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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024567
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
G09F9/302 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127236
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】591243893
【氏名又は名称】株式会社フォトクラフト社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】松本 巖
【テーマコード(参考)】
5C094
【Fターム(参考)】
5C094AA22
5C094AA44
5C094BA23
5C094CA19
5C094CA20
5C094CA24
5C094HA01
(57)【要約】
【課題】コストの削減や制御構成の簡素化などを図りながら、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットにて、ビューポイントからの視認に適した画像を表示できるようにする。
【解決手段】画像情報に基づいて画像表示ユニットにて表示される画像を制御する制御ユニットを備え、画像表示ユニットは、多数の色表示ブロックBを縦横に連接して構成され、色表示ブロックBは、所定枚数の規定色パネルPを縦横に連接して構成され、規定色パネルPには、発光色が単一の規定色に規定された光源Lが備えられ、所定枚数の規定色パネルPには、規定色の異なる複数種類の規定色パネルPが含まれ、制御ユニットは、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、規定色パネルPのそれぞれに備えられた光源Lの駆動を制御して、色表示ブロック単位で表示色を変更する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示ユニットと、画像情報に基づいて前記画像表示ユニットにて表示される画像を制御する制御ユニットとを備え、
前記画像表示ユニットは、多数の色表示ブロックを縦横に連接して構成され、
前記色表示ブロックは、所定枚数の規定色パネルを縦横に連接して構成され、
前記規定色パネルには、発光色が単一の規定色に規定された光源が備えられ、
前記所定枚数の規定色パネルには、前記規定色の異なる複数種類の前記規定色パネルが含まれており、
前記制御ユニットは、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、前記規定色パネルのそれぞれに備えられた前記光源の駆動を制御して、色表示ブロック単位で表示色を変更する表示システム。
【請求項2】
視認距離に応じて前記色表示ブロックの大きさが変更される請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記色表示ブロックの大きさに応じて前記規定色パネルの大きさが変更される請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記色表示ブロックの大きさに応じて当該色表示ブロックを構成する前記規定色パネルの枚数が変更される請求項2又は3に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外にて広告画像や風景画像などの画像(映像を含む)を表示する画像表示ユニットを備えた表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示システムにおいては、日中の明るい時間帯でも画像を鮮明に表示することができるLEDディスプレイやLEDビジョンなどが画像表示ユニット(画像表示部)として備えられたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-74629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDディスプレイやLEDビジョンなどの画像表示ユニットにおいては、例えば、光の三原色の各原色(赤・緑・青)を発光する3つのLED素子(光源の一例)を1ピクセルとし、画像の視認が可能な視認距離や解像度を考慮して設定された所定のピクセルピッチでLED素子が縦横に整列配置された表示パネルの複数枚を縦横に連接することにより、ピクセル単位でのLED素子によるフルカラーの表現が可能な状態で、ビューポイントからの視認が可能な画像を表示するよう構成されている。
