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特開2022-24674質問回答のためのシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024674
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】質問回答のためのシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20220202BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127394
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】513147122
【氏名又は名称】アイフォーカス・ネットワーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 純一
(72)【発明者】
【氏名】川口 岳
(72)【発明者】
【氏名】板坂 智裕
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】質問回答サービスの提供者が、回答候補の絞り込みのための聞き返しのトピックを制御することができる質問回答システム、方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】質問回答システム1は、想定質問文と、該想定質問文に対する回答文と、少なくとも1つのカテゴリの絞り込みタグとを含む複数の質問文データと、入力された質問文の類似度に基づいて、複数の質問文データの中から回答候補質問文データを選択する回答候補質問文データ選択部107と、選択された回答候補質問文データが1つのみである場合、その回答文を出力する回答文出力部111と、選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する聞き返しメッセージ出力部115と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
想定質問文と、該想定質問文に対する回答文と、少なくとも1つのカテゴリの絞り込みタグであって、該カテゴリには聞き返し順が指定されている絞り込みタグとを含む複数の質問文データと、入力された質問文の類似度に基づいて、前記複数の質問文データの中から回答候補質問文データを選択する回答候補質問文データ選択部と、
選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力する回答文出力部と、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先の前記同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する聞き返しメッセージ出力部と、
を備え、
前記回答候補質問文データ選択部が、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、該聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番が一番先の回答候補質問文データを選択し、ここで、該カテゴリの第1の順番は、前記聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は前記聞き返し順で規定されるものであることと、
選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、前記回答文出力部が、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力することと、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返しメッセージ出力部が、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力することと、
を含む絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返す、
質問回答システム。
【請求項2】
前記絞り込み処理において、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して前記第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在しなかった場合、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力する、
請求項1に記載の質問回答システム。
【請求項3】
前記回答文を出力することは、
前記回答候補質問文データ選択部が、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データを選択することと、
選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、前記回答文出力部が、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力することと、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返しメッセージ出力部が、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力することと、
前記絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返すことと、
を含む請求項2に記載の質問回答システム。
【請求項4】
前記質問文データは、優先度を更に含み、
前記回答候補質問文データ選択部は、前記入力された質問文と前記複数の質問文データの類似度及び/又は前記優先度に基づいて、回答候補質問文データを選択する請求項1~3のいずれか1項に記載の質問回答システム。
【請求項5】
前記質問文データは、前記想定質問文に関するキーワードを更に含む請求項1~4のいずれか1項に記載の質問回答システム。
【請求項6】
前記絞り込み処理における、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文は、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文を構成する単語の少なくとも1つを該単語の読み替え語に置き換えた質問文を含み、前記単語の読み替え語は、前記絞り込みタグのカテゴリ毎に設定され、該読み替え語が、該カテゴリの絞り込みタグを構成する単語を含む辞書を用いて取得される請求項1~5のいずれか1項に記載の質問回答システム。
【請求項7】
コンピュータにより実行される質問回答方法であって、
想定質問文と、該想定質問文に対する回答文と、少なくとも1つのカテゴリの絞り込みタグであって、該カテゴリには聞き返し順が指定されている絞り込みタグとを含む複数の質問文データと、入力された質問文の類似度に基づいて、前記複数の質問文データの中から回答候補質問文データを選択するステップと、
選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力するステップと、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先の前記同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力するステップと、
以下のステップ:
聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、該聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番が一番先の回答候補質問文データを選択し、ここで、該カテゴリの第1の順番は、前記聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は前記聞き返し順で規定されるものであるステップと、
選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力するステップと、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力するステップと、
を含む絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返すステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記絞り込み処理において、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して前記第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在しなかった場合、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力するステップを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記回答文を出力するステップは、
聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データを選択するステップと、
選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力するステップと、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力するステップと、
前記絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返すステップと、
を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記質問文データは、優先度を更に含み、
前記複数の質問文データと前記入力された質問文の類似度に基づいて、前記回答候補質問文データを選択するステップは、前記入力された質問文と前記複数の質問文データの類似度及び/又は前記優先度に基づいて、前記回答候補質問文データを選択するステップである請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記質問文データは、前記想定質問文に関するキーワードを更に含む請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記絞り込み処理における、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文は、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文を構成する単語の少なくとも1つを該単語の読み替え語に置き換えた質問文を含み、前記単語の読み替え語は、前記絞り込みタグのカテゴリ毎に設定され、該読み替え語が、該カテゴリの絞り込みタグを構成する単語を含む辞書を用いて取得される請求項7~11に記載の方法。
【請求項13】
請求項7~12に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
請求項13に記載のプログラムを前記コンピュータにインストールすることにより質問回答システムを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質問回答のためのシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
入力されたユーザの質問文に対して適切な回答を提示する質問回答システムにおいて、質問に対して回答が一意に確定できない場合、システム側から候補を提示し、続く対話で回答へと誘導する質問回答システムが提案されている。例えば、下記特許文献1の質問回答システムは、顧客からの問い合わせに対して、聞き返しに基づく対話により誘導しながら意図を解釈し、内容の補完を行なって回答を提示する。問い合わせに文章について構文解析および意味解析を行い、回答候補を特定するための聞き返しの内容の設定を行いユーザに提示する対話文章を生成する。聞き返しは、回答候補に付与された属性より関連度を使って計算し、提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-3319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記引用文献1の質問回答システムにおいては、回答候補の絞り込みのための聞き返しのトピックは、回答候補に付与された属性についての関連度に基づいて決定されるので、質問回答サービスの提供者が、聞き返しのトピック制御することが困難である。
【0005】
また、上記引用文献1の質問回答システムは、絞り込みの流れに沿わない質問文がユーザにより入力された場合に、対応が困難で、ユーザの自由な質問文の入力に対応することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、質問回答サービスの提供者が、回答候補の絞り込みのための聞き返しのトピックを制御することができる質問回答のためのシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的の1つとする。
【0007】
