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特開2022-24258電極活物質とその製造方法、および二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024258
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】電極活物質とその製造方法、および二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/36 20060101AFI20220202BHJP
   H01M 4/505 20100101ALN20220202BHJP
【FI】
H01M4/36 C
H01M4/505
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120011
(22)【出願日】2020-07-13
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、独立行政法人科学技術振興機構、先端的低炭素化技術開発事業(ALCA)特別重点技術領域次世代蓄電池「研究題目名新原理に基づく金属負極を有する高性能新電池の創製」委託研究、及び、平成31年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、先端的低炭素化技術開発事業「(1)Mg金属電池電解液の作製(2)Mg金属負極とLi金属負極の電気化学挙動の比較」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(71)【出願人】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】梶原 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】金村 聖志
(72)【発明者】
【氏名】万代 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘明
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA02
5H050AA07
5H050BA15
5H050CA09
5H050CB03
5H050EA01
5H050EA22
5H050FA17
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA12
5H050GA26
5H050HA02
(57)【要約】
【課題】電極活物質の表面修飾によって、充放電時の副反応を防ぎ、充放電特性の低下を抑えることが可能な電極活物質、および電極活物質を含むスラリーの混和を促進し、均一性や平滑性、電極金属箔との結着性に優れた塗工電極を提供する。
【解決手段】本発明の電極活物質は、電解液に対して反応性を有し、遷移金属元素の化合物からなる活物質粒子と、前記活物質粒子の表面を覆い、リン酸またはリン酸化合物からなる第一被膜と、を備えた表面修飾活物質を主成分として含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液に対して反応性を有し、遷移金属元素の化合物からなる活物質粒子と、
前記活物質粒子の表面を覆い、リン酸またはリン酸誘導体からなる第一被膜と、を備えた表面修飾活物質を主成分として含むことを特徴とする電極活物質。
【請求項2】
前記第一被膜が、リン酸、ポリリン酸、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つと、前記遷移金属元素の一部と、が反応して生成されたリン酸化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の電極活物質。
【請求項3】
前記第一被膜が、有機基Rを含むホスホン酸RPO(OH)、有機基R、Rを含むホスフィン酸RPO(OH)、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つと、前記遷移金属元素の一部と、が反応して生成されたリン酸化合物からなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電極活物質。
【請求項4】
前記ホスホン酸RPO(OH)、前記ホスフィン酸RPO(OH)、およびそれらの前記誘導体のうち少なくとも一つが、炭化水素基を有することを特徴とする請求項3に記載の電極活物質。
【請求項5】
前記ホスホン酸RPO(OH)、前記ホスフィン酸RPO(OH)、およびそれらの前記誘導体のうち少なくとも一つが、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4に記載の電極活物質。
