(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024661
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20220202BHJP
G01N 24/08 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
A61B5/055 380
A61B5/055 382
G01N24/08 510Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127377
(22)【出願日】2020-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日:令和2年7月10日、ウェブサイトのアドレス:https://endai.umin.ac.jp/cgi-open-bin/hanyou/lookup/detail.cgi?cond=%27A00018-00067-20219%27&&&parm=a00018-00067
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、医療分野研究成果展開事業、先端計測分析技術・機器開発プログラム「多彩な解析情報を得る機能的NMRの生組織への展開と生体の所望部位を可視化するMRIの開発」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(71)【出願人】
【識別番号】500445000
【氏名又は名称】株式会社エム・アール・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】忰田 亮平
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 進
(72)【発明者】
【氏名】成田 一衛
(72)【発明者】
【氏名】拝師 智之
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA15
4C096AB41
4C096AC05
4C096AD14
4C096AD24
4C096DC22
4C096DC28
4C096DC33
4C096DC35
(57)【要約】
【課題】腎臓疾患と腎臓のNa
+との関係を定量的に示すことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、対象の腎臓の
1H-MRI画像を取得する
1H-MRI画像取得部211と、腎臓の
23Na-MRI画像を取得する
23Na-MRI画像取得部212と、
1H-MRI画像と
23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa
+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成部213と、フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定するROI設定部214と、ROIの輝度値を求める輝度値計測部215と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の腎臓の1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得部と、
前記腎臓の23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得部と、
前記1H-MRI画像と前記23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成部と、
前記フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定部と、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
対象の腎臓に位置合わせして1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行う撮像部と、
1H-MRIにより撮像された1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得部と、
23Na-MRIにより撮像された23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得部と、
前記1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に基づいて髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定部と、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測部と、
を備える画像処理装置。
【請求項3】
前記関心領域の高輝度部分は、対向流増幅系である、
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記輝度値計測部で求められた前記関心領域の輝度値を正規化する正規化部を備え、
前記輝度値計測部は、さらに前記対象とともに撮像された生理食塩水の23Na-MRI画像の輝度値を求め、
前記正規化部は、前記関心領域の輝度値を前記生理食塩水の23Na-MRI画像の輝度値にて正規化する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記正規化部は、さらに感度マップを用いて前記輝度値計測部で求められた輝度値を補正する、
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記関心領域における輝度値の統計量を算出する統計量算出部、
をさらに備える請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記統計量は、前記関心領域における高輝度部分の尖度である、
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記統計量を所定の基準値と比較し、比較結果を出力する比較部、
をさらに備える請求項6又は7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
対象の腎臓の1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
前記腎臓の23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像と前記23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成ステップと、
前記フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を備える画像処理方法。
【請求項10】
対象の腎臓に位置合わせして1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行う撮像ステップと、
1H-MRIにより撮像された1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
23Na-MRIにより撮像された23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に基づいて髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を備える画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
対象の腎臓の1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
前記腎臓の23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像と前記23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成ステップと、
前記フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
対象の腎臓に位置合わせして1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行う撮像ステップと、
1H-MRIにより撮像された1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
23Na-MRIにより撮像された23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に基づいて髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)とは、静磁場内の被写体に特定の勾配磁場を印加することと特定のRF(Radio Frequency)パルス(励起パルス)を照射し被写体内の特定原子を核磁気共鳴させることを組み合わせて、受信コイルに生じた誘導電流である核磁気共鳴(NMR)信号を位置情報を含んだMRI信号として取得し、この信号から被写体の画像(例えば、二次元画像(即ち、断面画像)、三次元画像)を生成する方法である。
【0003】
従来のMRIでは、生体などの被写体内に豊富に存在する1H(プロトン)の在否に基づいて、適宜に緩和時間等に由来する輝度値としてコントラスト化を狙い、生体の断層画像を生成する。以下、1Hの核磁気共鳴現象を利用する磁気共鳴画像化方法を「1H-MRI」という。しかし、診断精度の向上や研究対象の拡大を狙い、他のNMR原子核を標的とするMRI装置の開発が望まれている。例えば、生体内のナトリウムを可視化し、特に脳、心臓、そして腎臓に関連する病状を早期に発見することなどを期待し、23Naの核磁気共鳴現象を利用したMRI装置の開発の試みが始まっている。以下、23Naの核磁気共鳴現象を利用する磁気共鳴画像化方法を「23Na-MRI」という。「1H-MRI」が形態可視化を得意とする一方で、「23Na-MRI」は機能画像を得意とする。
【0004】
しかし、23NaのNMR信号は1H(プロトン)のNMR信号に比べて、磁気回転比γが約4分の1であり、生体内でのNa濃度も低いことから、低感度であることが知られている。例えば、生理食塩水(0.9%NaCl水溶液、2ml)について比較測定したところ、23NaのNMR信号は1HのNMR信号の20000分の1程度であった。
【0005】
また、生体を含む多くの被写体で1H以外のNMR原子核の存在量が1Hに比べて少ないため、画像の取得に必要な信号強度を有するMRI信号を取得することが困難であった。
【0006】
1986年にBoguskyらにより、ラットの腎臓を用いて23Na-MRIの撮像が初めて行われ、その後も改良が重ねられてきた。しかし、上述した問題により撮像が簡単ではないため、23Na-MRIを用いて腎臓を撮像した既報は多くない。
【0007】
それでも2004年から2006年の間にMarilらにより、腎臓の生理学的な働きと画像所見について検討されている。ラットにて利尿薬投与、水腎症モデル、急性尿細管壊死、ヒトでの脱水状態における腎臓の撮像がなされ、それによる腎ネフロンの対向流増幅系の信号変化が報告されている(非特許文献1、2、3、4)。23Na-MRIを用いて、ラットやヒトの腎臓を撮像した既報は散発的に見られるものの23Na-MRIで移植腎、放射線照射後の腎臓を撮像した所見を提示する程度に留まっている。
【0008】
近年では、腎臓の撮像ではないが、Titzeらによって、皮膚、筋肉の検討がなされている。Na+の貯留が血液、骨の他、皮膚、筋肉に存在し、2型糖尿病患者、急性腎障害患者では、その蓄積が多いといった報告がなされている(非特許文献5、6、7、8)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Maril N, Margalit R, Mispelter J, Degani H. Functional sodium magnetic resonance imaging of the intact rat kidney. Kidney Int. 2004;65(3):927-935.
