(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024338
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】減速機及び減速機シリーズの製造方法
(51)【国際特許分類】
F16H 57/033 20120101AFI20220202BHJP
F16H 57/029 20120101ALI20220202BHJP
F16H 1/14 20060101ALI20220202BHJP
H02K 7/116 20060101ALN20220202BHJP
【FI】
F16H57/033
F16H57/029
F16H1/14
H02K7/116
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122367
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】591218307
【氏名又は名称】株式会社ニッセイ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】可児 旭弘
【テーマコード(参考)】
3J009
3J063
5H607
【Fターム(参考)】
3J009DA18
3J009DA20
3J009EA06
3J009EA16
3J009EA23
3J009EA32
3J009FA14
3J063AB04
3J063AC01
3J063BA01
3J063BB48
3J063XA01
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607EE36
(57)【要約】
【課題】ギアケースを共通化すると同時にオイルシールに起因する損失を小さくすることができる減速機及び減速機シリーズの製造方法に関するものである。
【解決手段】先端にピニオン3が形成された入力軸4と、ピニオン4と噛合するベベルギア7と、入力軸4が貫通して配置される貫通孔25を有するケース本体11と、入力軸4と貫通孔25との間隙を封止するオイルシール24とを備えた減速機において、ケース本体11には複数のオイルシール配置部25A,25Bが形成されており、オイルシール24は、複数のオイルシール配置部25A,25Bのうち、ピニオン3及びベベルギア7の歯数比に応じて選択的に配置される。このため、減速比の異なる複数の減速機を含むシリーズにおいて、ケース本体11を共通化すると同時に、オイルシール24の径を小さくし、オイルシール24に起因する損失を小さくすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピニオンが形成された入力軸と、
前記ピニオンと噛合するギアと、
前記入力軸を第1軸受を介して軸支する第1ケース、及び前記ギアを第2軸受を介して軸支する第2ケースを含んで成るギアケースと、
前記第1ケースに形成された開口部と前記入力軸との間隙を封止し、前記開口部に配置されるオイルシールと
を備えた減速機であって、
前記開口部には、複数のオイルシール配置部が形成されており、
前記オイルシールは、前記複数のオイルシール配置部のうち、前記ピニオン及び前記ギアの歯数比に応じて選択された位置に配置されている
ことを特徴とする減速機。
【請求項2】
前記複数のオイルシール配置部は、前記入力軸の軸方向において、前記第1軸受と前記ピニオンとの間に位置しており、
前記複数のオイルシール配置部の内径は、前記第1軸受から前記ピニオンに向かって徐々に小さくなっており、
前記入力軸の外径は、前記第1軸受から前記ピニオンに向かって徐々に小さくなっている
ことを特徴とする請求項1に記載の減速機。
【請求項3】
前記ピニオンと前記ギアとは、傘歯車であり、
前記第1ケースと前記第2ケースとが一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の減速機。
【請求項4】
ピニオンが形成された入力軸と、
前記ピニオンと噛合するギアと、
前記入力軸を第1軸受を介して軸支する第1ケース、及び前記ギアを第2軸受を介して軸支する第2ケースを含んで成るギアケースと、
前記第1ケースに形成された開口部と前記入力軸との間隙を封止し、前記開口部に配置されるオイルシールと
を備えた減速機が、前記ピニオンと前記ギアとの歯数比が異なる複数種類用意された減速機シリーズの製造方法であって、
前記開口部には、複数のオイルシール配置部が形成されており、
前記オイルシールを、前記複数のオイルシール配置部のうち、前記歯数比に応じて選択した位置に配置し、
各前記減速機を、他の前記減速機と共通の前記第1ケースを用いてそれぞれ製造する
ことを特徴とする減速機シリーズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機及び減速機シリーズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、ハイポイドピニオンが形成された入力軸、該入力軸と噛合するハイポイドギヤ、及び、該ハイポイドギヤが組付けられる出力軸を有するハイポイドギヤセットと、該ハイポイドギヤセットを収容する歯車箱と、を備え、該歯車箱中に、前記ハイポイドギヤセットを収容する1段型のハイポイド減速機のシリーズが開示されている。このハイポイド減速機のシリーズでは、異なる減速比のハイポイドギヤセットのうち、最小減速比のハイポイドギヤセットに対応させて歯車箱の出力軸方向の軸方向長さを最適設計することで、歯車箱を共通化し、異なる減速比の減速機であっても相手機械やモータに対する取り合いを統一することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
