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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024678
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】食器洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/50 20060101AFI20220202BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
A47L15/50
A47L15/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127399
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 友哉
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082FF01
3B082FF07
(57)【要約】
【課題】第2かごを洗浄槽から取り出して水切りかごとして使用しながら、第1かごのみで食器洗浄機を使用する場合に、載置できる食器類に制約が生じることなく使用可能となる利便性の高い食器洗浄機を提供する。
【解決手段】洗浄槽3に設けられた食器かごは、第1かご4aと、第1かご4aの上に載置可能に構成され、第1かご4aから取り外した状態では水切りかごとして機能する第2かご4bとを備える。第2かご4bは、食器類Wを立て掛ける第1食器支持部7を備える。第1食器支持部7は、第2かご4bに対して着脱自在に設けられていると共に、第1かご4aに対して着脱自在に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽に設けられた食器かごに食器類を載置して、食器類を洗浄する食器洗浄機において、
前記食器かごは、第1かごと、該第1かごの上に載置可能に構成され、該第1かごから取り外した状態では水切りかごとして機能する第2かごとを備え、
前記第2かごは、食器類を立て掛ける第1食器支持部を備え、
前記第1食器支持部は、前記第2かごに対して着脱自在に設けられていると共に、前記第1かごに対して着脱自在に構成されていることを特徴とする食器洗浄機。
【請求項2】
請求項1記載の食器洗浄機において、
前記食器かごは、前記洗浄槽の上部側に設けられた上かごと、前記洗浄槽の下部側に設けられた下かごとを備え、
前記上かごと前記下かごとの何れか一方のかごは前記第1かごと、前記第2かごと、前記第1食器支持部とを備え、他方のかごは食器類を立て掛ける第2食器支持部を備え、
前記第2食器支持部は、前記他方のかごに対して着脱自在に設けられていると共に、前記第1かごに対して着脱自在に構成されていることを特徴とする食器洗浄機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の食器洗浄機において、
前記第1食器支持部は、枠体と、該枠体から立設し、食器類を支える複数の支持ピンとを備えることを特徴とする食器洗浄機。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項記載の食器洗浄機において、
前記第1かごと第2かごとは、何れも線材により形成されており、
前記第1食器支持部は、前記第2かごの前記線材の一部に嵌合する嵌合部を備え、
前記第1かごは、前記第1食器支持部の嵌合部に対応する位置が前記第2かごと同一の形状とされていることを特徴とする食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食器洗浄機において、食器かごを洗浄槽からシンクに移動することを可能としたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記従来の食器洗浄機は、食器かごとして、洗浄槽の上部側に設けられた上かごと洗浄槽の下部側に設けられた下かごとを備えている。このうち、上かごは、洗浄槽から引き出し自在の第1かご(かご状のベース部)と、第1かご上に支持された第2かごとで構成されている。そして、第2かごは、第1かごから取り外してシンクに移動することができ、シンクに移動した第2かごは、水切りかごとして用いることができる。
【0004】