【非特許文献2】Maril N, Margalit R, Mispelter J, Degani H. Sodium magnetic resonance imaging of diuresis: spatial and kinetic response. Magn Reson Med. 2005;53(3):545-552.
【非特許文献3】Maril N, Margalit R, Rosen S, Heyman SN, Degani H. Detection of evolving acute tubular necrosis with renal 23Na MRI: studies in rats. Kidney Int. 2006;69(4):765-768.
【非特許文献4】Maril N, Rosen Y, Reynolds GH, Ivanishev A, Ngo L, Lenkinski RE. Sodium MRI of the human kidney at 3 Tesla. Magn Reson Med. 2006;56(6):1229-1234.
【非特許文献5】Hammon M, Grossmann S, Linz P, et al. 3 Tesla (23)Na Magnetic Resonance Imaging During Acute Kidney Injury. Acad Radiol. 2017;24(9):1086-1093.
【非特許文献6】Kopp C, Linz P, Maier C, et al. Elevated tissue sodium deposition in patients with type 2 diabetes on hemodialysis detected by (23)Na magnetic resonance imaging. Kidney Int. 2018;93(5):1191-1197.
【非特許文献7】Zollner FG, Konstandin S, Lommen J, et al. Quantitative sodium MRI of kidney. NMR Biomed. 2016;29(2):197-205.
【非特許文献8】Hammon M, Grossmann S, Linz P, et al. 3 Tesla (23)Na Magnetic Resonance Imaging During Acute Kidney Injury. Acad Radiol. 2017;24(9):1086-1093.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、腎臓の病態生理の解明に向けた研究、また、腎臓の撮像で臨床応用に寄与する観点で23Na-MRIの利用は図られていない。
【0011】
以上を鑑み、本発明は、腎臓疾患と腎臓のNa+との関係を定量的に示すことができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点に係る画像処理装置は、
対象の腎臓の1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得部と、
前記腎臓の23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得部と、
前記1H-MRI画像と前記23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成部と、
前記フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定部と、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測部と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の観点に係る画像処理装置は、
対象の腎臓に位置合わせして1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行う撮像部と、
1H-MRIにより撮像された1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得部と、
23Na-MRIにより撮像された23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得部と、
前記1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に基づいて髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定部と、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測部と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の観点に係る画像処理方法は、
対象の腎臓の1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
前記腎臓の23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像と前記23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成ステップと、
前記フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の観点に係る画像処理方法は、
対象の腎臓に位置合わせして1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行う撮像ステップと、
1H-MRIにより撮像された1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
23Na-MRIにより撮像された23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に基づいて髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
対象の腎臓の1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
前記腎臓の23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像と前記23Na-MRI画像を位置合わせして腎臓内のNa+の分布位置を特定するフュージョン画像を生成するフュージョン画像生成ステップと、
前記フュージョン画像の髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域設定ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
対象の腎臓に位置合わせして1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行う撮像ステップと、
1H-MRIにより撮像された1H-MRI画像を取得する1H-MRI画像取得ステップと、