減速機においては、潤滑油を封入するため、入力軸と歯車箱との隙間、及び出力軸と歯車箱との隙間を封止するためのオイルシールを配置することが一般的である。例えば特許文献1に記載されている減速機では、入力軸部分には2段のシール128が配置され、出力軸部分にはシール119A、119Bが配置されている。
【0005】
これらのオイルシールは、潤滑剤を封止するために必要であるが、リップ部と軸との摩擦により損失や発熱の原因となる。また、同じ回転速度同士で比較した場合、オイルシールの径が大きいほど、リップ部が接触する部分の周速が速くなるため、損失も大きくなる。このため、損失を考慮するとオイルシールの径はできるだけ小さくするほうが好ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1のように異なる減速比で歯車箱を共通化した場合、オイルシールも同じく共通のものが使用される。入力軸においては、減速比が小さいほどピニオンの歯数が多くなるため、外径が大きくなる。このため、最小速比に合わせた径のオイルシールを選択する必要があり、反対に、大きな減速比では必要以上にオイルシールの径が大きくなってしまい、損失も大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、径の異なる複数のオイルシールに対応したオイルシール配置部を形成することにより、ギアケースを共通化すると同時にオイルシールに起因する損失を小さくすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、請求項1記載の減速機は、ピニオンが形成された入力軸と、前記ピニオンと噛合するギアと、前記入力軸を第1軸受を介して軸支する第1ケース、及び前記ギアを第2軸受を介して軸支する第2ケースを含んで成るギアケースと、前記第1ケースに形成された開口部と前記入力軸との間隙を封止し、前記開口部に配置されるオイルシールとを備えた減速機であって、前記開口部には、複数のオイルシール配置部が形成されており、前記オイルシールは、前記複数のオイルシール配置部のうち、前記ピニオン及び前記ギアの歯数比に応じて選択された位置に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の減速機は、請求項1に記載の減速機であって、更に、前記複数のオイルシール配置部は、前記入力軸の軸方向において、前記第1軸受と前記ピニオンとの間に位置しており、前記複数のオイルシール配置部の内径は、前記第1軸受から前記ピニオンに向かって徐々に小さくなっており、前記入力軸の外径は、前記第1軸受から前記ピニオンに向かって徐々に小さくなっていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の減速機は、請求項1または2に記載の減速機であって、更に、前記ピニオンと前記ギアとは、傘歯車であり、前記第1ケースと前記第2ケースとが一体に形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の減速機シリーズの製造方法は、ピニオンが形成された入力軸と、前記ピニオンと噛合するギアと、前記入力軸を第1軸受を介して軸支する第1ケース、及び前記ギアを第2軸受を介して軸支する第2ケースを含んで成るギアケースと、前記第1ケースに形成された開口部と前記入力軸との間隙を封止し、前記開口部に配置されるオイルシールとを備えた減速機が、前記ピニオンと前記ギアとの歯数比が異なる複数種類用意された減速機シリーズの製造方法であって、前記開口部には、複数のオイルシール配置部が形成されており、前記オイルシールを、前記複数のオイルシール配置部のうち、前記歯数比に応じて選択した位置に配置し、各前記減速機を、他の前記減速機と共通の前記第1ケースを用いてそれぞれ製造することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の減速機によれば、ピニオンとギアとの歯数比に応じて、減速比の異なる複数の減速機を含むシリーズを構成した場合に、当該減速機シリーズにおいて歯数比に応じて異なる径のオイルシールを使用した場合であっても、複数のオイルシール配置部から1つを選択してオイルシールを配置することができるため、減速機シリーズにおいて第1ケースを共通化することができる。特に、減速比が大きくピニオンの径が小さいものについては、オイルシールの径を小さくすることが可能であり、損失を小さくすることができる。
また、請求項2記載の減速機によれば、入力軸の外径が、第1軸受からピニオンに向かって徐々に小さくなっているため、入力軸にかかる曲げ応力の集中を少なくすることができる。また、特に、減速比が大きくピニオンの径が小さいものについては、オイルシールの径を小さくすることが可能であるため、歯の切り上がりとオイルシール部との干渉を防止できる。
また、請求項3記載の減速機によれば、第1ケースと第2ケースとが一体に形成されているため、ピニオンとギアとの位置関係を精度良く形成することができる。
