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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024623
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】壁面構造体及び壁面構造体の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/02 20060101AFI20220202BHJP
   E04B 2/06 20060101ALI20220202BHJP
   E04C 1/39 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
E04B2/02 135
E04B2/02 111
E04B2/02 170
E04B2/02 180
E04B2/06
E04C1/39 107
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127323
(22)【出願日】2020-07-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】515341302
【氏名又は名称】株式会社アルフデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】三原 宏樹
(57)【要約】
【課題】単位ブロック材を積み重ねて通し穴に継ぎ柱の構成材を延長しながら施工する壁面構造体において、単位ブロック材と継ぎ柱の固定、及び継ぎ柱の一体化を可能として、より強固に構築することができる壁面構造体を提供する。
【解決手段】壁面構造体A1は、本体部20、本体部20の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴22を有する接合部21、及び柱通し穴22に交わり、接合部21を短手方向に貫通する外栓穴24を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材2と、長さの延長が可能で、単位ブロック材2と継ぎ柱の組積み位置で、単位ブロック材2の外栓穴24に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴410を有する継ぎ柱4と、組積み位置で外栓穴24と内栓穴410に通して、単位ブロック材2と継ぎ柱4を連結する連結栓5とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
長さの延長が可能で、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱の組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、
前記組積み位置で前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備える
壁面構造体。
【請求項2】
前記継ぎ柱が複数の構成材で形成され、前記構成材同士は、前記継ぎ柱の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を前記構成材の半分の長さでずらして接合可能である
請求項1記載の壁面構造体。
【請求項3】
一部の単位ブロック材を省いて開口部が形成されている
請求項1又は2記載の壁面構造体。
【請求項4】
角部に円弧形状の役物ブロック材を積み重ねて曲面を形成した
請求項1、2又は3記載の壁面構造体。
【請求項5】
当接して上下に位置する単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされている
請求項1、2、3又は4記載の壁面構造体。
【請求項6】
施工箇所に、下段の単位ブロック材を、接合部を合わせて長手方向に並べて設置する下段設置工程と、
下段の単位ブロック材の接合部の柱通し穴に、継ぎ柱の最下部の構成材を入れて設置し、前記下段の単位ブロック材の外栓穴と前記継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで前記下段の単位ブロック材と前記継ぎ柱の最下部の構成材を固定する下段固定工程と、
前記継ぎ柱の最下部の構成材に他の構成材を継ぎ足して所定の長さに延長する継ぎ柱延長工程と、
前記下段の単位ブロック材に積み重ねるように、前記継ぎ柱の延長部に柱通し穴を嵌め入れて、上段の単位ブロック材を、接合部を合わせて長手方向に並べて設置する上段設置工程と、
前記上段の単位ブロック材の外栓穴と前記継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで前記上段の単位ブロック材と前記継ぎ柱の延長部を固定する上段固定工程とを備える
壁面構造体の構築方法。
【請求項7】
前記継ぎ柱が複数の構成材で形成され、前記構成材同士は、前記継ぎ柱の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を前記構成材の半分の長さでずらして接合可能である
請求項6記載の壁面構造体の構築方法。
【請求項8】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
前記単位ブロック材の前記柱通し穴に通された組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、
前記組積み位置で、前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、
一部の前記単位ブロック材を省いて開口部が形成されている
壁面構造体。
【請求項9】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
前記単位ブロック材の前記柱通し穴に通された組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、
前記組積み位置で、前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、
角部に円弧形状の役物ブロック材を積み重ねて曲面が形成されている
壁面構造体。
【請求項10】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
前記単位ブロック材の前記柱通し穴に通された組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、
前記組積み位置で、前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、
当接して上下に位置する前記単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされている
