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▶ モハマド・モーセン・サアーダットの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025046
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】人工心臓システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/268 20210101AFI20220202BHJP
   A61M 60/165 20210101ALI20220202BHJP
   A61M 60/152 20210101ALI20220202BHJP
   A61M 60/117 20210101ALI20220202BHJP
   A61M 60/427 20210101ALI20220202BHJP
【FI】
A61M60/268
A61M60/165
A61M60/152
A61M60/117
A61M60/427
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021122431
(22)【出願日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】16/941,488
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521318930
【氏名又は名称】モハマド・モーセン・サアーダット
【氏名又は名称原語表記】Mohammad Mohsen SAADAT
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】サアーダット,モハマド モーセン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077CC03
4C077DD02
4C077EE01
4C077PP14
4C077PP16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本物の心臓の代わりに、または本物の心臓に並列して実装され、ヒトまたは他の生物の1つの循環系または2つの循環系をサポートするようにポンプとして完全にまたは部分的に維持する、少なくとも1つの心臓半体を有するヒトおよび他の生物の人工心臓を提供する。
【解決手段】硬質で気密にロックされたシェル内には、血液室および駆動室の2つのチャンバが設けられる。駆動室に対し、電気モータによって作動されるポンプによって周期的に充填および排出が行われる。駆動室の圧力および吸引に起因して、血液室からの血液は動脈に輸送され、静脈から血液室に輸送される。このプロセスの過程で、血液室および駆動室は、弾性的な伸張やねじれなしに、完全に応力フリーの状態で、半分までのみ移動する。2つの革新的な人工逆止弁は、血液が専ら所望の方向に流れることを確実にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓の半体であって、前記人工心臓の前記半体のハウジングとして気密封止された硬質シェルを備え、前記人工心臓の前記半体は、入口および出口を含む血液室と、入出口としての接続部を含む駆動室とを有し、
前記硬質シェルは、少なくとも第1のハーフシェルと第2のハーフシェルとに分割されており、
前記第1のハーフシェルは、入口開口部および出口開口部を含み、
前記第2のハーフシェルは、開口部と、駆動媒体を受け入れる手段とを含み、
前記血液室の第1の半分までの前記血液室の第1の部分が、前記第1のハーフシェルの少なくとも一部に取り付けられ、
前記駆動室の第1の半分までの前記駆動室の第1の部分が、前記第2のハーフシェルの少なくとも一部に取り付けられ、
前記駆動室の第2の半分までの第2の部分が、前記血液室の第2の半分までの第2の部分と接触しており、
前記駆動室の前記第2の半分の前記部分が移動するときに、前記駆動室と前記血液室との接触部分が、前記血液室の前記第2の部分に沿って軸対称の曲げ波を作り出し、
前記血液室の前記第2の部分が、前記第1のハーフシェルの中空部分内および前記第2のハーフシェルの中空部分内に、応力および伸長が軽減された状態で交互に移動する、人工心臓の半体。
【請求項2】
前記血液室および前記駆動室の少なくとも一方の部分が、生物学的糸から織られている、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項3】
前記血液室の前記第2の部分と前記駆動室の前記第2の部分との間に配置された弾性パッドをさらに含む、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項4】
前記弾性パッドがレンズ状凸形状弾性パッドである、請求項3に記載の人工心臓の半体。
【請求項5】
前記血液室の前記第2の部分および前記駆動室の前記第2の部分の少なくとも一方が、軸対称三次元形状であって、放物線状の円弧のように肥厚化した、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項6】
前記血液室の前記第2の部分の後面に軸対称の緯線形状の歯が存在し、前記駆動室の前記第2の部分の後面に軸対称の緯線形状の歯が存在する、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項7】
前記ギヤ歯が、材料の蓄積により生成された膨らみ、および、特にチェーンリンクのように相互に挿入された剛性リングの挿入および組み込みにより生成された膨らみ、のうちの1つである、請求項6に記載の人工心臓の半体。
【請求項8】
前記駆動媒体が液体である、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項9】
前記硬質シェルの幾何学的形状が、二次元または三次元楕円体の形状である、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項10】
前記第1のハーフシェルおよび前記第2のハーフシェルが、軸対称の円錐形の連結面との正および負のインターロック接続によって連結される、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項11】
前記硬質シェルが、前記硬質シェルの内面に縦溝および横溝をさらに含む、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項12】
前記硬質シェルが、前記血液室と前記駆動室との間に、粘性潤滑およびシーリング剤を収容するための外部接続部を有する第3のチャンバをさらに含む、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項13】
前記第3のチャンバが心拍出量を調節する手段を含む、請求項12に記載の人工心臓の半体。
【請求項14】
前記硬質シェルの片側には、1つの正の円筒形接続要素および1つの負の円筒形接続要素が近接して設けられており、前記硬質シェルをその縦軸(C)に対して180°回転させることによって、前記硬質シェルを、人工心臓の第2の半分を含む第2の硬質シェルに接続することができるように設計されており、前記人工心臓の前記半体を含む前記硬質シェルと、前記人工心臓の前記第2の半分を含む前記第2の硬質シェルとの組み合わせにより、完全な人工心臓が形成される、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項15】
前記軸対称の曲げ波は、前記硬質シェルの内面に沿って生じる、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項16】
前記血液室の前記第2の部分が前記第1のハーフシェルの中空部分内および前記第2のハーフシェルの中空部分内に移動する動きに関連する応力・伸長および折り畳みが、排除される、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項17】
電気油圧ポンプユニットをさらに含み、
前記電気油圧ポンプユニットは、
2つのピストンと、前記2つのピストンの間に配置された共通のピストンロッドと、ピストン当たり少なくとも1つの動作空間(VR&VL)とを含むシリンダ-ダブルピストンユニットであって、前記シリンダ-ダブルピストンユニットと、2つのピストンと、共通のピストンロッドと、ピストン当たり少なくとも1つの動作空間とが、円筒形ケース内に配置されている、シリンダ-ダブルピストンユニットと、
前記共通のピストンロッドに取り付けられた該ピストンロッドの駆動要素と、
少なくとも1つの結合要素であって、前記結合要素の一部分は前記駆動要素に取り付けられ、前記結合要素の第2の部分は前記円筒形ケースの外側に延在する、少なくとも1つの結合要素と、
前記円筒形ケースの外側に配置された少なくとも1つの駆動機構であって、前記円筒形ケースの外側に延在する前記結合要素の部分を介して前記駆動要素に接続される、少なくとも1つの駆動機構と
を備え、前記シリンダ-ダブルピストンユニットが駆動流体用のコネクタを含む、請求項1に記載の人工心臓の半体。
【請求項18】
前記電気油圧ポンプユニットの前記少なくとも1つの駆動機構の各々は、前記駆動機構の少なくとも一方の端部に配置された少なくとも1つの電気モータによって作動され、
前記少なくとも1つの電気モータの各々に取り付けられた一方向クラッチをさらに含み、
前記一方向クラッチに取り付けられた円筒形本体をさらに含み、
前記円筒形本体の表面には、ダブルスタート構成で、右および左の螺旋形状で互いに内側に向かって接線方向に延びる、反対方向に2つの溝が設けてあり、
