(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025004
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】眼検査機器のための接触装置、眼検査機器、及び眼と眼検査機器とを接触させる方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
A61B3/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021100604
(22)【出願日】2021-06-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】20205692
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】521265818
【氏名又は名称】オプトメッド オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルポ ケイネーネン
(72)【発明者】
【氏名】イルッカ ヨルマ
(72)【発明者】
【氏名】マルック ヴィルタ
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316AA18
4C316AB16
4C316FC07
(57)【要約】
【課題】患者と接触する眼検査機器の表面の清浄度及び/又は殺菌の改善。
【解決手段】眼検査機器のための接触装置が、検査される眼と眼検査機器の一部分との間に配置され、この部分は、検査される眼に向けられる。接触装置は、使い捨て式であり、皮膚との生体適合性があり、且つ、生分解性材料で作られる。接触装置の第1の側が、検査される眼の周りの皮膚と接触させられる。接触装置の第2の側が、接触装置に手で触れることなしに工具不要の態様で眼検査機器の対応物で取り付けられ、この取付けは、検査される眼に向けられる部分において解放可能である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼検査機器のための接触装置であって、前記接触装置が、検査される眼と前記検査機器の一部分との間に配置されるように構成され、前記一部分が、検査される前記眼に向けられ、
前記接触装置の第1の側が、検査される前記眼の周りの皮膚と接触させられるように構成され、
前記接触装置の第2の側が、前記接触装置に手で触れることなしに、工具不要の態様で、前記眼検査機器の対応物で取り付けられるように構成され、前記取付けが、検査される前記眼に向けられる前記部分において解放可能であり、
使い捨て式であり皮膚との生体適合性があり且つ生分解性材料で作られる前記接触装置が、それを通して前記眼の検査が行われる開口の周りにリムを備え、
前記接触装置の前記第2の側が、アイカップ・装置に当てられるように構成され、前記アイカップ・装置が、前記対応物を備え、且つ、検査される前記眼に向けられる前記部分であり、
前記接触装置の前記開口が、前記アイカップ・装置を貫通する穴と同じ形状を有し、前記開口が、前記アイカップ・装置の前記穴の面積よりも小さいか又はそれに等しい面積を有し、
壁構造が、その対応物と一緒に、前記壁構造と前記対応物との間の接触に応答して前記開口を前記アイカップ・装置の前記穴に重ねさせるように構成され、前記アイカップ・装置の前記穴を通して前記眼の検査が行われるようになっている、接触装置。
【請求項2】
前記接触装置の前記リムの第1の側が、検査される前記眼の周りの前記皮膚と接触させられるように構成され、前記接触装置の前記リムの前記第2の側が、前記眼検査機器の対応物で取り付けられるように構成される、請求項1に記載の接触装置。
【請求項3】
前記リムの内側縁部又は前記リムの外側縁部のうちの少なくとも一方の周りに完全に又は区分的に連続するように構成された壁構造を備え、前記内側縁部が、前記開口と関連しており、前記外側縁部が、横方向において前記内側縁部に対向しており、
前記壁構造が、前記第1の側に対向する前記リムの前記第2の側から延在するように構成され、
前記壁構造が、検査される前記眼に向けられる前記部分において工具不要の解放可能な態様で前記眼検査機器の対応物で付着するように構成された、請求項1に記載の接触装置。
【請求項4】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記対応物の穴に挿入されるように構成され、前記壁構造の外径及び前記穴の内径が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項3に記載の接触装置。
【請求項5】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記対応物の円形スロットに挿入されるように構成され、前記壁構造の内径及び前記スロットの外側表面が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項3に記載の接触装置。
