(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024292
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】受電アンテナ装置、上空移動体及び無線電力伝送システム
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/24 20060101AFI20220202BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20220202BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220202BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20220202BHJP
H02M 7/10 20060101ALI20220202BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20220202BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20220202BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20220202BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20220202BHJP
B64F 3/02 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
H01Q21/24
H02J50/20
H02J7/00 301D
H02J7/02 H
H02M7/10 A
H01Q9/16
H01Q13/08
B64C27/08
B64D27/24
B64F3/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121058
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】太田 喜元
【テーマコード(参考)】
5G503
5H006
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503GB09
5H006CA07
5H006CB03
5H006CC03
5H006DB01
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB03
5J021AB06
5J021HA08
5J021JA08
5J045CA04
5J045DA10
5J045NA05
(57)【要約】
【課題】直線偏波や円偏波の電波を受信する場合に受電レベルが低下して伝送効率が劣化するのを抑制することができる受電アンテナ装置を提供する。
【解決手段】受電アンテナ装置は、第1偏波面の電波を主に受信して第1交流電圧を出力し、第1偏波面に直交する第2偏波面の電波を主に受信して第2交流電圧を出力するアンテナ素子部と、アンテナ素子部から出力される前記第1交流電圧を第1直流電圧に変換する第1整流器を有する第1整流部と、アンテナ素子部から出力される第2交流電圧を第2直流電圧に変換する第2整流器を有する第2整流部と、第1整流部の出力と第2整流部の出力とを直列接続した出力部とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信して電力を出力する受電アンテナ装置であって、
第1偏波面の電波を主に受信して第1交流電圧を出力し、前記第1偏波面に直交する第2偏波面の電波を主に受信して第2交流電圧を出力するアンテナ素子部と、
前記アンテナ素子部から出力される前記第1交流電圧を第1直流電圧に変換する第1整流器を有する第1整流部と、
前記アンテナ素子部から出力される前記第2交流電圧を第2直流電圧に変換する第2整流器を有する第2整流部と、を備え、
前記第1整流部の出力と前記第2整流部の出力とを直列接続した出力部と、を備えることを特徴とする受電アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1の受電アンテナ装置において、
前記アンテナ素子部は、前記第1偏波面の電波を主に受信する一又は複数の第1ダイポールアンテナと、前記第2偏波面の電波を主に受信する一又は複数の第2ダイポールアンテナとを有し、
前記第1整流部は、前記一又は複数の第1ダイポールアンテナに対応するように一又は複数の第1整流器を有し、
前記第2整流部は、前記一又は複数の第2ダイポールアンテナに対応するように一又は複数の第2整流器を有する、ことを特徴とする受電アンテナ装置。
【請求項3】
請求項2の受電アンテナ装置において、
前記第1整流部及び前記第2整流部はそれぞれ、前記第1整流器及び前記第2整流器の後段側に負荷安定化制御回路を備えることを特徴とする受電アンテナ装置。
【請求項4】
請求項2又は3の受電アンテナ装置において、