【0005】
ところで、例えば、ビューポイントから川や海越しに見える倉庫や工場などの建物の壁面や島の岸辺、あるいは、車窓から見える山の中腹、などのビューポイントから遠く離れた場所に画像表示ユニットを設置する場合には、そのときの設置場所からビューポイントまでの視認距離に応じて画像表示ユニットのサイズを大幅に大きくする必要がある。このような場合に、前述した技術に基づいて画像表示ユニットを構成すると、サイズの大型化に伴って、ピクセル単位でフルカラーを表現するLED素子の装備数が多くなるとともに、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、各LED素子の駆動を制御して、所定のピクセルピッチで配置された各LED素子による表示色をピクセル単位で調整する必要がある。その結果、消費電力の増加などによるコストの高騰や制御構成の複雑化などを招くことになる。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、コストの削減や制御構成の簡素化などを図りながら、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットにて、ビューポイントからの視認に適した画像を表示できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、
画像を表示する画像表示ユニットと、画像情報に基づいて前記画像表示ユニットにて表示される画像を制御する制御ユニットとを備え、
前記画像表示ユニットは、多数の色表示ブロックを縦横に連接して構成され、
前記色表示ブロックは、所定枚数の規定色パネルを縦横に連接して構成され、
前記規定色パネルには、発光色が単一の規定色に規定された光源が備えられ、
前記所定枚数の規定色パネルには、前記規定色の異なる複数種類の前記規定色パネルが含まれており、
前記制御ユニットは、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、前記規定色パネルのそれぞれに備えられた前記光源の駆動を制御して、色表示ブロック単位で表示色を変更する点にある。
【0008】
本構成によると、制御ユニットは、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、例えば、いずれかのピクセルの色情報が黒色であれば、そのピクセルに対応する色表示ブロックの各規定色パネルに備えられた光源を駆動停止させて、当該色表示ブロックの表示色を黒色にする。又、いずれかのピクセルの色情報がいずれかの規定色であれば、そのピクセルに対応する色表示ブロックに備えられた各規定色パネルの光源のうち、規定色が色情報に対応する光源のみを駆動させて、当該色表示ブロックの表示色を色情報に対応する規定色にする。そして、このような駆動制御を行うことにより、ピクセルごとの色情報に基づいて色表示ブロック単位で表示色が変更された画像を画像表示ユニットにて表示させる。
これにより、例えば、制御ユニットが、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、所定のピクセルピッチで配置された各光源(例えば光の三原色を発光する3つのLED素子)によるピクセル単位の表示色がピクセルごとの色情報に対応するように、各光源に供給する電流量を制御して各光源による表示色を調整する場合に比較して、制御構成を簡単にしながら、駆動させる光源の個数を少なくすることができ、消費電力を低減することができる。
そして、ピクセルごとの色情報に基づく表示色の変更がピクセル単位よりも大きい色表示ブロック単位で行われることにより、これに応じて、画像表示ユニットで表示される画像が適度に粗くなり、この画像を適正に視認することが可能な画像表示ユニットからビューポイントまでの直線距離である視認距離が長くなる。つまり、画像表示ユニットで表示される画像の解像度を、ビューポイントから川や海越しに見える倉庫や工場などの建物の壁面や島の岸辺、あるいは、車窓から見える山の中腹、などのビューポイントから遠く離れた場所に画像表示ユニットを設置するのに適した解像度に低下させることができる。
その結果、消費電力の低減などによるコストの削減や制御構成の簡素化などを図りながら、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットにて、そのビューポイントからの視認に適した画像を表示させることができる。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、
視認距離に応じて前記色表示ブロックの大きさが変更される点にある。
【0010】