23Na-MRIにより撮像された23Na-MRI画像を取得する23Na-MRI画像取得ステップと、
前記1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に基づいて髄質における高輝度部分を中心とした関心領域を設定する関心領域ステップと、
前記関心領域の輝度値を求める輝度値計測ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、腎臓疾患と腎臓のNa+との関係を定量的に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るMRI装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る撮像処理のフローチャートである。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る画像処理のフローチャートである。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る画像処理のフローチャートである。
【
図9】
1H-MRI及び
23Na-MRIによる6週齢正常マウス(m+/m+)及び6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)の腎臓の横断面画像である。
【
図10】腎臓の髄質領域の高輝度部分を中心とした関心領域(ROI)の最も高い輝度値を示すグラフである。
【
図11】(a)は、6週齢正常マウス(m+/m+)における関心領域(ROI)の輝度値の分布状態を示す図であり、(b)は、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)における関心領域(ROI)の輝度値の分布状態を示す図である。
【
図12】(a)は、
図11(a)について単純化したイメージ図であり、(b)は、
図11(b)について単純化したイメージ図である。
【
図13】6週齢正常マウス(m+/m+)及び6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)における腎臓の関心領域(ROI)の高輝度値を中心とした尖度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
画像処理システム1は、
図1に示すように、MRI装置100と、画像処理装置200とを備える。MRI装置100及び画像処理装置200は、通信路2を介して互いに通信可能に接続される。通信路2は、LAN(Local Area Network)に代表される情報ネットワークであってもよい。また、専用線であってもよいし、インターネットに代表される広域ネットワークであってもよい。MRI装置100は、
1H-MRIによる撮像及び
23Na-MRIによる撮像が可能である。なお、複数台のMRI装置100が通信路2に接続されてもよい。例えば一方が
1H-MRIによる撮像が可能なMRI装置であり、他方が
23Na-MRIによる撮像が可能な異なるMRI装置が接続されてもよい。
【0022】
(MRI装置100の構成)
MRI装置100は、
図2に示すように、静磁場コイル10と、勾配磁場発生部20と、RFパルス印加部30と、受信部40と、制御装置50と、表示部60と、操作部70と、を備える。
【0023】
静磁場コイル10と、勾配磁場発生部20が有する勾配磁場コイル21と、RFパルス印加部30が有するRF(Radio Frequency)コイル31とは、例えば、同軸(Z軸)を中心に配置されるとともに、図示しない筐体内に設けられている。
【0024】
撮影対象である対象11は、保持部12により筐体内のボア13(検査空間)内に保持される。例えば、対象11がヒトであれば、保持部12は寝台であってもよい。保持部12は、例えば、ボア13内で撮影部位に応じて対象11を移動させる(例えば、水平移動、垂直移動、又は回転移動させる)、又は、ボア13外からボア13内に対象11を移動させる搬送手段を備えてもよい。また、対象11は、全体ではなく一部でもよく、例えば、ヒトの全身のみならず、その一部(例えば、頭部又は腹部など)でもよい。MRI装置100の形状、特に、ボア13周辺の構造、例えば、勾配磁場コイル21、RFコイル31は、対象11の形状に最適化されていることが好ましい。
【0025】
静磁場コイル10は、ボア13内の撮像領域において数ppmレベル以下での均一な静磁場(例えば、1.5テスラから21テスラ)を形成する。例えば、静磁場コイル10は、静磁場コイル10の中心軸又は磁束の中心軸がボア13内を(特に、ボア13の中心軸を)通るように形成されてもよい。形成される静磁場は、概ねZ方向に平行な水平磁場である。静磁場コイル10は、例えば、超電導コイルや常電導コイルから構成され、図示しない静磁場コイル駆動部を介して、制御装置50の制御の下で駆動される。なお、静磁場コイル10は、制御装置50と独立した制御系統によって駆動制御されてもよい。また、当該静磁場を発生させる構成としては、超電導コイルや常電導コイルに限られず、例えば、永久磁石(例えば、2テスラ以下)を用いてもよい。静磁場コイル10は、静磁場均一度を補正するためのシムコイル群(図示せず)を有してもよく、こうしたシムコイル群によって静磁場をさらに均一にすることができる。なお、均一な静磁場を形成できるのであれば、静磁場コイル10の代わりに、任意の静磁場形成部を採用できる。
【0026】
勾配磁場発生部20は、ボア13内に画像化に必要な独立した3軸の勾配磁場を発生させるものであり、勾配磁場コイル21と、勾配磁場コイル21を駆動する勾配磁場コイル駆動部22と、を有する。
【0027】
勾配磁場コイル21は、互いに直交する3軸方向(X軸,Y軸,Z軸)において、静磁場コイル10によって形成された静磁場強度に勾配を持たせる勾配磁場を発生させる。このため、勾配磁場コイル21は、3系統(X軸,Y軸,Z軸)のコイルを有する。互いに直交する3軸方向の勾配磁場は、それぞれ、撮像に用いられるパルスシークエンスに応じて、例えば、スライス軸方向のスライス勾配磁場、位相軸方向の位相エンコード勾配磁場、又は周波数軸方向の周波数エンコード勾配磁場として使用される。スライス勾配磁場は、スライス選択用の勾配磁場である。位相エンコード勾配磁場及び周波数エンコード勾配磁場は、共鳴元素の空間分布をエンコードして測定するための勾配磁場である。なお、一方向の勾配磁場が同じパルスシークエンス内で2個以上の役割を担当する場合もある。スライス勾配磁場を使用しない場合もある。
【0028】
勾配磁場コイル駆動部22は、制御装置50の制御の下で、勾配磁場コイル21に駆動信号を供給して勾配磁場を発生させる。勾配磁場コイル駆動部22は、勾配磁場コイル21が有する3系統のコイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有する。
【0029】
なお、
図2では、紙面左右方向をX軸方向、紙面上下方向をY軸方向、紙面法線方向をZ軸方向とし、上述の勾配磁場の勾配軸がこれらX、Y、Z軸に平行に印加されるものとして描いているが、3つの勾配磁場の勾配軸(例えば、スライス軸、位相軸、周波数軸)は、互いに直交性を保っていれば、上述のX、Y、Z軸に限定されず、これらの一部又は全てと一致しなくともよい。