前記第1ダイポールアンテナ及び前記第1整流器の組からなる第1レクテナを複数組並列接続して第1レクテナ群を構成し、
前記第2ダイポールアンテナ及び前記第2整流器の組からなる第2レクテナを複数組並列接続して第2レクテナ群を構成し、
前記第1レクテナ群の出力と前記第2レクテナ群の出力を直列接続した、ことを特徴とする受電アンテナ装置。
【請求項5】
請求項1の受電アンテナ装置において、
前記アンテナ素子部は、前記第1交流電圧を出力する第1出力点と前記第2交流電圧を出力する第2出力点とを有するデュアル偏波対応の平面アンテナを用いて構成され、
前記第1整流部及び前記第2整流部はそれぞれ、前記第1出力点及び前記第2出力点に接続された直流遮断素子を有する、ことを特徴とする受電アンテナ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの受電アンテナ装置において、
前記アンテナ素子部と前記第1整流部と前記第2整流部と前記出力部とを有するレクテナを複数組備え、
前記複数組のレクテナの出力を並列接続した、ことを特徴とする受電アンテナ装置。
【請求項7】
上空を移動する上空移動体であって、
請求項1乃至6のいずれかの受電アンテナ装置と、
前記受電アンテナ装置で受信した電波から得られた電力で駆動される電気機器と、を備えることを特徴とする上空移動体。
【請求項8】
請求項7の上空移動体において、
当該上空移動体は、回転駆動されるプロペラと、前記プロペラをガードする枠体とを備えたドローンであり、
前記枠体の表面に、前記受電アンテナ装置のアンテナ素子部を一又は複数配置したことを特徴とする上空移動体。
【請求項9】
上空を移動する上空移動体に設けられた請求項1乃至6のいずれかの受電アンテナ装置と、
前記上空移動体の前記受電アンテナ装置に対して送電電波を送信する送電装置と、を備えることを特徴とする無線電力伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を受信する受電アンテナ装置、受電アンテナ装置を備えた上空移動体及び無線電力伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機、ドローン、気球、飛行船、ソーラープレーン、飛行型ラジコン玩具など、電力を消費する機器を搭載した種々の上空移動体が知られている。特許文献1には、地上に設置された送電装置から送信された送電電波を受信する受電アンテナを備え、受電アンテナが受信した電波から得られる電力を貯蔵及び利用するドローンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記送電装置から送信される電波が直線偏波や円偏波の電波の場合、偏波軸のズレに伴い受電アンテナの受電レベルが低下して送電効率(無線伝送効率)が劣化する、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る受電アンテナ装置は、電波を受信して電力を出力する受電アンテナ装置である。この受電アンテナ装置は、第1偏波面の電波を主に受信して第1交流電圧を出力し、前記第1偏波面に直交する第2偏波面の電波を主に受信して第2交流電圧を出力するアンテナ素子部と、前記アンテナ素子部から出力される前記第1交流電圧を第1直流電圧に変換する第1整流器を有する第1整流部と、前記アンテナ素子部から出力される前記第2交流電圧を第2直流電圧に変換する第2整流器を有する第2整流部と、前記第1整流部の出力と前記第2整流部の出力を直列接続した出力部とを備える。
【0006】
前記受電アンテナ装置において、前記アンテナ素子部は、前記第1偏波面の電波を主に受信する一又は複数の第1ダイポールアンテナと、前記第2偏波面の電波を主に受信する一又は複数の第2ダイポールアンテナとを有し、前記第1整流部は、前記一又は複数の第1ダイポールアンテナに対応するように一又は複数の第1整流器を有し、前記第2整流部は、前記一又は複数の第2ダイポールアンテナに対応するように一又は複数の第2整流器を有してもよい。
【0007】
前記受電アンテナ装置において、前記第1整流部及び前記第2整流部はそれぞれ、前記第1整流器及び前記第2整流器の後段側に負荷安定化制御回路を備えてもよい。
【0008】
前記受電アンテナ装置において、前記第1ダイポールアンテナ及び前記第1整流器の組からなる第1レクテナを複数組並列接続して第1レクテナ群を構成し、前記第2ダイポールアンテナ及び前記第2整流器の組からなる第2レクテナを複数組並列接続して第2レクテナ群を構成し、前記第1レクテナ群の出力と前記第2レクテナ群の出力を直列接続してもよい。
【0009】
前記受電アンテナ装置において、前記アンテナ素子部は、前記第1交流電圧を出力する第1出力点と前記第2交流電圧を出力する第2出力点とを有するデュアル偏波対応の平面アンテナを用いて構成され、前記第1整流部及び前記第2整流部はそれぞれ、前記第1出力点及び前記第2出力点に接続された直流遮断素子を有してもよい。
【0010】
前記受電アンテナ装置において、前記アンテナ素子部と前記第1整流部と前記第2整流部と前記出力部とを有するレクテナを複数組備え、前記複数組のレクテナの出力を並列接続してもよい。
