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特開2022-24471公衆機器非接触操作システム、公衆機器非接触操作方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024471
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】公衆機器非接触操作システム、公衆機器非接触操作方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/18 20120101AFI20220202BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20220202BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20220202BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07D11/00 131C
G07D11/60 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127090
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】320010527
【氏名又は名称】アジャスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(72)【発明者】
【氏名】太田 伸二
(72)【発明者】
【氏名】小林 透
【テーマコード(参考)】
3E040
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E040BA07
3E040FH01
3E141BA07
3E141FH01
5L055AA39
(57)【要約】
【課題】 公衆機器に直接触れることなく、公衆機器を簡単かつ安全に操作可能にする公衆機器非接触操作システムを提供する。
【解決手段】 ユーザ端末20と相互通信可能なコネクションを構築するコネクション構築部112、ユーザ端末20へユーザインタフェース(UI)画面を送信するUI画面送信部142、ユーザ端末20から公衆機器10に対する操作指示を受信するデータ通信部143および受信した操作指示に基づいて公衆機器10に固有の機能を実行するデータ処理部114を備える公衆機器と、公衆機器10からUI画面を受信するUI画面取得部212、受信したUI画面を表示出力する表示部23、UI画面上でユーザから公衆機器10に対する操作指示の入力を受け付ける入力部22および入力された操作指示を公衆機器10へ送信するデータ通信部213を備えるユーザ端末とで構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムであって、
前記公衆機器は、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、
前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、
前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、
前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、
前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する
ことを特徴とする公衆機器非接触操作システム。
【請求項2】
前記公衆機器は、さらに、
物理的に近接した距離に位置するユーザ端末を検知するユーザ端末検知手段を備え、
前記コネクション構築手段は、前記ユーザ端末検知手段が検知したユーザ端末とのコネクションを構築する
ことを特徴とする請求項1記載の公衆機器非接触操作システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、さらに、
前記公衆機器へコネクションの構築を要請するコネクション構築要請指示を送信するコネクション構築要請指示送信手段を備え、
前記コネクション構築手段は、前記コネクション構築要請指示を受信したときに、前記コネクション構築要請指示を送信したユーザ端末とのコネクションを構築する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の公衆機器非接触操作システム。
【請求項4】
前記公衆機器は、さらに、
前記UI画面送信手段においてユーザ端末へ送信されるユーザインタフェース画面の解像度を、前記ユーザ端末表示手段における表示出力に適した解像度に調整するUI画面調整手段を備える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の公衆機器非接触操作システム。
【請求項5】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムであって、
前記公衆機器非接触操作システムは、さらに、前記公衆機器とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバを備え、
前記公衆機器は、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、
前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、
前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、
前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、
前記サーバは、
前記公衆機器のUI画面送信手段からユーザ端末へ送信されるユーザインタフェース画面を格納するユーザインタフェース画面格納手段と、
前記ユーザインタフェース画面格納手段に格納されているユーザインタフェース画面を、前記公衆機器へ送信する公衆機器通信手段とを備え、
前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する
ことを特徴とする公衆機器非接触操作システム。
【請求項6】
前記公衆機器が複数の異なる種別に分かれており、
前記ユーザインタフェース画面格納手段において、異なる種別ごとのユーザインタフェース画面が格納されており、
前記公衆機器通信手段において、前記公衆機器の種別を識別して、当該種別に対応するユーザインタフェース画面を前記公衆機器へ送信する
ことを特徴とする請求項5記載の公衆機器非接触操作システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記ユーザ端末とネットワークを介して通信可能に接続されており、さらに、
前記ユーザインタフェース画面に対応した公衆機器の操作に関する操作情報を格納する操作情報格納手段と、
前記操作情報格納手段に格納されている操作情報を、前記ユーザ端末へ送信するユーザ端末通信手段とを備え、
前記ユーザ端末のユーザ端末入力手段は、前記ユーザ端末通信手段から受信した操作情報を用いて、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器の操作指示の入力を受け付ける
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の公衆機器非接触操作システム。
【請求項8】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムであって、
前記公衆機器非接触操作システムは、さらに、前記ユーザ端末とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバを備え、
前記公衆機器は、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記公衆機器の識別子である公衆機器IDを送信する認証情報通信手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記公衆機器の認証情報通信手段から受信した公衆機器IDを前記サーバへ送信するサーバ通信手段と、
前記サーバから前記公衆機器IDに対応する公衆機器のユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、
前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、
前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、
前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、
前記サーバは、
前記公衆機器IDに対応して各公衆機器のユーザインタフェース画面を格納するユーザインタフェース画面格納手段と、
前記公衆機器IDに基づいて、前記ユーザインタフェース画面格納手段に格納されているユーザインタフェース画面を、前記ユーザ端末へ送信するユーザ端末通信手段とを備え、
前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する
ことを特徴とする公衆機器非接触操作システム。
【請求項9】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えたシステムにおける公衆機器非接触操作方法であって、
