特開 2022-24637 掃除具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022024637

(43)【公開日】2022-02-09

(54)【発明の名称】掃除具

(51)【国際特許分類】

   A47L 13/16 20060101AFI20220202BHJP

【ＦＩ】

A47L13/16 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2020127339

(22)【出願日】2020-07-28

(71)【出願人】

【識別番号】520280911

【氏名又は名称】星野 友加

(74)【代理人】

【識別番号】100090697

【弁理士】

【氏名又は名称】中前 富士男

(74)【代理人】

【識別番号】100176142

【弁理士】

【氏名又は名称】清井 洋平

(74)【代理人】

【識別番号】100127155

【氏名又は名称】来田 義弘

(72)【発明者】

【氏名】星野 友加

【テーマコード（参考）】

3B074

【Ｆターム（参考）】

3B074AA08

3B074AB04

(57)【要約】

【課題】一般的なスリッパへの安定的な取り付け及びスリッパ以外の履物への取り付けが可能で壁際の掃除を容易に行える掃除具を提供する。
【解決手段】履物Ｓに取り付けられる掃除具１０において、履物Ｓの底面Ｓ１及び底面Ｓ１に連続する外周部Ｓ２を覆う袋状のカバー体１１と、カバー体１１の開口周縁部１２に取り付けられ、開口周縁部１２を絞って、カバー体１１を履物Ｓに固定するゴムと、履物Ｓの底面Ｓ１と外周部Ｓ２の境界部分に対応するカバー体１１の外側表面に基端部が連結され、履物Ｓを中心にして放射状に広がるスカート１５とを備える。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

履物に取り付けられる掃除具において、
前記履物の底面及び該底面に連続する外周部を覆う袋状のカバー体と、
前記カバー体の開口周縁部に取り付けられ、該開口周縁部を絞って、該カバー体を前記履物に固定するゴムと、
前記履物の底面と外周部の境界部分に対応する前記カバー体の外側表面に基端部が連結され、前記履物を中心にして放射状に広がるスカートとを備えることを特徴とする掃除具。

【請求項2】

請求項１記載の掃除具において、前記カバー体及び前記スカートは不織布を素材として形成されていることを特徴とする掃除具。

【請求項3】

請求項１又は２に記載の掃除具において、前記スカートは、先端側に、それぞれ半径方向に長い多数の枝分かれ片を具備することを特徴とする掃除具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、履物に装着される掃除具に関する。

【背景技術】

【0002】

掃除用シート等の掃除具のスリッパ等の履物への装着は、履物を履いて移動するだけで掃除ができるという利便性がある。掃除具を履物に装着するものとして、市販の掃除用シートが取り付け可能なスリッパが、例えば、特許文献１～３に開示されている。また、特許文献４には、一般的なスリッパに取り付けられる掃除具が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００９－２１３８３９号公報

【特許文献2】特開２０１８－０８９３７４号公報

【特許文献3】特開２０１９－１５５０３１号公報

【特許文献4】特開２００４－３３７５５４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、特許文献１～３に開示されているスリッパは、特殊な設計の採用によって掃除用シートの装着を可能にしていることから、一般的なスリッパに比べて複雑な構造となっている。そのため、普段使いのスリッパとしては耐久性に難があるという課題や、履き心地が悪いという課題がある。

【0005】

また、特許文献４に開示されている掃除具は、つま先掛部及びかかと掛部を有し、それぞれがスリッパの前側及び後側に掛けられるようになっている。
しかしながら、この掃除具は、スリッパへの固定力が弱く、スリッパから外れやすい。更に、スリッパ以外の履物への装着が想定されておらず、スリッパ以外の履物には取り付けることができない。
更に、特許文献１～４に記載されているスリッパと掃除具の組み合わせでは、壁際の掃除が容易ではないという課題がある。

【0006】

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、一般的なスリッパへの安定的な取り付け及びスリッパ以外の履物への取り付けが可能で壁際の掃除を容易に行える掃除具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

前記目的に沿う本発明に係る掃除具は、履物に取り付けられる掃除具において、前記履物の底面及び該底面に連続する外周部を覆う袋状のカバー体と、前記カバー体の開口周縁部に取り付けられ、該開口周縁部を絞って、該カバー体を前記履物に固定するゴムと、前記履物の底面と外周部の境界部分に対応する前記カバー体の外側表面に基端部が連結され、前記履物を中心にして放射状に広がるスカートとを備える。

【発明の効果】

【0008】

本発明に係る掃除具は、履物の底面及び底面に連続する外周部を覆う袋状のカバー体と、カバー体の開口周縁部に取り付けられ、開口周縁部を絞って、カバー体を履物に固定するゴムとを備えるので、一般的なスリッパへの安定的な取り付け及びスリッパ以外の履物への取り付けが可能である。また、履物の底面と外周部の境界部分に対応するカバー体の外側表面に基端部が連結され、履物を中心にして放射状に広がるスカートを備えるので、履物周りの掃除が可能であり、壁際の掃除を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】本発明の一実施の形態に係る掃除具の平面図である。

【図2】同掃除具の底面図である。

【図3】同掃除具をスリッパに取り付けた状態を示す説明図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図１～図３に示すように、本発明の一実施の形態に係る掃除具１０は、履物の一例であるスリッパＳに取り付けられ、フロアや畳等の清掃に利用されるものである。