【請求項6】
前記接触装置の前記外側縁部の周りの前記壁構造が、前記アイカップ・装置の外側縁部上に延在し且つ前記外側縁部で機械的に付着するように構成され、前記壁構造の内径及び前記アイカップ・装置の前記穴の外径が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項3に記載の接触装置。
【請求項7】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記対応物が備える第1の機械的迅速結合対と機械的に結合するように構成された第1の機械的迅速結合構造を備える、請求項4又は5に記載の接触装置。
【請求項8】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記アイカップ・装置の円形スロットに挿入されるように構成され、前記壁構造の内径及び前記スロットの外側表面が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項4に記載の接触装置。
【請求項9】
前記壁構造が、前記アイカップ・装置が備える機械的迅速結合対で付着するように構成された機械的迅速結合構造を備える、請求項4に記載の接触装置。
【請求項10】
アイカップ・装置を備える、請求項1の接触装置。
【請求項11】
前記壁構造が、前記アイカップ・装置が備える機械的迅速継合対で付着するように構成された機械的迅速結合構造を備える、請求項5に記載の接触装置。
【請求項12】
前記接触装置の材料が、セルロース及び/又は再生利用可能なプラスチックを含む、請求項1に記載の接触装置。
【請求項13】
請求項1に記載の接触装置を備える、眼検査機器。
【請求項14】
眼と眼検査機器とを接触させる方法であって、
検査される眼と前記眼検査機器の一部分との間に接触装置が配置された状態で眼と眼検査機器とを接触させるステップであって、前記一部分が、検査される前記眼に向けられる、ステップと、
前記接触装置の第2の側を前記接触装置に手で触れることなしに工具不要の態様で前記眼検査機器の対応物で取り付けるステップであって、前記取付けが、検査される前記眼に向けられる前記部分において解放可能である、ステップと、
前記接触装置の第1の側を前記眼の周りの皮膚に接触させるステップと、
使い捨て式であり皮膚との生体適合性があり且つ生分解性材料で作られ、且つ、それを通して前記眼の検査が行われる開口の周りにリムを備える、前記接触装置の第2の側を、アイカップ・装置に当てるステップであって、前記アイカップ・装置が、前記対応物を備え、且つ、検査される前記眼に向けられる前記部分である、ステップと、
前記壁構造により前記開口をその対応物と一緒にそれらの間での接触に応答して前記アイカップ・装置の前記穴に重ねることにより、前記接触装置の第2の側の間での取付けをもたらすステップであって、前記眼の検査が、前記アイカップ・装置の前記穴を通して行われ、前記接触装置の前記開口が、前記アイカップ・装置を貫通する前記穴と同じ形状を有し、前記開口が、前記アイカップ・装置の前記穴の面積よりも小さいか又はそれに等しい面積を有する、ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼検査機器のための接触装置(アレンジメント)、眼検査機器、及び眼と眼検査機器とを接触させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼底カメラ又はカメラ付き検眼鏡などの眼検査機器の表面が、眼が検査される患者と皮膚接触する場合、表面は、各患者及び/又は各検査の後に清掃及び殺菌されなければならない。そのような清掃は、時間がかかり、且つ、清掃用ティッシュ並びに清掃及び殺菌用の薬剤を消費するが、それらは清掃する人物にも環境にも有害な場合がある。さらに、清掃用ティッシュは、廃棄物である。
【0003】
場合により、眼検査機器は、手持ち操作を可能にし得る。その場合、眼検査機器は、典型的には小型であり、撮像中に眼と位置調整するのが容易である。そのような手持ち形眼検査機器は、診療所及び病院に加えて、現場使用に適し得る。現場使用では、清掃及び殺菌は、適切な清掃手段の欠如又は欠乏により、さらに困難になり得る。したがって、改善が歓迎されるはずである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、患者と接触する眼検査機器の表面の清浄度及び/又は殺菌の改善を実現することを図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項によって定められる。実施例は、従属請求項において定められる。
【0006】