壁面構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面構造体及び壁面構造体の施工方法に関するものである。詳しくは、施工完了状態での単位ブロックと継ぎ柱の固定、及び継ぎ柱の構成体同士の固定が可能で、より強固に構築することができる壁面構造体及び壁面構造体の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全国各地の林業地では、間伐作業において大量に生じる間伐材の有効利用が旧来の課題となっている。間伐材は、その多くが小径木であるため、建材としての用途もある程度は限定されることになるが、従来から床面材料、或いは壁面材料などとしての利用は一般的である。
【0003】
また、昨今の予測し得ない災害による被害で緊急対策として仮設住宅建築などの需要が高まっている。そのような非常時において、ボランティアなど、特別な技術を持たない一般の人でも、簡単に構築できる建物が望まれている。
【0004】
そこで、使用する材料の形状を標準化し、かつ材料の種類を少なくすることで、より効率よく低コストで施工できる方法が種々採用されている。そのような工法の一例として、特許文献1記載の「木製単位ブロックによる小規模目構造建築物のための組積工法」がある。
【0005】
特許文献1記載の組積工法は、組積みが可能な両端部にダボ穴を有する同形状の木製単位ブロックを積み重ね、通し穴となるダボ穴にダボを順次差し込んで継ぎ足しながら、木製単位ブロックを高さ方向に積み上げて、壁面を施工するようにしている。
【0006】
ダボ穴にダボを順次差し込んで継ぎ足しながら施工することで、最初から長い継ぎ柱を立てる必要がなく、高い所から継ぎ柱に通しながら木製単位ブロックを落とし込む必要もないので、より安全で、かつ簡易な作業で施工できる利点がある。
【0007】
また、差し込まれたダボは、継ぎ部が木製単位ブロック同士の接合面から上下にずらされており、木製単位ブロック同士がずれないようにすることで、木製単位ブロックに作用する水平方向の力に対しても耐力を有するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平3-33107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1記載の組積工法には、次のような課題があった。
すなわち、木製単位ブロックを積み重ねて通し穴となったダボ穴に差し込まれるダボ同士は、継ぎ部では当たっているだけで、上下方向(長手方向)に接続されない構造となっている。
【0010】
このため、木製単位ブロック同士をシーリングで接合したとしても、地震などにより上下の動きを含む揺れや衝撃が作用したときに、各木製単位ブロックと各ダボが上下に離れてしまうことが想定される。これにより、ダボが破壊されるなどして、壁面構造体が壊れてしまう可能性が高い。
【0011】
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、単位ブロック材を積み重ねて、それにより形成される通し穴に継ぎ柱の構成材(特許文献1においてダボに相当)を順次差し込んで継ぎ足しながら施工する壁面構造体において、施工完了状態での単位ブロック材と継ぎ柱の固定、及び継ぎ柱の一体化を可能として、より強固に構築することができる壁面構造体及び壁面構造体の施工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の目的を達成するために本発明の壁面構造体は、所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、長さの延長が可能で、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱の組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、前記組積み位置で前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備える。
【0013】
壁面構造体は、単位ブロック材を水平方向及び上下方向に組積みすることにより、壁をつくることができる。単位ブロック材は、組積みをするときに、接合部同士が重なって合わさり、各柱通し穴が連通する。これにより、柱通し穴に継ぎ柱を通すことができるようになる。
【0014】
また、単位ブロック材の外栓穴は柱通し穴に交わるので、組積みの際に、柱通し穴に通されている継ぎ柱の内栓穴を外栓穴に合わせることで、外栓穴と内栓穴を貫通して連結栓を通すことができる。これにより、壁面構造体は、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して一体に固定されており、同時に継ぎ柱の一体構造も維持されているので、充分な強度で構築できる。
【0015】
継ぎ柱は、長さの延長が可能であるので、単位ブロックが積み重ねられて高くなるのに伴って、その高さに適合する高さに、順次延長することができる。これにより、単位ブロック材の柱通し穴を継ぎ柱に嵌め入れるために、必要以上に高い所から単位ブロック材を落とし込む必要がなく、安全かつ簡易な作業で施工できる。
【0016】
(2)本発明の壁面構造体は、前記継ぎ柱が複数の構成材で形成され、前記構成材同士は、前記継ぎ柱の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を前記構成材の半分の長さでずらして接合可能である構成とすることもできる。
【0017】
この場合は、継ぎ柱を積み重ねられる単位ブロック材の高さに適合する高さに順次延長する際、構成材をその半分の長さでずらしながら、径方向に二枚重ねにして継ぎ足す。また、継ぎ足した片側の構成体の上半分は、組積みの途中で最上部となっている単位ブロック材の上面から突き出るようにする。
【0018】
そして、単位ブロック材の柱通し穴の中にある二枚重ねになった構成材の連通する内栓穴に、単位ブロック材の外栓穴から連結栓を通すことにより、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して固定できる。
【0019】
(3)本発明の壁面構造体は、一部の単位ブロック材を省いて開口部が形成されている構成とすることもできる。
【0020】
この場合は、壁面構造体で箱状の建物を構築した場合など、通気口や窓として利用することができるので、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0021】
(4)本発明の壁面構造体は、角部に円弧形状の役物ブロック材を積み重ねて曲面を形成した構成とすることもできる。
【0022】
この場合は、壁面構造体で箱状の建物を構築した場合など、柔らかな曲面をつくることができ、その曲面の組み合わせを様々に行うことで、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0023】
(5)本発明の壁面構造体は、当接して上下に位置する単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされている構成としてもよい。
【0024】