【0030】
RFパルス印加部30は、核磁気共鳴を発生させるためのRFパルスを対象11に印加するためのものであり、RFコイル31と、RFコイル31を駆動するRFコイル駆動部32と、を有する。
【0031】
RFコイル31は、対象11内の標的としているNMR原子核の核スピンを励起するための高周波磁場を静磁場空間に形成する。このように高周波磁場を形成することをRFパルスの印加又は送信とも言う。RFコイル31は、RFパルスを送信する機能とともに、励起された核スピンによって生じる電磁波である核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号を受信する機能も有する。
【0032】
RFコイル31は、1HからNMR信号を得られかつ励起RFパルスを送信できる1H用送受信兼用RFコイル及び23NaからNMR信号を得られかつ励起RFパルスを送信できる23Na用送受信兼用RFコイルを備える。
【0033】
なお、MRIで測定される勾配磁場の印加などにより位置情報が付加されたNMR信号のことをMRI信号と言う。なお、RFコイル31の代わりに、RFパルス送信用コイルと、MRI信号受信用コイルとを別々に構成することもできる。
【0034】
また、RFコイル31又はRFパルス送信用コイルは大きいことが、MRI信号受信用コイルは小さいことが望ましく、必要最小限の大きさであることが望ましい。RFコイル31又はRFパルス送信用コイルは、小さいほど、励起パワーを小さく抑える(繰り返し回数を増やして比較的短時間で連続して印加される場合などのRFパルスの比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)を下げる)ことができる。RFコイル31又はRFパルス受信用コイルは、小さいほど、不要な部分(例えば、対象11において撮像しない部位)からのMRI信号を受け取らないようにすることができる。特に、繰り返し時間とエコー時間を短くできるように、これらの受信コイルの受信領域を狭くして、印加時間が長い選択励起パルスを不要にすることが望ましい。
【0035】
RFコイル駆動部32は、制御装置50の制御の下で、RFコイル31に駆動信号を供給してRFコイル31を駆動する。具体的には、RFコイル駆動部32は、標的の原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを励起パルスとしてRFコイル31に発生させる。励起パルスは、ハードパルス、ガウス型パルス、又は照射RFの空間的不均一性を克服できる断熱(adiabatic型)パルスであってもよい。腎の撮像の場合は、信号対ノイズ比を向上させるためには、エコー時間(TE)を短くできるのでハードパルスを採用することが有力な選択肢である。また、いわゆるT1画像コントラストを生成するために核磁化を反転させる180°パルス(通称、Inversion Recoveryパルス)を前置してさらに待ち時間としてIR時間の数msを配置してもよい。このことで特定のT1時間を持つ核磁化の信号を削減することができる(図示せず)。
【0036】
RFコイル31は、撮像シークエンスごとに、励起パルスの送信感度ムラと,MRI信号の受信感度ムラを発生する。例えば,RFコイル31の近傍では送信パルスは強く、RFコイル31の近傍では受信感度が高い。この送信側、受信側のそれぞれの感度ムラは、MRIの信号値の定量計測化に問題となってくるが、事前に感度ムラの分布(感度マップ)をシミュレーションあるいは実験で取得しておくことで、この感度ムラを撮像後に補正することができる。この感度マップはシークエンスごとに安定しているので、例えばナトリウムの分布を絶対値評価する場合には、ある1画素の分布位置とNa含有量が分かれば、画像全体を補正することができる。この原理を利用して、濃度の決まった生理食塩水を小試験管などに封入して基準点とするのである。なお、感度補正を行わずに、腎の対向流増幅系の信号変化を、被検体を入れ替えて計測しても、相対評価であれば、あるばらつきの範囲内で信頼性のあるデータとして扱うことはできる。
【0037】
受信部(検出部)40は、RFコイル31に接続され、RFコイル31が受信したMRI信号を検出する。受信部40は、検出したMRI信号をデジタル変換して制御装置50へと送信する。画像の再構成に必要なMRI信号の外側にある不要な信号は、受信部40又は制御装置50において、アナログ式又はデジタル式の周波数フィルタで除去されることが望ましい。例えば、アナログ式の周波数フィルタとして、急峻なバンドパスフィルタが用いられてもよい。
【0038】
制御装置50は、制御部51と、記憶部52と、を備え、例えば、MRI装置100の全体動作を制御するコンピュータや、RFコイル駆動部32や勾配磁場コイル駆動部22をパルスシークエンスで駆動するシーケンサーから構成される。
【0039】
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等から構成され、記憶部52に格納されている動作プログラムを実行して、MRI装置100の各部の動作を制御する。
【0040】
記憶部52は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、必要に応じてCPUを保持し、各種の動作プログラムのデータなどが予め記憶されている。記憶部52のRAMは、各種演算結果を示すデータや、判別結果を示すデータなどを一時的に記憶し、演算する。
【0041】
制御部51は、機能部として、パルス制御部51aと、画像生成部51bとを備える。
【0042】
パルス制御部51aは、RFパルス、位相エンコード勾配磁場、及び周波数エンコード勾配磁場のパルスシークエンスを示すパルスシークエンスのデータに基づいて、勾配磁場発生部20及びRFパルス印加部30の駆動制御を行う。
【0043】
画像生成部51bは、受信部40が収集したデジタル変換後のMRI信号のデータを記憶部52に記憶する。当該データは、位相エンコード勾配磁場及び周波数エンコード勾配磁場の勾配により、3次元フーリエ空間(k空間)を構成している。画像生成部51bは、このk空間のデータを三次元逆フーリエ変換して対象11の三次元画像を生成する。
【0044】
表示部60は、k空間をスキャンしている最中のエコーピーク位置を確認できるMRI信号の強度を経時的に示した波形、画像生成部51bが生成したMRI画像、及びその他の各種の情報を表示する。
【0045】
操作部70は、ユーザによる操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作信号を制御装置50に供給する。例えば、MRI装置100は、ユーザが、操作部70からの操作によって、パルスシークエンスのデータの入力などを行うことができるように構成される。通信部80は、通信路2を介して画像処理装置200との間で通信を行う。
【0046】
