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<図1>
  • 特開-フェイスシールド 図1
  • 特開-フェイスシールド 図2
  • 特開-フェイスシールド 図3
  • 特開-フェイスシールド 図4
  • 特開-フェイスシールド 図5
  • 特開-フェイスシールド 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024786
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220202BHJP
   A42B 3/20 20060101ALI20220202BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/11 Z
A42B3/20
A62B18/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127578
(22)【出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】591053889
【氏名又は名称】株式会社大林製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104488
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 良夫
(72)【発明者】
【氏名】大林 靖明
【テーマコード(参考)】
2E185
3B107
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185CC36
3B107AA01
3B107CA02
3B107DA07
3B107DA19
(57)【要約】
【課題】装着者が息苦しさを覚えることが無いとともに、ウイルスの浸入を有効に防止可能なフェイスシールドを提供する。
【解決手段】シールド本体2とシールド本体に装着された固定具8と固定具に連結されたベルト14とベルトに装着されたクッション材15を具備し、シールド本体は、上方部分に形成した一対の貫通溝3と貫通溝のそれぞれの下方に形成した係止孔4と幅方向の両端部分に形成した縦溝部5を具備し、固定具は、天井部と正面側壁部と背面側壁部と正面側壁部内面に突設した係止突起を具備し、天井部が貫通溝を貫通した状態で係止突起を係止孔に係止することでシールド本体に固定され、ベルトは、固定具の背面側壁部に引っ掛けた状態で固定具に装着されるとともにシールド本体に形成した縦溝部を貫通した状態で先端を装着者の頭部の後方に回して互いに連結することで頭部に装着可能とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の頭部に装着されて装着した者の顔の正面側を覆うためのフェイスシールドであって、
透明なプラスチック製のシールド本体(2)と、
該シールド本体(2)に着脱自在に装着された固定具(8)と、
該固定具(8)に連結された、両端を互いに連結可能としたベルト(14)と、
該ベルト(14)に装着されたクッション材(15)と、を具備し、
前記シールド本体(2)は、
上方部分に間隔を置いて形成した一対の貫通溝(3)と、該貫通溝(3)のそれぞれの下方に形成した係止孔(4)と、幅方向に見た両端部分近傍に形成した縦溝部(5)と、を具備し、
前記固定具(8)は、
天井部(9)と、該天井部(9)の一端側に下方に向けて連設された正面側壁部(10)と、前記天井部(9)の他端側に下方に向けて連設された背面側壁部(11)と、前記正面側壁部(9)の内面に突設した係止突起(12)と、を具備し、
前記天井部(9)で前記貫通溝(3)を貫通させて前記正面側壁部(10)をシールド本体(2)の外面側に配置した状態で、前記係止突起(12)を前記係止孔(4)に係止することでシールド本体(2)に固定することとし、
前記ベルト(14)は、
前記固定具(8)の背面側壁部(11)の内面側に引っ掛けた状態で前記固定具(8)に装着されるとともに、前記シールド本体(2)に形成した縦溝部(5)を貫通し、前記クッション材(15)を装着者の額に当接した状態でベルトの先端を装着者の頭部の後方に回して互いに連結することで、頭部に装着可能とした、ことを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記クッション材(15)がスポンジであることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記ベルト(14)が布製であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記固定具(8)における背面側壁部(11)の内面側に、前記ベルト(14)の