【請求項6】
前記表面修飾活物質が、前記第一被膜の表面を覆い、電解液に対して非反応性を有する化合物からなる第二被膜を、さらに備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電極活物質。
【請求項7】
前記遷移金属元素の化合物が、リチウムまたはマグネシウムを挿入脱離できることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電極活物質。
【請求項8】
正極活物質、負極活物質のうち少なくとも一方が、請求項1~7のいずれか一項に記載の電極活物質であることを特徴とする二次電池。
【請求項9】
請求項7に記載の電極活物質の製造方法であって、
リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、またはそれらの誘導体の塩の溶液中で、遷移金属元素の化合物からなる粉末を表面修飾する第一工程と、
表面修飾した前記粉末を洗浄した後に回収し、乾燥させる第二工程と、を有することを特徴とする電極活物質の製造方法。
【請求項10】
乾燥させた前記粉末を加熱する第三工程を、さらに有することを特徴とする請求項9に記載の電極活物質の製造方法。
【請求項11】
前記第一工程と前記第二工程、または前記第一工程、前記第二工程、前記第三工程を、順に繰り返して行うことを特徴とする請求項9または10のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極活物質とその製造方法、および二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電極活物質の電気化学特性を向上させる手段の一つとして、表面修飾による表面改質が挙げられる。表面修飾を行うことで、電極表面の活性サイトで起こる電解液の酸化分解・還元分解などの副反応を抑制し、充電容量に対する放電容量の割合であるクーロン効率を改善できることが期待される。
【0003】
リチウムイオン二次電池や全固体リチウム電池の正極活物質に対しては、各種酸化物のコーティングによってサイクル特性、レート特性の改善や、表面副反応の抑制が行えることが知られている(非特許文献1、2)。また、リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質の充放電特性やサイクル特性が、フルオロアルキル基を含むカップリング剤を用いた表面修飾によって改善できることが報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/081348号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】N. Ohta, K. Takada, I. Sakaguchi, L. Zhang, R. Ma, K. Fukuda, M. Osada, T. Sasaki, Electrochem. Commun. 9, 1486 (2007)
【非特許文献2】Z. Chen, Y. Qin, K. Amine, Y.-K. Sun, J. Mater. Chem. 20, 7606 (2010); P. Guan, L. Zhou, Z. Yu, Y. Sun, Y. Liu, F. Wu, Y. Jiang, D. Chu, J. Energy. Chem. 43, 220 (2020)
【非特許文献3】S. Yagi, Y. Ichikawa, I. Yamada, T. Doi, T. Ichitsubo, E. Matsubara, Jpn. J. Appl. Phys. 53, 119201 (2014)
【非特許文献4】K. Ishii, S. Doi, R. Ise, T. Mandai, Y. Oaki, S. Yagi, H. Imai, J. Alloy Compound. 816, 152556 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電極活物質は電池の構成材料であり、可動イオンの挿入脱離を利用して充放電を行う活物質が多数知られている。マグネシウム二次電池の正極活物質ではマグネシウムイオンの挿入脱離が行われる。マグネシウムイオンは活物質内での拡散が遅いため、その特性の向上には、電極活物質の構成材料をナノ粒子化し、粒子内でのマグネシウムイオンの拡散距離を短くする必要がある。一方で、電極活物質の構成材料は、ナノ粒子化することによって表面での水吸着が顕著となる結果、塗工電極作製用のスラリーを調製する際に、凝集したり、スラリーの分離を引き起こしたり、均一な塗工が難しいことが問題になっている。同様の問題は、リチウム二次電池に対しても当てはまり、塗工を容易にするため、ナノ粒子を意図的に凝集させて大きい粒子を造粒するなどの工夫が行われている。