また、本発明は、ユーザの自由な質問文の入力に対応して、回答候補の絞り込みを可能とする質問回答のためのシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様は、想定質問文と、該想定質問文に対する回答文と、少なくとも1つのカテゴリの絞り込みタグであって、該カテゴリには聞き返し順が指定されている絞り込みタグとを含む複数の質問文データと、入力された質問文の類似度に基づいて、前記複数の質問文データの中から回答候補質問文データを選択する回答候補質問文データ選択部と、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力する回答文出力部と、選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先の前記同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する聞き返しメッセージ出力部とを備え、前記回答候補質問文データ選択部が、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、該聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番が一番先の回答候補質問文データを選択し、ここで、該カテゴリの第1の順番は、前記聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は前記聞き返し順で規定されるものであることと、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、前記回答文出力部が、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力することと、選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返しメッセージ出力部が、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力することとを含む絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返す質問回答システムを提供するものである。
【0009】
前記システムは、前記絞り込み処理において、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して前記第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在しなかった場合、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力するものとすることができる。
【0010】
前記回答文を出力することは、前記回答候補質問文データ選択部が、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データを選択することと、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、前記回答文出力部が、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力することと、選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返しメッセージ出力部が、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力することと、前記絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返すこととを含むものとすることができる。
【0011】
前記質問文データは、優先度を更に含み、前記回答候補質問文データ選択部は、前記入力された質問文と前記複数の質問文データの類似度及び/又は前記優先度に基づいて、回答候補質問文データを選択するものとすることができる。
【0012】
前記質問文データは、前記想定質問文に関するキーワードを更に含むものとすることができる。
【0013】
前記絞り込み処理における、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文は、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文を構成する単語の少なくとも1つを該単語の読み替え語に置き換えた質問文を含み、前記単語の読み替え語は、前記絞り込みタグのカテゴリ毎に設定され、該読み替え語が、該カテゴリの絞り込みタグを構成する単語を含む辞書を用いて取得されるものとすることができる。
【0014】
本発明の1つの態様は、コンピュータにより実行される質問回答方法であって、想定質問文と、該想定質問文に対する回答文と、少なくとも1つのカテゴリの絞り込みタグであって、該カテゴリには聞き返し順が指定されている絞り込みタグとを含む複数の質問文データと、入力された質問文の類似度に基づいて、前記複数の質問文データの中から回答候補質問文データを選択するステップと、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力するステップと、
選択された前記回答候補質問文データが複数存在し同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先の前記同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力するステップと、以下のステップ:聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、該聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番が一番先の回答候補質問文データを選択し、ここで、該カテゴリの第1の順番は、前記聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は前記聞き返し順で規定されるものであるステップと、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力するステップと、選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力するステップとを含む絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返すステップとを含む方法を提供するものである。
【0015】
前記方法において、前記絞り込み処理において、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して前記第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在しなかった場合、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力するステップを更に含むものとすることができる。
【0016】
前記回答文を出力するステップは、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、前記第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番が一番先であり、ここで、該第2の順番は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定されるものである回答候補質問文データが存在するとき、該回答候補質問文データを選択するステップと、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力するステップと、選択された前記回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、前記聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力するステップと、前記絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返すステップとを含むものとすることができる。
【0017】
前記質問文データは、優先度を更に含み、前記複数の質問文データと前記入力された質問文の類似度に基づいて、前記回答候補質問文データを選択するステップは、前記入力された質問文と前記複数の質問文データの類似度及び/又は前記優先度に基づいて、前記回答候補質問文データを選択するステップであるものとすることができる。
【0018】
前記質問文データは、前記想定質問文に関するキーワードを更に含むものとすることができる。
【0019】
前記絞り込み処理における、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文は、前記聞き返しメッセージに対して入力された質問文を構成する単語の少なくとも1つを該単語の読み替え語に置き換えた質問文を含み、前記単語の読み替え語は、前記絞り込みタグのカテゴリ毎に設定され、該読み替え語が、該カテゴリの絞り込みタグを構成する単語を含む辞書を用いて取得されるものとすることができる。
【0020】
本発明の1つの態様は、前記方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
【0021】
本発明の1つの態様は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
【0022】
本発明の1つの態様は、前記プログラムを前記コンピュータにインストールすることにより質問回答システムを生成する方法を提供するものである。
【0023】
本明細書及び特許請求の範囲において、「一致条件」は、完全一致や部分一致であってもよいし、求められる一致の程度や概念に応じて、一致するという評価をすることができる条件であってもよい。例えば、「一致条件」は、表現のゆらぎを考慮しない一致条件であってもよいし、表現のゆらぎや類似表現を考慮した一致条件であってもよい。例えば、「聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす」場合は、第1の一致条件について、質問文及び絞り込みタグの表現のゆらぎを考慮しない場合であってもよいし、表現のゆらぎや類似表現を考慮した場合であってもよい。
【発明の効果】
【0024】
上記構成を有する本発明によれば、質問回答サービスの提供者が、回答候補の絞り込みのための聞き返しのトピックを制御することができるシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【0025】
また、上記構成を有する本発明によれば、ユーザの自由な質問文の入力に対応して、回答候補の絞り込みを可能とする質問回答のためのシステム、方法、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る質問文データテーブルの例を示した図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る聞き返しメッセージテーブルの例を示した図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムのハードウエア構成を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムの質問回答処理の例の概要を示した図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る質問回答処理の一例の概略フローチャートである。
図7A】本発明の第1の実施形態に係る絞り込み準備処理の一例のフローチャートである。
図7B】本発明の第1の実施形態に係る絞り込み準備処理の一例のフローチャートである。
図8A】本発明の第1の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
図8B】本発明の第1の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
図9】本発明の第2の実施形態に係る質問回答システムの全体構成を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る質問文データテーブルの例を示した図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る質問回答システムの質問回答処理の例の概要を示した図である。
図12A】本発明の第2の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
図12B】本発明の第2の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
図12C】本発明の第2の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムの全体構成を示す図である。質問回答システム1は、サーバ10と端末30を備え、サーバ10と端末30は、ネットワーク20を介して接続されている。サーバ10、端末30の各々は、1つの物理的な装置として構成される必要はなく、複数の物理的な装置から構成されてもよい。
【0029】
端末30としては、PC、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等の任意の適切な端末を用いることができる。
【0030】
サーバ10は、質問文受付部101、解析部103、絞り込み準備検索部105、回答候補質問文データ選択部107、再質問要求メッセージ出力部109、回答文出力部1111、聞き返し用絞り込みタグ判定部113、聞き返しメッセージ出力部115、絞り込み処理フラグ判定部117、絞り込み検索部119、記憶部123を備える。
【0031】
質問文受付部101は、入力されたユーザからの質問文を受け付ける。
【0032】
解析部103は、質問文受付部101が受け付けた質問文から単語を抽出する。
【0033】
絞り込み準備検索部105は、後述の質問文データテーブル501に記憶された複数の質問文データの各々の少なくとも一部において、解析部103により抽出された単語を検索する。解析部103により抽出された単語の検索は、同義語、類義語、表記ゆれ等を考慮して行ってもよい。例えば、質問文から抽出された単語に加えて、又は換えて、質問文から抽出された単語の同義語、類似語、異表記語を検索するようにしてもよい。
【0034】
回答候補質問文データ選択部107は、質問文データテーブル501に記憶された複数の質問文データと、入力された質問文の類似度に基づいて、複数の質問文データの中から回答候補質問文データを選択する。
【0035】
一例として、回答候補質問文データ選択部107は、絞り込み準備検索部105による検索の結果ヒットした単語が存在する質問文データが少なくとも1つ存在した場合、ヒットした単語が存在する質問文データの中から、入力された質問文とヒットした単語が存在する質問文データの類似度に基づいて、回答候補質問文データを選択する。