RFパルス印加部30は、NMR信号をリフェーズさせるための周波数エンコード勾配磁場の印加から信号取得時間の半分より前にエコーピークがくるようなパルスシークエンスを対象11に印加する。受信部40は、NMR信号をリフェーズさせるための周波数エンコード勾配磁場の印加から信号取得時間経過までの全域に渡ってNMR信号を検出する。画像生成部51bは、前述の全域に渡って検出されたNMR信号全体から画像を生成する。
【0047】
したがって、MRI装置100では、大まかな画像輪郭情報を有するエコーピークを優先して信号を取り込むことができ、特に、23NaをMRIの標的とする場合、23Naの信号成分のうち、T2減衰時間が2~3ms以下の本当に速い信号成分を画像生成に使用できる。このため、低感度の原子を標的とした23Na-MRIにおいても、好適にMRI画像を生成することができる。
【0048】
(画像処理装置200の構成)
画像処理装置200は、
図3に示すように、各種制御を行う制御部210と、データを記憶する記憶部220と、MRI装置100とデータを送受信するための通信部230と、外部機器とデータ通信を行う入出力部240と、関心領域の設定等を行う操作部250と、画像処理されたデータを表示する表示部260を備える。
【0049】
制御部210は、画像処理装置200全体の動作を制御する。CPU、FPGA、ASIC等から構成され、記憶部220に記憶されている動作プログラムを実行することにより、MRI装置から受信した画像データの処理を実行する。
【0050】
記憶部220は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成される。ROMは、制御部210が実行する各種動作プログラムを記憶する。RAMは、制御部210が実行する各種動作プログラム、これらの動作プログラムの実行に必要なデータ等を一時的に記憶するワークエリアとして機能する。また、記憶部220は、MRI装置から受信した画像データ、画像データを処理したデータ、後述する所定の基準値のデータ等の記憶部としても機能する。
【0051】
通信部230は、通信路2を介してMRI装置100との間で通信を行う。 入出力部240は、外部機器との間でデータを送受信する入出力インタフェースである。
【0052】
操作部250は、制御部210に種々の指示を入力する装置であり、例えば、ポインティングデバイスを備えたキーボード、マウスや、タッチパネル等を備える。
【0053】
表示部260は、各種処理の実行結果の画面、操作画面等を表示する。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescent Display)等から構成される。
【0054】
制御部210は、
図4に示すように、機能的に、
1H-MRI画像を取得する
1H-MRI画像取得部211と、
23Na-MRI画像を取得する
23Na-MRI画像取得部212と、
1H-MRI画像と
23Na-MRI画像をフュージョンするフュージョン画像生成部213と、関心領域設定部(ROI:Region Of Interest)であるROI設定部214と、フュージョンされた
23Na-MRI画像から輝度値を求める輝度値計測部215と、計測された輝度値を正規化する正規化部216と、計測されたROIにおける輝度値の統計量を算出する統計量算出部217と、算出された輝度値の統計量を所定の基準値と比較する比較部218と、を備える。正規化部216は必要に応じて、RFコイル31の感度ムラ補正を行う。
【0055】
1H-MRI画像取得部211は、MRI装置100から通信路2を通じて対象11の腎臓を撮影した1H-MRI画像の3次元ボリュームデータを取得する。取得された1H-MRI画像は、記憶部220に記憶される。
【0056】
23Na-MRI画像取得部212は、MRI装置100から通信路2を通じて1H-MRI画像が撮影された同じ対象11の同じ部位である腎臓の23Na-MRI画像の3次元ボリュームデータを取得する。取得された23Na-MRI画像は、記憶部220に記憶される。
【0057】
フュージョン画像生成部213は、23Na-MRI画像取得部212で取得された23Na-MRI画像と1H-MRI画像取得部211で取得された1H-MRI画像をフュージョンしてフュージョン画像を生成する。1H-MRIでは主に生体の構造物を中心として可視化するが、23Na-MRIでは構造的な変化を検出するというより、Na+分布によって、機能の変化を検出しうるものと考えられる。したがって、23Na-MRI画像において、Na+分布位置、すなわちNa+分布の撮影の対象11の解剖学的位置が明確でない。そこで生体の構造物の輪郭が明瞭に表示される1H-MRI画像を23Na-MRI画像に位置合わせして表示することによりNa+分布の撮影の対象11の解剖学的位置が明確となる。
【0058】
1H-MRI画像と23Na-MRI画像をフュージョンする場合、例えば撮像装置に撮像位置を特定するセンサ等を設けて対象11の位置情報を得て、これを画像とともに記憶しておき、記憶された位置情報に基づき画像の位置合わせを行うようにしてもよい。各画像から特徴的な部位を示す領域を抽出し、抽出した領域を基準にして位置合わせを行ってもよい。その他、一般的に知られた各種の画像の位置合わせの手法を用いることができる。
【0059】
ROI設定部214は、フュージョン画像から輝度信号を計測する関心領域(ROI)を設定する。
【0060】
腎臓内でのNa+のハンドリングでは、水の効率的な再吸収が可能となる対向流増幅系といった機構が備わっており、皮質から髄質にかけてNa+による浸透圧勾配が形成されている。腎髄質のヘンレループが形成する対向流が、下行脚と上行脚の間に生じる微小な浸透圧勾配を長軸方向に増幅し、皮質から髄質深部に向かって大きな浸透圧勾配を形成している。この系では、ヘンレループの先端の濾液は、高いNa+濃度となっている。23Na-MRIの腎臓の画像では、腎臓におけるNa+の分布を表しているが、中でも特にこの対向流増幅系が高輝度に可視化されている。
【0061】
1H-MRI画像から腎臓の輪郭を明瞭に可視化しつつ、23Na-MRI画像から腎臓内のNa+分布の位置関係を同定することにより、対向流増幅系を形成する髄質領域におけるNa+分布を特定できる。
【0062】
そこで、ROIは、対向流増幅系を形成する髄質領域の高輝度信号部分に設定される。設定は、1H-MRI画像から対向流増幅系を形成する髄質領域の特徴的な部位を示す領域を抽出することによって行われる。また、ROIは機械学習することにより設定されるようにしてもよい。また、ユーザから入力されたROIの指定情報に応じてROIを設定してもよい。
【0063】
輝度値計測部215は、ROI設定部214により設定されたROIにおける23Naによる輝度値を計測する。この輝度値はNa+の濃度を示しており、輝度値が高いほど高いNa+の濃度を示している。必要に応じてスパイク状のノイズを除去する画像フィルタを適用する。
【0064】
正規化部216は、計測された輝度値を正規化する。同じ部位であっても撮像対象の違いや撮影条件によって輝度値は変化する。