この場合は、接合部が、単位ブロック材の長手方向の同じ位置で整然と並んでいるデザインと比較して、柔らかで自由な印象を与えるデザインとすることができる。
【0025】
(6)上記の目的を達成するために本発明の壁面構造体の構築方法は、施工箇所に、下段の単位ブロック材を、接合部を合わせて長手方向に並べて設置する下段設置工程と、下段の単位ブロック材の接合部の柱通し穴に、継ぎ柱の最下部の構成材を入れて設置し、前記下段の単位ブロック材の外栓穴と前記継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで前記下段の単位ブロック材と前記継ぎ柱の最下部の構成材を固定する下段固定工程と、前記継ぎ柱の最下部の構成材に他の構成材を継ぎ足して所定の長さに延長する継ぎ柱延長工程と、前記下段の単位ブロック材に積み重ねるように、前記継ぎ柱の延長部に柱通し穴を嵌め入れて、上段の単位ブロック材を、接合部を合わせて長手方向に並べて設置する上段設置工程と、前記上段の単位ブロック材の外栓穴と前記継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで前記上段の単位ブロック材と前記継ぎ柱の延長部を固定する上段固定工程とを備える。
【0026】
壁面構造体の構築方法は、下段設置工程により、壁面構造体のベースとなる下段の単位ブロック材を、その長手方向に並べて敷設することができる。下段固定工程で下段の単位ブロック材の接合部の柱通し穴に、継ぎ柱の最下部の構成材を入れて設置することで、継ぎ柱のベースをつくることができる。
【0027】
また、下段の単位ブロック材の外栓穴と継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで、下段の単位ブロック材と継ぎ柱の最下部の構成材を固定することができ、これにより継ぎ柱のベースが単位ブロックに強固に固定される。
【0028】
次に、継ぎ柱延長工程によって、継ぎ柱の最下部の構成材に他の構成材を継ぎ足して所定の長さに延長することができる。構成材の継ぎ足しによって、継ぎ柱は長さを延長しても、連結栓によって一体化できる。
【0029】
上段設置工程により、壁面構造体のベースとなる下段の単位ブロック材の上に、上段の単位ブロック材を、その長手方向に並べて敷設することができる。また、上段固定工程によって、上段の単位ブロック材の外栓穴と継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで上段の単位ブロック材と継ぎ柱の延長部を固定することができる。
【0030】
そして、上記各工程を繰り返すことにより、壁面構造体を構築することができる。このようにして構築される壁面構造体は、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して一体に固定されており、同時に継ぎ柱の一体構造も維持されるので、充分な強度で構築できる。
【0031】
(7)本発明の壁面構造体の構築方法は、前記継ぎ柱が複数の構成材で形成され、前記構成材同士は、前記継ぎ柱の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を前記構成材の半分の長さでずらして接合可能である構成とすることもできる。
【0032】
この場合は、継ぎ柱を積み重ねられる単位ブロック材の高さに適合する高さに順次延長する際、構成材をその半分の長さでずらしながら、径方向に二枚重ねにして継ぎ足す。また、継ぎ足した片側の構成体の上半分は、組積みの途中で最上部となっている単位ブロック材の上面から突き出るようにする。
【0033】
そして、単位ブロック材の柱通し穴の中にある二枚重ねになった構成材の連通する内栓穴に、単位ブロック材の外栓穴から連結栓を通して、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して固定できる。
【0034】
(8)上記の目的を達成するために本発明の壁面構造体は、所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、前記単位ブロック材の前記柱通し穴に通された組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、前記組積み位置で、前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、一部の前記単位ブロック材を省いて開口部が形成されている。
【0035】
壁面構造体は、単位ブロック材を水平方向及び上下方向に組積みすることにより、壁をつくることができる。単位ブロック材は、組積みをするときに、接合部同士が重なって合わさり、各柱通し穴が連通する。これにより、柱通し穴に継ぎ柱を通すことができるようになる。
【0036】
また、単位ブロック材の外栓穴は柱通し穴に交わるので、組積みの際に、柱通し穴に通されている継ぎ柱の内栓穴を外栓穴に合わせることで、外栓穴と内栓穴を貫通して連結栓を通すことができる。このように、壁面構造体は、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して一体に固定されており、継ぎ柱と共に一体となって、充分な強度で構築できる。
【0037】
更には、壁面構造体で箱状の建物を構築した場合など、開口部を通気口や窓として利用することができるので、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0038】
(9)上記の目的を達成するために本発明の壁面構造体は、所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、前記単位ブロック材の前記柱通し穴に通された組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、前記組積み位置で、前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、角部に円弧形状の単位ブロックを積み重ねて曲面が形成されている。
【0039】
壁面構造体は、単位ブロック材を水平方向及び上下方向に組積みすることにより、壁をつくることができる。単位ブロック材は、組積みをするときに、接合部同士が重なって合わさり、各柱通し穴が連通する。これにより、柱通し穴に継ぎ柱を通すことができるようになる。
【0040】
また、単位ブロック材の外栓穴は柱通し穴に交わるので、組積みの際に、柱通し穴に通されている継ぎ柱の内栓穴を外栓穴に合わせることで、外栓穴と内栓穴を貫通して連結栓を通すことができる。このように、壁面構造体は、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して一体に固定されており、継ぎ柱と共に一体となって、充分な強度で構築できる。
【0041】
更には、壁面構造体で箱状の建物を構築した場合など、柔らかな曲面をつくることができ、その曲面の組み合わせを様々に行うことで、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0042】
