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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024754
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】発光部の故障検出システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127531
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】寺中 雄哉
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS06
3C707DS01
3C707ES03
3C707KS37
3C707KV04
3C707MS14
3C707MS15
3C707MT04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発光部が設けられる基板と発光部を流れる電流が流れ込む基板とを接続する配線の本数を増やすことなく、しかも素子の特性ばらつきに影響されずに発光部の故障を検出することができる発光部の故障検出システムを提供する。
【解決手段】ロボットは、LED基板17と、LED基板17と電気配線21を介して接続されたLED駆動基板19とを備える。LED基板17には、いずれかのLED16に故障が生じたことに基づき故障時電流を生成する電流生成回路41,42が設けられ、故障時電流は複数のLED16を流れる電流とともにLED基板17からLED駆動基板19に流れ込む。LED駆動基板19に流れ込む電流は電流検出部36により検出され、制御部40は、検出された電流値が複数のLED16の正常時にLED駆動基板19に流れ込む最大電流よりも大きい閾値よりも大きい場合に、複数のLED16のいずれかに故障が生じたことを検出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに並列に接続された複数の発光部と、
前記複数の発光部が設けられた第1基板と、
前記第1基板と電気配線を介して接続された第2基板とを備え、
前記第2基板には、前記複数の発光部を流れる電流が前記第1基板から前記電気配線を通じて流れ込むロボットシステム、に適用される発光部の故障検出システムであって、
前記第1基板には、いずれかの前記発光部に故障が生じたことに基づき故障時電流を生成する電流生成部が設けられ、
前記電流生成部により生成された前記故障時電流は、前記第1基板から前記電気配線を通じて前記第2基板に流れ込むようになっており、
前記電流生成部は、いずれかの前記発光部の故障時に前記第1基板から前記第2基板に流れ込む電流が、前記複数の発光部の正常時に前記第2基板に流れ込む最大の電流として想定される最大電流よりも大きくなるよう前記故障時電流を生成するものであり、
前記第2基板には、前記第1基板から前記電気配線を通じて流れ込む電流を検出する電流検出部が設けられ、
前記電流検出部により検出された電流値が前記最大電流よりも大きく設定された所定の閾値よりも大きい場合に、前記複数の発光部のいずれかに故障が生じたことを検出する故障検出部を備えることを特徴とする発光部の故障検出システム。
【請求項2】
前記電流生成部として、前記発光部にショート故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第1電流生成部と、前記発光部にオープン故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第2電流生成部とを備え、
前記故障検出部は、前記電流検出部により検出された電流値が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記各発光部のいずれかにショート故障及びオープン故障のいずれかが生じたと検出する請求項1に記載の発光部の故障検出システム。
【請求項3】
前記第2電流生成部により生成される前記故障時電流は、前記第1電流生成部により生成される前記故障時電流よりも大きい請求項2に記載の発光部の故障検出システム。
【請求項4】
前記複数の発光部には、それぞれ抵抗が直列に接続され、
前記複数の発光部を流れる電流は、それぞれ前記電気配線を通じて前記第2基板に流れ込むようになっており、
前記電流生成部は、前記発光部と前記抵抗との中間点の電圧が当該発光部が故障した場合の電圧である故障時電圧になったことに基づき、前記故障時電流を生成する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光部の故障検出システム。
【請求項5】
前記電流生成部は、前記電気配線に並列に接続されるとともに共通の所定電圧が印加される第1電気経路と第2電気経路とを備え、前記中間点の電圧が前記故障時電圧になったことに基づいて、前記第1電気経路を開状態とし且つ前記第2電気経路を閉状態とすることで、前記第2電気経路に前記故障時電流を流して当該故障時電流を生成するものである請求項4に記載の発光部の故障検出システム。
【請求項6】
前記電流生成部として、前記発光部にショート故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第1電流生成部と、前記発光部にオープン故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第2電流生成部とを備え、
前記故障時電圧として、ショート故障が発生した場合の第1故障時電圧と、オープン故障が発生した場合の第2故障時電圧とが定められており、
前記第1電流生成部の前記第1電気経路は、前記第1故障時電圧が印加されることに基づき、当該第1電気経路を開状態とするスイッチング手段を含み、
前記第2電流生成部の前記第1電気経路は、前記第2故障時電圧が印加されることに基づき、当該第1電気経路を開状態とするスイッチング手段を含む請求項5に記載の発光部の故障検出システム。
【請求項7】
前記電流生成部として、前記発光部にショート故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第1電流生成部と、前記発光部にオープン故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第2電流生成部とを備え、
前記第2電流生成部の前記第2電気経路に含まれる抵抗の抵抗値が、前記第1電流生成部の前記第2電気経路に含まれる抵抗の抵抗値よりも小さくされていることで、前記第2電流生成部により生成される前記故障時電流は、前記第1電流生成部により生成される前記故障時電流よりも大きくされている請求項5又は6に記載の発光部の故障検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光部を備えるロボットシステムに適用される発光部の故障検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロボットの動作状態をLED(発光部)により表示することで、作業者にロボットに近づいても問題がないかどうか知らせることが行われている。こうした状態表示用のLEDはLED用の基板(以下、LED基板という)に実装されて設けられる。
【0003】
状態表示用のLEDは故障に備えて複数設けられることがある。この場合、これらのLEDは並列接続され、LED駆動回路により共通に駆動される。LED駆動回路は駆動回路用の基板(以下、LED駆動基板という)に実装され、LED基板と電気配線を介して接続される。
【0004】
ここで、LEDを複数備える構成であっても、いずれか1つのLEDに故障が生じた時点で故障の検出を行い、それを作業者に知らせるようにするのが望ましい。かかる故障の検出方法としては、例えば各LEDに故障検出用の配線を取り付ける方法が考えられる。この場合、故障検出用の配線を介して各LEDの故障をそれぞれ検出することが可能となる。