【0011】
本発明の他の態様に係る上空を移動する上空移動体は、前記いずれかの受電アンテナ装置と、前記受電アンテナ装置で受信した電波から得られた電力で駆動される電気機器と、を備える。
【0012】
前記上空移動体は、回転駆動されるプロペラと、前記プロペラをガードする枠体とを備えたドローンであり、前記枠体の表面に、前記受電アンテナ装置のアンテナ素子部を一又は複数配置したものであってもよい。
【0013】
本発明の更に他の態様に係る無線電力伝送システムは、上空を移動する上空移動体に設けられた前記いずれかの受電アンテナ装置と、前記上空移動体の前記受電アンテナ装置に対して送電電波を送信する送電装置と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、直線偏波や円偏波の電波を受信する場合に受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る無線電力伝送システムの全体構成の一例を示す概略構成図。
【
図2】実施形態に係るドローンの主要構成の一例を示す機能ブロック図。
【
図3】実施形態に係るドローンの一例を示す底面図。
【
図4】(a)及び(b)はそれぞれ、実施形態に係る受電アンテナ装置の一構成例を示す説明図及び等価回路図。
【
図5】(a)及び(b)はそれぞれ、第1偏波面用の第1ダイポールアンテナの指向性のコンピュータシミュレーションの結果の一例を示す特性図。
【
図6】(a)及び(b)はそれぞれ、第2偏波面用の第2ダイポールアンテナの指向性のコンピュータシミュレーションの結果の一例を示す特性図。
【
図7】実施形態に係る受電アンテナ装置の他の構成例を示す説明図。
【
図8】実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図。
【
図9】(a)及び(b)はそれぞれ、実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図及び等価回路図。
【
図10】(a)及び(b)はそれぞれ、
図9の受電アンテナ装置の動作例を示す説明図及び等価回路図。
【
図11】(a)及び(b)はそれぞれ、
図9の受電アンテナ装置の他の動作例を示す説明図及び等価回路図。
【
図12】(a)及び(b)はそれぞれ、参考比較例に係る受電アンテナ装置の動作例を示す説明図及び等価回路図。
【
図13】(a)及び(b)はそれぞれ、参考比較例に係る受電アンテナ装置の他の動作例を示す説明図及び等価回路図。
【
図14】(a)及び(b)はそれぞれ、
図9の受電アンテナ装置の更に他の動作例を示す説明図及び等価回路図。
【
図15】実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図。
【
図17】実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図。
【
図19】実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線電力伝送システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
図1において、無線電力伝送システムは、上空を移動する上空移動体としてのドローン10に設けられた受電アンテナ装置100と、ドローン10の受電アンテナ装置100に対して送電電波30を送信する送電アンテナ200を有する送電装置20とを備える。本実施形態の無線電力伝送システムでは、地上の送電アンテナ200からのマクロ波無線電力伝送によりドローン10を給電することができる。ドローン10の受電アンテナ装置100は、送電電波30を受信して直流(DC)の電圧(電流)に変換する整流器を有するため、「レクテナ」とも呼ばれる。
【0017】
なお、本実施形態における送電電波30はマイクロ波であるが、マイクロ波以外の電磁波であってもよい。送電装置20は、図示のように地上に設置されていてもよいし、又は、海上などの水上に設置されていてもよい。また、送電装置20は、自動車、バス、トラックなどの車両、電車、船舶等の移動体に設け、移動中又は移動停止中の移動体からドローン10に向けて電力伝送するようにしてもよい。
【0018】
ドローン10は、操縦者が搭乗しないで外部からの遠隔制御又は自律制御により上空(大気圏外の宇宙空間を含む)における飛行が制御される航空機等の上空移動体である。ドローン10は、例えば、トライコプター(ローター3個)、クアッドコプター(ローター4個)、ヘキサコプター(ローター6個)、オクトコプター(ローター8個)等のマルチコプター(マルチローター)型ドローンのほか、一般的なヘリコプター、固定翼型ドローンでもよい。ドローン10は一般的には無人であるが、有人であってもよい。
【0019】
