(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025016
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】引き出し可能タイプのハイブリッドスイッチング装置
(51)【国際特許分類】
H01H 33/59 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
H01H33/59 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111543
(22)【出願日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】20188245.3
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508161584
【氏名又は名称】エービービー・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】ABB S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Vittor Pisani, 16, I-20124, MILANO, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ラチティ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ボロニーニ ピエランジェロ
(72)【発明者】
【氏名】オマティ ルカ
【テーマコード(参考)】
5G028
【Fターム(参考)】
5G028AA24
5G028FB06
5G028FD04
(57)【要約】
【課題】
本発明は、最新技術の技術的な問題を克服する又は軽減することを可能にする引き出し可能なタイプのハイブリッドスイッチング装置を提供する。
【解決手段】
電力分配グリッドのためのスイッチング装置は、1つ以上の第1電気ポールを有する引き出し可能な第1スイッチングユニットと、1つ以上の第2電気ポールを有しかつ第1スイッチングユニットに電気的直列に接続された引き出し可能な第2スイッチングユニットと、第1及び第2スイッチングユニットを引き出す操作の安全性を向上させるように方向付けられた制御対応策を実装する制御装置とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力分配グリッドのためのスイッチング装置であって、
前記スイッチング装置は、電線の対応する第1ライン導体に電気的に接続可能な1つ以上の第1ライン端子と、電線の対応する第2ライン導体に電気的に接続可能な1つ以上の第2ライン端子と、1つ以上の第1電気ポールを有する第1スイッチングユニットと、1つ以上の第2電気ポールを有する第2スイッチングユニットと、前記スイッチング装置の動作を制御するように設けられた制御装置と、外部パワーサプライを受け取るように設けられたパワーサプライステージとを備え、
第1電気ポールは、対応する第1ライン端子に電気的に接続可能な第1ポールコンタクトと、第2ポールコンタクトと、第1及び第2ポールコンタクトに電気的に接続した1つ以上の固体スイッチとを備え、
前記固体スイッチは、導通状態で電流を流し又は阻止状態で電流を遮断するように動作するように設けられ、
第1スイッチングユニットは、前記固体スイッチが導通状態である閉状態と、前記固体スイッチが阻止状態である開状態との間で可逆的に切り替えることができ、
第1スイッチングユニットは、第1ポールコンタクトが第1ライン端子と連結している挿入状態と、第1ポールコンタクトが第1ライン端子から離れている引き出された状態との間で可逆的に動くことができ、
第2電気ポールは、第1スイッチングユニットの対応する第2ポールコンタクトに電気的に接続することができる第3ポールコンタクトと、対応する第2ライン端子に電気的に接続することができる第4ポールコンタクトと、第3及び第4ポールコンタクトに電気的に接続した電気接点とを備え、
前記電気接点は、電流を流す連結状態又は電流を遮断する分離状態で動作するように設けられ、
第2スイッチングユニットは、前記電気接点が連結状態である閉状態と、前記電気接点が分離状態である開状態との間で可逆的に切り替わることができ、
第2スイッチングユニットは、第4ポールコンタクトが第2ライン端子に連結している挿入状態と、第4ポールコンタクトが第2ライン端子から離れている引き出された状態との間で可逆的に動くことができ、
前記制御装置は、前記パワーサプライステージが故障状態となったときに第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットとの両方が開状態であるように第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットとを制御するように設けられたことを特徴とするスイッチング装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号の受信に応答して、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットに対し、開状態に切り替える又は開状態を維持するように指令するように設けられた請求項1に記載のスイッチング装置。
【請求項3】
前記スイッチング装置は、前記パワーサプライステージの動作状態を示す検出信号を前記制御装置に供給するように設けられたパワーサプライ検出手段を備える請求項1又は2に記載のスイッチング装置。
【請求項4】
前記制御装置は、第1及び第2スイッチングユニットが第1動作形態、第2動作形態又は第3動作形態に従った組み合わせで動作するように、第1スイッチングユニット及び第2スイッチングユニットを制御するように設けられ、
第1動作形態は、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットの両方が閉状態である前記スイッチング装置の閉状態に対応し、
第2動作形態は、第1スイッチングユニットが開状態であり第2スイッチングユニットが閉状態である前記スイッチング装置のスタンバイ状態に対応し、
第3動作形態は、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットの両方が開状態である前記スイッチング装置の開状態に対応し、
前記制御装置は、前記パワーサプライステージが故障状態となったとき第1及び第2スイッチングユニットが第3動作形態であるように、第1スイッチングユニット及び第2スイッチングユニットを制御するように設けられた請求項1~3のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信することに応答して、第1スイッチングユニット及び第2スイッチングユニットに対し、第3動作形態に切り替わる又は維持するように指令するように設けられた請求項4に記載のスイッチング装置。
【請求項6】
第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットが第1動作形態に従った組み合わせで動作するとき、制御装置は、パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信することに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第2動作形態に切り替わるように指令し、続いて、第3動作形態に切り替わるように指令する請求項5に記載のスイッチング装置。
【請求項7】
第1及び第2スイッチングユニットが第2動作形態に従った組み合わせで動作するとき、前記制御装置は、前記パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信したことに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第3動作形態に切り替わるように指令する請求項5又は6に記載のスイッチング装置。
【請求項8】