【0007】
電極活物質を構成する遷移金属元素として、マンガンやコバルト等の電解液に対して反応性が高い材料が用いられる場合、充放電時に、可動イオンの挿入脱離に加え、溶媒、支持塩、添加物などからなる電解液の酸化分解・還元分解などの副反応が顕著となり、理論容量まで充電を行うことが難しく、サイクル特性、クーロン効率も低いことが問題になっている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電極活物質の表面修飾によって、充放電時の副反応を防ぎ、充放電特性の低下を抑えることが可能な電極活物質を提供すること、および電極活物質を含むスラリーの混和を促進し、均一性や平滑性、電極金属箔との結着性に優れた塗工電極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
【0010】
(1)本発明の一態様に係る電極活物質は、電解液に対して反応性を有し、遷移金属元素の化合物からなる活物質粒子と、前記活物質粒子の表面を覆い、リン酸またはリン酸誘導体からなる第一被膜と、を備えた表面修飾活物質を主成分として含む。
【0011】
(2)上記(1)に記載の電極活物質において、前記第一被膜がリン酸、ポリリン酸、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つと、前記遷移金属元素の一部と、が反応して生成されたリン酸化合物からなることが好ましい。
【0012】
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載の電極活物質において、前記第一被膜が、有機基Rを含むホスホン酸RPO(OH)、有機基R、Rを含むホスフィン酸RPO(OH)、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つと、前記遷移金属元素の一部と、が反応して生成されたリン酸化合物からなることが好ましい。
【0013】
(4)上記(3)に記載の電極活物質において、前記ホスホン酸RPO(OH)、前記ホスフィン酸RPO(OH)、およびそれらの前記誘導体のうち少なくとも一つが、炭化水素基を有することが好ましい。
【0014】
(5)上記(4)に記載の電極活物質において、前記ホスホン酸RPO(OH)、前記ホスフィン酸RPO(OH)、それらの前記誘導体のうち少なくとも一つが、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のうち、少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0015】
(6)上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の電極活物質において、前記表面修飾活物質が、前記第一被膜の表面を覆い、電解液に対して非反応性を有する化合物からなる第二被膜を、さらに備えていてもよい。
【0016】
(7)上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の電極活物質において、前記遷移金属元素の化合物が、リチウムまたはマグネシウムの挿入脱離が可能であってもよい。
【0017】
(8)本発明の一態様に係る二次電池は、正極活物質、負極活物質のうち少なくとも一方が、上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の電極活物質である。
【0018】
(9)本発明の一態様に係る電極活物質の製造方法は、上記(7)に記載の電極活物質の製造方法であって、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、またはそれらの誘導体の塩の溶液中で、遷移金属元素の化合物からなる粉末を表面修飾する第一工程と、表面修飾した前記粉末を洗浄した後に回収し、乾燥させる第二工程と、を有する。
【0019】
(10)上記(9)に記載の電極活物質の製造方法において、乾燥させた前記粉末を加熱する第三工程を、さらに有してもよい。
【0020】
