(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024526
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】包装材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/03 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
B65D81/03 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127170
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】514192756
【氏名又は名称】株式会社ネオックス
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】島 圭吾
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA25
3E066AA33
3E066AA37
3E066CA03
3E066GA01
3E066GA11
3E066HA01
3E066HA05
3E066KA01
3E066KA05
(57)【要約】
【課題】コンビニエンスストア等で購入した商品や、外食産業の持ち帰り商品などをはじめとした被包装物の包装に好適に使用でき、資源を有効利用できるとともに、安定した持ち運びもできるようにする。
【解決手段】被包装物12を載置する載置部13と、載置部13に載った被包装物12を吊る吊り部15が一連の同一面上に設けられた包装材11において、載置部13を一つ備える。吊り部15は載置部13を挟んで2カ所設ける。載置部13から吊り部15にかけて、これらが並ぶ方向と交差する方向に延び、引っ張ると開く多数のスリットを千鳥状に配設する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を載置する載置部と、前記載置部に載った被包装物を吊る吊り部が一連の同一面上に設けられた包装材であって、
前記載置部が一つ備えられるとともに、
前記吊り部が前記載置部を挟んで配設され、
前記載置部から前記吊り部にかけて、これらが並ぶ方向と交差する方向に延びる複数のスリットが千鳥状に配設された
包装材。
【請求項2】
前記吊り部が、前記載置部を挟む2カ所に設けられた
請求項1に記載の包装材。
【請求項3】
前記吊り部同士を重ね合わせる方向で前記載置部を二つ折りした場合に前記載置部の両側の縁部となる部位に、前記縁部を閉鎖して前記載置部の二つ折り状態を保持する閉鎖シール部が形成された
請求項1または請求項2に記載の包装材。
【請求項4】
前記吊り部のうち前記載置部と反対側の端部に把持部が設けられた
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の包装材。
【請求項5】
前記載置部を挟んで並ぶ前記吊り部同士が連続しており全体として筒状をなす
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、緩衝作用をもたせて被包装物を包装し手にも提げられるような包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
被包装物を包んで手に持ちやすくするものとして、古くから風呂敷がある。
【0003】
風呂敷は正方形に形成されており、一使用態様においては、中央に被包装物を載置して包み、端部同士を結んで手に提げる。いわば風呂敷は、被包装物を載置する載置部を中央に有し、載置部に載った被包装物を吊る吊り部が載置部の周囲に設けられた構造である。
【0004】
このような風呂敷は、例えば一升瓶をはじめ様々な形の被包装物を包めるが、風呂敷自体に大きな緩衝作用はない。
【0005】
被包装物に緩衝作用を付与するものとして、例えば下記特許文献1の緩衝シートが知られている。
【0006】
この緩衝シートは、一定長さの多数のスリットを同一方向に向けて千鳥状に配設した構成である。使用に際して緩衝シートは、スリットを開くように引き伸ばしてから、梱包に際し充てんして使用される。
【0007】
緩衝シートのこのような構造を利用して袋状に構成した伸縮緩衝袋も提案されている(下記特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2759846号公報