第1及び第2スイッチングユニットが第3動作形態に従った組み合わせで動作するとき、前記制御装置は、前記パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信することに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第3動作形態を維持するように指令する請求項5~7のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
【請求項9】
前記スイッチング装置は、ユーザによる起動に基づき、少なくとも第1スイッチングユニットを引き出す操作の間第1スイッチングユニットを動かすように設けられた第1作動装置を備える請求項1~8のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
【請求項10】
前記スイッチング装置は、ユーザによる起動に基づき、少なくとも第2スイッチングユニットを引き出す操作の間第2スイッチングユニットを動かすように設けられた第2作動装置を備える請求項1~9のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
【請求項11】
前記制御装置は、スイッチング装置にとって望ましい動作状態を示す入力コマンドを受け取るように設けられた1つ以上の入力ポートを含むインターフェース部を備える請求項1~10のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
【請求項12】
前記スイッチング装置は、前記インターフェース部と通信可能に設けられたヒューマンマシンインターフェースを備え、
前記ヒューマンマシンインターフェースは、ユーザとの相互作用に基づき前記入力コマンドを供給するように設けられた請求項11に記載のスイッチング装置。
【請求項13】
前記インターフェース部は、遠隔コンピュータ装置から前記入力コマンドを受け取ることができる請求項11又は12に記載のスイッチング装置。
【請求項14】
前記制御装置は第1スイッチングユニットに含まれる請求項1~13のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路遮断器又は同じようなタイプの装置のような電力分配グリッドのためのスイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、低電圧スイッチング装置は、電気回路又は配電グリッドに使われており、特定の電気回路部又は特定の配電網部の正確な運用を可能にしている。例えば、これらの装置は、いくつかの設備に必要な公称電流の利用可能性を確保するのに使われており、電気負荷の適切な差し込み及び切断を可能にし、例えば過負荷、短絡などの故障事象に対して配電グリッドと設定された電気負荷を保護する(特に回路遮断器)。
【0003】
ほとんどの従来のスイッチング装置は、1つ以上の電気ポールを有する電気機械スイッチングユニットを含んでおり、電気ポールのそれぞれは、繋がる又は離れるように設けられた一対の電気接点を備え、電気ポールに沿ったライン電流を可能にする又は遮断する。それらはとても頑丈で信頼性があることが判明しているが、電気機械スイッチング装置は、直流印加で主に比較的高い電圧(直流、1kV~1.5kVの間)において比較的に長い中断時間を示す。結果として、通常分離された電気接点の間で生じる電気アークが比較的長い時間が続く可能性がある。このことは、しばしば電気接点の深刻な摩耗現象を引き起こし、結果として動作信頼性と電気的耐久性の顕著な低下を引き起こす。
【0004】
これらの技術的な問題を克服するために、それらは、それぞれの電気ポールについて1つ以上の固体スイッチ、すなわち、電流フローを可能にする導通状態又は電流フローを遮断する阻止状態で動作することに適合した半導体系トランジスタ又はサイリスタ、を有するスイッチングユニットを含むスイッチング装置(また、固体回路遮断器“SSCBs”と呼ばれる)に設計されている。SSCBsの主な利点は、電気アークを形成することなく遮断動作が実行される状況によってそれらは潜在的に制限のない電気的耐久性を有することにある。さらに、それらの中断時間は、電気機械式のスイッチング装置の中断時間に比べると非常に短い。
SSCBsの重要な欠点は、それらは互いに接続されたライン導体の間の電気絶縁を一般的にもたらすことができないことにある。実際に、電圧が固体スイッチの電力端子(例えば、IGBTのコレクタ端子とエミッタ端子)に印加されたとき、たとえ前記スイッチが阻止状態であってもリーク電流が通常流れる。
【0005】
最近、それらは、電気的に直列につながれている、SSCBスイッチングユニットと、電気機械スイッチングユニットとを含むスイッチング装置に発達している。これらのスイッチング装置(一般的に「ハイブリッドスイッチング装置」と呼ばれる)は、信頼性と遮断時間の短縮に関してSSCBsにより提供されるすべての利点を十分に引き出すことを可能にすることに加えて、それらは互いに接続されたライン導体の間を電気絶縁することを可能にする。
【0006】
知られているように、多くのハイブリッドスイッチング装置は、「引き出し可能」タイプである。この場合、SSCBスイッチングユニットと電気機械スイッチングユニットの両方は、スイッチング装置の固定された部分に対して動くことができる。具体的には、それぞれのスイッチングユニットは、スイッチング装置の固定された部分に対して挿入位置と引き出された位置との間で可逆的に動くことができるように台車に搭載されている。引き出し可能であるタイプのハイブリッドスイッチング装置は、使用の効率と安全性に関してさらなる利点を有している。実際に、スイッチングユニットがライン導体から完全に切断された状態で現場におけるテスト又はメンテナンスを容易に実行するために、SSCBスイッチングユニットと電気機械スイッチングユニットの両方を引き出された位置へと移行させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、また、これらのスイッチング装置は、特に、動作におけるSSCBスイッチングユニットと電気機械スイッチングユニットとの協調制御に関することについて、改良するいくつかの側面を有している。現在、採用されている制御対応策では、これらのスイッチング装置は、状況次第で完全に安全な方法で動作することができない、例えば、スイッチング装置が外部補助パワーサプライを受け取ることができず電気回路、アクチュエータ、制御装置などの内部の低電圧コンポーネントへ供給することができないとき、完全に安全な方法で動作することができない。
本発明の主な目標は、最新技術の上述の技術的な問題を克服する又は軽減することを可能にする引き出し可能なタイプのハイブリッドスイッチング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目標の範囲内において、本発明の対象は、動作において高いレベルの安全性と効率を確保するスイッチング装置を提供することである。
本発明の他の目的は、複雑で高価な制御リソースを用意すること無しに容易に動作を制御することができるスイッチング装置を提供することである。
本発明の他の目的は、産業レベルで製造することが比較的に容易で安価なスイッチング装置を提供することである。
【発明の効果】
【0009】
この目標及びこれらの目的は、以下に提示された請求項1及びその従属項による本発明のスイッチング装置により、以下の説明及び添付の図面から明らかになる他の目的と一緒に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明によるスイッチング装置を図式的に示している。
【
図2】本発明によるスイッチング装置の動作を図式的に示している。
【
図3】本発明によるスイッチング装置の動作を図式的に示している。
【
図4】本発明によるスイッチング装置の動作を図式的に示している。
【
図5】本発明によるスイッチング装置の動作を図式的に示している。
【