長手方向に沿った両端が挿入される一対の掛止溝(13)が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウイルス等の飛沫感染を防止するためのフェイスシールドに係り、より詳しくは、装着している者が息苦しくなることがないとともに、装着者とフェイスシールドの間にウイルス等が容易に浸入することを有効に防止可能としたフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医師、看護師等の医療従事者や理美容師、食品を扱う者、あるいは他人を前にして話等をする者は、インフルエンザウイルス等の飛沫感染を防止するために、フェイスシールドを付ける場合があった。
【0003】
ここで、従来のフェイスシールドを簡単に説明すると、従来のフェイスシールドは、透明なプラスチック製のシールド本体を有しており、このシールド本体には、シールド本体を装着する者の頭部に固定するためのベルトが取り付けられている。また、ベルトには、装着する者の額に当接するスポンジ等が取り付けられており、このスポンジを額に当接した状態でベルトを頭部の後側に回し、ベルトの両端を互いに連結することで、シールド本体が装着者の顔の前に位置した状態で、フェイスシールドを頭部に固定することが可能であった。
【0004】
そして、これにより、フェイスシールドを頭部に装着することにより、対面している相手方や面前にいる他人、扱っている食品等に飛沫が飛ぶことを有効に防止することが可能である。
【0005】
また、従来から雨除けのバイザーが提案されており、この雨除けバイザーをフェイスシールドとして用いることも考えられている。即ち、この従来から提供されている雨除けバイザーは、透明なバイザー部にスペーサーが取り付けられており、このスペーサーを介してバイザー部にベルトが取り付けられている。そのため、ベルトを頭部に巻きつけることでバイザー部を顔面の正面に配置することができ、それにより飛沫防止を可能にすることが可能である。更に従来の雨除けバイザーでは、スペーサーを介してベルトがバイザー部に取り付けられているために、バイザー部と顔との間に空間を確保することができ、鍔つきのヘルメットや帽子を被った状態や、メガネをかけた状態でも装着することができ、更に、装着するも者が息苦しくなることを防止できるという効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3175265号公報
【特許文献2】実用新案登録第3194539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のフェイスシールドでは、前述したように、シールド本体にベルトが取り付けられているとともにベルトにはスポンジ等が装着され、このスポンジは装着する者の額に当接する構成であるために、装着した場合には、顔とシールド本体と間の空間があまりなく、そのために、装着している者が息苦しく、更に、装着している者の息によってシールド本体が曇ってしまうという欠点も指摘されていた。
【0008】
この点、前述したような、スペーサーを介してバイザーにベルトを取り付けた雨除けバイザーでは、スペーサーの存在によって、顔とバイザー部との間に空間を持つことができるために、装着するも者が息苦しくなることを防止できるという効果がある。
【0009】
しかし、従来の雨除けバイザーにおいては、スペーサーを介してバイザー部にベルトが取り付けられているため、装着している者の額とバイザー部との間の上方部分に開口部分が形成されてしまっていた。そのために、この開口部分を介して、空中に浮遊するウイルス等が、顔とバイザー部との間に入り込み、装着者が感染してしまうおそれは否定できなかった。
【0010】
また、従来の雨除けバイザーでは、ヘルメットや帽子を被った状態での装着を前提としており、スペーサーはヘルメットや防止の鍔部分に当接するために、ヘルメットや帽子を被らずに装着した場合には、スペーサーが額部分に当たってしまい痛いという問題点が考えられる。
【0011】
そこで、本発明は、頭部に装着した場合において、装着した者が息苦しさを覚えることが無いとともに、顔とシールド部分との間の上方部分を介してウイルス等が容易に入り込むことを有効に防止することが可能なフェイスシールドを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のフェイスシールドは、
頭部に装着されて顔の正面側を覆うためのフェイスシールドであって、
透明なプラスチック製のシールド本体と、
該シールド本体に着脱自在に装着された固定具と、
該固定具に連結された、両端を互いに連結可能としたベルトと、
該ベルトに装着されたクッション材と、を具備し、
シールド本体は、