また、送電装置20から送電する送電対象は、上空(大気圏外の宇宙空間を含む)を移動する移動体であれば、ドローン以外の上空移動体であってもよい。例えば、送電対象は、上空を移動可能な空中浮揚型の通信中継装置(無線中継装置)としての高高度プラットフォーム局(HAPS)(「高高度疑似衛星」、「成層圏プラットフォーム」ともいう。)であってもよい。HAPSは、無人飛行船タイプのHAPSでもよいし、ソーラープレーンタイプのHAPSでもよい。また、送電対象は、航空機、気球、飛行型ラジコン玩具など、電力を消費する機器を搭載した種々の上空移動体であってもよい。
【0020】
図2は、実施形態に係るドローン10の主要構成の一例を示す機能ブロック図である。ドローン10は、本体11と、複数のローター12と、各ローター12を駆動するローター駆動部13と、受電アンテナ装置100とを備える。本体11は、制御用アンテナ14aを介して、ドローン10を操縦するための操縦装置(以下「プロポ」ともいう。)と通信する飛行制御部(FC)14と、各部を制御する制御部15と、バッテリー16aを有する電源部16とを備える。制御部15は、例えば、飛行制御部(FC)14がプロポから受信した制御信号に基づいてローター駆動部13を制御することにより、ドローン10の飛行開始及び停止、上昇、下降、飛行方向、飛行速度、飛行姿勢などを制御することができる。また、電源部16は、受電アンテナ装置100で受電して直流に変換された電力によりバッテリー16aを充電するともに、飛行制御部(FC)14、制御部15、ローター駆動部13などの各部に電力を供給する。なお、飛行制御部(FC)14は、通信網を介してサーバから操縦指示を受信し、その操縦指示に基づいてローター駆動部13を制御してもよい。
【0021】
図3は、実施形態に係るドローン10の一例を示す底面図である。
図3において、ドローン10は、本体11と、下向きの気流である風を発生させて浮力を発生させるための複数のローター(「プロペラ」ともいう。)12と、受電アンテナ装置100とを備える。受電アンテナ装置100は、本体11に支持アームで連結された中央部が中空の板状部材からなる枠体101に設けられ、ローター(プロペラ)12を保護するガード部材として兼用されている。受電アンテナ装置100を構成する枠体101は、軽量化を図るとともに空気抵抗を軽減できるようにメッシュ状の部材で形成してもよい。
【0022】
受電アンテナ装置100は、枠体101の下面(
図3の手前側の面)に分散配置された複数のアンテナ素子部110を有する。
【0023】
各アンテナ素子部110は、第1偏波面の電波を主に受信して第1交流電圧を出力し、第1偏波面に直交する第2偏波面の電波を主に受信して第2交流電圧を出力する。図示の例では、各アンテナ素子部110は、第1偏波面の電波を主に受信する第1ダイポールアンテナ120(1)と、第1偏波面と直交する第2偏波面の電波を主に受信する第2ダイポールアンテナ120(2)とを有する。第1ダイポールアンテナ120(1)及び第2ダイポールアンテナ120(2)のそれぞれの背面側には、金属などの導電性材料で構成した反射器を設けてもよい。反射器はメッシュ状の部材であってもよい。
【0024】
なお、本実施形態において、電波の「偏波面」は、電波の電界が振動する方向と伝搬方向とを含む面である。この偏波面が時間によらず一定の電波を直線偏波の電波といい、偏波面が時間によって回転する電波を円偏波の電波という。
【0025】
上記構成のドローン10に電波を送信して電力を伝送する無線電力伝送システムの送電効率(無線電力伝送の効率)は、
図1に例示した送電装置20の送電アンテナ200の開口面(送電面の開口)とドローン10の受電アンテナ装置100のアンテナ開口面(受電面の開口)のほか、送電電波30が直線偏波や円偏波の場合は偏波面の影響を受ける。例えば、受電アンテナ装置100のダイポールアンテナの長手方向(高い受信レベルで受信可能な電波の偏波の方向)と、送電電波30の直線偏波の方向(電界の振動方向)とが平行ではなく角度ズレを有していると、受電アンテナ装置100の受信レベルが低下し、伝送効率が劣化する。特に、ドローン10は上空で姿勢を変化させたり回転したりするため、上記角度ズレによる受信レベルの低下及び伝送効率の劣化が発生しやすい。また、送電電波30が円偏波の場合も上記角度ズレが繰り返し発生するため、受信レベルの低下及び伝送効率の劣化が発生する。
【0026】
そこで、本実施形態では、直線偏波や円偏波の送電電波を用いて地上からドローン10への高効率の電力伝送を行うために、送電電波30の偏波面の影響を受けずに受電して直流(DC)の電圧(電流)を効率よく出力するように受電アンテナ装置100を構成している。
【0027】
図4(a)は実施形態に係る受電アンテナ装置(レクテナ)100の構成の一例を示す説明図であり、
図4(b)は受電アンテナ装置100の等価回路の一例を示す回路図である。図示の例は、デュアル偏波対応の1組のダイポールアンテナを用いた例である。
【0028】