【0005】
なお、特許文献1には、照明を流れる電流を検出し、その検出した電流値に基づき照明の故障を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-87366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、各LEDに故障検出用の配線を取り付ける上述の方法では、配線の本数がLEDの個数分だけ増えることになるため、それらの配線がつながる基板やコネクタを変更する必要が生じると考えられる。特に故障検出用の配線を後付けする場合には、基板の変更の影響が大きく、配線の増加は望ましくない。
【0008】
そこで、各LEDを流れる電流をLED駆動基板において検出し、その検出した電流値に基づきいずれかのLEDに故障が生じたか否かを検出することが考えられる。すなわち、各LEDを流れる電流は電気配線を介してLED基板からLED駆動基板に流れ込む。そのため、いずれかのLEDに故障が発生し、当該LEDを流れる電流が変化した場合には、LED駆動基板に流れ込む電流も変化すると考えられる。そのため、LED駆動基板に流れ込む電流を検出すれば、その検出した電流値に基づきいずれかのLEDに故障が生じたことを検出することが可能となる。
【0009】
しかしながら、LEDや、LEDと直列接続される抵抗等の素子の特性にはばらつきがあるため、各LEDの正常時にLED駆動基板に流れ込む電流にもある程度のばらつきがあることが想定される。そのため、各LEDの正常時にLED駆動基板に流れ込む電流値と、いずれかのLEDに故障が生じた際にLED駆動基板に流れ込む電流値とを切り分ける閾値の設定が難しいと考えられ、その結果、LEDの故障を上手く検出することができない場合が想定される。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発光部が設けられる基板と発光部を流れる電流が流れ込む基板とを接続する配線の本数を増やすことなく、しかも素子の特性ばらつきに影響されずに発光部の故障を検出することができる発光部の故障検出システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、第1の発明は、互いに並列に接続された複数の発光部と、前記複数の発光部が設けられた第1基板と、前記第1基板と電気配線を介して接続された第2基板とを備え、前記第2基板には、前記複数の発光部を流れる電流が前記第1基板から前記電気配線を通じて流れ込むロボットシステム、に適用される発光部の故障検出システムであって、前記第1基板には、いずれかの前記発光部に故障が生じたことに基づき故障時電流を生成する電流生成部が設けられ、前記電流生成部により生成された前記故障時電流は、前記第1基板から前記電気配線を通じて前記第2基板に流れ込むようになっており、前記電流生成部は、いずれかの前記発光部の故障時に前記第1基板から前記第2基板に流れ込む電流が、前記複数の発光部の正常時に前記第2基板に流れ込む最大の電流として想定される最大電流よりも大きくなるよう前記故障時電流を生成するものであり、前記第2基板には、前記第1基板から前記電気配線を通じて流れ込む電流を検出する電流検出部が設けられ、前記電流検出部により検出された電流値が前記最大電流よりも大きく設定された所定の閾値よりも大きい場合に、前記複数の発光部のいずれかに故障が生じたことを検出する故障検出部を備えることを特徴とする。
【0012】
第1の発明によれば、複数の発光部が互いに並列に接続され、それら複数の発光部を流れる電流が第1基板から電気配線を通じて第2基板に流れ込む。第1基板には電流生成部が設けられ、いずれかの発光部に故障が生じた場合、それに基づき当該電流生成部により故障時電流が生成される。故障時電流は第1基板から電気配線を通じて第2基板に流れ込む。そのため、発光部の故障発生時には、複数の発光部を流れる電流に加え、故障時電流が第1基板から第2基板に流れ込む。
【0013】
また、故障時電流は、いずれかの発光部の故障時に第1基板から第2基板に流れ込む電流が複数の発光部の正常時に第2基板に流れ込む最大電流よりも大きくなるように生成される。複数の発光部の正常時に第2基板に流れ込む電流は素子の特性ばらつきによりある程度ばらつくものであるが、このようにすることで、そのばらつきにかかわらず、いずれかの発光部の故障時には複数の発光部の正常時よりも第2基板に流れ込む電流を大きくすることができる。
【0014】
第2基板に流れ込む電流は電流検出部により検出される。そして、その検出された電流値が上記最大電流よりも大きく設定された所定の閾値よりも大きい場合に複数の発光部のいずれかに故障が生じたことが検出される。この場合、素子の特性ばらつきにかかわらず発光部の故障を検出することができる。また、このような故障検出の方法では、発光部ごとに故障検出用の配線を設ける必要がない。そのため、第1基板と第2基板とを接続する配線の本数が増えることなく、発光部の故障を検出することが可能となる。
【0015】
なお、「複数の発光部が設けられた第1基板」とは、「複数の発光部が設けられた1つの第1基板」だけでなく、「複数の発光部が設けられた複数の第1基板」を含む意味である。つまり、複数の発光部は1つの第1基板に集約して設けられていてもよいし、複数の第1基板に分散して設けられていてもよい。
【0016】
第2の発明は、前記電流生成部として、前記発光部にショート故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第1電流生成部と、前記発光部にオープン故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第2電流生成部とを備え、前記故障検出部は、前記電流検出部により検出された電流値が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記各発光部のいずれかにショート故障及びオープン故障のいずれかが生じたと検出することを特徴とする。
【0017】
第2の発明によれば、いずれかの発光部にショート故障及びオープン故障のいずれが発生した場合にも故障検出を行うことができる。
【0018】
第3の発明は、前記第2電流生成部により生成される前記故障時電流は前記第1電流生成部により生成される前記故障時電流よりも大きいことを特徴とする。
【0019】
発光部にショート故障が生じた場合にはその発光部を流れる電流が正常時よりも大きくなるのに対し、発光部にオープン故障が生じた場合にはその発光部を電流が流れなくなる。そのため、オープン故障時には大きな故障時電流を生成する必要があるのに対し、ショート故障時にはそれほど大きな故障時電流を生成する必要がない。そこで、第3の発明では、こうした点に鑑み、オープン故障時に第2電流生成部により生成される故障時電流をショート故障時に第1電流生成部により生成される故障時電流よりも大きくしている。この場合、ショート故障時及びオープン故障時のそれぞれにおいて生成される故障時電流を適正な大きさとすることができる。例えば、ショート故障時の故障時電流をオープン故障時の故障時電流と同じ大きさとした場合、ショート故障時の故障時電流が無駄に大きくなることになるが、上記の構成とすればこうした無駄が生じるのを回避することが可能となる。
【0020】
第4の発明は、前記複数の発光部には、それぞれ抵抗が直列に接続され、前記複数の発光部を流れる電流は、それぞれ前記電気配線を通じて前記第2基板に流れ込むようになっており、前記電流生成部は、前記発光部と前記抵抗との中間点の電圧が当該発光部が故障した場合の電圧である故障時電圧になったことに基づき、前記故障時電流を生成することを特徴とする。
【0021】