(10)、上記の目的を達成するために本発明の壁面構造体は、所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記接合部を短手方向に貫通する外栓穴を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、前記単位ブロック材の前記柱通し穴に通された組積み位置で、前記単位ブロック材の外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する継ぎ柱と、前記組積み位置で、前記外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、当接して上下に位置する単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされている。
【0043】
壁面構造体は、単位ブロック材を水平方向及び上下方向に組積みすることにより、壁をつくることができる。単位ブロック材は、組積みをするときに、接合部同士が重なって合わさり、各柱通し穴が連通する。これにより、柱通し穴に継ぎ柱を通すことができるようになる。
【0044】
また、単位ブロック材の外栓穴は柱通し穴に交わるので、組積みの際に、柱通し穴に通されている継ぎ柱の内栓穴を外栓穴に合わせることで、外栓穴と内栓穴を貫通して連結栓を通すことができる。このように、壁面構造体は、単位ブロック材と継ぎ柱を連結して一体に固定されており、継ぎ柱と共に一体となって、充分な強度で構築できる。
【0045】
更には、当接して上下に位置する単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされていることにより、接合部が、単位ブロック材の長手方向の同じ位置で整然と並んでいるデザインと比較して、柔らかで自由な印象を与えるデザインとすることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明は、単位ブロック材を積み重ねて、それにより形成される通し穴に継ぎ柱を順次差し込んで継ぎ足しながら施工する壁面構造体において、施工完了状態での単位ブロック材と継ぎ柱の固定、及び継ぎ柱の構成体同士の固定が可能で、より強固に構築することができる壁面構造体及び壁面構造体の施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明に係る壁面構造体を示す分解斜視説明図である。
図2】壁面構造体における単位ブロック材の継ぎ柱による接合構造を示す要部断面説明図である。
図3】継ぎ柱の構造を示す分解斜視説明図である。
図4】単位ブロック材の間に開口部を形成し組積みをして施工する壁面構造体の構造を示す説明図である。
図5図4の壁面構造体に使用する単位ブロック材の構造を示す説明図である。
図6】上下段に位置する単位ブロック材を1/2の長さでずらして組積みをして施工する壁面構造体の構造を示す説明図である。
図7図6の壁面構造体に使用する単位ブロック材の構造を示す説明図である。
図8】角部に円弧形状の単位ブロック材を配し組積みをして施工する壁面構造体の構造を示す説明図である。
図9】壁面構造体の施工例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1乃至図9を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。
なお、以下の説明では、位置や方向を表す際に、上下、左右などの用語を使用することがあるが、「上下」は図1において紙面に沿う奥側を「上」、手前側を「下」とし、「左右」は図1における左右を基準とする。
【0049】
図1乃至図3に示す壁面構造体A1は、当接して上下に位置する単位ブロック材2が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされており、壁面が平坦な部分と角部の曲板部分を有する構成である。図1は分解斜視説明図であるが、以下の構造の説明では、壁面構造体A1を施工完了時の構造体として説明する。
【0050】
また、上記構成部材は全て同材(本実施の形態では木材)である。木材の接合部の隙間に、例えばエポキシ樹脂系接着剤などの接着剤を注入することで、一体化を図ることができる。また、梁材など、曲げ応力が集中する横架材として使う部位は一体化させると、更なる強度が期待できる。なお、接着剤の種類は特に限定するものではなく、各種公知のものが採用できる。
【0051】
壁面構造体A1は、施工面Fに所定の配置で台ブロック材1が設けられている。台ブロック材1は、施工面Fに固定されているが、固定しないで載置型として施工することもできる。なお、一般的には、例えばコンクリート基礎築造の上に土台を施工された後に上部躯体を組上げ施工されるが、特に災害時など緊急時においては、砂利などの小石を敷詰めて三和土などで強固に固められた水平状態を保つ地盤面に土台となる台ブロック材1、或いは柱役物などを木ブロックの長さに合わせ設置する事で、壁積み上げの準備を行うこともある。
【0052】
台ブロック材1には、上下面の中央を上下方向に貫通して円形の柱通し穴10が形成されている。また、台ブロック材1には、後で説明する連結栓5を通す外栓穴11が、外面と内面(図1で手前側の面と奥側の面)を貫通し、かつ柱通し穴10に当たるように、形成されている。
【0053】
台ブロック材1の上面には、一段目の単位ブロック材2、2a、及び角部には役物ブロック材3が載置されている。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の施工の場合で説明するが、実際の施工では、これらは建物の構築に必要なだけ、縦横方向に適宜延長されて施工される。
【0054】
単位ブロック材2は、長手方向と直角方向の断面形状が四角形状で、単位ブロック材2aと径(太さ)は同じであるが、本体部20の長手方向の両端部の接合部21を含む長さが二倍に形成されている。
【0055】
また、単位ブロック材2、2aは、両端部に厚みの半分の段差を設けるようにして形成された接合部21が厚み方向(上下方向)の同じ側に設けられており、他の単位ブロック材と長手方向で組む際は、接合部21の位置を反対にして、接合する単位ブロック材の厚みを揃えて重ねるようにする(図1図2参照)。
【0056】
単位ブロック材2、2aは、各接合部21にその厚み方向に貫通する円形の柱通し穴22が形成されている。柱通し穴22の内径は、後で説明する継ぎ柱4の外径とほぼ同じで、継ぎ柱4をほぼ隙間なく通すことができる形状に形成されている。
【0057】
また、各接合部21の段部面210には、単位ブロック材2、2aの長手方向とは直角方向に栓溝211が柱通し穴22に当たるように、かつ単位ブロック材2の外面と内面に通るように形成されている。
【0058】
なお、段部面210には、栓溝211と直角方向にも栓溝212を設けている。栓溝212は、壁面構造体で角部を直角に施工する場合に使用されるものであるが、連結栓5を同じ高さで交差させることができないので、通常は栓溝211、212を同じ箇所で同時に使用することはない。
【0059】