図4(a)において、受電アンテナ装置100は、アンテナ素子部110と第1整流部140(1)と第2整流部140(2)と出力部150とを備える。アンテナ素子部110は、第1偏波面の電波を主に受信して第1交流電圧を出力し、第1偏波面に直交する第2偏波面の電波を主に受信して第2交流電圧を出力する。本例のアンテナ素子部110は、第1偏波面の電波を主に受信する第1ダイポールアンテナ120(1)と、第2偏波面の電波を主に受信する第2ダイポールアンテナ120(2)とを有する。第1ダイポールアンテナ120(1)及び第2ダイポールアンテナ120(2)は例えば半波長ダイポールで構成することができる。
【0029】
第1整流部140(1)は、アンテナ素子部110の第1ダイポールアンテナ120(1)に対応する第1整流器142(1)を有する。第1整流器142(1)は、第1ダイポールアンテナ120(1)から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換する。
【0030】
第2整流部140(2)は、アンテナ素子部110の第2ダイポールアンテナ120(2)に対応する第2整流器142(2)を有する。第2整流器142(2)は、第2ダイポールアンテナ120(2)から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換する。
【0031】
第1整流器142(1)及び第2整流器142(2)はそれぞれ、例えば、第1ダイポールアンテナ120(1)及び第2ダイポールアンテナ120(2)に接続された1対の伝送線路の間に接続されたショットキーダイオードD1とキャパシタCとにより構成される。ショットキーダイオードD1とキャパシタCとの距離は、例えば受信電波の波長λの4分の1に設定される。
【0032】
また、本例において、第1整流部140(1)及び第2整流部140(2)はそれぞれ、第1整流器142(1)及び第2整流器142(2)のそれぞれの後段側に負荷安定化制御回路143(1),143(2)を備える。負荷安定化制御回路143(1),143(2)は、例えばDC-DCコンバータで構成され、各整流器142(1)、142(2)から見た負荷が最適になるようにする負荷安定化の機能を有する。負荷安定化制御回路143(1),143(2)の後段側には保護ダイオードD2が接続されている。保護ダイオードD2は、第1整流器142(1)、第2整流器142(2)及び負荷安定化制御回路143(1),143(2)のいずれかが故障して負荷安定化制御回路の出力がオフになったときに、負荷側からの大電流を逃がして負荷安定化制御回路を保護する。
【0033】
出力部150は、第1整流部140(1)の出力と第2整流部140(2)の出力とを直列接続する回路である。出力部150は、第1整流部140(1)から出力される直流電圧V1と第2整流部140(2)から出力される直流電圧V2とを加算した出力電圧Vout=V1+V2を出力する。ここで、第1整流部140(1)から出力される直流電圧V1及び第2整流部140(2)から出力される直流電圧V2はそれぞれ、受電アンテナ装置100で受信される電波の偏波面が変化するとき、0[V]~V[V](最大値)の範囲で変化するが、同時に0[V]になることはなく、出力電圧Voutは安定してV[V]になる。従って、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができる。
【0034】
図5及び
図6は両偏波ダイポールアンテナの放射パターン解析結果である。第1偏波用ダイポールアンテナと第2偏波用ダイポールアンテナは互いに90[deg.]に直交して配置されており、それぞれのアンテナ長は1/2波長である。第1偏波用ダイポールアンテナ及び第2偏波用ダイポールアンテナのアンテナ間距離は1/2波長である。また、アンテナ素子から距離1/4波長の位置に反射板を有する。解析周波数は5.8GHzである。
図5(a)及び
図5(b)はそれぞれ、第1偏波面用の第1ダイポールアンテナ120(1)の指向性のコンピュータシミュレーションの結果の一例を示す特性図である。
図6(a)及び
図6(b)はそれぞれ、第2偏波面用の第2ダイポールアンテナ120(2)の指向性のコンピュータシミュレーションの結果の一例を示す特性図である。
図5(a)及び
図6(a)はそれぞれ、第1ダイポールアンテナ120(1)及び第2ダイポールアンテナ120(2)の中心点からの基準方位(ダイポールアンテナの長手方向のいずれか一方)を基準にした方位角φが0[deg.]のときの指向性の特性図である。
図5(b)及び
図6(b)はそれぞれ、前記基準方位を基準にした方位角φが90[deg.]のときの指向性の特性図である。また、図中のθ[deg.]は各ダイポールアンテナの長手方向に平行なアンテナ面を基準として天頂方向を0[deg.]としたときの天頂角である。
【0035】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第1偏波面用の第1ダイポールアンテナ120(1)は、方位角φが0[deg.]及び90[deg.]のいずれにおいても、天頂角θのほぼ全域にわたって第1偏波面の電波に対して第2偏波面の電波よりも高い利得(最大で17dB程度)を示している。一方、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第2偏波面用の第2ダイポールアンテナ120(2)は、方位角φが0[deg.]及び90[deg.]のいずれにおいても、天頂角θのほぼ全域にわたって第2偏波面の電波に対して第1偏波面の電波よりも高い利得(最大で17dB程度)を示している。