第4の発明では、複数の発光部にそれぞれ抵抗が直列に接続されている。かかる構成では、発光部にショート故障やオープン故障等の故障が生じた際、発光部と抵抗との中間点の電圧が変化する。そこで、第4の発明では、この点に着目し、上記中間点の電圧が、発光部が故障した場合の故障時電圧になったことに基づき、故障時電流を生成するようにしている。これにより、発光部が故障したタイミングで故障時電流を具体的に生成することが可能となる。
【0022】
第5の発明は、前記電流生成部は、前記電気配線に並列に接続されるとともに共通の所定電圧が印加される第1電気経路と第2電気経路とを備え、前記中間点の電圧が前記故障時電圧になったことに基づいて、前記第1電気経路を開状態とし且つ前記第2電気経路を閉状態とすることで、前記第2電気経路に前記故障時電流を流して当該故障時電流を生成するものであることを特徴とする。
【0023】
第5の発明によれば、電流生成部が、電気配線に並列に接続され、共通の所定電圧が印加される第1電気経路と第2電気経路とを備える。そして、発光部と抵抗との中間点の電圧が故障時電圧になったことに基づき、第1電気経路が開状態とされ且つ第2電気経路が閉状態とされ、それにより第2電気経路に故障時電流が流れ当該故障時電流が生成される。この場合、電流の流れる経路を切り替えることで故障時電流を生成することができる。
【0024】
第6の発明は、前記電流生成部として、前記発光部にショート故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第1電流生成部と、前記発光部にオープン故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第2電流生成部とを備え、前記故障時電圧として、ショート故障が発生した場合の第1故障時電圧と、オープン故障が発生した場合の第2故障時電圧とが定められており、前記第1電流生成部の前記第1電気経路は、前記第1故障時電圧が印加されることに基づき、当該第1電気経路を開状態とするスイッチング手段を含み、前記第2電流生成部の前記第1電気経路は、前記第2故障時電圧が印加されることに基づき、当該第1電気経路を開状態とするスイッチング手段を含むことを特徴とする。
【0025】
発光部の故障時電圧は当該発光部がショート故障した場合とオープン故障した場合とで異なる電圧となる。そこで、発光部がショート故障した場合の故障時電圧を第1故障時電圧、オープン故障した場合の故障時電圧を第2故障時電圧とした場合、第6の発明では、第1電流生成部においては、第1故障時電圧が印加されることに基づき第1電気経路を開状態とするスイッチング手段を設け、第2電流生成部においては、第2故障時電圧が印加されることに基づき第1電気経路を開状態とするスイッチング手段を設けるようにした。これにより、ショート故障が生じた場合には、それに基づきスイッチング手段により第1電流生成部の第1電気経路が開状態とされ且つ第2電気経路が閉状態とされる。そのため、この場合には、第2電気経路に故障時電流が流れ、当該故障時電流が生成される。また、オープン故障が生じた場合には、それに基づき、スイッチング手段により第2電流生成部の第1電気経路が開状態とされ且つ第2電気経路が閉状態とされる。そのため、この場合には、第2電気経路に故障時電流が流れ、当該故障時電流が生成される。このような構成によれば、スイッチング手段を用いて上記第2の発明を具体的に実現することが可能となる。
【0026】
第7の発明は、前記電流生成部として、前記発光部にショート故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第1電流生成部と、前記発光部にオープン故障が生じたことに基づき前記故障時電流を生成する第2電流生成部とを備え、前記第2電流生成部の前記第2電気経路に含まれる抵抗の抵抗値が、前記第1電流生成部の前記第2電気経路に含まれる抵抗の抵抗値よりも小さくされていることで、前記第2電流生成部により生成される前記故障時電流は、前記第1電流生成部により生成される前記故障時電流よりも大きくされていることを特徴とする。
【0027】
第7の発明によれば、第2電流生成部の第2電気経路に含まれる抵抗の抵抗値が第1電流生成部の第2電気経路に含まれる抵抗の抵抗値よりも小さくされていることで、第2電流生成部により生成される故障時電流が第1電流生成部により生成される故障時電流よりも大きくされている。この場合、各抵抗の抵抗値を調整するという簡単な手法で、第2電流生成部により生成される故障時電流を第1電流生成部により生成される故障時電流よりも大きくすることができる。これにより、上記第3の発明を具体的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ロボットの概要を示す斜視図。
図2】LED装置を示す斜視図。
図3】LED装置の電気的構成を示す図。
図4】比較例のLED駆動基板の電気経路に流れ込む電流値を示す図。
図5】LED駆動基板の電気経路に流れ込む電流値を示す図。
図6】LED基板に設けられた回路を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るロボットは、例えば産業用ロボットとして機械組立工場などの組立システムや人と一緒に作業を行う協働空間にて用いられる。
【0030】
まず図1に基づき、ロボットの概要について説明する。図1はロボットの概要を示す斜視図である。
【0031】
図1に示すように、ロボット10は、所定の設置場所に設置されるベース11と、そのベース11により動作可能に支持されたアーム12とを備える。アーム12は、ベース11の上部に連結され、サーボモータ(図示略)の駆動により動作されるようになっている。また、アーム12の先端部には、物品を把持するハンド部13が設けられている。
【0032】
ベース11及びアーム12の下部の内部には、発光部としてのLED16(発光ダイオード)を備えるLED装置15が設けられている。以下、LED装置15について図2に基づき説明する。図2は、LED装置15を示す斜視図である。なお、図2では便宜上、ロボット10を二点鎖線で示している。
【0033】
図2に示すように、LED装置15は、複数のLED16と、それら各LED16が設けられた複数のLED基板17と、各LED16を駆動する駆動回路18(図3参照)が設けられたLED駆動基板19とを備える。本実施形態では、LED16が4つ設けられ、LED基板17が2つ設けられている。そして、各LED基板17にそれぞれ2つのLED16が実装されている。なお、各LED基板17が第1基板に相当し、LED駆動基板19が第2基板に相当する。
【0034】
各LED基板17はそれぞれ電気配線21を介してLED駆動基板19と接続されている。各電気配線21には、その両端部にコネクタ22a,23aが設けられている。コネクタ22aはLED基板17に設けられたコネクタ22bと接続され、コネクタ23aはLED駆動基板19に設けられたコネクタ23bと接続されている。これにより、電気配線21は、各コネクタ22a,22bを介してLED基板17と接続され、各コネクタ23a,23bを介してLED駆動基板19と接続されている。
【0035】
LED16は、発光することにより作業者にロボット10の動作状態を表示するものである。LED16は、ロボット10の動作状態に応じて点灯や点滅等、異なる発光態様で発光するようになっている。これにより、作業者はLED16の発光態様に基づき、ロボット10の動作状態を確認することが可能となっている。
【0036】
ベース11とアーム12との境界部の外周部には、各LDE16から発せられる光を透過する窓部25(図1参照)が設けられている。窓部25は、ベース11の外周方向に延びる環状に形成され、光拡散性を有している。各LED16から発せられる光は窓部25を透過する際に拡散され、その拡散された光により窓部25全体がリング状に光るようになっている。
【0037】
続いて、LED装置15の電気的構成について図3に基づき説明する。図3は、LED装置15の電気的構成を示す図である。
【0038】