ここで、23Na-MRI画像の撮影時に、対象11の背部に生理食塩水を配置して同時に撮影する。輝度値計測部215は、生理食塩水のNa+による輝度値についても計測する。生理食塩水のNa+の濃度は分かっているため、生理食塩水の輝度値を用いて、ROIから抽出された輝度値を正規化することによって補正する。これによって、Na+の濃度が輝度値によって定量化される。必要に応じてスパイク状のノイズを除去する画像フィルタを適用する。また、正規化部216は必要に応じて、RFコイル31の感度ムラ補正、すなわち、感度ムラに応じた輝度値の補正を行う。MRI装置100は、予めシミュレーションあるいは実験により生成されたRFコイル31の感度分布を示す感度マップを取得し、記憶部52に記憶しておく。画像処理装置200の制御部210は、MRI画像とともに感度マップを取得する。あるいは画像処理装置200は予め感度マップを記憶部220に記憶しておいてもよい。正規化部216は、取得した感度マップを用いて輝度値を補正する。これによって、感度ムラがある場合であっても、感度が均一化された輝度値を得ることができ、Na+の濃度が輝度値によって定量化される。
【0065】
統計量算出部217は、正規化されたROIにおける輝度値の統計量を算出し、対向流増幅系を形成する髄質領域におけるNa+の濃度分布について定量的に示すことができる。
【0066】
比較部218は、算出された輝度値の統計量を所定の基準値と比較し、比較結果を出力する。所定の基準値として、正常状態の髄質領域における23Naによる輝度値の統計量が予め記憶部220に記憶される。例えば、比較部218は、計測された正規化輝度値の統計量と所定の基準値を比較して表示する表やグラフを作成する。また、比較部218は、所定の基準値より高いか低いかを出力するものであってもよく、所定の基準値からどれだけ離れているかを出力するものであってもよい。
【0067】
次に本実施の形態における画像処理システム1における画像処理について、
図5及び
図6を参照しつつ説明する。まず、MRI装置100による撮像処理について、
図5を参照しつつ説明する。
【0068】
(撮像処理)
撮像処理は、例えば、ユーザによる操作部70から開始操作に応じて、制御部51によって実行される。なお、画像生成処理の開始前には、保持部12に載せられた対象11は、ボア13内にセッティングされているものとする。
【0069】
撮像処理を開始すると、まず、制御部51は、図示しない静磁場コイル駆動部を介して、静磁場コイル10を駆動し、ボア13内に均一な静磁場を形成する(ステップS101)。なお、画像生成処理の前に予めボア13内に静磁場を形成しておいてもよい。静磁場の均一度は、対象11の組成や形状の影響を受ける。そこで、静磁場コイル10に静磁場均一度を補正するためのシムコイル群(図示せず)を設け、静磁場をさらに均一にすることとしてもよい。
【0070】
次に、制御部51は、パルスシークエンスに従って、勾配磁場発生部20及びRFパルス印加部30を駆動制御し(パルス印加工程)、受信部40を介して対象11のk空間のデータを取得し(検出工程)、記憶部52に記憶する(全体で、ステップS102)。ここで、RFコイル31のうち、1H用RFコイルに1H及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを印加して1H用RFコイルを駆動し、1H用RFコイルで受信されたk空間のデータを記憶部52に記憶する。続いてあるいは同時に23Na用RFコイルに23Na及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを印加して23Na用RFコイルを駆動し、23Na用RFコイルで受信されたk空間のデータを記憶部52に記憶する。
【0071】
最後に、制御部51は、以上のようにして得られた対象11のk空間のデータ(例えば、N1×N2×M個のデータからなる対象11のk空間のデータ)から、画像を生成する(ステップS103)。具体的には、このk空間のデータに三次元離散逆フーリエ変換を施し、対象11の三次元画像を再構成する。昨今の情報技術の発展によって、MRIの画像再構成が、逆フーリエ変換ではなく、人工知能AIや、深層学習によって実施される場合がある。これらを対象11の三次元画像の再構成に適用してもよい。
【0072】
次に画像処理装置200による画像処理について、
図6を参照しつつ説明する。
【0073】
(画像処理)
まず、画像処理装置200の制御部210は、通信部230を通じてMRI装置100にアクセスして、MRI装置100が撮像した対象11の腎臓の1H-MRI画像を要求する。MRI装置100は、要求された1H-MRI画像を画像処理装置200に送信する。画像処理装置200は、MRI装置100から送信された1H-MRI画像を受信することにより、MRI装置100から1H-MRI画像を取得する(ステップS201)。ステップS201において1H-MRI画像が取得されると、続いて、MRI装置100に対してMRI装置100が撮像した対象11の腎臓の23Na-MRI画像を要求し、MRI装置100から送信された23Na-MRI画像を受信することにより、MRI装置100から23Na-MRI画像を取得する(ステップS202)。なお、ステップS201において23Na-MRI画像を取得して、ステップS202において1H-MRI画像を取得してもよい。
【0074】
続いて、ステップS201で取得された1H-MRI画像をステップS202で取得された23Na-MRI画像にフュージョンする(ステップS203)。フュージョンされた画像は、表示部260に表示される。
【0075】
続いて、制御部210は、フュージョン画像に基づいて対向流増幅系を形成する髄質領域の高輝度信号部分を中心としたROIを設定する(ステップS204)。1H-MRI画像から対向流増幅系を形成する髄質領域の特徴的な部位を示す3次元領域を抽出し、この領域のうち23Na-MRI画像の最も輝度値が高い領域を有するスライス断面を選択して、ROIが設定される。スライス断面は、例えば体軸に水平な横断面である。ここで、ユーザが表示部260に表示されたフュージョン画像を観察して、操作部250の例えばポインティングデバイスにより、座標範囲を指定することにより、ROIを設定してもよい。座標範囲は、数値を直接入力することにより行ってもよい。23Na-MRI画像のみでは、Na+分布は分かるものの、腎臓の解剖学的位置が明確でなく、操作者はROIを設定し難い。これに対して表示部には、23Na-MRI画像に1H-MRI画像が位置合わせされた画像が表示されるので、操作者は、ROIを指定し易い。
【0076】
ステップS204でROIが設定されると、スライス断面画像についてROIの輝度値が計測される(ステップS205)。また、後述する生理食塩水の輝度値も計測される。輝度値が計測されると、ROIについての統計量の算出が行われる。例えば、計測されたROIの輝度値は、加算された後、平均が算出される。あるいは、計測された輝度値のうち、最も高い輝度値を抽出してもよい。必要に応じてスパイク状のノイズを除去する画像フィルタを適用する。
【0077】