本発明によると、例えば、視認距離に応じて各色表示ブロックの大きさを視認距離の2乗に比例して大きくすれば、多数の色表示ブロックで表示される画像の大きさも視認距離の2乗に比例して大きくすることができる。これにより、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットで表示される画像の解像度を、そのビューポイントから見るのに適した粗さの解像度に容易に調整することができる。
その結果、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットにて、そのビューポイントからの視認に適した画像を容易に表示させることができる。
【0011】
本発明の第3特徴構成は、
前記色表示ブロックの大きさに応じて前記規定色パネルの大きさが変更される点にある。
【0012】
本発明によると、例えば、視認距離に応じて各色表示ブロックの大きさを視認距離の2乗に比例して大きくする場合には、各色表示ブロックを構成する各規定色パネルの大きさも視認距離の2乗に比例して大きくすることから、各色表示ブロックを構成する各規定色パネルの枚数を増加する必要がなく、規定色パネルの増加に伴う光源の増加を防止することができる。
その結果、画像表示ユニットに備える光源の増加によるコストの高騰を招くことなく、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットにて、そのビューポイントからの視認に適した画像を容易に表示させることができる。
【0013】
本発明の第4特徴構成は、
前記色表示ブロックの大きさに応じて当該色表示ブロックを構成する前記規定色パネルの枚数が変更される点にある。
【0014】
本発明によると、例えば、視認距離に応じて各色表示ブロックの大きさを視認距離の2乗に比例して大きくする場合には、各色表示ブロックを構成する規定色パネルの枚数が増加されることから、各色表示ブロックで表示可能な規定色を増やすことが可能になり、各色表示ブロックでの色再現性を高めることができる。
その結果、ビューポイントから遠く離れた場所に設置された画像表示ユニットにて、そのビューポイントからの視認に適した画像を、より色再現性の高い状態で表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ビューポイントと画像表示ユニットの設置場所との位置関係を示す斜視図
図2】表示システムの構成を示すブロック図
図3】画像表示ユニットの構成を示す正面図
図4】色表示ブロック及び規定色パネルの構成を示す要部の正面図
図5】視認距離に応じて規定色パネルの大きさが変更された状態を示す要部の正面図
図6】光源を単一のLED素子で構成した別実施形態を示す要部の正面図
図7】色表示ブロックを4枚の規定色パネルで構成した別実施形態を示す要部の正面図
図8】色表示ブロックを16枚の規定色パネルで構成した別実施形態を示す要部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明に係る表示システム1は、例えば、図1に示すように、人2が集まるビューポイント3から川や海越しに見える倉庫や工場などの建物4の壁面4A、あるいは、図示は省略するが、車窓から見える山の中腹、などのビューポイント3から遠く離れた場所に設置するのに適した画像を表示するためのものである。
【0018】
詳述すると、図2に示すように、表示システム1には、広告画像や風景画像などの画像(映像を含む)を表示するLEDディスプレイやLEDビジョンなどの画像表示ユニット5、及び、画像情報に基づいて画像表示ユニット5にて表示される画像を制御する制御ユニット6、などが備えられている。
【0019】
図1及び図3~4に示すように、画像表示ユニット5は、矩形に形成された複数の表示モジュールMを縦横に連接して構成され、矩形の支持フレーム7などを介して建物4の壁面4Aに設置されている。各表示モジュールMは、正方形に形成された多数の色表示ブロックB(図4に示す太い実線の正方形)を縦横に連接して構成されている。各色表示ブロックBは、3cm角の正方形に形成された9枚の規定色パネルPを縦横に連接して構成されている。各規定色パネルPには、発光色が単一の規定色に規定された光源Lが備えられている。
【0020】
尚、建物4の壁面4Aに対する画像表示ユニット5の設置構造は種々の変更が可能であり、例えば、画像表示ユニット5は、フレームレス構造で建物4の壁面4Aに設置されていてもよい。各規定色パネルPの大きさは種々の変更が可能であり、例えば、5cm角や10cm角などの大きさであってもよい。
【0021】
図4に示すように、各光源Lは、光の三原色の各原色(赤・緑・青)を発光する3つのLED素子Lr,Lg,Lbから構成され、各LED素子Lr,Lg,Lbに流す電流量が規定されることで、各LED素子Lr,Lg,Lbからの発光色の混色が単一の規定色になるよう駆動制御されている。