【0036】
また、回答候補質問文データ選択部107は、後述の聞き返しメッセージ出力部115による聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番(前記聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は後述の聞き返し順で規定される順番)が一番先の回答候補質問文データを選択する。
【0037】
一例として、回答候補質問文データ選択部107は、後述の絞り込み検索部119による検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値(文字列)全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、該回答候補質問文データを選択する。
【0038】
再質問要求メッセージ出力部109は、絞り込み準備検索部105による検索の結果ヒットした単語が存在する質問文データが存在しない場合や、絞り込み検索部119による検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しない場合、ユーザに再質問を要求するメッセージを出力する。
【0039】
回答文出力部111は、回答候補質問文データ選択部107により選択された回答候補質問文データが1つのみである場合、該選択された回答候補質問文データの回答文を出力する。
【0040】
聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、回答候補質問文データ選択部107により選択された回答候補質問文データが複数存在する場合、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する。
【0041】
聞き返しメッセージ出力部115は、回答候補質問文データ選択部107により選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の同じカテゴリに対する複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する。
【0042】
一例として、聞き返しメッセージ出力部115は、聞き返し用絞り込みタグ判定部113により絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合、複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する。
【0043】
絞り込み処理フラグ判定部117は、絞り込み処理フラグがONかOFFかを判定する。
【0044】
絞り込み検索部119は、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は聞き返し順で検索する。
【0045】
記憶部123は、各種の情報を記憶する。記憶部123は、質問文データテーブル501と聞き返しメッセージテーブル503を含む。記憶部123は、1つの物理的な装置として構成されてもよいし、複数の物理的な装置に分散して配置されてもよい。
【0046】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る質問文データテーブルの例を示した図である。質問文データテーブル501には、質問文データが記憶されている。各質問文データは、質問文データの識別情報であるID番号、想定質問文、想定質問文に対する回答文、想定質問文に関するキーワード、回答候補の質問文データを選択する際の優先度、1つ又は複数のカテゴリの絞り込みタグから構成されている。絞り込みタグは、文字列から構成されている。絞り込みタグのカテゴリには聞き返し順が指定されており、本実施形態では、聞き返し順にカテゴリの絞り込みタグが並べられている。すなわち、装置タグ、症状タグ、状況タグ、対象タグという各カテゴリの絞り込みタグが、聞き返し順に左から並べられている。質問文データを構成する要素は、これらに限定されるものではなく、キーワード、優先度はなくてもよく、また、その他の任意の適切な要素を含んでもよい。
【0047】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る聞き返しメッセージテーブルの例を示した図である。聞き返しメッセージテーブル503には、各絞り込みタグのカテゴリに対応付けて聞き返しメッセージのテンプレートが記憶されている。聞き返しメッセージのテンプレートは、選択肢が埋め込まれるようになっている。すなわち、回答候補質問文データ選択部107により選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の同じカテゴリに対応する聞き返しメッセージのテンプレートが聞き返しメッセージテーブル503から取得され、聞き返しメッセージのテンプレートに複数の絞り込みタグの値が選択肢として埋め込まれて聞き返しメッセージが出力されるようになっている。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るサーバ10のハードウエア構成を示す図である。サーバ10は、CPU10a、RAM10b、ROM10c、外部メモリ10d、入力部10e、出力部10f、通信部10gを含む。RAM10b、ROM10c、外部メモリ10d、入力部10e、出力部10f、通信部10gは、システムバス10hを介して、CPU10aに接続されている。
【0049】
CPU10aは、システムバス10hに接続される各デバイスを統括的に制御する。
【0050】
ROM10cや外部メモリ10dには、CPU10aの制御プログラムであるBIOSやOS、コンピュータが実行する機能を実現するために必要な各種プログラムやデータ等が記憶されている。
【0051】
RAM10bは、CPUの主メモリや作業領域等として機能する。CPU10aは、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM10cや外部メモリ10dからRAM10bにロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0052】
外部メモリ10dは、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD-RAM、USBメモリ等から構成される。
【0053】
入力部10eは、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける。入力部10eは、例えば、入力ボタン、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、マイクロフォン、カメラ等の入力デバイスから構成される。
【0054】
出力部10fは、CPU10aで処理されるデータや、RAM10b、ROM10cや外部メモリ10dに記憶されるデータを出力する。出力部10fは、例えば、CRTディスプレイ、LCD、有機ELパネル、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスから構成される。
【0055】
通信部10gは、ネットワークを介して又は直接、外部機器と接続・通信するためのインタフェースである。通信部10gは、例えばシリアルインタフェース、LANインタフェース等のインタフェースから構成される。
【0056】
端末30のハードウエア構成も同様である。
【0057】
図1に示されるサーバ10の各部は、ROMや外部メモリに記憶された各種プログラムが、CPU、RAM、ROM、外部メモリ、入力部、出力部、通信部等を資源として使用することで実現される。
【0058】
以上のシステム構成を前提に、本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムの質問回答処理の例を、図1図8B等を参照して、以下に説明する。
【0059】
<概要>
図5は、本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムの質問回答処理の例の概要を示した図である。
【0060】
ユーザにより、「電源が入らないのですが」という初回の質問文が入力されると、解析部103は、初回の質問文を形態素解析し、助詞を削除して、「電源」、「入ら」、「ない」の単語を抽出する。絞り込み準備検索部105は、質問文データリスト501に記憶された質問文データの各々について、キーワード及び絞り込みタグにおいて、抽出された単語である「電源」、「入ら」、「ない」の各々を検索し、ヒットした単語の数が一番多いID番号がID3、ID4、ID6の質問文データを回答候補質問文データとして選択する。聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、選択されたID3、ID4、ID6の回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを、絞り込みタグのカテゴリの聞き返し順に判定するが、聞き返し順が1番目の装置タグについて、「プリンター」と「WiFiルーター」という複数の値が存在するので、聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている装置タグの応答文言に埋め込んで、「どちらの機器になりますでしょうか[プリンター][WiFiルーター]」という初回の聞き返しメッセージを出力する。
【0061】
この初回の聞き返しメッセージに対して、ユーザにより、「プリンターです」という2回目の質問文が入力されると、絞り込み検索部119は、選択されたID3、ID4、ID6の回答候補質問文データのうちで、2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索し、回答候補質問文データ選択部107は、2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれるID3、ID4の質問文データを回答候補質問文データとして選択する。聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、選択されたID3、ID4の回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを、絞り込みタグのカテゴリの聞き返し順に判定するが、聞き返し順が1番目の装置タグ、2番目の症状タグは同一の値で、聞き返し順が3番目の状況タグについて、「PCに接続していない」と「PCに接続している」という複数の値が存在するので、聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている状況タグの応答文言に埋め込んで、「ご利用状況を教えてください[PCに接続している][PCに接続していない]」という2回目の聞き返しメッセージを出力する。
【0062】
この2回目の聞き返しメッセージに対して、ユーザにより、「PCに接続していない」という3回目の質問文が入力されると、絞り込み検索部119は、選択されたID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索し、回答候補質問文データ選択部107は、3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれるID3の質問文データを回答候補質問文データとして選択する。選択された回答候補質問文データが1つに絞られ、出力すべき回答文が確定したので、回答文出力部111は、選択されたID3の回答候補質問文データの回答文「パソコンを接続していないと電源が入らない仕様になっております」を出力し、質問回答処理を終了する。
【0063】
次に、上記の例について具体的な質問回答処理を説明する。
【0064】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る質問回答処理の一例の概略フローチャートである。本発明の第1の実施形態に係る質問回答システムの質問回答処理は、絞り込み準備処理(S1)、絞り込み処理フラグ判定処理(S2)、絞り込み処理(S3)からなる。絞り込み処理フラグ判定処理において、絞り込み処理フラグがONでないと判定された場合、絞り込み処理(S3)は行われず質問回答処理を終了する。以下、それぞれの処理について詳しく説明する。
【0065】
<絞り込み準備処理>
図7A図7Bは、本発明の第1の実施形態に係る絞り込み準備処理の一例のフローチャートである。
【0066】
サーバ10の質問文受付部101は、端末30を介して入力されたユーザからの質問文(「電源が入らないのですが」)を受け付ける(S101)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた質問文の形態素解析に基づいて単語を抽出する(S103)。具体的には、サーバ10の質問文受付部101は、端末30を介して入力されたユーザからの初回の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた初回の質問文である「電源が入らないのですが」を形態素解析し、助詞を削除して、「電源」、「入ら」、「ない」の単語を抽出する。質問文からの単語の抽出方法は、これに限定されるものではなく、他の任意の適切な方法により抽出することができる。
【0067】
サーバ10の絞り込み準備検索部105は、質問文データリスト501に記憶された質問文データの各々の少なくとも一部において、ステップS103の形態素解析に基づいて抽出された単語を検索する(S105)。具体的には、本実施形態においては、質問文データを構成する要素のうちの、キーワード、絞り込みタグにおいて、ステップS103の形態素解析に基づいて抽出された単語である「電源」、「入ら」、「ない」の各々を検索する。これにより、助詞の違いによる表現のゆらぎを吸収した検索を行うことができる。検索対象はこれに限定されるものではなく、例えばこれに換えて、又は加えて、想定質問文等の他の任意の適切な質問文データを構成する要素としてもよい。また、S105における抽出された単語の検索は、同義語、類似語、表記ゆれ等を考慮して行ってもよい。例えば、質問文から抽出された単語に加えて、又は換えて、質問文から抽出された単語の同義語、類似語、異表記語を検索するようにしてもよい。