まず、LED基板17に設けられた回路の構成について説明する。本実施形態では、各LED基板17の回路構成がいずれも同じ構成となっている。LED基板17には、電源端子31に接続された複数の電気経路L1,L2が設けられている。電源端子31は、図示しない定電圧電源と接続され、その定電圧電源の電源電圧(例えば5V)が印加されている。
【0039】
各電気経路L1,L2は並列に配置され、電源端子31と電気配線21とを互いに接続している。各電気経路L1,L2にはそれぞれ抵抗32とLED16とが設けられている。抵抗32とLED16とは直列に接続され、抵抗32がLED16よりも電源端子31側に配置されている。抵抗32は、LED16に流れる電流を制限する制限抵抗とされている。また、LED16は、アノード側が抵抗32を介して電源端子31に接続される向きで設けられている。
【0040】
各LED基板17の電気経路L1,L2、すなわち4つの電気経路L1,L2は互いに並列に配置されている。そして、それら各電気経路L1,L2にそれぞれLED16が配置されている。したがって、4つの各LED16は互いに並列に接続されている。また、各電気経路L1,L2における抵抗32は同一種類(同一仕様)の抵抗であり、その抵抗値の公称値はいずれも同じ大きさとされている。各電気経路L1,L2におけるLED16は同一種類(同一仕様)のLEDであり、その順方向電圧Vfの公称値はいずれも同じ大きさとされている。
【0041】
続いて、LED駆動基板19に設けられた回路の構成について説明する。
【0042】
LED駆動基板19には、各LED基板17の電気配線21と接続された電気経路L3が設けられている。電気経路L3は、各電気配線21を介して各LED基板17の電気経路L1,L2とそれぞれ接続されている。また、電気経路L3は電気配線21との接続側とは反対側においてグランドに接続されている。
【0043】
電気経路L3には、各LED16を駆動する駆動回路18を構成するスイッチング素子35が設けられている。スイッチング素子35は、例えばNチャネル型のMOSFETからなる。スイッチング素子35がオンされると、各LED基板17の電源端子31より各電気経路L1,L2に電流が流れ、それにより電気経路L1,L2上の各LED16が発光する。各LED基板17にて各電気経路L1,L2を流れる電流はそれぞれ電気配線21を通じてLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。
【0044】
電気経路L3には、電流検出部36が設けられている。電流検出部36は、例えば周知の電流センサからなる。電流検出部36は、電気経路L3を流れる電流を検出するものであり、つまりは各LED基板17の電気経路L1,L2から電気配線21を通じて電気経路L3に流れ込む電流を検出するものである。これにより、各LED16を流れる電流が電流検出部36により検出されるようになっている。
【0045】
スイッチング素子35は、制御部40によってオンオフ(開閉)駆動される。制御部40は、CPUやROM等を有するマイクロコンピュータである。制御部40は、ロボット10の動作状態に基づきスイッチング素子35をオンオフ駆動することで、各LED16を発光制御する。また、制御部40には、電流検出部36からの検出結果が逐次入力される。制御部40は、電流検出部36により検出される電流値に基づき、各LED16のうちいずれかに故障が発生したことを検出する。
【0046】
続いて、LED16に故障が生じたことを検出するための構成について説明する。
【0047】
LED16の故障には、ショート故障(短絡故障)とオープン故障(断線故障)とがある。上述した構成において、各LED16のうちいずれかのLED16にショート故障が生じた場合、そのLED16が設けられた電気経路L1(又はL2)では、当該電気経路を流れる電流が当該LED16の正常時に流れる電流よりも大きくなる。そのため、この場合には、各LED基板17の電気経路L1,L2から電気配線21を通じてLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む電流(詳しくは電流の総和)が、各LED16の正常時よりも大きくなると考えられる。
【0048】
一方、各LED16のうちいずれかのLED16にオープン故障が生じると、そのLED16が設けられた電気経路L1(又はL2)では電流が流れなくなる。そのため、この場合には、各LED基板17の電気経路L1,L2から電気配線21を通じてLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む電流(詳しくは電流の総和)が、各LED16の正常時よりも小さくなると考えられる。
【0049】
このため、各LED基板17の電気経路L1,L2からLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む電流を電流検出部36により検出するようにすれば、その検出した電流値に基づき各LED16のうちいずれかにショート故障又はオープン故障が生じたことを検出することが可能であると考えられる。
【0050】
しかしながら、LED16の順方向電圧Vfの実際値の大きさや抵抗32の抵抗値の実際値の大きさにはある程度のばらつきがあるため、各LED16の正常時に各LED基板17の電気経路L1,L2からLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む電流にはある程度のばらつきがあることが想定される。そのため、図4の比較例に示すように、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流値の範囲といずれかのLED16のショート故障時に電気経路L3に流れ込む電流値の範囲とが一部重複したり、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流値の範囲といずれかのLED16のオープン故障時に電気経路L3に流れ込む電流値の範囲とが一部重複したりすることが想定される。そうなると、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流値とLED16のショート故障時に電気経路L3に流れ込む電流値とを切り分ける閾値の設定が困難となり、また同様に、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流値とLED16のオープン故障時に電気経路L3に流れ込む電流値とを切り分ける閾値の設定が困難になると考えられる。したがって、単に、電気経路L3に流れ込む電流値を検出し、その検出した電流値に基づきLED16のショート故障又はオープン故障を検出するのは困難であると考えられる。
【0051】
そこで、本LED装置15には、こうした点に鑑み、LED16や抵抗32の特性ばらつきに影響されることなく、LED16にショート故障又はオープン故障が生じたことを検出するための構成が設けられている。以下では、その構成について説明する。
【0052】
各LED基板17には、第1電流生成回路41と第2電流生成回路42とがそれぞれ設けられている。第1電流生成回路41は、当該回路41と同じLED基板17に設けられた各LED16のうちいずれかのLED16にショート故障が生じた場合にショート故障時電流isを生成する回路である。第1電流生成回路41により生成されたショート故障時電流isは電気配線21を通じてLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。したがって、各LED16のうちいずれかのLED16にショート故障が生じた場合には、各LED16を流れる電流に加え、ショート故障時電流isが電気経路L3に流れ込む。
【0053】