単なる例として、添付の図面を参照しながら本発明の例示的な実施例について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】側方から見た眼検査機器の実例の図である。
【
図1B】上方から見た眼検査機器の実例の図である。
【
図2A】接触装置(構造体)をアイカップに取り付けることの実例の図である。
【
図3】スリットを含むアイカップの実例の図である。
【
図4A】機械的迅速結合構造を含む壁構造の実例の図である。
【
図4B】壁構造の機械的迅速結合構造のための機械的迅速結合対を含むアイカップの実例の図である。
【
図4C】機械的迅速結合構造及びそれらの機械的迅速結合対のさらなる実例の図である。
【
図4D】機械的迅速結合構造及びそれらの機械的迅速結合対のさらなる実例の図である。
【
図5】両眼のためのアイカップ・装置の実例の図である。
【
図6】両眼用のアイカップ・装置のための接触構造体の実例の図である。
【
図8A】アイカップに取って代わる接触装置の実例の図である。
【
図8B】両眼のためのアイカップ・装置に取って代わる接触装置の実例の図である。
【
図9A】眼検査機器の支持棒に取って代わる接触装置の実例の図である。
【
図9B】眼検査機器の支持棒に取付け可能な接触装置の実例の図である。
【
図10A】先の物が使用されるたびに眼検査機器に取り付けられ得る接触装置の積み重ねの実例の図である。
【
図10B】接触装置の積み重ねから接触装置を受け取ってそれを眼検査機器に取り付けるやり方の実例の図である。
【
図10C】接触装置の積み重ねから接触装置を受け取ってそれを眼検査機器に取り付けるやり方の実例の図である。
【
図10D】接触装置の積み重ねから接触装置を受け取ってそれを眼検査機器に取り付けるやり方の実例の図である。
【
図11】眼と眼検査機器との接触の測定方法の流れ図の実例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の実施例は、単なる実例である。本明細書は、いくつかの箇所において「一つの(an)」実施例に言及する可能性があるが、これは、それぞれのそのような言及が同じ実施例に対するものであること、又は、特徴が単一の実施例にのみ当てはまることを、必ずしも意味しない。様々な実施例の個々の特徴もまた、他の実施例を提供するために組み合わせられ得る。さらに、用語「備えている(comprising)」及び「含んでいる(including)」は、説明される実施例を、述べられたことがあるそれらの特徴のみで構成されるように限定するのではないと理解されるべきであり、また、そのような実施例は、明確に述べられていない特徴/構造をも含み得る。実施例の全ての組合せは、それらの組合せが構造上又は理論上の矛盾をもたらさないのであれば、可能と見なされる。
【0009】
図は様々な実施例を示すが、それらは単にいくつかの構造及び/又は機能上の主体を示す簡易化された略図であることが、留意されるべきである。説明される装置は、図及び文章において説明されるもの以外の他の機能及び構造も備え得ることが、当業者には明らかである。いくつかの機能、構造、並びに測定及び/又は制御のために使用される信号法の詳細は、実際の発明に無関係であることが、理解されるべきである。したがって、それらは、本明細書においてより詳細に論じられる必要はない。
【0010】
図1Aは、側方から見た眼検査機器10の実例を示す。この実例では、1回に患者の一方の眼150だけが検査され得る。患者は、人間であるか、又はより広くは哺乳類であり得る。患者154の眼150が検査されるとき、眼検査機器10は、接触装置100が眼150の周りの皮膚152と物理的接触するように、眼150に向かって移動される。全ての実施例において少なくとも部分的に覆われる皮膚領域は、上鼻側(superonasal)、上耳側(superotemporal)、下鼻側、及び下耳側の領域であり得る。
【0011】
接触装置100は、検査される眼150と眼検査機器10の部分12との間に配置される。部分12は、接触装置100を移動させて皮膚152に触れされるために、眼150に向けられる。
【0012】
図1Bは、眼検査機器10の実例を上方から示す。この実例の眼検査機器10の接触装置100は、患者154の眼150、150’の両方と同時に物理的接触することができる。患者154の眼150、150’が検査されるべき場合、眼検査機器10は、接触装置100が患者154の眼150、150’の周りの皮膚152と物理的接触するように、眼150、150’に向かって移動される(
図1A参照)。一実施例では、接触装置100は、眼150、150’の周りの皮膚152に接触するための別々の接触構造体100’、100”の対を備えることができ、そのうちの一方の100’は、一方の眼150のためのものであり、そのうちのもう一方の100”は、もう一方の眼150’のためのものである。
【0013】