また、請求項4記載の減速機シリーズの製造方法によれば、歯数比に応じて異なる径のオイルシールを使用した場合であっても、複数のオイルシール配置部から1つを選択してオイルシールを配置することができるため、減速機シリーズにおいて第1ケースを共通化することができる。特に、減速比が大きくピニオンの径が小さいものについては、オイルシールの径を小さくすることが可能であり、損失を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る第1減速機の断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る第2減速機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る第1減速機1を示す断面図である。まず
図1を用いて、この第1減速機1の構造を説明する。
【0012】
第1減速機1は、入力軸に対して出力軸が90°曲がっている直交軸型の減速機である。第1減速機1は、先端にピニオン3が形成され、図示しないモータの駆動軸と連結される入力軸4と、この入力軸4と直交して配置された中空軸よりなる出力軸5と、出力軸5の外周にキー6を介して固定され、ピニオン3と噛み合うベベルギア7と、入力軸4を回転可能に軸支する2つのボールベアリング8A,8Bと、出力軸5をベベルギア7を挟んだ軸方向両側の位置で回転可能に軸支する2つのテーパローラベアリング9A,9Bと、ボールベアリング8A,8B、及びテーパローラベアリング9A,9Bを各々保持するケース10とを備えている。
【0013】
ケース10は、出力軸5の軸方向の一面が開放されたケース本体11と、ケース本体11の開放された一面を塞ぐように固定された蓋状のケースカバー12と、ケース本体11の入力側に配置されたブラケット13とから構成されている。出力軸5を軸支する2つのテーパローラベアリング9A,9Bのうち、一方はケース本体11側に支持され、他方はケースカバー12側に支持されている。各テーパローラベアリング9A,9Bの外側には、それぞれオイルシール14A,14Bが配置されている。
【0014】
出力軸5の軸方向の一端はケース本体11に形成された貫通孔より外部に露出し、他端はケースカバー12に形成された貫通孔より外部に露出している。このため、被駆動軸を一端側及び他端側のいずれの方向からも差し込み結合できるようになっている。出力軸5の中空孔内周には、全長に亘ってキー溝15が設けられている。
【0015】
入力軸4は、入力側(
図1の右側)の端面の軸心に、モータ軸が挿入可能な入力穴4Aが形成されている。径方向から見て入力穴4Aと重なる位置の外周面には、ボールベアリング8Aが外嵌されている。また、ボールベアリング8Aよりも入力側には、軸の一部を残して軸線と直交して入力穴4Aと連通するスリット16が形成されると共に、クランプ部17が形成されている。クランプ部17は、図示しないボルトによってモータ軸をクランプ可能となっている。
【0016】
入力軸4におけるボールベアリング8Aよりも出力側(
図1の左側)には、外周にボールベアリング8Bが配置される外径D1の支持部21が形成されている。入力軸4を軸支する2つのボールベアリング8A,8Bのうち、入力側のボールベアリング8Aはブラケット13に支持され、出力側のボールベアリング8Bはケース本体11に支持されている。
【0017】
入力軸4には、支持部21からピニオン3に向かって、外径D2の中間部22と、外径D3のオイルシール接触部23とが順番に形成されている。ピニオン3はケース本体11の内部に突出し、ベベルギア7と噛み合っている。オイルシール接触部23にはオイルシール24が配置され、ケース本体11の内周面とオイルシール接触部23との間隙はオイルシール24により封止されている。尚、本実施形態では、ケース本体11は、ボールベアリング8Aを支持する入力側ケース11Aと、テーパローラベアリング9Aを支持する出力側ケース11Bとが、一体で形成されている。入力軸4の外径は、支持部21からピニオン3に向けて、徐々に階段状に小さくなっている(D1>D2>D3)。
【0018】
入力側ケース11Aには、入力軸4が貫通して配置される貫通孔25が形成されている。貫通孔25には、内径がそれぞれ異なる第1のオイルシール配置部25A及び第2のオイルシール配置部25Bが、軸方向に隣接した状態で同軸に形成されている。第1のオイルシール配置部25Aの内径は、第2のオイルシール配置部25Bの内径よりも小さくなっており、入力側からケース本体11の内部に向かって、第2のオイルシール配置部25B、及び第1のオイルシール配置部25Aの順番で形成されている。つまり、入力側からケース本体11の内部に向かって、オイルシール配置部の内径が小さくなっている。第1減速機1では、オイルシール24は第1のオイルシール配置部25Aに配置されており、第2のオイルシール配置部25Bは使用されていない。
【0019】
ケース本体11の内部にはグリスが封入されており、グリスはオイルシール14A,オイルシール14B,及びオイルシール24によって封止されている。
【0020】
以上の如く構成された第1減速機1においては、図示しないモータが駆動すると、モータ軸に締結された入力軸4が一体回転する。第1減速機1においては、ピニオン3の歯数は5枚であり、ベベルギア7の歯数は50枚となっている。よって出力軸5は、ピニオン3及びベベルギア7を介して、モータ軸の回転速度に対して1/10に減速されて回転する。
【0021】
次に、
図2を用いて、本実施形態の他の減速機を説明する。
図2は、本実施形態に係る第2減速機2の構造図である。第2減速機2においては、ピニオン51及びベベルギア52の歯数と、入力側のオイルシール53の配置位置とが、第1減速機1とは異なる。尚、第1減速機1と同様の構造については、説明を省略する。