図6】本発明によるスイッチング装置の動作を図式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のスイッチング装置は、電線の対応する第1ライン導体に電気的に接続可能な1つ以上の第1ライン端子と、電線の対応する第2ライン導体に電気的に接続可能な1つ以上の第2ライン端子と、1つ以上の第1電気ポールを有する第1スイッチングユニットとを備え、各第1電気ポールは、対応する第1ライン端子に電気的に接続することを目的とする第1ポールコンタクトと、第2ポールコンタクトと、第1及び第2ポールコンタクトに電気的に接続した1つ以上の固体スイッチとを備え、前記固体スイッチは、導通状態で電流を流し又は阻止状態で電流を遮断するように動作するように設けられる。第1スイッチングユニットは、前記固体スイッチが導通状態である閉状態と、前記固体スイッチが阻止状態である開状態との間で可逆的に切り替えることができる。第1スイッチングユニットは、第1ポールコンタクトが第1ライン端子と連結している挿入状態と、第1ポールコンタクトが第1ライン端子から離れている引き出された状態との間で可逆的に動くことができる。
【0012】
本発明のスイッチング装置は、1つ以上の第2電気ポールを有する第2スイッチングユニットを備え、各第2電気ポールは、第1スイッチングユニットの対応する第2ポールコンタクトに電気的に接続することを目的とする第3ポールコンタクトと、対応する第2ライン端子に電気的に接続することを目的とする第4ポールコンタクトと、第3及び第4ポールコンタクトに電気的に接続した電気接点とを備え、前記電気接点は、電流を流す連結状態又は電流を遮断する分離状態で動作するように設けられる。第2スイッチングユニットは、前記電気接点が連結状態である閉状態と、前記電気接点が分離状態である開状態との間で可逆的に切り替わることができる。第2スイッチングユニットは、第4ポールコンタクトが第2ライン端子に連結している挿入状態と、第4ポールコンタクトが第2ライン端子から離れている引き出された状態との間で可逆的に動くことができる。
【0013】
本発明によれば、スイッチング装置の制御装置は、パワーサプライステージが故障状態となったときに第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットとの両方が開状態であるように第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットとを制御するように設けられる。
好ましくは、制御装置は、パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号の受信に応答して、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットに対し、開状態に切り替える又は開状態を維持するように指令するように設けられる。
好ましくは、スイッチング装置は、パワーサプライステージの動作状態を示す検出信号を制御装置に供給するように設けられたパワーサプライ検出手段を備える。
【0014】
本発明の一態様によれば、スイッチング装置の制御装置は、第1及び第2スイッチングユニットが第1動作形態、第2動作形態又は第3動作形態に従った組み合わせで動作するように、第1スイッチングユニット及び第2スイッチングユニットの動作形態を制御するように設けられ、
第1動作形態は、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットの両方が閉状態であるスイッチング装置の閉状態に対応し、
第2動作形態は、第1スイッチングユニットが開状態であり第2スイッチングユニットが閉状態であるスイッチング装置のスタンバイ状態に対応し、
第3動作形態は、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットの両方が開状態であるスイッチング装置の開状態に対応する。
【0015】
制御装置は、パワーサプライステージが故障状態となったとき第1及び第2スイッチングユニットが第3動作形態であるように、第1スイッチングユニット及び第2スイッチングユニットを制御するように設けられる。
好ましくは、前記制御装置は、パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信することに応答して、第1スイッチングユニット及び第2スイッチングユニットに対し、第3動作形態に切り替わる又は維持するように指令するように設けられる。
好ましくは、第1スイッチングユニットと第2スイッチングユニットが第1動作形態に従った組み合わせで動作するとき、制御装置は、パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信することに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第2動作形態に切り替わるように指令し、続いて、第3動作形態に切り替わるように指令する。
【0016】
好ましくは、第1及び第2スイッチングユニットが第2動作形態に従った組み合わせで動作するとき、制御装置は、パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信したことに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第3動作形態に切り替わるように指令する。
好ましくは、第1及び第2スイッチングユニットが第3動作形態に従った組み合わせで動作するとき、制御装置は、パワーサプライステージが故障状態であることを示す検出信号を受信することに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第3動作形態を維持するように指令する。
【0017】
本発明の一態様によれば、スイッチング装置は、ユーザによる起動に基づき、少なくとも第1スイッチングユニットを引き出す操作の間第1スイッチングユニットを動かすように設けられた第1作動装置を備える。
本発明の一態様によれば、スイッチング装置は、ユーザによる起動に基づき、少なくとも第2スイッチングユニットを引き出す操作の間第2スイッチングユニットを動かすように設けられた第2作動装置を備える。
【0018】
本発明の一態様によれば、スイッチング装置の制御装置は、スイッチング装置にとって望ましい動作状態を示す入力コマンドを受け取るように設けられた1つ以上の入力ポートを含むインターフェース部を備える。
好ましくは、スイッチング装置は、インターフェース部と通信可能に設けられたヒューマンマシンインターフェースを備える。ヒューマンマシンインターフェースは、ユーザとの相互作用に基づき入力コマンドを供給するように設けられる。
【0019】
好ましくは、インターフェース部は、遠隔コンピュータ装置から入力コマンドを受け取ることができる。
本発明の一態様によれば、スイッチング装置の制御装置は、第1スイッチングユニットに含まれる。
【0020】
本発明のさらなる特徴と利点は、添付の図面に限定されず純粋に例示として説明された好ましいが排他的でない実施形態の説明からより明確に明らかになるだろう。
【0021】
前述の図面を参照すると、本発明は、例えば回路遮断器、断路器、接触器又は同種のものなどの電力分配グリッドのためのスイッチング装置100に関する。スイッチング装置100は、特に低電圧配電グリッド又はシステムへの搭載に適している。しかし、それは、また、中電圧配電グリッド又はシステムにうまく採用されてもよい。
本発明の目的において、用語「低電圧」(LV)は、1kV ACと1.5kV DCよりも低い電圧で動作することに関し、その一方、用語「中電圧」(MV)は、最大で数十kV、例えば、最大で72kV ACと100kV DCのより高い動作電圧に関する。
【0022】
一般に、スイッチング装置100は、電線50に電気的に接続するように設けられる。通常、電線50は、1つ以上の第1ライン導体51と1つ以上の第2ライン導体52とを備え、第1ライン導体51は、等価電源(例えば、給電システム又は発電システム又は配電グリッドの部分)に電気的に接続することができ、第2ライン導体52は等価電気負荷(例えば、電気システム又は電気装置又は配電グリッドの部分)に接続することができる。引用する図面に示した実施形態において、電線50は三相タイプである。しかし、原理上は、それは異なる数の相を含むことができる。
【0023】