上方部分に間隔を置いて形成した一対の貫通溝と、貫通溝のそれぞれの下方に形成した係止孔と、幅方向の両端部分近傍に形成したスリット部と、を具備し、
前記固定具は、
天井部と、天井部の一端側に下方に向けて連設された正面側壁部と、前記天井部の他端側に下方に向けて連設された背面側壁部と、前記正面側壁部の内面に突設した係止突起と、を具備し、
前記天井部でシールド本体の貫通溝を貫通させて正面側壁部をシールド本体の外面側に配置した状態で、係止突起を係止孔に係止することでシールド本体に固定することとし、
前記ベルトは、
前記固定具の背面側壁部の内面側に引っ掛けた状態で固定具に装着されるとともに、シールド本体に形成したスリット部を貫通し、クッション材を装着者の額に当接した状態でベルトの先端を装着者の頭部の後方に回して互いに連結することで、頭部に装着可能とした、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフェイスシールドでは、シールド本体に装着された固定具の背面側壁部の内面側にベルトを連結しているため、ベルトを装着者の頭部に巻きつけることで、装着者にシールド本体を装着した場合には、顔とシールド本体との間に、固定具の分だけ空間を確保することができる。そのために、装着している者が息苦しさを覚えたり、シールド本体が曇ったりすることを防止することができる。
【0014】
また、固定具は、シールド本体の上方部分に形成した一対の貫通溝を貫通してシールド本体に固定されており、それにより、シールド本体の上端は、固定具が固定されている部分の上方に伸びている。そのため、シールド本体は装着している者の額の上方をも覆うことができ、空中に浮遊するウイルス等が、顔とシールド本体との間の上方部分を介して入り込んでくることを有効に防止することができる。
【0015】
更に、本発明のフェイスシールドでは、ベルトにはクッション材が装着されており、クッション材を装着者の額に当接した状態で頭部に装着することとしているために、固定具が装着者の額に直接に当たることが無く、装着者が痛い思いをすることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のフェイスシールドの実施例の正面側斜視図である。
図2】本発明のフェイスシールドの実施例の裏面側斜視図である。
図3】本発明のフェイスシールドの実施例におけるシールド本体を説明するための正面図である。
図4】本発明のフェイスシールドの実施例における固定具を説明するための図である。
図5】本発明のフェイスシールドの実施例における固定具を説明するための図である。
図6】本発明のフェイスシールドの実施例を頭部に装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のフェイスシールドはシールド本体を備えており、このシールド本体は、透明なプラスチック製としており、装着した者の顔の正面側を覆うために用いられる。
【0018】
そして、シールド本体には、着脱自在にして固定具が装着され、この固定具には、両端を互いに連結可能としたベルトが連結されており、このベルトにはクッション材が装着されている。
【0019】
そして、シールド本体には、上方部分に間隔を置いて一対の貫通溝が形成されており、この貫通溝のそれぞれの下方には係止孔が形成され、更に、幅方向の両端部分近傍にはそれぞれ、縦溝部が形成されている。
【0020】
一方、固定具は、天井部と正面側壁部と背面側壁部を有しており、正面側壁部は天井部の一端側に下方に向けて連設され、背面側壁部は天井部の他端側に下方に向けて連設され、正面側壁部の内面には係止突起が突設されている。
【0021】
そして、天井部でシールド本体の貫通溝を貫通させて正面側壁部をシールド本体の外面側に配置した状態で、係止突起をシールド本体に形成した係止孔に係止することで、シールド本体に固定することとしている。
【0022】
また、ベルトは、固定具の背面側壁部の内面側に引っ掛けた状態で固定具に装着されるとともに、シールド本体に形成した縦溝部を貫通しており、クッション材を装着者の額に当接した状態で、先端を装着者の頭部の後方に回して互いに連結することで、頭部に装着可能としている。
【0023】
ここで、クッション材をスポンジ製にし、ベルトは布製にすると良い。そうすることで、装着者の額をクッション材で保護することができるとともに、ベルト全体を装着者の頭部にフィットさせることができ、装着者に不快感を与えることなく、フェイスシールドを頭部に装着することができる。
【0024】
また、固定具における背面側壁部の内面に、ベルトの長手方向に沿った両端が挿入される一対の掛止溝を形成するとよく、これにより、ベルトを固定具の背面側壁部に引っ掛けることが容易となる。
【実施例0025】
本発明のフェイスシールドの実施例について図面を参照して説明すると、図1及び図2は本実施例のフェイスシールドの斜視図であり、図1は正面側から示した斜視図、図2は裏面から示した斜視図である。