(11)上記(9)または(10)のいずれかに記載の電極活物質の製造方法において、前記第一工程と前記第二工程、または前記第一工程、前記第二工程、前記第三工程を、順に繰り返して行ってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電極活物質は、電解液に対して反応性を有する遷移金属元素の化合物を、活物質粒子として備えているが、その表面がリン酸またはリン酸誘導体の第一被膜で覆われている。そのため、本発明の電極活物質を、二次電極の正極活物質、負極活物質として用いた場合に、遷移金属元素が電解液と接触することによる、充放電時の副反応を抑制し、充放電特性の低下を抑えることができる。また、本発明の電極活物質は、表面をリン酸およびその誘導体で被覆することにより、表面物性の制御を行うものである。リン酸と遷移金属イオンとの結合力が強いこと、リン酸同士の縮重合の速度が遅いことから、緻密かつ薄く均一な表面修飾が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】比較例1に係る表面未修飾の活物質粒子の複合電極のサイクリックボルタモグラムである。
図2】比較例1に係る表面未修飾の活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図3】比較例1に係る表面未修飾の活物質粒子粉末および実施例1、2に係る表面修飾活物質粒子粉末のフーリエ変換赤外分光スペクトルである。
図4】実施例1に係る表面修飾活物質粒子の複合電極のサイクリックボルタモグラムである。
図5】実施例2に係る表面修飾活物質粒子の複合電極のサイクリックボルタモグラムである。
図6】実施例3に係る表面修飾活物質粒子の複合電極のサイクリックボルタモグラムである。
図7】実施例4に係る表面修飾活物質粒子の複合電極のサイクリックボルタモグラムである。
図8】実施例3に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図9】実施例4に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図10】比較例2に係る表面未修飾の活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図11】(a)、(b)比較例2に係る表面未修飾の活物質粒子の粉末および実施例5~9に係る表面修飾活物質粒子の粉末のフーリエ変換赤外分光スペクトルである。
図12】実施例5に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図13】実施例7に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図14】実施例8に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図15】実施例9に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図16】実施例10に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図17】実施例11に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図18】実施例12に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
図19】実施例13に係る表面修飾活物質粒子の複合電極の充放電曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を適用した実施形態に係る電極活物質、二次電池とその製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0024】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る電極活物質は、主に、活物質粒子と、活物質粒子の表面を覆う第一被膜と、を備えた複数の表面修飾活物質粒子を主成分として含む。
【0025】
活物質粒子は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu等の遷移金属元素を含有し、かつ、可動イオンを挿入脱離できる化合物のうち、電解液に対して反応性を有するものである。可動イオンの例として、リチウムイオンやマグネシウムイオンなどがある。電極活質物質中においては、複数の活物質粒子が凝集した多孔質の二次粒子の状態で分布している。
【0026】
第一被膜は、リン酸(HPO)、ポリリン酸またはそれらの誘導体のうち少なくとも一つと、遷移金属元素の一部とが反応して生成されたリン酸化合物からなる。リン酸誘導体としては、リン酸エステルなどが挙げられる。
【0027】
リン酸は、遷移金属元素と強く結合する性質を有するが、リン酸同士の重縮合は遅い。そのため、リン酸またはリン酸誘導体を遷移金属元素と反応させた場合、リン酸は、遷移金属元素の表面の露出部分にすみやかに結合するが、既に遷移金属元素と結合しているリン酸への結合は遅い。その結果として、二次粒子状態の活物質粒子の周囲に、リン酸またはリン酸誘導体からなる、薄く、緻密かつ均一な第一被膜が形成される。
【0028】