スイッチング装置100は、電線50の対応する第1ライン導体51に電気的に接続するように設けられた1つ以上の第1ライン端子91と、電線50の対応する第2ライン導体52に電気的に接続するように設けられた1つ以上の第2ライン端子92とを備える。
好都合には、第1ライン端子91と第2ライン端子92は、スイッチング装置の固定されたセクション(図示せず)に収容され、このセクションは、好都合にはスイッチング装置の支持フレーム(図示せず)により範囲が決められる。
【0024】
スイッチング装置100は、SSCBタイプの第1スイッチングユニット1と、電気機械タイプの第2スイッチングユニット2とを備え、これらは動作中、上述のライン端子91、92の間に直列に電気的に接続されている。
第1スイッチングユニット1は、1つ以上の第1電気ポール1Aを備える。第1スイッチングユニットの電気ポールの数は、必要に応じて変えることができる。引用した図面に示した実施形態において、第1スイッチングユニットは、三相タイプであり、それは3つの電気ポールを備える。しかし、本発明の他の実施形態(図示せず)によれば、第1スイッチングユニットは、異なる数の電気ポールを含むことができる。
【0025】
それぞれの電気ポール1Aは、電線50の対応する第1ライン導体51に電気的に接続するように設けられ、かつ、第2スイッチングユニット2の電気ポールに電気的に接続するように設けられる。それぞれの電気ポール1Aは、第1ポールコンタクト11と第2ポールコンタクト12とを備え、第1ポールコンタクトはスイッチング装置の対応する第1ライン端子91に電気的に接続するように設けられ、第2ポールコンタクトは第2スイッチングユニット2の対応するポールコンタクト23に電気的に接続するように設けられる。
【0026】
それぞれの電気ポール1Aは、導通状態で電流を流し、阻止状態で電流を遮断するように動作するように設けられた1つ以上の固体スイッチ10を備える。固体スイッチ10(“SSCBs”)は、例えば、MOSFETs、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(“IGBTs”)、ゲートターンオフサイリスタ(“GTOs”)、集積化ゲート転流型サイリスタ(“IGCTs”)又は同様のものを含んでもよい。それぞれの電気ポール1Aの固体スイッチ10は、ポールコンタクト11とポールコンタクト12との間に、例えば、直列構成又は他のより複雑な周知のタイプの回路構成によって電気的に接続される。
【0027】
動作において、第1スイッチングユニット1は、閉状態ONと開状態OFFとの間を可逆的に切り替えることができ、閉状態では電気ポール1Aの固体スイッチ10は導通状態であり、開状態では電気ポール1Aの固体スイッチ10は阻止状態である。第1スイッチングユニット1が閉状態ONのとき、ライン電流は、電気ポール1Aに沿って流れることができる。一方、スイッチングユニット1が開状態OFFのとき、ライン電流は電気ポール1Aに沿って流れることができない。しかし、阻止状態において固体スイッチに通常影響を与える予想されるリーク電流はそれでも流れるだろう。
【0028】
閉状態ONから開状態OFFへの移行は第1スイッチングユニット1を開ける操作を形成し、一方で、開状態OFFから閉状態ONへの移行は第1スイッチングユニット1を閉める操作を形成する。第1スイッチングユニット1は、制御装置3からの第1トリップ信号T1を受信すると開ける操作又は閉める操作を実行してもよい。好ましくは、第1スイッチングユニット1は、第1トリップ信号T1を受信し第1トリップ信号に応じて固体スイッチ10の制御端子(例えば、ゲート端子又はベース端子)を駆動するように設けられた1つ以上の第1駆動回路(図示せず)を含む。
【0029】
第2スイッチングユニット2は1つ以上の第2電気ポール2Aを備える。また、この場合、必要に応じて、スイッチングユニット2の電気ポール2Aの数は変化してもよい。一般に、電気ポール2Aの数は、第1スイッチングユニット1の電気ポール1Aの数に対応する。
それぞれの電気ポール2Aは第1スイッチングユニット1の対応する電気ポール1Aと直列に電気的に接続し、かつ、電線50の対応する第2ライン導体52に電気的に接続するように設けられている。従って、それぞれの電気ポール2Aは第3ポールコンタクト23と第4ポールコンタクト24とを備え、第3ポールコンタクト23は第1スイッチングユニット1の対応する第2ポールコンタクト12に電気的に接続するように設けられ、第4ポールコンタクト24はスイッチング装置の第2ライン端子92と電気的に接続するように設けられる。
【0030】
それぞれの第2電気ポール2Aは、連結状態において電流を流す働きをすることができ、又は分離状態において電流を遮断する働きをすることができる電気接点20を備える。好都合には、それぞれの電気ポール2Aの電気接点20は、固定電気コンタクトと、可動電気コンタクト(図示せず)を備える。
それぞれの可動コンタクトは、固定コンタクトと繋がる又は固定コンタクトから離れるように動くことができる。動作において、第2スイッチングユニット2は、閉状態ONと開状態OFFとの間を可逆的に切り替えることができ、閉状態ONでは電気ポール2Aの電気接点20は連結状態であり、開状態OFFでは電気ポール2Aの電気接点20は分離状態である。
【0031】
第2スイッチングユニット2が閉状態ONのとき、ライン電流は電気ポール2Aに沿って流れることができる。一方、第2スイッチングユニット2が開状態OFFのとき、ライン電流は電気ポール2Aに沿って流れることができない。
閉状態ONから開状態OFFへの移行は、第2スイッチングユニット2を開ける操作を形成し、一方で、開状態OFFから閉状態ONへの移行は第2スイッチングユニット2を閉める操作を形成する。
【0032】
好ましくは、第2スイッチングユニット2は、上述の開ける操作及び閉める操作を実行するために前記スイッチングユニットの可動コンタクトの作動を引き起こすように設けられた1つ以上のトリップアクチュエータ25(知られているタイプであってもよい)を備える。一例として、トリップアクチュエータ25は、開コイルアクチュエータ25Aと閉コイルアクチュエータ25Bとを含むことができ、開コイルアクチュエータ25Aは、電気ポール2Aの可動コンタクトの作動を引き起こし開ける操作を実行するように設けられ、閉コイルアクチュエータは電気ポール2Aの可動コンタクトの作動を引き起こし閉める操作を実行するように設けられる。
トリップアクチュエータ25は、第2スイッチングユニットの可動コンタクトを動かすように設けられた適切な作動メカニズム(図示せず)に動作的に繋がることができる。そのような作動メカニズム(知られたタイプであってもよい)は、上述のトリップアクチュエータによる始動に基づいて第2スイッチングユニット2の可動コンタクトを動かすように都合よく作られている。
【0033】
第2スイッチングユニット2は、制御装置からのトリップ信号T2の受け取りに基づいて開ける操作又は閉める操作を実行してもよい。
好ましくは、第2スイッチングユニット2は、上述のトリップ信号T2を受け取り前記トリップ信号に基づいてトリップアクチュエータ25を駆動するように設けられた1つ以上の第2駆動回路(図示せず)を含んでもよい。トリップ信号T2に従って駆動されるとき、トリップアクチュエータ25は、第2スイッチングユニットの可動コンタクトを動かし第2スイッチングユニットの閉める操作又は開ける操作を実行する上述の作動メカニズムを始動させる。
【0034】
好ましくは、第2スイッチングユニット2は、第2スイッチングユニット2の動作状態を示す検出信号S1を制御装置へ供給するように設けられた1つ以上の接触検出手段26を備える。一例として、検出手段26は、スイッチングユニット2の閉状態ONの信号を送るように設けられた閉マイクロスイッチ(知られたタイプであってもよい)と、スイッチングユニット2の開状態OFFの信号を送るように設けられた開マイクロスイッチ(知られたタイプであってもよい)とを備えてもよい。
【0035】
本発明によれば、スイッチング装置100は、引き出し可能タイプである。従って、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2の両方は、電線50との接続を断つためにそれらの通常の動作位置から引き出されることが可能である。