【0022】
各色表示ブロックBを構成する9枚の規定色パネルPには、それぞれの規定色が異なるように、混色の異なる光源Lが備えられている。これにより、9枚の規定色パネルPには、規定色の異なる9種類の規定色パネルP1~P9が含まれている。
【0023】
尚、規定色としては、例えば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、紫色の7色に白色と灰色の2色を加えた9色、又は、赤色、黄色、緑色、青色、紫色の5色に、それらの中間色である黄赤色、黄緑色、青緑色、青紫色、赤紫色の5色のうちの4色を加えた9色、などを採用することができる。
【0024】
又、各色表示ブロックBを構成する9枚の規定色パネルPとしては、例えば、他の規定色よりも輝度が低くなる規定色に規定された光源Lを備える規定色パネルPが含まれている場合には、規定色の異なる規定色パネルPを8種類以下に削減し、輝度の低い規定色パネルPの枚数を増やすことで、各規定色での輝度の均一化を図るようにしてもよい。
【0025】
図2に示すように、制御ユニット6には、画像表示ユニット5による画像表示を可能にする画像情報が書き込まれた記憶部6A、及び、記憶部6Aから画像情報を読み出して各規定色パネルPに備えられた光源Lの駆動を制御する駆動制御部6B、などが備えられている。
【0026】
図2及び図4に示すように、駆動制御部6Bは、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、各ピクセルに対応する色表示ブロックBの各規定色パネルPに光源Lとして備えられた各LED素子Lr,Lg,Lbの駆動を制御する。
【0027】
具体的には、図4に示すように、例えば、多数の色表示ブロックBのうちの第1色表示ブロックB1に対応するピクセルの色情報が黒色である場合は、この色情報に基づいて、駆動制御部6Bが、第1色表示ブロックB1の各規定色パネルP1~P9に備えられた全てのLED素子Lr,Lg,Lbへの給電を停止して、これら全てのLED素子Lr,Lg,Lbを駆動停止させることで、第1色表示ブロックB1の表示色を黒色にする。
【0028】
例えば、第1色表示ブロックB1の横方向に隣接する第2色表示ブロックB2に対応するピクセルの色情報が9種類の規定色パネルP1~P9のうちの第1規定色パネルP1の規定色である場合は、この色情報に基づいて、駆動制御部6Bが、第2色表示ブロックB2の第1規定色パネルP1に備えられた各LED素子Lr,Lg,Lbに規定の電流量を供給して、これらのLED素子Lr,Lg,Lbのみを駆動させることで、第2色表示ブロックB2の表示色を第1規定色パネルP1の規定色にする。
【0029】
例えば、第1色表示ブロックB1の下方に隣接する第3色表示ブロックB3に対応するピクセルの色情報が9種類の規定色パネルP1~P9のうちの第5規定色パネルP5の規定色である場合は、この色情報に基づいて、駆動制御部6Bが、第3色表示ブロックB3の第5規定色パネルP5に備えられた各LED素子Lr,Lg,Lbに規定の電流量を供給して、これらのLED素子Lr,Lg,Lbのみを駆動させることで、第3色表示ブロックB3の表示色を第5規定色パネルP5の規定色にする。
【0030】
つまり、駆動制御部6Bは、画像情報に含まれたいずれかのピクセルの色情報が黒色であれば、そのピクセルに対応する色表示ブロックBの各規定色パネルPに備えられた光源Lを駆動停止させて、当該色表示ブロックBの表示色を黒色にする。又、いずれかのピクセルの色情報がいずれかの規定色であれば、そのピクセルに対応する色表示ブロックBに備えられた各規定色パネルPの光源Lのうち、規定色が色情報に対応する光源Lのみを駆動させて、当該色表示ブロックBの表示色を色情報に対応する規定色にする。そして、このような駆動制御を行うことにより、ピクセルごとの色情報に基づいて色表示ブロック単位で表示色が変更された画像を画像表示ユニット5にて表示させる。
【0031】
尚、図4においては、駆動されている光源L(各LED素子Lr,Lg,Lb)が白塗りで示され、駆動されていない光源Lが黒塗りで示されている。
【0032】
これにより、例えば、駆動制御部6Bが、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、所定のピクセルピッチで配置された各光源L(3つのLED素子Lr,Lg,Lb)によるピクセル単位の表示色がピクセルごとの色情報に対応するように、各光源Lに供給する電流量を制御して各光源Lによる表示色を調整する場合に比較して、制御構成を簡単にしながら、駆動させる光源Lの個数を少なくすることができ、消費電力を低減することができる。