前記公衆機器において、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築ステップと、
前記コネクション構築ステップで相互通信可能となったユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信ステップとを含み、
前記ユーザ端末において、
前記UI画面送信ステップで送信された前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得ステップと、
前記UI画面取得ステップで受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示ステップと、
前記ユーザ端末表示ステップで表示出力された前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力ステップと、
前記ユーザ端末入力ステップで受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信ステップとを含み、
前記公衆機器において、
前記操作指示取得ステップにおいて送信された操作指示を受信し、受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行ステップとを含む
ことを特徴とする公衆機器非接触操作方法。
【請求項10】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器のためのプログラムであって、
前記ユーザ端末が、
前記公衆機器から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、
前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、
前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、
前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備えており、
前記公衆機器において、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築ステップと、
前記コネクション構築ステップで相互通信可能となったユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信ステップと、
前記操作指示取得ステップにおいて送信された操作指示を受信し、受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末のためのプログラムであって、
前記公衆機器が、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、
前記固有機能実行手段が、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行し、
前記ユーザ端末において、
前記公衆機器から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得ステップと、
前記UI画面取得ステップにおいて受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示ステップと、
前記ユーザ端末表示ステップにおいて表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力ステップと、
前記ユーザ端末入力ステップのおいて受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器であって、
前記公衆機器は、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、
前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、
前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、
前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、
前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する
ことを特徴とする公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器。
【請求項13】
公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末であって、
前記公衆機器は、
ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、
コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、
前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、
前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、
前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備える
ことを特徴とする公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等に設置されている現金自動預け払い機などの公衆機器を接触することなく操作可能にする公衆機器非接触操作システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、銀行等に設置されている現金自動預け払い機(ATM、以下適宜「銀行ATM」と称する。)などの公衆機器の操作について種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、事前に基本銀行ATM操作を個人端末に登録し画像出力することによって、現地での入力時間とミスを少なくする事を特徴とした新しい銀行ATM操作システムが開示されている。
【0004】
昨今の新型コロナウィルス感染症の拡大防止対策の一つとして接触感染を防ぐことが挙げられている。この接触感染を防止するという観点から、銀行ATMや飲料自動販売機、公共交通機関の乗車券売機などの不特定多数の人が利用する公衆機器について、公衆機器に直接触れることなく利用できることが望まれるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-138984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、公衆機器を操作するにあたり、情報を入力する際などにはどうしても公衆機器に直接触れる必要がある。そのため、公衆機器の操作による接触感染のリスクを無くすることはできず、新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点からは問題がある。
【0007】
また、銀行ATMのような公衆機器では、覗き見防止など安全性への配慮が必要なものもある。
【0008】
さらに、公衆機器は老若男女を問わず幅広いユーザが対象となるため、ユーザフレンドリーの観点から操作が簡単であることも望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、公衆機器に直接触れることなく、公衆機器を簡単かつ安全に操作可能にする公衆機器非接触操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る公衆機器非接触操作システムは、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムであって、前記公衆機器は、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、前記ユーザ端末は、前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行することを特徴とする。
【0011】
これによれば、ユーザは、不特定多数の人が触れる公衆機器に直接触れることなく、自己の所持するユーザ端末で公衆機器を操作することができ、その結果として接触感染による感染症の拡大のリスクを著しく減ずることができる。つまり、公衆機器に直接触れることなく、公衆機器を簡単かつ安全に操作可能にする公衆機器非接触操作システムが実現されることとなる。
【0012】
ここで、前記公衆機器は、さらに、物理的に近接した距離に位置するユーザ端末を検知するユーザ端末検知手段を備え、前記コネクション構築手段は、前記ユーザ端末検知手段が検知したユーザ端末とのコネクションを構築するのが好ましい。
【0013】
これによれば、公衆機器がユーザ端末とのコネクションを確実に構築することができるようになる。
【0014】
また、前記ユーザ端末は、さらに、前記公衆機器へコネクションの構築を要請するコネクション構築要請指示を送信するコネクション構築要請指示送信手段を備え、前記コネクション構築手段は、前記コネクション構築要請指示を受信したときに、前記コネクション構築要請指示を送信したユーザ端末とのコネクションを構築するとしてもよい。
【0015】
これによれば、公衆機器側から自動検知されるだけでなく、ユーザからのリクエストに応じることができるようになり、より確実な公衆機器とユーザ端末とのコネクションを構築することができるようになる。
