(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024769
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】カットアウト接続器具
(51)【国際特許分類】
H01H 31/02 20060101AFI20220202BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20220202BHJP
H01H 31/28 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
H01H31/02 A
H01R13/631
H01H31/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127548
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】石原 知幸
(72)【発明者】
【氏名】石川 博司
(72)【発明者】
【氏名】田中 茂宏
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 豊
(72)【発明者】
【氏名】山田 達也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 政仁
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FC31
5E021HA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カットアウトに取り付けやすいカットアウト接続器具を提供する。
【解決手段】開口部が形成される箱体と、箱体の内部に設けられ、開口部側から内方に向かって挿込み口が形成される一対の端子部と、を備える箱型カットアウトに対して使用するカットアウト接続器具1であって、一対の端子部間に亘るように延設される基部2と、該基部の延設方向の一方の延設端部から延設方向に交差する方向に突設され、接触刃が抜かれた一方の端子部の挿込み口に挿抜可能な第一端子刃4と、基部の延設方向の他方の延設端部から第一端子刃と略同方向に突設され、接触刃が抜かれた他方の端子部の挿込み口に挿抜可能な第二端子刃5と、を備え、前記第一端子刃及び前記第二端子刃の少なくとも一方は、突出方向の基端部を起点に前記延設方向に所定角度回動可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成される箱体と、前記箱体の内部に設けられ、前記開口部側から内方に向かって挿込み口が形成される一対の端子部と、ヒューズ及びヒューズに立設されて一対の前記挿込み口に挿し込み可能な一対の接触刃を備え、前記一対の端子部を電気的に接続する導通部と、を備えるカットアウトに対して使用するカットアウト接続器具であって、
前記一対の端子部間に亘るように延設される基部と、該基部の延設方向の一方の延設端部から延設方向に交差する方向に突設され、前記接触刃が抜かれた一方の前記端子部の前記挿込み口に挿抜可能な第一端子刃と、前記基部の延設方向の他方の延設端部から前記第一端子刃と略同方向に突設され、前記接触刃が抜かれた他方の前記端子部の前記挿込み口に挿抜可能な第二端子刃と、を備え、
前記第一端子刃及び前記第二端子刃の少なくとも一方は、突出方向の基端部を起点に前記延設方向に所定角度だけ回動可能であるカットアウト接続器具。
【請求項2】
前記基部は、前記一方の延設端部を含む第一基部本体と、前記他方の延設端部を含む第二基部本体と、を備え、
前記第一基部本体と前記第二基部本体とは、前記延設方向に並んで配置され、一方の基部本体が他方の基部本体に対して前記第一端子刃又は前記第二端子刃が突設する方向の先端側及び基端側に所定角度だけ相対的に回動可能である請求項1に記載のカットアウト接続器具。
【請求項3】
前記第二端子刃は、前記第二基部本体に、突設方向の基端部を起点に前記延設方向に所定角度だけ回動可能に設けられ、前記第一基部本体には、絶縁操作棒を連結可能な絶縁操作棒連結部が設けられている請求項2に記載のカットアウト接続器具。
【請求項4】
前記第一端子刃は、前記第一基部本体に回動不能に固定される請求項3に記載のカットアウト接続器具。
【請求項5】
前記第一端子刃は、前記第二端子刃よりも幅広に構成されている請求項2乃至4のいずれか1項に記載のカットアウト接続器具。
【請求項6】
前記第一基部本体及び前記第二基部本体の一方には、絶縁操作棒を連結可能な絶縁操作棒連結部が設けられ、他方には、他方の基部本体に設けられる端子刃を挿込み口に挿し込み操作するための挿し込み台が設けられる請求項2乃至5のいずれか1項に記載のカットアウト接続器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カットアウトに設けられる端子に挿込み・抜出しする端子刃を備えたカットアウト接続器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統には、柱上変圧器への過電流の流入を防止するために、カットアウトが設けられている。カットアウトの一種である箱型カットアウト9は、
図10に示すように、電柱Aに腕金Bなどを介して取り付けられており、
図11に示すように、絶縁性を有し、下向きの開口部911aが形成される箱体911及び箱体911の一端部にピン912で軸支され、開口部911aを閉鎖可能に設けられる蓋体913を備える容器本体91と、蓋体913に設けられるヒューズ92及びヒューズ92から容器本体91の内方に突設される一対の接触刃93、94を備える導通部9Aと、接触刃93、94が差し込まれるように容器本体91内に配置された一対の端子部95、96と、を備える。
【0003】
図10及び
図11に示すように、一対の端子部95、96には、接触刃93、94が挿し込まれる挿込み口95a、96aが開口部911a側に形成されている。具体的に、端子部95、96は、開口部911a側に設けられ、挿込み口95a、96aの手前側を画定する刃ガイド部951、961と、刃ガイド部951、961の奥側に設けられ、挿込み口95a、96aの奥側を画定し、接触刃93、94と電気的に導通可能な端子本体952、962と、を備える。また、一方の端子部95は、下流側の二次側電線Cに端子本体952が電気的に接続される二次側端子であり、他方の端子部96は上流側の一次側電線Dに端子本体962が電気的に接続される一次側端子である。さらに、一次側電線Dは、箱体911に形成される電線差込口911bから挿し込まれて他方の端子部96(二次側端子)の端子本体962に接続され、二次側電線Cは、箱体911に形成される電線差込口911bから挿し込まれて一方の端子部95(一次側端子)の端子本体952に接続されている。一方の端子部95(二次側端子)の端子本体952、接触刃93、94及びヒューズ92、並びに他方の端子部96(一次側端子)の端子本体962を介して一次側電線Dと二次側電線Cとが電気的に接続されている。
【0004】
このような箱型カットアウトは、柱上変圧器への過電流の流入防止のためだけでなく、例えば地絡した電線路の事故点を探査するために用いられる。地絡した電線路の事故点を探査する場合には、事故点探査装置のカットアウト接続器具を箱型カットアウト9に取付け、カットアウト接続器具と一対の端子部95、96とを電気的に接続する必要がある。具体的には、箱型カットアウト9の蓋体913をあけ、一方の端子部95及び他方の端子部96から接触刃93、94を取外す。そして、接触刃93、94が取り外された端子部95、96に、カットアウト接続器具に設けられる端子板を挿し込むことで、一対の端子部95、96とカットアウト接続器具とが電気的に接続される。
【0005】
箱型カットアウトに接続するカットアウト接続器具として特許文献1に記載の間接活線作業用の課電端子が知られている。課電端子は、一次側端子及び二次側端子に挿し込まれる一対の端子板及び該一対の端子板を連結する連結板を備える端子本体部と、絶縁操作棒の先端に取り付けられる絶縁操作棒連結部と、を備え、端子本体部及び絶縁操作棒連結部は端子本体部に連結される雄状結合部及び絶縁操作棒連結部に連結される雌状結合部を備える玉継手によって接続されている。また、玉継手の雌状結合部には、ボルト挿通孔が2か所に形成されている。
【0006】