電極活物質は、主に、次の工程を経て製造することができる。まず、リン酸源(例えばリン酸水素二アンモニウム(NHHPO、リン酸三アンモニウム(NHPO等)の溶液に対し、共沈法などで作製した遷移金属元素の化合物(例えばMgCo、MgMn、ZnMn、LiCoO、LiMn等)からなる粉末を加えて撹拌し、表面修飾を行う(第一工程)。
【0029】
次に、表面修飾した粉末を洗浄した後に回収し、乾燥させ、活物質粒子の表面にリン酸またはリン酸化合物が修飾された、表面修飾活物質を得る(第二工程)。第一工程と第二工程を順に、一回ずつまたは複数回ずつ繰り返して行うことにより、電極活物質を得ることができる。
【0030】
必要に応じて、乾燥試料の熱処理を行ってもよい(第三工程)。この場合には、第一工程、第二工程、第三工程を、順に、一回ずつまたは複数回ずつ繰り返して行うことにより、電極活物質を得ることができる。
【0031】
表面修飾活物質は、第一被膜の表面を覆い、電解液に対して非反応性を有する金属またはその化合物(酸化物)からなる第二被膜を、さらに備えていてもよい。第二被膜を構成する金属は、第一被膜を構成するリン酸と強く結合し、また、活物質粒子を構成する遷移金属元素に結合しているリン酸同士の間の隙間を減らすことができるため、活物質粒子に対する被覆性を高めることができる。電解液に対して非反応性を有する化合物としては、例えば、鉄、アルミニウムの化合物等が挙げられる。なお、必要に応じて、第二被膜より外側に、リン酸またはリン酸化合物の層と、化合物層とを交互に、任意の数の層を形成することも可能である。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る電極活物質は、電解液に対して反応性を有する遷移金属元素の化合物を、活物質粒子として備えているが、その表面が、リン酸またはリン酸化合物からなる、薄く、緻密かつ均一な第一被膜で覆われている。そのため、本実施形態の電極活物質を、二次電極の正極活物質、負極活物質として用いた場合に、遷移金属元素が電解液と接触することによる、充放電時の副反応を阻み、充放電特性の低下を抑えることができる。
【0033】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態に係る電極活物質は、主に、活物質粒子と、活物質粒子の表面を覆う第一被膜と、を備えた複数の表面修飾活物質粒子を主成分として含む点において、第一実施形態の電極活物質と同様であるが、第一被膜が、一つの有機基Rを含むホスホン酸RPO(OH)、二つの有機基R、Rを含むホスフィン酸RPO(OH)、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つと、遷移金属元素の一部とが反応して生成されたリン酸化合物からなる点で異なる。有機基R、R、Rとしては、例えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、ビニル基、アリル基、ポリオキシエチレン基等が挙げられる。有機基Rと有機基Rとは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0034】
第一被膜を構成するホスホン酸、ホスフィン酸、それらの誘導体のうち少なくとも一つは、炭化水素基を有することが好ましい。これらの例として、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のうち、少なくとも一つを含むもの、すなわち、フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸などがある。
【0035】
リン酸化合物としてホスホン酸、ホスフィン酸、またはその誘導体を用いた場合であっても、薄く、緻密かつ均一な第一被膜を形成することができ、この第一被膜で活物質粒子の表面を覆うことにより、第一実施形態と同様に、充電時の副反応を抑制し、充放電特性の低下を抑えることができる。
【0036】
さらに、本実施形態によれば、錯体重合法を用いて作製される電極活物質(例えばMgMn等)において、作製後の表面に水が吸着され、スラリー中で凝集してしまう問題を解決することができる。すなわち、本実施形態によれば、活物質粒子がMgMnのように表面に水が吸着されているものであっても、有機ホスホン酸からなる第一被膜を形成することで表面を疎水化し、水分子の吸着を抑制することができる。これは、ホスホン酸およびホスフィン酸に含まれるフェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が、いずれも疎水性を有するためである。したがって、本実施形態によれば、均一性や平滑性、電極金属箔との結着性に優れた塗工電極を提供することができる。
【実施例0037】
