(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024321
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】トイレ室の閉鎖構造体およびトイレ室の閉鎖方法
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20220202BHJP
A47K 17/00 20060101ALI20220202BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20220202BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
E04H1/02
A47K17/00
E06B3/46
E04H1/12 301
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121836
(22)【出願日】2020-07-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】520263877
【氏名又は名称】草川 順一
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】特許業務法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草川 順一
【テーマコード(参考)】
2D037
2E014
2E025
【Fターム(参考)】
2D037EA00
2E014AA01
2E014FB01
2E025AA22
2E025BA05
2E025BC05
(57)【要約】
【課題】本願は、トイレ室を確実に閉鎖することができるトイレ室の閉鎖構造体を提供するものである。
【解決手段】便器の前方端部がトイレ室の出入開口部の近くに延在して配置されるトイレ室の閉鎖構造体において、トイレ室の内外に進退可能でトイレ室を閉鎖する閉鎖体を設け、閉鎖体は、正面板と、正面板の両側に配置された第1側板および第2側板とから構成され、トイレ室の床面とトイレ室の前にトイレ室の側壁に沿ってトイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体を設け、閉鎖体の第1側板に第1係合体と係合する第3係合体を設け、閉鎖体の第2側板に第2係合体と係合する第4係合体を設けたものである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の前方端部がトイレ室の出入開口部の近くに延在して配置されるトイレ室の閉鎖構造体において、
前記トイレ室の内外に進退可能で前記トイレ室を閉鎖する閉鎖体を設け、
前記閉鎖体は、正面板と、前記正面板の両側に配置された第1側板および第2側板とから構成され、
前記トイレ室の床面と前記トイレ室の前に前記トイレ室の側壁に沿って前記トイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体を設け、
前記閉鎖体の前記第1側板に前記第1係合体と係合する第3係合体を設け、
前記閉鎖体の前記第2側板に前記第2係合体と係合する第4係合体を設けた
ことを特徴とするトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項2】
前記第1係合体および前記第2係合体はガイドレールで構成され、前記第3係合体および前記第4係合体は戸車で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項3】
前記第1係合体および前記第2係合体はボールガイドレールで構成され、前記第3係合体および前記第4係合体はガイドレールで構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項4】
前記トイレ室の側壁の前記出入開口部より少し入った位置に係止部が設けられ、前記第1側板および前記第2側板に前記係止部と係合される係止体を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項5】
トイレ室を不使用のときは、閉鎖体の正面板を押し、前記閉鎖体の第1側板に設けた第3係合体および前記閉鎖体の第2側板に設けた第4係合体と第1係合体および第2係合体との係合により前記閉鎖体を前記トイレ室に収納して前記トイレ室を閉鎖し、
前記トイレ室を使用するときは、前記閉鎖体の前記正面板を前記トイレ室の外部前方側に一旦引き出した後、前記閉鎖体の前記正面板を前記トイレ室の出入開口部側に移動させ、前記閉鎖体の前記第1側板に設けた係止体をおよび前記閉鎖体の前記第2側板に設けた係止体を前記トイレ室の出入開口部の係止部に係止させ、前記閉鎖体により前記トイレ室を閉鎖するようにしたことを特徴とするトイレ室の閉鎖方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、トイレ室の閉鎖構造体およびトイレ室の閉鎖方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に住宅のトイレ室は洋式便器が設置され、トイレ室の出入開口部に開閉ドアが設けられている。開閉ドアと洋式の便器の前方端部との間は、トイレ利用者が洋式の便器に着座したときに両足が開閉ドアに当たらないように大きな空間が設けられている。
