う本発明の第2実施例のアンテナの給電構造により行われることから、給電部において安定した電気性能を維持することができる。また、給電基板21の凹部22,22aに形成されている導電膜をフィルム基板11に形成されている導電膜にハンダ付けする際に、凹部22,22aは径の小さい円の円弧の半円状とされていることから、凹部22,22aにおけるハンダ付けする領域が小さく限られることになる。これにより、フィルム基板11が耐熱性を有さないフィルム素材であっても、フィルム基板11に悪影響を及ぼすことなく給電部においてハンダ付けを行うことができる。
また、本発明の第2実施例の給電構造は、フレキシブルなフィルム基板11だけでなく、リジッド基板にも適用することができる。この場合、フィルム基板11の素材は、PETやポリイミド樹脂等のフィルム素材とすることができる。
【0028】
<本発明の第3実施例のアンテナの給電構造>
本発明の第3実施例のアンテナの給電構造は、同軸構造のコネクタ40’からフィルムアンテナにハンダ付けによる給電を行う構造とされ、コネクタ40’をフィルム基板11に固着する構成が変更されている。本発明の第3実施例のアンテナの給電構造を備えるフィルムアンテナは、フィルム基板11’と、フィルム基板11’の上に載置された給電基板21’とを備えており、給電基板21’の上にコネクタ40’が設けられている。フィルム基板11’および給電基板21’の構成は、本発明の第1,2実施例の給電構造におけるフィルム基板11および給電基板21の構成を一部変更した構成とされ、コネクタ40’は、本発明の第2実施例の給電構造におけるコネクタ40の構成を一部変更した構成とされている。
【0029】
本発明の第3実施例のアンテナの給電構造の説明を、第3実施例のアンテナの給電構造の組立工程で説明する。
図16は第3実施例のアンテナの給電構造の第1組立工程を説明する斜視図であり、
図17は第2実施例のアンテナの給電構造の第2組立工程を説明する斜視図である。
本発明の第3実施例のアンテナの給電構造の組み立ての説明に先立って、フィルム基板11’および給電基板21’の構成を説明する。フィルム基板11’は、第1,2実施例のアンテナの給電構造と同様の構成の第1フィルム基板11aと、第1,2実施例のアンテナの給電構造における第2フィルム基板11bに4つの挿通孔11cが形成されると共に、給電ライン13の始端部13aの先端にスルーホール11dが形成された第2フィルム基板11b’とから構成されている。また、給電基板21’は、第1,2実施例のアンテナの給電構造における給電基板21に4つの挿通孔21cが形成された給電基板21’とされている。さらに、コネクタ40’は、第2実施例のアンテナの給電構造におけるコネクタ40において、4つの角部にそれぞれネジ部41bが形成された矩形状の平板部41’を有するコネクタ40’とされている。平板部41’に形成された4つのネジ部41bに対応する位置に、第2フィルム基板11b’の挿通孔11cおよび給電基板21’の挿通孔21cが形成されている。
【0030】
本発明の第3実施例のアンテナの給電構造の組み立てる場合は、
図16に示す第1組立工程が最初に行われる。この第1組立工程では、同軸構造のコネクタ40’が給電基板21’の上に位置合わせされて配置され、コネクタ40’の中心導体42の先端が給電基板21’のスルーホール23aに挿入されると共に、第2フィルム基板11b’で構成される給電部の給電ライン13の始端部13aのスルーホール11dに挿入される。また、コネクタ40’のグランドとされる矩形状の平板部41’が給電基板21’の給電部グランド21aの上に載置され、4つのネジ部41bと挿通孔21cと挿通孔11cとの位置が合わされ、その延長線上にネジ45がそれぞれ配置される。
次いで行われる
図17に示す第2組立工程では、4本のネジ45を給電部の挿通孔11cの下から挿通して挿通孔21cに下から挿通し、さらにネジ部41bにそれぞれ下から螺着する。これにより、第2フィルム基板11b’の給電部の上に給電基板21’が固着されると共に、給電基板21’の上にコネクタ40’が固着されるようになる。次いで、コネクタ40’の中心導体42がスルーホール11dにハンダ付けされると共に、給電基板21’の凹部22aの立設面に形成されている給電パターン23の先端の導電膜と始端部13aの導電膜とがハンダ付け部15aでハンダ付けされ、さらに、給電基板21’の長辺と他方の短辺とに形成されている合計8つの凹部22の立設面に形成されている給電部グランド21aの導電膜とグランド14の導電膜とがハンダ付け部15でハンダ付けされる。
【0031】
これにより、本発明の第3実施例のアンテナの給電構造が組み立てられ、コネクタ40’から第1フィルム基板11aに形成された4つのエレメント12に給電されるようになる。給電する場合は、コネクタ40’に給電用の同軸ケーブルが装着される。エレメント12への給電は、給電部においてハンダ付けを行う本発明の第3実施例のアンテナの給電構造により行われることから、給電部において安定した電気性能を維持することができる。また、給電基板21’の凹部22,22aに形成されている導電膜をフィルム基板11’に形成されている導電膜にハンダ付けする際に、凹部22,22aは径の小さい円の円弧の半円状とされていることから、凹部22,22aにおけるハンダ付けする領域が小さく限られることになる。これにより、フィルム基板11’が耐熱性を有さないフィルム素材であっても、フィルム基板11に悪影響を及ぼすことなく給電部においてハンダ付けを行うことができる。