一般に、接触装置100は、使い捨て式であり、皮膚との生体適合性があり、且つ、生分解性材料で作られる。生体適合性があるということは、接触装置100は人間又は別の哺乳類の皮膚152又は生体組織に有害ではない又は毒性がないことを意味する。接触装置100は、1回の使用後に又は1人の患者154のための使用後に処分されるように意図されている。眼検査機器は、検眼鏡、検影器、角膜顕微鏡、角膜計、視野計、それらの任意の組合わせ等を意味し得る。一実施例では、眼検査機器10は、眼150、150’の静止画像又はビデオ画像を取得し得る。
【0014】
次に、一方の目だけのための接触装置100を有する実施例を検討する。
【0015】
その実例が
図1A及び2Aに示されている一実施例では、眼検査機器10は、眼150、150’のうちの一方のためのものである単一のアイカップ14’を有するアイカップ・装置14を備え得る。
【0016】
その実例が
図1Aに関連して
図2Aに示されている一実施例では、この実施例では接触構造体100’を備える接触装置100は、アイカップ14’で取り付けられ得る。次いで、接触構造体100’に類似した別の接触構造体100”が、同様の態様で別のアイカップ14”で取り付けられ得る(
図1B参照)。
【0017】
図2Aの実例の接触構造体100’は、開口104の周りにリム102を備え、開口104を通して眼150の検査が行われる。つまり、接触構造体100’は、ある程度まで輪の形状を有して円形であり得る。リム102の第1の側114は、皮膚152の湾曲に少なくともおおよそ整合するために、眼150の周りの皮膚152の表面の形状を有し得る。リム102は、圧力下でその形状を変化させ且つ眼150の周りの皮膚152の表面の形状に適合するために、可撓性であり得る。リム102の第1の側114の表面が、検査される眼150の周りの皮膚152と接触させられる。第1の側114は、凹状であり得る。接触装置100の第2の側116の表面が、アイカップ14’の対応物206に当てられ且つ対応物206で取り付けられ、対応物206は、この実施例では、検査される眼150に向けられる眼検査機器10の部分12と考えられる。第2の側116は、アイカップ14’がそのような形状を有する場合、第1の側114の凹性に類似した態様で凹状とされ得る。取付けは、工具を用いずに行われ、また、手を使わない態様でも行われ得る。取付けは、接触装置100に手で触れることなく行われる。取付けは、解放可能である。一実施例では、取付けは、手及び/又は工具を用いて解放され得る。一実施例では、取付けは、工具不要且つ手を使わない態様によって解放され得る。対応物206は、アイカップ14’のリム302を含み得る。
【0018】
接触構造体100が薄いことにより、接触構造体100’の質量は小さいので、接触構造体100は、アイカップ14’に取り付けられた位置に容易に留まる。接触構造体100’の質量は、相当する紙片又は板片に類似し得る。
【0019】
一実施例では、接触構造体100’の生分解性材料は、セルロース及び/又は再生利用可能なプラスチックを含む。
【0020】
図2Bは、接触構造体100’を、眼検査機器10における接触構造体100’の光学的利用の光学軸に平行な方向において正面から示す。
図2Cは、接触構造体100’を、
図2Bの方向に垂直な方向において側方から示す。
【0021】
その実例が
図2A及び2Cに示されている一実施例では、接触構造体100’は、リム102の内側縁部110の周りに完全に又は区分的に(piece-wisely)連続し得る壁構造106を備えることができ、内側縁部110は、開口104と関連している(内側縁部110は、
図2Bにも見られる)。壁構造106は、前述の第1の側114に対向するリム102の第2の側116から外向きに延在する。壁構造106は、アイカップ14’の穴300に入るか又は挿入されるように構成され、接触構造体100の対応物206が、穴300を備えている。眼150は、開口104と穴300とが重なるので、眼検査機器10を使用して穴300を通して検査される。接触構造体100’の開口104は、少なくとも、アイカップ14’を貫通する穴300とおおよそ同じ形状を有し、また、開口104は、アイカップ14’の穴300の面積よりも小さいか又はそれに等しい面積を有する。
【0022】
一実施例では、壁構造106の外径及び穴300の内径は、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合され得る。この整合は、きついものであってよい。
【0023】
その実例が
図3に示されている一実施例では、内側縁部110の周りの壁構造106は、対応物206の円形スロット310に挿入され得る。
図3の実施例では、壁構造106の内径及びスロット310の外側表面312は、摩擦に基づいた接続のために、互いにきつく整合され得る。
【0024】
図3の実施例では、壁構造106の外径及びスロット310の内側表面314は、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合され得る。この整合は、きついものであってよい。