【0016】
ここで、前記公衆機器は、さらに、前記UI画面送信手段においてユーザ端末へ送信されるユーザインタフェース画面の解像度を、前記ユーザ端末表示手段における表示出力に適した解像度に調整するUI画面調整手段を備えるのが好ましい。
【0017】
これによれば、表示画面の小さなユーザ端末でも容易に視認し操作することができるようになる。
【0018】
ここで、別の構成として、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムであって、前記公衆機器非接触操作システムは、さらに、前記公衆機器とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバを備え、前記公衆機器は、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、前記ユーザ端末は、前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、前記サーバは、前記公衆機器のUI画面送信手段からユーザ端末へ送信されるユーザインタフェース画面を格納するユーザインタフェース画面格納手段と、前記ユーザインタフェース画面格納手段に格納されているユーザインタフェース画面を、前記公衆機器へ送信する公衆機器通信手段とを備え、前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行することを特徴とする公衆機器非接触操作システムとして構成してもよい。
【0019】
これによれば、サーバがユーザインタフェース画面を保持して管理するので、公衆機器側でユーザインタフェース画面を保持する必要が無くなり、システム導入やUI画面更新などのシステムメンテナンスのコストを下げることが可能となる。
【0020】
ここで、前記公衆機器が複数の異なる種別に分かれており、前記ユーザインタフェース画面格納手段において、異なる種別ごとのユーザインタフェース画面が格納されており、前記公衆機器通信手段において、前記公衆機器の種別を識別して、当該種別に対応するユーザインタフェース画面を前記公衆機器へ送信するのが好ましい。
【0021】
これによれば、複数の異なる種別のユーザインタフェース画面をサーバ側で一元管理するので、公衆機器側にかかる負担を少なくすることができる。
【0022】
また、前記サーバは、前記ユーザ端末とネットワークを介して通信可能に接続されており、さらに、前記ユーザインタフェース画面に対応した公衆機器の操作に関する操作情報を格納する操作情報格納手段と、前記操作情報格納手段に格納されている操作情報を、前記ユーザ端末へ送信するユーザ端末通信手段とを備え、前記ユーザ端末のユーザ端末入力手段は、前記ユーザ端末通信手段から受信した操作情報を用いて、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器の操作指示の入力を受け付けるとしてもよい。
【0023】
これによれば、サーバがユーザインタフェース画面だけでなく、そのユーザインタフェース画面に対応した操作情報を保持して管理し、ユーザ端末へ送信するので、公衆機器側にかかる負担をさらに少なくすることができる。
【0024】
さらに別の構成として、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムであって、前記公衆機器非接触操作システムは、さらに、前記ユーザ端末とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバを備え、前記公衆機器は、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記公衆機器の識別子である公衆機器IDを送信する認証情報通信手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、前記ユーザ端末は、前記公衆機器の認証情報通信手段から受信した公衆機器IDを前記サーバへ送信するサーバ通信手段と、前記サーバから前記公衆機器IDに対応する公衆機器のユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、前記サーバは、前記公衆機器IDに対応して各公衆機器のユーザインタフェース画面を格納するユーザインタフェース画面格納手段と、前記公衆機器IDに基づいて、前記ユーザインタフェース画面格納手段に格納されているユーザインタフェース画面を、前記ユーザ端末へ送信するユーザ端末通信手段とを備え、前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行することを特徴とする公衆機器非接触操作システムとして構成してもよい。
【0025】
これによれば、サーバ側でユーザインタフェース画面を保持して管理し、公衆機器側でユーザインタフェース画面を保持する必要が無くなり、システム導入やUI画面更新などのシステムメンテナンスのコストを下げられることに加えて、サーバとユーザ端末とがネットワークを介して通信可能に接続されており、公衆機器をネットワークに接続する必要がないので、ネットワーク接続環境にない公衆機器へのシステム導入を容易にすることができる。
【0026】
また、本発明に係る公衆機器非接触操作システムは、公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器非接触操作方法として構成することもできる。
【0027】
すなわち、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えたシステムにおける公衆機器非接触操作方法であって、前記公衆機器において、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築ステップと、前記コネクション構築ステップで相互通信可能となったユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信ステップとを含み、前記ユーザ端末において、前記UI画面送信ステップで送信された前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得ステップと、前記UI画面取得ステップで受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示ステップと、前記ユーザ端末表示ステップで表示出力された前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力ステップと、前記ユーザ端末入力ステップで受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信ステップとを含み、前記公衆機器において、前記操作指示取得ステップにおいて送信された操作指示を受信し、受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行ステップとを含むことを特徴とする公衆機器非接触操作方法として構成してもよい。
【0028】
さらに、公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器のプログラムとして、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器のためのプログラムであって、前記ユーザ端末が、前記公衆機器から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備えており、前記公衆機器において、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築ステップと、前記コネクション構築ステップで相互通信可能となったユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信ステップと、前記操作指示取得ステップにおいて送信された操作指示を受信し、受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムとして構成することもできる。
【0029】
また、公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末のプログラムとして、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末のためのプログラムであって、前記公衆機器が、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、前記固有機能実行手段が、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行し、前記ユーザ端末において、前記公衆機器から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得ステップと、前記UI画面取得ステップにおいて受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示ステップと、前記ユーザ端末表示ステップにおいて表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力ステップと、前記ユーザ端末入力ステップのおいて受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムとして構成することもできる。