上記のような課電端子によれば、絶縁操作棒連結部に対する端子本体部の角度を玉継手によって変え、雌状結合部に形成されるボルト挿通孔にボルトを挿通し、端子本体部を固定することができる。よって、端子本体部の傾きを箱型カットアウトの開口部の傾きに合わせることができるので、例えば箱型カットアウトの鉛直下側から絶縁操作棒を用いて課電端子を箱型カットアウトに取り付けることができるため、電柱に備えられる柱上変圧器を避けて課電端子を箱型カットアウトに取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のような課電端子であっても、端子本体部の傾きを誤って設定した場合や、作業者が絶縁操作棒を傾けて保持した場合には、一対の端子板を一次側端子及び二次側端子に挿入する際に、端子本体部の傾きと箱型カットアウトの開口部の傾きとにずれが生じ、端子板の向きと挿込み口が伸びる方向とにずれが生じる場合がある。ずれが生じた場合には、端子板と一次側端子の挿込み口又は二次側端子の挿込み口とが当接し、端子板を挿込み口の奥まで挿し込むことができず、課電端子を箱型カットアウトに取り付けることができない。そのため、箱型カットアウトに課電端子のようなカットアウト接続器具を取り付けることは困難であった。
【0009】
そこで本発明は、カットアウトに取り付けやすいカットアウト接続器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかるカットアウト接続器具は、開口部が形成される箱体と、前記箱体の内部に設けられ、前記開口部側から内方に向かって挿込み口が形成される一対の端子部と、ヒューズ及びヒューズに立設されて一対の前記挿込み口に挿し込み可能な一対の接触刃を備え、前記一対の端子部を電気的に接続する導通部と、を備えるカットアウトに対して使用するカットアウト接続器具であって、前記一対の端子部間に亘るように延設される基部と、該基部の延設方向の一方の延設端部から延設方向に交差する方向に突設され、前記接触刃が抜かれた一方の前記端子部の前記挿込み口に挿抜可能な第一端子刃と、前記基部の延設方向の他方の延設端部から前記第一端子刃と略同方向に突設され、前記接触刃が抜かれた他方の前記端子部の前記挿込み口に挿抜可能な第二端子刃と、を備え、前記第一端子刃及び前記第二端子刃の少なくとも一方は、突出方向の基端部を起点に前記延設方向に所定角度だけ回動可能である。
【0011】
かかる構成によれば、第一端子刃及び第二端子刃の少なくとも一方が前記延設方向に回動するので、第一端子刃又は第二端子刃を挿込み口に挿し込む際に、端子刃の向きと挿込み口が伸びる方向とにずれがある状態で端子刃を押し込んだとしても、少なくとも一方の端子刃が回動して、端子刃の向きが変わる。よって、端子刃の向きと挿込み口が伸びる方向のずれを修正しながら、端子刃が挿込み口の奥に向かって挿し込まれるため、挿込み口に端子刃を挿入しやすくなる。
【0012】
また、前記基部は、前記一方の延設端部を含む第一基部本体と、前記他方の延設端部を含む第二基部本体と、を備え、前記第一基部本体と前記第二基部本体とは、前記延設方向に並んで配置され、一方の基部本体が他方の基部本体に対して前記第一端子刃又は前記第二端子刃が突設する方向の先端側及び基端側に所定角度だけ相対的に回動可能である構成とすることもできる。
【0013】
かかる構成によれば、第一基部本体と第二基部本体とが第一端子刃(第二端子刃)の突設方向に相対的に回動可能であるので、例えば少なくとも第一端子刃が回動する場合に、第一基部本体を第二基部本体に対して突設方向の基端側へ回動させた状態で第二端子刃を挿込み口に挿し込み、その後、第一基部本体を突設方向先端側へ回動させて、第一端子刃を挿込み口に挿し込みできる。第一端子刃を挿し込むときには、第一基部本体の回動と第一端子刃との回動が相まって、第一端子刃の角度が微調整されながらスムーズに挿し込むことができる。
【0014】
また、前記第二端子刃は、前記第二基部本体に、突設方向の基端部を起点に前記延設方向に所定角度だけ回動可能に設けられ、前記第一基部本体には、絶縁操作棒を連結可能な絶縁操作棒連結部が設けられている構成とすることもできる。
【0015】
かかる構成によれば、第二基部本体は第一基部本体に対して回動可能であり、第二端子刃が第二基部本体に対して回動可能であるので、絶縁操作棒連結部に絶縁操作棒を連結し、第一端子刃を挿込み口に挿し込んだ後に、第二基部本体及び第二端子刃を回動させて、第二端子刃を挿込み口に挿し込むことができ、挿し込み作業が容易で確実となる。
【0016】
また、前記第一端子刃は、前記第一基部本体に回動不能に固定される構成とすることもできる。
【0017】
かかる構成によれば、第一端子刃は、第一基部本体に回動不能に固定され、第二基部本体は、第一基部本体に対して回動可能であり、第二端子刃は第二基部本体に対して回動可能であるので、回動不能な第一端子刃を挿込み口に挿し込んだ後に、第二基部本体と第二端子刃とを回動させて、第二端子刃を挿込み口に挿し込むことができ、挿し込み作業が容易で確実となる。
【0018】
また、前記第一端子刃は、前記第二端子刃よりも幅広な構成とすることもできる。
【0019】
かかる構成によれば、第一端子刃と第二端子刃との刃の幅に違いがあるので、第一端子刃と第二端子刃が挿込み口から受ける抵抗に差が生じる。即ち、幅広の第一端子刃は挿込み口から受ける抵抗が大きいため、挿込み口から抜けにくく、幅狭の第二端子刃は挿込み口から受ける抵抗が小さいため、挿込み口に挿し込みやすい。よって、第一端子刃で確実にカットアウト接続器具が端子部に保持され、第二端子刃は、挿込み口に対して挿し込みやすく構成されるため、カットアウトからの脱落しづらくかつカットアウトに取付けやすくすることができる。
【0020】
また、前記第一基部本体及び前記第二基部本体の一方には、絶縁操作棒を連結可能な絶縁操作棒連結部が設けられ、他方には、他方の基部本体に設けられる端子刃を挿込み口に挿し込み操作するための挿し込み台が設けられる構成とすることもできる。
【0021】
かかる構成によれば、第一基部本体及び第二基部本体の一方に絶縁操作棒連結部が、他方に挿し込み台が設けられているので、絶縁操作棒連結部に絶縁操作棒を連結することで、一方の基部本体に突設される端子刃を挿込み口に挿し込み、挿し込み台を棒状体で押して、他方の基部本体に突設された端子刃を挿込み口に挿し込むことができるので、確実にカットアウト接続器具をカットアウトに取り付けることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、カットアウトに取り付けやすいカットアウト接続器具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるカットアウト接続器具の正面図である。
【
図3】(a)
図1に示すIII拡大図である。(b)(a)に示す状態から第二基部本体を反時計回りに回動させた状態を示す図である。
【
図5】(a)
図1に示すV拡大図である。(b)(a)に示す状態から第二端子刃を時計回りに回動させた状態を示す図である。
【
図6】同カットアウト接続器具をカットアウトに取り付ける途中段階を示す図である。
【
図7】同カットアウト接続器具をカットアウトに取り付けた状態を示す図である。
【
図8】
図7に示すVIII-VIII断面図である。
【
図9】同カットアウト接続器具をカットアウトから取り外す途中段階を示す図である。
【
図10】同カットアウト接続器具が取付けられるカットアウトが電柱に取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態にかかるカットアウト接続器具1について説明する。なお、説明の都合上、上下方向、左右方向、及び前後方向は、カットアウト接続器具1を基準とした
図1及び
図2に示す方向とする。
【0025】
図1に示すように、カットアウト接続器具1は、基部2と、第一端子刃4と、第二端子刃5と、挿込み台3と、を備える。また、第一端子刃4は、第一端子刃連結部11によって基部2に連結され、第二端子刃5は第二端子刃連結部12によって基部2に連結される。このようなカットアウト接続器具1は、第一端子刃4及び第二端子刃5を
図10及び
図11に示すような箱型カットアウト9の挿込み口95a、96aに挿し込まれ、箱型カットアウト9の端子部95、96同士を電気的に接続する。また、本実施形態にかかるカットアウト接続器具1は、第一端子刃4と第二端子刃5を電気的に接続するリード線6を備える。
【0026】
図1及び
図2に示すように、基部2は、棒状で、箱型カットアウト9に設けられる一対の端子部95、96間に亘るように延設されている(
図7参照)。また、基部2は、四角柱状であり、延設方向(上下方向)の一端側と他端側とに分割されている。具体的に、基部2は、基部2の延設方向の一方の延設端部を含む第一基部本体21と、基部2の延設方向の他方の延設端部を含む第二基部本体22と、を備え、第一基部本体21及び第二基部本体22は延設方向に並んで配置され、第一基部本体21及び第二基部本体22は相対的に回動可能に連結されている。本実施形態で、第一基部本体21及び第二基部本体22は、基部連結部2Aによって連結され、一方の基部本体が他方の基部本体に対して前後方向に回動可能に連結されている。また、第一基部本体21及び第二基部本体22にはそれぞれ端子刃が突設されている。さらに、第一基部本体21の延設方向の長さは、第二基部本体22の延設方向の長さよりも短く構成される。また、本実施形態において、基部2は、導電性を有する材料で構成される。
【0027】