また、単位ブロック材2、2aと他の単位ブロック材、又は役物ブロック材が組積みされる際には、例えば単位ブロック材同士では、段部面210同士と栓溝211同士が合わさり、連結栓5が通される外栓穴24が形成される。
【0060】
長い方の単位ブロック材2は、長手方向の中間にその厚み方向に貫通する円形の柱通し穴23(図1参照)が形成され、連結栓5を通す外栓穴25が、外面と内面を貫通し、かつ柱通し穴23に当たるように形成されている。なお、連結栓5の太さは、各外栓穴、及び後述する各内栓穴とほぼ同径若しくは少し大きい径として、軽く叩いて収まり、摩擦で容易に外れないようにするのがより好ましい。
【0061】
また、上記役物ブロック材3は、長手方向と直角方向の断面形状が四角形状で、単位ブロック材2と径は同じであり、円弧形状に同一平面上で湾曲した本体部30を有している(図1図8参照)。本体部30は、円のほぼ1/4周の円弧を形成し、長手方向の両端部には、上記接合部21と同様の接合部31が形成されている。
【0062】
接合部31は、上記単位ブロック材2、2aの柱通し穴22、段部面210、及び栓溝211、212とそれぞれ同様の構造の柱通し穴32、段部面310、及び栓溝311、312を有している。また、段部面310と単位ブロック材2、2aの段部面210、及び栓溝311と単位ブロック材2、2aの栓溝211が合わさり、連結栓5が通される外栓穴34が形成される。
【0063】
そして、図1に示すように、一段目の単位ブロック材2、2aと役物ブロック材3を長手方向に接合して各台ブロック材1に載置し、更に一段目の上に、単位ブロック材2、2aの長手方向に1/2の長さでずらして接合した二段目の単位ブロック材2、2aと役物ブロック材3を載置して組積みを行う。
【0064】
また、図1において、右端部では側部側の単位ブロック材2、2aを正面側の単位ブロック材2、2aと水平かつ直角に接合して、組積みをしている(図1図2参照)。
【0065】
なお、必要に応じて、三段目以上の単位ブロック材2、2aと役物ブロック材3の組積み、及び長さ方向の延長を行うが、その全段及び全長において、上下段の位置関係にある単位ブロック材2、2aでは長手方向に1/2の長さでずらして組積みをして施工する。上下方向に連通した各柱通し穴22、32及び各柱通し穴23には、それぞれ継ぎ柱4が通っている(図1乃至図3参照)。
【0066】
壁面構造体A1で採用している継ぎ柱4は、図3(a)に示すように丸棒形状(断面形状が円形)であるが、図3(b)に示しているように角棒形状(断面形状が四角形)の継ぎ柱4aとしてもよい。この場合は、柱通し穴の内径も四角形となる。なお、図3(b)に示す継ぎ柱4aは、継ぎ柱4とほぼ同様の構造であるので、「4a」以外の符号は、便宜上、図3(a)と同じ符号を付与している。
【0067】
継ぎ柱4は、単位ブロック材2の厚みの二倍の長さ(高さ)の基構成体40と複数の構成体41から構成されている。各構成体41の形状は、単位ブロック材2の厚みの二倍の長さを有する丸棒を直径線で縦割りにした形状である。
【0068】
構成材41には、長さ方向で端部から1/4と3/4の位置で継ぎ柱4の直径線に重なる厚み方向に貫通した、連結栓5を通す内栓穴410が形成されている。基構成体40は、上記柱通し穴22、23にほぼ密着して収まるように形成された丸棒を、上部側の1/2の径方向の片側を上記構成体41と同じ形状に切り欠いた形状である。
【0069】
これにより、基構成体40には半片部400が形成される。基構成体40の丸棒部分には、直径方向に貫通して内栓穴401が設けられ、半片部400の長手方向で端部から1/2の位置には、連結栓5を通す内栓穴402が内栓穴401と平行に厚み方向に貫通して設けられている。
【0070】
半片部400には、それを基点として複数の構成体41が平面部で二枚合わせに、かつ半分の長さ分を交互に重ねるようにして継いである。なお、基構成体40の丸棒部分は柱通し穴22とほぼ同径若しくは少し大きい径として、軽く叩いて収まり、摩擦で容易に外れない構造(開口部上基構成体が見える場合)とするのがより好ましい。
【0071】
各構成材41は、施工時に台ブロック材1から最上部の単位ブロック材2、2a、役物ブロック材3に丁度収まる高さになるように継ぎ足してある。なお、最上部の単位ブロック材2、2a、役物ブロック材3では、構成材41の1/2の高さの構成材(図示省略)が継ぎ足されて、各柱通し穴22、23、32に収められる。
【0072】
このように、継ぎ柱4が組積みされた各単位ブロック材2、2a、役物ブロック材3の柱通し穴22、23、32に収まると、継ぎ柱4の二枚合わせになった構成材41の内栓穴410同士が連通する。また、連通した内栓穴410は、更に単位ブロック材2、2a、役物ブロック材3の外栓穴24、25、34と連通する(図2参照)。
【0073】
そして、水平方向に連通する外栓穴24、内栓穴410(又は401)、外栓穴24に通すように丸棒形状の連結栓5が打ち込んである。なお、連結栓5の長さは、単位ブロック材2、2aの径(断面四角形の一辺の長さ)と同じ長さに設定されている。
【0074】
これにより、壁面構造体A1は、単位ブロック材2、2aと継ぎ柱4を連結して一体に固定されており、継ぎ柱4も基構成材40と各構成材41の一体構造が維持されている。
なお、継ぎ柱4は、構成材41を継ぎ足すことで、長さが段階的に延長できる構造であるが、延長可能とする構造ついて特に限定するものではない。また、例えばあらかじめ所定の長さに設定された柱を使用することを排除するものではない。
【0075】
(作用)
図1乃至図3を参照して、壁面構造体A1の作用を説明する。
壁面構造体A1は、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3を水平方向及び上下方向に組積みすることにより、壁部をつくることができる。単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3は、組積みをするときに、接合部21又は接合部31が重なって合わさり、各柱通し穴22、各柱通し穴23及び各柱通し穴32がそれぞれ上下方向に連通する。これにより、連通した各柱通し穴22、23、32に継ぎ柱4を通すことができるようになる。
【0076】
また、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の外栓穴24、25、及び外栓穴34は柱通し穴22、23、32に当たる(交わる)ので、組積みの際に、各柱通し穴22、23、32に通されている継ぎ柱4の内栓穴410(又は401)を外栓穴24、25、34に合わせることで、外栓穴24、25、34と内栓穴410を貫通して連結栓5を通すことができる。
【0077】
このように、壁面構造体A1は、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3と継ぎ柱4を連結して一体に固定されており、継ぎ柱4の一体構造も維持されているので、充分な強度で構築できる。
【0078】