【0068】
検索の結果ヒットした単語が存在する質問文データが少なくとも1つ存在した場合(S107-Yes)、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、ヒットした単語が存在する質問文データの中から、入力された質問文とヒットした単語が存在する質問文データの類似度、及び優先度に基づいて、回答候補質問文データを選択する(S109)。本実施形態においては、類似度をヒットした単語数とする。ID1、ID2、ID5の質問文データのキーワードの「つながらない」及び症状タグの「認識しない」が、単語「ない」に対してヒットするから、ID1、ID2、ID5の質問文データについて、ヒットした単語数は1である。一方、ID3、ID4、ID6の質問文データのキーワードの「電源ランプ」及び症状タグの「電源が入らない」が、単語「電源」、「入ら」、「ない」に対してヒットするから、ID3、ID4、ID6の質問文データについて、ヒットした単語数は3である。よって、本実施形態においては、ID3、ID4、ID6の質問文データの優先度は1で同じであるから、ヒットした単語数が最も多いID3、ID4、ID6の質問文データを回答候補質問文データして選択する。回答候補質問文データの選択方法はこれに限定されるものではなく、他の任意の適切な方法を用いることができる。類似度は、TF/IDF等他の任意の適切な指標を用いることができる。また、例えば、質問文におけるヒットした単語同士の位置の近さも考慮することができる。また、例えば、優先度よりも類似度を重視して選択してもよいし、優先度のみ又は類似度のみを考慮して選択してもよい。
【0069】
検索の結果ヒットした単語が存在する質問文データが存在しなかった場合(S107-No)、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109は、例えば「わかりませんでした、もう一度入力をお願いします」といったユーザに再質問を要求するメッセージを出力する(S111)。
【0070】
上記実施形態においては、回答候補質問文データ選択部は、複数の質問文データの各々の少なくとも一部において、入力された質問文から抽出された単語を検索し、検索の結果ヒットした前記単語が存在する前記質問文データが少なくとも1つ存在した場合、前記ヒットした前記単語が存在する前記質問文データの中から、前記入力された質問文と前記ヒットした前記単語が存在する前記質問文データの類似度に基づいて、回答候補質問文データを選択した。しかしながら、回答候補質問文データ選択部による回答候補質問文データの選択は、この手法に限定されるものではなく、複数の質問文データと入力された質問文の他の任意の適切な類似度に基づいて、回答候補質問文データの選択を行うことができる。
【0071】
選択された回答候補質問文データが1つのみである場合(S113-Yes)、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データの回答文を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S115)。選択された回答候補質問文データが複数存在する場合(S113-No)、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する(S117)。そして、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合(S119-Yes)、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを生成・出力すると共に絞り込み処理フラグをONにし、端末30は出力された聞き返しメッセージを表示する(S121)。
【0072】
具体的には、本実施形態においては、選択された回答候補質問文データは、ID3、ID4、ID6の質問文データの3つ存在するから、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、すなわち、装置タグ、症状タグ、状況タグ、対象タグの順に、各絞り込みタグのカテゴリについて、選択されたID3、ID4、ID6の質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する。本実施形態においては、聞き返し順が1番目の装置タグについて、「プリンター」と「WiFiルーター」という複数の値が存在するので、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている装置タグの聞き返しメッセージテンプレートに埋め込んで、「どちらの機器になりますでしょうか[プリンター][WiFiルーター]」という初回の聞き返しメッセージを生成・出力し、絞り込み処理フラグをONにし、端末30は出力された聞き返しメッセージを表示する。
【0073】
サーバ10の絞り込み処理フラグ判定部117は、絞り込み処理フラグがONかOFFかを判定し(S2)、絞り込み処理フラグがONであった場合(S2-Yes)、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理フラグがOFFであった場合(S2-No)、質問回答処理を終了する。本実施形態においては、ステップS121においてフラグがONにされているので、絞り込み処理S3に進む。
【0074】
上記実施形態においては、選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の該同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法として、選択された回答候補質問文データが複数存在する場合、聞き返し順に、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定し、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合、複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法を用いた。しかしながら、選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の該同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法は、これに限定されるものではなく、他の任意の適切な手法を用いることができる。例えば、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するカテゴリをすべて抽出し、抽出されたカテゴリのうちで、聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法を用いてもよい。
【0075】
<絞り込み処理>
図8A図8Bは、本発明の第1の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
【0076】
サーバ10の質問文受付部101は、聞き返しメッセージに対して入力された質問文を受け付ける(S301)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた質問文の形態素解析を行う(S303)。具体的には、ユーザが、ステップS119で出力された聞き返しメッセージに対して、「プリンターです」という2回目の質問文を端末30に入力すると、2回目の質問文がサーバ10に送られ、サーバ10の質問文受付部101は、その2回目の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた2回目の質問文である「プリンターです」を形態素解析する。
【0077】
サーバ10の絞り込み検索部119は、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データ、すなわち、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグの値(文字列)全体を含むという条件を満たす質問文データ、言い換えると、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値(文字列)全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグ、その後は前記聞き返し順で検索する(S305)。具体的には、サーバ10の絞り込み検索部119は、ステップS119の初回の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID3、ID4、ID6の回答候補質問文データのうちで、2回目の質問文に絞り込みタグの値(文字列)全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。このとき、検索の順番として、初回の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリの絞り込みタグである装置タグ、その後は、聞き返し順に、症状タグ、状況タグ、対象タグの順序で検索する。なお、初回の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリの絞り込みタグが、例えば状況タグであった場合は、まず状況タグ、その後は、聞き返し順に、装置タグ、症状タグ、対象タグの順序で検索する。
【0078】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値(文字列)全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合(S307-Yes)、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、該回答候補質問文データを選択する(S309)。具体的には、本実施形態においては、初回の聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、初回の聞き返しメッセージに対して入力された2回目の質問文に絞り込みタグの値(文字列)全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、その回答候補質問文データを選択する。本実施形態においては、ID3、ID4の回答候補質問文データの装置タグの値が「プリンター」であり、この「プリンター」全体が、2回目の質問文である「プリンターです」に含まれる。また、ID6の回答候補質問文データの装置タグの値が「WiFiルーター」であり、この「WiFiルーター」全体は、2回目の質問文である「プリンターです」には含まれない。よって、本実施形態においては、ID3、ID4の回答候補質問文データを選択する。
【0079】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値(文字列)全体が含まれる回答候補質問文データが存在しなかった場合(S307-No)、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109は、例えば「わかりませんでした、もう一度入力をお願いします」といったユーザに再質問を要求するメッセージを出力する(S311)。
【0080】
上記実施形態においては、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、該聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番(聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は聞き返し順で規定される順番)が一番先の回答候補質問文データを選択する手法として、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は聞き返し順で検索し、検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、該回答候補質問文データを選択する手法を用いた。しかしながら、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、該聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データが存在する場合、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番(聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は聞き返し順で規定される順番)が一番先の回答候補質問文データを選択する手法は、これに限定されるものではなく、他の任意の適切な手法を用いることができる。例えば、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データをすべて抽出し、抽出された回答候補質問文データのうちで、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対応するカテゴリの第1の順番(聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリ、その後は聞き返し順で規定される順番)が一番先の回答候補質問文データを選択する手法を用いてもよい。
【0081】
上記実施形態においては、第1の一致条件は、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が絞り込みタグの値全体を含むという条件であったが、第1の一致条件はこれに限定されるものではなく、求められる一致の程度や概念に応じて、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、絞り込みタグに一致するという評価をすることができる他の任意の適切な条件とすることができる。
【0082】
また、上記実施形態における、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が絞り込みタグの値全体を含むという条件において、表現のゆらぎを考慮してもよい。