【0030】
また、公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器として、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器であって、前記公衆機器は、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、前記ユーザ端末は、前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備え、前記固有機能実行手段は、操作指示取得手段において受信した操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行することを特徴とする公衆機器非接触操作システムにおける公衆機器として構成することもできる。
【0031】
さらに、公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末として、公衆の場に設置されており、ユーザからの操作の入力を受け付けるための画面であるユーザインタフェース画面を表示出力する表示手段と、ユーザからの操作指示の入力を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作指示に基づいて公衆機器に固有の機能を実行する固有機能実行手段とを備える公衆機器と、ユーザが所持する携帯型端末装置であるユーザ端末とを備えた公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末であって、前記公衆機器は、ユーザ端末と一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築するコネクション構築手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末へ前記ユーザインタフェース画面を送信するUI画面送信手段と、コネクション構築手段において相互通信可能としたユーザ端末から前記公衆機器に対する操作指示を受信する操作指示取得手段とを備え、前記ユーザ端末は、前記公衆機器のUI画面送信手段から前記ユーザインタフェース画面を受信するUI画面取得手段と、前記UI画面取得手段が受信した前記ユーザインタフェース画面を表示出力するユーザ端末表示手段と、前記ユーザ端末表示手段が表示出力する前記ユーザインタフェース画面において、ユーザから前記公衆機器に対する操作指示の入力を受け付けるユーザ端末入力手段と、前記ユーザ端末入力手段が受け付けた前記公衆機器に対する操作指示を前記公衆機器へ送信する操作指示送信手段とを備えることを特徴とする公衆機器非接触操作システムにおけるユーザ端末として構成することもできる。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明に係る公衆機器非接触操作システムによれば、公衆機器に一切触れることなくデータ入力等の操作を可能とするので、新型コロナウィルス感染症のように不特定多数の人が公衆機器へ接触することで感染症が拡大してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施の形態1に係る公衆機器非接触操作システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る公衆機器非接触操作システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図4】本発明の実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
図5】UI画面情報記憶部に格納されているUI画面情報の一例を示す図である。
図6】操作情報記憶部に格納されている操作情報のデータの一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図8】本発明の実施の形態3に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施の形態4に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る公衆機器非接触操作システムについて、実施の形態に基づいて説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態1に係る公衆機器非接触操作システムの構成を示す図である。
【0036】
公衆機器非接触操作システム1は、公衆に設置され不特定多数の人が操作する機器をユーザが所持する携帯型端末を使用して操作するためのシステムであり、公衆機器10と、ユーザ端末20とで構成されている。つまり、公衆機器非接触操作システム1は、パブリックな存在である公衆機器10をプライベートな存在であるユーザ端末20で操作可能にするシステムであるといえる。
【0037】
公衆機器10は、例えば、銀行ATMやクレジットカードの暗証コード入力機、飲料自販機、公共交通機関の乗車券売機などの公衆の場に設置されている機器であり、公衆機器10に直接触れる形で不特定多数の人からの操作入力を受け付けるとともに、ユーザ端末20を介してユーザに対して操作画面を提示し、ユーザ端末20を介してユーザからの操作入力を受け付ける。
【0038】
ユーザ端末20は、操作者であるユーザが所持している、表示画面と通信機能とを備えた携帯型の情報処理端末である。具体的には、自己が使用するために各ユーザがそれぞれ所持しているスマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどのコンピュータ装置である。ユーザ端末20は、公衆機器10から公衆機器10の操作画面を受信してユーザ端末20の表示部においてこれを表示し、ユーザ端末20の操作入力部で公衆機器10の操作の入力を受け付けて公衆機器10へ送信する。
【0039】
このようにして、公衆機器非接触操作システム1は、ユーザが公衆機器10に直接触れることなく、自己が所持して使用しているユーザ端末20を用いて公衆機器10を簡単かつ安全に操作可能にするものである。
【0040】
図2は、公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0041】
公衆機器10は、制御部11と、入力部12と、表示部13と、通信部14と、認証情報記憶部15とを備えている。
【0042】
公衆機器10は、具体的には、その用途に応じた機能を備えた専用端末(例えば、銀行ATM装置や自動販売機など)に、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、通信インタフェースなどのハードウェアを搭載して構成される。上記専用端末と上記ハードウェアを備えるパソコン等とを組み合わせて構成されるとしてもよい。例えば、HDDまたはROMに記憶されたコンピュータプログラムをRAMにロードし、CPU上で実行することにより、公衆機器10の各処理部が機能的に実現される。ただし、各処理部の一部または全部が半導体装置などのハードウェアにより実現されていてもよい。
【0043】
制御部11は、公衆機器10の各部を制御する処理部である。入力部12が受け付けたユーザの操作入力に基づいて公衆機器10の各機能を実行して表示部13を介して表示するという公衆機器10の機能の実行を制御することに加えて、ユーザ端末20から送信されるユーザの操作指示を通信部14を介して受け取り、その操作指示に基づいて公衆機器10の各機能を実行し、通信部14を介してユーザ端末20へ送信する。
【0044】
この制御部11は、ユーザ端末検知部111と、コネクション構築部112と、UI画面制御部113と、データ処理部114とを備えている。
【0045】
ユーザ端末検知部111は、ユーザ端末20が公衆機器10に近接等すると、ユーザ端末20を検知する。具体的には、近接センサ等で実現される。ユーザ端末検知部111が公衆機器10と物理的に近接した距離に位置するユーザ端末20を検知すると、コネクション構築部112が下記の動作を実行する。
【0046】
コネクション構築部112は、ユーザ端末20との一対一のペアリングにより相互通信可能にするコネクションを構築する。コネクション構築部112は、ユーザ端末検知部111がユーザ端末20を検知したことをトリガーとして、公衆機器10側がユーザ端末20を検知したことを示すとともにコネクション確立の要否を問うコネクション情報をユーザ端末20へ送信する。
【0047】
コネクション構築部112は、コネクション確立の指示を受け付けると、公衆機器10の認証情報通信部141とユーザ端末20の認証情報通信部211とで通信される認証情報(認証情報については後述する。)と、認証情報記憶部15に格納されている情報とに基づいて、公衆機器10とユーザ端末20とのコネクションを構築する。
【0048】
コネクションを構築するユーザ端末20は、ユーザ端末検知部111が検出したユーザ端末20であるが、ユーザ端末検知部111が検出していなくても、ユーザ端末20側からのコネクション確立を要請する指示をトリガーとしてコネクションを構築するように構成してもよい。例えば、ユーザ端末20が備えているカメラで公衆機器10の表示部13に表示されているバーコード等の識別コードを読み取ることで、ペアリングのコネクションのトリガーとするように構成してもよい。この場合は、ユーザ端末検知部111は不要となり、ユーザ端末20の入力部22を介して入力されたコネクション確立要請指示がユーザ端末20の通信部21から送信され、これをコネクション構築部112が受信することで、コネクション構築の処理が進められることになる。