また、継ぎ柱4は、構成材41同士が継ぎ柱4の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を構成材41の半分の長さでずらして接合している。これにより、継ぎ柱4を、積み重ねられる単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の高さに適合する高さに順次延長する際、構成材41をその半分の長さでずらしながら、径方向に二枚重ねにして継ぎ足すことで段階的に延長できる。
【0079】
そして、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の柱通し穴22、23、32の中にある二枚重ねになった構成材41の内栓穴410に、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の外栓穴24、25、34から連結栓5を通して、単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3と継ぎ柱4を連結して固定できる。
【0080】
このように、継ぎ柱4は、構造的に長さの段階的な延長が可能であるので、柱通し穴22、23、32を継ぎ柱4に嵌め入れるために、必要以上に高い所から単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3を落とし込む必要がなく、安全かつ簡易な作業で施工できる。
【0081】
また、壁面構造体A1は、角部に役物ブロック材3を組積みして平面視で円弧状の曲面を形成した構成としている。これにより、壁面構造体A1で箱状の建物を構築する場合など、柔らかな曲面をつくることができ、その曲面の組み合わせを様々に行うことで、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0082】
更には、壁面構造体A1は、当接して上下に位置する単位ブロック材2、2aが、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされているので、接合部21が単位ブロック材2の長手方向において同じ位置で整然と並んでいるデザインと比較して、柔らかで自由な印象を与えるデザインとすることができる。また、単位ブロック材2、2aを長手方向にずらさない施工と比較して、構造的に継ぎ柱4を通す箇所が増えるので、強度が向上する利点もある。
【0083】
〔壁面構造体の施工方法〕
図1乃至図3を参照して、壁面構造体A1の施工方法を説明する。
【0084】
〔1〕下段設置工程
施工箇所である施工面Fに、所定の配置で台ブロック材1を固定する。台ブロック材1の柱通し穴10に継ぎ柱4の基構成材40を差し込む。これにより、台ブロック材1の外栓穴11と基構成材40の内栓穴401が連通する。また、基構成材40の半片部400は、台ブロック材1の上面から突出している。
【0085】
そして、台ブロック材1の上面に、最下段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3を長手方向に接合部21、31を合わせながら接合し、並べて載置する。このとき、各柱通し穴22、各柱通し穴23、各柱通し穴32をそれぞれ基構成材40の半片部400に嵌め入れる。
【0086】
〔2〕下段固定工程
最下段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の柱通し穴22、23、32に、半片部400の隣の空間(符号省略)に構成材41を二枚重ねに差し込んで継ぎ柱4を延長する(参考:図2の最上部の連結栓5がない状態)。これにより、半片部400の内栓穴402と構成体41の下の内栓穴410が連通する。
【0087】
そして、台ブロック材1の外栓穴11と基構成材40の内栓穴401を貫通し、最下段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の外栓穴24、25、34と内栓穴402、410を貫通するように、連結栓5を打ち込む。これにより、最下段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3と各継ぎ柱4、及び各台ブロック材1が一体となって固定される。
【0088】
〔3〕継ぎ柱延長工程
上記下段固定工程での継ぎ柱4の延長に続けて、同様に構成材41を継ぎ足して継ぎ柱4を延長する。これにより、構成材41の上半分が最下段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の上面から突出する。
【0089】
〔4〕上段設置工程
最下段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3に積み重ねるように、継ぎ柱4の延長した構成材41に各柱通し穴22、各柱通し穴23、各柱通し穴32をそれぞれ嵌め入れ、上段(次段)の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3を、接合部21、31を合わせて長手方向に並べて設置する。
【0090】
〔5〕上段固定工程
上段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の柱通し穴22、23、32に、延長した構成材41の隣の空間(符号省略)に構成材41を二枚重ねに差し込んで継ぎ柱4を延長する。これにより、重なった構成材41の上と下の内栓穴410が連通する。
【0091】
そして、上段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の外栓穴24、25、34と、重なった構成材41の連通した内栓穴410を貫通し、更に外栓穴24、25、34を貫通するように、連結栓5を打ち込む。これにより、上段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3と各継ぎ柱4が一体となって固定される。
【0092】
〔6〕このように各段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3を組積みして施工し、更に必要に応じて、三段目以上の組積み、及び各ブロック材の長さ方向の延長を、上記と同様の方法で行うことにより、所望のデザインの建物の構築を行うことができる。
【0093】
また、上記施工方法では、継ぎ柱4を単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3の高さに合わせて段階的に延長して施工したが、これに限定するものではなく、例えば継ぎ柱4をあらかじめ、ある程度の長さに形成しておき、各段の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3をまとめて組積みして作業を効率化する施工を行うこともできる。
【0094】
図4図5を参照する。
本発明の他の実施形態である壁面構造体A2は、単位ブロック材6、継ぎ柱7及び連結栓5を使用し組積みされ、施工されている。
【0095】
壁面構造体A2で使用されている単位ブロック材6は、長手方向と直角方向の断面形状が四角形状の本体部60を有し、本体部60の長手方向の両端部には、接合部61が厚みの半分の段差を設けるようにして、厚み方向(上下方向)の反対側に設けられている(図5参照)。