【0036】
図7は、実施形態に係る受電アンテナ装置100の他の構成例を示す説明図である。
図7において、受電アンテナ装置100は、前述のダイポールアンテナを用いた複数組(図示の例では3組)のレクテナ112を備え、この複数組のレクテナ112の出力を並列接続している。複数のレクテナ112はそれぞれ、前述の
図4に例示したように、第1ダイポールアンテナ120(1)及び第2ダイポールアンテナ120(2)からなるアンテナ素子部と、第1整流部140(1)及び第2整流部140(2)と、出力部150とを有する。このように複数組のレクテナ112の出力を並列接続することにより、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができるとともに、単体のレクテナ112に比して出力の電流を高めることができ、出力電力を高めることができる。
【0037】
図8は、実施形態に係る受電アンテナ装置100の更に他の構成例を示す説明図である。
図8において、受電アンテナ装置100は、前述のダイポールアンテナを用いた第1レクテナ群113と第2レクテナ群114とを備え、第1レクテナ群113の出力と第2レクテナ群114の出力を直列接続している。第1レクテナ群113は、第1ダイポールアンテナ120(1)及び第1整流器142(1)の組からなる第1レクテナを複数組(図示の例では2組)並列接続して構成している。また、第2レクテナ群114は、第2ダイポールアンテナ120(2)及び第2整流器142(2)の組からなる第2レクテナを複数組並列接続して構成している。このように構成した第1レクテナ群113の出力と第2レクテナ群114の出力を直列接続することにより、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができるとともに、単体のレクテナ112に比して出力の電流を高めることができ、出力電力を高めることができる。
【0038】
図9(a)は実施形態に係る受電アンテナ装置(レクテナ)100の更に他の構成例を示す説明図であり、
図9(b)は受電アンテナ装置100の等価回路の一例を示す回路図である。図示の例は、デュアル偏波対応の平面アンテナであるパッチアンテナを用いた例である。
【0039】
図9(a)において、受電アンテナ装置100は、アンテナ素子部と第1整流部140(1)と第2整流部140(2)と直流遮断素子としての直流遮断キャパシタ145(1)、145(2)と出力部150とを備える。アンテナ素子部は、デュアル偏波対応のパッチアンテナ130を用いて構成されている。パッチアンテナ130は、前述の第1偏波面の受信電波に対応する第1交流電圧を出力する第1出力点131(1)と、前述の第2偏波面の受信電波に対応する第2交流電圧を出力する第2出力点131(2)とを有する。
【0040】
第1整流部140(1)は、例えば前述の整流器を有し、直流遮断キャパシタ145(1)を介してパッチアンテナ130の第1出力点131(1)に接続されている。第1整流部140(1)は、パッチアンテナ130の第1出力点131(1)から出力され、直流遮断キャパシタ145(1)で直流成分が除去された第1交流電圧を第1直流電圧に変換する。
【0041】
第2整流部140(2)は、例えば前述の整流器を有し、直流遮断キャパシタ145(2)を介してパッチアンテナ130の第2出力点131(2)に接続されている。第2整流部140(2)は、パッチアンテナ130の第2出力点131(2)から出力され、直流遮断キャパシタ145(2)で直流成分が除去された第2交流電圧を第2直流電圧に変換する。
【0042】
出力部150は、第1整流部140(1)の出力と第2整流部140(2)の出力とを直列接続する回路である。出力部150は、第1整流部140(1)から出力される直流電圧V1と第2整流部140(2)から出力される直流電圧V2とを加算した出力電圧Vout=V1+V2を出力する。ここで、第1整流部140(1)から出力される直流電圧V1及び第2整流部140(2)から出力される直流電圧V2はそれぞれ、受電アンテナ装置100で受信される電波の偏波面が変化するとき、0[V]~V[V](最大値)の範囲で変化するが、同時に0[V]になることはなく、出力電圧Voutは安定してV[V]になる。従って、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができる。
【0043】
図10(a)及び
図10(b)はそれぞれ、
図9の受電アンテナ装置100の動作例を示す説明図及び等価回路図である。
図10(a)において、受信電波の偏波面は図中の水平方向の面であり、受信電波の電界Eは、受電アンテナ装置100における第1偏波面に平行な第1電界成分E
1(絶対値は電界Eの1/2)と、第2偏波面に平行な第2電界成分E