LED装置15における各LED16(換言するとすべてのLED16)の正常時に各LED基板17から電気経路L3に流れ込む最大の電流である最大電流i(max)を想定した場合、ショート故障時電流isは、LED16のショート故障時に各LED基板17からLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む電流が上記最大電流i(max)よりも大きくなるように、その大きさが設定されている。そのため、図5に示すように、いずれかのLED16にショート故障が生じた場合に電気経路L3に流れ込む電流は各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流よりも大きくなる。詳しくは、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流にはばらつきがあるが、そのばらつきにかかわらず、いずれかのLED16のショート故障時には各LED16の正常時よりも電気経路L3に流れ込む電流が大きくなる。
【0054】
第2電流生成回路42は、当該回路42と同じLED基板17に設けられた各LED16のうちいずれかのLED16にオープン故障が生じた場合にオープン故障時電流ioを生成する回路である。第2電流生成回路42により生成されたオープン故障時電流ioは電気配線21を通じてLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。したがって、各LED16のうちいずれかのLED16にオープン故障が生じた場合には、それ以外の各LED16を流れる電流に加え、オープン故障時電流ioが電気経路L3に流れ込む。
【0055】
オープン故障時電流ioは、LED16のオープン故障時に各LED基板17からLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む電流が各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む最大電流i(max)よりも大きくなるように、その大きさが設定されている。そのため、図5に示すように、いずれかのLED16にオープン故障が生じた場合に電気経路L3に流れ込む電流は各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流よりも大きくなる。すなわち、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流のばらつきにかかわらず、いずれかのLED16にオープン故障が生じた場合には各LED16の正常時よりも電気経路L3に流れ込む電流が大きくなる。
【0056】
また、オープン故障時電流ioはショート故障時電流isよりも大きい電流とされている(io>is)。詳しくは、オープン故障時電流ioは、いずれかのLED16にオープン故障が生じた場合に電気経路L3に流れ込む電流が、いずれかのLED16にショート故障が生じた場合に電気経路L3に流れ込む電流と略同じ大きさとなるように、その大きさが設定されている。
【0057】
上記のように、いずれかのLED16にショート故障又はオープン故障が生じた場合に各LED基板17から電気経路L3に流れ込む電流は、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む最大電流i(max)よりも大きくなっている。そのため、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む電流値と、いずれかのLED16の故障時(ショート故障時又はオープン故障時)に電気経路L3に流れ込む電流値とを切り分ける閾値αの設定が可能となっている。この閾値αは、図5に示すように、各LED16の正常時に電気経路L3に流れ込む最大電流i(max)よりも大きい値に設定され、詳しくは最大電流i(max)と、LED16の故障時に電気経路L3に流れ込む最小の電流として想定される最小電流との間の値に設定されている。
【0058】
本LED装置15では、制御部40が、上記の閾値αに基づいてLED16の故障検出を行う。制御部40は、電流検出部36により検出された電流値が閾値αよりも大きい場合に各LED16のうちいずれかに故障が生じたと検出する。したがって、制御部40が故障検出部に相当する。また、制御部40は、LED16の故障を検出した場合、報知部38に故障が生じたことを報知させる報知処理を行う。報知部38は、例えばブザー音等の音声により故障の報知を行うスピーカからなる。これにより、いずれかのLED16が故障した時点で作業者は故障があったことを知ることができる。
【0059】
続いて、第1電流生成回路41及び第2電流生成回路42の構成について図6を用いて説明する。図6は、LED基板17に設けられた回路を示す回路図である。なお、以下の説明では、LED基板17に設けられた各LED16のうち一方をLED16A、他方をLED16Bともいう。
【0060】
まず、第1電流生成回路41について説明する。
【0061】
図6に示すように、第1電流生成回路41は、電源端子44に接続された電気経路L4を備える。電気経路L4は、各電気経路L1,L2と並列に設けられ、電源端子44と電気配線21とを互いに接続している。また、電源端子44は、上述した電源端子31と共通の定電圧電源(5V電源)に接続されている。
【0062】
電気経路L4には、抵抗45とダイオード46とが設けられている。抵抗45とダイオード46とは直列に接続され、抵抗45がダイオード46よりも電源端子44側に配置されている。抵抗45は、その抵抗値が電気経路L1,L2の抵抗32よりも小さくされ、例えば100Ωに設定されている。また、ダイオード46は、アノード側が抵抗45を介して電源端子44に接続されている。
【0063】
電気経路L4においてダイオード46のカソード側には、2つのスイッチング素子48A,48Bが接続されている。これらのスイッチング素子48A,48BはNPN型のバイポーラトランジスタであり、互いに並列に接続されている。各スイッチング素子48A,48Bは、コレクタがダイオード46のカソードに接続され、エミッタが電気配線21に接続されている。この場合、電気経路L4には、スイッチング素子48Aを経由する電気経路L4(a)と、スイッチング素子48Bを経由する電気経路L4(b)とが含まれている。
【0064】
第1電流生成回路41は、電源端子51Aに接続された電気経路L5(a)と、電源端子51Bに接続された電気経路L5(b)とを備える。電気経路L5(a)は電気経路L4(a)と並列に設けられている。この場合、電気経路L5(a)が第1電気経路に相当し、電気経路L4(a)が第2電気経路に相当する。また、電気経路L5(b)は電気経路L4(b)と並列に設けられている。この場合、電気経路L5(b)が第1電気経路に相当し、電気経路L4(b)が第2電気経路に相当する。これら各電気経路L5(a),L5(b)はそれぞれ電源端子51A,51Bと電気配線21とを互いに接続している。
【0065】
電源端子51A,51Bは、上述した各電源端子31,44と共通の定電圧電源(5V電源)に接続されている。したがって、互いに並列配置された各電気経路L4(a),L5(a)には共通の定電圧(5V)が印加され、互いに並列配置された各電気経路L4(b),L5(b)には共通の定電圧(5V)が印加されている。
【0066】
電気経路L5(a)には抵抗52Aとスイッチング素子55Aとが設けられ、電気経路L5(b)には抵抗52Bとスイッチング素子55Bとが設けられている。抵抗52A,52Bとスイッチング素子55A,55Bとは直列に接続され、抵抗52A,52Bがスイッチング素子55A,55Bよりも電源端子51A,51B側に配置されている。抵抗52A,52Bは、その抵抗値が抵抗32よりも十分に大きな値とされており、例えば1.1kΩに設定されている。
【0067】
各スイッチング素子55A,55Bは、Nチャネル型のMOSFETである。各スイッチング素子55A,55Bは、ドレインが抵抗52A,52Bに接続され、ソースが電気配線21に接続されている。この場合、スイッチング素子55A,55Bのソースは電気配線21を介してLED駆動基板19の電気経路L3に接続され、ひいては電気配線21及び電気経路L3を介してグランドに接続されている。また、スイッチング素子55A,55Bと抵抗52A,52Bとの間にはスイッチング素子48A,48Bのベースが接続されている。