【0025】
図3の実施例では、スロット310の幅W及び壁構造106の厚さTは、摩擦取付け(friction attachment)をもたらす物理的接触をそれらの間に形成するために、互いに整合され得る。これらの類いの摩擦取付けは、接触構造体100’をアイカップ14’から取り外すのに、重力により接触構造体100’にもたらされる最大限の力よりも強い力を必要とする。重力の方向は、接触構造体100’が取付けから分離された場合に自由落下し得る状況における開口104の光学軸に平行である。
【0026】
その実例が
図2B及び2Cに示されている一実施例では、接触構造体100’は、リム102の外側縁部112の周りに完全に又は区分的に連続し得る代替的な又は追加の壁構造106(破線参照)を備え得る。この壁構造106もまた、前述の第1の側114に対向するリム102の第2の側116から外向きに延在する。壁構造106は、アイカップ14’の外周部を収容し且つその外周部で付着するように構成されてよく、接触構造体100の対応物206が、アイカップ14’の外周部を備えている。接触構造体100’の壁構造106は、少なくとも、アイカップ14’の外周部とおおよそ同じ形状を有し、また、接触構造体100’の壁構造106は、アイカップ14’の外周部と整合される。
【0027】
図4Aは、第1の機械的迅速結合構造400を含み得る接触構造体100’の内側縁部110の周りの壁構造106の断面の実例を示す。
図4Bは、第1の機械的迅速結合構造400のためのものである第1の機械的迅速結合対402を有するアイカップ14’の断面の実例を示す。第1の機械的迅速結合対402は、穴300内に存在し得る。一実施例では、第1の機械的迅速結合構造400の壁構造106は、対応物206としてのアイカップ14’が備える第1の機械的迅速結合対402と機械的に結合され得る。迅速結合構造400及び迅速結合対402の形状及びサイズは、多岐にわたり得る。このようにして、接触構造体100’及びアイカップ14’は、摩擦のみの場合よりも強力な態様で互いに結合され得る。
【0028】
図4C及び4Dは、機械的迅速結合構造400及びそれらの機械的迅速結合対402のさらなる実例を示す。一実施例では、アイカップ14’、14”は、接触構造体102、102’のための支持リム410を備え得る。
【0029】
一実施例では、壁構造106は、その対応物、即ち穴300及び/又はスロット310と一緒に、眼150/150’の検査がアイカップ14’の穴300を通して行われ得るように、壁構造106とその対応物との間の接触に応答して、開口104をアイカップ14’の穴300に重ねさせることができる。
【0030】
その実例が
図1B及び5Aに示されている一実施例では、眼検査機器10は、2つのアイカップ14’、14”を備えることができ、一方のアイカップは一方の眼のためのものであり、もう一方のアイカップはもう一方の眼のためのものである。アイカップ14’、14”が別々である場合、それらのそれぞれへの接触構造体100’の適用は、
図1A、2A、2B、2C、3、4A及び4Bに関して説明されるものと同様であり得る。
【0031】
その実例が
図5に示されている一実施例では、アイカップ・装置14は、一体化された2つのアイカップ14’、14”を備えることができ、また、アイカップ・装置14は、両方の眼150を同時に覆う。
【0032】
この場合でも、接触装置100は、一方のアイカップ14’で取り付けられる一方の接触構造体100’と、もう一方のアイカップ14”で取り付けられるもう一方の接触装置100”を備えることができ、接触構造体100’、100”のそれぞれは、
図2A、2B、2C、4A及び4Bと関連して説明され且つそれらの図に示されるものに類似している。
【0033】
しかし、
図5のアイカップ・装置14は両方の眼を同時に覆うことができるので、同様に眼150の両方と同時に物理的接触することになる接触装置100は、アイカップ・装置14に取り付けられ得る。つまり、アイカップ・装置14及び接触装置14は、両方の眼に共通している。接触装置100は、
図2A、2B、2C、4A及び4Bと関連して説明された接触構造体100’とアイカップ14’との間の取付けに類似した態様で、アイカップ・装置14で取り付けられる。つまり、取付けは、摩擦及び/又は機械的迅速結合に基づき得る。同様に、アイカップ・装置14の穴300’、300”、及び接触装置100の開口104’、104”は、取付けに基づいて互いの方へ向けられ得る。接触装置100は、2つの開口104’、104”の代わりに、
図6に示されるように1つだけの開口104を備えることができる。
【0034】
図7は、接触装置14又は接触構造体14’、14”の取外し構造700の実例を示す。取外し構造700は、接触装置100又は接触構造体100’、100”から外向きに突出する延長部を含み得る。取外し構造700は、例えば、指で把持し易いサイズを有し得る。取外し構造700の形状は、例えば、少なくともおおよそ円形、矩形、又は3角形であり得る。