【特許文献2】特開平9-272566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献2の伸縮緩衝袋は、全体が載置部に相当する部分であり、吊り部に相当する部分はない。特許文献1のような緩衝シートの構造は、あくまでもクッション性を持たせるためのものであって、それ自体を包装材として使用するものはなかった。
【0010】
また、一般に包装材は、使用前から使用中にかけて形態は変化するものの、それ自体の大きさは変わるものではなかった。つまり、袋状の包装材は、使用前は偏平であり、使用すると収容する被包装物の形に合わせて変形するが、包装材自体の大きさに変化はない。
【0011】
さらに、包装材で包まれた被包装物は、接触抵抗の低い材質の場合、包装材内で容易に動いて包装状態が安定しない。
【0012】
そこで、この発明は、たとえばコンビニエンスストア等で購入した商品や、外食産業の持ち帰り商品などをはじめとした被包装物の包装に好適に使用でき、資源を有効利用できるとともに、安定した持ち運びもできるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのための手段は、被包装物を載置する載置部と、前記載置部に載った被包装物を吊る吊り部が一連の同一面上に設けられた包装材であって、前記載置部が一つ備えられるとともに、前記吊り部が前記載置部を挟んで配設され、前記載置部から前記吊り部にかけて、これらが並ぶ方向と交差する方向に延びる複数のスリットが千鳥状に配設された包装材である。
【0014】
この構成の包装材を使用するには、包装材を引き伸ばしてスリットを開く。スリットが開いて変形した包装材は、引き伸ばし前に比べて大きくなり、載置部に載置収納された被包装物を包み、吊り部が手に提げることを可能にする。包装状態において、開かれたスリットを有する部分は緩衝機能を果たす。
【0015】
包装材は、引き伸ばし前の包装材と比較して大きな被包装物でも包装可能である。またスリットが開いてできた網目状の形態は、被包装物との間で接触抵抗となり包装状態を安定させる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、緩衝作用をもたせて被包装物を包装し、手にも提げられるようにすることができるとともに、包装材に使用する材料を低減でき、資源の有効利用を図れる。そのうえ、緩衝と資源の有効利用に寄与するスリット部分によって被包装物の包装状態を安定させることができ、この点からも被包装物の保護を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図10】包装材の吊り部同士の係合状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0019】
図1は一例に係る包装材11の使用状態を示す斜視図であり、この包装材11は被包装物12としてのどんぶり形状の容器12aを包装するのに適した構造に形成されている。
【0020】
包装材11は、容器12aを載置する載置部13と、載置部13に載った容器12aを吊る吊り部15が一連の同一面上に設けられている。容器12aを載置収容した載置部13の上方には2本の吊り部15が延びており、これら吊り部15の上端部15aを手に握ると、手に提げての持ち運びができる。
【0021】
図2に使用前の包装材11の一部破断正面図を、
図3にその展開図を示す。これらの図に示すように包装材11は偏平な筒状であり、載置部13が一つ備えられるとともに、吊り部15が載置部13を挟んで配設されている。吊り部15は載置部13を挟む2カ所に設けられ、載置部13を挟んで並ぶ吊り部15同士は連続しており包装材11全体として筒状をなしている。
図3は、吊り部15同士の間、換言すれば載置部13の中心を通る横断線と反対の位置で開いた展開図である。
【0022】
そして載置部13から吊り部15にかけて、これらが並ぶ方向と交差する方向に延びる複数のスリット16が千鳥状に配設されている。スリット16が形成される範囲は、載置部13と吊り部15を含む包装材11の全体である。
【0023】
具体的には、筒状の包装材11の正面視形状は方形であり、包装材11は、左右に位置する小口側の2つの開口端17と、これらの開口端17と直交する上下2本の折り目18,19を有している。換言すれば、包装材11は、折り目18,19を介して一体をなす表裏2枚のシート部11a,11bを有する構造である。
【0024】
開口端17の長手方向の適宜の中間位置から一方(下方)の折り目18(
図3の一点鎖線参照)にかけての部分が載置部13であり、載置部13よりも他方(上方)の折り目19にかけての部分が吊り部15である。
【0025】