【0083】
選択された回答候補質問文データが1つのみである場合(S313-Yes)、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データの回答文を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S315)。選択された回答候補質問文データが複数存在する場合(S313-No)、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する(S317)。そして、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合(S319-Yes)、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを生成・出力すると共に絞り込み処理フラグをONにし、端末30は出力された聞き返しメッセージを表示する(S321)。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻るが、絞り込み処理フラグがONになっているので、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理S3を繰り返す。
【0084】
具体的には、本実施形態においては、選択された回答候補質問文データは、ID3、ID4の質問文データの2つ存在するから、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、すなわち、装置タグ、症状タグ、状況タグ、対象タグの順に、各絞り込みタグのカテゴリについて、選択されたID3、ID4の質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する。本実施形態においては、聞き返し順が1番目の装置タグ、2番目の症状タグについては、「プリンター」、「電源が入らない」と同一の値で、聞き返し順が3番目の状況タグについて、「PCに接続していない」と「PCに接続している」という複数の値が存在するので、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている状況タグの聞き返しメッセージに埋め込んで、「ご利用状況を教えてください[PCに接続している][PCには接続していない]」という2回目の聞き返しメッセージを生成・出力し、絞り込み処理フラグをONにする。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻り、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理S3を繰り返す。
【0085】
上記実施形態においては、選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の該同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法として、選択された回答候補質問文データが複数存在する場合、聞き返し順に、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定し、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合、複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法を用いた。しかしながら、選択された回答候補質問文データが複数存在し、同じカテゴリに対して、複数の該選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在する場合、聞き返し順が一番先の該同じカテゴリに対する複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法は、これに限定されるものではなく、他の任意の適切な手法を用いることができる。例えば、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するカテゴリをすべて抽出し、抽出されたカテゴリのうちで、聞き返し順が一番先のカテゴリに対する複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力する手法を用いてもよい。
【0086】
サーバ10の質問文受付部101は、聞き返しメッセージに対して入力された質問文を受け付ける(S301)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた質問文の形態素解析を行う(S303)。具体的には、ユーザが、ステップS321で出力された2回目の聞き返しメッセージに対して、「PCに接続していない」という3回目の質問文を端末30に入力すると、サーバ10の質問文受付部101は、その3回目の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた3回目の質問文である「PCに接続していない」を形態素解析する。
【0087】
サーバ10の絞り込み検索部119は、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグ、その後は前記聞き返し順で検索する(S305)。具体的には、サーバ10の絞り込み検索部119は、ステップS319の2回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。このとき、検索の順番として、2回目の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリである状況タグ、その後は、聞き返し順に、装置タグ、症状タグ、対象タグの順序で検索する。
【0088】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合(S307-Yes)、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、該回答候補質問文データを選択する(S309)。具体的には、本実施形態においては、2回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、2回目の聞き返しメッセージに対して入力された3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、その回答候補質問文データを選択する。本実施形態においては、ID3の回答候補質問文データの状況タグの値が「PCに接続していない」であり、この「PCに接続していない」全体が、3回目の質問文である「PCに接続していない」に含まれる。また、ID4の回答候補質問文データの状況タグの値が「PCに接続している」であり、この「PCに接続している」全体は、3回目の質問文である「PCに接続していない」には含まれない。よって、本実施形態においては、ID3の回答候補質問文データを選択する。
【0089】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しなかった場合(S307-No)、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109は、例えば「わかりませんでした、もう一度入力をお願いします」といったユーザに再質問を要求するメッセージを出力する(S311)。
【0090】
選択された回答候補質問文データが1つのみである場合(S313-Yes)、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データの回答文を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S315)、選択された回答候補質問文データが複数存在する場合(S313-No)、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する(S317)。
【0091】
具体的には、本実施形態においては、選択された回答候補質問文データは、ID3の質問文データの1つのみとなり、出力すべき回答文が確定するので、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データであるID3の質問文データの回答文である「パソコンを接続していないと電源が入らない仕様になっております。」を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S315)。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻るが、絞り込み処理フラグがOFFになっているので、回答質問処理を終了する。
【0092】
本実施形態によれば、質問回答サービス提供者が予め定めた絞り込みタグを用いて聞き返しを行い、回答候補を絞り込んでユーザの求める最終回答まで誘導する。聞き返しのための絞り込みタグのカテゴリに聞き返し順が指定されているので、回答候補を絞り込むための選択肢提示の際に、提示する聞き返しのトピックの提示順を制御することができる。これにより、例えば、聞き返しの内容を階層的に定義する(例えば、絞り込みタグのカテゴリを「製品シリーズ」、「製品名」、「製品バージョン」と設定する)ことができ、絞り込みの過程において、上位概念から下位概念まで自然な流れで絞り込みが行われるようにサービス提供者が聞き返しのトピックの順序を制御できる。
【0093】
また、本実施形態によれば、絞り込みタグのカテゴリ毎に聞き返しメッセージを定義することができるので、ユーザが必要な部分に詳細な説明文を提供することができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、質問文データにおいて優先度を指定することができるようにされており、回答候補質問文データの選択が、質問文データの優先度に基づいて行われるようにできるので、質問回答サービス提供者が優先的にユーザに提供したい回答を提示するように制御することができる。例えば、絞り込み準備処理において、質問文において製品名だけが指定され、その製品名だけしか各質問文データにヒットしないような場合は、その製品名を含む質問文データがすべて回答候補質問文データとなるが、製品の案内など特定の回答だけを出力したいときは、該当の質問文データに高い優先度を設定しておくことによって、質問回答サービス提供者の意図に合った制御を行うことができる。
【0095】
上記実施形態の変形例として、絞り込み処理における聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、聞き返しメッセージに対して入力された質問文を構成する単語の少なくとも1つを該単語の読み替え語に置き換えた質問文を含み、該単語の読み替え語は、絞り込みタグのカテゴリ毎に設定され、該読み替え語が、該カテゴリの絞り込みタグを構成する単語を含む辞書を用いて取得される構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザの自由な質問文の入力により的確に対応することができる。
【0096】
例えば、上記実施形態の質問文データテーブルが用いられるものとして、装置タグの辞書において、単語「無線」が、装置タグを構成する単語「WiFiルーター」と読み替えられるように設定され、対象タグの辞書において、同じ単語「無線」が、対象タグを構成する単語「WiFi」と読み替えられるように設定されているとする。ユーザにより「使おうと思ったら認識しないのですが」という質問文が入力されると、ID1、ID2、ID5の質問文データが回答候補質問文データとして選択され、装置タグの聞き返しメッセージ「どちらの機器になりますでしょうか[プリンター][WiFiルーター]」が出力される。このとき、この聞き返しメッセージに対して、ユーザにより、聞き返しメッセージの選択肢にない「無線です」という質問文が入力されても、質問文に含まれる単語「無線」が、装置タグの辞書で「WiFiルーター」と読み替えられるので、選択肢の一方の「WiFiルーター」を選択したとユーザの意図を理解することができる。また、同時に、対象タグの辞書で、単語「無線」が「WiFi」と読み替えられるので、対象タグにおいて絞り込みを行う場合でも、ユーザの意図を理解し、対応することができる。
【0097】
上記実施形態においては、質問回答システム1の各部、すなわち質問文受付部101、解析部103、絞り込み準備検索部105、回答候補質問文データ選択部107、再質問要求メッセージ出力部109、回答文出力部111、聞き返し用絞り込みタグ判定部113、聞き返しメッセージ出力部115、絞り込み処理フラグ判定部117、絞り込み検索部119、記憶部123の機能は、サーバ10において実行されていたが、質問回答システムの各部の機能は、1つ又は複数のサーバの各々及び各端末のうちのいずれか1つで又は複数で分散して実行される構成とすることができる。例えば、質問回答システムの各部の全部が端末において実行されてもよい。また、例えば、記憶部123の一部、質問文受付部101、解析部103の機能が端末において実行され、記憶部123の一部、絞り込み準備検索部105の一部の機能が第1のサーバにおいて実行され、記憶部123の一部、絞り込み検索部119の一部、聞き返し用絞り込みタグ判定部113の機能が第2のサーバにおいて実行され、回答候補質問文データ選択部107、再質問要求メッセージ出力部109、回答文出力部111、聞き返しメッセージ出力部115、絞り込み処理フラグ判定部117の機能が第3のサーバにおいて実行される構成としてもよい。
【0098】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に対して第1の一致条件を満たす絞り込みタグを含む回答候補質問文データが存在しなかった場合、再質問要求メッセージを出力した。本実施形態は、そのような場合に、再質問要求メッセージを出力する構成に換えて、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番(第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定される順番)が一番先である回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力する、例えば、出力されている聞き返しメッセージに対する質問文に整合する絞り込みタグを含む質問文データを検索し、そのような絞り込みタグが発見された場合、そのような絞り込みタグを含む回答候補質問文データが選択されていた絞り込み時点に遡って、そこから絞り込みを新たに行って回答文を出力するものである。