【0022】
第2減速機2においては、第1減速機1と共通形状のケース本体11を使用している。第2減速機2においては、ピニオン51の歯数は8枚であり、ベベルギア52の歯数は40枚である。よって、出力軸5は、モータ軸の回転速度に対して1/5に減速されて回転する。
【0023】
入力軸54には、支持部21とピニオン51との間に、外径D4のオイルシール接触部55が形成されている。第1減速機1と異なり、中間部は形成されていない。第2減速機2では、オイルシール53は、第2のオイルシール配置部25Bに配置されており、第1のオイルシール配置部25Aは使用されていない。
【0024】
以上のように、ピニオン及びベベルギアの組み合わせを変えることにより、異なる減速比を持つ減速機を、シリーズとして構成することができる。またその際、ピニオン及びベベルギアの歯数比に応じて(より具体的にはピニオンの外径に応じて)、第1のオイルシール配置部25A又は第2のオイルシール配置部25Bのいずれか一方を選択してオイルシールを配置することができる。
【0025】
このように、上記形態の第1減速機1及び第2減速機2によれば、ケース本体11を共通化し、減速比に応じて、第1のオイルシール配置部25A又は第2のオイルシール配置部25Bのいずれか一方を選択してオイルシールを配置することができるため、ケース部品の在庫の合理化を図ることができる。また、より減速比が大きい第1減速機1については、オイルシールの径を小さくすることが可能であり、損失を小さくすることができる。
【0026】
また、第1減速機1によれば、入力軸4の外径が、ボールベアリング8Bが配置される支持部21からピニオン3に向かって徐々に小さくなっているため、入力軸4にかかる曲げ応力の集中を少なくすることができる。また、オイルシール24の径を小さくすることが可能であるため、ピニオン3の歯の切り上がりとオイルシール接触部23との干渉を防止できる。
【0027】
また、上記形態の第1減速機1(または第2減速機2)によれば、ケース本体11は、ボールベアリング8Bを支持する入力側ケース11Aと、テーパローラベアリング9Aを支持する出力側ケース11Bとが、一体で形成されている。このため、ピニオン3とベベルギア7(またはピニオン51とベベルギア52)との位置関係を精度良く形成することができる。
【0028】
また、上記形態の第1減速機1と第2減速機2とからなる減速機シリーズの製造方法によれば、ケース本体11を共通化し、減速比に応じて、第1のオイルシール配置部25A又は第2のオイルシール配置部25Bのいずれか一方を選択してオイルシールを配置することができるため、ケース部品の在庫の合理化を図ることができる。また、より減速比が大きい第1減速機1については、オイルシールの径を小さくすることが可能であり、損失を小さくすることができる。
【0029】
以上のように、本実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態に加えうる変更の例について説明する。
【0030】
例えば、本実施形態では、第1減速機1及び第2減速機2は一段型の減速機であるが、ベベルギアが出力軸に外装されずに、入力軸と出力軸との間に設けられる中間軸に外装される二段型の減速機であってもよい。
【0031】
また、本実施形態では、第1減速機1及び第2減速機2は直交軸型の減速機であるが、平行軸型の減速機であってもよい。
【0032】
また、本実施形態では、入力側からケース本体11の内部に向かってオイルシール配置部の内径が小さくなっているが、入力側からケース本体11の内部に向かってオイルシール配置部の内径が大きくなるような構造であっても良い。
【0033】
また、本実施形態では、ケース本体11は、入力側ケース11Aと出力側ケース11Bとが一体で形成されているが、入力側ケース11Aと出力側ケース11Bとが別体で形成されていても良い。
【0034】
また、本実施形態では、入力軸の先端にピニオンが一体に形成されているが、入力軸とピニオンとが分割されており、圧入等によって固定されているタイプであってもよい。
【0035】
また、本実施形態では、オイルシールは入力軸に直接当接しているが、入力軸にカラー等を外装させ、オイルシールをカラー等に当接させるような構造であってもよい。
【0036】
また、本実施形態では、入力側にモータが取り付け可能な形状であるが、モータ一体型の減速機であってもよい。
【0037】
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
本実施形態のベベルギア7,52は、本発明のギアの一例である。本実施形態のボールベアリング8Bは、本発明の第1軸受の一例である。本実施形態のテーパローラベアリング9Aは、本発明の第2軸受の一例である。本実施形態のケース本体11は、本発明のギアケースの一例である。本実施形態の入力側ケース11Aは、本発明の第1ケースの一例である。本実施形態の出力側ケース11Bは、本発明の第2ケースの一例である。本実施形態の貫通孔25は、本発明の開口部の一例である。
【符号の説明】
【0038】
1 第1減速機
2 第2減速機
3,51 ピニオン
4,54 入力軸
5 出力軸
7,52 ベベルギア
8A,8B ボールベアリング
9A,9B テーパローラベアリング
10 ケース
11 ケース本体
11A 入力側ケース
11B 出力側ケース
24,53 オイルシール
25 貫通孔
25A 第1のオイルシール配置部
25B 第2のオイルシール配置部