【0068】
スイッチング素子55Aのゲートは電気経路L1における抵抗32とLED16Aとの間の中間点N1に接続されている。これにより、スイッチング素子55Aのゲートには、電気経路L1における中間点N1の電圧がゲート電圧として印加される。これと同様に、スイッチング素子55Bのゲートは電気経路L2における抵抗32とLED16Bとの間の中間点N2に接続されている。これにより、スイッチング素子55Bのゲートには、電気経路L2における中間点N2の電圧がゲート電圧として印加される。
【0069】
続いて、第1電流生成回路41の作用について説明する。以下では、LED16Aにショート故障が生じた場合における作用について説明する。
【0070】
LED16Aの正常時には、電気経路L1における抵抗32とLED16Aとの中間点N1の電圧がLED16Aの順方向電圧Vfとなる。そのため、この場合には、順方向電圧Vfがゲート電圧としてスイッチング素子55Aのゲートに印加される。スイッチング素子55Aは、順方向電圧Vfがゲートに印加される場合にはオンとされる。そのため、LED16Aの正常時にはスイッチング素子55Aがオンとされる。スイッチング素子55Aのオン状態では、電気経路L5(a)が閉状態(接続状態)とされ、電源端子51Aから抵抗52A及びスイッチング素子55Aを通じて電流が流れる。この電流は抵抗52Aの抵抗値が大きな値に設定されている関係で微小電流となっている。また、LED16Aの正常時には、スイッチング素子48Aがオフ状態とされ、電気経路L4(a)が開状態(遮断状態)とされている。そのため、電気経路L4(a)には電流が流れていない。
【0071】
一方、LED16Aにショート故障が生じた場合には、電気経路L1における上記中間点N1の電圧が0V(第1故障時電圧に相当)となる。そのため、この場合には、スイッチング素子55Aのゲート電圧が0Vとなり、スイッチング素子55Aがオフとされる。換言すると、この場合、電気経路L5(a)が開状態とされる。なお、スイッチング素子55Aがスイッチング手段に相当する。
【0072】
スイッチング素子55Aがオフとされると、電源端子51Aからの微小電流はスイッチング素子48Aのベースにベース電流として供給される。これにより、スイッチング素子48Aはオンとされ、電気経路L4(a)が閉状態とされる。電気経路L4(a)が閉状態とされると、電源端子44から電気経路L4(a)を通じて電流が流れる(図6の点線矢印を参照)。この電流は、上述したショート故障時電流isとなっており、第1電流生成回路41においては、この電流が流れることでショート故障時電流isが生成される。生成されたショート故障時電流isは電気経路L4(a)から電気配線21を介してLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。
【0073】
以上が、LED16Aにショート故障が生じた場合の作用である。なお、LED16Bにショート故障が生じた場合の作用は、LED16Aにショート故障が生じた場合と基本的に同様であるため、ここでは簡単な説明にとどめる。LED16Bにショート故障が生じた場合には、電気経路L2における抵抗32とLED16Bとの中間点N2の電圧が0V(第1故障時電圧に相当)とされ、それにより、スイッチング素子55Bのゲート電圧が0Vとされる。これにより、スイッチング素子55B(スイッチング手段に相当)がオフとされ、電気経路L5(b)が開状態とされる。すると、それに伴いスイッチング素子48Bのベースにベース電流が供給され、その結果、スイッチング素子48Bがオンとされる。これにより、電気経路L4(b)が閉状態とされ、電源端子51Bから電気経路L4(b)を通じてショート故障時電流isが流れる。つまり、この場合、ショート故障時電流isが生成される。生成されたショート故障時電流isは電気経路L4(b)から電気配線21を介してLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。
【0074】
続いて、第2電流生成回路42について説明する。
【0075】
第2電流生成回路42は、電源端子57Aに接続された電気経路L6(a)と、電源端子57Bに接続された電気経路L6(b)とを備える。これらの電気経路L6(a),L6(b)は、各電気経路L1,L2と並列に設けられ、電源端子57A,57Bと電気配線21とを互いに接続している。また、電源端子57A,57Bは、上述した電源端子31と共通の定電圧電源(5V電源)に接続されている。
【0076】
電気経路L6(a)にはスイッチング素子58Aが設けられ、電気経路L6(b)にはスイッチング素子58Bが設けられている。各スイッチング素子58A,58Bは、PNP型のバイポーラトランジスタである。各スイッチング素子58A,58Bのエミッタは電源端子57A,57Bに接続され、各スイッチング素子58A,58Bのコレクタには共通の抵抗59が接続されている。この場合、各電気経路L6(a),L6(b)はいずれも抵抗59を経由した経路となっている。抵抗59は、その抵抗値が電気経路L1,L2の抵抗32よりも小さくなっている。また、抵抗59の抵抗値は、第1電流生成回路41(電気経路L4)の抵抗45の抵抗値よりも小さくされ、例えば56Ωに設定されている。
【0077】
第2電流生成回路42は、電源端子57Aに接続された電気経路L7(a)と、電源端子57Bに接続された電気経路L7(b)とを備える。電気経路L7(a)は電気経路L6(a)と並列に設けられている。この場合、電気経路L7(a)が第1電気経路に相当し、電気経路L6(a)が第2電気経路に相当する。また、電気経路L7(b)は電気経路L6(b)と並列に設けられている。この場合、電気経路L7(b)が第1電気経路に相当し、電気経路L6(b)が第2電気経路に相当する。これら各電気経路L7(a),L7(b)はそれぞれ電源端子57A,57Bと電気配線21とを互いに接続している。
【0078】
電源端子57A,57Bは、上述した各電源端子31と共通の定電圧電源(5V電源)に接続されている。したがって、互いに並列配置された各電気経路L6(a),L7(a)には共通の定電圧(5V)が印加され、互いに並列配置された各電気経路L6(b),L7(b)には共通の定電圧(5V)が印加されている。
【0079】
電気経路L7(a)にはスイッチング素子61Aと抵抗62Aとが設けられ、電気経路L7(b)にはスイッチング素子61Bと抵抗62Bとが設けられている。スイッチング素子61A,61Bと抵抗62A,62Bとは直列に接続され、スイッチング素子61A,61Bが抵抗62A,62Bよりも電源端子57A,57B側に配置されている。
【0080】
各スイッチング素子61A,61Bは、Pチャネル型のMOSFETである。各スイッチング素子61A,61Bは、ソースが電源端子57A,57Bに接続され、ドレインが抵抗62A,62Bを介して電気配線21に接続されている。抵抗62は、その抵抗値が抵抗32よりも十分に大きな値とされており、例えば1.1kΩに設定されている。また、スイッチング素子61A,61Bと抵抗62A,62Bとの間にはスイッチング素子58A,58Bのベースが接続されている。
【0081】
スイッチング素子61Aのゲートは電気経路L1における抵抗32とLED16Aとの中間点N1に接続されている。これにより、スイッチング素子61Aのゲートには、電気経路L1における中間点N1の電圧がゲート電圧として印加される。これと同様に、スイッチング素子61Bのゲートは電気経路L2における抵抗32とLED16Bとの中間点N2に接続されている。これにより、スイッチング素子61Bのゲートには、電気経路L2における中間点N2の電圧がゲート電圧として印加される。
【0082】
続いて、第2電流生成回路42の作用について説明する。以下では、LED16Aにオープン故障が生じた場合における作用について説明する。