【0096】
各接合部61には、厚み方向に貫通して四角形の柱通し穴62が設けてある。接合部61の段部面610には、長手方向と直角に柱通し穴62に当たるように栓溝611が形成されている。なお、段部面610に栓溝611と直角な栓溝(図示省略)を設けることもできる。
【0097】
また、継ぎ柱7は、長手方向に一定の間隔で設けられた所定の厚さのスペーサ部70を有し、それらが組積みする際に連結栓5を介し柱通し穴62内部で固定される構成材71でつながれる構造である。なお、構成材71は、長手方向に継ぎ足すことで長さを段階的に延長できる構成である。
【0098】
そして、壁面構造体A2は、単位ブロック材6、継ぎ柱7及び連結栓5を使用し、上記上下段の単位ブロック材6を長手方向へずらさずに、壁面構造体A1とほぼ同様に組積みして施工されている(図4参照)。
【0099】
この際、継ぎ柱7のスペーサ部70を上下に挟む単位ブロック材6の間には開口部69が設けられる。なお、最下部のスペーサ部70が載置される施工面Fと単位ブロック材6の間も同様に開口する。
【0100】
これによれば、壁面構造体A2で箱状の建物を構築した場合など、開口部69を通気口や窓として利用することができるので、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0101】
なお、図9(a)に示す壁面構造体A2は、図4に示す壁面構造体A2(同じ開口部を有する形態であるので、便宜上、同じ符号とする)より高く大きな形状を有し、単位ブロック材6の配置は、上下段で長手方向に1/2の長さでずらして組積みをして施工したものである。
【0102】
図6図7を参照して、本発明の他の実施形態である壁面構造体A4について説明する。
本発明の他の実施形態である壁面構造体A4は、単位ブロック材8、8a、継ぎ柱9及び連結栓5を使用し組積みされ、施工されている。
【0103】
壁面構造体A4で使用されている単位ブロック材8は、長手方向と直角方向の断面形状が四角形状の本体部80を有し、本体部80の長手方向の両端部には、接合部81が厚みの半分の段差を設けるようにして、厚み方向(上下方向)の反対側に設けられている(図7参照)。なお、単位ブロック材8の長さは、単位ブロック材8aの二倍に形成されている。
【0104】
各接合部81には、厚み方向に貫通して四角形の柱通し穴82が設けてある。接合部81の段部面810には、長手方向と直角に柱通し穴82に当たるように栓溝811が形成されている。なお、段部面810に栓溝811と直角な栓溝(図示省略)を設けることもできる。また、単位ブロック材8の長手方向の中間には柱通し穴82と平行な柱通し穴83が上下に貫通して設けてある。
【0105】
また、継ぎ柱9は、基端部に設けられた所定の厚さのスペーサ部90を有し、組積みする際に連結栓5を介し柱通し穴82、83内部で固定される複数の構成材91で延長される構造である。
【0106】
そして、壁面構造体A4は、単位ブロック材8、継ぎ柱9及び連結栓5を使用し、上記上下段の単位ブロック材8を長手方向へ1/2の長さでずらして、壁面構造体A1とほぼ同様に組積みして施工されている(図6参照)。この際、下部のスペーサ部90が載置される施工面Fと単位ブロック材8の間に開口部(符号省略)が設けられる。
【0107】
これによれば、壁面構造体A4で箱状の建物を構築した場合など、開口部を通気口として利用することができる。また、当接して上下に位置する単位ブロック材8、8aが、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされているので、接合部81が同じ位置で整然と並んでいるデザインと比較して、柔らかで自由な印象を与えるデザインとすることができる。
【0108】
また、単位ブロック材8、8aを長手方向にずらさない施工(図4に示す壁面構造体A2参照)と比較して、構造的に継ぎ柱9を通す箇所が増えるので、強度が向上する利点もある。更には、建物としてのバリエーションを拡げることができ、デザインの自由度が高まる。
【0109】
図8図9(b)を参照して、本発明の他の実施形態である壁面構造体A3について説明する。
壁面構造体A3は、上記壁面構造体A1と同様に、単位ブロック材2、2a、役物ブロック材3、継ぎ柱4、及び連結栓5を使用し、組積みして施工したものである。壁面構造体A3は、壁面構造体A1の単位ブロック材2、2a、及び役物ブロック材3を更に多段に、かつ単位ブロック材2、2aを長手方向に延長して接合し、役物ブロック材3と側部の単位ブロック材2は、配置が左右逆になった構造である。また、壁面構造体A3の作用については、壁面構造体A1と同様であるので説明を省略する。
【0110】
なお、今日まで、建設業界やものづくり産業は、新たに物を作り、物を消費することで成り立ってきており、人類には、これからの社会に対し持続可能で環境に配慮した産業の在り方、ライフスタイルの在り方への方向転換が求められている。
本発明は、これまでに造られた構造物などから生じる産業廃棄物である廃材に更に細かい加工を施し、再利用を促しながらユニット材を形成する技術を示している。
【0111】
それにより、新たな構造物を、一部の特殊な技術者ではなく、一般の生活者の手により蘇らせるための、廃材リサイクルを促す技術であると共に、新規木材に限らず、廃棄物からなるリサイクル材を含む材料を加工し、組立てるための方法を示したものである。また、間伐材などを有効利用して、延いては森林資源を守るためのユニット材の形成を意図しており、これからのサスティナブル社会を推進することができるものである。
【0112】
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0113】
A1 壁面構造体
F 施工面
1 台ブロック材
10 柱通し穴
11 外栓穴
2 単位ブロック材
20 本体部
21 接合部
210 段部面
211 栓溝
212 栓溝
22 柱通し穴
23 柱通し穴
24 外栓穴
25 外栓穴
3 役物ブロック材
30 本体部
31 接合部
310 段部面
311、312 栓溝
32 柱通し穴
34 外栓穴
4 継ぎ柱
4a 継ぎ柱
40 基構成体
400 半片部
401 内栓穴
402 内栓穴
41 構成体
410 内栓穴
5 連結栓
A2 壁面構造体
6 単位ブロック材
60 本体部
61 接合部
610 段部面
611 栓溝
62 柱通し穴
69 開口部
7 継ぎ柱
70 スペーサ部
71 構成材
A3 壁面構造体
A4 壁面構造体
8、8a 単位ブロック材
80 本体部
81 接合部
810 段部面
811 栓溝
82 柱通し穴
83 柱通し穴
9 継ぎ柱
90 スペーサ部
91 構成材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2020-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記本体部を短手方向に貫通する第1外栓穴、及び前記接合部の接合面の短手方向に設けられ、組積み方向に重なる他の単位ブロック材の接合面に設けられた栓溝と合わさって第2外栓穴を形成する栓溝を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