【0011】

掃除具１０は、図１～図３に示すように、スリッパＳの底面Ｓ１全体及びスリッパＳの底面Ｓ１に連続する外周部Ｓ２全体を覆う袋状のカバー体１１を備えている。ここで、スリッパＳの外周部Ｓ２とは、スリッパＳの甲Ｓ３及び中敷Ｓ４それぞれにおいてスリッパＳの底面Ｓ１の外縁に連続する部分であり、全体として楕円環状である。なお、スニーカーやビジネスシューズにおける外周部とは、ソールとアッパーにおいてソールに連続する領域とを合わせた部分となる。

【0012】

カバー体１１は不織布を素材として形成され、カバー体１１の開口周縁部１２は、図１に示すように、全周に渡って不織布が内側に折り返され、その折り返された状態が糸１３による縫い付けによって維持されている。なお、糸１３はカバー体１１に取り付けられたものであり、カバー体１１には含まれない。図３では糸１３の記載を省略している。
開口周縁部１２の折り返された領域にはゴムの一例である輪ゴム１４が内包され（即ち、開口周縁部１２には、輪ゴム１４が取り付けられ）、開口周縁部１２は輪ゴム１４によって絞られている。本実施の形態では、カバー体１１において、開口周縁部１２の折り返し領域のみで不織布が重ねられており、その他の領域では不織布が重ねられていない。

【0013】

カバー体１１（掃除具１０）は、図３に示すように、スリッパＳの底面Ｓ１及び外周部Ｓ２を覆った状態で、開口周縁部１２が輪ゴム１４によって絞られて、スリッパＳに固定される。このように、掃除具１０は、輪ゴム１４によってスリッパＳに固定されるので、大きさや形状が異なる様々なスリッパＳへの安定的な取り付けが可能で、スリッパＳ以外の履物（例えば、スニーカーやビジネスシューズやサンダル）への取り付けも可能であり、更に、スリッパＳを含む履物に対する取り付け作業や取り外し作業を容易に行うことができる。

【0014】

また、カバー体１１には、図１～図３に示すように、カバー体１１がスリッパＳに取り付けられた状態で、スリッパＳを中心にして放射状に広がるスカート１５が縫い付けられている。スカート１５は、掃除具１０が取り付けられたスリッパＳの周囲の埃や毛髪を捕集可能であり、壁と壁とが垂直に接したコーナ部や壁際の埃や毛髪を容易に取ることができる。
以下、特に記載しない限り、カバー体１１はスリッパＳに取り付けられているものとする。

【0015】

本実施の形態において、スカート１５は、不織布を素材として形成され、基端部（内周側）が、カバー体１１においてスリッパＳの底面Ｓ１と外周部Ｓ２の境界部分に対応する部分（外側表面）に図示しない糸によって連結され、全体として楕円環状である。スリッパＳの底面Ｓ１と外周部Ｓ２の境界部分とは、スリッパＳの底面Ｓ１と外周部Ｓ２の境界線（底面Ｓ１の外縁）を中心として一定の幅（例えば、１ｃｍ幅）の領域である。

【0016】

スカート１５には、周方向に間隔を空けて、スカート１５の周方向に不織布を折り返した折り返し領域（タック）１６が設けられている。ここで、折り返し領域１６が設けられたスカート１５の代わりに、ギャザー（不織布に縫い付けた糸を引いて不織布を縮めてできる皺）が設けられたスカートを採用してもよい。スカートに折り返し領域やギャザーを設けることは、埃や毛髪の吸着力向上に好適である。

【0017】

スカート１５は、先端側（半径方向外側）に、それぞれ半径方向に長い多数の枝分かれ片１７を具備して、埃や毛髪の捕集力及び捕集した埃や毛髪の保持力が高められている。各枝分かれ片１７は、幅方向両側がぎざぎざ（のこぎり歯状）に形成され、これによって更に埃や毛髪の捕集力及び捕集した埃や毛髪の保持力を高めている。本実施の形態では、不織布を切ることによって、これらの枝分かれ片１７を設けている。

【0018】

以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、カバー体及びスカートのいずれか一方又は双方の素材が不織布以外（例えば、ウレタンやカーゼ）であってもよい。
また、カバー体の開口周縁部に取り付けられるゴムは輪ゴムでなくてもよく、例えば、線状のゴムの両端を結んでつなげた輪状のゴムであってもよいし、両端がそれぞれ開口周縁部に固定され、開口周縁部に沿って設けられた線状のゴムであってもよい。

【0019】

更に、スカートには折り返し領域やギャザーを設ける必要はない。
そして、スカートは枝分かれ片を有する必要はない。枝分かれ片を設ける場合、幅方向両側は、ぎざぎざである必要はなく、直線であってもよい。

【符号の説明】

【0020】

１０：掃除具、１１：カバー体、１２：開口周縁部、１３：糸、１４：輪ゴム、１５：スカート、１６：折り返し領域、１７：枝分かれ片、Ｓ：スリッパ、Ｓ１：底面、Ｓ２：外周部、Ｓ３：甲、Ｓ４：中敷

【図1】

【図2】

【図3】