ステップS205で計測された輝度値は、正規化される(ステップS206)。MRI装置100は、対象11の腎臓の23Na-MRI画像の撮影時に、対象11の背部に生理食塩水を配置して撮影するとともに、生理食塩水の位置情報を画像データとともに記憶しておく。ステップS205において、位置情報に基づいて3Na-MRI画像における生理食塩水が配置された領域の輝度値が計測される。計測された生理食塩水の輝度値に基づいて、ROIから抽出された輝度信号を正規化する。MRIの画素は体積を持っているので、単位体積当たりのNa輝度値として正規化してもよい。なお、生理食塩水の位置が予め分かっている場合は、位置情報を省略することができる。また、生理食塩水の信号強度にばらつきがある場合、生理食塩水による補正はなくてもかまわない。また、ステップS206では必要に応じて、RFコイル31の感度ムラ補正を行う。感度ムラ補正は、感度マップを用いて行われ、感度が均一化された輝度値に補正される。生理食塩水の濃度は既知であることから、生理食塩水の画像の輝度値に基づき、Na+分布におけるNa含有量について定量化することができる。
【0078】
ステップS206において正規化が行われると、正規化された輝度値に対してROIについての統計量の算出が行われる(ステップS207)。例えば、計測されたROIの輝度値は、加算された後、平均が算出される。あるいは、計測された輝度値のうち、最も高い輝度値を抽出してもよい。あるいは、最も高い輝度値を中心とした尖度が算出される。
【0079】
ステップS207で算出された統計量は、記憶部220に記憶された正常状態の髄質領域における23Naによる輝度値の統計量を示す所定の基準値と比較され(ステップS208)、比較結果が出力される。
【0080】
(第2の実施形態)
上記実施形態では、MRI装置100と画像処理装置200を通信路2を介して接続した。これに対してMRIの撮像と撮像された画像の画像処理を一体として実行する装置としてもよい。
【0081】
画像処理装置300の構成は、
図7に示すように、
図3とほぼ同じであり、制御部320、記憶部330、通信部340、入出力部350、操作部360、表示部370は、それぞれ、制御部210、記憶部220、通信部230、入出力部240、操作部250、表示部260に相当する。異なる点は、撮像部310を備える点である。撮像部310は、制御装置50、表示部60、操作部70、通信部80を除き、
図2の構成と同じである。記憶部52を除く制御装置50は、制御部320に含まれ、記憶部52は記憶部330に、表示部60は表示部370に、操作部70は操作部360に、通信部80は通信部340に、それぞれ含まれる。
【0082】
次に画像処理装置300による画像処理について、
図8を参照しつつ説明する。
【0083】
画像処理装置300は、第1の実施形態で説明したように、1H-MRIによる撮像及び23Na-MRIによる撮像が可能である。画像処理装置300は、同じ対象11の同じ部位である腎臓について位置合わせ、すなわちフュージョンされた状態で1H-MRIによる撮像及び23Na-MRIによる撮像が行われる(ステップS301)。画像処理装置300は、同じ対象11の同じ部位である腎臓について、1H-MRIによる撮像及び23Na-MRIによる撮像を同時あるいは連続して行う。この場合、対象11は同じ体勢を維持したまま、1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行うことから、撮影された1H-MRI画像と23Na-MRI画像は位置合わせされた画像となる。画像サイズは磁気回転比および画素周波数帯域によって揃えてもよい。1H-MRI画像及び23Na-MRI画像には、位置情報が付与される。また、1H-MRI及び23Na-MRIの一方の撮像後に付与された位置情報に基づいて他方の撮像時に対象11の撮像位置を定めて撮像することにより、位置合わせされた画像が得られる。
【0084】
撮像された画像データは、記憶部330に記憶され、記憶部330から1H-MRI画像及び23Na-MRI画像が取得される(ステップS302、S303)。
【0085】
ステップS302、S303によって1H-MRI画像及び23Na-MRI画像が取得されると、互いに位置合わせされた状態、即ちフュージョンされた状態で撮像された1H-MRI画像及び23Na-MRI画像に対してROIが設定される(ステップS304)。ROIは対向流増幅系を形成する髄質領域における23Na-MRIによる高輝度値の部分を中心とした領域に設定される。第1の実施形態で説明したように、1H-MRI画像は生体の構造物の輪郭を明瞭に示すことから、1H-MRI画像を参照してROIは設定される。例えば、ROIは、腎臓の輪郭から内側の領域である。
【0086】
ROIが設定されると、ROIの輝度値が計測される(ステップS305)。必要に応じてスパイク状のノイズを除去する画像フィルタを適用する。また、23Na-MRI画像の撮影時に対象11の背部に配置した生理食塩水の輝度値も計測される。必要に応じてスパイク状のノイズを除去する画像フィルタを適用する。
【0087】
計測されたROIの輝度値は、計測された生理食塩水の輝度値に基づいて正規化される(ステップS306)。ステップS306では必要に応じて、RFコイル31の感度ムラ補正を行う。感度ムラ補正は、感度マップを用いて行われ、感度が均一化された輝度値に補正される。
【0088】
ステップS306において正規化が行われると、正規化された輝度値に対してROIについての統計量の算出が行われる(ステップS307)。例えば、最も高い輝度値を中心とした10画素の平均値が算出される。もしくは、最も高い輝度値を中心とした尖度が算出される。
【0089】
ステップS307で算出された統計量は、記憶部330に記憶された正常状態の髄質領域における23Naによる輝度値の統計量を示す所定の基準値と比較され(ステップS308)、比較結果が出力される。以上のように、位置合わせした状態で1H-MRI及び23Na-MRIによる撮像を行うことにより、別途フュージョン画像を生成する処理を省略できる。
【0090】
上記第1の実施形態では、MRI装置100で撮像した画像と画像処理装置200で画像処理したフュージョン画像をそれぞれの装置の記憶部に記憶した。これに対して、通信路2上にサーバを設け、通信路2を介してMRI装置100及び画像処理装置200と接続してもよい。この場合、MRI装置100はサーバにアクセスして撮像したMRI画像をサーバに保存する。また画像処理装置200はサーバにアクセスしてサーバに保存されたMRI画像を読み出すとともに、画像処理したフュージョン画像をサーバに保存する。
【0091】
(実施例)
体内の「構造」を可視化する既存の「水/脂質」による1H-MRIに留まらず、体内電解質を標的とし、血液や尿に含まれ、「生命活動」をリアルタイムで可視化できる特に「Naイオン」によるMRIは、例えば糖尿病性腎臓病、浮腫やネフローゼ症候群などといった腎臓の病態に関わる多くの診断情報をもたらすと考えられる。
【0092】
そこで、腎臓の器質的な障害がみられない早期の2型糖尿病モデルマウス(db/db,6W)を用いて、上記画像処理装置において、
23Na-MRIと
1H-MRIのフュージョン画像を用いたNa保持量の定量化を行った結果を
図9及び
図10を参照して説明する。
【0093】
図9は、
23Na-MRI及び