第1スイッチングユニット1は、挿入状態Aと引き出された状態Bとの間で可逆的に動くことができ、挿入状態Aでは第1ポールコンタクト11は第1ライン端子91と繋がっており、引き出された状態Bでは第1ポールコンタクト11は第1ライン端子91から離れている。
【0036】
好ましくは、挿入状態Aにあるとき、第1スイッチングユニット1は、第2スイッチングユニット2の第3ポールコンタクト23と繋がった第2ポールコンタクト12を有する。好ましくは、引き出された状態Bにあるとき、第1スイッチングユニット1は、第2スイッチングユニット2の第3ポールコンタクト23から離れている第2ポールコンタクト12を有する。
挿入状態Aから引き出された状態Bへの移行は第1スイッチングユニットを引き出す操作を形成し、一方、引き出された状態Bから挿入状態Aへの移行は第1スイッチングユニットを挿入する操作を形成する。
引き出された状態Bにあるとき、第1スイッチングユニット1はテスト位置であってもよくこのテスト位置では第1スイッチングユニット1は電線50から電気的に切断されているが第1スイッチングユニット1はスイッチング装置のパワーサプライステージにまだ電気的に接続されている、そして、第1スイッチングユニット1はパワーサプライステージにより供給されるその低電圧コンポーネントを有している、又、完全に引き出した位置では第1スイッチングユニット1はすべての電気回路から電気的に切断されている。
【0037】
好ましくは、スイッチング装置100は、第1スイッチングユニット1が搭載された第1台車(図示せず)を備える。好都合には、そのような第1台車は、スイッチング装置100の支持フレームにスライド自在に繋がっている。
このように、第1スイッチングユニット1と第1台車の両方がスイッチング装置の固定された部分に対して動くことができる。
【0038】
スイッチング装置100は、少なくとも第1スイッチングユニットを引き出す操作を実行するためにユーザによる起動(例えば、適切なコマンドボタンを介する起動)に基づき第1スイッチングユニット1を動かすように設けられた第1作動装置7(知られたタイプであってもよい)を備える。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1作動装置7は、第1スイッチングユニット1を挿入する操作においてもユーザによる起動(例えば、適切なコマンドボタンを介する起動)に基づき第1スイッチングユニット1を動かすように設けられる。
【0039】
本発明の他の実施形態によれば、スイッチングユニット1を挿入する操作は、例えば、スイッチングユニット1とスイッチング装置の支持フレームとに動作可能に繋がった適切な運動学的なチェーンと動作可能に繋がることができる機械的工具を使って、ユーザにより直接的に実行されてもよい。
第1スイッチングユニット1に対して、第2スイッチングユニット2は、挿入状態Aと引き出された状態Bとの間で可逆的に動くことができ、挿入状態Aにおいて第4ポールコンタクト24は第2ライン端子92と繋がり、引き出された状態Bにおいて第4ポールコンタクト24は第2ライン端子92と繋がっていない。
【0040】
好ましくは、挿入状態Aにあるとき、第2スイッチングユニット2は、第1スイッチングユニット1の第2ポールコンタクト12と繋がっている第3ポールコンタクト23を有する。好ましくは、引き出された状態Bにあるとき、第2スイッチングユニット2は、第1スイッチングユニット1の第2ポールコンタクト12から離れている第3ポールコンタクト23を有する。
挿入状態Aから引き出された状態Bへの移行は、スイッチングユニット2を引き出す操作を形成し、一方、引き出された状態Bから挿入状態Aへの移行は、スイッチングユニット2を挿入する操作を形成する。
引き出された状態Bにあるとき、スイッチングユニット2はテスト位置であってもよくこのテスト位置ではスイッチングユニット2は電線50から電気的に切断されているがスイッチングユニット2はスイッチング装置のパワーサプライステージにまだ電気的に接続されている、そして、スイッチングユニット2はパワーサプライステージにより供給されるその低電圧コンポーネントを有している、又、完全に引き出した位置ではスイッチングユニット2はすべての電気回路から電気的に切断されている。
【0041】
好ましくは、スイッチング装置100は、スイッチングユニット2が搭載されている第2台車(図示せず)を備える。好都合には、そのような第2台車は、スイッチング装置100の支持フレームにスライド自在に繋がっている、その結果、第2台車はスイッチング装置の固定された部分に対して(第2スイッチングユニット2と共に)動くことができる。
【0042】
スイッチング装置100は、少なくとも第2スイッチングユニット2を引き出す操作において、ユーザによる起動(例えば、適切なコマンドボタンを介する起動)に基づき、第2スイッチングユニット2を動かすように設けられた第2作動装置8(知られたタイプであってもよい)を備える。
本発明のいくつかの実施形態によれば、第2作動装置8は、第2スイッチングユニット2を挿入する操作においてもユーザによる起動(例えば、適切なコマンドボタンを介する起動)に基づき、第2スイッチングユニット2を動かすように設けられる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、スイッチングユニット2を挿入する操作は、例えば、スイッチングユニット2とスイッチング装置の支持フレームとに動作可能に繋がった適切な運動学的なチェーンと動作可能に繋がることができる機械的工具を使って、ユーザにより直接的に実行されてもよい。
【0043】
図2は、スイッチングユニット1、2を引き出す操作又は挿入する操作が実行されたときにスイッチングユニット100が取ることができる動作形態を図式的に表す。
形態#1によれば、スイッチングユニット1、2の両方は、挿入状態Aである。形態#2によれば、スイッチングユニット1は引き出された状態Bであり、スイッチングユニット2は挿入状態Aである。この場合、スイッチングユニット1は必要性によりテスト位置であってもよく、完全に引き出された位置であってもよい。
スイッチング装置が形態#1から形態#2へ移行するために、第1スイッチングユニット1だけ引き出す操作を実行する必要がある。スイッチング装置が形態#2から形態#1へ移行するために、第1スイッチングユニット1だけを挿入する操作を実行する必要がある。
【0044】
形態#3によれば、第1スイッチングユニット1は挿入状態Aであり、第2スイッチングユニット2は引き出された状態Bである。この場合、第2スイッチングユニット2は、必要性によりテスト位置であってもよく、完全に引き出された位置であってもよい。
スイッチング装置が形態#1から形態#3へ移行するために、第2スイッチングユニット2だけを引き出す操作を実行する必要がある。スイッチング装置が形態#3から形態#1へ移行するために、第2スイッチングユニット2だけを挿入する操作を実行する必要がある。
【0045】
形態#4によれば、スイッチングユニット1、2の両方は引き出された状態である。この場合、スイッチングユニット1、2のそれぞれは、必要性によりテスト位置であってもよく、完全に引き出された位置であってもよい。
スイッチング装置が形態#2から形態#4へ移行するために、第2スイッチングユニット2だけを引き出す操作を実行する必要がある。スイッチング装置が形態#4から形態#2へ移行するために、第2スイッチングユニット2だけを挿入する操作を実行する必要がある。スイッチング装置が形態#3から形態#4へ移行するために、第1スイッチングユニット1だけを引き出す操作を実行する必要がある。スイッチング装置が形態#4から形態#3へ移行するために、第1スイッチングユニット1だけを挿入する操作を実行する必要がある。
【0046】
原則として、スイッチング装置100は、必要性により、上述の複数の形態のうちいずれかの形態をとってもよい。しかし、スイッチングユニット1、2を引き出す操作は、スイッチングユニット1、2がある動作状態にある場合に限り実行することができる。具体的には、スイッチングユニット1、2のそれぞれを引き出す操作は、そのスイッチングユニットが開状態OFFである場合に限り実行することができる。
【0047】