前記円筒形本体は、前記共通のピストンロッドを駆動する手段を駆動し、前記駆動要素はリング状の駆動要素である、請求項17に記載の人工心臓の半体。
【請求項19】
駆動媒体を前記人工心臓内に手動で推進させることを可能にするために、前記駆動要素を前記共通のピストンロッドの前記駆動要素と係合および係合解除するための手動で作動される結合要素をさらに含む、請求項17に記載の人工心臓の半体。
【請求項20】
前記駆動機構の前記歯車装置が、スピンドルドライブ、ウォームドライブ、クランクドライブ、偏心ドライブ、スライダ-クランク機構、ロープ、ベルト、およびチェンジドライブまたは他の既知の駆動機構のうちの1つによって作動される、請求項17に記載の人工心臓の半体。
【請求項21】
前記ピストンの各々の前後に2つの別個の動作室をさらに含む、請求項17に記載の人工心臓の半体。
【請求項22】
前記2つのピストンのうちの第1のピストンのための前記動作空間と、前記2つのピストンのうちの第2のピストンのための前記動作空間とを接続するホースをさらに有する、請求項21に記載の人工心臓の半体。
【請求項23】
前記2つのピストンの各々のための少なくとも1つのリリーフ弁をさらに含む、請求項21に記載の人工心臓の半体。
【請求項24】
前記リリーフ弁の各々が、貫通孔、保持ボール、圧力ばね、およびカニューレ挿入調整ねじを含む、請求項23に記載の人工心臓の半体。
【請求項25】
前記2つのピストンの各々のための前記動作空間の容積が前記硬質シェルの容積よりも大きい、請求項21に記載の人工心臓の半体。
【請求項26】
駆動媒体が、前記リリーフ弁を介して一方のピストン側から他方のピストン側に移送される、請求項25に記載の人工心臓の半体。
【請求項27】
前記各ピストン上で駆動媒体が移送される、請求項25に記載の人工心臓の半体。
【請求項28】
前記電気油圧ポンプユニットは、スピンドルねじとスピンドルナットとから構成されるスピンドルドライブを含み、前記スピンドルねじは、螺旋溝の形状の(二重の)左右無限ループを含み、
前記スピンドルナットは、管片のようなねじ筋のない中空円筒から構成され、スピンドル内には、前記スピンドルねじの溝内を滑らかにジャークなしで摺動する三次元的に湾曲し丸みを帯びたシャトルの形態で少なくとも1つの摺動ブロックが設けられる、請求項17に記載の人工心臓の半体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国を指定して2020年1月28日に出願された国際特許出願番号EP2020/052058の一部継続出願であり、2019年1月28日に出願された独国特許出願公開第102019000611.9号明細書の優先権利益を主張するものであり、これらの各出願は、すべての表、図面、および特許請求の範囲を含むその全文が本出願に援用される。
【0002】
本明細書に記載された発明は、生体心臓の代わりに、または生体心臓と並列して体内に実装され、または、例えば可搬型透析装置用に人体の外側に実装され、ヒトまたは他の生物の少なくとも1つの血液循環系をポンプとして完全にまたは部分的に維持またはサポートする少なくとも1つの心臓半体と、好ましくは体外に配置される少なくとも1つの駆動ユニットおよび少なくとも1つの制御ユニットとを含む、ヒトまたは他の生物のための人工心臓システムを表す。
【背景技術】
【0003】
体内に挿入され、電気的に、または圧縮空気によって外部から駆動される多数の人工心臓が存在する。心臓の高いエネルギー需要のために、体内に恒久的に実装されるエネルギー源を見つけることは不可能であり、したがって、エネルギー源は、体外に配置され、交換可能かつ再充電可能でなければならない。
【0004】
心臓に取って代わる、または心臓をサポートする利用可能なポンプ、装置、およびユニットは、通常、かなりのサイズであり、取り扱いが容易ではなく、何よりもノイズを発生させる。さらに、これらの人工心臓は技術的ポンプとともに動作するが、このポンプは経時的に血球の機械的損傷を引き起こす。あるいは人工心臓は弾性膜を利用するが、弾性膜はしばらくすると多孔質になり、漏れやすくなり、最終的に裂ける。
【0005】
独国特許出願公開第68906403号明細書は、2つの半体から構成される人工心臓を示す。各心臓半体は、3つのチャンバから構成される。これらのチャンバの間には、2つの弾性膜(10および11)が収容されている。心臓収縮の度に、駆動ポンプ(22)は液体を膜(11)に押し付け、膜はその部分に関して、圧力を2つの膜(10および11)間の液体に伝達し、そこから血液室(9a)の膜(10)に伝達する。この手順の間、一方では、液体は、2つの弾性膜(10および11)の間の中間空間から貯蔵タンク(13)に戻り、他方では、血液室(9a)から動脈(7)に浸透する。ポンプ(22)による駆動流体の吸引中、血液は静脈開口部(3)から血液室(9a)に流れる。同時に、貯蔵タンク(13)からの液体は、2つの膜(10および11)の間の空間に戻る。2つの液体の仕切りは、各液体の流動抵抗に依存し、各心臓半体で異なる。このように、必要な心拍出量を保証することができない。この発明は重大な欠点および問題を伴い、今日に至るまで解決することができないでいる。例えば、熱および発火の危険性にもかかわらず、2つのモータおよび2つのポンプが体内に配置される。さらに、血液室(9a)から完全に排出させることができず、血栓症のリスクを引き起こす。モータの同期運転は保証されず、心臓弁の機能は記載されていない。
【0006】
さらに、人工心臓内の血液は、いくつかの異なる材料と接触する。2つの電気モータの回転方向の反転が連続的に繰り返されるために、それらの寿命は大幅に短縮される。
【0007】
独国特許出願公開第69820603号明細書も、駆動装置およびポンプが心臓のすぐ内側に位置し、上述のすべての欠点を伴う、体内でアクセスできない人工心臓を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、これらの欠点に関して少なくとも部分的に改善された人工心臓を開発するという課題にある。緊急の場合に、たとえ患者がどこにいても、患者自身が行う最初の救命措置を可能にする構成において、静かに動作し、高い安全基準を保証し、好ましくは2つの循環系のうちの少なくとも1つを恒久的に維持またはサポートし、ヒトもしくは他の生物の体内に実装されるかまたは体外に設置され、体外に配置された駆動および制御ユニットによって動作する、強力であるが単純な心臓を利用可能にすることを特に意図している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、独立請求項に規定される特徴によってこの課題を実施する。
【0010】
従属請求項は、本発明の有益な実施形態を表す。
【0011】
本発明の中核をなす人工心臓は、ヒトおよび/または他の生物の少なくとも1つの循環系を維持および/またはサポートすることを意図している。人工心臓は、それぞれ1つの血液室および1つの駆動室を有する、少なくとも1つ、特に2つの気密封止された心臓半体を備える。さらに、各心臓半体は、分割可能な硬質シェルを特徴とする。血液室は袋(バッグ)を通じて利用可能にされることになり、この血液バッグは、少なくとも部分的に、特に半分まで、硬質シェルの壁に対して固定状態で配置される。血液バッグの第2の半分は、駆動室から生じる圧力によって、少なくとも部分的に、特に完全に、軸対称に展開する曲げ運動を伴いながら、応力フリーで、好ましくはねじれなしに、第1の半分内に移動する。さらに、駆動バッグは、少なくとも部分的に、特に半分まで、硬質シェルの壁に対して固定された状態で配置され、第2の半分は血液バッグと背中合わせに配置され、好ましくは応力フリーで、伸長またはねじれることなく、曲げ波の展開運動を生じさせる。
【0012】
好ましくは、血液バッグおよび駆動バッグの可動性の半分の後面には、材料の蓄積および/または、特にチェーンリンクのように相互に接続された剛性リングの挿入または組み込みによる、膨らみのような複数の緯線形状に並んだ歯群が設けられる。
【0013】
2つのバッグの間に少なくとも1つの弾性パッド、特に少なくとも1つのレンズ状凸形状弾性パッドを配置することが特に好ましい。
【0014】
バッグは、好ましくは、少なくとも部分的に、生物学的糸から織られる。
【0015】
有用な形態では、各硬質シェルは、2つのハーフシェルであって、円錐形の連結面を通じた正および負の着脱可能なインターロック接続によって嵌合されるハーフシェルを備える。
【0016】
好ましい形態では、心臓半体すなわシェルの内面において縦溝および横溝が設けられ、特に粘性潤滑およびシーリング剤を収容するための第3のチャンバとして使用される。
【0017】
さらに、臓半体すなわちシェルの内面において、縦溝および横溝は、心拍出量を調節するための第3のチャンバとして機能するよう、外側への接続を有するのが特に好ましい。
【0018】
心臓の第2の半分がその縦軸周りに180°回転した状態で、心臓の第1の半分に取り付けられるよう心臓半体に正および負の要素が設けられることが特に好ましく、それにより、当該2つの半体が血液ポンプとして協働してヒトまたは別の生物の両方の循環系を維持することになる。
【0019】
少なくとも一つの駆動媒体が液体であることが好ましい。
【0020】
有用な形態では、駆動流体は、シリンダピストンユニットによって駆動バッグ内に(および駆動バッグから)圧送され、ピストンロッドは、ダブルスタート左右無限ループを有するスピンドルを備えるスピンドルドライブによって駆動される。
【0021】
シリンダ-ダブルピストンユニットによって交互モードで駆動流体を駆動バッグの内外に圧送することが好ましく、ピストンロッドは、ダブルスタート左右無限ループを有するスピンドルを備える1つまたは2つのスピンドルドライブによって駆動される。