1H-MRIによる6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)及び正常マウス(m+/m+)の腎臓の横断面画像である。
図9の上段に示された画像が
1H-MRI画像であり、下段に示された画像が
23Na-MRI画像である。また、
図9の右側に示された画像が6週齢糖尿病モデルマウス(db/db)の画像であり、左側に示された画像が6週齢正常マウス(m+/m+)の画像である。なお、MRIによる撮像時において、マウスの背部に補正用のチューブ入りの生理食塩水(Saline)を置いて撮像している。
【0094】
図9において、
1H-MRI画像には、腎臓の輪郭が明瞭に表示されている。
23Na-MRI画像において、上側に示された輝度信号は、生理食塩水(Saline)のNa
+が表示されている。また、下側に示された輝度信号は、右側の腎臓(Rt.Kidney)に貯留されたNa
+が表示されている。
1H-MRI画像を観察する限り、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)において、腎臓の器質的障害は認められない。
【0095】
図10は、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)及び6週齢正常マウス(m+/m+)における髄質領域の高輝度部分を中心としたROIの信号値を生理食塩水(Saline)の輝度値で正規化された中心の輝度値を示したグラフである。グラフ中の上下の横線は計測された輝度値の範囲を示しており、上下の横線の間の長い横線は計測された輝度値の平均値を示している。これによって、髄質領域の高輝度な領域である対向流増幅系によるヘンレループの先端のNa
+の濃度を定量的に表すことができる。
【0096】
図10の右側は、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)におけるヘンレループの先端の輝度値、すなわちNa
+の濃度を示しており、左側は、6週齢正常マウス(m+/m+)におけるヘンレループの先端の輝度値、すなわちNa
+の濃度を示している。両者を比較すると、6週齢正常マウス(m+/m+)の髄質領域の輝度信号に比べて6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)の髄質領域の輝度信号が低いことが認められる。これは、ヘンレループの先端のNa
+濃度の低下による対向流増幅系の効率的な水再吸収のための機構の形成の減弱を示唆する。
【0097】
上記において、統計値として平均値を用いて定量化を行い、基準値と比較して評価を行った。これに限らず、他の統計値を利用して定量化を行い評価することができる。例えば、ROI内の輝度値の分散により評価してもよい。あるいは、最も高い輝度値を中心とした尖度により評価してもよい。
図11は、
図9の画像に基づき測定された輝度値の分布を示している。
図11(a)は、6週齢正常マウス(m+/m+)における輝度値の分布状態を3D化して示しており、
図11(b)は、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)における輝度値の分布状態を3D化して示している。
図12(a)、
図12(b)は、
図11(a)、
図11(b)について、それぞれわかりやくす単純化したイメージ図である。
図12(a)の6週齢正常マウス(m+/m+)における輝度値の分布状態が鋭いピークを有しているのに対して、
図12(b)の6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)における輝度値の分布状態はなだらかなピークを有している。したがって、統計値として輝度値の分布の尖度を求めることにより定量化を行い、
図13に示すように、両者(m+/m+ 対 db/db)の尖度を比較することによって評価をしてもよい。
図13において、上側群は、6週齢正常マウス(m+/m+)における腎臓の関心領域(ROI)の高輝度値を中心とした尖度を示す図であり、下側群は、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)における腎臓の関心領域(ROI)の高輝度値を中心とした尖度を示す図である。尖度(kurtosis)は、確率変数の確率密度関数や頻度分布の鋭さを表す指標であり、正規分布と比べて、尖度が大きければ鋭いピークと長く太い裾をもった分布であり、尖度が小さければより丸みがかったピークと短く細い尾をもつ分布である。
図13において、正規分布の尖度を0として、6週齢正常マウス(m+/m+)では、尖度が0より大きい数値を示している。これに対して、6週齢2型糖尿病モデルマウス(db/db)では、尖度が0より小さい数値を示しており、両者の尖度の相違が明確に示される。あるいは、輝度値の分布の体積を求めることにより定量化を行い、両者の体積を比較することによって評価をしてもよい。
【0098】
以上のように、腎臓での対向流増幅系といったNa+勾配の形成に有意に変化があり、尿細管機能といった観点で腎臓の障害を早期に見出す所見を得た。これによって、腎臓におけるNa+と水の制御やその機能の障害である尿細管の機能の障害といった今まで既存の方法ではわからなかった臨床上特に有用な早期診断に関わる情報を得ることが可能となった。
【0099】
したがって、今後、病院での診療において,糖尿病性腎臓病以外の新たな非侵襲診断ツールとなりうる可能性がある。ネフローゼ症候群の病態解明、研究の発展と治療戦略の提案や、例えば、バンコマイシンや白金製剤による薬剤性などによる間質性腎炎についても、組織所見と独立して機能の点から障害を検出できる可能性がある。さらに、Na+の貯留といった観点では、腎臓内総Na+量などといった新しい指標の提案が考えられ、食塩感受性高血圧、さらにうっ血性心不全にいたるまで研究の幅が広がり、治療に有益な情報をもたらす可能性がある。
【0100】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態および変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0101】
1…画像処理システム、2…通信路
100…MRI装置
10…静磁場コイル
11…対象、12…保持部、13…ボア
20…勾配磁場発生部、21…勾配磁場コイル、22…勾配磁場コイル駆動部
30…RFパルス印加部、31…RFコイル、32…RFコイル駆動部
40…受信部
50…制御装置、51…制御部、51a…パルス制御部、51b…画像生成部、52…記憶部、60…表示部、70…操作部、80…通信部
200…画像処理装置
210…制御部、211…1H-MRI画像取得部、212…23Na-MRI画像取得部、213…フュージョン画像生成部、214…ROI設定部、215…輝度値計測部、216…正規化部、217…統計量算出部、218…比較部
220…記憶部
230…通信部
240…入出力部
250…操作部
260…表示部
300…画像処理装置
310…撮像部
320…制御部
330…記憶部
340…通信部
350…入出力部
360…操作部
370…表示部