一般に、スイッチングユニット1、2は、知られたタイプのソリューションによる産業レベルでアレンジされた複数の付加要素を含んでもよい。以下において、簡潔性のためにそれらはさらなる構造的詳細では説明されないだろう。
【0048】
本発明によれば、スイッチング装置100は、スイッチング装置100の動作、特にスイッチングユニット1、2の動作、を制御するように設けられた制御装置3を備える。本発明のいくつかの実施形態(
図1)によれば、制御装置3は、スイッチングユニット1、2のいずれにも含まれない自立デバイスである。本発明の他の実施形態(図示せず)によれば、制御装置3は、スイッチングユニット1、2のうち1つに含まれ、好ましくは第1スイッチングユニット1に含まれる。
【0049】
好ましくは、制御装置3は、要求された機能を実装するためのデータ又は制御信号を処理し供給するように設けられたデータ処理部31を備える。一般に、データ処理部31は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ又はDPSなどのデジタル式又はアナログ式のデータ処理リソースを含んでもよい。
【0050】
好ましくは、制御装置3は、スイッチングユニット1、2の動作を制御するためのトリップ信号T1、T2を生成するために、データ処理部31と情報をやり取りするように設けられたトリップ部32を備える。一般に、トリップ部32は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ又はDSPなどのデジタル式又はアナログ式のデータ処理リソースを含んでもよい。
【0051】
好ましくは、制御装置3は、スイッチングユニット1、2の動作を制御するために、スイッチング装置100にとって望ましい動作状態を示す入力コマンドCM1、CM2、CM3(例えば、適切な制御信号により生成される)を受け取り処理するように設けられる。好ましくは、制御装置3は、入力コマンドCM1、CM2、CM3を受け取るように設けられた1つ以上の入力ポートを含むインターフェース部33を備える。
好ましくは、スイッチング装置100は、制御装置3のインターフェース部33と通信しているヒューマンマシンインターフェース5を備える。ヒューマンマシンインターフェース5は、ユーザとの相互作用に基づき入力コマンドCM1、CM2、CM3を供給するように設けられる。本発明の他の実施形態(図示せず)によれば、ヒューマンマシンインターフェース5は、スイッチングユニット1、2のうち1つに含まれ、好ましくは第1スイッチングユニット1に含まれる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によれば、制御装置3のインターフェース部33は、例えばデジタル継電器などの遠隔コンピュータ装置99(一般にスイッチング装置100の一部ではない)と通信するように設けられる。好都合には、インターフェース部33は、コンピュータ装置99から入力コマンドCM1、CM2、CM3を受け取ってもよい。一般に、制御装置3及びヒューマンマシンインターフェース5は、知られているタイプのハードウェアソリューションに従って産業レベルでアレンジすることができる。従って、以下において、簡潔性のためにそれらはさらなる構造的又は電気回路的な詳細では説明されないだろう。
【0053】
スイッチング装置100において、各スイッチングユニットを閉める操作又は開ける操作は、一般的に、スイッチング装置100にとって望ましい動作状態に応じて実行される。従って、制御装置3は、好都合には、上述の入力コマンドCM1、CM2、CM3の受取に応答して上述のトリップ信号T1、T2を生成することにより各スイッチングユニット1、2を開ける操作又は閉める操作の実行を指令するように構成される。また、原則として、スイッチングユニット1、2を引き出す操作と挿入する操作は、必要に応じて実行されてもよい。
【0054】
しかし、上述のように、各スイッチングユニット1、2を引き出す操作は、スイッチングユニットが開状態OFFである場合に限り、ユーザによる起動に基づき実行される。好ましくは、制御装置3は、第1スイッチングユニット1が閉状態ONにある場合、第1作動装置7が第1スイッチングユニット1を挿入状態Aから引き出された状態Bへ動かすことを防止する(図示していない適切なイネーブル手段を介して防止する)ように構成される。従って、制御装置3は、第1スイッチングユニット1が開状態OFFである場合に限り、第1作動装置7が第1スイッチングユニット1を挿入状態Aから引き出された状態Bへと動かすことを可能にする。
【0055】
好ましくは、制御装置3は、第2スイッチングユニット2が閉状態ONである場合においても、第1作動装置7が第1スイッチングユニット1を挿入状態Aから引き出された状態Bへと動かすことを防止するように構成される。この場合、制御装置3は、スイッチングユニット1、2の両方が開状態OFFである場合に限り、第1作動装置7が第1スイッチングユニット1を挿入状態Aから引き出された状態Bへと動かすことを可能にする。
このソリューションは、第2スイッチングユニット2が閉状態ONであることによって、リーク電流がスイッチングユニットの電気ポールに沿って流れているときに、第1スイッチングユニット1を引き出す操作を阻止することを可能にする。このように、現場で働く人員にとても危険である、第1スイッチングユニットのポールコンタクト11、12における(リーク電流の遮断に起因する)放電現象を避けることが可能になる。
【0056】
好ましくは、第2作動装置8は、第2スイッチングユニット2が開状態OFFである場合に限り、第2スイッチングユニット2を挿入状態Aから引き出された状態Bへと動かすように設けられる。好都合には、第2作動装置8は、第2スイッチングユニット2が閉状態ONである場合に第2スイッチングユニット2を引き出す操作の実行を阻止する適切なイネーブル手段(図示せず)を組み入れている。
【0057】
本発明によれば、スイッチング装置100は、外部補助パワーサプライVAUXを受け取りスイッチング装置の内部の(電気的な又は電子的な)低電圧コンポーネントに供給するために用いるように設けられたパワーサプライステージ4を備え、低電圧コンポーネントは、例えば、制御装置3、コンタクトアクチュエータ25、作動装置7、8、スイッチングユニット1、2に含まれる上述の駆動回路などである。一般的に、外部補助パワーサプライVAUXは、適切な補助パワーインターフェースデバイス(図示せず)を介して電線50から得られる、又は外部補助パワーサプライVAUXはどの外部電源から供給されてもよい。補助パワーインターフェースデバイスがある場合、このような補助パワーインターフェースデバイス(一般的にスイッチング装置には含まれない)は、知られたタイプのものであってもよい、そして、それは簡潔性のためにここでは説明されないだろう。
【0058】
好ましくは、パワーサプライステージ4は、外部パワーサプライ電圧VAUXを受け取り適切なエネルギー貯蔵手段を充電するために使われる充電電流ICを供給するように設けられた1つ以上の駆動回路を備える。本発明によれば、スイッチング装置100は、パワーサプライステージ4から充電電流ICを受け取るようにパワーサプライステージ4に電気的に接続したエネルギー貯蔵ステージ9を備える。好ましくは、エネルギー貯蔵ステージ9は、電気エネルギーを貯蔵するための充電式貯蔵手段(例えば、コンデンサバンク又は電池)と、上述の貯蔵手段から電気エネルギーを取り出すことにより適切なパワーサプライ電圧Vsをスイッチング装置の低電圧内部コンポーネントに供給することを可能にする適切なインターフェース回路とを含む。好ましくは、パワーサプライステージ4とエネルギー貯蔵ステージ9は、スイッチング装置の固定された部分に収容される。本発明のいくつかの実施形態によれば、パワーサプライステージ4とエネルギー貯蔵ステージ9は自立デバイスであってもよい。好ましくは、パワーサプライステージ4とエネルギー貯蔵ステージ9は一体化され1つの回路構造を形成してもよい。一般的に、パワーサプライステージ4とエネルギー貯蔵ステージ9は、知られたタイプのソリューションに従って産業レベルでアレンジされていてもよい。従って、以下において、簡潔性のためにそれらはさらなる構造的又は電気回路的な詳細では説明されないだろう。
【0059】