以下、比較例および実施例を用いて、本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0038】
(比較例1)
非特許文献3の手順に従って共沈法で作製したMgCo粉末を用いて、乾式法による複合電極を以下の手順で作製した。活物質粉末30mgと、アセチレンブラックと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、それぞれの重量比が60:30:10となるように秤量し、メノウ乳鉢で混錬した。得られた混合物を、Ptメッシュ(80メッシュ)上に約2mg担持させた状態でプレスし、複合電極の作用極を作製した。
【0039】
対極にマグネシウム、参照極にトリグライム(G3)の0.01M硝酸銀および0.1MMg(TFSA)溶液に銀線を浸したもの、電解液にテトラグライム(G4)系溶媒和イオン液体(0.3M[Mg(G4)(TFSA)]/Pyr13TFSA)を用い、100°Cでサイクリックボルタンメトリーと充放電測定を行った。サイクリックボルタンメトリーの掃引速度は0.1mVs-1とし、最初の掃引は、開回路電位(OCV)から負電位向きに開始した。充放電測定は、定電流モードで放電側から開始し、電流値は10.4mAg-1とした。
【0040】
図1、2に、未修飾のMgCoのサイクリックボルタモグラム、充放電曲線を示す。図1のサイクリックボルタモグラムでは、3.5Vvs.Mg/Mg2+に電解液の酸化分解に起因すると考えられる電流の増大が観察された。また、図2の充放電曲線から、充電容量に対する放電容量の割合(クーロン効率)が~0.5と1よりかなり小さいことが分かった。これは、充電電流の一部が、電解液の分解によって消費されたためであると考えられる。
【0041】
(実施例1、2)
水192mmolに(NHHPOを3.8mmol溶解させた後、共沈法で作製したMgCoの粉末3.8mmolを加え、60°Cに加熱しながら24時間撹拌した。得られた懸濁液を遠心分離し、さらに沈殿の水洗と遠心分離を5回行った後、沈殿を水に懸濁させて回収し、100°Cで24時間乾燥した。
【0042】
乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕してアルミナボートに入れ、疑似空気(窒素80mL・min-1、酸素20mL・min-1)をフローした管状雰囲気炉中で200°C・h-1で600°Cまで昇温した後に、1時間保持して実施例1のリン酸修飾試料(rP/MCO=1、×1)を得た。また、この手順を再度繰り返し、実施例2のリン酸修飾試料(rP/MCO=1、×2)を得た。ここでのrP/MCOは、溶液中でのMgCO2に対するPのモル比を示している。
【0043】
図3に、未修飾のMgCoとリン酸修飾したMgCoのフーリエ変換赤外分光(ATR-FT-IR)スペクトルを示す。リン酸修飾試料には、850~1200cm-1にP-O伸縮振動(ν(P-O))に帰属される吸収帯が観察された。また、リン酸修飾を繰り返すことでP-O伸縮振動の強度が増大した。
【0044】
リン酸修飾した実施例1、2のMgCoに対し、比較例1と同様にサイクリックボルタンメトリーを行った結果を図4、5に示す。実施例1、2のいずれにおいても、リン酸修飾によって、3.5Vvs.Mg/Mg2+の電流の増大が抑制された。実施例1、2の比較から、リン酸修飾を2回繰り返すことで、抑制効果が増強されることが分かる。
【0045】
(実施例3、4)
水555mmolに対し、(NHHPOを2.4mmolで溶解させた後、共沈法で作製したMgCoの粉末2.4mmolを加え、60°Cに加熱しながら24時間撹拌した。得られた懸濁液を遠心分離し、さらに沈殿の水洗と遠心分離を5回行った後、沈殿を水に懸濁させて回収した。
【0046】
次に、水555mmolに対し、硝酸鉄九水和物を2.4mmol溶解させた水溶液を加え、60°Cに加熱しながら24時間撹拌した。得られた懸濁液を遠心分離し、さらに沈殿の水洗と遠心分離を5回行った後、沈殿を水に懸濁させて回収し、100°Cで24時間乾燥した。乾燥後、メノウ乳鉢で粉砕してアルミナボートに入れ、疑似空気(窒素80mL・min-1、酸素20mL・min-1)をフローした管状雰囲気炉中で200°C・h-1で600°Cまで昇温後、1時間保持して実施例3のリン酸-鉄複合修飾試料(rP-Fe/MCO=1)を得た。また、水555mmolに対し、(NHHPOを4.8mmolで溶解させた水溶液を加えた後、水555mmolに対し、硝酸鉄九水和物を4.8mmol溶解させた以外は、同様の手順で実施例4のリン酸-鉄複合修飾試料(rP-Fe/MCO=2)を得た。
【0047】