このように、食器洗浄機の食器かごのうち第2かごをシンクに取り付ける水切りかごとして使用できるようにしたことにより、汚れた食器(シンクで予洗いされた食器)をシンクで第2かごに収納し、第2かごをそのまま食器洗浄機に移動して洗浄することで、食器類を1つずつ食器洗浄機にセットする手間を削減することができるため、片付け作業の効率化および省力化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-100360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の食器洗浄機に設けられている第2かごには、食器類を立て掛けるための食器支持部が設けられている。食器支持部に食器類を立て掛けることにより、食器間に適度な間隔が形成され、洗浄槽内部で食器類に向かって噴射される洗浄液が各食器類に偏りなく当たるようになっている。
【0007】
しかし、第1かごは、第2かごを載置する都合上、食器類を立て掛ける構成を備える食器支持部を設けることができない。第1かごに食器類を立て掛けるための食器支持部を設けた場合には、第2かごを載置する際に第2かごが食器支持部に干渉して、第2かごを安定して支持することができない。
【0008】
このため、第2かごを洗浄槽から取り出して水切りかごとして使用しながら、第2かごを取り外した第1かご上に食器類を載置して洗浄槽での洗浄を行う場合、食器類を立て掛けることができず、載置できる食器類の形状や数量等に制約が生じてしまう不都合があった。
【0009】
上記の点に鑑み、本発明は、第2かごを洗浄槽から取り出して水切りかごとして使用しながら、第1かごのみで食器洗浄機を使用する場合に、載置できる食器類に制約が生じることなく使用可能となる利便性の高い食器洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明は、洗浄槽に設けられた食器かごに食器類を載置して、食器類を洗浄する食器洗浄機において、前記食器かごは、第1かごと、該第1かごの上に載置可能に構成され、該第1かごから取り外した状態では水切りかごとして機能する第2かごとを備え、前記第2かごは、食器類を立て掛ける第1食器支持部を備え、前記第1食器支持部は、前記第2かごに対して着脱自在に設けられていると共に、前記第1かごに対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0011】
第1食器支持部は、食器洗浄機で食器類を洗浄する際に、食器間に適度な間隔を形成することで食器類に向かって噴射される洗浄液が各食器類に偏りなく当たるようするためのものであるため、第2かごを水切りかごとして使用する場合には、第1食器支持部は不要となる場合がある。そのため、本発明によれば、洗浄槽の内部から取り出した第2かごを水切りかごとして使用する場合に、不要となる第1食器支持部を第2かごから取り外して第1かごに取り付けることができる。第1食器支持部を取り付けた第1かごには、食器類を立て掛けることができるので、第1かごに載置できる食器類の形状や数量の制約が減り、食器類の載置方法の自由度が増すことにより利便性が向上する。更に、食器間に適度な間隔を形成して載置できるため、第1かごのみで食器洗浄機の洗浄を行うときに効果的な洗浄を行うことができる。
【0012】
また、本発明において、前記食器かごは、前記洗浄槽の上部側に設けられた上かごと、前記洗浄槽の下部側に設けられた下かごとを備え、前記上かごと前記下かごとの何れか一方のかごは前記第1かごと、前記第2かごと、前記第1食器支持部とを備え、他方のかごは食器類を立て掛ける第2食器支持部を備え、前記第2食器支持部は、前記他方のかごに対して着脱自在に設けられていると共に、前記第1かごに対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、上かごと下かごとの何れか一方が、前記第1かご、前記第2かご、及び前記第1食器支持部を備えるとき、他方のかごに取り付けられている第2食器支持部は、当該他方のかごから取り外して上記一方の第1かごに取り付けることができる。これによれば、例えば、前記他方のかごに鍋などの大きな食器類を載置するために第2食器支持部が不要となったときは、第2食器支持部を第1かごに取付けて使用することができ、第1かごに載置する食器類の載置方法の自由度が更に増し、利便性が向上する。
【0014】
また、本発明において、前記第1食器支持部は、枠体と、該枠体から立設し、食器類を支える複数の支持ピンとを備えることを特徴とする。
【0015】
これによれば、枠体の操作のみで各支持ピンを一体的に第2かごや第1かごから着脱することができ、例えば複数の支持ピンを各別に着脱するような構造に比べて第1食器支持部の着脱作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、本発明において、前記第1かごと第2かごとは、何れも線材により形成されており、前記第1食器支持部は、前記第2かごの前記線材の一部に嵌合する嵌合部を備え、前記第1かごは、前記第1食器支持部の嵌合部に対応する位置が前記第2かごと同一の形状とされていることを特徴とする。