図1に示すように、第一基部本体21は、棒状であり、基部2の延設方向の一端側(上下方向の下側)を構成する。第一基部本体21には、延設方向の一端側に第一端子刃4が嵌合可能な、第一端子刃連結部11としての第一端子刃取付部211が形成され、延設方向の他端側に基部連結部2Aとしての第一基部連結部23が設けられている。また、第一基部本体21には、絶縁操作棒連結部212が設けられている。
【0028】
第一端子刃取付部211は、第一基部本体21の厚さ方向の一端側(左右方向の左側)に形成された切り欠きである。第一端子刃取付部211は、基部2の延設方向の一方の延設端部に形成されている。具体的に、第一端子刃取付部211は、延設方向の一方及び他方(上下方向の上側及び下側)に設けられる一対の第一端子刃嵌合壁2111と、厚さ方向の一端側に一対の第一端子刃嵌合壁2111の間に亘って設けられる第一端子刃固定壁2112と、を備え、一対の第一端子刃嵌合壁2111及び第一端子刃固定壁2112によって画定される空間に第一端子刃4が嵌合可能に構成される。即ち、第一端子刃取付部211の延設方向の長さは第一端子刃4の幅と略同じであり、深さは第一端子刃4の厚さ以上の深さである。また、第一端子刃取付部211には、第一端子刃固定壁2112の延設方向及び幅方向(前後方向)の略中央に、厚さ方向に貫通する孔である第一基部取付孔2111aが形成されている。
【0029】
図1乃至
図4に示すように、第一基部連結部23は、第一基部本体21の延設方向の他端側(上下方向の上側)に設けられている。具体的に、第一基部連結部23は、厚さ方向の一端側(左右方向の左側)に設けられる第一突起部231と、厚さ方向の他端側(左右方向の右側)に設けられる第二突起部232と、を備え、第一突起部231と第二突起部232との間には、第二基部本体22に設けられる第二基部連結部24が挿入可能な第二基部挿入空間23Sが画定される。また、第一基部連結部23には、厚さ方向にボルトを挿通可能な第一基部連結孔23aが形成されている。第一基部連結孔23aは、第一突起部231及び第二突起部232に形成された孔であり、厚さ方向に連通するように形成されている。さらに、本実施形態において、第一突起部231及び第二突起部232の形状は略同一である。
【0030】
図2に示すように、第一突起部231は、第一基部本体21の延設方向の他端側かつ厚さ方向の一端側に設けられる、延設方向の他端側に向かって突出する突起である。第一突起部231の厚みは、第一基部本体21の厚みの半分未満であり、本実施形態では第一基部本体21の略3分の1の厚みである。また、第一突起部231は、先端側に先細形状の第一突起回動規制部2311を備え、基端側に第一基部連結孔23aが形成されている。
【0031】
図3及び
図4に示すように、第一突起回動規制部2311は、先細形状に形成される第一突起部231の先端部分である。具体的に、第一突起回動規制部2311は、幅方向(前後方向)の両端が切りかかれることで先細の略台形状に形成されている。本実施形態で第一突起回動規制部2311は、前側に設けられる面である前側当接面2311aと、後側に設けられる面である後側当接面2311bと、を備える。
【0032】
図2及び
図3に示すように、第二突起部232は、第一基部本体21の延設方向の他端側かつ厚さ方向の他端側に設けられる、延設方向の他端側に向かって突出する突起である。本実施形態において、第二突起部232の構成は、第一突起部231と同様である。即ち、第二突起部232は、先端側に先細形状の第二突起回動規制部2321を備え、基端側に第一基部連結孔23aが形成されている。
【0033】
図2に示すように、第二基部挿入空間23Sは、第一突起部231及び第二突起部232に挟まれた空間である。即ち、第二基部挿入空間23Sは、第一基部本体21の延設方向他端側の厚さ方向の中途部に形成される空間である。具体的には、第一突起部231の厚さ方向他端側と第二突起部232の厚さ方向一端側とに挟まれた空間である。
【0034】
図1に示すように、絶縁操作棒連結部212は、基部2の延設方向一端側に設けられており、第一基部本体21から前後方向後側(後述する第一端子刃4が突設する方向の基端側)に向かって伸びている。また、絶縁操作棒連結部212は、第一基部本体21から、第一端子刃4が突設する方向(前後方向)及び基部2の延設方向(上下方向)に交差する方向に向かって突出している。具体的に、絶縁操作棒連結部212は、絶縁操作棒7を取り付け可能な棒取付部2121と、棒取付部2121の前側に連結される基部取付部2122と、を備える。棒取付部2121には、絶縁操作棒7を取り付けるための棒取付手段が備えられており、本実施形態では、棒取付部2121の後側に雄ねじ部2121aが備えられている。基部取付部2122は、棒取付部2121の先端側(前側)に設けられ、絶縁操作棒連結部212を基部2に取り付けるための基部取付手段が備えられている。本実施形態で基部取付部2122は、第一端子刃取付部211に嵌合可能な板部であり、基部取付部2122には、基部取付手段として、第一基部取付孔2111aと連通可能な取付穴2122aが形成される。このような絶縁操作棒連結部212は、第一基部取付孔2111aと取付穴2122aを重ね、ボルトを挿通し、ナットで締め付けることで、第一基部本体21に取り付けられる。なお、基部取付手段は、上記に限らず、例えば溶接によって第一基部本体21に絶縁操作棒連結部212が取り付けられてもよい。
【0035】
図1及び
図2に示すように、第二基部本体22は、棒状であり、基部2の延設方向の他端側(上下方向の上側)を構成する。第二基部本体22には、延設方向の一端側(上下方向の下側)に基部連結部2Aとしての第二基部連結部24が設けられ、延設方向の他端側に第二端子刃5を取付可能な、第二端子刃連結部12としての第二端子刃取付部221が形成されている。また、第二基部本体22は、延設方向の中途部分に挿込み台3を取り付け可能な挿込み台取付部222を備えている。挿込み台取付部222には、厚さ方向に貫通する挿込み台取付孔222aが延設方向に離隔して2か所に形成されている。
【0036】
図2及び
図5に示すように、第二端子刃取付部221は、第二基部本体22の厚さ方向の一端側(左右方向の左側)に形成された切り欠きである。具体的に、第二端子刃取付部221は、延設方向の一方及び他方に設けられる一対の第二端子刃当接壁2211と、厚さ方向の一端側に両第二端子刃当接壁2211の間に亘って設けられる第二端子刃固定壁2212と、を備え、一対の第二端子刃当接壁2211及び第二端子刃固定壁2212によって画定される空間に第二端子刃5を取付可能に構成される。また、第二端子刃当接壁2211は、両第二端子刃当接壁2211の間隔が、前後方向の一方側が広く、他方側が狭くなるように構成される。本実施形態で、両第二端子刃当接壁2211の間隔は、前側が広く、後側が狭く構成されている。また、両第二端子刃当接壁2211及び第二端子刃固定壁2212に囲まれる空間は、正面視で略台形状に形成されている。さらに、第二端子刃取付部221には、第二端子刃固定壁2212の延設方向(上下方向)及び幅方向(前後方向)の略中央に、厚さ方向に貫通する孔である第二基部取付孔2212aが形成されている。
【0037】
図1乃至
図4に示すように、第二基部連結部24は、第二基部本体22の延設方向の一端側に設けられている。具体的に、第二基部連結部24は、第二基部挿入空間23Sに挿入可能な厚さの板状で、第二基部本体22の延設方向の一端側に設けられる挿入板部241と、挿入板部241の延設方向他端側に設けられ、第一突起回動規制部2311及び第二突起回動規制部2321と係合する係合部242と、を備える。
【0038】
図2に示すように、挿入板部241は、板状で、第二基部本体22の延設方向一端側に設けられ、第二基部挿入空間23Sに挿入可能な厚さの板形状である。具体的に、挿入板部241は、第二基部本体22の厚さ方向の中央部分から延設方向一端側に向かって伸びるように設けられている。また、挿入板部241の延設方向一端側には第一基部連結孔23aと連通可能な第二基部連結孔24aが形成されている。
【0039】
図3及び
図4に示すように、係合部242は、第一突起回動規制部2311及び第二突起回動規制部2321に係合して、第二基部本体22を第一基部本体21に対して回動する角度を制限するよう構成されている。具体的に、係合部242は、挿入板部241の厚さ方向一端側及び他端側にそれぞれ設けられる係合突起2421を備え、係合突起2421は、それぞれ第一突起回動規制部2311又は第二突起回動規制部2321に当接可能に設けられる。本実施形態で、係合突起2421は略U字形状であり、係合突起2421の内周面2421aがそれぞれ第一突起回動規制部2311又は第二突起回動規制部2321に当接するよう構成される。
【0040】
図2及び