【0022】
好ましい形態では、駆動流体は、2つのシリンダピストンユニットによって同時に左右の駆動バッグから内外に圧送され、ピストンロッドは、無限ループ状に左右に延びるダブルスタート螺旋溝を有するスピンドルを備える1つまたは2つのスピンドルドライブによって駆動される。
【0023】
特に好ましくは、三角状または三角形の硬質薄板で構成された、血液室の少なくとも1つの入口弁および1つの出口弁が設けられ、これら硬質薄板は、弁リングの多角形(好ましくは六角形)の貫通孔の周りに、ピボット旋回するよう円形配置される。
【0024】
好ましくは、弁薄板の両側にはピボットを介して側方薄板が配置されている。側方薄板は、弁が閉じられたときに弁薄板の背後の外側に向かって半径方向に折り畳まれ、一方で弁薄板の間の隙間を完全に封止し、したがってそれらの曲げ抵抗が増加する。
【0025】
側方薄板の代わりに、弁薄板の間にシャックルのような弾性要素を挿入することも有用である。
【0026】
他のさらなる形態では、弁リングにおいて、開放されるすなわち流れによって開放される少なくとも1つの格子構造であって、好ましくはピラミッド形状であり、弁薄板のためのサポートおよび改良されたシールとして使用される格子構造が設置される。弁薄板の開口は、膨らんだ形状のウェブを管片に対して傾けることによって制限される。
【0027】
小型カメラまたは光学センサによって弁を監視することが推奨される。
【0028】
少なくとも一つの圧力センサが、特に硬質シェル内に設置され、現在の血圧を測定し、その結果を制御ユニットに送信するように意図されていることが好ましい。
【0029】
必要に応じて駆動システムとピストンロッドとの間の機械的結合を(好ましくは手動で)分離し、これにより、シリンダ(ダブル)ピストンユニットを手動で操作し、好ましくはトラブルを解決した後にボタン等を押すことによって、再結合できるようにすることが有用である。
【0030】
心臓半体の接続部の外面は、好ましくは正の曲率を備え、動脈、静脈または接続ホースは、好ましくは返しおよび/または負に湾曲した表面、ならびに特に少なくとも1つの安全要素を備えた少なくとも1つのクイックリリースファスナによって、好ましくは緩めにかつ滑ることがないよう取り付けられる。
【0031】
本発明に係る心臓は、少なくとも1つ、好ましくは2つの心臓半体を含む。各心臓半体は中空であり、空気および液体に対して気密封止され、かつ少なくとも2つの部分から構成される硬質シェルを特徴とする。各心臓半体には、1つの血液室および1つの駆動室の少なくとも2つのチャンバが設けられる。血液室は、好ましくは完全に血液バッグから構成され、肺を介してまたは身体の残りの部分を介して、駆動室を通じた血液バックの律動性脈動に基づいて、2つの血液循環系のうちの1つの血流を維持する。
【0032】
充填状態では、血液バッグは本質的に、全容積、特に心臓の一方の半分の全容積を満たす。駆動室も同様に、好ましくは完全に駆動バッグから構成され、充填状態でその容積は実質状、特に完全に心臓の一方の半分の容積に対応し、血液バッグとは反対の位置に配置される。
【0033】
各心臓半体の硬質シェルは、好ましくは三次元楕円形状であり、その外側縦表面の少なくとも一方にプラグインコネクタの形態の締結具を備えており、これらの締結具は、胸骨に平行な垂直軸上の心臓の2つの同一または同等の半体を互いに180°鏡面反転して配置した状態で、インターロック接続によって嵌合することを可能になっている。2つの心臓半体のプラグインコネクタは、それらの垂直ミラー軸に平行なフィルムジョイントを有しており、心臓の両半体間の弾性角度変化を可能にする。
【0034】
心臓全体は、好ましくは、正および負の輪郭の締結具を嵌合することによって、または心臓の2つの同一または同等の半体を互いにねじ込むことによって構成され、半体の各々は、それ自体が閉じた硬質シェル、その中に配置された1つの血液室および1つの駆動室を有する。
【0035】
このように設計された人工心臓は、本物の心臓のサイズおよび幾何学的形状有するが、好ましくはより平坦なサイズおよび幾何学的形状を呈する。1つの心臓半体は、好ましくは、その赤道で圧縮された楕円形の卵のように見える楕円体の幾何学的形状を呈する。
【0036】
各心臓半体の硬質シェルの壁の厚さは、好ましくは、0.数ミリメートルになる。各半体は少なくとも2つの部分、好ましくは2つのハーフシェルから構成され、分離線が極を通って縦に、対角線的に斜めに、または以下に示すように赤道に沿って横方向に延びる。赤道における、または赤道に対していくらか傾斜した、2つのハーフシェル間の分離線は、硬質シェルの主軸に対してほぼ垂直な、または硬質シェルの主軸に対していくらか傾斜した挿入平面を有する楕円から円を形成する。2つのハーフシェルは、それらに含まれる血液室および駆動室と共に、空気および液体に対して気密に、または互いにねじ止めまたはクランプ締めされて、嵌合される。2つのハーフシェルについて、好ましくは内面の分離縁部に段差を設ける必要があり、その結果、2つのハーフシェルの組み立て後の両方の段差は、それらの共通の分離隙間に沿ったそれらの内部で、閉じた楕円形の円周溝を形成する。
【0037】
球体上の経線および緯線のように延びる2つのハーフシェルの内面上のこの円周溝ならびに他の縦溝および横溝は、共に第3のチャンバを形成し、この潤滑室を通ってパラフィンのような潤滑剤が2つのチャンバ(血液室および駆動室)と硬質シェルの内壁との間を一周する。
【0038】
ハーフシェルは、好ましくは、生体適合性プラスチックの射出成形によって製造され、および/またはプラスチックもしくはプラスチック/金属混合物の三次元印刷もしくはプロットによって製造される。必要に応じて金、白金等の貴金属、チタンやセラミックコートから構成される表面層を付着してもよい。アルミニウム合金に基づいて製造された物品は、電気化学的に陽極酸化されてもよい。
【0039】
各心臓半体の内部は、互いに独立した少なくとも2つ、好ましくは3つのチャンバ、すなわち、血液のための1つの血液室と、駆動室として作用する1つの圧力・吸引室と、任意選択的に、その容積が同時に心拍出量を決定する、潤滑剤のための、前述の2つのチャンバの間の中間空間としての第3のチャンバとを有する。すべてのチャンバは、好ましくは、空気および液体に対して気密に、または互いの上または互いに対して斜めに、互いに並んで硬質シェルの内側に配置される。各心臓半体のチャンバはまた、互いに同軸に配置されてもよい。少なくとも、血液室は、カイコもしくはクモの糸のような、生物学的に適合性があり、引張強度を保証する、非常に可撓性があり、しなやかで、柔軟であり、抵抗なく変形可能である非常に細い材料、またはナイロンのような非常に細い合成糸、バルーンの形態のPETもしくはペルロン、一体に織られた2つの円筒形のスリーブを有するバッグのようなパッド、または3D印刷によって製造されたPCUから構成される必要がある。
【0040】
血液バッグおよび駆動バッグすなわちパッドは、好ましくは外部から、好ましくは第3のチャンバからのパラフィンのような潤滑剤としての粘性液体で濡らされる。各バッグは好ましくは、そのコネクタが設けられた一方の半分において、対応するハーフシェルの壁に配置される。他方の第2の半分同士は、好ましくは、潤滑剤を間に介した状態で背中合わせに配置されており、駆動媒体用コネクタから大動脈弁すなわち血液用コネクタまで、律動的に脈動しながら一緒に往復移動する。このサイクルの間、それらのバッグは、この動作および変形中に伸張、ねじれ、または折り畳まれることなく、潤滑剤の可変体積に応じて、好ましくは硬質シェルの容積の0に近い値から98%までその容積を変化させる。血液バッグの変形は、特に、下側ハーフシェルの約2/3の位置から開始して心臓半体の赤道まで、第2の半分にわたって上下に移動する軸対称の曲げ波、すなわち変形波によって引き起こされる。当業者に理解されるように、「上側ハーフシェル」および「下側ハーフシェル」という用語は、解剖学書によく出てくる垂直人体(立位)でのハーフシェルの向きを指す。これらシェルの半分は、「シェルの第1の半分」および「シェルの第2の半分」と呼ぶこともできる。
【0041】
第3のチャンバ内の粘性液体は、好ましくは摺動層として、2つのチャンバと硬質シェルの内壁との間の摩擦を低減し、バッグの組織のしなやかで緻密な構造を維持し、さらに荷重および圧力を2つのバッグに均一に分配することを可能にする。2つのチャンバの間の粘性液体の体積のそれぞれの量は、1拍あたりの心拍出量の調節に使用される。この摺動液体の量の調節およびその交換のために、第3のチャンバは、好ましくは赤道に近接した硬質シェルにコネクタを備える。このコネクタから出発して、細いホースが、胸部に配置されたコルセット、ベルト、または身体の別の位置で、体内から外側に向かってポンプユニットおよび制御ユニットに、駆動ホースと平行に案内される。
【0042】
血液室は、好ましくは一体に織られた好ましくは楕円形のバッグで構成され、2つのスリーブのように円筒形の入口および円筒形の出口を有する。血液バッグは、好ましくは、循環系内に直接配置され、または低酸素循環系内の心臓の右半体に配置されて、身体の筋肉および器官から肺に向かって流れる血液を圧送するか、または酸素に富む循環系内の心臓の左半体に配置されて、肺から来る血液を身体の筋肉および器官に向かって圧送する。血液バッグは、特に上側ハーフシェル内に配置され、血液の入口および出口のためのそれぞれ1つの開口部を備える。各開口部には、逆止弁と、弁の遠隔診断のための一体化されたカメラを備えた光学システムと、血圧を測定するために固定された半分内にある少なくとも1つの圧力センサとを有する。
【0043】