【0033】
そして、ピクセルごとの色情報に基づく表示色の変更がピクセル単位よりも大きい色表示ブロック単位で行われることにより、これに応じて、画像表示ユニット5で表示される画像が適度に粗くなり、この画像を適正に視認することが可能な画像表示ユニットからビューポイントまでの直線距離である視認距離D(図1参照)が長くなる。つまり、画像表示ユニット5で表示される画像の解像度を、ビューポイント3から川や海越しに見える倉庫や工場などの建物4の壁面4Aや島の岸辺、あるいは、車窓から見える山の中腹、などのビューポイント3から遠く離れた場所に画像表示ユニット5を設置するのに適した解像度に低下させることができる。
【0034】
その結果、消費電力の低減などによるコストの削減や制御構成の簡素化などを図りながら、ビューポイント3から遠く離れた場所に設置された画像表示ユニット5にて、そのビューポイント3からの視認に適した画像を表示させることができる。
【0035】
ちなみに、例えば、経年変化などに起因して画像表示ユニット5における各光源Lの輝度が低下した場合には、表示システム1を使用する時間帯を夜間などに限定することにより、表示システム1の使用年数を長くすることができる。
【0036】
図1及び図5に示すように、本実施形態で例示された表示システム1においては、前述した視認距離D(図1参照)に応じて各規定色パネルPの大きさが変更される。
【0037】
具体的には、視認距離Dに応じて各規定色パネルPの大きさを視認距離Dの2乗(約2乗を含む)に比例して大きくすることで、9枚の規定色パネルP1~P9で構成される各色表示ブロックBの大きさ、及び、複数の色表示ブロックBで表示される画像の大きさを視認距離Dの2乗に比例して大きくする。これにより、ビューポイント3から遠く離れた場所に設置された画像表示ユニット5で表示される画像の解像度を、そのビューポイント3から見るのに適した粗さの解像度に容易に調整することができる。
【0038】
その結果、画像表示ユニット5に備える光源Lの増加によるコストの高騰を招くことなく、ビューポイント3から遠く離れた場所に設置された画像表示ユニット5にて、そのビューポイント3からの視認に適した画像を容易に表示させることができる。
【0039】
〔別実施形態〕
本発明の別実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各別実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、上記の実施形態や他の別実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0040】
(1)上記の実施形態においては、各光源Lとして、光の三原色の各原色(赤・緑・青)を発光する3つのLED素子Lr,Lg,Lbから構成され、各LED素子Lr,Lg,Lbに流す電流量が規定されることで、各LED素子Lr,Lg,Lbからの発光色の混色が単一の規定色になるよう駆動制御されたものを例示したが、これに限らず、図6に示すように、各光源Lは、基盤の材料や蛍光体との組み合わせで発光色が単一の規定色になるように規定された単一のLED素子から構成されたものであってもよい。
この構成によると、LED素子の装備数が減少することによる消費電力の低減やコストの削減を図ることができる。
ちなみに、図6において、第1色表示ブロックB1の表示色は、全ての光源Lが駆動停止された黒色である。第1色表示ブロックB1の横方向に隣接する第2色表示ブロックB2の表示色は、第1規定色パネルP1の光源Lのみが駆動された第1規定色パネルP1の規定色である。第1色表示ブロックB1の下方に隣接する第3色表示ブロックB3の表示色は、第5規定色パネルP5の光源Lのみが駆動された第5規定色パネルP5の規定色である。
【0041】
(2)上記の実施形態においては、各色表示ブロックBとして、正方形に形成された9枚の規定色パネルPを縦横に連接して構成されたものを例示したが、これに限らず、各色表示ブロックBを構成する規定色パネルPの枚数は種々の変更が可能であり、例えば、図7に示すように、各色表示ブロックBは、正方形に形成された4枚の規定色パネルPを縦横に連接して、図7に太い実線で示す正方形に構成されたものであってもよい。
この構成においては、各色表示ブロックBには、図7に示すように、4枚の規定色パネルPとして、発光色が赤色に規定されたLED素子Lrを光源Lとして備えることで規定色が赤色に規定された第1規定色パネルP1と、発光色が緑色に規定されたLED素子Lgを光源Lとして備えることで規定色が緑色に規定された第2規定色パネルP2と、発光色が青色に規定されたLED素子Lbを光源Lとして備えることで規定色が青色に規定された第3規定色パネルP3とを基本にして、発光色が白色に規定されたLED素子Lwを光源Lとして備えることで規定色が白色に規定された第4規定色パネルP4を備えることが考えられる。