本発明の重要な態様によれば、制御装置3は、パワーサプライステージ4が故障状態となっているとき第1及び第2スイッチングユニットの両方が開状態となるように第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2を制御するように構成される。明確性のため、パワーサプライステージ4が適切に動作できないときパワーサプライステージ4が故障状態になっていると特定される、例えば、何らかの理由でパワーサプライステージ4が外部補助電力VAUXを受け取ることができないとき故障状態となっている。実際には、パワーサプライステージ4の故障状態は、スイッチング装置が外部補助電力を受け取ることができず又は利用することができずその低電圧内部コンポーネントに供給できないことに対応する。
【0060】
好ましくは、制御装置3は、パワーサプライステージ4の故障状態を示す検出信号S2の受信に応答して、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2の両方に開状態へ切り替える又は開状態を維持するように指令するように構成される。好ましくは、スイッチング装置100は、パワーサプライステージ4の動作状態を示す検出信号S2を制御装置3に供給するように設けられたパワーサプライ検出手段6を備える。
一例として、検出手段6は、故障状態を制御装置3へ知らせるように設けられた1つ以上の電圧センサ又は電流センサ(知られたタイプであってもよい)を備えてもよい、故障状態は例えば何らかの理由で外部補助電力VAUXが利用できなくなっている状態である。パワーサプライステージ4の故障状態に応答して制御装置3により指令された開ける操作を実行するために、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2の両方が、エネルギー貯蔵手段9に貯蔵されたエネルギーを使うことができることは明らかである。
【0061】
このように、スイッチング装置の低電圧内部コンポーネント(特に、制御装置3、コンタクトアクチュエータ25、上記の駆動回路)へ供給されなくなり前記スイッチングユニットが動作しなくなる前にスイッチング装置100を安全な状態(スイッチングユニット1、2の両方が開状態)へと移行させることができる。本発明により提供されるソリューションの結果、スイッチング装置は動作におけるより高い安全性レベルを確保する。パワーサプライステージ4が故障状態になりスイッチングユニット1、2が(それらを開ける操作を実行するために)短期間動作することができなくなったとしても、リーク電流が流れている第1スイッチングユニット1を引き出す操作は防止される。
【0062】
本発明のさらなる態様によれば、制御装置3は、スイッチングユニット1,2の動作を制御することによりスイッチング装置100の動作を制御するための特別な制御ロジックを実装するように構成される。そのような制御ロジックによれば、スイッチングユニット1,2が挿入状態Aにあるとき、第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2は、特定の複数の動作形態だけ組み合わされてもよく、それぞれの動作形態はスイッチング装置100の動作状態のうち所定の1つに対応する(
図3)。
【0063】
好ましくは、制御装置3は、次の複数の動作形態だけにおいて、スイッチングユニット1,2が組み合わせで動作できるようにスイッチングユニット1,2を制御するように設けられる、
-スイッチングユニット1,2の両方が閉状態ONである第1動作形態[I]、
-第1スイッチングユニット1が開状態OFFであり、第2スイッチングユニット2が閉状態ONである第2動作形態[X]、
-スイッチングユニット1,2の両方が開状態OFFである第3動作形態[O]。
【0064】
スイッチングユニット1,2が第1動作形態[I]に従って動作しているとき、ライン
電流は、スイッチングユニット1,2の電気ポール1A、2Aを通って流れることができる。よって、電線50の第1ライン導体51と第2ライン導体52との間で電気的導通がある。従って、スイッチングユニット1,2の第1動作形態[I]は、スイッチング装置
100の閉状態に対応する。
【0065】
スイッチングユニット1,2が第2動作形態[X]に従って動作しているとき、第1スイッチングユニット1が開状態OFFにあるため、ライン電流はスイッチングユニット1、2の電気ポール1A、2Aに沿って流れることができない。よって、電線50の第1ライン導体51と第2ライン導体52は接続していない。しかし、第2スイッチングユニット2は閉状態ONであり、固体スイッチ10に関わるリーク電流がまだ電気ポール1A、2Aに沿って流れることができるため、ライン導体51とライン導体52との間は電気的に絶縁されていない。スイッチングユニット1,2の第2動作形態[X]は、閉状態と開状態との中間であるスイッチング装置100のスタンバイ状態に対応する。
【0066】
第3動作形態[O]に従ってスイッチングユニット1,2が動作するとき、スイッチングユニット1,2の両方は開状態OFFであるため、ライン電流と流れる可能性があるリーク電流は、スイッチングユニット1,2の電気ポール1A、2Aに沿って流れることができない。電線50の第1ライン導体51と第2ライン導体52は接続されておらず、かつ、第1ライン導体51と第2ライン導体52との間の電気的絶縁が確保される。従って、スイッチングユニット1,2の第3動作形態[O]は、スイッチング装置100の開状態に対応する。
【0067】
一般的に、制御装置3は、スイッチング装置100にとって望ましい動作状態を示す上述の入力コマンドCM1、CM2、CM3の受信に応答して1つの動作形態から他の動作形態に切り替えるようにスイッチングユニット1,2に指令するように構成される。しかし、制御装置30に実装された制御ロジックによれば、スイッチングユニット1,2の動作形態の間の移行は、常に、スイッチング装置100のスタンバイ状態に対応する第2動作形態[X]を関与させる必要がある(
図3)。言い換えれば、制御装置3は、スイッチングユニット1,2の第1動作形態[I]と第3動作形態[O]との間の直接的な移行を防止するようにスイッチングユニット1,2を制御するように構成される(
図3)。
【0068】
好ましくは、スイッチングユニット1,2が(スイッチング装置100の閉状態に対応する)第1動作形態[I]であるとき、制御装置3は、スイッチングユニット1,2を(スイッチング装置100のスタンバイ状態に対応する)第2動作形態[X]に切り替えるように指令する。実際には、制御装置3に実装された制御ロジックによれば、スイッチングユニット1,2は、第1動作形態[I]から第2動作形態[X]を介してのみ第3動作形態に切り替わることができる。スイッチング装置が閉状態(スイッチングユニット1,2の第1動作形態[I])であるとき、スイッチング装置100は、スタンバイ状態(スイッチングユニット1,2の第2動作形態[X])を介してのみ開状態に切り替わることができる。
【0069】
好ましくは、スイッチングユニット1,2が(スイッチング装置100のスタンバイ状態に対応する)第2動作形態[X]であるとき、制御装置3は、スイッチングユニット1,2が(スイッチング装置100の閉状態に対応する)第1動作形態[I]に切り替わる又は(スイッチング装置100の開状態に対応する)第3動作形態[O]に切り替わるように指令することができる。実際には、制御装置3に実装された制御ロジックによれば、スイッチングユニット1,2は、第2動作形態[X]から第1動作形態[I]及び第3動作形態[O]のうちどちらか一方に切り替わることができる。スイッチング装置がスタンバイ状態であるとき(スイッチングユニット1、2が第2動作形態[X])、スイッチング装置100は、閉状態(スイッチングユニット1,2が第1動作形態[I])及び開状態(スイッチングユニット1、2が第3動作形態[O])のうちどちらか一方に切り替わることができる。
【0070】