【0026】
そして、図において1が、本実施例のフェイスシールドであり、本実施例のフェイスシールド1は、装着者の顔の正面側を覆うためのシールド本体を有している。即ち、図において2がシールド本体であり、本実施例において前記シールド本体2は、透明なプラスチック製とし、人の顔部分の曲面に沿って湾曲自在な柔軟素材により形成し、装着者の顔の正面側及び側面側を十分に覆うことができる幅としている。またシールド本体2は、顎の下部分から額の上方部分までを覆うことができる長さとしており(図6参照)、これにより、装着したときにシールド本体2と装着者の顔の上方部分を介してシールド本体の裏面側にウイルス等が浸入してくることを有効に防止可能としている。
【0027】
次に、図1及び2において8は固定具である。即ち、本実施例において前記シールド本体2には、固定具8が取り付けられており、この固定具8は脱着自在としている。そして、この固定具8は、後述するベルトをシールド本体2に取り付けるために用いられる。
【0028】
ここで、前記固定具8について説明すると、図4、5は固定具8を説明するための図であり、図4は側面形状を示し、図5は斜視図である。そして、前記固定具8は、平面視野を長方形状とした平板状の天井部9を有しており、この天井部9の一端側には、下方に向けて正面側壁部10が連設されている。この正面側壁部10は、天井部9とほぼ同じ幅としており、内面には、係止突起12が突設され、シールド本体2の外面側に配置される。
【0029】
一方、前記天井部9の他端側には、下方に向けて背面側壁部11が連設されている。そして背面側壁部11は、天井部9とほぼ同じ幅としており、前記正面側壁部10よりも長い高さ寸法とし、シールド本体2の裏面側に配置される。また、背面側壁部11における内面側には、開口側が互いに対向している一対の掛止溝13が形成されている。そして、対向している開口側は上下方向に向いており、この掛止溝13は、後述するベルトを背面側壁部11に引っ掛けて取り付けるために用いられる。
【0030】
なお、前記掛止溝13について説明すると、本実施例においては、前記背面側壁部11の下端に正面側壁部10側に向けて延長部16を連設し、この延長部16の先端部に上方に向けて下方側溝壁部17を連設することで、下側の掛止溝13を形成している。そして、前記天井部における背面側壁部11の近傍側、具体的には下方側溝壁部17に対向可能な位置に、下方に向けて上方側溝壁部18を連設し、これにより上側の掛止溝13を形成している。
【0031】
そして、このように構成される固定具8は、天井部9で前記シールド本体2を貫通することで、正面側壁部10をシールド本体2の外面側に配置し、その状態でシールド本体2に取り付けられる。この関係について図3を用いて説明すると、図3はシールド本体2の正面図であり、図において、シールド本体2の上方部分には。一対の横長の貫通孔3が、間隔を置いて左右側に形成されており、この貫通孔3は、前記天井部9が貫通可能な幅とし、それぞれの下側には、正面側壁部10の内面に突設した係止突起12が挿入可能な径の係止孔4が形成されている。
【0032】
そして前記固定具8は、前記天井部9が前記貫通溝3を貫通し、正面側壁部10をシールド本体2の外面側に配置し、その状態で、前記係止突起12を前記係止孔4に挿入して係止することで、シールド本体2に固定されている。そしてこれにより、正面側壁部10はシールド本体2の外面側に配置され、背面側壁部11はシールド本体2の裏面側に配置される。そのため、前記シールド本体2に形成した係止孔4は、天井部9が前記貫通溝3を貫通した状態において係止突起12に対向する位置に形成されている。
【0033】
なお、図3において6は、天井部9が貫通溝3を貫通するときに、貫通孔3をわずかに広げるための貫通孔用スリットであり、これにより天井部3の貫通を容易にしている。また、図3において7は、係止突起12を前記係止孔4に挿入する際に係止孔4を広げて挿入を容易にするための掛止孔用スリットである。
【0034】
次に、図1、2において14はベルトであり、このベルト4は、固定具8を介してシールド本体2に取り付けられ、本実施例のフェイスシールド1を装着者の頭部に固定するために用いられる。そして、本実施例において前記ベルト14はナイロン製としており、先端部分は面ファスナー等により互いに連結可能としている。但し、必ずしもナイロン製にする必要は無く、いずれの素材でも良い。
【0035】
ここで、前記ベルト14をシールド本体2に取り付ける方法について説明すると、前記ベルト14は、その長手方向に沿った両端部分が、前記固定具8における背面側壁部11の内面側に形成した一対の掛止溝13内に挿入されるようにして、背面側壁部11の内面に引っ掛けられている。
【0036】