【0049】
UI画面制御部113は、公衆機器10の操作入力を受け付ける受付画面や公衆機器10の操作結果を通知する通知画面等の公衆機器10固有のユーザインタフェース画面(以下、「UI画面」という。)の表示を制御する。公衆機器10の固有の機能の実行のみを行う場合、つまり、公衆機器非接触操作システム1を使用しない場合、これらのUI画面は表示部13を介してユーザに対して表示する。
【0050】
コネクション構築部112でコネクションが確立された後は、公衆機器10のUI画面は、UI画面通信部142を介してユーザ端末20へ送信されることになる。このとき、UI画面制御部113は、ユーザ端末20へ送信するためのUI画面を生成したり、公衆機器10の表示部13へのUI画面の表示を継続する(表示のみ継続して操作入力の受付を中止する)又はUI画面の表示を中止するといった制御を行う。ここでは、ユーザ端末20へ送信するUI画面は、UI画面制御部113において、公衆機器10が保持している固有のUI画面(高解像度のもの)からユーザ端末20への送信用として低解像度の送信用UI画面が生成されるものとしている。このように、UI画面の解像度を調整して送信用UI画面を生成することで、ユーザ端末20の表示部23における表示出力に適したものとなる。
【0051】
なお、公衆機器10が送信用UI画面を予め保持していてもよい。その場合は、UI画面制御部113が、保持されている送信用UI画面を読み出してユーザ端末20へ送信することになる。
【0052】
データ処理部114は、公衆機器10の固有の機能を実行するデータ処理を行う。公衆機器10の固有の機能の実行のみを行う場合、つまり、公衆機器非接触操作システム1を使用しない場合は、入力部12から入力されたユーザの指示に基づいて動作し、その結果を表示部13を介して出力する。
【0053】
公衆機器10の固有の機能とは、公衆機器10が設置されている目的に応じて公衆機器に与えられている機能で、銀行ATMであれば銀行口座への入出金や振込等であり、公共交通機関の乗車券売機であれば乗車券発行等である。
【0054】
そして、公衆機器10の固有の機能の実行とは、公衆機器10が銀行ATMの場合であれば、入力部12から預金の引き出し操作の入力を受け付けると、その取引後の情報(預金残高)を表示部13から出力したり、現金投入口や受取口を開閉して入出金したりするといった動作である。
【0055】
公衆機器10が公共交通機関の乗車券売機であれば、入力部12から行き先の入力を受け付けると、その行き先までの金額を表示部13から出力して、現金投入口等からの支払いがあると乗車券を発行するといった動作を意味する。
【0056】
データ処理部114は、このような公衆機器10の固有の機能の実行だけではなく、コネクション構築部112でコネクションが確立された後は、ユーザ端末20から入力された公衆機器10に対するユーザの操作指示をデータ通信部143を介して受信し、その指示に基づいて動作し、その結果をデータ通信部143を介してユーザ端末20へ送信する動作を実行して、公衆機器10の固有の機能を実行する。
【0057】
入力部12は、ユーザから公衆機器10の操作入力を受け付ける。公衆機器10が銀行ATMの場合であれば、タッチパネルや金額や番号を入力する数字ボタン等に相当するものである。公衆機器非接触操作システム1を使用しない場合、ユーザはこの入力部12を介して、すなわち、公衆機器10に直接触れて操作して公衆機器10への操作指示を行う。
【0058】
表示部13は、ユーザに対して公衆機器10の操作入力を受け付ける受付画面や公衆機器10の操作結果を通知する通知画面等のUI画面を表示する表示部として機能し、公衆機器10の固有の表示装置(タッチパネルやディスプレイなど)により実現される。公衆機器非接触操作システム1を使用しない場合、ユーザはこの表示部13を介して、公衆機器10のUI画面を確認することになる。
【0059】
通信部14は、ユーザ端末20との通信を行う。具体的には、公衆機器10とユーザ端末20とが一対一のペアリングにより相互通信可能とするもの、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near field communication,近距離無線通信)等の規格に準じた通信機により実現される。公衆機器10とユーザ端末20とがPeer to Peerで通信できるものであればインターネットを経由してもよいが、公衆機器10とユーザ端末20とが物理的に近接した距離でペアリングされた状態で通信を行うのが好ましい。なお、物理的に近接した距離とは、公衆機器10の前にユーザ端末20を所持した一のユーザが立ち、他のユーザの所持しているユーザ端末20と混線を生じさせない距離で、具体的には公衆機器10とユーザ端末20を所持したユーザとの間が約1mの範囲内にあることをいう。
【0060】
この通信部14は、認証情報通信部141と、UI画面通信部142と、データ通信部143とを備えている。
【0061】
認証情報通信部141は、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングに関する認証情報をユーザ端末20の認証情報通信部211と通信する。ペアリングに関する認証情報は、例えば、それぞれの装置のMACアドレスやPINコードの他、ユーザ端末20で保持されているユーザIDなどである。これらの認証情報を用いて公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングが行われる。
【0062】
UI画面通信部142は、公衆機器10が表示部13を介してユーザに対して表示するUI画面を、ユーザ端末20のUI画面取得部212へ送信する。
【0063】
データ通信部143は、ユーザ端末20の入力部22を介して入力された公衆機器10の操作情報などのデータをユーザ端末20のデータ通信部213から取得する通信を行う。このデータ通信部213と公衆機器10のデータ通信部143とでやり取りされるデータには、例えば公衆機器10が銀行ATMの場合であれば、暗証番号や取引金額等の情報も含まれる。公衆機器10とユーザ端末20とが物理的に近接した距離でペアリングされた状態で通信を行うのが好ましいのは、このような情報のやり取りを安全に行うためである。
【0064】
認証情報記憶部15は、公衆機器10の操作権限の認証のため、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングに関する認証情報を格納する記憶部であり、HDD等の記憶装置により実現される。なお、認証情報記憶部15は、公衆機器10が銀行ATM等のように操作に高度なセキュリティが求められる場合に備えていることが好ましいものであり、いかなる場合でも必要とされる構成ではない。
【0065】
ユーザ端末20は、通信部21と、入力部22と、表示部23とを備えている。
【0066】
通信部21は、公衆機器10との通信を行う。具体的には、ユーザ端末20と公衆機器10とが一対一のペアリングにより相互通信可能とするもの、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC等の規格に準じた通信機により実現される。ユーザ端末20と公衆機器10とがPeer to Peerで通信できるものであれば、インターネットを経由してもよいが、公衆機器10とユーザ端末20とが物理的に近接した距離でペアリングされた状態で通信を行うのが好ましい。
【0067】
この通信部21は、認証情報通信部211と、UI画面取得部212と、データ通信部213とを備えている。
【0068】
認証情報通信部211は、ユーザ端末20と公衆機器10とのペアリングに関する認証情報を公衆機器10の認証情報通信部141と通信する。ペアリングに関する認証情報は、上述したように、例えば、それぞれの装置のMACアドレスやPINコードの他、ユーザ端末20で保持されているユーザIDなどである。
【0069】
UI画面取得部212は、公衆機器10のUI画面通信部142から送信されるUI画面を受信して表示部23へ出力する。
【0070】
データ通信部213は、ユーザ端末20の入力部22を介して入力された公衆機器10の操作情報などのデータを公衆機器10のデータ通信部143へ送信する。このデータ通信部213と公衆機器10のデータ通信部143とでやり取りされるデータには、例えば公衆機器10が銀行ATMの場合であれば、暗証番号や取引金額等の情報も含まれる。公衆機器10とユーザ端末20とが物理的に近接した距離でペアリングされた状態で通信を行うのが好ましいのは、このような情報のやり取りを安全に行うためである。
【0071】
入力部22は、ユーザからの操作の入力を受け付ける。ユーザ端末20を操作するための操作の入力だけでなく、公衆機器10を操作するための操作の入力も、ユーザはこの入力部22を介して行う。この入力部22は、ユーザ端末20がスマートフォンやタブレット端末の場合にはタッチパネルであり、ユーザ端末20がノートパソコンの場合にはキーボードやタッチパッドなどにより実現される。
【0072】
表示部23は、ユーザに対してユーザ端末20の操作入力を受け付ける受付画面やユーザ端末20の操作結果を通知する通知画面等を表示する本来の役割であるユーザ端末20の表示部として機能するだけでなく、ユーザに対して公衆機器10の操作入力を受け付ける受付画面や公衆機器10の操作結果を通知する通知画面等のUI画面を表示する表示部としても機能する。この表示部23は、ユーザ端末20がスマートフォンやタブレット端末の場合にはタッチパネルであり、ユーザ端末20がノートパソコンの場合にはディスプレイにより実現される。