好ましくは、スイッチングユニット1、2が(スイッチング装置100の開状態に対応する)第3動作形態[O]にあるとき、制御装置3はスイッチングユニット1、2が(スイッチング装置100のスタンバイ状態に対応する)第2動作形態[X]に切り替わるように指令することができる。実際には、制御装置3に実装された制御ロジックによれば、スイッチングユニット1,2は、第3動作形態[O]から第1動作形態に第2動作形態[X]を介してのみ切り替わることができる。スイッチング装置が開状態(スイッチングユニット1、2が第3動作形態[O])であるとき、望ましい異なる動作状態を示す入力コマンドCM1、CM2の受信に応答して、スイッチング装置100は、スタンバイ状態(スイッチングユニット1、2の第2動作形態[X])を介してのみ閉状態に切り替わることができる。
【0071】
上述の制御ロジックは、そのスイッチングユニットが開状態OFFである場合に限り、ユーザによる起動に基づいて、各スイッチングユニット1、2を引き出す操作を実行できるように構成される。好ましくは、制御装置3は、第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2が第1動作形態[I]に従った組み合わせで動作しているとき、(上述したように第1作動装置7を無効にすることにより)第1スイッチングユニット1を引き出す操作を阻止するように構成される。好ましくは、制御装置3は、第2スイッチングユニット2が閉状態ONである場合も第1スイッチングユニット1を引き出す操作を阻止するように構成される。この場合、制御装置3は、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2が第2動作形態[X]に従った組み合わせで動作するときも第1スイッチングユニット1を引き出す操作を阻止するように構成され、制御装置3は、第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2が第3動作形態[O]に従った組み合わせで動作する場合に限り第1スイッチングユニット1を引き出す操作を有効化するように構成される。
【0072】
好ましくは、第2作動装置8は、第2スイッチングユニット2が開状態OFFである場合に限り第2スイッチングユニット2を引き出す操作を実行するように設けられる。この場合、制御装置3は、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2が第3動作形態[O]に従った組み合わせで動作する場合に限り、第1スイッチングユニット1を引き出す操作を有効化するように構成される。
【0073】
好都合には、上述の制御ロジックは、パワーサプライステージ4の可能性のある故障状態を考慮するように作られている。好ましくは、制御装置3は、パワーサプライステージ4が故障状態になっているとき第1及び第2スイッチングユニットが上述の第3動作形態[O]となるように、第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2を制御するように構成される。具体的には、制御装置3は、パワーサプライステージ4が故障状態であることを示す検出信号S2を受信することに応答して、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2に対し、第3動作形態[O]に切り替わる又は第3動作形態[O]を維持するように指令するように構成される。
【0074】
好ましくは、第1スイッチングユニット1と第2スイッチングユニット2が上述の第1動作形態[I]に従った組み合わせで動作するとき、制御装置3は、パワーサプライステージ4が故障状態であることを示す検出信号S2を受信することに応答して、第1及び第2スイッチングユニットに対し、第2動作形態[X]に切り替わるように指令し、続いて、第3動作形態[O]に切り替わるように指令する(
図4)。スイッチング装置が閉状態であるとき(スイッチングユニット1、2が第1動作形態[I]であるとき)、スイッチング装置100は、パワーサプライステージ4の故障状態に応答して、スタンバイ状態(スイッチングユニット1、2の第2動作形態[X])へと自動的に切り替わり、続いて開状態(スイッチングユニット1、2の第3動作形態[O])へと自動的に切り替わる。
【0075】
好ましくは、第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2が上述の第2動作形態[X]に従った組み合わせで動作しているとき、制御装置3は、パワーサプライステージ4が故障状態であることを示す検出信号S2の受信に応答して、スイッチングユニット1、2に対し、第3動作形態[O]へと切り替わるように指令する(
図5)。スイッチング装置がスタンバイ状態であるとき(スイッチングユニット1、2が第2動作形態[X]であるとき)、スイッチング装置100は、パワーサプライステージ4の故障状態に応答して開状態(スイッチングユニット1、2の第3動作形態[O])へと自動的に切り替わる。
【0076】
好ましくは、第1スイッチングユニット1及び第2スイッチングユニット2が上述の第3動作形態[O]に従った組み合わせで動作しているとき、制御装置3は、パワーサプライステージ4が故障状態であることを示す検出信号S2の受信に応答して、スイッチングユニット1、2に対し、第3動作形態[O]を維持するように指令する(
図6)。スイッチング装置が開状態であるとき(スイッチングユニット1、2が第3動作形態[O]であるとき)、スイッチング装置100は、パワーサプライステージ4の故障状態に起因して異なる状態(例えば、スタンバイ状態又は閉状態)へと切り替わることができない。
【0077】
上述の制御ロジックによれば、スイッチング装置100は、パワーサプライステージ4の故障状態に応答して(スイッチングユニット1、2の両方が開状態である)安全な状態へと自動的に移行することは以上のことから明らかである。また、この場合、スイッチングユニット1、2の両方は、制御装置3により指令された開ける操作を実行するために、エネルギー貯蔵手段9に貯蔵されたエネルギーを使うことができる。
【0078】
本発明のスイッチング装置100は、最新技術の利用できる対応するソリューションに関して重要なアドバンテージを提供する。最新技術の知られたソリューションとは異なり、スイッチング装置100の制御装置3は、パワーサプライステージ4の故障状態に応答して緊急制御動作を実行するように構成される。このような緊急制御動作は、何らかの理由で外部補助パワーサプライを利用できなくなったときに、SSCBスイッチングユニット1と電気機械スイッチングユニット2に対し、開状態へ切り替える又は開状態を維持するように指令することにある。このソリューションは、第2スイッチングユニット2が閉状態ONであるときにまだ流れている可能性があるリーク電流が存在している第1スイッチングユニット1を引き出す操作が実行されることを防止する。従って、通常状態のようにスイッチング装置の内部の低電圧コンポーネントへもはや供給されない場合であっても、スイッチング装置100は安全に動作する。その上、エネルギー貯蔵ステージ9に貯蔵された電気エネルギーは、スイッチング装置を安全な状態(スイッチングユニット1、2の両方が開状態)へ移行させることに主に使われる。
【0079】
本発明の一態様によれば、スイッチング装置の制御装置3は、スイッチング装置100が、閉状態(スイッチングユニット1,2が第1形態[I]である)と開状態(スイッチ
ングユニット1,2が第3形態[O]である)に加えて、スタンバイ状態(スイッチングユニット1,2が第2形態[X]である)となることができるようにスイッチングユニット1,2を制御するように構成される。このようなソリューションは、スイッチング装置100が開ける操作(すなわち、閉状態から開状態への移行)又は閉める操作(すなわち、開状態から閉状態への移行)を実行する必要があるときにおけるスイッチングユニット1,2の間の時間同期制約を緩和することを可能にする。また、このような制御ロジックは、パワーサプライステージ4における故障事象に応答して、スイッチング装置を安全な状態(スイッチングユニット1、2の第3動作形態[O])へ移行させることを提供する。
【0080】
従って、スイッチング装置100は、その全体的効率と安全性を改良することができるロバスト制御ロジックに従って動作することができる。スイッチング装置100は、産業レベルで生産することが比較的に容易であり、最新技術の類似の装置との競争価格で製造することができる。