【0017】
これによれば、第1食器支持部の嵌合部が嵌合する部分の形状が、第2かごと第1かごとで共通であるので、第2かごから取り外した第1食器支持部を容易に第1かごに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による食器洗浄機を組み込んだシステムキッチンの要部を示す説明的正面図。
図2】本実施形態の食器洗浄機において食器類を載置した上かごと下かごの引き出し状態を示す斜視図。
図3】食器類が未載置の上かごと下かごを示す斜視図。
図4】第1かご及び第2かごの説明的斜視図。
図5】第2かご及び第2かごから取り外した第1食器支持部を示す説明的斜視図。
図6】水切りかごとして使用している第2かごを示す説明的平面図。
図7】第1食器支持部を取り付けた第1かごを示す説明的斜視図。
図8】第1食器支持部と第2食器支持部とを取り付けた第1かごを示す説明的斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る食器洗浄機1は、図1に示すように、システムキッチンAに組み込まれており、食器類の出し入れは、前面の扉2を開放することにより行われる、所謂フロントオープン式の食器洗浄機である。
【0020】
食器洗浄機1は、図2に扉2を開けた状態で示すように、内部に洗浄槽3を備えている。洗浄槽3の上部側には、上かご4が前方に引き出し自在に収容されている。洗浄槽3の下部側には、下かご5が前方に引き出し自在に収容されている。上かご4と下かご5とで本発明の食器かごを構成している。
【0021】
図3に示すように、上かご4は、第1かご4aと、第2かご4bとで構成されている。第1かご4aと第2かご4bとは何れも金属製線材によってかご状に形成されている。第1かご4aや第2かご4bと同様に、下かご5も金属製線材によってかご状に形成されている。
【0022】
これにより、洗浄中の洗浄槽3の内部で噴出する洗浄液を、上かご4(第1かご4a、第2かご4b)や下かご5に邪魔されることなく食器類Wに当てることができる。
【0023】
第1かご4aは、洗浄槽3の左右に設けられた一対の引き出しレール6に支持されている。引き出しレール6は、洗浄槽3の前後方向に伸縮自在に構成されている。
【0024】
第2かご4bは、第1かご4a上に載置されている。食器類Wは、第1かご4a上の第2かご4bに載置される。第2かご4b上の食器類Wは、第1かご4aに対して引き出し操作をすることにより前方に引き出され、取り出し可能に露出する。
【0025】
図4に示すように、第2かご4bは、第1かご4aから取り外し可能となっている。これにより、第1かご4aから第2かご4bを取り外した状態で、第2かご4bへの食器類Wの載置作業や、第2かご4bからの食器類Wの取り出し作業を行うことができる。
【0026】
また、第2かご4bは、複数の第1食器支持部7(本実施形態においては2つ)を備えている。図5に示すように、各第1食器支持部7は、第2かご4bから取り外し可能とされている。
【0027】
図4及び図5に示すように、第1食器支持部7は、合成樹脂により形成されており、枠体8と、枠体8の所定の位置に一体に設けられた複数の支持ピン9とを備えている。各支持ピン9は食器類Wを立て掛けることができるよう枠体8を基礎としてその上方に向かって突出して設けられている。
【0028】
第1食器支持部7を設けることにより、複数の支持ピン9に食器類Wを立て掛け支持することができ、更に、図2に示すように、互いに隣接する食器類の間隔を一定に保たれるので、洗浄液が各食器類Wに当たり易くなって効果的な洗浄が行える。
【0029】
また、図5に示すように、枠体8には、第2かご4bの底部を構成する線材に着脱自在に嵌合させることができる嵌合部10が形成されている。
【0030】
ところで、第1かご4aから取り外した第2かご4bは、図6に示すように、シンクBに取り付けて水切りかごとして使用することができる。このとき、第1かご4aは、その上縁から水平方向に張り出す掛止部4b1,4b2を、シンクBの周縁に掛止させることで、シンクB上に支持される。
【0031】
そして、水切りかごとして使用し終えた第2かご4bは、第1かご4a上に戻せば(図3参照)、シンクBを広く使用することができる。第1かご4a上の第2かご4bは、食器類と共に洗浄槽3で洗浄されるので清潔に保つことができる。
【0032】
そして更に、図7に示すように、第2かご4bから取り外した各第1食器支持部7は、第1かご4aにも取り付けることが可能とされている。このとき、各第1食器支持部7の複数の支持ピン9は枠体8と一体に設けられているため、枠体8に対する着脱操作のみで、複数の支持ピン9の着脱を同時に行うことができる。