【0003】
そして、開閉ドアはトイレを不使用のときおよびトイレを使用するときに閉められてトイレ室が閉鎖される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-51198号公報
【特許文献2】特開2020-94341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、住宅において和式トイレから洋式トイレに改築することがある。和式トイレが設置されていたトイレ室に洋式便器を設置した状態を
図14~
図16に示す。
図14および
図15はトイレ室の平面図であり、
図16はトイレ室の側面図である。
【0006】
図14に示すように、住宅100のトイレ壁101により形成されたトイレ室1に洋式の便器2が設置され、洋式の便器2の前方端部2aがトイレ室1の出入開口部3の近くに延在して配置されている。トイレ室1は不使用状態であり開閉ドア5が閉められ、トイレ室1が閉鎖されている。
【0007】
次に、
図15に示すように、トイレ室1を使用するときは開閉ドア5が開けられ、
図16に示すように、トイレ利用者6が洋式の便器2に着座すると、トイレ利用者6の両足6aがトイレ室1の外部の廊下に出てしまい、開閉ドア5を閉めることができず、トイレ室1を閉鎖することができないという問題点があった。
【0008】
また、開閉ドア5を閉めることができず、トイレ室1を閉鎖することができない状態でトイレ利用者6が利用することは環境面において問題があるとともに、他の人に見られてしまうという心理的ストレスを生じるという問題点があった。
【0009】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、その目的は、トイレ室を確実に閉鎖することができるトイレ室の閉鎖構造体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示されるトイレ室の閉鎖構造体は、便器の前方端部がトイレ室の出入開口部の近くに延在して配置されるトイレ室の閉鎖構造体において、前記トイレ室の内外に進退可能で前記トイレ室を閉鎖する閉鎖体を設け、前記閉鎖体は、正面板と、前記正面板の両側に配置された第1側板および第2側板とから構成され、前記トイレ室の床面と前記トイレ室の前に前記トイレ室の側壁に沿って前記トイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体を設け、前記閉鎖体の前記第1側板に前記第1係合体と係合する第3係合体を設け、前記閉鎖体の前記第2側板に前記第2係合体と係合する第4係合体を設けたものである。
【0011】
また、本願に開示されるトイレ室の閉鎖方法は、トイレ室を不使用のときは、閉鎖体の正面板を押し、前記閉鎖体の第1側板に設けた第3係合体および前記閉鎖体の第2側板に設けた第4係合体と第1係合体および第2係合体との係合により前記閉鎖体を前記トイレ室に収納して前記トイレ室を閉鎖し、前記トイレ室を使用するときは、前記閉鎖体の前記正面板を前記トイレ室の外部前方側に一旦引き出した後、前記閉鎖体の前記正面板を前記トイレ室の出入開口部側に移動させ、前記閉鎖体の前記第1側板の先端部をおよび前記閉鎖体の前記第2側板の先端部を前記トイレ室の出入開口部に係止させ、前記閉鎖体により前記トイレ室を閉鎖するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本願に開示されるトイレ室の閉鎖構造体によれば、トイレ室の床面にトイレ室の側壁に沿ってトイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体を設け、閉鎖体の第1側板に第1係合体と係合する第3係合体を設け、閉鎖体の第2側板に第2係合体と係合する第4係合体を設けたことにより、閉鎖体をトイレ室の内外に進退可能でトイレ室を確実に閉鎖することができるトイレ室の閉鎖構造体を得ることができる。
【0013】
また、本願に開示されるトイレ室の閉鎖方法によれば、トイレ室を不使用のときは、閉鎖体をトイレ室に収納してトイレ室を閉鎖し、トイレ室を使用するときは、閉鎖体の正面板をトイレ室の外部前方側に一旦引き出した後、閉鎖体の正面板をトイレ室の出入開口部側に移動させ、閉鎖体の第1側板の先端部および閉鎖体の第2側板の先端部をトイレ室の出入開口部に係止させ、前記閉鎖体により前記トイレ室を閉鎖するようにしたことにより、トイレ室を確実に閉鎖することができるトイレ室の閉鎖方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図2】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す側面図である。
【