【0099】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る質問回答システムの全体構成を示す図である。第2の実施形態に係る質問回答システムの全体構成及びハードウエア構成は、下記の点を除いて第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0100】
回答候補質問文データ選択部107は、第1の実施形態における機能に加えて、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、該回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、且つ、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番(第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定される順番)が一番先である回答候補質問文データを選択する。
【0101】
一例として、回答候補質問文データ選択部107は、後述の回答用絞り込みタグ判定部121により、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに、絞り込みタグの値全体が、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文に含まれるという条件を満たす絞り込みタグが存在すると判定された場合、該回答候補質問文データを選択する。
【0102】
絞り込み検索部119は、第1の実施形態における機能に加えて、絞り込み処理において、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しなかった場合、第kの聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている値の絞り込みタグのカテゴリの次の聞き返し順の絞り込みタグのカテゴリから聞き返し順に、絞り込みタグの値全体が、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文に含まれるという条件を満たす絞り込みタグを含む質問文を検索する。
【0103】
回答用絞り込みタグ判定部121は、絞り込み検索部119による上記検索の結果、前記条件を満たす絞り込みタグを含む質問文が発見された場合、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順に、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在するか否かを判定する。
【0104】
再質問要求メッセージ出力部109は、第1の実施形態における機能に加えて、絞り込み検索部119による上記検索の結果、前記条件を満たす絞り込みタグを含む質問文が発見されなかった場合や、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在しなかった場合、ユーザに再質問を要求するメッセージを出力する。
【0105】
本発明の第2の実施形態に係る質問文データテーブルの内容は、図10に示されるようなものとなっている。
【0106】
他の機能構成は、第1の実施形態の機能構成と同様であるので、説明を省略する。
【0107】
<概要>
図11は、本発明の第2の実施形態に係る質問回答システムの質問回答処理の例の概要を示した図である。
【0108】
ユーザにより、「故障したので困っています」という初回の質問文が入力されると、解析部103は、初回の質問文を形態素解析し、助詞を削除して、「故障」、「した」、「困って」の単語を抽出する。絞り込み準備検索部105は、質問文データリスト501に記憶された質問文データの各々について、キーワード及び絞り込みタグにおいて、抽出された単語である「故障」、「した」、「困って」の各々を検索し、ヒットした単語数が最も多いID1~ID7の質問文データを回答候補質問文データして選択する。聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、選択されたID1~ID7の回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを、絞り込みタグのカテゴリの聞き返し順に判定するが、聞き返し順が1番目の装置タグについて、「プリンター」と「WiFiルーター」という複数の値が存在するので、聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている装置タグの聞き返しメッセージに埋め込んで、「どちらの機器になりますでしょうか[プリンター][WiFiルーター]」という初回の聞き返しメッセージを出力する。
【0109】
この初回の聞き返しメッセージに対して、「プリンターです」という2回目の質問文が入力されると、絞り込み検索部119は、選択されたID1~ID7の回答候補質問文データのうちで、2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索し、回答候補質問文データ選択部107は、2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれるID1~ID4の質問文データを回答候補質問文データとして選択する。聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、選択されたID1~ID4の回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを、絞り込みタグのカテゴリの聞き返し順に判定するが、聞き返し順が1番目の装置タグについては、「プリンター」と同一の値で、聞き返し順が2番目の症状タグについて、「認識しない」と「電源が入らない」という複数の値が存在するので、聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている症状タグの聞き返しメッセージに埋め込んで、「症状を教えてください[認識しない][電源が入らない]」という2回目の聞き返しメッセージを出力する。
【0110】
この2回目の聞き返しメッセージに対して、ユーザにより、「電源が入らない」という3回目の質問文が入力されると、絞り込み検索部119は、選択されたID1~ID4の回答候補質問文データのうちで、3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれるID3、ID4の回答候補質問文データを選択する。絞り込みタグ判定部113は、選択されたID3、ID4の回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを、絞り込みタグのカテゴリの聞き返し順に判定するが、聞き返し順が1番目の装置タグ、2番目の症状タグについては、「プリンター」、「電源が入らない」と同一の値で、聞き返し順が3番目の状況タグについて、「PCに接続していない」と「PCに接続している」という複数の値が存在するので、聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている状況タグの聞き返しメッセージに埋め込んで、「ご利用状況を教えてください[PCに接続している][PCには接続していない]」という3回目の聞き返しメッセージを出力する。
【0111】
この3回目の聞き返しメッセージに対して、ユーザにより、これまでの絞り込みの流れに沿わない「USBです」という4回目の質問文が入力される。すると、絞り込み検索部119は、選択されたID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。しかしながら、選択されたID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、4回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データは存在しない。そこで、絞り込み検索部119は、現在の聞き返しメッセージである3回目の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている値の絞り込みタグのカテゴリである状況タグの次の聞き返し順のカテゴリの絞り込みタグである対象タグの値全体が、4回目の質問文である「USBです」に含まれるという条件を満たす絞り込みタグを含む質問文データを検索し、ID1、ID5の質問文データが条件を満たす絞り込みタグを含む質問文データとして発見される。回答用絞り込みタグ判定部121は、3回目の聞き返しメッセージの2つ前に出力された初回の聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データであるID1~ID4の質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在するか否かを判定するが、上述のように条件を満たす絞り込みタグを含む質問文データはID1、ID5の質問文データであるから、ID1の質問文データが、該当する唯一の回答候補質問文データとなり、出力すべき回答文が確定する。回答文出力部111は、ID1の質問文データの回答文「プリンタドライバが正しくインストールされていない可能性があります。」を出力し、質問回答処理を終了する。
【0112】
次に、図3図4図6図7B図9図12C等を参照して、上記の例について具体的な質問回答処理を説明する。図9図12A図12Cにおいて、図1図8A図8Bに対応する部分には、同一の符号を付し、第1の実施形態と重複する説明は省略する。また、第2の実施形態に係る質問回答処理の概略フローチャートは、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0113】
<絞り込み準備処理>
本実施形態の絞り込み準備処理のフローチャートは、第1の実施形態と同様であるので、図7A図7Bを参照して説明する。
【0114】
サーバ10の質問文受付部101は、端末30を介して入力されたユーザからの初回の質問文(「故障したので困っています」)を受け付ける(S101)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた初回の質問文の形態素解析に基づいて単語を抽出する(S103)。具体的には、サーバ10の質問文受付部101は、端末30を介して入力されたユーザからの初回の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた初回の質問文である「故障したので困っています」を形態素解析し、助詞を削除して、「故障」、「した」、「困って」の単語を抽出する。
【0115】
サーバ10の絞り込み準備検索部105は、質問文データリスト502に記憶された質問文データの各々の少なくとも一部において、ステップS103の形態素解析に基づいて抽出された単語を検索する(S105)。具体的には、本実施形態においては、質問文データを構成する要素のうちの、キーワード、絞り込みタグにおいて、ステップS103の形態素解析に基づいて抽出された単語である「故障」、「した」、「困って」の各々を検索する。
【0116】
検索の結果ヒットした単語が存在する質問文データが少なくとも1つ存在した場合(S107-Yes)、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、ヒットした単語が存在する質問文データの中から、入力された質問文とヒットした単語が存在する前記質問文データの類似度、及び優先度に基づいて、回答候補質問文データを選択する(S109)。本実施形態においては、ID1~ID7の質問文データのキーワードの「故障」が、単語「故障」に対してヒットするから、ID1~ID7の質問文データについて、ヒットした単語数は1である。一方、ID8の質問文データにおいては、単語「故障」、「した」、「困って」に対してヒットするものはないから、ID8の質問文データについて、ヒットした単語数は0である。よって、本実施形態においては、ID1~ID7の質問文データの優先度は1で同じであるから、ヒットした単語数が最も多いID1~ID7の質問文データを回答候補質問文データして選択する。
【0117】
検索の結果ヒットした単語が存在する質問文データが存在しなかった場合(S107-No)、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109は、例えば「わかりませんでした、もう一度入力をお願いします」といったユーザに再質問を要求するメッセージを出力する(S111)。
【0118】
選択された回答候補質問文データが1つのみである場合(S113-Yes)、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データの回答文を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S115)。選択された回答候補質問文データが複数存在する場合(S113-No)、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する(S117)。そして、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合(S119-Yes)、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを生成・出力すると共に絞り込み処理フラグをONにし、端末30は出力された聞き返しメッセージを表示する(S121)。
【0119】