【0033】
第1食器支持部7の嵌合部10は、枠体8の下側の複数箇所(本実施形態においては前後部位の2箇所)に設けられている。第2かご4bの底部を構成する線材は、各第1食器支持部7の嵌合部10の位置に合致する間隔寸法となるように設けられている。一方、第1かご4aの底部を構成している線材の一部も、第2かご4bと同一の間隔寸法とされている。これにより、第2かご4bから取り外した第1食器支持部7を第1かご4aにも支障なく取り付けることができる。
【0034】
即ち、第2かご4bを水切りかごとして使用する場合、第1食器支持部7は不要となる場合がある。この場合、不要となった第1食器支持部7を第1かご4aに取付ければよい。こうすることで、第2かご4bを水切りとして使用しながら、第1かご4aに食器類を載置して食器洗浄機1による洗浄を行うような使用方法をしたときにも、第1かご4aに載置できる食器類の形状や数量に制約が生じることなく使用可能となる。
【0035】
更に、第1食器支持部7により食器間に適度な間隔を形成して第1かご4aに載置できるため、第1かご4aのみで食器洗浄機1による洗浄を行うときに、洗浄液が各食器類Wに当たり易くなって効果的な洗浄を行うことができる。
【0036】
また、図3に示すように、下かご5は、複数の第2食器支持部11(本実施形態においては2つ)を備えている。各第2食器支持部11は、下かご5からの取り外しが可能とされている。
【0037】
第2食器支持部11は、第1食器支持部7と同様に、枠体12と、複数の支持ピン13とを備えて、合成樹脂により形成されている。各支持ピン13は、枠体8から上方に向かって突出して設けられている。各支持ピン13により、食器類Wを立て掛けることができるようになっている。
【0038】
枠体12には、下かごの底部を構成する線材に着脱自在に嵌合させることができる嵌合部14が形成されている。嵌合部14の嵌合を解除することで、第2食器支持部11は下かご5から取り外すことができるだけでなく、第1かご4aに取り付けることが可能とされている。
【0039】
下かご5が第2食器支持部11を備えていることにより、食器類Wを立て掛けて支持することができるが、下かご5に比較的大きな形状の鍋や食器を載置して洗浄する場合には、下かご5に設けられている第2食器支持部11を使用されないことがある。
【0040】
この場合には、第2食器支持部11を下かご5から取り外し、図8に示すように、第2かご4bを水切りかごとして使用しているときの、第1かご4aに取り付けることができる。これによれば、第1かご4aに、より多くの食器類を立て掛けて洗浄することが可能となるので、一層効率よく食器類Wの洗浄を行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態においては、フロントオープン式の食器洗浄機1について説明したが、これに限るものではなく、本発明は、洗浄槽を前方に引き出す引き出し式や、卓上式の食器洗浄機にも好適に適用することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、上かご4や下かご5を金属線材によって形成されたものを示したが、金属線材に限るものではなく、上かご4と下かご5との一方または両方が、金属以外の線材(線材を模した網形状も含む)として樹脂によって形成されていてもよい。
【0043】
また、図示しないが、第1食器支持部や第2食器支持部は夫々1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、上かご4と下かご5とのうち、上かご4が第1かご4aと第2かご4bと第1食器支持部7とを備えるものを示したが、これに限らない。例えば、図示しないが、下かごが第1かごと第2かごと第1食器支持部とを備えていてもよい。この場合には、上かごに第2食器支持部を設けることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、上かご4と下かご5とで上下2つのかごを備えるものを示したが、この構成以外に、洗浄槽内に設けた1つの食器かごが、第1かごと第2かごとを備えて構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
W…食器類、1…食器洗浄機、3…洗浄槽、4…上かご、4a…第1かご、4b…第2かご、5…下かご、7…第1食器支持部、8…枠体、9…支持ピン、10…嵌合部、11…第2食器支持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8