図3】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す正面図である。
【
図4】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図5】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す側面図である。
【
図6】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図8】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す側面図である。
【
図9】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図10】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図11】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体の要部を示す斜視図である。
【
図12】実施の形態1によるトイレ室の閉鎖構造体の要部を示す要部断面正面図である。
【
図13】実施の形態2によるトイレ室の閉鎖構造体の要部を示す要部断面正面図である。
【
図14】従来のトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図15】従来のトイレ室の閉鎖構造体を示す要部断面平面図である。
【
図16】従来のトイレ室の閉鎖構造体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、実施の形態1を
図1~
図12に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
【0016】
図1~
図3は閉鎖体をトイレ室の内部に収納した状態を示し、
図4~
図6は閉鎖体をトイレ室の外部前方側に移動させた状態を示し、
図7および
図8はトイレの使用状態を示し、
図9および
図10はトイレの使用後の状態を示し、
図11は閉鎖体を示し、
図12は閉鎖構造体の一例を示している。
【0017】
洋式の便器2の前方端部2aがトイレ室1の出入開口部3の近くに延在して配置され、トイレ室1の内外に進退可能でトイレ室1を閉鎖する閉鎖体9を設けている。閉鎖体9は、正面板10と、正面板10の両側に配置された第1側板11および第2側板12とから構成されている。正面板10の表面部には手摺り13が設けられ、正面板10の裏面部には手摺り14が設けられている。
【0018】
トイレ室1の床面にトイレ室1の側壁1a,1bにそれぞれ沿ってトイレ室1の外部前方側、すなわち廊下7側に延在する第1係合体15および第2係合体16を設け、第1係合体15および第2係合体16はそれぞれ断面山形形状のガイドレールで構成された場合を示している。また、第1係合体15のガイドレールおよび第2係合体16のガイドレールの上面は廊下7の上面より出ないように略同一面上となるように配置される。
【0019】
閉鎖体9の第1側板11の底部11aに第1係合体15のガイドレールと係合する第3係合体20を設け、閉鎖体9の第2側板12の底部12aに第2係合体16のガイドレールと係合する第4係合体21を設け、第3係合体20および第4係合体21はそれぞれ第1係合体15のガイドレールの中央部および第2係合体16のガイドレールの中央部に係合する戸車で構成された場合を示している。第3係合体20の戸車および第4係合体21の戸車は第1側板11の奥行方向および第2側板12の奥行方向にそれぞれ少なくとも2個配置される。
【0020】
なお、トイレ室1の前方は廊下7となっており、矢印P方向、矢印Q方向に人が通ることができ、トイレ室1の前方側には廊下7を介して隔体8が配置された状態となっている。また、閉鎖体9の正面板10、第1側板11、第2側板12の上部に天板17が設けられている。
【0021】
また、
図7および
図8に示すように、閉鎖体9の第1側板11の先端部11bおよび第2側板12の先端部12bがトイレ室1の出入開口部3より少し入った位置に係止できる状態を維持するため、閉鎖体9の第1側板11の先端部11bの例えば高さ方向の中央部付近および第2側板12の先端部12bの例えば高さ方向の中央部付近にそれぞれ係止体18が設けられ、トイレ室1の側壁1a,1bの出入開口部3より少し入った位置にそれぞれ係止体18が係止される係止部19が設けられている。第1側板11の係止体18、第2側板12の係止体18がトイレ室1の側壁1a,1bの係止部19に係止されることにより、
図7および
図8に示す状態で閉鎖体9によりトイレ室1を閉鎖できる。
【0022】
係止体18は例えばばねにより進退する構成であり、閉鎖体9の第1側板11の先端部11bおよび第2側板12の先端部12bがトイレ室1の出入開口部3よりトイレ室1の中に入っていくと、係止体18のばねは圧縮された状態となり、第1側板11の先端部11bおよび第2側板12の先端部12bがトイレ室1の中へさらに入っていくと、トイレ室1の側壁1a,1bの係止部19に入っていき係止体18のばねは圧縮された状態は開放され、係止体18が係止部19に係合される。