載置部13の範囲は、被包装物に応じて適宜設定される。また、吊り部15のうち載置部13と反対側の端部に把持部(図示せず)を設けてもよい。把持部は、手を入れる穴や穴となる切り溝、別体の把持部材で構成できる。
【0026】
また、載置部13における両側の縁部に、閉鎖シール部21が形成されている。閉鎖シール部21が形成される位置は、吊り部15同士を重ね合わせる方向で載置部13を二つ折りした場合に載置部13の両側の縁部となる部位であり、閉鎖シール部21の形成によって、縁部が閉鎖されて載置部13の二つ折り状態は保持されることになる。閉鎖シール部21は、載置部13の全体に形成するほか、その一部に形成するものであってもよく、また吊り部15に対しても形成してもよい。
【0027】
閉鎖シール部21の形成は、包装材11の材質に応じて適宜になされる。包装材11が熱溶着可能な合成樹脂シートである場合には、熱溶着によって容易に形成できる。包装材が紙である場合には接着剤などによる接着によって形成するとよい。
【0028】
スリット16は厚さ方向に貫通する切り目であり、表裏のシート部11a,11bの同じ位置に形成されている。
図2に一部を拡大して示したように、スリット16は所定長さに形成され、所定長さの非スリット部25と交互に一直線上に配設されている。スリット16と非スリット部25の並びをスリット線26とすると、スリット線26は一定の間隔をおいて多数並設されている。スリット線26は、載置部13と吊り部15が並ぶ方向と直交している。スリット線26は載置部13と吊り部15が並ぶ方向と直交するほか、それよりも適宜角度傾斜していてもよい。
【0029】
並設に際してスリット線26は、隣り合うスリット線26のスリット16と非スリット部25中間の位置が互いにスリット線26の法線方向に並ぶように配置される。
【0030】
このようなスリット16は、スリット線26の長手方向と直交する方向(法線方向)で引き延ばして広げると、
図4に一部を拡大して示したように、おおよそハニカム形状の目27(開口)が形成される。この目27を形成する部分、つまりスリット間部28は、包装材11の面方向に対して斜めに傾いて、緩衝作用を発揮する構造となる。
【0031】
スリット16の長さは適宜設定され得るが、被包装物12の形状や大きさに応じて形成されるとよい。すなわち、被包装物12が前述のようなどんぶり形状の容器12aである場合には、容器12aを保持できる範囲であればその直径と比較して長めでもよいが、比較的短く設定するほうが、荷重を分散して耐荷重を高めやすいのでよい。
【0032】
スリット16は、包装材11における左右の小口側の開口端17同士を結ぶ方向に延び、折り目18,19を除く部分すべてに形成されている。このため、開口端17においては、閉鎖シール部21を含めてスリット16が露出することになる。換言すれば、筒状をなす開口端17の全体がスリット16を有する部分である。
【0033】
以上のような構成の包装材11は、次のようにして製造される。すなわち、
図5に示したようにチューブ状に形成された基材11cを搬送し、一定の周速で回転するカッターローラ41によってスリット16の形成がなされる。スリット16を形成した後は、図示は省略するが所定長さで切断し、前述した閉鎖シール部21を形成する。包装材11の材料が紙である場合には、シート材を搬送方向に沿って二つ折りして、端縁同士を接着してチューブ状に形成するとよい。
【0034】
包装材11は次のようにして使用される。
【0035】
まず、
図4に示したようにスリット線26の法線方向で包装材11を引っ張って伸ばし、スリット16を開く。スリット16を開いて目27を形成すると、包装材11は元の状態には戻らず、引っ張った方向に長い略長方形になる。閉鎖シール部21を形成した部分も、他の部分と同様に伸びる。
【0036】
開口端17における閉鎖シール部21より上の部分は開口部17aであるので、この部分を端緒にして重なり合ったシート部11a,11b同士を剥がすと、閉鎖シール部21の間の載置部13に容器12aを収容できるようになる。容器12aは開口部17aから差し入れて、載置部13の底に向けて収容する。包装材11は弾力性をもって柔軟に変形しながら容器12aを収容させる。
【0037】
容器12aを収容すると、容器12aは包装材11によって弾力的に締め付けられる。開いたスリット16からなる目27と、スリット16の開きによって斜めに立つスリット間部28は、
図6に示したように、容器12aの外周面に食いつくような状態になって、容器12aは包装材11内に保持される。
【0038】