2(絶対値は電界Eの1/2)とにベクトル分解される。パッチアンテナ130の第1出力点131(1)からは第1電界成分E
1に対応した第1交流信号が出力され、第2出力点131(2)からは第2電界成分E
2に対応した第2交流信号が出力される。第1整流部140(1)及び第2整流部140(2)はそれぞれ、第1電界成分E
1及び第2電界成分E
2に応じた直流電圧(V/2)が出力され、出力部150は、第1整流部140(1)から出力される直流電圧V/2と第2整流部140(2)から出力される直流電圧V/2とを加算した出力電圧Vout=Vを、負荷Z
Lに出力する(
図10(b)参照)。
【0044】
図11(a)及び
図11(b)はそれぞれ、
図9の受電アンテナ装置100の他の動作例を示す説明図及び等価回路図である。
図11(a)において、受信電波の偏波面は図中の左斜め下方向に向いた面であり、受信電波の電界Eは、そのまま受電アンテナ装置100における第1偏波面に平行な第1電界成分E
1(絶対値は電界Eと同じ)となる。パッチアンテナ130の第1出力点131(1)からは第1電界成分E
1(=E)に対応した第1交流信号が出力され、第2出力点131(2)からは第2交流信号が出力されない。第1整流部140(1)からは第1電界成分E
1(=E)に応じた直流電圧(V)が出力され、第2整流部140(2)からは出力されない(0[V])。出力部150は、第1整流部140(1)から出力される直流電圧Vと同じ出力電圧Vout=Vを、負荷Z
Lに出力する(
図11(b)参照)。
【0045】
図10及び
図11に示すように、
図9(a)の受電アンテナ装置(レクテナ)100によれば、受信電波の偏波面の傾き角度にかかわらず、一定の直流電圧Vを出力することができる。
【0046】
図12(a)及び
図12(b)はそれぞれ、参考比較例に係る受電アンテナ装置の動作例を示す説明図及び等価回路図である。また、
図13(a)及び
図13(b)はそれぞれ、参考比較例に係る受電アンテナ装置の他の動作例を示す説明図及び等価回路図である。この参考比較例の受電アンテナ装置は、
図9の実施形態に係る受電アンテナ装置100とは異なり、出力部が第1整流部140(1)の出力と第2整流部140(2)の出力とを並列接続する回路になっている。他の部分の構成は、
図9の実施形態に係る受電アンテナ装置100と同じである。
【0047】
図12(a)において、
図10(a)と同様に、受信電波の偏波面は図中の水平方向の面であり、受信電波の電界Eは、受電アンテナ装置100における第1偏波面に平行な第1電界成分E
1(絶対値は電界Eの1/2)と、第2偏波面に平行な第2電界成分E
2(絶対値は電界Eの1/2)とにベクトル分解される。この比較参考例では、第1整流部140(1)及び第2整流部140(2)はそれぞれ第1電界成分E
1及び第2電界成分E
2に応じた直流電圧(V/2)を出力するが、第1整流部140(1)の出力と第2整流部140(2)の出力とが並列接続されているため、出力部150から出力される出力電圧VoutはV/2のままである。
【0048】
図13(a)において偏波軸がずれ、第1整流部140(1)及び第2整流部140(2)に供給される電力バランスが崩れた場合、第1整流部140(1)及び第2整流部140(2)から出力される電位差及び整流器内部抵抗Rに応じた逆電流Iが生じ、効率低下や整流器の破壊を招くこととなる。
【0049】
図14(a)及び
図14(b)はそれぞれ、
図9の受電アンテナ装置100の更に他の動作例を示す説明図及び等価回路図である。
図14(a)において、受信電波は円偏波の電波であり、時間とともに偏波面が回転する(図中の例では右回転)。図示のタイミングでは、前述の
図10(a)と同様に、受信電波の電界Eは、受電アンテナ装置100における第1偏波面に平行な第1電界成分E
1(絶対値は電界Eの1/2)と、第2偏波面に平行な第2電界成分E
2(絶対値は電界Eの1/2)とにベクトル分解される。そのため、出力部150は、第1整流部140(1)から出力される直流電圧V/2と第2整流部140(2)から出力される直流電圧V/2とを加算した出力電圧Vout=Vを、負荷Z
Lに出力する(
図14(b)参照)。
【0050】
図14(a)の受信電波の電界Eが右回転すると、受電アンテナ装置100における第1偏波面に平行な第1電界成分E
1の絶対値が小さくなるが、第2偏波面に平行な第2電界成分E
2の絶対値は大きくなるので、その結果、出力部150の出力電圧VoutはVに維持される。
【0051】
一方、
図14(a)の受信電波の電界Eが左回転した場合は、受電アンテナ装置100における第2偏波面に平行な第2電界成分E
2の絶対値は小さくなるが、第1偏波面に平行な第1電界成分E
1の絶対値が大きくなるので、その結果、出力部150の出力電圧VoutはVに維持される。
【0052】
図14(a)及び
図14(b)に示すように、
図9の受電アンテナ装置100によれば、受信電波が円偏波の電波の場合でも、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができる。
【0053】