又、第4規定色パネルP4に代えて、基本の各規定色パネルP1~P3のうち、光源Lの輝度が最も低い規定色パネルPを追加することで、各規定色での輝度の均一化を図るようにしてもよい。
ちなみに、図7において、第1色表示ブロックB1の表示色は、全ての光源Lが駆動停止された黒色である。第1色表示ブロックB1の横方向に隣接する第2色表示ブロックB2の表示色は、第1規定色パネルP1の光源Lのみが駆動された第1規定色パネルP1の規定色(赤色)である。第1色表示ブロックB1の下方に隣接する第3色表示ブロックB3の表示色は、第2規定色パネルP2の光源Lのみが駆動された第2規定色パネルP2の規定色(緑色)である。
【0042】
(3)上記の実施形態においては、画像表示ユニット5として、前述した視認距離D(図1参照)に応じて各規定色パネルPの大きさが変更されるものを例示したが、これに限らず、例えば、図4図7及び図8に示すように、視認距離Dに応じて各色表示ブロックBを構成する規定色パネルPの枚数が変更されるものであってもよい。
この構成によると、例えば、視認距離Dに応じて各色表示ブロックBの大きさが視認距離Dの2乗(約2乗を含む)に比例して大きくなるように、各色表示ブロックBを構成する規定色パネルPの枚数を増やすことにより、各色表示ブロックBで表示可能な規定色を増やすことが可能になり、各色表示ブロックBでの色再現性を高めることができる。
その結果、画像表示ユニット5にてより色再現性の高い画像を表示させることができる。
尚、正方形の色表示ブロックBを構成する規定色パネルPの枚数は、図4に示す9枚、図7に示す4枚、図8に示す16枚、などの1を除いた平方数であれば種々の変更が可能である。
ちなみに、図8において、第1色表示ブロックB1の表示色は、第1規定色パネルP1の光源Lのみが駆動された第1規定色パネルP1の規定色である。第1色表示ブロックB1の横方向に隣接する第2色表示ブロックB2の表示色は、第5規定色パネルP5の光源Lのみが駆動された第5規定色パネルP5の規定色である。第1色表示ブロックB1の下方に隣接する第3色表示ブロックB3の表示色は、第2規定色パネルP2の光源Lのみが駆動された第2規定色パネルP2の規定色である。
【0043】
(4)画像表示ユニット5としては、前述した視認距離D(図1参照)に応じて、各規定色パネルPの大きさが変更されるとともに、各色表示ブロックBを構成する規定色パネルPの枚数が変更されるものであってもよい。
【0044】
(5)上記の実施形態においては、駆動制御部6Bが、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報に基づいて、各ピクセルに対応する色表示ブロックBの各規定色パネルPに備えられた光源Lの駆動を制御するものを例示したが、これに限らず、例えば、画像情報に含まれたピクセルごとの色情報と明度とに基づいて、各ピクセルに対応する色表示ブロックBの各規定色パネルPに備えられた光源Lの駆動を制御するものであってもよい。
【0045】
(6)上記の実施形態においては、各規定色パネルPとして正方形に形成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、各規定色パネルPは、正六角形に形成されたものであってもよい。
この構成においては、例えば、各色表示ブロックBを3枚の規定色パネルP又は7枚の規定色パネルPなどから構成することが考えられる。
尚、各色表示ブロックBを3枚の規定色パネルPで構成する場合には、3枚の規定色パネルPとして、発光色が赤色に規定されたLED素子Lrを光源Lとして備えることで規定色が赤色に規定された第1規定色パネルP1と、発光色が緑色に規定されたLED素子Lgを光源Lとして備えることで規定色が緑色に規定された第2規定色パネルP2と、発光色が青色に規定されたLED素子Lbを光源Lとして備えることで規定色が青色に規定された第3規定色パネルP3とを備えることが考えられる。
又、各色表示ブロックBを7枚の規定色パネルPで構成する場合には、7枚の規定色パネルPとして、例えば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、紫色の7色のいずれかが発光色に規定されたLED素子を光源Lとする7種類の規定色パネルPを備えることが考えられる。
【符号の説明】
【0046】
5 画像表示ユニット
6 制御ユニット
B 色表示ブロック
L 光源
P 規定色パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8