【0032】
本発明の第3実施例の給電構造は、上記した組立工程の通りでなくても組み立てることができる。例えば、コネクタ40’の中心導体42の先端が給電基板21’のスルーホール23aに挿入された際に、中心導体42をスルーホール23aにハンダ付けしてから第2フィルム基板11b’の給電ライン13の始端部13aのスルーホール11dに挿入してもよい。次いで、上記した第2組立工程を行うが、この場合は、中心導体42をスルーホール11dにハンダ付けしなくてもよい。また、上記した第2組立工程において、コネクタ40’の平板部41’の周縁を給電基板21’の給電部グランド21aの導電膜にハンダ付けしてもよい。
なお、コネクタ40’の平板部41’における4つの角部にそれぞれネジ部41bが形成されて、4本のネジ45を給電部の挿通孔11cの下から挿通して挿通孔21cに下から挿通し、さらにネジ部41bにそれぞれ下から螺着するようにしたが、これに限ることはなく、平板部41’における4つの角部に係止孔を形成して、4本の係止手段を給電部の挿通孔11cの下から挿通して挿通孔21cに下から挿通し、さらに係止孔にそれぞれ下から挿入して係止するようにしてもよい。係止手段は、例えばリベット等を用いることができる。
さらに、本発明の第3実施例の給電構造は、フレキシブルなフィルム基板11’だけでなく、リジッド基板にも適用することができる。この場合、フィルム基板11の素材は、PETやポリイミド樹脂等のフィルム素材とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上説明した本発明の実施例のアンテナの給電構造において、給電基板の縁部には半円状の凹部が形成されていたが、ここで云う半円状の凹部とは、円や楕円の一部を切り取った円弧の形状の凹部とされていればよく、厳密な半円状とされた凹部に限られるものではない。
【0034】
通信系、自動車搭載用機器系のアンテナ製品においては、ハンダ付けによる給電構造とすることで安定した電気性能を維持するようにしている。また、ガラス貼付のアンテナでは、その透過的視認性も重要視され、必然的に透明フィルムを用いたフィルムアンテナに利用価値が見出される。またIoT(Internet of Things)系での内蔵型アンテナとしても不可視性、筐体内部装荷時の物理的柔軟性を問われる事からフレキシブルなフィルムアンテナの採用の可能性も多く、通信事業者、IoT系での通信モジュール機器製品にも利便性を有している。このように、多様な通信メディアにおいては、非可視性、シームレスが望まれる製品としてフィルムアンテナが望まれる現状がある。
以上説明した本発明の実施例のアンテナの給電構造では、フィルムアンテナの基板としてハンダ付けに耐えられる耐熱性を有していないが透明でフレキシブルとされ高周波特性の良好なPET材等のフィルム素材を用いることができる。すなわち、本発明の実施例のアンテナの給電構造では、ハンダ付けに耐えられる耐熱性を有していないが透明でフレキシブルとされ高周波特性の良好なフィルム素材を用いてもハンダ付けによる給電を行うことができ、上記した問題を全て解決することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 フィルムアンテナ、11 フィルム基板、11a 第1フィルム基板、11b 第2フィルム基板、11c 挿通孔、11d スルーホール、12 エレメント、13 給電ライン、13a 始端部、14 グランド、15 ハンダ付け部、15a ハンダ付け部、21 給電基板、21a 給電部グランド、21c 挿通孔、22 凹部、22a 凹部、23 給電パターン、23a スルーホール、25 ハンダ付け部、31 同軸ケーブル、31a 内部導体、31c 外部導体、40 コネクタ、41 平板部、41a ハンダ付け部、41b ネジ部、42 中心導体、45 ネジ、50 プリント基板、51a 孔部、51b 孔部、51c 孔部、100 フィルムアンテナ、110 誘電体基板、114 給電領域、121 第1放射素子、122 第2放射素子、131 同軸ケーブル、211 フィルム基板、213 給電ライン、214 グランド、215 ハンダ付け部、240 コネクタ、241 平板部、242 凹溝、243 円筒部、244 中心導体
【手続補正書】
【提出日】2021-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の基板の面に形成されたエレメントに給電する前記基板の面に形成された給電ラインおよびグランドを有する給電部と、
給電パターンと給電部グランドとが形成され、前記給電部上に載置される給電基板とを備え、