具体的には、本実施形態においては、選択された回答候補質問文データは、ID1~ID7の質問文データの7つ存在するから、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、すなわち、装置タグ、症状タグ、状況タグ、対象タグの順に、各絞り込みタグのカテゴリについて、選択されたID1~ID7の質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する。本実施形態においては、聞き返し順が1番目の装置タグについて、「プリンター」と「WiFiルーター」という複数の値が存在するので、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている装置タグの聞き返しメッセージテンプレートに埋め込んで、「どちらの機器になりますでしょうか[プリンター][WiFiルーター]」という初回の聞き返しメッセージを生成・出力し、絞り込み処理フラグをONにし、端末30は出力された聞き返しメッセージを表示する。
【0120】
サーバ10の絞り込み処理フラグ判定部117は、絞り込み処理フラグがONかOFFかを判定し(S2)、絞り込み処理フラグがONであった場合(S2-Yes)、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理フラグがOFFであった場合(S2-No)、質問回答処理を終了する。本実施形態においては、ステップS121においてフラグがONにされているので、絞り込み処理S3に進む。
【0121】
<絞り込み処理>
図12A図12Cは、本発明の第2の実施形態に係る絞り込み処理の一例のフローチャートである。
【0122】
サーバ10の質問文受付部101は、聞き返しメッセージに対して入力された質問文を受け付ける(S301)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた質問文の形態素解析を行う(S303)。具体的には、ユーザが、ステップS119で出力された初回の聞き返しメッセージに対して、「プリンターです」という2回目の質問文を端末30に入力すると、2回目の質問文がサーバ10に送られ、サーバ10の質問文受付部101は、その2回目の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた2回目の質問文である「プリンターです」を形態素解析する。
【0123】
サーバ10の絞り込み検索部119は、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグ、その後は聞き返し順で検索する(S305)。具体的には、サーバ10の絞り込み検索部119は、ステップS119の初回の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID1~ID7の回答候補質問文データのうちで、2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。このとき、検索の順番として、初回の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリの絞り込みタグである装置タグ、その後は、聞き返し順に、症状タグ、状況タグ、対象タグの順序で検索する。なお、初回の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリの絞り込みタグが、例えば状況タグであった場合は、まず状況タグ、その後は、聞き返し順に、装置タグ、症状タグ、対象タグの順序で検索する。
【0124】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合(S307-Yes)、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、該回答候補質問文データを選択する(S309)。具体的には、本実施形態においては、初回の聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、初回の聞き返しメッセージに対して入力された2回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、その回答候補質問文データを選択する。本実施形態においては、ID1~ID4の回答候補質問文データの装置タグの値が「プリンター」であり、この「プリンター」全体が、2回目の質問文である「プリンターです」に含まれる。また、ID5~ID7の回答候補質問文データの装置タグの値が「WiFiルーター」であり、この「WiFiルーター」全体は、2回目の質問文である「プリンターです」には含まれない。よって、本実施形態においては、ID1~ID4の回答候補質問文データを選択する。
【0125】
選択された回答候補質問文データが1つのみである場合(S313-Yes)、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データの回答文を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S315)、選択された回答候補質問文データが複数存在する場合(S313-No)、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する(S317)。そして、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合(S319-Yes)、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、複数の絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを生成・出力すると共に絞り込み処理フラグをONにし、端末30は出力された聞き返しメッセージを表示する(S321)。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻るが、絞り込み処理フラグがONになっているので、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理S3を繰り返す。
【0126】
具体的には、本実施形態においては、選択された回答候補質問文データは、ID1~ID4の質問文データの4つ存在するから、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、すなわち、装置タグ、症状タグ、状況タグ、対象タグの順に、各絞り込みタグのカテゴリについて、選択されたID1~ID4の質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する。本実施形態においては、聞き返し順が1番目の装置タグについては、「プリンター」と同一の値で、聞き返し順が2番目の症状タグについて、「認識しない」と「電源が入らない」という複数の値が存在するので、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている症状タグの聞き返しメッセージに埋め込んで、「どちらの症状になりますでしょうか[認識しない][電源が入らない]」という2回目の聞き返しメッセージを生成・出力し、絞り込み処理フラグをONにする。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻り、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理S3を繰り返す。
【0127】
サーバ10の質問文受付部101は、聞き返しメッセージに対して入力された質問文を受け付ける(S301)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた質問文の形態素解析を行う(S303)。具体的には、ユーザが、ステップS319で出力された2回目の聞き返しメッセージに対して、「電源が入らない」という3回目の質問文を端末30に入力すると、サーバ10の質問文受付部101は、その3回目の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた3回目の質問文である「電源が入らない」を形態素解析する。
【0128】
サーバ10の絞り込み検索部119は、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグ、その後は前記聞き返し順で検索する(S305)。具体的には、サーバ10の絞り込み検索部119は、ステップS319の2回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID1~ID4の回答候補質問文データのうちで、3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。このとき、検索の順番として、2回目の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグである症状タグ、その後は、聞き返し順に、装置タグ、状況タグ、対象タグの順序で検索する。
【0129】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合(S307-Yes)、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、該回答候補質問文データを選択する(S309)。具体的には、本実施形態においては、2回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、2回目の聞き返しメッセージに対して入力された3回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、その回答候補質問文データを選択する。本実施形態においては、ID3、ID4の回答候補質問文データの症状タグの値が「電源が入らない」であり、この「電源が入らない」全体が、2回目の質問文である「電源が入らない」に含まれる。また、ID1、ID2の回答候補質問文データの症状装置タグの値が「認識しない」であり、この「認識しない」全体は、3回目の質問文である「電源が入らない」には含まれない。よって、本実施形態においては、ID3、ID4の回答候補質問文データを選択する。
【0130】
選択された回答候補質問文データが1つのみである場合(S313-Yes)、サーバ10の回答文出力部111は、選択された回答候補質問文データの回答文を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する(S315)、選択された回答候補質問文データが複数存在する場合(S313-No)、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、複数の選択された回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する(S317)。
【0131】
具体的には、本実施形態においては、選択された回答候補質問文データは、ID3、ID4の質問文データの2つ存在するから、サーバ10の聞き返し用絞り込みタグ判定部113は、聞き返し順に、すなわち、装置タグ、症状タグ、状況タグ、対象タグの順に、各絞り込みタグについて、選択されたID3、ID4の質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定する。本実施形態においては、聞き返し順が1番目の装置タグ、2番目の症状タグについては、「プリンター」、「電源が入らない」と同一の値で、聞き返し順が3番目の状況タグについて、「PCに接続していない」と「PCに接続している」という複数の値が存在するので、サーバ10の聞き返しメッセージ出力部115は、それらの値を、聞き返しメッセージテーブル503に記憶されている状況タグの聞き返しメッセージに埋め込んで、「ご利用状況を教えてください[PCに接続している][PCには接続していない]」という2回目の聞き返しメッセージを生成・出力し、絞り込み処理フラグをONにする。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻り、絞り込み処理S3に進み、絞り込み処理S3を繰り返す。
【0132】
サーバ10の質問文受付部101は、聞き返しメッセージに対して入力された質問文を受け付ける(S301)。すると、サーバ10の解析部103は、受け付けた質問文の形態素解析を行う(S303)。具体的には、ユーザが、ステップS119で出力された3回目の聞き返しメッセージに対して、「USBです」という4回目の質問文を端末30に入力すると、4回目の質問文がサーバ10に送られ、サーバ10の質問文受付部101は、受け付けた4回目の質問文を受け付ける。そして、サーバ10の解析部103は、受け付けた4回目の質問文である「USBです」を形態素解析する。
【0133】
サーバ10の絞り込み検索部119は、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを、聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグ、その後は聞き返し順で検索する(S305)。具体的には、サーバ10の絞り込み検索部119は、ステップS119の3回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、4回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。このとき、検索の順番として、3回目の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている絞り込みタグのカテゴリの絞り込みタグである状況タグ、その後は、聞き返し順に、装置タグ、症状タグ、対象タグの順序で検索する。
【0134】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが少なくとも1つ存在した場合、その回答候補質問文データを選択する(S307-Yes)。
【0135】