【0083】
LED16Aの正常時には、上述したように、電気経路L1における抵抗32とLED16Aとの中間点N1の電圧がLED16Aの順方向電圧Vfとなる。そのため、この場合には、順方向電圧Vfがゲート電圧としてスイッチング素子61Aのゲートに印加される。スイッチング素子61Aは、順方向電圧Vfがゲートに印加される場合にはオンとされる。そのため、LED16Aの正常時にはスイッチング素子61Aがオンとされる。スイッチング素子61Aのオン状態では、電気経路L7(a)が閉状態とされ、電源端子57Aからスイッチング素子61A及び抵抗62Aを通じて電流が流れる。この電流は抵抗62Aの抵抗値が大きな値に設定されている関係で微小電流となっている。また、LED16Aの正常時には、スイッチング素子58Aがオフ状態とされ、電気経路L6(a)が開状態とされている。そのため、電気経路L6(a)には電流が流れていない。
【0084】
一方、LED16Aにオープン故障が生じた場合には、電気経路L1における中間点N1の電圧が電源端子31の電圧、つまり電源電圧である5V(第2故障時電圧に相当)となる。そのため、この場合には、スイッチング素子61Aのゲート電圧が5Vとなり、スイッチング素子61Aがオフとされる。換言すると、この場合、電気経路L7(a)が開状態とされる。なお、スイッチング素子61Aがスイッチング手段に相当する。
【0085】
スイッチング素子61Aがオフとされると、電源端子57Aからの微小電流はスイッチング素子58Aのエミッタにエミッタ電流として供給される。これにより、スイッチング素子58Aはオンとされ、電気経路L6(a)が閉状態とされる。電気経路L6(a)が閉状態とされると、電源端子57Aから電気経路L6(a)を通じて電流が流れる(図6の点線矢印を参照)。この電流は、上述したオープン故障時電流ioとなっており、第2電流生成回路42においては、この電流が流れることでオープン故障時電流ioが生成される。生成されたオープン故障時電流ioは電気経路L6(a)から電気配線21を介してLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。
【0086】
また、オープン故障時電流ioが流れる電気経路L6(a)上の抵抗59は、上述したように、その抵抗値が第1電流生成回路41の電気経路L4(a),L4(b)上の抵抗45よりも小さくなっている。そのため、この抵抗値の違いにより、オープン故障時電流ioはショート故障時電流isよりも大きな電流となっている(io>is)。
【0087】
以上が、LED16Aにオープン故障が生じた場合の作用である。なお、LED16Bにオープン故障が生じた場合の作用は、LED16Aにオープン故障が生じた場合と基本的に同様であるため、ここでは簡単な説明にとどめる。LED16Bにオープン故障が生じた場合には、電気経路L2における抵抗32とLED16Bとの中間点N2の電圧が5V(第2故障時電圧に相当)とされ、それにより、スイッチング素子61Bのゲート電圧が5Vとされる。これにより、スイッチング素子58B(スイッチング手段に相当)がオフとされ、電気経路L7(b)が開状態とされる。すると、それに伴いスイッチング素子58Bのエミッタにエミッタ電流が供給され、その結果、スイッチング素子58Bがオンとされる。これにより、電気経路L6(b)が閉状態とされ、電源端子57Bから電気経路L6(b)を通じてオープン故障時電流ioが流れる。つまり、この場合、オープン故障時電流ioが生成される。生成されたオープン故障時電流ioは電気経路L6(b)から電気配線21を介してLED駆動基板19の電気経路L3に流れ込む。
【0088】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0089】
各LED基板17に、LED基板17に設けられた各LED16のうちいずれかに故障が生じたことに基づき故障時電流is,ioを生成する電流生成回路41,42を設けた。そして、生成した故障時電流is,ioが、各LED16を流れる電流とともに、LED基板17から電気配線21を通じてLED駆動基板19に流れ込むようにした。また、電流生成回路41,42では、いずれかのLED16で故障が生じた場合に各LED基板17からLED駆動基板19に流れ込む電流が(LED装置15における)各LED16の正常時にLED駆動基板19に流れ込む最大電流i(max)よりも大きくなるよう、故障時電流is,ioを生成するようにした。各LED16の正常時にLED駆動基板19に流れ込む電流はLED16や抵抗32(素子)の特性ばらつきによりある程度ばらつくものであるが、このようにすることで、そのばらつきにかかわらず、いずれかのLED16で故障が生じた場合には各LED16の正常時よりもLED駆動基板19に流れ込む電流を大きくすることができる。
【0090】
LED駆動基板19に流れ込む電流は電流検出部36により検出される。そして、その検出された電流値が上記最大電流i(max)よりも大きく設定された閾値αよりも大きい場合に各LED16のいずれかに故障が生じたことが検出される。この場合、素子16,32の特性ばらつきにかかわらずLED16の故障を検出することができる。また、このような故障検出の方法では、LED16ごとに故障検出用の配線を設ける必要がない。そのため、配線の本数が増えることなく、LED16の故障を検出することが可能となる。
【0091】
また、配線の増加が発生しないことで、配線がつながるコネクタをLED基板17に設けたり、またそれに伴いLED基板17を変更したりするといったことを行う必要がない。そのため、LED基板17側の構成に影響を与えるのを抑えつつ、LED基板17に電流生成回路41,42を組み込む等するだけで、比較的簡単に故障検出の構成を導入することができる。特に、既存のLED基板17に故障検出の構成を後付けする場合には、その後付けを容易に行うことができる。
【0092】
電流生成回路として、LED16にショート故障が生じたことに基づきショート故障時電流isを生成する第1電流生成回路41と、LED16にオープン故障が生じたことに基づきオープン故障時電流ioを生成する第2電流生成回路42とを設けた。これにより、いずれかのLED16にショート故障及びオープン故障のいずれが生じた場合にも故障検出を行うことができる。
【0093】
LED16にショート故障が生じた場合にはそのLED16を流れる電流が正常時よりも大きくなるのに対し、LED16にオープン故障が生じた場合にはそのLED16を電流が流れなくなる。そのため、オープン故障時には大きな故障時電流を生成する必要があるのに対し、ショート故障時にはそれほど大きな故障時電流を生成する必要がない。そこで、こうした点に鑑み、上記実施形態では、オープン故障時に生成されるオープン故障時電流ioをショート故障時に生成されるショート故障時電流isよりも大きくした。この場合、ショート故障時及びオープン故障時のそれぞれにおいて生成される故障時電流is,ioを適正な大きさとすることができる。例えば、ショート故障時電流isをオープン故障時電流ioと同じ大きさとした場合、ショート故障時電流isが無駄に大きくなることになるが、上記の構成とすればこうした無駄が生じるのを回避することが可能となる。
【0094】
電気経路L1,L2上においてLED16と抵抗32とが直列に配置されている構成では、LED16にショート故障やオープン故障が生じた際、電気経路L1,L2におけるLED16と抵抗32との中間点N1,N2の電圧が変化する。具体的には、ショート故障が生じた際には中間点N1,N2の電圧が0V(第1故障時電圧)となり、オープン故障が生じた際には中間点N1,N2の電圧が5V(第2故障時電圧)となる。そこで、上記の実施形態では、この点に着目し、中間点N1,N2の電圧が0Vになったことに基づき、第1電流生成回路41によりショート故障時電流isを生成し、中間点N1,N2の電圧が5Vになったことに基づき、第2電流生成回路42によりオープン故障時電流ioを生成するようにした。これにより、LED16がショート故障したタイミングでショート故障時電流isを具体的に生成することが可能となり、また、LED16がオープン故障したタイミングでオープン故障時電流ioを具体的に生成することが可能となる。