【0023】
以上のように、トイレ室1の床面にトイレ室1の側壁1a,1bに沿ってトイレ室1の外部前方側に延在する第1係合体15および第2係合体16を設け、閉鎖体9の第1側板11の底部11aに第1係合体15と係合する第3係合体20を設け、閉鎖体9の第2側板12の底部12aに第2係合体16と係合する第4係合体21を設けたことにより、閉鎖体9をトイレ室1の内外に進退可能とすることができ、トイレ室1の不使用時およびトイレ室1の使用時においてトイレ室1を確実に閉鎖することができる。すなわち、トイレ室1を閉鎖体9により確実に閉鎖することができるので、環境面における問題を改善できるとともに、トイレ利用者6の心理的ストレスを解消することができる。
【0024】
次に、トイレ室の閉鎖方法について説明する。トイレ室1を不使用のときは、
図1~
図3に示すように、手摺り13を持って閉鎖体9の正面板10を押し、閉鎖体9の第1側板11の底部11aに設けた第3係合体20および閉鎖体9の第2側板12の底部12aに設けた第4係合体21とトイレ室1と廊下7にわたって設けた第1係合体15および第2係合体16との係合により、閉鎖体9をトイレ室1に収納してトイレ室1を閉鎖する。
【0025】
また、トイレ室1を使用するときは、
図4~
図6に示すように、手摺り13を持って閉鎖体9の正面板10をトイレ室1の外部前方側に一旦引き出す。この実施の形態においては、手摺り13が隔体8に当接して閉鎖体9の引き出しが終わり、閉鎖体9の第1側板11の先端部11bおよび閉鎖体9の第2側板12の先端部12bとトイレ室1の出入開口部3との間に人が通れる空間を確保できる。
【0026】
図4に示すように、トイレ利用者6が矢印S方向あるいは矢印T方向の何れかからトイレ室1の出入開口部3を通ってトイレ室1に入ることができる。このとき、
図7に示すように、トイレ利用者6は閉鎖体9の正面板10の裏面に設けた手摺り14を持って閉鎖体9の正面板10をトイレ室1の出入開口部3側に移動させ、閉鎖体9の第1側板11の先端部11bの近傍に設けた係止体18および閉鎖体9の第2側板12の先端部12bの近傍に設けた係止体18をトイレ室1の出入開口部3の近傍に設けた係止部19に係止させ、閉鎖体9によりトイレ室1を閉鎖する。
【0027】
図8に示すように、トイレ利用者6が洋式の便器2に着座し、トイレ利用者6の両足6aがトイレ室1の出入開口部3の外部に出ているが、閉鎖体9によりトイレ室1が閉鎖されているので、トイレ室1に入っているトイレ利用者6が他の人に見られることがない。すなわち、トイレ室1を閉鎖体9により確実に閉鎖することができるので、環境面における問題を改善できるとともに、トイレ利用者6の心理的ストレスを解消できるという効果を得ることができる。
【0028】
図7に示すように、トイレ利用者6がトイレ室1に入っていても、閉鎖体9の正面板10と隔体8との間に空間を確保することができるので、矢印P方向、矢印Q方向に人が通ることができ、トイレ室1前の人の流れに何ら支障を生じることがない。
【0029】
図9に示すように、トイレ利用者6がトイレ室1から出るときは、トイレ利用者6は閉鎖体9の正面板10の裏面に設けた手摺り14を持って閉鎖体9の正面板10をトイレ室1の外部前方側に押すことにより係止体18が係止部19との係合が解除されて隔体8に当接される。このとき、閉鎖体9の第1側板11の先端部11bおよび閉鎖体9の第2側板12の先端部12bとトイレ室1の出入開口部3との間に人が通れる空間を確保でき、トイレ利用者6はトイレ室1から矢印X方向あるいは矢印Y方向の何れかに出ることができる。
【0030】
そして、トイレ室1の使用が終わると、
図10に示すように、手摺り13を持って閉鎖体9の正面板10をトイレ室1側に押し、閉鎖体9の第1側板11の底部11aに設けた第3係合体20および閉鎖体9の第2側板12の底部12aに設けた第4係合体21とトイレ室1と廊下7にわたって設けた第1係合体15および第2係合体16との係合により、閉鎖体9をトイレ室1に収納してトイレ室1を閉鎖する。
【0031】
次に、閉鎖体9の構成の一例について説明する。
図11は閉鎖体9を示す斜視図であり、
図12は第1係合体15と第3係合体20との係合状態および第2係合体16と第4係合体21との係合状態を示す正面断面図である。
【0032】
第1係合体15および第2係合体16はそれぞれ断面山形形状のガイドレールで構成され、閉鎖体9の第1側板11の底部11aに設けた第3係合体20および閉鎖体9の第2側板12の底部12aに設けた第4係合体21はそれぞれ第1係合体15のガイドレールの中央部および第2係合体16のガイドレールの中央部に係合する戸車で構成されている。
【0033】
第3係合体20の戸車が第1係合体15のガイドレールの中央部に係合して回動し、第4係合体21の戸車が第2係合体16のガイドレールの中央部に係合して回動することにより、閉鎖体9をトイレ室1の内外に進退可能に構成でき、トイレ室1を閉鎖体9により確実に閉鎖することができる。
【0034】
実施の形態2.