図3に示すように、第一基部連結部23及び第二基部連結部24は、ボルト2B及びナットによって連結される。具体的に、第一基部連結孔23a及び第二基部連結孔24aが連通するように、挿入板部241を第二基部挿入空間23Sに挿入し、連通した第一基部連結孔23a及び第二基部連結孔24aにボルト2Bを挿通し、ナットを締めることで第一基部連結部23及び第二基部連結部24が連結される。また、第二基部連結部24は、ボルトを軸に前後方向に回動可能に第一基部連結部23に連結されている。さらに、
図3(b)に示すように、第二基部連結部24は、第一基部連結部23に対して所定角度Eだけ前後方向に相対的に回動可能なように連結されており、基部連結部2Aは、第二基部本体22の第一基部本体21に対する相対回動を所定範囲内での回動に規制する相対回動規制部を備えている。具体的に、第二基部本体22の第一基部本体21に対する前側への回動は、第一基部本体21及び第二基部本体22が一直線上に配置された状態から前側に2度から8度だけ可能である。また、第二基部本体22の第一基部本体21に対する後側への回動は、第一基部本体21及び第二基部本体22が一直線上に配置された状態から後側に2度から8度だけ回動可能である。本実施形態では、第一基部本体21及び第二基部本体22が一直線上に配置された状態から前側に略5度及び後側に略5度だけ回動可能に構成される。
【0041】
図3(b)に示すように、第二基部連結部24が第一基部連結部23に対して所定角度Eだけ回動した際に、相対回動規制部としての係合突起2421が、第一突起回動規制部2311に当接する。また、第二基部連結部24が第一基部連結部23に対して所定角度Eまで回動した際に、相対回動規制部としての係合突起2421が第二突起回動規制部2321に当接する(
図4参照)。具体的に、第二基部連結部24が第一基部連結部23に対して前側に(正面視で反時計回りに)回動した際に、相対回動規制部としての係合突起2421の内周面2421aは、第一基部連結部23の後側当接面2311bに当接する。また、第二基部連結部24が第一基部連結部23に対して後側に(正面視で時計回りに)回動した際には、相対回動規制部としての係合突起2421の内周面2421aが第一基部連結部23の前側当接面2311aに当接する。そのため、第二基部連結部24は、第一基部連結部23に対して、所定角度Eだけ相対的に回動可能であり、第二基部本体22は、第一基部本体21に対して所定角度Eだけ相対的に回動可能である。
【0042】
図1及び
図2に示すように、挿込み台3は、第二基部本体22に取り付けられており、第二基部本体22に突設される第二端子刃5を前側に押し込み操作することができるよう構成される。具体的に、挿込み台3は、挿込み台取付部222に取り付けられており、挿込み台取付部222に取り付けられる土台部31と、土台部31の後側に設けられる押当部32と、を備える。土台部31は、挿込み台取付部222の厚さ方向の一方側及び他方側に取り付けられる一対の土台取付部311を備える。土台取付部311には、延設方向(上下方向)に離隔して2か所にボルトを挿通可能なボルト挿通孔311aが形成されており、ボルト挿通孔311aは挿込み台取付部222に形成される挿込み台取付孔222aと連通するように形成される。
【0043】
図1及び
図2に示すように、押当部32は、土台部31の後側に設けられ、棒状体を押し当て可能に構成される。具体的に、押当部32は、前側が一対の土台取付部311のいずれとも連結し、第二基部本体22の後側の面と略平行に設けられる押当壁321と、押当壁321の延設方向他端側から後側に向かって立設される奥壁322と、押当壁321から後側に向かって立設され、奥壁322の左右の縁部と連結する一対の側壁323と、を備える。即ち、押当部32は、押当壁321の後側の面である押当面321aと、奥壁322の延設方向一方側の面である奥面322aと、一対の側壁323の内側の面である右側面323R及び左側面323Lを備える。本実施形態で、押当面321aは、基部2の延設方向に沿い、第一端子刃4及び第二端子刃5が突設される方向に直交するよう構成される。また、奥面322aは、基部2の延設方向に直交し、第一端子刃4及び第二端子刃5が突設される方向に沿うよう構成される。さらに、右側面323R及び左側面323Lは、基部2の延設方向に沿い、第一端子刃4及び第二端子刃5が突設される方向に沿うように設けられる。
【0044】
図1に示すように、一対の側壁323は、奥壁322との連結部分から遠ざかるにつれて後側への突出量が少なくなるように構成されている。具体的に、側壁323は、延設方向の他端側が後側への突出量が大きく、一端側が後側への突出量が少なくなるように構成されている。また、右側面323R及び左側面323Lは、奥面322aとの連結部分から遠ざかるにつれて後側への突出量が少なくなるように構成されている。即ち、右側面323R及び左側面323Lは、延設方向の他端側(上下方向の上側)が後側への突出量が大きく、一端側(下側)が後側への突出量が少ない。
【0045】
図2に示すように、側壁323の、一対の側壁323に挟まれる領域の外側には、押込確認部324が設けられる。具体的に、押込確認部324は、
図8に示すように、右側の側壁323の右側及び、左側の側壁323の左側に設けられる段部である。また、押込確認部324は、基部2の後側に設けられており、第二端子刃5が挿入された状態で、箱体911の開口部911aに設けられた基準部に対して前後方向で同じ又は前側に位置するよう構成される。さらに、押込確認部324は、後側の面が延設方向と平行に形成される確認面324aであり、本実施形態で、確認面324aは、土台部31の他の部分とは異なる色に着色されているため、押込確認部324が、基準部に対して前後方向で同じ又は前側に位置することを確認しやすい。
【0046】
第一端子刃4及び第二端子刃5は、箱型カットアウト9の端子部95、96に形成される挿込み口95a、96aに挿抜可能な板状の端子である。具体的に、第一端子刃4及び第二端子刃5は、基部2の延設方向一方側及び他方側に突設され、接触刃93、94が抜かれた箱型カットアウト9の端子部95、96に挿抜可能に構成される。
【0047】
図1に示すように、第一端子刃4は、基部2の延設方向の一方の延設端部から延設方向(上下方向)に交差する方向に突設される板状の端子である。本実施形態で、第一端子刃4は、基部2の一方の延設端部から基部2の延設方向に直交する方向(前後方向)に突設される。また、第一端子刃4は、第一基部本体21の延設方向の一方の延設端部に回動不能に固定されている。具体的に、第一端子刃4は、突設する方向の基端側(前後方向の後側)に設けられ、第一端子刃取付部211に嵌合可能な、第一端子刃連結部11としての第一端子刃基端部41と、第一端子刃基端部41から先端側(前後方向の前側)に向かって伸びる第一端子刃本体42と、を備える。
【0048】
第一端子刃基端部41は、第一端子刃取付部211の両第一端子刃嵌合壁2111の間の間隔と略等しい幅(延設方向(上下方向)の長さ)を有している。また、第一端子刃基端部41には、第一端子刃取付部211に嵌合した際に、第一基部連結孔23aと連通する第一端子刃連結孔41aが形成されている。
【0049】
第一端子刃本体42は、前後方向前側に伸びる細長形状の板体である。具体的に、第一端子刃本体42は、第一端子刃基端部41と連結し、第一端子刃基端部41から前側に向かって伸びる第一端子刃延伸部421と、第一端子刃延伸部421の先端側に設けられる第一端子刃先端部422と、を備える。第一端子刃延伸部421は、箱型カットアウト9の端子部95の、刃ガイド部951の長さよりも長く、第一端子刃延伸部421の先端側が端子部95の奥側に備えられる端子本体952に届く長さに構成される(
図7参照)。第一端子刃先端部422は、基端側が第一端子刃延伸部421と連結しており、基端側から先端側に向かうにつれて厚さ(左右方向の寸法)が薄くなるよう構成される。即ち、第一端子刃先端部422は、先端側が薄く、基端側が厚く構成されている。本実施形態で、第一端子刃先端部422は、基端側から先端側にかけて滑らかに厚みが減少するよう構成される。
【0050】
第一端子刃4は、第一端子刃連結部11によって基部2に連結される。即ち、第一端子刃4は、第一端子刃基端部41が、第一端子刃取付部211に取り付けられることで、第一基部本体21に連結される。具体的に、第一端子刃取付部211の両第一端子刃嵌合壁2111の間に第一端子刃基端部41を配置し、第一基部取付孔2111aと第一端子刃連結孔41aとを重ね、ボルト11Aを挿通し、ナットで締めることで第一端子刃4は第一基部本体21に連結される。ここで、両第一端子刃嵌合壁2111の間の間隔は、第一端子刃基端部41の幅と略等しいので、第一端子刃取付部211に取り付けられた第一端子刃4は、第一端子刃基端部41の幅方向の両端が第一端子刃嵌合壁2111に当接するため、実質的に回動不能となる。なお、第一端子刃4と第一基部本体21を連結するボルト11A及びナットは、後述するように、絶縁操作棒連結部212、リード線6、第一端子刃4、及び、第一基部本体21を連結する。
【0051】