【0035】
その実例が
図8A及び8Bに示されている一実施例では、接触装置100は、アイカップ・装置14に取って代わることができる。つまり、接触装置100自体が、アイカップ・装置の役割を果たす。
図8Aでは、接触装置100は、1つだけのアイカップ14’を備えるアイカップ・装置14に類似し、且つ、それに取って代わることができる。
図8Bでは、接触装置100は、両方の眼に共通のアイカップ・装置14に類似し、且つ、それに取って代わることができる。
【0036】
一実施例では、
図8A及び8Bの接触装置100は、眼検査機器10が前後に、また患者154の運動に起因して横に移動するときに、また特に手持ち形の眼検査機器が使用される場合に、リム102と皮膚152との間の適切な物理的接触を保つために、接触装置100のリム102が眼150の周りの皮膚152に触れるときの衝撃を制御し且つばね及び/又は減衰器のように作用するための、少なくとも1つの折畳み部800を有し得る。
【0037】
一実施例では、第1の側114は、眼の上にフィットするために凹状であり得る。第2の側116は、同様の態様で第1の側114の凹性に対応する凸状であり得る。接触装置100が薄いことにより、接触装置100の質量は小さく、接触装置100は、眼検査機器10に取り付けられた位置に容易に留まる。接触装置100の質量は、少なくとも、相当する紙片又は板片とほぼ同じであり得る。
【0038】
図8A及び8Bの実施例の接触装置100は、圧力下でその形状を変化させ且つ眼150の周りの皮膚152の表面の形状に適合するために、可撓性であり得る。
【0039】
一実施例では、
図8A及び8Bの接触装置100は、通気穴802を含むことができ、この通気穴802は、眼検査機器10がリム102と皮膚152との間の物理的接触を保ちながら前後に移動するときの接触装置100の短縮及び延長に応答して、接触装置100内の空洞である開口102の内外へ空気を移動させることができる。
【0040】
先に説明されたように、この接触装置100もまた、接触装置100の内側縁部110又はリム102の外側縁部112のうちの少なくとも一方の周りに完全に又は区分的に連続するように構成された壁構造106を備えることができ、内側縁部110は、開口104と関連しており、外側縁部112は、横方向において内側縁部110に対向している。壁構造106は、前述の第1の側114に対向する接触装置100の第2の側116の表面から外向きに延在し得る。壁構造106は、検査される眼150に向けられる部分12において、工具不要の解放可能な態様で、眼検査機器10の対応物206で取り付けられ得る。この取付けは、先に説明されたように行われ得る。しかし、
図8A及び8Bの接触装置100によれば、対応物206は、
図2A、3及び5におけるようにアイカップ内にあるのではなく、眼検査機器10のハウジング内にある。
【0041】
接触装置100と眼検査機器10との間の取付けは、工具不要且つ手を使わない態様で行われる。つまり、接触装置100は、手との又は取付けを行う人物の手による工具保持との接触を必要としない。検査機器100は、取付けを行う人物によって保持され得る。取付けは、解放可能である。一実施例では、取付けは、手及び/又は工具を用いて解放され得る。一実施例では、取付けは、工具不要且つ手を使わない態様によって解放され得る。解放中、解放を行っている人物の手は、使い捨ての手袋で覆われ得る(典型的に、医療関係者は、検査を行うときにそのような手袋を着用する)。
【0042】
図8A及び8Bは、支持棒900及び接触装置100の実例を示す。
図9Aの実施例では、支持棒900(
図9B参照)は、支持棒900の形状を有する接触装置100に完全に置き換えられている。支持棒900は、患者の前頭部に向かって移動され、且つ、検査を行うために前頭部としっかり接触させられる。
【0043】
図9Bの実施例では、接触装置100は、第1の側114及び第2の側116を有する底層により一方の端部が閉じられる、管構造又は同種の構造を含み得る接触装置100は、一方の端部から棒900が完全に又は部分的にのみ挿入されるソックスのようであり得る。
【0044】
眼検査機器10が眼150に接近しているときに、第1の側114の表面が、眼150の周りの皮膚に触れることになり、眼検査機器10は、眼150に対して一定の位置に留まることになる。接触装置100の第2の側116は、工具不要且つ手を使わない態様で、部分12において、眼検査機器10の対応物206で取り付けられ、取付けは、解放可能であり、且つ、少なくとも潜在的に摩擦に基づく。次いで、眼検査機器10は、例えば眼内圧の測定を行うことができる。
【0045】
同様に