検索の結果、聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しなかった場合(S307-No)、すなわち、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データのうちで、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第1の一致条件を満たす回答候補質問文データ、すなわち、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグの値全体を含むという条件を満たす回答候補質問文データ、言い換えると、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しなかった場合(S307-No)、サーバ10の絞り込み検索部119は、第kの聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている値の絞り込みタグのカテゴリの次の聞き返し順のカテゴリの絞り込みタグから聞き返し順に、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たす質問文データ、すなわち、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、質問文データの絞り込みタグの値全体を含むという条件を満たす質問文データ、言い換えると、絞り込みタグの値全体が、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文に含まれるという条件を満たす絞り込みタグを含む質問文データを検索する(S331)。
【0136】
検索の結果、前記条件を満たす絞り込みタグを含む質問文が発見された場合(S333-Yes)、サーバ10の回答用絞り込みタグ判定部121は、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順に、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在するか否かを判定する(S335)。
【0137】
検索の結果、前記条件を満たす絞り込みタグを含む質問文が発見されなかった場合(S333-No)、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109は、例えば「わかりませんでした、もう一度入力をお願いします」といったユーザに再質問を要求するメッセージを出力する(S337)。ここで、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109が、ユーザに再質問を要求するメッセージを出力する構成に換えて、絞り込み準備処理S1に戻る構成としてもよい。
【0138】
聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在すると判定された場合(S339-Yes)、ステップS309に進み、サーバ10の回答候補質問文データ選択部107は、該回答候補質問文データを選択する(S309)。そして、以降は、ステップS313以下のステップが行われる。
【0139】
聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在しなかったと判定された場合(S339-No)、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109は、例えば「わかりませんでした、もう一度入力をお願いします」といったユーザに再質問を要求するメッセージを出力する(S337)。ここで、サーバ10の再質問要求メッセージ出力部109が、ユーザに再質問を要求するメッセージを出力する構成に換えて、絞り込み準備処理S1に戻る構成としてもよい。
【0140】
具体的には、サーバ10の絞り込み検索部119は、3回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、3回目の聞き返しメッセージに対して入力された4回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データを検索する。そして、3回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、4回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しなかった場合、サーバ10の絞り込み検索部119は、3回目の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている値の絞り込みタグのカテゴリの次の聞き返し順のカテゴリの絞り込みタグから前記聞き返し順に、絞り込みタグの値全体が4回目の質問文に含まれるという条件を満たす絞り込みタグを含む質問文を検索する。
【0141】
本実施形態においては、ID3の回答候補質問文データの状況タグ、装置タグ、症状タグの値が、「PCに接続していない」、「プリンター」、「電源が入らない」であり、ID4の回答候補質問文データの状況タグ、装置タグ、症状タグの値が、「PCに接続している」、「プリンター」、「電源が入らない」であり、これらの全体が4回目の質問文である「USBです」には含まれない。また、ID3、ID4の回答候補質問文データの対象タグの値はない。よって、検索の結果、3回目の聞き返しメッセージ出力時に選択されているID3、ID4の回答候補質問文データのうちで、4回目の質問文に絞り込みタグの値全体が含まれる回答候補質問文データが存在しない。そこで、サーバ10の絞り込み検索部119は、現在の聞き返しメッセージである3回目の聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている値の絞り込みタグのカテゴリである状況タグの次の聞き返し順のカテゴリの絞り込みタグである対象タグの値全体が、3回目の聞き返しメッセージに対して入力された4回目の質問文である「USBです」に含まれる質問文データを検索する。質問文データリストに記憶されたすべての質問文データのうちで、ID1、ID5の質問文データの対象タグの値が「USB」であり、この「USB」全体が、4回目の質問文である「USBです」に含まれるので、検索の結果、ID1、ID5の質問文データが条件を満たす絞り込みタグを含む質問文データとして発見される。
【0142】
条件を満たす絞り込みタグを含む質問文が発見されたので、サーバ10の回答用絞り込みタグ判定部121は、3回目の聞き返しメッセージの2つ前に出力された初回の聞き返しメッセージから出力順の逆順に、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在するか否かを判定する。初回の聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データは、ID1~ID4の質問文データであり、上述のように条件を満たす絞り込みタグを含む質問文データはID1、ID5の質問文データであるから、ID1の質問文データが、初回の聞き返しメッセージ出力時に選択されている回答候補質問文データであって、且つ条件を満たす絞り込みタグが存在する唯一の回答候補質問文データとなり、出力すべき回答文が確定する。サーバ10の回答文出力部111は、ID1の質問文データの回答文である「プリンタドライバが正しくインストールされていない可能性があります。」を出力すると共に絞り込み処理フラグをOFFにし、端末30は出力された回答文を表示する。そして、絞り込み処理フラグ判定ステップS2に戻るが、絞り込み処理フラグがOFFになっているので、絞り込み処理S3を終了する。
【0143】
上記実施形態においては、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番(第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定される順番)が一番先である回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力する手法として、絞り込み検索部が、第kの聞き返しメッセージにおいて選択肢とされている値の絞り込みタグのカテゴリの次の聞き返し順の絞り込みタグのカテゴリから聞き返し順に、絞り込みタグの値全体が、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文に含まれるという条件を満たす絞り込みタグを含む質問文を検索し、検索の結果、前記条件を満たす絞り込みタグを含む質問文が発見された場合、回答用絞り込みタグ判定部が、第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順に、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在するか否かを判定し、聞き返しメッセージの出力時に選択されている回答候補質問文データに前記条件を満たす絞り込みタグが存在すると判定された場合、回答候補質問文データ選択部が、該回答候補質問文データを選択し、選択された前記回答候補質問文データが1つのみである場合、回答文出力部が、該選択された前記回答候補質問文データの回答文を出力し、選択された前記回答候補質問文データが複数存在する場合、聞き返し用絞り込みタグ判定部が、聞き返し順に、複数の該選択された前記回答候補質問文データの絞り込みタグの値が複数存在するか否かを判定し、絞り込みタグの値が複数存在すると判定された場合、聞き返しメッセージ出力部が、複数の該絞り込みタグの値を選択肢とする聞き返しメッセージを出力し、絞り込み処理を、聞き返しメッセージの出力があった場合に繰り返す手法を用いた。しかしながら、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番(第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定される順番)が一番先である回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力する手法は、これに限定されるものではなく、他の任意の適切な手法を用いることができる。例えば、それぞれの聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たす回答候補質問文データをすべて抽出し、抽出された回答候補質問文データのうちで、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番(第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定される順番)が一番先の回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力する手法を用いてもよい。
【0144】
上記実施形態においては、第2の一致条件は、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグの値全体を含むという条件であったが、第2の一致条件はこれに限定されるものではなく、求められる一致の程度や概念に応じて、聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、絞り込みタグに一致するという評価をすることができる他の任意の適切な条件とすることができる。
【0145】
また、上記実施形態における、第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が絞り込みタグの値全体を含むという条件において、表現のゆらぎを考慮してもよい。
【0146】
また、上記時においては、第2の一致条件は、第1の一致条件と同様であったが、第2の一致条件は、第1の一致条件と異なっていてもよい。
【0147】
本実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果に加えて、提示されている聞き返しメッセージに対する質問文と、聞き返しメッセージ提示時に選択されている回答候補質問文データの絞り込みタグの値が整合しない場合に、聞き返しメッセージの出力時に選択された回答候補質問文データであって、現在の聞き返しメッセージである第kの聞き返しメッセージに対して入力された質問文が、回答候補質問文データの絞り込みタグに対して第2の一致条件を満たし、その回答候補質問文データが選択されていたときの聞き返しメッセージの第2の順番(第kの聞き返しメッセージの2つ前に出力された聞き返しメッセージである第k-2の聞き返しメッセージから出力順の逆順で規定される順番)が一番先である回答候補質問文データのうちの1つの回答文を出力する、例えば、提示されている聞き返しメッセージに対する質問文に整合する絞り込みタグを含む質問文データを検索し、そのような絞り込みタグが発見された場合、そのような絞り込みタグを含む回答候補質問文データが選択されていた絞り込み時点に遡って、そこから絞り込みを新たに行って回答文を出力するので、絞り込みの流れに沿わない質問文がユーザにより入力された場合にも対応することができ、ユーザの自由な質問文の入力に対応することができる。
【0148】
以上、本発明について、例示のためにいくつかの実施形態に関して説明してきたが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形態及び詳細について、様々な変形及び修正を行うことができることは、当業者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0149】
1 質問回答システム
10 サーバ
101 質問文受付部
103 解析部
105 絞り込み準備検索部
107 回答候補質問文データ選択部
109 再質問要求メッセージ出力部
111 回答文出力部 応答文言出力部
113 聞き返し用絞り込みタグ判定部
115 聞き返しメッセージ出力部
117 絞り込み処理フラグ判定部
119 絞り込み検索部
121 回答用絞り込みタグ判定部
123 記憶部
10a CPU
10b RAM
10c ROM
10d 外部メモリ
10e 入力部
10f 出力部
10g 通信部
10h システムバス
20 ネットワーク
30 端末
501 質問文データテーブル
503 聞き返しメッセージテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C