図1に示すように、第二端子刃5は、基部2の延設方向の他方の延設端部から延設方向に交差する方向に突設される板状の端子である。第二端子刃5は、基部2の他方の延設端部から基部2の延設方向に直交する方向に突設される。また、第二端子刃5は、第一端子刃4と略同方向に向かって突設されている。さらに、第二端子刃5は、第二基部本体22の延設方向の他方の延設端部に回動可能に連結されている。具体的に、第二端子刃5は、突設する方向の基端側(前後方向の後側)に設けられ、第二端子刃取付部221に取付可能な、第二端子刃連結部12としての第二端子刃基端部51と、第二端子刃基端部51から先端側(前後方向の前側)に向かって伸びる第二端子刃本体52と、を備える。本実施形態で、第二端子刃5は、第二基部本体22に回動可能に連結されている。
【0052】
図5に示すように、第二端子刃基端部51は、第二端子刃取付部221の両第二端子刃当接壁2211の間の間隔よりも小さい幅(延設方向(上下方向)の長さ)を有している。具体的に、第二端子刃基端部51は、突設する方向の先端側に設けられる第一当接部511と、第一当接部511の基端側に設けられ、第一当接部511よりも幅が狭い第二当接部512と、を備え、第一当接部511と第二当接部512とは、幅方向の中心が連続するように連結される。また、第二端子刃基端部51は、第二基部本体22の幅(前後方向の長さ)よりも突設する方向(前後方向)に長い。さらに、第二端子刃基端部51には、第二端子刃取付部221に取付けた際に、第二基部連結孔24aと連通する第二端子刃連結孔512aと、リード線6を取り付けられるリード線取付孔512bが形成されている。
【0053】
図1に示すように、第二端子刃本体52は、前後方向前側に伸びる細長形状の板体である。第二端子刃本体52は、第二端子刃基端部51と連結し、第二端子刃基端部51から前側に向かって伸びる第二端子刃延伸部521と、第二端子刃延伸部521の先端側に連結されるテーパ部522と、を備え、テーパ部522の先端には、第二端子刃先端部5221が備えられる。第二端子刃延伸部521は、幅(上下方向の寸法)が一定に構成されるストレート部である。テーパ部522は、基端側から先端側に向かうにつれて幅(上下方向の寸法)が狭くなるように構成される。また、第二端子刃延伸部521とテーパ部522とを合わせた突設する方向への長さは、箱型カットアウト9の端子部96の、刃ガイド部961の長さよりも長く、先端側が端子部96の奥側に備えられる端子本体962に届く長さに構成される(
図7参照)。本実施形態では、テーパ部522が端子本体962に届くよう構成される。第二端子刃先端部5221は、基端側がテーパ部522と連結しており、基端側から先端側に向かうにつれて厚さ(左右方向の寸法)が薄くなるよう構成される。即ち、第二端子刃先端部5221は、先端側が薄く、基端側が厚く構成されている。本実施形態で、第二端子刃先端部5221は、基端側から先端側にかけて滑らかに厚みが減少するよう構成される。
【0054】
第二端子刃5の幅(延設方向(上下方向)の長さ)は、第一端子刃4の幅(延設方向の長さ)よりも狭く構成される。具体的に、第二端子刃本体52(第二端子刃延伸部521及びテーパ部522)の幅は、第一端子刃4の幅よりも狭い。また、第二端子刃5の第二基部本体22から突設方向(前後方向の前側)への長さは、第一端子刃4の第一基部本体21から突設方向(前後方向の前側)への長さよりも短く構成される。
【0055】
図5に示すように、第二端子刃5は、第二端子刃連結部12によって基部2に対して回動可能に連結される。また、第二端子刃連結部12は、第二端子刃5の基部2に対する回動を所定角度に規制する端子刃回動規制部を備える。具体的に、第二端子刃基端部51を第二端子刃取付部221に取り付けることで、第二端子刃5は、第二基部本体22に連結されている。また、第二端子刃基端部51は、第一当接部511が、第二端子刃5が突設される方向の先端側(前後方向の前側)に、第二当接部512が、第二端子刃5が突設される方向の基端側(前後方向の後側)になるように第二端子刃取付部221に取り付けられる。即ち、第二端子刃基端部51の第二端子刃当接壁2211同士の間隔が広い前側に、幅広の第一当接部511が配置され、第二端子刃当接壁2211同士の間隔が狭い後側に、幅狭の第二当接部512が配置される。第二端子刃取付部221に配置された第二端子刃基端部51は、第二端子刃連結孔512a及び第二基部取付孔2212aを重ね、ボルト12Aを挿通し、ナットを締めることで、第二端子刃取付部221に取り付けられる。また、第二端子刃基端部51の基端側は、第二基部本体22の後側の端部よりも後側に突出している。さらに、リード線取付孔512bは、第二当接部512のうち、第二基部本体22の後側の端部よりも後側に突出している部分に形成されている。
【0056】
ここで、第二端子刃基端部51の幅は、第二端子刃取付部221の両第二端子刃当接壁2211同士の間隔よりも小さく形成されるので、取り付けられた第二端子刃基端部51と第二端子刃当接壁2211との間には隙間が形成される。そのため、第二端子刃基端部51は、
図5(a)に示す、第二基部本体22の延設方向に対して直交する状態から、
図5(b)に示す、第一当接部511又は第二当接部512が、端子刃回動規制部としての第二端子刃当接壁2211に当接するまで、ボルト12Aを軸に上下方向に回動することができる。即ち、第二端子刃5は、突出方向の基端部に挿通されるボルト12Aを起点に、延設方向に第一当接部511又は第二当接部512が、端子刃回動規制部としての第二端子刃当接壁2211に当接するまでの所定角度Fだけ回動可能である。具体的に、第二端子刃5は、第二基部本体22の延設方向に直交する状態から、延設方向の一方(下側)に2度から8度だけ回動可能なように構成される。また、第二端子刃5は、第二基部本体22の延設方向に直交する状態から、延設方向の他方(上側)に2度から8度だけ回動可能なように構成される。本実施形態で、第二端子刃5は、第二基部本体22の延設方向に直交する状態から延設方向の一方(下側)に略5度だけ回動可能に構成されている。また、第二端子刃は、第二基部本体22の延設方向に直交する状態から他方(上側)に略5度だけ回動可能に構成されている。
【0057】
図1に示すように、リード線6は、第一端子刃4と第二端子刃5とを電気的に接続する。リード線6は、長さ方向の一端が、第一端子刃4に挿通されるボルトを介して第一端子刃4に電気的に接続され、他端が、第二端子刃5のリード線取付孔512bにボルトを介して第二端子刃5に電気的に接続される。具体的に、リード線6の一端側には一端側取付孔61aが形成された一端側取付部61が備えられる。一端側取付孔61aを第一端子刃連結孔41a及び第一基部取付孔2111aに重ね、ボルト11Aを挿通し、ナットで締め付けることでリード線6は第一端子刃4に電気的に接続される。また、リード線6の他端側には、他端側取付孔62aが形成される他端側取付部62が備えられる。他端側取付孔62aをリード線取付孔512bに重ね、ボルト6Aを挿通し、ナットで締め付けることで、リード線6は第二端子刃5に電気的に接続される。
【0058】
このようなカットアウト接続器具1は、
図6に示すように、絶縁操作棒7を使って箱型カットアウト9に取り付けられる。絶縁操作棒7は、軸線方向の一端がカットアウト接続器具1に連結され、他端側を作業員が把持可能に構成される棒状体であり、軸線方向の一端側と他端側は電気的に絶縁されるよう構成される。本実施形態において、絶縁操作棒7は、軸線方向の一端側に設けられ、カットアウト接続器具1と電気的に接続される器具端子71と、器具端子71の軸線方向の他端側に連結される共用操作棒72(図示しない)と、を備え、共用操作棒72は、軸線方向一端側と他端側を電気的に絶縁する。また、器具端子71と共用操作棒72は、着脱可能に構成されており、絶縁操作棒連結部212に絶縁操作棒7が連結された状態であっても器具端子71と共用操作棒72の連結を解除することができる。本実施形態で、器具端子71は、カットアウト接続器具1の絶縁操作棒連結部212に備えられる雄ねじ部2121aに螺合されることで、カットアウト接続器具1に取り付けられる。また、器具端子71は、地絡した電線路の事故点を探査するための事故点探査装置(図示しない)に電気的に接続される。即ち、本実施形態におけるカットアウト接続器具1は、絶縁操作棒連結部212に器具端子71が取り付けられた課電端子8の一部であり、課電端子8は、事故点探査装置に電気的に接続されている。
【0059】
このようなカットアウト接続器具1の箱型カットアウト9への取付けについて
図6乃至
図8を用いて説明する。カットアウト接続器具1の箱型カットアウト9への取付けは、(1)棒取付工程、(2)第一端子刃挿し込み工程、(3)第二端子刃押し込み工程、の3工程によりなされる。
【0060】
(1)棒取付工程は、カットアウト接続器具1に絶縁操作棒7を取り付ける工程である。具体的には、器具端子71を棒取付部2121の雄ねじ部2121aに螺合することで、絶縁操作棒7がカットアウト接続器具1に取り付けられる。本工程により、カットアウト接続器具1に絶縁性の棒状体が取り付けられるので、取付作業者は、箱型カットアウト9から離隔した位置から安全にカットアウト接続器具1を箱型カットアウト9に取り付けることが可能になる。