リン酸-鉄複合修飾した実施例3、4のMgCoに対し、比較例1と同様にサイクリックボルタンメトリーを行った結果を図6、7に示す。また、実施例3、4のMgCoに対し、比較例1と同様に充放電測定を行った結果を図8、9に示す。これらの結果から、実施例3、4のいずれにおいても、リン酸-鉄複合修飾によって、充電時の電解液の酸化分解による、3.5Vvs.Mg/Mg2+の電流の増大が抑制され、クーロン効率が向上していることが分かる。
【0048】
(比較例2)
非特許文献4の手順に従って錯体重合法で作製した、未修飾の多孔質MgMn粉末の乾式法による複合電極に対し、充放電測定を行った。充放電測定の電流値は10mA・g-1とし、充電はMgMnの理論容量である270mA・g-1の半分の135mA・g-1(13.5時間)で容量規制を行った。これら以外の条件については、比較例1と同様とした。
【0049】
図10に、未修飾のMgMnの充放電曲線を示す。充電時に、充放電曲線に電解液の酸化分解が原因と考えられる3.1~3.2Vvs.Mg/Mg2+の平坦部が観察された。また、平坦部が観察されたサイクルでは、クーロン効率が1よりかなり小さい(約0.6)ことが分かる。
【0050】
導電助剤としてアセチレンブラック、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いて以下の手順で塗工電極を作製した。多孔質MgMn粉末にアセチレンブラック、N-メチルピロリドン(NMP)を順に加え、これらを加えるごとに自転公転ミキサーを用いて2000rpmで10分間混錬を行った。これにPVDFのNMP溶液(PVDF重量分率12%)を加え、同様に10分間混錬した。
【0051】
NMPの添加量は600μL、MgMn、アセチレンブラック、PVDFの合計重量は500mg、重量比は80:10:10とした。得られたスラリーをアルミニウム箔上に厚さ4mil(101.6μm)の設定で塗工した。これを真空乾燥機を用い、80°Cで一晩真空乾燥することで塗工電極を得た。塗工電極の平滑性は悪く、ところどころに凝集体がみられた。また、アルミニウム箔に対する結着が弱く、剥がれやすかった。
【0052】
(実施例5~9)
表面がホスホン酸またはホスフィン酸に修飾された多孔質MgMnを作製した。実施例5~8として、修飾するホスホン酸を、それぞれメチルホスホン酸(MePA)、エチルホスホン酸(EtPA)、n-ブチルホスホン酸(BuPA)、フェニルホスホン酸(PhPA)、実施例9として修飾するホスフィン酸をジフェニルホスフィン酸(PhPA)とした。
【0053】
水1gにホスホン酸またはホスフィン酸1mmolを加えて溶解させた後、1.5mmol(PhPA)または2.5mmol(MePA、EtPA、BuPA、PhPA)のアンモニアを、10%アンモニア水として加え、得られた透明溶液を80°Cで3時間乾燥させ、ホスホン酸ジアンモニウムまたはホスフィン酸アンモニウムを得た。
【0054】
当該アンモニウム塩を300mmolのメタノールに溶解させ、その後に、錯体重合法で作製した多孔質MgMn粉末2.5mmolを加え、3時間撹拌した。得られた懸濁液を遠心分離し、沈殿をメタノールで洗浄と遠心分離を2回行った後、沈殿をエタノールに懸濁させて回収し、懸濁液を60°Cで一晩乾燥させることで表面修飾活物質粉末を得た。
【0055】
図11(a)、(b)に、それぞれ、未修飾のMgMn、ホスホン酸で修飾したMgMnのATR-FT-IRスペクトルを示す。ホスホン酸修飾試料では、P-O伸縮振動(ν(P-O))に帰属される吸収帯が、950~1150cm-1に観察されていることから、表面修飾処理によって、試料表面にホスホン酸層が形成されたことが分かる。ジフェニルホスホン酸修飾試料でのP-O伸縮振動の吸収強度は、他の試料に比べて小さかった。また、3000~3500cm-1に確認される吸着水のO-H伸縮振動(ν(O-H))に帰属される幅広いピークは、ホスホン酸修飾処理によって減少した。同時に、ジフェニルホスホン酸修飾試料を除き、約3500cm-1に表面孤立OH基に由来するピークが現れた。これらの結果から、有機ホスホン酸修飾によって多孔質MgMnの表面が疎水化され、吸着水の吸着量が減少したことが分かる。
【0056】
図12~15は、それぞれ、メチルホスホン酸(MePA)、n-ブチルホスホン酸(BuPA)、フェニルホスホン酸(PhPA)、ジフェニルホスフィン酸(PhPA)を、多孔質MgMnの粉末に修飾した場合について、比較例2の手順に従って充放電測定を行った結果を示す。
【0057】
電解液の酸化分解が原因と考えられる3.1-3.2Vvs.Mg/Mg2+の平坦部は、未修飾試料よりも短く、ブチルホスホン酸修飾試料とフェニルホスホン酸修飾試料ではほぼ消失した。また、ブチルホスホン酸修飾試料とフェニルホスホン酸修飾試料では、クーロン効率がほぼ1となった。
【0058】
フェニルホスホン酸修飾試料について、比較例2の手順に従って塗工電極を作製したところ、その表面は平滑であり、凝集体はみられず、アルミニウム箔に対する結着も良好であった。