【0073】
つまり、ユーザは、ユーザ端末20の表示部23から出力されるUI画面において、公衆機器10を操作する指示をユーザ端末20の入力部22を介して入力することが可能となっている。
【0074】
このように構成された公衆機器非接触操作システム1の処理手順の一例について説明する。
【0075】
図3は、公衆機器非接触操作システム1の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0076】
まず、公衆機器10は、ユーザ端末20が公衆機器10に近接等すると、ユーザ端末検知部111においてユーザ端末20を検知する(ステップS1)。
【0077】
続いて、公衆機器10は、コネクション構築部112において、コネクション情報を生成して(ステップS2)、認証情報通信部141を介してコネクション情報をユーザ端末20へ送信する(ステップS3)。
【0078】
ユーザ端末20は、認証情報通信部211を介して公衆機器10から送信されたコネクション情報を受信する(ステップS4)と、公衆機器10とのコネクションの確立の要否をユーザに表示部23を介して表示し、その指示を入力部22を介して受け付ける。その指示を受け付けた後、ユーザ端末20がコネクション確立要請指示を公衆機器10へ送信する等を経て、公衆機器10側では、コネクション構築部112においてユーザ端末20とのペアリングを行い(ステップS5)、ユーザ端末20側においても同様に公衆機器10とのペアリングを行う(ステップS6)。
【0079】
公衆機器10は、ユーザ端末20とのペアリングが確立すると、UI画面制御部113においてユーザ端末20へ送信するUI画面を生成し(ステップS7)、UI画面通信部142を介してUI画面をユーザ端末20へ送信する(ステップS8)。なお、ここでは、ユーザ端末20へ送信するUI画面は、公衆機器10が保持しているUI画面(高解像度のもの)から送信用UI画面(低解像度のもの)を生成することにしているが、予め公衆機器10が保持している送信用UI画面を送信するようにしてもよい。
【0080】
ユーザ端末20は、UI画面取得部212を介して公衆機器10からUI画面を受信すると、表示部23からUI画面を表示出力し、入力部22でユーザからの入力操作を受け付ける(ステップS9)。
【0081】
入力部22で入力されたユーザからの操作指示は、適宜データ通信部213を介して公衆機器10へ送信され(ステップS10)、公衆機器10側ではデータ通信部143を介して受信したユーザの操作指示に基づいて、データ処理部114においてデータ処理を実行し(ステップS11)、その処理結果をデータ通信部143を介してユーザ端末20へ送信する(ステップS12)。ユーザ端末20では、その処理結果を表示部23を介してユーザに提示し、引き続き入力部22を介してユーザからの操作指示を受け付ける。
【0082】
ここにいうデータ処理は、主に、データ処理部114において実行される公衆機器10の固有のデータ処理である。つまり、公衆機器10の固有のデータ処理が、公衆機器10の表示部13から出力されるUI画面において入力部12から入力される操作指示に基づくのではなく、ユーザ端末20の表示部23から出力されるUI画面において入力部22から入力される操作指示に基づいてなされることになる。
【0083】
なお、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングの確立の後、ユーザ端末20の入力部22においてユーザからの操作指示の入力を受け付けることになったとき、公衆機器10の入力部12からのユーザの操作指示の入力を受け付けないように構成すると、操作入力系統が単一になるので誤動作を防ぐ点で好ましいといえる。
【0084】
一方、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングの確立の後、ユーザ端末20の入力部22においてユーザからの操作指示の入力を受け付けることになったときでも、公衆機器10の入力部12からのユーザの操作指示の入力も受け付けるようにしても構わない。ユーザのセキュリティ意識には個人差があり、例えば暗証番号の入力といった高度な安全性が求められる情報の入力時には直接操作を可能とする余地を残す方がよいこともあるからである。
【0085】
また、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングの確立の後、ユーザ端末20の表示部23においてUI画面を出力することになったとき、公衆機器10の表示部13からUI画面を出力させないように構成すると、公衆機器10の表示部13を他人が覗き見ることを防げる点で好ましいといえる。
【0086】
一方、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングの確立の後、ユーザ端末20の表示部23においてUI画面を出力することになったときでも、公衆機器10の表示部13からUI画面を出力するように構成すれば、ユーザ端末20の表示部23と公衆機器10の表示部13とで表示されるUI画面が一致することで、公衆機器10とユーザ端末20とのペアリングが確立しており、ユーザ端末20における操作入力が実行されていることを確認することができ、ユーザに安心感を持たせられる点で好ましいといえる。
【0087】
このデータ処理の動作を繰り返した後、ユーザ端末20は、ユーザから入力部22を介して操作終了の指示を受け付けると、操作終了指示はデータ通信部213を介して公衆機器10へ送信され(ステップS14)、公衆機器10側ではデータ通信部143を介して受信した操作終了指示に基づいて、コネクション構築部112においてユーザ端末20とのペアリングを解除する(ステップS15)。同じく、ユーザ端末20も、操作終了の指示を公衆機器10へ送信した後、公衆機器10とのペアリングを解除する(ステップS16)。
【0088】
公衆機器10とユーザ端末20との間のペアリングが解除された後、公衆機器非接触操作システム1の処理手順は終了する。なお、公衆機器非接触操作システム1の処理手順が終了すると、公衆機器10は、公衆機器10の表示部13からUI画面を出力し、入力部12を介してユーザからの操作の入力を受け付けるという、公衆機器10の通常の運用に戻ることになる。
【0089】
このように、本実施の形態1の公衆機器非接触操作システムによれば、UI画面をユーザ端末20側で出力して、公衆機器10に一切触れることなくデータ入力等の操作をユーザ端末20側で受け付けて公衆機器10を操作可能にしているので、不特定多数の人が触れる公衆機器10を触らずに済み、その結果として接触感染による感染症の拡大のリスクを著しく減ずることができる。また、公衆機器10の操作入力を自己が所持する使い慣れたユーザ端末20で行うので、簡単かつ安全に公衆機器10を操作することができる。
【0090】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムについて説明する。
【0091】
図4は、実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0092】
本実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムでは、公衆機器30がユーザ端末40と通信するとともに、公衆機器30およびユーザ端末40がそれぞれサーバ50ともネットワーク2を介して通信を行う点が異なる。以下、この異なる点を中心に説明する。
【0093】
ネットワーク2は、例えば、インターネットまたはLAN(Local Area Network)などの通信回線である。ネットワーク2は、公衆機器30とユーザ端末40と共通の通信回線でサーバ50と通信するようにしてもよいし、通信セキュリティを担保する観点から、公衆機器30とサーバ50との間は専用回線とし、ユーザ端末40とサーバ50との通信はインターネット回線とするなど、分離した通信回線であってもよい。
【0094】
公衆機器30の通信部34は、上記実施の形態1における通信部14と同様にユーザ端末40との通信を行う他、ネットワーク2にも接続され、ネットワーク2を介してサーバ50とデータの送受信を行う。通信部34は、サーバ通信部344を備えており、サーバ通信部344が、サーバ50とのデータ送受信を実行する。なお、公衆機器30とサーバ50との間で通信されるデータについては、後述する。
【0095】
ユーザ端末40の通信部41は、上記実施の形態1における通信部21と同様に公衆機器30との通信を行う他、ネットワーク2にも接続され、ネットワーク2を介してサーバ50とデータの送受信を行う。通信部41は、サーバ通信部414を備えており、サーバ通信部414が、サーバ50とのデータ送受信を実行する。なお、ユーザ端末40とサーバ50との間で通信されるデータについては、後述する。
【0096】
サーバ50は、公衆機器30に関するUI画面であってユーザ端末40の表示部43から表示出力される送信用のUI画面と、その送信用のUI画面における操作情報を保持しているサーバ装置であり、インターネット上などに設置されているクラウドサーバなどである。このサーバ50は、通信部51と、UI画面情報記憶部52と、操作情報記憶部53とを備えている。
【0097】
通信部51は、ネットワーク2に接続され、公衆機器30およびユーザ端末40とネットワーク2を介して通信を行う。
【0098】