人工心臓用の血液室の両方のコネクタ(本物の心臓に類似)は、頭部に向かって配向された硬質シェルの上部ゾーンに配置されている。心臓の右半体と左半体との間の中心平面、心室中隔(septum interventriculare cordis)は、乳房の高さに対してほぼ垂直に向けられ、直線の背骨に対して反時計回りに約5~15°傾斜している。心臓の両方の半体について、血液の入口および出口のための開口部は、言及された中心平面に対してほぼ対称であり、2つの出口開口部、すなわち肺動脈および大動脈は、心臓の中心平面の近くに配置され、2つの入口開口部、すなわち大静脈および肺静脈は、幾分大きい距離にある。このようにして、人工心臓全体は、それぞれ中心縦軸に対して180°回転した2つの同一の半体から構成され得る。この構成により、1つの半体のみを必要に応じて交換したり、サポートとして本物の心臓に並列して挿入したりすることができる。血液バッグのコネクタは、血液が血液バッグ以外の他の材料と接触しないように、静脈に直接接続される。
【0044】
好ましくは、各血液室の下または横に、駆動室が配置される。駆動室は、圧力を発生させることによって血液室から排出させ、心臓半体の硬質シェル内に吸引を発生させることによって血液室を再び満たすために使用される。駆動室も、好ましくはバッグから構成され、伸長性のある材料から構成され、非常に可撓性であり、柔軟であり、抵抗なく変形可能であり、好ましくは一体に織られ、円筒状コネクタを有する。コネクタは、好ましくは心尖部の近くに配置され、好ましくは血液の成分、例えば生理食塩水または血液に適合する別の流体、例えばココナッツミルクである駆動流体の入口および出口に使用される。血液バッグと同様、駆動バッグの一方の半分(ここでは下半分)は常に下側ハーフシェルの壁に配置され、一方、上半分は血液バッグの下半分に背中合わせに接しており、血液バッグと共に上下に移動する。
【0045】
本出願による心臓半体の非常に安全で耐久性のある形態では、2つのバッグ(血液バッグおよび駆動バッグ)の伸長性のある糸を、経線と緯線に似た、円周方向と縦方向に織り込むことが意図されている。各バッグについて、コネクタを有する半分は、壁のハーフシェル内で外側に向かって配向され、しわがないのに対して、他方の半分(自由な半分)は、互いに背中合わせに接続され、ゲルもしくは粘性パラフィンまたは薬用シリコーンで満たされた楕円形パッドをそれらの中間位置に保持する。
【0046】
パラフィンまたはシリコーンを有するパッドは、一方では、バッグの2つの半分の均一で対称的な上方および下方への移動を保証し、他方では、軟質バッグがハーフシェルの端部で血液および駆動流体の入口チャネルおよび出口チャネルに進入することを防止する。バッグの2つの自由な半分が律動的に上方および下方に動く間にゲルで充填されたパッドは、ロッドのないピストンのように心臓半体の内部空間に保持され、縦方向糸によって適所に保持され、横方向および円周方向糸によってセンタリングされる。
【0047】
心臓半体を組み立てる際好ましくは、最初に2つのバッグの円筒形コネクタ(スリーブ)が、硬質シェルの対応するコネクタから突出するまで、硬質ハーフシェルのコネクタに挿入される。このステップの完了後、下側ハーフシェルにシールを取り付けた上で、2つのハーフシェルを嵌合する。次に、2つのバッグがガス状媒体によって順に加圧され、その結果、バッグの両方の半分が硬質ハーフシェルの内壁に押し付けられる。2つのバッグの3つのコネクタ(スリーブ)は、硬質シェルの円形コネクタ上に引き戻される。その後、2つの逆止弁がスリーブを通して血液室のコネクタに挿入される。
【0048】
これ以降、コネクタは、上側ゾーン内の2つの血液静脈と下側駆動ゾーン内のホースとの接続を確立する準備が整う。
【0049】
静脈、動脈または大動脈が対応するコネクタ上で引っ張られた場合、連結は、好ましくはケーブルストラップに似たプラスチック製の少なくとも1つのクイックリリースによって、意図しない分離に対して安全でなければならない。このようにして、静脈と血液室との間の血流の安全で円滑な移動が保証される。血液バッグのコネクタ(スリーブ)を、対応する静脈または動脈に直接縫い付けることも可能である。
【0050】
下側ハーフシェルは、そのコネクタを有する駆動室と、粘性潤滑剤用のコネクタとを収容する。粘性潤滑剤の圧力を体外で測定することが可能である。これは、血液室内の血圧の指標にもなる。
【0051】
両方のチャンバ(血液室および駆動室)間の共通の接触領域の壁は、好ましくは、血液室内の乱流を防止するように三次元で設計したほうがよい。その目的のために、補強ウェブおよびストラットは、2つのバッグの外面に取り付けられ、硬質シェルの内壁に存在する溝およびくぼみに部分的に局所的に配置されなければならない。それらの抵抗は、チャンバの動作過程での2つの協働するチャンバの変形および一連の動きを決定する。周方向および縦方向における血液室および駆動室の部分的に異なる壁厚は、バッグの壁の弾性および曲げ抵抗を、上方向および下方向に移動中の変形の順序を最適化するように決定することを可能にし、その結果、血液室に出入りする血液の恒久的な層流、および上述のレンズ状の膨らみによってしわが形成されない血液室の完全な排出を保証する。
【0052】
互いに重ねて配置された血液バッグおよび駆動バッグの可動性の半分の後面には、PCUと呼ばれるポリカーボネートウレタンのような可撓性材料、組織またはプラスチック内に、歯および歯間を有する3次元歯車の歯群のようなリング状の膨らみを球体の緯線の平行線に似せて形成することが好ましく、その結果、一方のバッグの歯群は、互いに重ねられた2つの後面が広がりながら(展開しながら)、他方のバッグの歯隙間に挿入されることになる。逆方向の移動の際も同様である。このようにして形成されたバッグは、ティース(Teeth)バッグとも言える。簡易な構成では、歯の形状は、ランタンギア歯のように円形である。それぞれ垂直断面の断面において、インボリュートまたはサイクロイドの形状も可能である。
【0053】
各心臓半体の駆動室のコネクタは、弾性ホースによって、好ましくは体外に位置するポンプに結合される。
【0054】
このように機能する人工心臓は、体外に配置することもできる。この場合、血液室のコネクタは、延長ラインによって体内に誘導され、そこで古く欠陥のある心臓の静脈および動脈に接続される。
【0055】
駆動流体のポンプは、互いに同期し、かつ直列または並列に接続された2つのシリンダピストンユニットから構成されることが好ましい。それらは、閉じた防水ケース内で胸部に、コルセット上またはベルト上で体外に配置される。ポンプシリンダは、好ましくはヒトまたは生物の身体に水平方向に取り付けられ、ピストンはシリンダ軸に沿って往復移動し、ポンプシリンダから駆動室に駆動流体(生理食塩水またはココナッツミルク)を圧送し、その逆も同様である。心臓の半体毎に1つのシリンダピストンユニットが設けられる。完全な人工心臓のためには2つのユニットが必要であり、互いに平行に、またはタンデム構成で共通の軸上に直列に、または同軸に、互いに内側または周囲に配置される。これらシリンダピストンユニットの配置は、2つの心臓半体が動脈に血液を順番に供給するか、または(本物の心臓のように)同時に供給するかを決定する。
【0056】
ポンプのピストンロッドは、好ましくは1つの単一の電気モータによって、または異なるモードの最大4つの電気モータによって、冗長構成で往復移動する。油圧シリンダピストンユニットのピストンロッドは、アキシャル・ラジアルピストンポンプや・外接歯車ポンプなどの既知のポンプ原理に加えて、回転ディスクおよび1つまたは2つの偏心ストロークの助けを借りて往復移動する。
【0057】
ピストンロッドの特に安全な往復移動は、1つまたは2つの無限スピンドルドライブを介した有用な構成により達成することができる。これらの構成では、1つまたは2つの電気モータが、2つの右周りのねじ筋と2つの左周りのねじ筋とを有する好ましくはダブルスタートの無限ねじ溝を有するスピンドルシャフトを一定の角速度で駆動し、回転は常に一方向に行われる。スピンドルドライブは、好ましくは中空のスピンドルドラム(ロール)で構成され、シングルまたは好ましくはダブルスタートのその周囲に右周りのねじ筋と左周りのねじ筋とを有する2つの互いに交差するねじ溝を備え、溝の端部は接線方向に互いに併合する。これにより、スピンドルドラムを常に一方向に連続的に回転させながら速度を変化させることなく、スピンドルナットを右回りの溝の端部から左回りの溝に滑らかに、ジャークや衝撃なしで自動的に移行させ、その移動方向を反転させることが保証される。
【0058】
スピンドルナットは、最小限の遊びでスピンドルドラム上を摺動する、管片のようなねじ筋のない中空円筒から構成される。スピンドルナット内には、ピンによって中空シリンダの内壁に半径方向に結合され、ピン軸の周りを約±30°で両方向に回転可能な、三次元的に曲げられ丸みを帯びたシャトルの形態で少なくとも1つの摺動ブロックが設けられる。各スピンドルナットは、スピンドルドラム上で利用可能な平行な溝通路の数に対応する、それぞれシャトルである摺動ブロックの数を有する。例えば、2つの溝通路を有するスピンドルドラムの場合、スピンドルナットは、ドラムの回転軸に対して180°鏡面反転構成で互いに対向する、それぞれシャトルである2つの摺動ブロックを備える。摺動ブロックは、スピンドルナット自体の回転が防止される場合に、スピンドルドラムの回転運動をスピンドルナットの並進往復移動に伝達する。スピンドルナットの外側は、1つのピストンロッドを有する1つのポンプのピストンロッドに、または各々が独自のピストンロッドを有する2つのポンプのピストンロッドに接続される。このため、スピンドルナットは自軸周りに回転できない。ピストンロッドのスピンドルナットへの機械的接続は、手動で作動される結合によって行われる。緊急の場合、例えば電気駆動装置の故障中に、この接続はボタンを引くだけで分離することができ、したがって結合を解除することができる。その後、ピストンロッド、したがってポンプを手動で作動させることができる。