図13は実施の形態2によるトイレ室の閉鎖構造体を示す正面断面図である。上述した実施の形態1においては、 第1係合体15および第2係合体16がそれぞれ断面山形形状のガイドレールで構成され、第3係合体20および第4係合体21がそれぞれ戸車で構成された場合について述べたが、この実施の形態2においては他の係合体としたものである。
【0035】
すなわち、
図13に示すように、第1係合体22および第2係合体23はそれぞれボールが複数配置されたボールガイドレールで構成され、閉鎖体9の第1側板11の底部11aに設けた第3係合体24および閉鎖体9の第2側板12の底部12aに設けた第4係合体25はそれぞれ第1係合体22のボールガイドレールおよび第2係合体23のボールガイドレールに係合するガイドレールで構成されている。
【0036】
第3係合体24のガイドレールが第1係合体22のボールガイドレールに係合して摺動し、第4係合体25のガイドレールが第2係合体23のボールガイドレールに係合して摺動することにより、閉鎖体9をトイレ室1の内外に進退可能に構成でき、トイレ室1を閉鎖体9により確実に閉鎖することができ、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0037】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本願は、閉鎖体をトイレ室の内外に進退可能とすることができるので、トイレ室を確実に閉鎖することができるトイレ室の閉鎖構造体の実現に好適である。
【符号の説明】
【0039】
1 トイレ室、1a 側壁、1b 側壁、2 便器、2a 前方端部、3 出入開口部、6 トイレ利用者、7 廊下、9 閉鎖体、10 正面板、11 第1側板、11a 底部、11b 先端部、12 第2側板、12a 底部、12b 先端部、15 第1係合体、16 第2係合体、20 第3係合体、21 第4係合体、22 第1係合体、23 第2係合体、24 第3係合体、25 第4係合体
【手続補正書】
【提出日】2021-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅のトイレ室に設置された便器の前方端部が前記トイレ室の出入開口部の近くに延在して配置されるトイレ室の閉鎖構造体において、
前記トイレ室の内外に進退可能で前記トイレ室を閉鎖する閉鎖体を設け、
前記閉鎖体は、単板からなる正面板と、前記正面板の両側に配置された第1側板および第2側板とから構成され、
前記トイレ室の床面と前記トイレ室の前の床面に前記トイレ室の側壁に沿って前記トイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体を設け、
前記閉鎖体の前記第1側板の底部側に前記第1係合体と係合する第3係合体を設け、
前記閉鎖体の前記第2側板の底部側に前記第2係合体と係合する第4係合体を設け、
前記閉鎖体の前記第1側板および前記第2側板に係止体を設け、
前記トイレ室の前記側壁の前記出入開口部より少し入った位置に前記係止体が係止される係止部を設け、
前記閉鎖体が前記トイレ室の外部前方側に引き出されて前記閉鎖体と前記トイレ室の前記出入開口部との間に前記トイレ室への入退路となる空間が設けられるとともに、前記閉鎖体が前記トイレ室の前記出入開口部側に移動されて前記係止体が前記係止部に係止され、前記閉鎖体の前記正面板と前記トイレ室の前記出入開口部との間の前記トイレ室の前の床面に空間部が保持され、前記閉鎖体により前記トイレ室が閉鎖される
ことを特徴とするトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項2】
前記第1係合体および前記第2係合体はガイドレールで構成され、前記第3係合体および前記第4係合体は戸車で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項3】
前記第1係合体および前記第2係合体はボールガイドレールで構成され、前記第3係合体および前記第4係合体はガイドレールで構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトイレ室の閉鎖構造体。