長さの延長が可能で、前記単位ブロック材の組積み位置で、前記単位ブロック材に形成された前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する、構成材を継ぎ足して延長される継ぎ柱と、
前記組積み位置で前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備える
壁面構造体。
【請求項2】
前記継ぎ柱が複数の構成材で形成され、前記構成材同士は、前記継ぎ柱の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を前記構成材の半分の長さでずらして接合可能である
請求項1記載の壁面構造体。
【請求項3】
一部の単位ブロック材を省いて開口部が形成されている
請求項1又は2記載の壁面構造体。
【請求項4】
角部に円弧形状の役物ブロック材を積み重ねて曲面を形成した
請求項1、2又は3記載の壁面構造体。
【請求項5】
当接して上下に位置する単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされている
請求項1、2、3又は4記載の壁面構造体。
【請求項6】
施工箇所に、下段の単位ブロック材を、所定の長さと径を有する本体部の両端部の接合部を合わせて長手方向に並べて設置する下段設置工程と、
前記下段の単位ブロック材の前記接合部の組積み方向に貫通する柱通し穴に、継ぎ柱の構成材を入れて設置し、前記下段の単位ブロック材の前記本体部を短手方向に貫通する第1外栓穴と、前記接合部の接合面の短手方向に設けられた栓溝を前記接合部が組積み方向に重なる他の単位ブロック材の接合面に設けられた栓溝と合わせて形成された第2外栓穴と、前記継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで前記下段の単位ブロック材と前記継ぎ柱の最下部の構成材を固定する下段固定工程と、
前記継ぎ柱の前記構成材に他の構成材を継ぎ足して所定の長さに延長する継ぎ柱延長工程と、
前記下段の単位ブロック材に積み重ねるように、前記継ぎ柱の延長部に柱通し穴を嵌め入れて、上段の単位ブロック材を、所定の長さと径を有する本体部の両端部の接合部を合わせて長手方向に並べて設置する上段設置工程と、
前記上段の単位ブロック材の前記本体部を短手方向に貫通する第1外栓穴と、前記接合部の接合面の短手方向に設けられた栓溝を前記接合部が組積み方向に重なる他の単位ブロック材の接合面に設けられた栓溝と合わせて形成された第2外栓穴と、前記継ぎ柱の内栓穴に通すように連結栓を打ち込んで前記上段の単位ブロック材と前記継ぎ柱の延長部を固定する上段固定工程とを備える
壁面構造体の構築方法。
【請求項7】
前記継ぎ柱が複数の構成材で形成され、前記構成材同士は、前記継ぎ柱の径方向に二枚重ねにされ、かつ長手方向の位置を前記構成材の半分の長さでずらして接合可能である
請求項6記載の壁面構造体の構築方法。
【請求項8】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記本体部を短手方向に貫通する第1外栓穴、及び前記接合部の接合面の短手方向に設けられ、組積み方向に重なる他の単位ブロック材の接合面に設けられた栓溝と合わさって第2外栓穴を形成する栓溝を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
長さの延長が可能で、前記単位ブロック材の組積み位置で、前記単位ブロック材に形成された前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する、構成材を継ぎ足して延長される継ぎ柱と、
前記組積み位置で、前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、
一部の前記単位ブロック材を省いて開口部が形成されている
壁面構造体。
【請求項9】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記本体部を短手方向に貫通する第1外栓穴、及び前記接合部の接合面の短手方向に設けられ、組積み方向に重なる他の単位ブロック材の接合面に設けられた栓溝と合わさって第2外栓穴を形成する栓溝を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
長さの延長が可能で、前記単位ブロック材の組積み位置で、前記単位ブロック材に形成された前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する、構成材を継ぎ足して延長される継ぎ柱と、
前記組積み位置で、前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、
角部に円弧形状の役物ブロック材を積み重ねて曲面が形成されている
壁面構造体。
【請求項10】
所定の長さと径を有する本体部、前記本体部の長手方向両端部に設けられ、長手方向に隣接する他の単位ブロック材と組積み方向に重なって合わさり、組積み方向に貫通する柱通し穴を有する接合部、及び前記柱通し穴に交わり、前記本体部を短手方向に貫通する第1外栓穴、及び前記接合部の接合面の短手方向に設けられ、組積み方向に重なる他の単位ブロック材の接合面に設けられた栓溝と合わさって第2外栓穴を形成する栓溝を有する、多段に積み重ねられた単位ブロック材と、
長さの延長が可能で、前記単位ブロック材の組積み位置で、前記単位ブロック材に形成された前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴に対し、高さ及び方向が共通する内栓穴を有する、構成材を継ぎ足して延長される継ぎ柱と、
前記組積み位置で、前記第1外栓穴、及び前記第2外栓穴と前記内栓穴に通して、前記単位ブロック材と前記継ぎ柱を連結する連結栓とを備え、
当接して上下に位置する前記単位ブロック材が、長手方向に1/2の長さでずらして組積みされている
壁面構造体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
また、単位ブロック材2、2aと他の単位ブロック材、又は役物ブロック材が組積みされる際には、例えば単位ブロック材同士では、段部面210同士と栓溝211同士が合わさり、連結栓5が通される第2外栓穴である外栓穴24が形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
長い方の単位ブロック材2は、長手方向の中間にその厚み方向に貫通する円形の柱通し穴23(図1参照)が形成され、連結栓5を通す第1外栓穴である外栓穴25が、外面と内面を貫通し、かつ柱通し穴23に当たるように形成されている。なお、連結栓5の太さは、各外栓穴、及び後述する各内栓穴とほぼ同径若しくは少し大きい径として、軽く叩いて収まり、摩擦で容易に外れないようにするのがより好ましい。