図8A及び8Bの実施例では、接触装置100は、使い捨て式であり、且つ、生分解性材料で作られる。接触装置100は、1回の使用後に又は1人の患者154のための使用後に処分されるように意図されている。
【0046】
一般に、全ての実施例における接触装置100の生分解性材料は、セルロース及び/又は再生利用可能なプラスチックを含む。そのようなわけで、接触装置100は、使い捨て式であり、且つ、微生物によって分解される生分解性材料で作られ、そのことが、汚染を減少させ、且つ、廃棄物処理を簡素化する。生分解性材料は、多孔質であってよく、そのことが、それを軽量にする。生分解性材料は、機械的に強固であり且つ抗菌性であり得るセルフォームなどの、耐水性セルロース発泡体を含み得る。
図2A~
図8Bの実施例の接触装置100の目的は、光学的検査において外部光を遮断することでもあり得る。
【0047】
使い捨て式接触装置100は、清掃を必要とせず、且つ、清掃用ティッシュ又は清掃及び殺菌用の薬剤を消費せず、したがって、清掃する人物及び環境の両方にもたらされる危害を回避する。接触装置100はまた、現場使用をより容易にする。
【0048】
図10Aは、接触装置100が積み重ねられている実例を示す。
図10Bは、この実例ではアイカップ14である部分12が積み重ねに触れるように眼検査機器10が接触装置100の積み重ねに向かって移動されている実例を示す。
【0049】
図10Cは、積み重ねの頂部にある接触装置100が眼検査機器10の対応物206にまさに付着しようとしている又は付着した実例を示す。一般に、対応物206は、眼検査機器10のハウジング又はアイカップ14’であり得る。両方の眼150、150’のためのものである接触装置100が、眼検査機器10に、又はやはり両方の眼150、150’のためのものであるアイカップ・装置14に、同様の態様で取り付けられることも、可能である。
【0050】
図10Dは、接触装置100のうちの1つが接触装置100の積み重ねから持ち上げられている、眼検査機器10の実例を示す。
【0051】
このようにして、各接触装置100は、接触装置100に触れることなしに、眼検査機器10で取り付けられ得る。この類いの取付け手順は、清潔な接触装置100が眼150、150’の周りの患者の皮膚152に触れることを可能にする。
【0052】
図11は、測定方法の流れ図である。ステップ1100において、解放可能であり且つ工具不要の態様で行われる取付けが、検査される眼150と眼検査機器10の部分12との間に接触装置100を配置し且つ接触装置100の第1の側114を検査される眼150の周りの皮膚152に接触させるために、適合する形状を有する接触装置100及び対応物206を圧迫して互いに接触させる力に応答して、検査される眼150に向けられる眼検査機器10の部分12において、接触装置100に手で触れることなしに、皮膚との生体適合性のある生分解性材料で作られた使い捨て式接触装置100の第2の側116と眼検査機器10の対応物206との間でもたらされる。
【0053】
図10B~10Dに示されるように、また、
図11とともに上記で説明されたように、眼検査機器10は、接触装置100の積み重ねの一番上にあるものを取り上げるために使用される。取上げは、接触装置100のパッケージから行われ得る。接触装置100が眼検査機器10に取り付けられたときに、検査が行われ得る。検査の後、接触装置100は、眼検査機器10から取り外されてゴミ入れに捨てられ得る。ルーチンを繰り返すことにより、新たな接触装置100が取り付けられ得る。
【0054】
技術が進歩するにつれて本発明の概念が様々な方法で実施され得ることは、当業者には明らかになるであろう。本発明及びその実施例は、上記で説明された例示的な実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で変化し得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼検査機器のための接触装置であって、前記接触装置が、検査される眼と前記検査機器の一部分との間に配置されるように構成され、前記一部分が、検査される前記眼に向けられ、
前記接触装置の第1の側が、検査される前記眼の周りの皮膚と接触させられるように構成され、
前記接触装置の第2の側が、前記接触装置に手で触れることなしに、工具不要の態様で、前記眼検査機器の対応物で取り付けられるように構成され、前記取付けが、検査される前記眼に向けられる前記部分において解放可能であり、
使い捨て式であり皮膚との生体適合性があり且つ生分解性材料で作られる前記接触装置が、それを通して前記眼の検査が行われる開口の周りにリムを備え、
前記接触装置の前記第2の側が、アイカップ・装置に当てられるように構成され、前記アイカップ・装置が、前記対応物を備え、且つ、検査される前記眼に向けられる前記部分であり、
前記接触装置の前記開口が、前記アイカップ・装置を貫通する穴と同じ形状を有し、前記開口が、前記アイカップ・装置の前記穴の面積よりも小さいか又はそれに等しい面積を有し、