また、前記ベルト14は、前記シールド本体2に形成した一対のスリットを貫通している。即ち、図3において、前記シールド本体2の上方側の左右部分、具体的には前記貫通溝3の外側部分には、ベルト14が十分に貫通可能な上下方向の寸法を有するスリット5が形成され、前記ベルト14は、前記背面側壁部11の内面に引っ掛けられた状態で、前記スリット5を貫通してシールド本体2の正面側に出ている。そしてこれにより、図1、2に示すように、ベルト14の両端を装着者の頭部の後方に回したときに、シールド本体2が装着者の顔部分の曲面に沿って湾曲し、顔全体を覆うことを可能としている。
【0037】
次に、図1、2において15はクッション材である。即ち、前記ベルト14には、装着者の額部分が当接する箇所に、クッション材としてスポンジ15が取り付けられている。そしてこれにより、装着したときに装着者の額が痛くなることを防止している。なお本実施例においてクッション材15は、両端を前記ベルト14に縫製、接着等で固定することで、ベルト14に取り付けている。
【0038】
次に、このように構成される本実施例のフェイスシールド1の使用方法について説明すると、図6に示されるように、本実施例のフェイスシールド2を頭部に取り付ける場合には、クッション材15が装着者の額部分に当接するようにした後に、ベルト14の両端を装着者の頭部の後方に回し、ベルト14の先端を互いに連結する。そうすると、ベルト14は固定部8における背面側壁部11の掛止溝13に掛止されつつ背面側壁部11の内面側に引っ掛けられ、固定具8はシールド本体2に取り付けられ、更にベルト14はシールド本体2に形成したスリット5を貫通しているために、ベルト14の両端を装着者の頭部の後方に回しベルト14の先端を互いに連結すると、シールド本体2は、装着者の顔部分の曲面に沿って湾曲しつつ、装着者の顔の正面側に配置され、それにより、飛沫を防止することができる。
【0039】
そしてこのとき、本実施例のフェイスシールド1では、天井部9と天井部9の一端側に連設した正面側壁部10と天井部9の他端側に連設した背面側壁部11で固定具8を構成し、シールド本体2の外面に正面側壁部10を配置し、シールド本体2の裏面に背面側壁部11を配置し、背面側壁部11にベルトを連結しているため、ベルトを装着者の頭部に巻きつけることで、装着者にシールド本体を装着した場合には、顔とシールド本体との間に、天井部9の長さ分の空間を確保することができる。そのために、装着している者が息苦しさを覚えたり、シールド本体が曇ったりすることを防止することができる。
【0040】
また、固定具は、シールド本体の上方部分に形成した一対の貫通溝を貫通してシールド本体に固定されており、それにより、シールド本体の上端は、固定具が固定されている部分の上方に伸びている。そのため、シールド本体は装着している者の額の上方をも覆うことができ、空中に浮遊するウイルス等が、顔とシールド本体との間の上方部分を介して入り込んでくることを有効に防止することができる。
【0041】
更に、本実施例のフェイスシールドでは、ベルトにはクッション材が装着されており、クッション材を装着者の額に当接した状態で頭部に装着することとしているために、固定具が装着者の額に直接に当たることが無く、装着者が痛い思いをすることが無い。なお図6において20は装着者の頭部、19は装着者がかけているメガネであり、このように、本実施例のフェイスシールド1では、顔とシールド本体との間に空間を確保することができるため、メガネをかけた状態でも装着することが可能であるとともにメガネが曇ることも無い。
【0042】
このように、本実施例のフェイスシールドでは、装着している者が息苦しさを覚えたり、シールド本体が曇ったりすることを防止することができるとともに、空中に浮遊するウイルス等が顔とシールド本体との間の上方部分を介して入り込んでくることを有効に防止することができ、更に、クッション材を装着者の額に当接することとしているために装着者の額を保護することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のフェイスシールドは、頭部に装着した場合に、装着した者が息苦しさを覚えることが無いとともに、顔とシールド部分との間にウイルス等が容易に入り込むことを有効に防止可能としているため、ウイルス等の飛沫感染を防止するためのフェイスシールドの全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 フェイスシールド
2 シールド本体
3 貫通溝
4 係止孔
5 スリット
6 スリット
7 スリット
8 固定具
9 天井部
10 正面側壁部
11 背面側壁部
12 係止突起
13 掛止溝
14 ベルト
15 クッション材
16 延長部
17 下方側溝壁部
18 上方側溝壁部
19 メガネ
20 頭部
図1
図2
図3
図4
図5
図6