前記給電基板の縁部には、前記給電パターンの一端が形成されている半円状の第1凹部と、前記給電部グランドが形成されている半円状の第2凹部とが形成されており、前記給電基板が前記給電部上に載置された時に、前記給電ライン上に前記第1凹部が位置すると共に、前記グランド上に前記第2凹部が位置して、前記給電ラインと前記第1凹部の縁部に形成されている前記給電パターンの一端とがハンダ付けされていると共に、前記グランドと前記第2凹部の縁部に形成されている前記給電部グランドとがハンダ付けされていることを特徴とするアンテナの給電構造。
【請求項2】
前記基板は、耐熱性を有さない樹脂製の基板とされており、
前記給電基板の前記給電パターンに、前記エレメントに給電する同軸ケーブルの内部導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記同軸ケーブルの外部導体がハンダ付けされていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項3】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記同軸ケーブルの内部導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナの給電構造。
【請求項4】
前記給電基板上に前記エレメントに給電するコネクタが配置されて、前記給電基板の前記給電パターンに、前記コネクタの中心導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記コネクタのグランドとなる平板部がハンダ付けされていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項5】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナの給電構造。
【請求項6】
前記エレメントに給電するコネクタが前記給電基板上に配置されており、該コネクタは、中心導体と、複数の係止孔が形成されたグランドとなる平板部とを有し、前記給電部の前記グランドおよび前記給電基板の前記給電部グランドに前記係止孔に対応する位置にそれぞれ挿通孔が形成されており、前記給電部の下から前記給電部および前記給電基板に形成された前記挿通孔に挿通した係止手段を前記平板部の前記係止孔に係止することにより、前記給電部の上に前記給電基板および前記コネクタが固着されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項7】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項6に記載のアンテナの給電構造。
【請求項8】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端に第1スルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成され、前記給電部の前記給電ラインの先端に第2スルーホールが形成されており、前記コネクタの中心導体が前記第1スルーホールを介して前記第2スルーホールに挿通されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項6に記載のアンテナの給電構造。
【請求項9】
前記給電基板は、プリント基板を分割することにより複数の前記給電基板を作成することができ、
前記プリント基板上には、前記給電パターンおよび前記給電部グランドが形成されていると共に、前記第1凹部および前記第2凹部の位置にスルーホールとされた円形の孔部がそれぞれ形成されており、前記プリント基板を分割する際に、前記円形の孔部が分割されることにより前記第1凹部および前記第2凹部が形成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のアンテナの給電構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記エレメントに給電するコネクタが前記給電基板上に配置されており、該コネクタは、中心導体と、複数の係止孔が形成されたグランドとなる平板部とを有し、前記給電部の前記グランドおよび前記給電基板の前記給電部グランドに前記係止孔に対応する位置にそれぞれ挿通孔が形成されており、前記給電部の下から前記給電部および前記給電基板に形成された前記挿通孔に挿通した係止手段を前記平板部の前記係止孔に係止することにより、前記給電部の上に前記給電基板および前記コネクタが固着されている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端に第1スルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成され、前記給電部の前記給電ラインの先端に第2スルーホールが形成されており、前記コネクタの中心導体が前記第1スルーホールを介して前記第2スルーホールに挿通されてハンダ付けされている。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の基板の面に形成されたエレメントに給電する前記基板の面に形成された給電ラインおよびグランドを有する給電部と、
給電パターンと給電部グランドとが形成され、前記給電部上に載置される給電基板とを備え、