この通信部51は、公衆機器通信部511と、ユーザ端末通信部512とを備えている。
【0099】
公衆機器通信部511は、ネットワーク2を介して公衆機器30とデータの送受信を行う。公衆機器30とサーバ50との間で通信されるデータについては、後述する。
【0100】
ユーザ端末通信部512は、ネットワーク2を介してユーザ端末40とデータの送受信を行う。ユーザ端末40とサーバ50との間で通信されるデータについては、後述する。
【0101】
UI画面情報記憶部52は、公衆機器30からユーザ端末40へ送信される送信用UI画面のデータであるUI画面情報が格納されている記憶装置である。
【0102】
図5は、UI画面情報記憶部52に格納されているUI画面情報の一例を示す図である。
【0103】
このように、UI画面情報記憶部52では、公衆機器30、公衆機器30a、公衆機器30b…といった複数箇所や複数種別の、それぞれ異なる公衆機器30等のUI画面情報が格納されている。なお、UI画面情報記憶部52に格納されているUI画面情報は、公衆機器30が保持している固有のUI画面(高解像度のもの)の解像度を下げて、ユーザ端末40の表示部43における表示出力に適した低解像度の送信用UI画面のものである。
【0104】
操作情報記憶部53は、公衆機器30のUI画面に対応する操作情報に関するデータが格納されている記憶装置である。
【0105】
図6は、操作情報記憶部53に格納されている操作情報に関するデータの一例を示す図である。
【0106】
公衆機器IDは、公衆機器30の種別ごとに割り当てられた公衆機器30の識別子である。UI画面IDは、公衆機器30の設置個所や公衆機器30の種別ごとに異なるUI画面情報、そのUI画面情報ごとに割り当てられたUI画面の識別子である。操作情報IDは、例えば、UI画面情報中のボタン位置に基づき各ボタンに設定された操作情報パターン(Aのボタンを押せばXの動作実行などの組合せを記録したパターン)、その操作情報パターンごとに割り当てられた操作情報の識別子である。
【0107】
このように、操作情報に関するデータは、公衆機器ID、UI画面ID、および、操作情報IDなどをデータテーブルで記録された構造となっている。
【0108】
このように構成された実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムの処理手順の一例について説明する。
【0109】
図7は、実施の形態2に係る公衆機器非接触操作システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0110】
公衆機器30とユーザ端末40とのペアリングが実行されるまでの手順(ステップS21~ステップS26)は、上記実施の形態1に係る処理手順と共通する。
【0111】
公衆機器30とユーザ端末40とのペアリングがなされると、公衆機器30は、サーバ通信部344において、公衆機器30の識別子である公衆機器IDや、公衆機器30とペアリングされたユーザ端末40の識別子であるユーザIDやユーザ端末40のMACアドレスなどのユーザ情報を、ネットワーク2を介してサーバ50へ送信する(ステップS27)。
【0112】
サーバ50は、公衆機器通信部511において公衆機器30から公衆機器IDやユーザ情報を受信すると、公衆機器IDに基づいてUI画面情報記憶部52から使用されるべきUI画面情報を読み出し、公衆機器30へ送信するUI画面を生成する(ステップS28)。また、サーバ50は、公衆機器30へ送信されるUI画面とユーザ情報とに基づいて、操作情報記憶部53から使用されるべき操作情報を読み出し、ユーザ端末40へ送信する操作情報を生成する(ステップS28)。
【0113】
サーバ50の公衆機器通信部511は、ネットワーク2を介して、生成したUI画面を公衆機器30へ送信する(ステップS29)。また、サーバ50のユーザ端末通信部512は、ネットワーク2を介して、生成した操作情報をユーザ端末40へ送信する(ステップS30)。
【0114】
公衆機器30のサーバ通信部344がサーバ50からUI画面を受信すると、UI画面通信部342がそのUI画面をペアリングされているユーザ端末40へ送信する(ステップS31)。
【0115】
ユーザ端末40のUI画面取得部412が公衆機器30からUI画面を受信すると、表示部43からUI画面を表示出力する(ステップS32)とともに、ユーザ端末40のサーバ通信部414を介してサーバ50から受信した操作情報に基づいて、入力部42でユーザからの入力操作を受け付ける(ステップS32)。
【0116】
これ以降の処理手順、つまり、公衆機器30とユーザ端末40とのペアリングが解除されて終了するまでの手順(ステップS33~ステップS39)は、上記実施の形態1に係る処理手順と共通する。
【0117】
以上のように、本実施の形態2の公衆機器非接触操作システムでは、サーバ50で公衆機器30、公衆機器30a、公衆機器30b…といった多数の公衆機器のUI画面と、その操作情報とを保持し、公衆機器30からのリクエストに応じて公衆機器30へUI画面を送信するとともに、ユーザ端末40へ操作情報を送信することにしている。このような構成とすることで、公衆機器30側でUI画面を保持する必要が無くなり、サーバ50側でUI画面や操作情報を管理することができるようにしている。
【0118】
したがって、本実施の形態2の公衆機器非接触操作システムによれば、上記実施の形態1と同様の効果を得られることに加えて、システム導入やUI画面更新などのシステムメンテナンスのコストを下げることが可能となる。
【0119】
<実施の形態3>
さらに、本発明の実施の形態3に係る公衆機器非接触操作システムについて説明する。
【0120】
図8は、実施の形態3に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0121】
実施の形態3に係る公衆機器非接触操作システムは、公衆機器60、公衆機器60a、公衆機器60b…の公衆機器のみがネットワーク2を介してサーバ80との通信を行い、ユーザ端末70はサーバ80との通信を行わない点が、上記実施の形態2と異なる。以下、この異なる点を中心に説明する。
【0122】
サーバ80は、通信部として公衆機器通信部81のみを備えており、この公衆機器通信部81がネットワーク2に接続され、公衆機器60のサーバ通信部644とネットワーク2を介して通信を行うようになっている。
【0123】
ユーザ端末70の通信部71は、サーバ80との通信を行わないので、上記実施の形態1の通信部21と同様に、公衆機器60と通信するための認証情報通信部711とUI画面取得部712とデータ通信部713とを備えており、サーバ80との通信のためのサーバ通信部を備えていない。
【0124】
このように構成された本実施の形態3の公衆機器非接触操作システムは、図7に示した実施の形態2の処理手順とほぼ共通しており、異なる点のみを説明する。
【0125】
公衆機器60とユーザ端末70とのペアリングが行われた後(図7のステップS25およびS26)、公衆機器60は、サーバ通信部644において、公衆機器30の識別子である公衆機器IDを、ネットワーク2を介してサーバ80へ送信する。
【0126】
サーバ80は、公衆機器通信部81において公衆機器60から公衆機器IDを受信すると、公衆機器IDに基づいて、UI画面情報記憶部82から使用されるべきUI画面情報を読み出して公衆機器60へ送信するUI画面を生成するとともに、公衆機器60へ送信されるUI画面に基づいて、操作情報記憶部83から使用されるべき操作情報を読み出して公衆機器60へ送信する操作情報を生成する。
【0127】
サーバ80の公衆機器通信部81は、ネットワーク2を介して、生成したUI画面と操作情報とを公衆機器60へ送信する。
【0128】
公衆機器60のサーバ通信部644がサーバ80からUI画面および操作情報を受信すると、UI画面通信部642がそのUI画面および操作情報をペアリングされているユーザ端末70へ送信する。
【0129】
ユーザ端末70のUI画面取得部712が公衆機器60からUI画面および操作情報を受信すると、表示部63からUI画面を表示出力するとともに、公衆機器60から受信した操作情報に基づいて、入力部62でユーザからの入力操作を受け付ける。
【0130】
これ以降の処理手順、つまり、公衆機器60とユーザ端末70とのペアリングが解除されて終了するまでの手順は、上記実施の形態1および上記実施の形態2に係る処理手順と共通する。
【0131】
以上のように、本実施の形態3の公衆機器非接触操作システムでは、サーバ80で公衆機器60、公衆機器60a、公衆機器60b…といった多数の公衆機器のUI画面と、その操作情報とを保持し、公衆機器60からのリクエストに応じて公衆機器60へUI画面および操作情報を送信することにしている。このような構成とすることで、公衆機器60側でUI画面を保持する必要が無くなり、サーバ80側でUI画面や操作情報を管理することができるようにしている。
【0132】
また、サーバ80とユーザ端末70との間での通信を行わないことで、ユーザ情報やユーザ端末70のMACなどの個人やユーザ端末70を特定しうる情報のやり取りをする必要がなくなる。つまり、物理的に近接した距離でペアリングされている公衆機器60とユーザ端末70との間でのみ個人情報等をやり取りするので、インターネット回線のような、一定のセキュリティ対策が施されているものの不特定多数の者の通信も混在する通信環境下よりも、通信の安全性が担保され、より安全なシステムを構築することができるといえる。
【0133】