【0061】
(2)第一端子刃挿し込み工程は、絶縁操作棒7を用いて、カットアウト接続器具1を箱型カットアウト9に押し込む工程である。
図6に示すように、絶縁操作棒7の先端に取り付けられたカットアウト接続器具1を箱型カットアウト9に挿し込む。具体的に、本工程では、第一基部本体21に回動不能に固定される第一端子刃4を一方の端子部95に形成される挿込み口95aに挿し込む。端子部95に挿し込まれた第一端子刃4の第一端子刃本体42が、端子部95の奥側に設けられる端子本体952に刺さるまで第一端子刃4を端子部95に挿し込むことで、本工程は完了する。
【0062】
(2)第一端子刃挿し込み工程が完了した時点で、
図6に示すように、第二端子刃5は、先端側が他方の端子部96に届いた半挿し状態となる。具体的に、第一端子刃4を一方の端子部95に挿し込む際には、重力や、第二端子刃5が箱型カットアウト9に接することによる抵抗などによって、第二基部本体22は第一基部本体21に対して後側に回動し、相対回動規制部によって回動規制された状態となり、第二端子刃5は、第二基部本体22に対して上側又は下側に回動し、端子刃回動規制部によって回動規制された状態となる。本実施形態で、第二端子刃5は、第二基部本体22に対して下側に回動した状態となっている。しかしながら、第二基部本体22が第一基部本体21に対して回動可能な所定角度E及び、第二端子刃5が第二基部本体22に対して回動可能な所定角度Fは、一定の範囲内に制限されている。具体的に、第二端子刃5の第一端子刃4に対する回動可能な最大の角度は、第二端子刃5が第二基部本体22に対して回動可能な所定角度F(2度乃至8度であることが好ましい、本実施形態では略5度)及び第二基部本体22が第一基部本体21に対して回動可能な所定角度E(2度乃至8度であることが好ましい、本実施形態では略5度)の合計(4度乃至16度、本実施形態では略10度)に略等しい。そのため、相対回動規制部によって相対回動が規制された第二基部本体22及び端子刃回動規制部によって回動規制された第二端子刃5が、回動規制された状態の姿勢で絶縁操作棒7によって箱型カットアウト9に押し込まれ、第二端子刃5が端子部96に挿し込まれる。このとき、
図6に示すように、第二端子刃5は、先端部分が端子部96に挿し込まれて、基端部分が端子部96に挿し込まれていない状態となる。また、第二端子刃5が挿込み口96aの伸びる方向に対してずれた状態で半挿しされる。即ち、第二基部本体22が第一基部本体21に対して回動可能な所定角度E及び、第二端子刃5が第二基部本体22に対して回動可能な所定角度Fの合計は、第一端子刃4を端子部95の挿込み口95aに挿し込んだ際に、第二端子刃5の先端部分が端子部96の挿込み口96aに挿し込まれ、第二端子刃5の基端部分が端子部96の挿込み口96aに挿し込まれないようになる範囲内となるように構成される。
【0063】
さらに、(2)第一端子刃挿し込み工程において、第二端子刃5は、第一端子刃4よりも幅が狭く、長さが短く構成されるため、第二端子刃5が端子部96に挿し込まれる際に受ける抵抗は第一端子刃4が端子部95に挿し込まれる際に受ける抵抗よりも小さい。そのため、第二端子刃5は、第一端子刃4が一方の端子部95に挿入されるのに伴って、スムーズに端子部96に進入する。
【0064】
(3)第二端子刃押し込み工程は、半挿し状態の第二端子刃5を端子部96に押し込む工程である。
図7に示すように、第二基部本体22の後側に設けられる挿込み台3を棒状体で前側に押し込むことによって、第二端子刃5は、端子部96に押し込まれる。具体的に、挿込み台3が棒状体で前側に押し込まれると、第二基部本体22が前側に押され、第一基部本体21に対して前側に回動する。第二基部本体22の前側への回動に伴って、第二端子刃5も前側に移動する。第二端子刃5の前側への移動の際に、
図6に示すように、第二端子刃5が差し込み口の伸びる方向に対してずれた状態で刺さっている場合には、第二端子刃5が第二基部本体22に対して回動することで、ずれを修正しながら前側へと押し込まれる。第二端子刃本体52(テーパ部522又は第二端子刃延伸部521)が、端子部96の奥側に設けられる端子本体962に接するまで第二端子刃5を端子部96に挿し込むことで、本工程は完了し、カットアウト接続器具1は箱型カットアウト9に取り付けられる。ここで、
図8に示すように、挿込み台3に設けられる押込確認部324の確認面324aが、箱型カットアウト9の箱体911の基準部としての開口部の縁911cよりも奥側に移動するまで挿し込まれたときには、第二端子刃5が端子部96に対して十分に挿し込まれている。即ち、確認面324aは、箱型カットアウト9の箱体911の開口部の縁911cよりも奥側に位置するまで押し込まれるときに、第二端子刃5が端子部96に十分に挿し込まれるよう構成されている。
【0065】
(3)第二端子刃押し込み工程における挿込み台3の押込みについて説明する。
図8に示すように、挿込み台3は棒状体によって押される。挿込み台3を押し込むために使用される棒状体は、例えば共用操作棒72である。具体的に、絶縁操作棒連結部212に取り付けられた絶縁操作棒7から、器具端子71と共用操作棒72の連結を解除して共用操作棒72を取り外し、取り外した共用操作棒72の先端部分72aで挿込み台3を押し込む。ここで、共用操作棒72の先端部分72aは、挿込み台3の奥面322aと押当面321aとに当接して挿込み台3を前側に押し込む。また、共用操作棒72の先端部分72aが左右方向にずれた場合には、側壁323に共用操作棒72の先端部分72aが当接するため、押込み途中で共用操作棒72の先端部分72aが挿込み台3から脱落することを防止できる。
【0066】
次に、箱型カットアウト9に取り付けられたカットアウト接続器具1の取外し方法について
図9を用いて説明する。
【0067】
カットアウト接続器具1の箱型カットアウト9からの取外しは、(1)棒取付工程、(2)第二端子刃半抜き工程、(3)カットアウト接続器具抜き取り工程、の3工程によりなされる。
【0068】
(1)棒取付工程は、絶縁操作棒連結部212に絶縁操作棒7を取り付ける工程である。本実施形態においては、絶縁操作棒連結部212に取り付けられた器具端子71の軸線方向他端側に共用操作棒72を取り付ける。棒取付工程により、取外し作業者は、箱型カットアウト9から離隔した位置から安全にカットアウト接続器具1を箱型カットアウト9から取り外すことが可能になる。
【0069】
(2)第二端子刃半抜き工程は、第二端子刃5の基端側を端子部96から引き抜き、第二端子刃5を半抜き状態とする工程である。具体的に、
図9に示すように、カットアウト接続器具1に取り付けられた絶縁操作棒7を、延設方向一端側(上下方向の下側)に向かって移動させることで、第一基部本体21を、
図7に示すように端子部95、96が並んで配置される方向に平行に伸びている状態から、延設方向一端側が前側に、延設方向他端側が後側になるように傾ける。このとき、第一端子刃4も、第一基部本体21と連動して回動し、
図7に示すように、端子部95の挿込み口95aが伸びる方向に対して平行に伸びていた状態から、
図9に示すように、基端側が下側に、先端側が上側になるように傾き、挿込み口95aが伸びる方向とずれた状態となる。
【0070】
第一基部本体21が傾くことに連動して、第二基部本体22も傾く。即ち、第一基部本体21が傾くことで、第一基部本体21が、第二基部本体22に対して、相対回動規制部によって相対回動が規制されるまで回動する(本実施形態では、第一基部本体21が第二基部本体22に対して略5度傾く。)。そして、相対回動が規制された状態からさらに第一基部本体21が傾くと、第二基部本体22は、第一基部本体21に引っ張られて、延設方向一端側が後側に移動し、第二基部本体22が傾く。さらに、第二端子刃5は、第二基部本体22が傾くことに伴って、第二基部本体22に対して直交する状態から、第二端子刃5の先端が第二基部本体22に対して延設方向他端側(上側)に向かって回動するように第二基部本体22に対して回動する。そして、第二端子刃5が、回動可能な範囲の限界(本実施形態では略5度)まで回動したとき、第二基部本体22は、第一基部本体21及び第二端子刃5のいずれに対してもそれ以上相対的に回動することができなくなる。
【0071】
第二基部本体22が、第一基部本体21及び第二端子刃5のいずれに対しても相対的に回動することができなくなってからさらに絶縁操作棒7を延設方向一端側(前後方向の下側)に移動させると、第一基部本体21が、延設方向一端側が前側に、延設方向他端側が後側になるようにさらに傾き、第一基部本体21の延設方向他端側が後側に移動する。第二基部本体22は、相対回動規制部によって回動が規制されるので、第一基部本体21に引っ張られて、第二基部本体22の全体が後側に移動する。また、第二端子刃5は、第二端子刃回動規制部によって回動が規制されるので、第二基部本体22が後側に移動するのに引っ張られて、後側に移動する。第二端子刃5が後側に移動することで、第二端子刃5の基端部分は、端子部96から引き抜かれ、第二端子刃5は、半抜き状態となる。