前記給電基板の縁部には、前記給電パターンの一端が形成されている半円状の第1凹部と、前記給電部グランドが形成されている半円状の第2凹部とが形成されており、前記給電基板が前記給電部上に載置された時に、前記給電ライン上に前記第1凹部が位置すると共に、前記グランド上に前記第2凹部が位置して、前記給電ラインと前記第1凹部の縁部に形成されている前記給電パターンの一端とがハンダ付けされていると共に、前記グランドと前記第2凹部の縁部に形成されている前記給電部グランドとがハンダ付けされていることを特徴とするアンテナの給電構造。
【請求項2】
前記基板は、耐熱性を有さない樹脂製の基板とされており、
前記給電基板の前記給電パターンに、前記エレメントに給電する同軸ケーブルの内部導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記同軸ケーブルの外部導体がハンダ付けされていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項3】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記同軸ケーブルの内部導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナの給電構造。
【請求項4】
前記給電基板上に前記エレメントに給電するコネクタが配置されて、前記給電基板の前記給電パターンに、前記コネクタの中心導体がハンダ付けされ、前記給電部グランドに前記コネクタのグランドとなる平板部がハンダ付けされていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項5】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナの給電構造。
【請求項6】
前記エレメントに給電するコネクタが前記給電基板上に配置されており、該コネクタは、中心導体と、複数の係止孔が形成されたグランドとなる平板部とを有し、前記給電部の前記グランドおよび前記給電基板の前記給電部グランドに前記係止孔に対応する位置にそれぞれ挿通孔が形成されており、前記給電部の下から前記給電部および前記給電基板に形成された前記挿通孔に挿通した係止手段を前記平板部の前記係止孔に係止することにより、前記給電部の上に前記給電基板および前記コネクタが固着されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナの給電構造。
【請求項7】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項6に記載のアンテナの給電構造。
【請求項8】
前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端に第1スルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成され、前記給電部の前記給電ラインの先端に第2スルーホールが形成されており、前記コネクタの中心導体が前記第1スルーホールを介して前記第2スルーホールに挿通されてハンダ付けされていることを特徴とする請求項6に記載のアンテナの給電構造。
【請求項9】
前記給電基板は、プリント基板を分割することにより複数の前記給電基板を作成することができ、
前記プリント基板上には、前記給電パターンおよび前記給電部グランドが形成されていると共に、前記第1凹部および前記第2凹部の位置にスルーホールとされた円形の孔部がそれぞれ形成されており、前記プリント基板を分割する際に、前記円形の孔部が分割されることにより前記第1凹部および前記第2凹部が形成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のアンテナの給電構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記エレメントに給電するコネクタが前記給電基板上に配置されており、該コネクタは、中心導体と、複数の係止孔が形成されたグランドとなる平板部とを有し、前記給電部の前記グランドおよび前記給電基板の前記給電部グランドに前記係止孔に対応する位置にそれぞれ挿通孔が形成されており、前記給電部の下から前記給電部および前記給電基板に形成された前記挿通孔に挿通した係止手段を前記平板部の前記係止孔に係止することにより、前記給電部の上に前記給電基板および前記コネクタが固着されている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端にスルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成されており、前記コネクタの中心導体が前記スルーホールに挿入されてハンダ付けされている。
さらにまた、本発明のアンテナの給電構造において、前記給電パターンは前記給電基板の裏面に形成されていると共に、他端に第1スルーホールが形成され、前記給電部グランドは、前記給電パターンを取り囲むように前記給電基板の両面に形成され、前記給電部の前記給電ラインの先端に第2スルーホールが形成されており、前記コネクタの中心導体が前記第1スルーホールを介して前記第2スルーホールに挿通されてハンダ付けされている。