【0095】
第1電流生成回路41に、電気配線21に並列に接続され、共通の所定電圧(5V)が印加される電気経路L4(a)と電気経路L5(a)とを設けた。そして、LED16Aと抵抗32との中間点N1の電圧が0V(第1故障時電圧)になったことに基づき、電気経路L5(a)を開状態とし且つ電気経路L4(a)を閉状態とすることで、電気経路L4(a)にショート故障時電流isを流し当該故障時電流isを生成するようにした。この場合、電流の流れる電気経路を切り替えることでショート故障時電流isを生成することができる。なお、かかる効果は、電気経路L4(b),L5(b)側でも同様に得ることができる。
【0096】
また、第2電流生成回路42にも、上記第1電流生成回路41と同様、電気配線21に並列に接続され、共通の所定電圧(5V)が印加される電気経路L6(a)と電気経路L7(a)とを設けた。そして、LED16Aと抵抗32との中間点N1の電圧が5V(第2故障時電圧)になったことに基づき、電気経路L7(a)を開状態とし且つ電気経路L6(a)を閉状態とすることで、電気経路L6(a)にオープン故障時電流ioを流し当該故障時電流ioを生成するようにした。この場合、電流の流れる電気経路を切り替えることでオープン故障時電流ioを生成することができる。なお、かかる効果は、電気経路L6(b),L7(b)側でも同様に得ることができる。
【0097】
第2電流生成回路42の電気経路L6(a),L6(b)に含まれる抵抗59の抵抗値を第1電流生成回路41の電気経路L4(a),L4(b)に含まれる抵抗45の抵抗値よりも小さくすることで、第2電流生成回路42により生成されるオープン故障時電流ioを第1電流生成回路41により生成されるショート故障時電流isよりも大きくした。この場合、各抵抗45,59の抵抗値を調整するという簡単な手法で、オープン故障時電流ioをショート故障時電流isよりも大きくすることができる。
【0098】
第1電流生成回路41においては、各電気経路L4(a),L4(b)を共通の抵抗45を経由する経路とし、第2電流生成回路42においては、各電気経路L6(a),L6(b)を共通の抵抗59を経由する経路とした。この場合、各電気経路L4(a),L4(b)において抵抗45の共用化を図ることができ、各電気経路L6(a),L6(b)において抵抗59の共用化を図ることができるため、電流生成回路41,42の構成の簡素化を図ることができる。
【0099】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0100】
(1)上記実施形態では、電気経路L1,L2において抵抗32をLED16よりも電源端子31側に配置したが、これを逆にして、LED16を抵抗32よりも電源端子31側に配置してもよい。かかる構成では、LED16と抵抗32との中間点N1,N2の電圧が、LED16のショート故障時に5V(第1故障時電圧に相当)になり、オープン故障時に0V(第2故障時電圧に相当)になる。そのため、ショート故障時用の第1電流生成回路として、上記実施形態における第2電流生成回路42を用い、オープン故障時用の第2電流生成回路として、上記実施形態における第1電流生成回路41を用いるようにする。また、第2電流生成回路により生成される故障時電流が第1電流生成回路により生成される故障時電流よりも大きくなるよう、各電流生成回路の抵抗45,59の抵抗値を設定するようにする。
【0101】
(2)上記実施形態では、第1電流生成回路41において、電気経路L1におけるLED16と抵抗32との中間点N1の電圧が0Vとなった場合に電気経路L4(a)(第2電気経路に相当)を閉状態とするために2つのスイッチング素子48A,55A(スイッチング手段に相当)を用いたが、これを変更してもよい。例えば、スイッチング素子55Aを不具備とするとともに、LED基板17上に中間点N1の電圧を検出する電圧センサと、電圧センサにより検出した電圧が0Vとなった場合にスイッチング素子48Aにゲート電流を出力しスイッチング素子48Aをオン状態とする制御部とを設ける構成が考えられる。かかる構成においても、中間点N1の電圧が0Vになった場合に、電気経路L4(a)が閉状態とされる。なお、かかる構成は、電気経路L2における中間点N2の電圧が0Vになった場合に電気経路L4(b)を閉状態とする際にも同様に適用することができる。
【0102】
また、第2電流生成回路42において、電気経路L1における中間点N1の電圧が5Vになった場合に電気経路L6(a)(第2電気経路に相当)を閉状態とする際や、電気経路L2における中間点N2の電圧が5Vになった場合に電気経路L6(b)(第2電気経路に相当)を閉状態とする際にも、上記電圧センサを用いた構成を適用することが可能である。
【0103】
(3)第2電流生成回路42により生成されるオープン故障時電流ioは、必ずしも第1電流生成回路41により生成されるショート故障時電流isよりも大きくする必要はなく、例えばショート故障時電流isと同じ大きさとしたり、ショート故障時電流isより小さくしたりしてもよい。これらの場合には、各LED基板17からLED駆動基板19(電気経路L3)に流れ込む電流がオープン故障時よりもショート故障時の方が大きくなる。そのため、電気経路L3に流れ込む電流を検出すれば、その検出した電流に基づいてショート故障とオープン故障とのいずれが生じているかを検出することが可能となる。
【0104】
(4)上記実施形態では、複数(4つ)のLED16を2つのLED基板17に設けたが、複数のLED16を3つ又は4つのLED基板17に設けてもよい。また、複数のLED16を1つのLED基板17に集約して設けてもよい。これらいずれの場合であっても、LED基板17に、そのLED基板17に設けられたいずれかのLED16に故障が生じたことに基づき故障時電流を生成する電流生成回路41,42を設けることで、複数のLED16のいずれかに故障が生じたことを検出することが可能となる。
【0105】
(5)第1電流生成回路41及び第2電流生成回路42のうちいずれか一方だけを設けることで、ショート故障及びオープン故障のうちいずれか一方だけを検出するようにしてもよい。
【0106】
(6)ロボットには白熱球等、LED以外の発光部が設けられる場合がある。そこで、そのようなLED以外の発光部に本発明の故障検出システムを適用してもよい。
【0107】
(7)上記実施形態では、LED基板17とLED駆動基板19とがいずれもロボット10(ロボットシステムに相当)内部に設けられていたが、LED基板はロボット10内部に設けられる一方、LED駆動基板はロボット10の外部に設けられる場合もある。例えば、ロボット10と離れた位置にLED駆動基板を内蔵したLED駆動装置が設けられる場合が考えられる。このような構成では、ロボット10とLED駆動装置とが電気配線を介して接続されることでロボットシステムが構成される。そこで、こうした構成のロボットシステムに本発明の故障検出システムを適用してもよい。
【符号の説明】
【0108】
10…ロボット、16…LED(発光部)、17…LED基板(第1基板)、19…LED駆動基板(第2基板)、21…電気配線、41…第1電流生成回路(第1電流生成部)、42…第2電流生成回路(第2電流生成部)、45…抵抗、55A,55B…スイッチング素子(スイッチング素子)、59…抵抗、61A,61B…スイッチング素子(スイッチング素子)、L4(a),L4(b)…電気経路(第2電気経路)、L5(a),L5(b)…電気経路(第1電気経路)、L6(a),L6(b)…電気経路(第2電気経路)、L7(a),L7(b)…電気経路(第1電気経路)、N1,N2…中間点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6