【0059】
2つ以上の駆動モータおよびスピンドルドライブの場合、スピンドルドラムを例えばギアによって相互に結合することが推奨される。
【0060】
本物の心臓弁は、好ましくは、血液バッグのスリーブへの血液の入口および出口のための開口部のコネクタに挿入される革新的な人工弁に置き換えられる。弁は、人工心臓に使用されるだけでなく、特に別個に製造され交換可能なモジュールを表す。これらの革新的な物品は、プラスチックの注入、射出成形または3D印刷によって製造することができる。それらは、多くの産業部門で外部エネルギー供給なしで機能する逆止弁として、医療技術では心臓または静脈弁の代替として、建築部門では水や下水が水路や家庭用ラインに逆流することを防止する逆止弁として使用されている。
【0061】
それらは、ジョイント、好ましくはフィルムジョイントによって、それらの第3の側面で弁リングの多角形、好ましくは六角形の貫通孔の縁部、特にそのようなボアの縁部に取り付けられるいくつかの、少なくとも3つの、好ましくは6つの三角形、特に等辺三角形の薄板を含む。各血液室は2つの弁を有する。弁リングは、それぞれ血流に対して垂直な上側ハーフシェルの開口部の段部に収容される。
【0062】
段部は、その終点が血液入口開口内、すなわち血液室までのより大きく離れた所に位置し、その開始点が血液出口開口内に位置する。血液の逆流中に弁薄板がしっかりと閉じることを可能にするために、薄板の等脚の2つの面は、それぞれ別の三角形の側方薄板に回転可能に接続される。この側方薄板の鋭角は、弁リングの多角形または六角形の貫通孔またはボアの角に位置する。
【0063】
弁薄板は、閉状態では3面または多面、例えば6面ピラミッドを形成し、開状態では多面(この例では12面)シリンダまでの半ピラミッドを形成する。弁の閉状態では、鋭角部分に対向する側の側方薄板の面は、3枚から数枚(この例では6枚)の放射状ダブルブレードで星形を形成する。血液の逆流中に弁薄板が迅速かつ安全に閉じることを可能にするために、弁薄板の裏と弁リングとの間に弓形状のばね要素が設けられ、弁薄板に恒久的に閉鎖力を及ぼす。
【0064】
弁の別の変形例は、側方薄板がない。この構成では、弓形状のばね要素は、好ましくは、2つの隣接する弁薄板にそれぞれ取り付けられる。
【0065】
弁の興味深い有益な変形例は、弁のリングとして使用されるハニカム形状の開いたピラミッドを特徴とする。閉状態では、弁薄板は、弁リングのピラミッドの面にある三角形の開口部に配置される。外側に向かって、弁薄板の開口部は、弁薄板の裏側の材料突起(弁の管上に配置される)によって制限される。
【0066】
これらの弁の3つの変形例はすべて、外部エネルギーの供給なしで、血流によって自動的に開閉することができる。
【0067】
この設計に基づく心臓または心臓半体は、好ましくは、対応する衛生条件下でクリーンルーム内に予め組み立てられなければならない。駆動室ならびにポンプは、駆動流体で満たされ、通気される。潤滑および調節媒体のコネクタは、貯蔵タンクにも接続され、充填および通気される。次に、人工心臓は、ヒトまたは別の生物の体内に設置され、本物の心臓に取って代わることができる。まず、大静脈を心臓の右半体の血液入口開口部に接続し、次に心臓の右半体の血液出口開口部を肺動脈に接続しなければならない。その後、肺静脈を心臓の左半体の血液入口開口部に接続し、次に大動脈を心臓の左半体の血液出口開口部に接続する。この順序に正しく従う場合、心室のその後のベントはもはや必要ではない。
【0068】
血圧の現在値は、好ましくは、血液室の範囲内にある圧力センサによって供給される。潤滑および調節媒体の圧力は、そのコネクタまたは体外のタンク内で測定することができる。収縮期血圧の直接値またはその値の指標が提供される。人工心臓の弁の状態に関する価値のある情報は、光ファイバケーブルを介した光伝送によって、弁モジュールの前方の小型カメラによって提供することもできる。
【0069】
体外に位置するすべてのモジュールは、防水ケース内に小型コンピュータと共に共通に収容されることが好ましい。現在の血圧、心拍数、弁の状態および心拍出量に関する情報をコンピュータに送信するセンサには、酸素含有量および呼吸数を送信するセンサが追加される。この情報に基づいて、コンピュータは、必要な血流量および脈拍数を算出し、それらを調節する。
【0070】
以下の図は概略図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】2つのハーフシェルから構成される心臓の人工半体の三次元楕円形に設計された硬質シェルを通る縦断面図である。
図1a】心臓の1つの半体(そのシールを含む)の2つのハーフシェルのプラグ接続の詳細図である。
図2】フィルムジョイント(B)と、2つの正および負の形状の締結具とを有する、図1に示す心臓の左半体の下からの図である。
図3】完全な心臓を形成するために締結具によって組み立てられた心臓の2つの等しい半体(1Rおよび1L)の底面図である。
図4図3の平面(H)に沿った心臓の2つの同一の半体(1Rおよび1L)を通る縦断面図である。
図5a】血液バッグおよび駆動バッグ(12および13)、心臓弁に代わる2つの弁(17Aおよび17V)、2つの光学センサ(21Aおよび21V)、ならびに血圧センサ(22)を備えた1つの心臓半体(1)を示す図である。
図5b】血液バッグおよび駆動バッグ(12および13)、心臓弁に代わる2つの弁(17Aおよび17V)、さらに2つの光学センサ(21Aおよび21V)、ならびに血圧センサ(22)を備えた1つの心臓半体(1)を示す図である。血液バッグおよび駆動バッグの自由かつ可動である半体の先端は、レンズ状のパッド(50)に連結され、レンズ状のパッドは、その2つの端部位置の間でそれ自体に平行に上下に移動し、その移動の終点で毎回ハーフシェルのコネクタボアを覆うことになる。
図5c】リング状または楕円状の膨らみを特徴とする互いに重ねられた血液バッグおよび駆動バッグの半分(12および13)を有する1つの心臓半体(1)を示す図である。
図5d】突出した膨らみ(61および62)を有する互いに重ねられた血液バッグおよび駆動バッグの半分(12および13)の部分断面図である。
図6】2つの同一の半体(1Rおよび1L)から構成される人工心臓全体を示す図である。
図7】心臓弁の代替として人工心臓に使用される、閉状態の弁フラップとしての6つのブレードを有する人工逆止弁を示す図であり、3つの図(a、bおよびc)で示す。
図8図7に示す人工逆止弁の開状態の図であり、3つの図(a、bおよびc)で示す。6つのブレードは、12個の側方ブレードと共に、折り畳み可能かつロック可能な管を形成する。
図9】心臓弁として使用可能である閉状態の単純な人工逆止弁を示す図であり、3つの図(a、bおよびc)で示す。
図10図9に示す単純な人工逆止弁の開状態の図であり、3つの図(a、bおよびc)で示す。
図11】電気モータによって駆動される、タンデム構成のダブルピストンシリンダユニットと、冗長駆動としてシリンダの両側に配置された2つのスピンドルドライブとを有する電気油圧ポンプユニットを示す図であり、3つの図(a、bおよびc)で示す。(a)は3つの相互に連結されたユニットの上面図であり、(b)は3つの相互に連結されたユニットの側面図であり、(c)は3つの相互に連結されたユニットの縦断面図である。
図12】駆動室のポンプのための駆動部としてのモータ歯車装置を示す図である。電気モータは、スピンドルとして機能するドラムを一方向に連続的に回転させる。2つの内部摺動体を有するスリーブの形態のスピンドルナットが、ドラム上を往復移動し、手動で作動される結合によってポンプのピストンロッドを駆動する。
図13】無限ループで左側および右側を走行する二条溝螺旋を有するスピンドルドライブのスピンドルと、スピンドルの片面または両面駆動部に対する両側のコネクタ結合とを示す図である。
図14】共通モードで周期的に動作する2つのシリンダピストンユニットと、ポンプ間に配置され、電気モータによって駆動され、駆動部として使用されるスピンドルドライブとを有する電気油圧ポンプユニットを示す、3つの図(a、bおよびc)である。(a)は3つの相互に連結されたユニットの上面図であり、(b)は3つの相互に連結されたユニットの側面図であり、(c)は3つの相互に連結されたユニットの縦断面図である。
図15】心臓弁および静脈弁として使用され、他の産業部門、例えば縫製部門でも使用されている、人工逆止弁の単純で安全な形態を示す4つの図(a~d)である。 (a)は閉位置で6つの弁薄板を有する弁を示す斜視図であり、(b)は互いに対向する2つの弁薄板の中心を通る断面図であり、(c)はケースのない6つの閉じた弁薄板を有する弁(51)を示す図であり、(d)は弁薄板のない弁のハニカム形状格子構造の上面図である。
図16図11による、ピストンロッドに対して垂直に機械的結合部(39a)を通る断面図を(a)に示し、図14による、ピストンロッドに対して垂直に機械的結合部(39b)を通る断面図を(b)に示す。
図17】心臓のハーフシェルのコネクタへの静脈および動脈のクイックコネクタを示す図である。
図18】鎌または放物線のように下半分が肥厚化したシームレスな血液バッグを示す図である。
図19】鎌または放物線のように上半分が肥厚化したシームレスな駆動バッグを示す図である。
図20】ギヤ付きの下半分を有するシームレスな血液バッグを示す図である。
図21】ギヤ付きの上半分を有するシームレスな駆動バッグを示す図である。
図22】収縮期に同期して拍動する放物線のように肥厚化した血液バッグを有する人工心臓を示す図である。
図23】拡張期に同期して拍動する放物線のように肥厚化した血液バッグを有する人工心臓を示す図である。