持ち運ぶときには、吊り部15の上端15a部分を手に持つ。手に持った部分は、載置部13と同じ幅であるが、縮められてまとめられた状態になる。この部分はスリット16を有する構造ゆえに、纏まっても必要以上に嵩張らず、柔らかく持ちやすい。スリット間部28と目27は、手に対する滑り止め機能も果たすとともに、容器12aが重くて手に荷重が掛かる場合でも、手に対して十分な緩衝作用を発揮する。
【0039】
以上のように、包装材11は載置部13とともに吊り部15を有しており、吊り部15を手に提げての持ち運びができる。そのうえ、包装材11の全体が緩衝機能を持っているので、被包装物12にいたずらに衝撃が加わることを抑制できる。
【0040】
また、包装材11は引き伸ばして大きくしてから使用される。このため、使用前の包装材11が、これまでの包装材では包装できなかった大きさであっても包装をすることができる。言い換えれば、包装材11はより少ない材料で構成でき、資源の無駄を省くことができるほか、包装材11の保管スペースを小さくすることもできる。
【0041】
さらに、スリット16が開いてできた目27とスリット間部28は被包装物12を締め付け、被包装物12に対して接触抵抗を高めるので、包装した被包装物12が徒に動くことのないように保持でき、被包装物12の保護に資する。
【0042】
包装材11は全体として筒状をなすので、把持する部分は包装後に自然にできるので、とても扱いやすい。
【0043】
載置部13には閉鎖シール部21が形成されているので、どんぶり形状の容器12aのように高さのある被包装物12でも、また被包装物12を積み重ねた状態で包装する場合でも、良好な保持状態を得られる。
【0044】
以下、包装材11の他の例について説明する。この説明において、前述の構成と同一の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0045】
図7の包装材11は、前述した閉鎖シール部21を有しない例を示している。
【0046】
すなわち、この包装材11は、偏平な筒状であり、折り目11d,11eを介して一体をなす表裏2の枚のシート部11f,11gを有している。シート部11f,11gのうち、裏側のシート部11gにおける折り目11d,11e間の中間部が載置部13であり、表側のシート部11fを含めたその他の部位が吊り部15である。
【0047】
吊り部15は載置部13を挟む2カ所に設けられており、吊り部15同士は連続している。
【0048】
スリット16は全体に形成されている。
【0049】
このように構成された包装材11は、前述と同様に、スリット線26の法線方向で引っ張って伸ばして使用される。引っ張ると、仮想線で示したように、大きくなり、載置部13に被包装物12を載置することができる。
【0050】
この場合の被包装物12は、薄い箱状のものやお盆状のものであるとよい。
図8に示したように、吊り部15における折り目11d,11e間の中間部(上端部15a)を握れば、例えば寿司桶やピザの包装箱を簡便に、しかも安定した状態で持ち歩くことができる。
【0051】
図9の包装材11は、筒状でない点以外は、
図1に示した包装材11と同じ構成である。
【0052】
すなわち、2つの吊り部15は一体ではなく別々であり、上端が開口している。開口縁には、スリットのない耳部15bが形成されている。耳部15bを有しているので、包装材11の左右の端部における耳部15bを除く部分全体がスリット16を有する部分である。
【0053】
このような構成の包装材11では、引き伸ばしたのち、上端の開口を開いて閉鎖シール部21間の載置部13内に被包装物12を収納する。その後、2つの吊り部15の上端部を適宜閉じて手に提げる。
【0054】
吊り部15の上端部は開いたスリット16を有しているので、例えば
図10に示したように吊り部15同士を重ねてスリット間部28同士を絡ませることによって、適宜係合し合うので、閉じた状態を保持できる。
【0055】
吊り部15の上端部は、互いを重ね合わせたのち、別体の既存の提げ手(図示せず)を取り付けて閉じ、手に持ちやすくしてもよい。
【0056】
図11の包装材11は、
図9に示した包装材11の耳部15bを、手提げ穴を形成できるほどに広く形成して、その耳部15bに、手提げ穴を形成できる切り込み15cを形成した例である。切り込み15cに代えて、打ち抜きによる手提げ穴を形成することもできる。
【0057】
図12の包装材11は、筒状や袋状ではなく、一枚の平らなシート状をなす例である。また閉鎖シール部21は形成されていない。
【0058】
すなわち包装材11は、平面視方形に形成され、一方向に向けて延びるスリット16が多数形成されている。
【0059】