【請求項4】
トイレ室を不使用のときは、閉鎖体の単板からなる正面板を押し、前記正面板の両側に配置された前記閉鎖体の第1側板の底部側および第2側板の底部側に設けた第3係合体および第4係合体と前記トイレ室の床面と前記トイレ室の前の床面に前記トイレ室の側壁に沿って前記トイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体との係合により前記閉鎖体を前記トイレ室に収納して前記トイレ室を閉鎖し、
前記トイレ室を使用するときは、前記閉鎖体の前記正面板を引いて前記閉鎖体を前記トイレ室の外部前方側に一旦引き出して前記閉鎖体と前記トイレ室の出入開口部との間に前記トイレ室への入退路となる空間を設けた後、前記閉鎖体の前記正面板を引いて前記閉鎖体を前記トイレ室の前記出入開口部側に移動させ、前記閉鎖体の前記第1側板および前記第2側板に設けた係止体を前記トイレ室の側壁の前記出入開口部より少し入った位置に設けた係止部に係止させ、前記閉鎖体の前記正面板と前記トイレ室の前記出入開口部との間の前記トイレ室の前の床面に空間部が保持され、前記閉鎖体により前記トイレ室を閉鎖するようにしたことを特徴とするトイレ室の閉鎖方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本願に開示されるトイレ室の閉鎖構造体は、住宅のトイレ室に設置された便器の前方端部が前記トイレ室の出入開口部の近くに延在して配置されるトイレ室の閉鎖構造体において、前記トイレ室の内外に進退可能で前記トイレ室を閉鎖する閉鎖体を設け、前記閉鎖体は、単板からなる正面板と、前記正面板の両側に配置された第1側板および第2側板とから構成され、前記トイレ室の床面と前記トイレ室の前の床面に前記トイレ室の側壁に沿って前記トイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体を設け、前記閉鎖体の前記第1側板の底部側に前記第1係合体と係合する第3係合体を設け、前記閉鎖体の前記第2側板の底部側に前記第2係合体と係合する第4係合体を設け、前記閉鎖体の前記第1側板および前記第2側板に係止体を設け、前記トイレ室の前記側壁の前記出入開口部より少し入った位置に前記係止体が係止される係止部を設け、前記閉鎖体が前記トイレ室の外部前方側に引き出されて前記閉鎖体と前記トイレ室の前記出入開口部との間に前記トイレ室への入退路となる空間が設けられるとともに、前記閉鎖体が前記トイレ室の前記出入開口部側に移動されて前記係止体が前記係止部に係止され、前記閉鎖体の前記正面板と前記トイレ室の前記出入開口部との間の前記トイレ室の前の床面に空間部が保持され、前記閉鎖体により前記トイレ室が閉鎖されるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、本願に開示されるトイレ室の閉鎖方法は、トイレ室を不使用のときは、閉鎖体の単板からなる正面板を押し、前記正面板の両側に配置された前記閉鎖体の第1側板の底部側および第2側板の底部側に設けた第3係合体および第4係合体と前記トイレ室の床面と前記トイレ室の前の床面に前記トイレ室の側壁に沿って前記トイレ室の外部前方側に延在する第1係合体および第2係合体との係合により前記閉鎖体を前記トイレ室に収納して前記トイレ室を閉鎖し、前記トイレ室を使用するときは、前記閉鎖体の前記正面板を引いて前記閉鎖体を前記トイレ室の外部前方側に一旦引き出して前記閉鎖体と前記トイレ室の出入開口部との間に前記トイレ室への入退路となる空間を設けた後、前記閉鎖体の前記正面板を引いて前記閉鎖体を前記トイレ室の前記出入開口部側に移動させ、前記閉鎖体の前記第1側板および前記第2側板に設けた係止体を前記トイレ室の側壁の前記出入開口部より少し入った位置に設けた係止部に係止させ、前記閉鎖体の前記正面板と前記トイレ室の前記出入開口部との間の前記トイレ室の前の床面に空間部が保持され、前記閉鎖体により前記トイレ室を閉鎖するようにしたものである。