【0059】
(実施例10~12)
また、導電助剤としてカーボンナノチューブ(CNT)、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いて、以下の手順で塗工電極を作製した。フェニルホスホン酸修飾した多孔質MgMn粉末にNMP、CNTのNMP分散液(CNT重量分率4%)を順に加え、これらを加えるごとに、自転公転ミキサーを用いて2000rpmで10分間混錬を行った。これにPVDFのNMP溶液(PVDF重量分率12%)を加え、同様に10分間混錬した。
【0060】
NMPの添加量は300μL、MgMn、CNT、PVDFの合計重量は150mg、重量比は、98-wCNT:wCNT:2(wCNT=0.5、1.0、2.0)とした。wCNTを0.5、1.0、2.0とする場合を、それぞれ実施例10~12とした。いずれの塗工電極も平滑であり、凝集体はみられず、アルミニウム箔に対する結着も良好であった。
【0061】
得られたスラリーを、Ptメッシュ(80メッシュ)上に約2mg担持し、80°Cで一晩の真空乾燥の後、プレスして複合電極を作製した。この複合電極を作用極として、比較例2の手順に従って充放電測定を行った結果を、図16~18に示す。wCNT=2.0%の複合電極では、アセチレンブラック系の複合電極(図13)と比較して遜色のない充放電容量が得られた。一方、wCNT≦1%の複合電極の容量は小さかったが、これはCNTの含有量が少なく、集電が不十分だったためと考えられる。これらの結果より、表面修飾MgMnのでは導電助剤として、CNTを用いることができ、それによって正極中の正極活物質重量分率を96%まで増大できることが分かる。
【0062】
(実施例13)
実施例10~12と同様の手順で、フェニルホスホン酸修飾した多孔質MgMn粉末の塗工電極を作製した。NMPの添加量は800μL、CNT、PVDFの合計重量は400mg、重量比は92:4:4とした。得られた塗工電極は平滑であり、凝集体はみられず、アルミニウム箔に対する結着も良好であった。
【0063】
塗工電極正極、AZ31合金負極、ガラスファイバーセパレーター、0.3M Mg[B(HFIP)/G3電解液からなる2032型コインセルを作製し、電流値10mAg-1として25℃で定電流充放電試験を行った。図19に充放電曲線を示す。初回放電容量は70mAhg-1であり、4回の充放電後も顕著な容量劣化はみられなかった。
【0064】
(比較例3)
無水塩化マグネシウム190mg(2mmol)を、メタノール25mLとエチレングリコールジメチルエーテル25mL混合溶媒に溶解し、過マンガン酸テトラブチルアンモニウム723mg(2mmol)を加えた。30分攪拌後水を加え、遠心分離、洗浄、乾燥し、MgMn粉末を合成した。SEM-EDX分析より得られたMgMnのMg:Mnのモル比は28.0:72.0であった。
【0065】
得られたMgMn粉末を30mgとアセチレンブラック、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、重量比が60:30:10となるように混錬して得た複合電極4mgを、Alメッシュ(10mmφ、100メッシュ)に圧着し、正極を作製した。120℃で一晩真空乾燥し、グローブボックスに搬入した。AZ31合金負極、ガラスファイバーセパレーター、0.3M Mg[B(HFIP)/G3電解液からなる2032型コインセルを作製し、電流値10mAg-1、放電終了電位を0.1Vとして25℃で定電流放電試験を行った。初回放電容量は25mAhg-1であった。
【0066】
(実施例14)
水酸化テトラブチルアンモニウム(37%メタノール溶液)7g(10mmol)に、フェニルホスホン酸790mg(5mmol)を加えて1時間攪拌後、エバポレーションにより溶媒を除去し、フェニルホスホン酸ジテトラブチルアンモニウム3gを得た。
【0067】
無水塩化マグネシウム190mg(2mmol)を、メタノール25mLとエチレングリコールジメチルエーテル25mLの混合溶媒に溶解し、過マンガン酸テトラブチルアンモニウム723mg(2mmol)を加えた。30分攪拌後、フェニルホスホン酸ジテトラブチルアンモニウム135mg(0.2mmol)を加え、さらに30分攪拌した。反応溶液に水を加え、遠心分離、洗浄、乾燥し、フェニルホスホン酸修飾MgMn粉末を合成した。
【0068】
SEM-EDX分析より得られたフェニルホスホン酸修飾MgMnのMg:Mn:Pのモル比は、28.7:64.9:6.3であった。比較例3と同様に、フェニルホスホン酸修飾MgMnの充放電測定を行った。初回放電容量は29mAhg-1であった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19