壁構造が、その対応物と一緒に、前記壁構造と前記対応物との間の接触に応答して前記開口を前記アイカップ・装置の前記穴に重ねさせるように構成され、前記アイカップ・装置の前記穴を通して前記眼の検査が行われるようになっている、接触装置。
【請求項2】
前記接触装置の前記リムの第1の側が、検査される前記眼の周りの前記皮膚と接触させられるように構成され、前記接触装置の前記リムの前記第2の側が、前記眼検査機器の対応物で取り付けられるように構成される、請求項1に記載の接触装置。
【請求項3】
前記リムの内側縁部又は前記リムの外側縁部のうちの少なくとも一方の周りに完全に又は区分的に連続するように構成された壁構造を備え、前記内側縁部が、前記開口と関連しており、前記外側縁部が、横方向において前記内側縁部に対向しており、
前記壁構造が、前記第1の側に対向する前記リムの前記第2の側から延在するように構成され、
前記壁構造が、検査される前記眼に向けられる前記部分において工具不要の解放可能な態様で前記眼検査機器の対応物で付着するように構成された、請求項1に記載の接触装置。
【請求項4】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記対応物の穴に挿入されるように構成され、前記壁構造の外径及び前記穴の内径が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項3に記載の接触装置。
【請求項5】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記対応物の円形スロットに挿入されるように構成され、前記壁構造の内径及び前記スロットの外側表面が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項3に記載の接触装置。
【請求項6】
前記接触装置の前記外側縁部の周りの前記壁構造が、前記アイカップ・装置の外側縁部上に延在し且つ前記外側縁部で機械的に付着するように構成され、前記壁構造の内径及び前記アイカップ・装置の前記穴の外径が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項3に記載の接触装置。
【請求項7】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記対応物が備える第1の機械的迅速結合対と機械的に結合するように構成された第1の機械的迅速結合構造を備える、請求項4又は5に記載の接触装置。
【請求項8】
前記内側縁部の周りの前記壁構造が、前記アイカップ・装置の円形スロットに挿入されるように構成され、前記壁構造の内径及び前記スロットの外側表面が、摩擦に基づいた接続のために、互いに整合される、請求項4に記載の接触装置。
【請求項9】
前記壁構造が、前記アイカップ・装置が備える機械的迅速結合対で付着するように構成された機械的迅速結合構造を備える、請求項4に記載の接触装置。
【請求項10】
アイカップ・装置を備える、請求項1の接触装置。
【請求項11】
前記壁構造が、前記アイカップ・装置が備える機械的迅速継合対で付着するように構成された機械的迅速結合構造を備える、請求項5に記載の接触装置。
【請求項12】
前記接触装置の材料が、セルロース及び/又は再生利用可能なプラスチックを含む、請求項1に記載の接触装置。
【請求項13】
請求項1に記載の接触装置を備える、眼検査機器。
【請求項14】
眼と眼検査機器とを接触させる方法であって、
検査される眼と前記眼検査機器の一部分との間に接触装置が配置された状態で眼と眼検査機器とを接触させるステップであって、前記一部分が、検査される前記眼に向けられる、ステップと、
前記接触装置の第2の側を前記接触装置に手で触れることなしに工具不要の態様で前記眼検査機器の対応物で取り付けるステップであって、前記取付けが、検査される前記眼に向けられる前記部分において解放可能である、ステップと、
前記接触装置の第1の側を前記眼の周りの皮膚に接触させるステップと、
使い捨て式であり皮膚との生体適合性があり且つ生分解性材料で作られ、且つ、それを通して前記眼の検査が行われる開口の周りにリムを備える、前記接触装置の第2の側を、アイカップ・装置に当てるステップであって、前記アイカップ・装置が、前記対応物を備え、且つ、検査される前記眼に向けられる前記部分である、ステップと、
前記接触装置の壁構造により前記開口をその対応物と一緒にそれらの間での接触に応答して前記アイカップ・装置を貫通する穴に重ねることにより、前記接触装置の第2の側の間での取付けをもたらすステップであって、前記眼の検査が、前記アイカップ・装置の前記穴を通して行われ、前記接触装置の前記開口が、前記アイカップ・装置を貫通する前記穴と同じ形状を有し、前記開口が、前記アイカップ・装置の前記穴の面積よりも小さいか又はそれに等しい面積を有する、ステップと
を含む、方法。
【外国語明細書】