図24】収縮期に同期して拍動するギヤ付きの血液バッグおよび駆動バッグを有する人工心臓を示す図である。
図25】拡張期に同期して拍動するギヤ付きの血液バッグおよび駆動バッグを有する人工心臓を示す図である。
図26】収縮期に非同期的に拍動する放物線のように肥厚化した血液バッグを有する人工心臓を示す図である。
図27】拡張期に非同期的に拍動する放物線のように肥厚化した血液バッグを有する人工心臓を示す図である。
図28】収縮期に非同期的に拍動するギヤ付きの血液バッグおよび駆動バッグを有する人工心臓を示す図である。
図29】拡張期に非同期的に拍動するギヤ付きの血液バッグおよび駆動バッグを有する人工心臓を示す図である。
図30】シーリングなく両端上にピストンを有するピストンロッドから構成されるダブルピストンポンプユニットを示す図である。各ピストンは両側に、円筒形の動作室とリリーフ弁とを備えたケースを有する。 同一部品の番号は常に同じである。文字を有する指標は、同じ要素の異なるバージョンまたはサイズを示す。文字の参照は以下の通りである。 A:動脈 L:患者の左側 V:静脈 R:患者の右側
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1によると、1つの心臓半体(1)の硬質シェルは、三次元楕円体の幾何学的形状であり、それにより、縦軸(A)に垂直な平面(E)を通る断面は平坦な楕円を表す。心臓半体の硬質シェルは、好ましくは2つのハーフシェルから構成され、上側ハーフシェル(2)は、血液用の入口(4)および出口(5)開口部を有し、下側ハーフシェル(3)は、駆動媒体のための入口および出口(6)ならびに心拍出量(V)のための潤滑・調節剤のための入口および出口(7)を有する。コネクタを有する上側ハーフシェルおよび下側ハーフシェルは、好ましくは、射出成形または三次元印刷によって製造され、かつ研磨された表面を有し、好ましくは貴金属でコーティングされた、生物学的に適合性のプラスチックから構成される。平面(E)に近いそれらの自由楕円縁部において、それらは、図1aに詳細として拡大されて示されるように、組み立て中に互いに重ねられる好ましくは円錐状に傾斜した表面を有する正および負の形状であることを特徴とする。2つのハーフシェルの境界面の円錐状に傾斜した表面の一方の中央に、シールリング(10)、好ましくはOリングを含む溝が配置され、これは空気および液体に対して2つのハーフシェルを気密封止する。
【0073】
2つのハーフシェル(2および3)の組み立て中、上側ハーフシェル(2)の下縁部(8)は、下側ハーフシェル(3)の縁部(9)の上に挿入され、楕円形の縁部一周にしっかりと押し付けられる。
【0074】
心臓の中央平面(C)上で、2つのハーフシェル(2および3)は、互いに重なり合って配置された2つの円筒(11aおよび11b)で構成されたプラグ接続可能な弾性ダブルコネクタを有する。2つの円筒はそれぞれ、正すなわち中実状、負すなわち中空状であり、心臓の中央平面(C)に対して180°回転した心臓の2つの同一の半体を位置決めした上で、それらの間にインターロック接続を確立することを可能にする。このようにして、完全に人工心臓が形成される。軸(B)に沿って互いの接続ストラップにテーパリングを施すと、フィルムジョイントが形成され、2つの心臓半体間の弾性および可撓性が増加する。これにより、2つの心臓半体を胸部の個々の湾曲に適合させ、体内で互いに対して移動可能なままにすることができる。
【0075】
ここに示す心臓半体は、人工心臓の左半体を表す。ストラップ(11aおよび11b)の一方の軸を中心として180°回転すると、それが心臓の右半体となる。血液の入口(4)および出口開口部(5)の内側にはそれぞれ、弁の収容を目的として段部が、光学センサの小型カメラまたは光もしくはレーザ光反射システムを収容するためのボア(21aおよび21v)が設けられる。これらは、人工心臓弁として使用される場合に弁の監視および遠隔診断のために例えばガラス繊維を介して信号を伝送する。
【0076】
潤滑・調節剤の入口および出口(7)は、ボア(20)を通して、心臓半体(1)の内部、好ましくは下側ハーフシェル(3)内、および2つのハーフシェル(2および3)間の楕円形リング状隙間(23)内に入る。その位置から、潤滑・調節剤は、2つのハーフシェルの内面上の、2つのバッグすなわち血液バッグおよび駆動バッグの間の、経線および緯線形状の溝(23aおよび23b)に分配される。上側ハーフシェル(2)内の穴(22)は、圧力センサを取り付けるために使用される。圧力センサは、血圧をその位置で直接、それが増加したときに血液室内で測定し、その結果を信号線によって中央制御ユニットに送信する。
【0077】
図2は、心臓の左半体の底面図を示す。外側楕円は、その縁部(8)によって下側ハーフシェル(3)の縁部(9)の裏側で把持する上側ハーフシェル(2)の輪郭を表す。図1A参照。血液入口(4)および出口開口部(5)の一部は、下側ハーフシェル(3)のコネクタ(6)を通して見ることができる。
【0078】
コネクタ(7)は、図2の右側に、平面(H)上のハーフシェル(3)の底部に示されている。このコネクタ(7)のボアは、心臓半体の内部の2つのハーフシェル(2および3)の間の楕円形の溝(23)内に接線方向に通じ、パラフィンのような潤滑剤の供給および排出のために使用され、これにより、2つのバッグの気密性および柔軟性が確保され、それらの相互摩擦が低減され、心拍出量が調節される。図2の左側は、各ハーフシェル(2および3)における心臓の中央平面(C)上に、フィルムジョイント(B)としてのテーパリング部、ならびに2つの好ましくは円筒状の正の形状の締結具(11a)および負の形状の締結具(11b)から構成される差し込み可能な弾性ダブルコネクタ(11aおよび11b)を示す。
【0079】
図3は、2つの同一の心臓半体(1Rおよび1L)の底面図を示す。これらの2つの同一の半体は、心臓の中央平面(C)に対して180°相互に回転し、正の締結具(11a)を負の締結具(11b)に挿入することによって心臓全体に組み立てられる。
【0080】
図4は、完全な人工心臓の2つの半体の硬質シェル(1Rおよび1L)の縦断面図を示す。2つの同一の半体は、心臓の中央平面(C)に対して180°回転された状態で、それらの正および負の要素(11aおよび11b)の相互接続によって組み立てられる。
【0081】
図5aは、2つの硬質ハーフシェル(2および3)から構成される1つの心臓半体(1)を縦断面で示す。上側ハーフシェル(2)には、2つの入口および出口(15および16)を有する血液室(12)が設けてある。血液室(12)は、シリコーンまたはポリウレタンのような非常に弾性のある材料から構成されるが、好ましくはクモまたはカイコの糸のような生物学的繊維から織られる。血液室は、この非常に伸長性があり高弾性の材料から、血液バッグのスリーブとしての2つの入口および出口(15および16)と共に心臓の半分の容積(V)を有するバッグの形態で好ましくは一体に織られ、開状態にあるときに上側ハーフシェル(2)に挿入される。血液室をその全体または部分範囲内、すなわち赤道レベル(E)より上で、ハーフシェルの内面に貼り付けることも可能であり、その結果、血液室はその動作中に折り畳まれることはなく、また、カメラ(21Aおよび21V)および圧力センサ(22)を壁から引き剥がすことがない。血液室の血液入口および出口開口部(15および16)内には、弁(17Aおよび17V)が人工心臓弁として設置され、入口および出口(スリーブ(15および16))の材料すなわち組織は、心臓弁と上側ハーフシェル(2)の開口部(4および5)との間で、それらと一緒にクランプ締めされる。血液室の入口および出口は、対応する静脈および動脈、または延長線上に直接縫い付けられるのに、および/またはクランプおよび/またはねじおよび/または接着接続によって接続されるのに十分なように硬質ハーフシェル(2)から突出する。上側ハーフシェルの入口および出口、好ましくは弁の前方の血液室の端部には、カメラ(21Aおよび21V)または光学センサおよび圧力センサ(22)が設置される。それらのケーブルは、胸部から外側に向かって制御ユニットまで供給ホース(18および19)に平行に案内される。
【0082】
下側ハーフシェル(3)は圧力・吸引室(13)を収容し、圧力・吸引室は、そのスリーブ(49)と共にバッグのように一体に製造され、絹糸またはプラスチック糸のような伸長性があり非常に弾性の材料から構成される。その形状および体積は、心臓半体(1)に対応する。このチャンバ(13)は、通常半分まで下側ハーフシェル(3)の内壁に接着されている。このチャンバは、コネクタ(6)およびホース(18)によって、血漿と同様の、血液に適合する液体媒体で満たされる。駆動媒体として生理食塩水またはココナッツミルクを利用することが可能である。
【0083】
胸部またはコルセットに取り付けられた、好ましくは体外に配置されたポンプユニットが、弾性ホース(18)を介してコネクタ(6)に駆動媒体を圧送して駆動室(13)に送り込む。この駆動室のバッグまたはバルーンは、血液室(12)のバッグまたはバルーンを圧迫し、心臓の左半体(ここで示されている)に位置する左弁(17A)を通して大動脈または心臓の右半体の肺動脈に血液を押し込む。一方、心臓の左半体の肺静脈または心臓の右半体の大静脈の弁(17V)は自動的に閉じる。ポンプユニットによって駆動室(13)から駆動媒体が排出されると、血液室と駆動室との間の中間空間(14)に吸引が生じる。この吸引は、血液室を駆動室に向かって引き込み、その容積を増加させる。この効果は、弁(17A)を閉じると同時に弁(17V)を開き、その結果、肺の酸素に富む血液が血液室に流入する。
【0084】