したがって、本実施の形態3の公衆機器非接触操作システムによれば、上記実施の形態1および上記実施の形態2と同様の効果を得られることに加えて、より通信の安全性が担保されたシステムを構築することが可能となる。
【0134】
<実施の形態4>
さらに、本発明の実施の形態4に係る公衆機器非接触操作システムについて説明する。
【0135】
図9は、実施の形態4に係る公衆機器非接触操作システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0136】
実施の形態4に係る公衆機器非接触操作システムは、ユーザ端末100のみがネットワーク2を介してサーバ110との通信を行い、公衆機器90、公衆機器90a、公衆機器90b…がサーバ110との通信を行わない点が、上記実施の形態2および3と異なる。以下、この異なる点を中心に説明する。
【0137】
サーバ110は、通信部としてユーザ端末通信部116のみを備えており、このユーザ端末通信部116がネットワーク2に接続され、ユーザ端末100のUI画面取得部105およびサーバ通信部107とネットワーク2を介して通信を行うようになっている。
【0138】
公衆機器90の通信部94は、サーバ110との通信を行わないので、ユーザ端末100と通信するための認証情報通信部941とデータ通信部943とを備えており、サーバ110との通信のためのサーバ通信部を備えていない。また、公衆機器90のUI画面は、サーバ110からユーザ端末100へ送信されるので、UI画面通信部も備えていない。
【0139】
ユーザ端末100の通信部101は、サーバ110との通信を行うためのサーバ通信部107を備えている。また、ユーザ端末100のUI画面取得部105は、公衆機器90からではなく、サーバ110からネットワーク2を介して公衆機器90のUI画面を取得する。
【0140】
このように構成された本実施の形態4の公衆機器非接触操作システムは、図7に示した実施の形態2の処理手順とほぼ共通しており、異なる点のみを説明する。
まず、ユーザ端末100は、公衆機器90とのペアリングを実行するにあたり、認証情報通信部104を介してコネクション情報の一つとして公衆機器90の識別子である公衆機器IDを取得している(図7のステップS3)。
【0141】
公衆機器90とユーザ端末100とのペアリングが行われた後(図7のステップS25およびS26)、ユーザ端末100は、サーバ通信部107において公衆機器IDを、ネットワーク2を介してサーバ110へ送信する。
【0142】
サーバ110は、ユーザ端末通信部116においてユーザ端末100から公衆機器IDを受信すると、公衆機器IDに基づいて、UI画面情報記憶部117から使用されるべきUI画面情報を読み出してユーザ端末100へ送信するUI画面を生成するとともに、ユーザ端末100へ送信されるUI画面に基づいて、操作情報記憶部118から使用されるべき操作情報を読み出してユーザ端末100へ送信する操作情報を生成する。
【0143】
サーバ110のユーザ端末通信部116は、ネットワーク2を介して、生成したUI画面と操作情報とをユーザ端末100へ送信する。
【0144】
ユーザ端末100は、UI画面取得部105においてサーバ110からUI画面を受信すると、表示部103からUI画面を表示出力するとともに、サーバ通信部107においてサーバ110から受信した操作情報に基づいて、入力部102でユーザからの入力操作を受け付ける。
【0145】
これ以降の処理手順、つまり、公衆機器90とユーザ端末100とのペアリングが解除されて終了するまでの手順は、上記実施の形態1乃至3に係る処理手順と共通する。
【0146】
以上のように、本実施の形態4の公衆機器非接触操作システムでは、サーバ110で公衆機器90、公衆機器90a、公衆機器90b…といった多数の公衆機器のUI画面と、その操作情報とを保持し、ユーザ端末100からのリクエストに応じてユーザ端末100へ公衆機器のUI画面および操作情報を送信することにしている。このような構成とすることで、公衆機器90側でUI画面を保持する必要が無くなり、サーバ110側でUI画面や操作情報を管理することができるようにしている。
【0147】
また、上記実施の形態2や実施の形態3のシステムを導入する際には、路上や屋外に設置されている飲料自販機のような、インターネット接続環境が無い公衆機器についてはインターネット接続環境をまず整える必要がある。しかしながら、本実施の形態4のシステムであれば、公衆機器90をネットワーク2に接続する必要が無いので容易に導入することができ、インターネット接続環境が無い公衆機器を非接触で操作可能にするシステムが低コストで実現可能となる。
【0148】
以上説明したように、本発明に係る公衆機器非接触操作システムは、公衆機器とユーザの所持する端末装置とを物理的に近接した距離でペアリングして相互通信可能とし、公衆機器への操作入力のためのUI画面をユーザの所持する端末装置に表示させ、ユーザの端末装置側で公衆機器への操作指示を受け付けるようにしているので、ユーザは、不特定多数の人が触れる公衆機器に直接触れることなく、自己が所持する端末装置を用いて、公衆機器を操作することができる。そして、その結果として接触感染による感染症の拡大のリスクを著しく減ずることができるという効果を奏する。
【0149】
また、各公衆機器のUI画面や操作に関する情報をサーバに格納しておくことで、システムを導入する際のコストやUI画面の更新などのシステムメンテナンスのコストを下げることもできる。
【0150】
以上、本発明に係る公衆機器非接触操作システムについて各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【0151】
例えば、上記各実施形態では、公衆機器側でユーザの端末装置を検知し、ペアリングのコネクションを構築するとしたが、ユーザの端末装置側で、近接センサ等を用いて物理的に近接した距離に位置する公衆機器を検知してもよく、ペアリングのコネクションもユーザ端末装置側で構築するように構成してもよい。この場合、各実施の形態で公衆機器が備えているとしたユーザ端末検知部に相当する公衆機器検知部と、各実施の形態で公衆機器が備えているとしたコネクション構築部とを、ユーザ端末が備えるようにすればよい。
【0152】
また、上記各実施形態では、ユーザからの操作終了の指示を受けて公衆機器とユーザ端末とのペアリングを解除する構成としたが、一定の時間が経過した場合のように、ユーザの指示によることなく公衆機器側でペアリングを解除する構成としてもよい。
【0153】
さらに、上記実施の形態2~4では、サーバがUI画面情報と操作情報とを保持している構成として説明したが、UI画面情報のみをサーバが保持して、操作情報については各公衆機器側で保持し、公衆機器からユーザ端末へ直接送信するように構成してもよい。
【0154】
また、上記実施の形態2~4では、サーバがUI画面情報と操作情報とを機能的に分離して保持する構成を示したが、例えば、HTML形式でUI画面情報と操作情報とを統合して保持する構成であってもよい。なお、UI画面情報を格納するUI画面情報記憶部と操作情報を格納する操作情報記憶部と、機能的にこれら記憶部を分離した構成としたが、物理的には一の記憶装置で実現してもよいことはいうまでもない。
【0155】
上記各実施の形態では、通信の安全性を担保するために、公衆機器とユーザ端末とが物理的に近接した距離でペアリングされた状態で通信を行うのが好ましいとした。機器間でやり取りされる情報の内容によっては、機器間の通信を暗号化して秘匿性を高める等して通信セキュリティのレベルをさらに引き上げることが好ましい。また、これは、公衆機器とユーザ端末との間の通信に限られず、公衆機器とサーバとの間や、ユーザ端末とサーバとの間の通信においても同様のことがいえる。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明に係る公衆機器非接触操作システムは、銀行ATMやクレジットカードの暗証コード入力機、飲料自販機、公共交通機関の乗車券売機などの不特定多数の人が直接触れて操作する公衆機器を非接触で操作可能にする公衆機器非接触操作システムとして有用である。
【符号の説明】
【0157】
1 公衆機器非接触操作システム
2 ネットワーク
10,30,30a,30b,60,60a,60b,90,90a,90b 公衆機器
11,31,61,91 制御部
12,32,62,92 入力部
13,33,63,93 表示部
14,34,64,94 通信部
15,35,65,95 認証情報記憶部
20,40,70,100 ユーザ端末
21,41,71,101 通信部
22,42,72,102 入力部
23,43,73,103 表示部
50,80,110 サーバ
51 通信部
52,82,117 UI画面情報記憶部
53,83,118 操作情報記憶部
81,116,511 公衆機器通信部
104,211,411,711 認証情報通信部
105,212,412,712 UI画面取得部
106,213,413,713 データ通信部
107,414 サーバ通信部
116,512 ユーザ端末通信部
111,311,611,911 ユーザ端末検知部
112,312,612,912 コネクション構築部
113,313,613 UI画面制御部
114,314,614,914 データ処理部
141,341,641,941 認証情報通信部
142,342,642 UI画面通信部
143,343,643,943 データ通信部
344,644 サーバ通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9