スリット16は包装材11の互いに平行な一組の2辺と同一方向に延びており、スリット16が延びる方向と直交する方向の中間部が載置部13である。スリット16が延びる方向と直交する方向における載置部13を挟む両側部分が、吊り部15である。吊り部15における載置部13と反対側の端部には、スリットのない耳部15bが形成されている。耳部15bを有しているので、包装材11の左右の端部における耳部15bを除く部分全体がスリット16を有する部分である。耳部15bは省略してもよい。
【0060】
このような構成の包装材11では、前述と同様に、スリット線26の法線方向で引っ張って伸ばして使用される。伸ばすと、包装材11は
図13に示したように、大きくなって略長方形になる。載置部13に被包装物12を載置したあと、両側の吊り部15の端部を重ね合わせると手に持つことができる。
【0061】
吊り部15の端部は、単に重ね合わせて絡み合わせるだけでも、別体の提げ手(図示せず)を取り付けても、接着テープ(図示せず)等で接合してもよい。風呂敷よりも簡易迅速に被包装物12を包んで保持できる。
【0062】
使用に際して包装材11は、平板上に広げた状態で置け、そのままの状態から包む動作を行える。つまり、広げた包装材11の載置部13に被包装物12を載せて吊り部15を引き上げると、包装ができる。このため、たとえばスーパーやコンビニエンスストア等で会計済みの商品を包装する際に非常に便利である。
【0063】
図14の包装材11は、
図12に示した包装材11の吊り部15の端部に手提げ穴15dを形成した例である。すなわち、吊り部15の端部にスリットを形成しない耳部15bを設け、この耳部15bに手提げ穴15dを形成している。手提げ穴15dは図示例のように長円形など、適宜の形状にするとよい。また、手提げ穴15dを設ける部分は、折り返しによって二重にして、剛性を高めている。
【0064】
図15の包装材11は、吊り部15の端部を結んだりして包装できるように構成した例である。
【0065】
すなわち、包装材11は平面視正方形に形成され、中央に載置部13を有し、一方の対角線上における載置部13の両側に吊り部15を有している。他方の対角線上における載置部13を挟む両側の部分は、補助部14である。
【0066】
複数のスリット16は、載置部13と吊り部15のほか、補助部14も含めて全体に形成される。スリット16が延びる方向は、載置部13と吊り部15が並ぶ方向と直交する方向である。
【0067】
このような構成の包装材11では、前述と同様に、スリット線26の法線方向で引っ張って伸ばして使用される。伸ばすと、包装材11は
図16に仮想線で示したように、大きくなって略ひし形になる。載置部13に被包装物12を載置したあと、両側の吊り部15の端部を重ね合わせるとともに、これらを結び合わせたり、適宜絡み合わせたりすると、手に持つことができる。
【0068】
補助部14は、図示したように何もせずに伸ばしておいてもよいが、その端部同士を結び合わせたり、接着テープ(図示せず)等で接合したり、被包装物12に止めたりしてもよい。
【0069】
図17の包装材11は、
図15に例示した包装材11の変形例である。すなわち、包装材11は平面視長方形ではなく楕円形または長円形に形成されている。載置部13と吊り部15は短軸上に並んでいる。スリット16は、短軸と直交する方向に延びている。
【0070】
図17の例では、吊り部15の端部(包装材11の平面視形状の短軸上の端)には何も形成せずに、全体にスリットを有している。このため、包装材11の全周がスリット16を有する部分である。
【0071】
吊り部15の端部には、前述したような提げ手穴などを形成してもよい。
【0072】
このような構成の包装材11は、前述と同様に、スリット線26の法線方向で引っ張って伸ばして使用される。伸ばすと、包装材11は
図17に仮想線で示したように、大きくなって略円形になる。載置部13に被包装物を載置したあと、両側の吊り部15の端部を重ね合わせるとともに、これらを適宜絡み合わせたりすると、手に持つことができる。
【0073】
以上の構成は、この発明を実施するための一形態であって、前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することができる。
【0074】
例えば、載置部13を挟んで配設される吊り部15は、2カ所ではなく、例えば2カ所ずつ4カ所に形成するなど、他の形状にしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
11…包装材
12…被包装物
13…載置部
15…吊り部
16…スリット
21…閉鎖シール部