図15は、実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図であり、
図16は、
図15の受電アンテナ装置の等価回路図である。
図15及び
図16の例は、前述の
図9のパッチアンテナを用いた複数組(図示の例では2組)の第1レクテナ115及び第2レクテナ116を備え、第1レクテナ115のパッチアンテナ130における第1偏波面と第2レクテナ116のパッチアンテナ130における第1偏波面とを傾けて構成した例である。この複数組のレクテナ115,116の出力を更に直列接続している。これにより受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができるとともに、単体のレクテナ112に比して出力電圧を高めることができ(図示の例では2倍の2V)、出力電力を高めることができる。
【0054】
図17は、実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図であり、
図18は、
図17の受電アンテナ装置の等価回路図である。
図17及び
図18は、第1レクテナ115及び第2レクテナ116を並列に接続した構成例である。本例のように第1レクテナ115及び第2レクテナ116を並列に接続した場合であっても、出力電圧は常に同じ値となるため逆電流など影響による効率劣化や整流部の破壊は生じない。これにより、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができるとともに、単体のレクテナ112に比して出力電流を高めることができ(図示の例では2倍の2I)、出力電力を高めることができる。
【0055】
図19は、実施形態に係る受電アンテナ装置の更に他の構成例を示す説明図であり、
図20は、
図19の受電アンテナ装置の等価回路図である。
図19及び
図20の例は、前述の
図9のパッチアンテナを用いた複数組(図示の例では2組)の第1レクテナ115及び第2を備え、第1レクテナ115のパッチアンテナ130における第1偏波面と第2レクテナ116のパッチアンテナ130における第1偏波面とを傾けずに構成した例である。この複数組のレクテナ115,116の出力を更に直列接続している。これにより、受電アンテナ装置100の受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができるとともに、単体のレクテナ112に比して出力電圧を高めることができ(図示の例では2倍の2V)、出力電力を高めることができる。
【0056】
以上、本実施形態によれば、直線偏波や円偏波の電波を受信する場合に受電レベルが低下して送電効率が劣化するのを抑制することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態で示した受電アンテナ装置100を用いる無線電力伝送システムは、ドローン10に設置されるものに限られず、HAPS、気球、飛行船、飛行型ラジコン玩具など、電力を消費する機器を搭載した他の上空移動体(飛行体)にも適用することができる。
【0058】
なお、本明細書で説明された処理工程並びにドローンの本体、送電装置、HAPS等の通信中継装置の中継通信局、フィーダ局、ゲートウェイ局、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、基地局及び基地局装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0059】
ハードウェア実装については、実体(例えば、ドローンの本体、送電装置、無線中継局、フィーダ局、ゲートウェイ局、基地局、基地局装置、無線中継局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0060】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0061】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0062】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0063】
10 :ドローン
11 :本体
12 :ローター
13 :ローター駆動部
14a :制御用アンテナ
15 :制御部
16 :電源部
16a :バッテリー
20 :送電装置
30 :送電電波
100 :受電アンテナ装置
101 :枠体
110 :アンテナ素子部
112 :レクテナ
113 :第1レクテナ群
114 :第2レクテナ群
115 :第1レクテナ
116 :第2レクテナ
120(1) :第1ダイポールアンテナ
120(2) :第2ダイポールアンテナ
130 :パッチアンテナ
131(1) :第1出力点
131(2) :第2出力点
140(1) :第1整流部
140(2) :第2整流部
142 :整流器
142(1) :第1整流器
142(2) :第2整流器
143 :負荷安定化制御回路
145(1),145(2) :直流遮断キャパシタ
150 :出力部