血液室と駆動室との間の中間空間(14)内、ならびに硬質シェルの内面の縦溝および横溝(23aおよび23b)内には、パラフィンのような潤滑剤が供給され、これは、2つのチャンバ壁と硬質ハーフシェル(2および3)との間の摩擦を低減し、したがって、2つのチャンバの材料およびバッグの糸の寿命を延ばし、それらを高密度で柔軟な状態に保つことを意図している。この潤滑剤の充填量は、心臓半体の心拍出量を決定し、一定の脈拍数でのその変動性を保証する。充填量の調節および潤滑剤の交換は、コネクタ(7)およびホース(19)によって行われる。コネクタ(7)のボア(20)は、2つの血液室および駆動室間の中間空間(14)、ならびに平面(E)上の2つのハーフシェル(2および3)間の楕円形リング状隙間(23)に通じる。その位置から、潤滑剤は、溝(23aおよび23b)内ならびに2つの血液室および駆動室間に分配される。
【0085】
弾性ホース(19)によって、コネクタ(7)はホース(18)に接続され、ホースは胸部の開口部を通って体内から外側に向かって、ポンプおよび制御ユニットの場合には配置された貯蔵タンクまで導かれる。
【0086】
各バッグ(12および13)の一方の半分は、常にハーフシェル(2および3)の内側に固着している。バッグのもう一方の自由な半分は、背中合わせに配置され、一緒に律動的に上下に動く。
【0087】
図5bは、2つの硬質シェル(2および3)から構成される1つの心臓半体(1)の縦断面図を示し、パラフィンまたは医療用シリコーンのようなゲルで満たされたレンズ状および楕円形状のパッド(50)が、背中合わせに位置するバッグの2つの可動半体の間に配置されている。パッドは、心臓半体の縦軸(A)に対して中心かつ垂直に配置される。バッグの2つの半分の糸によって案内されて、ゲルパッド(50)は、ロッドのないピストンのようにそれ自体に平行に恒久的に動く。その最終位置において、パッドは、バッグまたはバルーンの一部がこれらの開口部または弁の中に侵入するのを防ぐために、硬質シェルの開口部を閉じる。2つのバッグの材料および糸には常に応力がかからず、無負荷であり、それらには引張力、圧力またはねじれが作用しない。バッグは常に、流れと共に2つの液体の間でそれぞれ上下に行ったり来たり浮動する。バッグの2つの面に作用する力は、常にほぼ同一である。これにより、使用される材料の最大の生物学的寿命を達成することができる。
【0088】
図5cは、図5aに記載の心臓半体を示す。互いに重ねられた駆動バッグおよび血液バッグ(12および13)の半分の後面は、プラスチックからのバッグの3D印刷中に、またはバッグの製織プロセス中にプラスチックまたはばね鋼から構成される歯状の非伸長性リングを組織に挿入することによって製造される、歯の形態の円形または楕円形の膨らみまたは補強リング(61および62)を備える。垂直断面において、歯の形状は(ここに示すように)円弧であってもよいが、サイクロイド、インボリュート、またはより単純な形状も可能である。このようにしてバッグは、半分まで歯付きバッグになる。このようにして、各バッグの外側にはギア形状の非伸長性の円形または楕円形のリング群(61および62)が設けられることになる。これらのリングは、歯が歯の隙間に入った状態で、心尖部での最初の膨らみから始まって弁(17Aおよび17V)まで一緒に曲げられることになり、したがって移動する波を一緒に作り出す。複数の歯リングは、ハーフシェル(2および3)の壁に沿って赤道まで一緒に移動し、伸ばされたり折り畳まれたりすることなく、球体上の複数の緯線のようにハーフシェルの壁の意図された位置に配置される。これらの剛性状の歯群すなわちリング群(61および62)はまた、バッグの端部が心臓半体の開口部(4、5または6)に貫入するのを防止する。
【0089】
図5dは、互いに重ねられた2つの血液バッグと駆動バッグ(12と13)の小部分を示し、ここでは、垂直断面において単純なランタンギア歯付き円形が設けられている。黒色のリンク群すなわち歯群を有するチェーン(61)は、血液バッグ(12)を通る断面を表し、白色のリンク群すなわち歯群を有するチェーン(62)は、駆動バッグ(13)を通る断面を表す。
【0090】
図6は、2つの同一の半体(1Rおよび1L)から構成される、本発明による人工心臓の縦断面図である。上部ゾーンは、左から右に、三尖弁、肺動脈弁、大動脈弁、および僧帽弁に代わる弁(17VR、17AR、17AL、17VL)を含む。下部ゾーンには、潤滑・駆動剤のための供給ライン(19R、18R、18L、19L)を有するコネクタ(7R、6R、6L、7L)が設けられている。これらの供給ラインは、カメラ(21VR、21AR、21AL、21VL)および血圧センサ(22Rおよび22L)のケーブル(23Rおよび23L)と共に胸部から外側に向かって案内され、体外のポンプおよび制御ユニットに接続される。
【0091】
図7は、人工心臓弁として機能する、本発明による閉鎖弁(17)の3つの図(a、bおよびc)を示す。弁は、少なくとも3つ以上の(n)、好ましくは6つの、プラスチックのような固体材料から構成される薄い薄板(24)から構成され、円形構成でフィルムジョイント(25)によって弁リング(26)の多角形ボアに旋回するように取り付けられる。主ブレードとも呼ばれる弁薄板(24)は、等しい長さの2つの辺(27)、中間の鋭角(a)、およびこの鋭角に対向する短辺(25)を有する三角形であり、ジョイント、例えばフィルムジョイントとして形成される。角度(a)は通常360°の1/n未満であり、(n)は薄板の数を示す。各弁薄板(24)は、弁リング(26)の平面に対して開状態で約90°から閉状態で(β)の値まで傾斜する。後者の値は、好ましくは、安全な機能および長寿命を保証するために45°~60°の間で選択されるべき値になる。等脚弁薄板(24)の各脚の両側には、本明細書に示すように、好ましくはフィルムジョイント(27)によって、さらに薄い三角形の剛性の側方薄板(28Rおよび28L)(側方ブレードとも呼ばれる)が旋回するように取り付けられている。各主薄板の左側方薄板はまた、隣接する主薄板の右側方薄板に、同様に好ましくはフィルムジョイントによって旋回するように接続される。各左側方薄板は、右側方薄板の鏡像を表す。これは、閉じた弁の隣接する弁薄板間で、1つの左側方薄板および1つの右側方薄板がそれぞれ互いに調和して配置され、外側に向かって放射状に方向付けられることを意味する。この位置では、側方薄板(28Rおよび28L)は、血圧によって引き起こされる屈曲に対して弁薄板(24)を補強する。さらに、それらは弁薄板間の隙間を閉じ、したがって弁の優れた気密性を保証する。弁薄板(24)が常に自動的に閉じることを可能にするために、任意選択的に、好ましくは同じ材料から構成される部分円筒の形態でばね要素(30)を追加してもよい。血圧と共に血液の逆流は、弁の閉鎖速度および力ならびに気密性を増加させる。側方薄板の寸法は、開状態の弁薄板の位置、それぞれ弁の開口幅を決定する。内縁部または外縁部における硬質ブレードの縁部へのジョイントの取り付け位置は、弁の閉鎖中に側方ブレードが弁の前側または後側に案内されるかどうかを決定する。これは、弁を正しく機能させるために不可欠である。
【0092】
弁(17)は、好ましくは、プラスチックまたはプラスチックと金属粉末との混合物から構成される三次元印刷によって一体に製造される。
【0093】
図8は、開状態の弁(17)の3つの図(a、bおよびc)を示す。この弁は、六角形のボアを有する弁リング(26)と、六角形のボアの6つの縁部に旋回するように取り付けられた6つの硬質弁薄板(24)から構成される。フィルムジョイント(25)によって、弁薄板は、弁リング(26)の六角形のボアの6つの縁部に旋回するように配置される。弁薄板と弁リングとの間のばね要素(30)は、血流なしで弁薄板が静止位置で自動的に閉じることを可能にする。
【0094】
2つの硬質弁薄板それぞれの間に、2つの三角状または三角形の硬質側方薄板(28Rおよび28L)が互いに対して鏡像配置で設けられ、その先端は弁リング(26)を向いている。これらの側方薄板は、ジョイント、好ましくはフィルムジョイント(27および29)によって旋回するように、相互に、および弁薄板と接続されている。薄板は異なる壁厚を有し、最大厚さはそれぞれ薄板の中心に位置し、ジョイントに向かって減少する。弁薄板(24)に関して、ジョイント(25)は、それらがほぼ垂直な位置から閉鎖位置まで内側すなわち弁の中心に対して約45°傾斜することを可能にするために、内縁部で弁リング(26)に取り付けられる。弁薄板の等しい長さの2つの他の面におけるジョイント(27)は、2つの弁および側方薄板の外側に向けられた縁部に位置する。それらは約45°外側に向かって動く。鏡像構成で相互に接続された2つの側方薄板(28Rおよび28L)の間で、ジョイント(29)は硬質側方薄板の内縁部に取り付けられ、それにより、弁の閉鎖中にこれらの側方薄板は自動的に内側に向かって回転し、最終的に互いに完全に重なるように配置される。側方薄板の壁厚も均一ではない。弁の出口を表す狭い外縁部は、リング(26)に近い先端よりも厚い。
【0095】
側方薄板のジョイントは、好ましくは、ピアノヒンジの半分のように部分的にのみ形作られ、側方薄板の有無にかかわらず、いくつかの弁薄板が接触する角部での材料蓄積を防止または少なくとも低減する。
【0096】
弁薄板および側方薄板は、フィルムジョイントを有する面において、それぞれを明確に識別するために2つの縁部を備えた容易に測定でき明確に目に見える厚さを呈する。一方の縁部は、跳ね返りできるフィルムジョイントの形態で設けられるが、他方の縁部は、旋回の角度制限として作用する。この機構は、弁が、規定された安全な可動性および運動サイクルならびに安定した稼働をもたらすように好都合に構成されている。
【0097】