【0072】
(3)カットアウト接続器具抜き取り工程は、絶縁操作棒7を後側に引張り、カットアウト接続器具1を箱型カットアウト9から抜き取る工程である。具体的に、
図9に示すように、絶縁操作棒7を介して第二端子刃5が半抜き状態となったカットアウト接続器具1を引き抜く工程である。第一端子刃4が突設される方向に対して基端側に絶縁操作棒7を引くことで、第一基部本体21は、第一端子刃4が突設される方向に対して基端側に移動し、連動して第一端子刃4は、端子部95から引き抜かれる。
【0073】
(3)カットアウト接続器具抜き取り工程において、第二基部本体22も、第一基部本体21の第一端子刃4が突設される方向に対する基端側への移動に連動して基端側へ移動し、第二端子刃5も第二基部本体22の移動に連動して端子部96から引き抜かれる。具体的に、第一基部本体21の後側への移動に伴って、第一基部本体21に連結される第二基部本体22も後側に引っ張られ後側に移動する。さらに、第二基部本体22に連結される、第二端子刃5も第二基部本体22に連動して後側に移動する。このとき、第二端子刃5は、基端側が抜けた半抜き状態とされているため、第二端子刃5を引き抜くために必要な力を低減することができ、第一基部本体21を後側に引っ張る力で第二端子刃5を引き抜くことができる。さらに、第二端子刃5は、(2)第二端子刃半抜き工程によって、先端側が延設方向他端側に向かって回動しているので、第二基部本体22の延設方向一端側と第二端子刃5の交差する角度Xが鈍角(本実施形態においては略95度)となり、
図7に示すような第二基部本体22と第二端子刃5が直交する状態よりも、直線状に近い状態となる。そのため、第一基部本体21に連動して第二基部本体22の延設方向一端側が後側に引っ張られる力を第二端子刃5に伝えやすい。
【0074】
上記のようなカットアウト接続器具1によれば、第一端子刃4及び第二端子刃5の少なくとも一方が前記延設方向(上下方向)に回動するので、第一端子刃4又は第二端子刃5を挿込み口95a、96aに挿し込む際に、第一端子刃4又は第二端子刃5の向きと挿込み口95a、96aが伸びる方向とにずれがある状態で第一端子刃4又は第二端子刃5を押し込んだとしても、少なくとも一方の端子刃が回動して、端子刃の向きが変わる。よって、端子刃の向きと挿込み口95a、96aが伸びる方向のずれを修正しながら、端子刃が挿込み口95a、96aの奥に向かって挿し込まれるため、挿込み口95a、96aに端子刃を挿入しやすくなる。
【0075】
また、第一端子刃4又は第二端子刃5のうち、少なくとも一方の端子刃が基部2の延設方向に対して直交する方向に突出した姿勢から、延設方向の一端側に所定角度となる範囲で回動可能であるので、少なくとも一方の端子刃が延設方向の一端側に回動した状態で端子部の挿込み口95a、96aに端子刃の先端部分が差し込まれ、端子刃が基部2に対して直交する方向に向かって回動しながら端子刃が挿込み口95a、96aに押し込まれる。よって、端子刃を挿込み口95a、96aに挿入しやすくなる。
【0076】
さらに、第一端子刃4又は第二端子刃5のうち、少なくとも一方の端子刃が基部2の延設方向に対して直交する方向に突出した姿勢から、少なくとも延設方向の他端側に所定角度となる範囲で回動可能である。よって、端子刃を端子部95、96に挿し込む際には、少なくとも一方の端子刃が延設方向の他端側に回動した状態で端子部95、96の挿込み口95a、96aに端子刃の先端部分が差し込まれ、端子刃が基部2に対して直交する方向に向かって回動しながら端子刃が挿込み口95a、96aに押し込まれる。また、端子刃を端子部95、96から抜き取る際には、端子刃が基部2に対して延設方向の他端側に回動しながら、端子刃の基端部分が端子部95、96から抜き取られてから、端子刃の先端部分が端子部95、96から抜き取られる。そのため、端子刃を挿込み口95a、96aに挿し込みやすく、かつ、端子刃を挿込み口95a、96aから抜き取りやすくなる。
【0077】
また、第一端子刃4又は第二端子刃5のうち、少なくとも一方の端子刃が基部2の延設方向に対して直交する方向に突出した姿勢から、延設方向の一端側に所定角度となる範囲、及び、他端側に所定角度となる範囲において回動可能であるので、端子刃を挿し込む際には、一方の端子刃が、挿し込む際の重力やカットアウトから受ける抵抗などによって、延設方向一端側又は他端側に回動した状態で端子部95、96の挿込み口95a、96aに端子刃の先端部分が差し込まれ、端子刃が基部2に対して直交する方向に向かって回動しながら端子刃が挿込み口95a、96aに押し込まれる。よって、端子刃を挿込み口95a、96aに確実に挿入しやすくなる。
【0078】
さらに、第一基部本体21と第二基部本体22とが第一端子刃4及び第二端子刃5の突設方向基端側(前後方向後側)に相対的に回動可能であるので、本実施形態におけるような第二端子刃5が回動可能な場合に、第二基部本体22を第一基部本体21に対して突設方向の基端側へ回動させた状態で第一端子刃4を挿込み口95aに挿し込み、その後、第二基部本体22を突設方向先端側(前後方向前側)へ回動させて、第二端子刃5を挿込み口96aに挿し込みできる。第二端子刃5を挿し込むときには、第二基部本体22の回動と第二端子刃5との回動が相まって、第二端子刃5の角度が微調整されながらスムーズに挿し込むことができる。
【0079】
また、第二基部本体22は、第一基部本体21と第二基部本体22とが直線上に配置された姿勢から、第一基部本体21に対して第一端子刃4及び第二端子刃5が突設する方向の先端側(前後方向前側)に相対的に所定角度だけ回動可能であり、所定角度以上の相対回動が規制され、第二端子刃5が基部2に対して、基部2と直交する状態から所定角度だけ延設方向の他端側に回動可能であり、所定角度以上の回動が規制される。よって、第一基部本体21を、延設方向一端側(上下方向下側)が突出方向先端側(前後方向前側)に、延設方向他端側(上下方向上側)が突出方向基端側(前後方向後側)になるように傾け、第二基部本体22を第一基部本体21に対して相対回動が規制されるまで突設方向の先端側へ回動させる。第二基部本体22が回動することで、第二端子刃5は、基部2に対して、回動が規制されるまで延設方向他端側に回動する。第二基部本体の相対回動及び端子刃の回動が規制されてから、さらに第一基部本体21を傾けると、第二基部本体22は第一基部本体21に引っ張られ、突出方向基端側に移動し、第二端子刃5は、第二基部本体22と連動して、端子部96から抜き取られる。そのため、端子刃を端子部95、96から抜き取りやすくなる。
【0080】
さらに、基部連結部2Aは、相対回動規制部を備え、第二端子刃連結部12は端子刃回動規制部を備え、相対回動規制部及び端子刃回動規制部は、第一端子刃4が一方の端子部95に挿し込まれた際に、第二端子刃5の先端部分が他方の端子部96の挿込み口96aに挿し込まれ、基端部分が挿し込まれていない状態となる範囲のみでの第二基部本体22及び第二端子刃5の回動を許容するよう構成される。よって、第一端子刃4を一方の挿込み口95aに挿し込んだ際に、第二端子刃5は、他方の挿込み口96aに先端部分が挿し込まれるので、第二端子刃5は、第一端子刃4の挿し込みによって先端部分が挿込み口96aにくわえられ、その後の押込みによって全体が挿込み口96aに入るため、カットアウト接続器具1を箱型カットアウト9に確実に取り付けることができる。
【0081】
また、第二基部本体22は第一基部本体21に対して回動可能であり、第二端子刃5が第二基部本体22に対して回動可能であるので、絶縁操作棒連結部212に絶縁操作棒7を連結し、第一端子刃4を挿込み口95aに挿し込んだ後に、第二基部本体22と第二端子刃5とを回動させて、第二端子刃5を挿込み口96aに挿し込むことができ、挿し込み作業が容易で確実となる。
【0082】
さらに、第一端子刃4は、第一基部本体21に回動不能に固定され、第二基部本体22は、第一基部本体21に対して回動可能であり、第二端子刃5は第二基部本体22に対して回動可能であるので、回動不能な第一端子刃4を挿込み口95aに挿し込んだ後に、第二基部本体22と第二端子刃5とを回動させて、第二端子刃5を挿込み口96aに挿し込むことができ、挿し込み作業が容易で確実となる。
【0083】
また、第一端子刃4と第二端子刃5との刃の幅に違いがあるので、第一端子刃4と第二端子刃5が挿込み口95a、96aから受ける抵抗に差が生じる。即ち、幅広の第一端子刃4は挿込み口95aから受ける抵抗が大きいため、挿込み口95aから抜けにくく、幅狭の第二端子刃5は挿込み口96aから受ける抵抗が小さいため、挿込み口96aに挿し込みやすい。よって、第一端子刃4で確実にカットアウト接続器具1が端子部95、96に保持され、第二端子刃5は、挿込み口96aに対して挿抜しやすく構成されるため、箱型カットアウト9からの脱落しづらくかつ箱型カットアウト9に取付け及び取外しやすくすることができる。
【0084】
さらに、第一基部本体21及び第二基部本体22の一方に絶縁操作棒連結部212が、他方に挿込み台3が設けられているので、絶縁操作棒連結部212に絶縁操作棒7を連結することで、一方の基部本体(第一基部本体21)に突設される端子刃(第一端子刃4)を挿込み口95aに挿し込み、挿込み台3を棒状体で押して、他方の基部本体(第二基部本体22)に突設された端子刃(第二端子刃5)を挿込み口96aに挿し込むことができるので、確実にカットアウト接続器具1を箱型カットアウト9に取り付けることができる。
【0085】
また、挿込み台3は、他方の基部本体(第二基部本体22)に連結される土台部31と、土台部31の端子刃が突設される方向の基端側(前後方向の後側)に設けられる押当部32と、を備え、押当部32は、基部2の延設方向に沿い、端子刃の突設される方向に直交する押当面321aと、基部2の延設方向に直交し、端子刃の突設される方向に沿い、押当面321aから立設される奥面322aと、基部2の延設方向及び、端子刃が延設される方向に沿い、押当面321aから立設され、奥面322aと連結する右側面323R及び左側面323Lと、を備える。よって、挿込み台3には、挿込み台3における基部2から第二端子刃5が突設されている側とは反対側に、棒状体の先端を嵌め込む凹部が形成されるので、凹部によって確実に棒状体の先端が係止されるため、棒状体の先端が挿込み台3から外れることを防止し、確実に、端子刃を挿込み口96aに押し込むことができる。
【0086】
さらに、側面323L、323Rの高さが奥面322aに近い側が高いので、奥面322aに向かって押し当てられる共用操作棒72を高い面で確実に係止でき、かつ、奥面322aに遠い側の側面323L、323Rの高さが低いので、奥面322aに共用操作棒72を押し当てられる際に邪魔になりづらい。よって、共用操作棒72を挿込み台3の側方から押し当てることができるため、第二端子刃5を挿込み口96aに押し込みやすくなる。
【0087】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0088】
例えば、基部2は、第一基部本体21及び第二基部本体22に分割されているとして説明したが、分割されていない構成としてもよい。
【0089】
また、第一端子刃4が基部2に固定されており、第二端子刃5が基部2に対して回動可能に連結されているとして説明したが、この構成に限らず、第一端子刃4及び第二端子刃5の両方が基部2に対して回動可能に連結されていてもよいし、第一端子刃4のみが基部2に対して回動可能に連結されていてもよい。
【0090】
さらに、第二端子刃5は、第一端子刃4よりも幅が小さく、かつ長さが短い構成として説明したが、この構成に限らず、例えば長さが同じ構成であってもよいし、幅が同じ構成であってもよい。
【0091】
また、基部連結部2Aは、第一突起回動規制部2311及び第二突起回動規制部2321と係合部242との当接によって第二基部本体22の第一基部本体21に対する回動可能な角度を制限するとして説明したが、例えば別途ストッパを設けることにより回動可能な角度を制限する構成としてもよい。
【0092】
さらに、第二端子刃連結部12は、第二端子刃当接壁2211と第二端子刃基端部51との当接によって第二端子刃5の回動角度を制限する構成として説明したが、この構成に限らず、例えば別途ストッパを設けることにより回動可能な角度を制限する構成としてもよい。
【0093】
また、第二端子刃当接壁2211同士の間隔は、前側が広く、後側が狭く形成されるとして説明したが、前側が狭く、後側が広くなるよう形成されてもよいし、前側及び後側の間隔が等しくなるように形成されてもよい。
【0094】
さらに、第二端子刃5は、基部2に対して直交する状態から上側及び下側に回動可能であるとして説明したが、基部2に対して直交する状態から上側の範囲でのみ回動可能な構成、又は、下側の範囲でのみ回動可能な構成としてもよい。
【0095】
また、基部2には、挿込み台3が設けられるとして説明したが、挿込み台3を備えない構成としてもよい。
【0096】
さらに、第一端子刃4は、ボルト11Aによって回動不能に基部2に固定されるとして説明したが、固定手段として、溶接などの他の手段を採用することができる。
【0097】
また、第二端子刃5は、基部2に第二端子刃基端部51がボルト12Aで連結され、該ボルト12Aを軸に第二端子刃5全体が回動可能であるとして説明したが、このような構成に限らず、第二端子刃基端部51は、基部2に対して回動不能に固定され、第二端子刃本体52が、第二端子刃基端部51に対して延設方向一端側及び他端側に回動可能に構成されてもよい。
【0098】
さらに、絶縁操作棒7は、器具端子71と共用操作棒72とを備えるとして説明したが、これに限らず、絶縁操作棒7は、絶縁性を有する棒状体であればよい。
【0099】
また、本発明にかかるカットアウト接続器具の他の実施形態として、一対の端子部95、96間に亘るように延設される基部と、基部の延設方向の一方の延設端部から延設方向に交差する方向に突設され、接触刃93、94が抜かれた一方の端子部95の挿込み口95aに挿抜可能な第一端子刃と、基部の延設方向の他方の延設端部から第一端子刃と略同方向に突設され、接触刃93、94が抜かれた他方の端子部96の挿込み口96aに挿抜可能な第二端子刃と、基部に、前記第一端子刃及び第二端子刃が突設される方向の基端側に向かって突設される絶縁操作棒連結部と、を備え、絶縁操作棒連結部は、基部に対して延設方向一端側に所定角度となる範囲内、及び/又は、他端側に所定角度となる範囲内で相対回動可能に設けられ、第一端子刃及び第二端子刃の少なくとも一方は、基部の延設方向に対して直交した姿勢から延設方向の一端側に所定角度となる範囲内、及び/又は、他端側に所定角度となる範囲内で回動可能である構成とすることもできる。
【0100】
上記のような構成によれば、絶縁操作棒連結部に対する基部の角度を変えることができるので、一方の端子刃を端子部に挿し込んでから、基部を押し上げることで、基部が絶縁操作棒に対して回動して、端子刃の延設方向と沿うように伸び、少なくとも一方の端子刃が回動して、端子部95、96の挿込み口95a、96aが伸びる方向に沿って伸びる。よって、挿込み口95a、96aに端子刃を挿入しやすくなる。
【0101】
また、上記形態において、絶縁操作棒連結部と第一端子刃とは、相対回動不能に固定されていてもよい。
【0102】
上記のような構成によれば、絶縁操作棒連結部が基部に対して回動したとしても、絶縁操作棒連結部と第一端子刃の相対的な角度は一定に保たれるため、第一端子刃を挿込み口95aに挿し込みやすくなる。
【符号の説明】
【0103】
1…カットアウト接続器具、11…第一端子刃連結部、12…第二端子刃連結部、2…基部、2A…基部連結部、21…第一基部本体、211…第一端子刃取付部、2111…第一端子刃嵌合壁、2111a…第一基部取付孔、212…絶縁操作棒連結部、2121…棒取付部、2121a…雄ねじ部、2122…基部取付部、2122a…取付穴、22…第二基部本体、2211…第二端子刃当接壁、221…第二端子刃取付部、2212…第二端子刃固定壁、2212a…第二基部取付孔、222…挿込み台取付部、222a…挿込み台取付孔、23…第一基部連結部、23a…第一基部連結孔、23S…第二基部挿入空間、231…第一突起部、2311…第一突起回動規制部、2311a…前側当接面、2311b…後側当接面、232…第二突起部、2321…第二突起回動規制部、24…第二基部連結部、24a…第二基部連結孔、241…挿入板部、242…係合部、2421…係合突起、2421a…内周面、3…挿込み台、31…土台部、311…土台取付部、311a…ボルト挿通孔、32…押当部、321…押当壁、321a…押当面、322…奥壁、322a…奥面、323…側壁、323L…左側面、323R…右側面、324…押込確認部、324a…確認面、4…第一端子刃、41…第一端子刃基端部、41a…第一端子刃連結孔、42…第一端子刃本体、421…第一端子刃延伸部、422…第一端子刃先端部、5…第二端子刃、51…第二端子刃基端部、511…第一当接部、512…第二当接部、512a…第二端子刃連結孔、512b…リード線取付孔、52…第二端子刃本体、521…第二端子刃延伸部、522…テーパ部、5221…第二端子刃先端部、6…リード線、61…一端側取付部、61a…一端側取付孔、62…他端側取付部、62a…他端側取付孔、7…絶縁操作棒、71…器具端子、72…共用操作棒、8…課電端子、9…箱型カットアウト、9A…導通部、91…容器本体、911…箱体、911a…開口部、911b…電線差込口、911c…開口部の縁、912…ピン、913…蓋体、92…ヒューズ、93・94…接触刃、95・96…端子部、95a・96a…挿込み口、951・961…刃ガイド部、952・962…端子本体、A…電柱、B…腕金、C…二次側電線、D…一次側電線