図9は、閉鎖された弁(17b)の単純なバージョンを示す3つの図(a、bおよびc)である。この弁は、3つの部品(24b、26b、30b)のみで構成されている。フィルムジョイント(25b)によって、硬質弁薄板(24b)は、旋回構成で弁リング(26b)に取り付けられている。この弁のための半円形のばね要素(30b)は、隣り合う2つの弁薄板の間に取り付けられる。弁(17b)全体は、プラスチックまたはプラスチックと金属粉末との混合物から構成される三次元印刷によって一体に製造される。
【0098】
図10は、開状態の弁(17b)の3つの図(a、bおよびc)を示す。硬質弁薄板(24b)の等しい長さの辺(27b1および27b2)は、左側および右側に正および負(凸状および凹状)に形成され、それにより、閉じる途中だけでなく閉じた後においても一方が他方の内部に入った状態で摺動する。これにより、個々の弁薄板のこぼれまたは破損が防止され、したがって構成の気密性が保証される。
【0099】
図11は、ポンプとしてのタンデム構成のシリンダ-ダブルピストンユニット(31、32Lおよび32R)と、ポンプの両側に配置された2つから4つの電気モータ(M1、M2、M3およびM4)によって駆動される、伝達用の2つのスピンドルドライブ(40および42)とを備えたポンプユニットを、上面図(a)、側面図(b)および縦断面(c)の3つの図で示す。ポンプは、ダブルピストン(32Rおよび32L)と、ピストンシール(33)と、共通ピストンロッド(34a)とを備えたシリンダボアを収容する円筒形ケース(31)を備えている。各動作空間(VRおよびVL)の前方で、ポンプは、その両側において駆動流体用のコネクタを備える。そのコネクタを介して、駆動流体は、ライン(18Rおよび18L)を通って2つの心臓半体の駆動室に交互に流れ、血液を血液室から肺動脈あるいは大動脈に圧搾する。各心臓半体の血液室が、血液を動脈および大動脈に同時にまたは周期的に圧搾することを意図されている場合、単純なバージョンの2つのポンプ(すなわち、それぞれ1つのピストン)をモータ歯車装置の両側に並列に配置する必要があり、ピストンロッドは手動で切り替え可能な結合によって駆動ユニットの歯車装置に取り付けられる。
【0100】
シリンダ空間内において、ピストンロッド(34a)は2つの軸受を備える。これらの軸受の間のシリンダ空間内には、ピストンロッド(34a)の駆動部として作用するリング状要素(35)が設けてある。この駆動部材(35)の両側には、スピンドルドライブ、ウォームドライブ、クランクドライブ、偏心ドライブ、スライダクランク機構、ロープ、ベルトおよびチェーンドライブ、または他の既知の駆動機構のような、電気モータによって駆動される歯車装置によって駆動するために使用される、2つの細長い穴を介してポンプケースの両側から突出する結合要素(36)が設けられる。さらに、リング状要素(35)は、外側に向かって垂直に立ち上がり、かつ細長い穴を通ってポンプケースからピストンロッドに対して垂直に2つの結合要素(36)の間に突出する、アームとしてのピン(38)を有する。アーム(38)は、手動結合部(39)の固定具およびガイドとして使用され、結合部と協働して、電気駆動装置の故障後にピストンロッド(34a)の手動作動用にも使用される。
【0101】
結合部(39)は、その端部に丸いボタンを有するハンドルを備える。ハンドルを上下に押すと、ピストンロッド(34a)と歯車装置の被駆動要素(42)との間の接続は、結合部(39)の先端を結合要素(36および46)の凹部(37および47)から外方にシフトさせるか、またはこの位置に再挿入することによって分離または再係合される。結合部(39)が係合解除されるとすぐに、人工心臓は、右および左に向かってハンドルおよびアーム(38および39)を手動で動かすことによってさらに操作することができる。
【0102】
単純な構成では、ポンプは、1つまたは2つの電気モータ(M1またはM2)と、電気モータの回転運動を往復並進運動に伝達する歯車装置とによって駆動される。並進運動する歯車装置の被駆動要素(42)は、ピストンロッドの駆動要素の凹部(37)のような凹部(47)を有する結合要素(46)を備える。
【0103】
図12は、一方向の一定の角速度のスピンドルとして、溝を有するドラムのような一方向クラッチとの結合部(48)によって円筒体(40)を駆動する電気モータ(M)から構成されるポンプの好ましい駆動バリエーションを示す。ドラムの円筒面には、ダブルスタート構成で、右および左の螺旋形状で、互いに内側に向かって接線方向に延びる、反対方向の2つの溝(41)が設けてある。右側および左側の各溝の螺旋は、無限の自己完結型ループを形成する。2つの無限ループは、ドラムの回転軸に対して180°回転されたスピンドルの表面上に配置される。ドラムの上方に、同軸の向きで、スピンドルナットの一部としてスリーブ(42)が設けられている。スリーブはその両側で、突出材料の形態の結合要素(46)を備え、結合要素はダブテールされてもよく、または凹部(47)もしくはボアを備えてもよい。突出結合要素(46)は、一方ではスピンドルナットのねじれ防止保護として使用され、他方ではシリンダピストンユニットの電気駆動部をポンプに係合および係合解除するために使用される。
【0104】
さらに、スリーブ(42)は、ボア軸線(45)を有する1つまたは2つの互いに対向する半径方向ボアと、ボア内に回転可能に取り付けられた1つまたは2つの軸受ピン(44)と、ナットブロックとして機能する1つまたは2つの摺動体(43)すなわちシャトルを備える。ナットブロックにはそれぞれ、軸受ピン(44)の1つが固定挿入されている。摺動体(43)は、螺旋溝(41)の三辺とスリーブ(42)との間ですべての辺が丸みを帯び、ピンの軸(45)を中心に約±15°回転する。それゆえ、摺動体はシャトルとも呼ばれる。ポンプの組み立て後、スリーブ(42)の回転は、結合部(39)によって防止される。このため、スリーブはその縦軸に沿って並進移動し、その結果、摺動ブロック(43)が反螺旋にジャークすることなく滑らかに摺動して、溝螺旋の端部にまで到着し、スリーブの移動方向が反転することになる。溝通路のダブルスタートの左右螺旋および180°変位の場合、2つの摺動体は、溝通路内の溝ブロックとして鏡面反転の関係で走行し、ドラムからスリーブに力を対称的に伝達する。
【0105】
図13は、ダブルスタート(1および2)タイプの螺旋溝(41)を有する、常に一方向に回転するドラム(40)を示す。溝通路(1および2)は、各々それ自体無限ループを形成し、一方は右側(1Rおよび2R)を走行し、一方は左側(1Lおよび2L)を走行し、それらの溝通路(1Rおよび1L)および(2Rおよび2L)の始まりおよび終わり(E1およびE2)で滑らかにジャークなしに合流し、同時にそれらの移動方向を変える。各溝ループ(1および2)の左右通路は、平面(FおよびG)に対して鏡面反転関係にある。溝ループ(1および2)は、平面(F)に対して(2L)を有する通路(1R)および(1L)を有する通路(2R)が鏡面反転関係になるように、180°の回転角度で変位する。
【0106】
各溝ループ(1および2)に1つの摺動体(43)が設けられる。2つの摺動体は、スピンドルの回転軸に対して、鏡面反転関係で互いに対向するスピンドル(40)の各位置に設けられることになる。スピンドルは、両側に軸受ジャーナルと、一方向クラッチを有する結合要素(48)とを備え、安全な軸受を確保し、片側でまたは両側で冗長に駆動する。
【0107】
図14は、2つのシリンダピストンユニット(31b、32L、32R)が独立して並列に配置されたポンプユニットを3つの図a、bおよびcで示す。
【0108】
ポンプユニットは、互いに隣接して配置された2つのシリンダボアを有し、それらのピストンシール(33)およびピストンロッド(34b)と共に2つのピストン(32Rおよび32L)を収容するケース(31b)を備える。ポンプは、2つのシリンダピストンユニット間に配置され、かつモータの回転運動をピストンロッド(34b)の往復並進運動に変換する、伝達用のスピンドルドライブ(40および42)を備えた1つまたは2つの電気モータ(M1またはM2)によって駆動される。
【0109】
それらのピストンの前方で、各シリンダボアは、駆動流体用のコネクタを備えた動作空間(VRおよびVL)を備える。そのコネクタを介して、駆動流体は、ライン(18Rおよび18L)を通って同じサイクルで2つの心臓半体の駆動室に流れ、血液を血液室から動脈あるいは大動脈に圧搾する。簡易ポンプ(31b)のピストンロッド(34b)は、駆動要素として作用する、2つの軸受と、それぞれの間に配置されたリング状要素(35b)とを備える。駆動要素(35b)はその両側において、スピンドルドライブ、ウォームドライブ、クランクドライブ、偏心ドライブ、スライダクランク機構、ロープ、ベルトおよびチェーンドライブ、または他の既知の駆動機構のような電気モータによって駆動される歯車装置によって駆動するために使用される、ポンプケースから細長い穴を通って突出する結合要素(36b)を備える。さらに、リング状要素(35b)は、一方の側で各々アームとしての丸いピン(38)を備え、好ましくは、細長い穴を通ってポンプケースからピストンロッドに対して垂直に2つの結合要素(36b)の間に突出する。アーム(38)は、手動結合部(39b)の固定具およびガイドとして使用され、結合部と協働して、電気駆動装置の故障後にピストンロッド(34b)を手動で作動させるためにも使用される。
【0110】
結合部(39b)は、その端部に丸ボタンを有するハンドルを備え、ハンドルは、2つのピストン間の中央に、かつ歯車装置のスピンドルナット(42)の上方に配置される。ハンドル(39b)を上下に押すと、ピストンロッド(34a)の運動が歯車装置の結合要素(46)から切り離されたり再結合し、その際、結合要素(39b)の先端は、結合要素(36bおよび46)の凹部(37bおよび47)から突出したり該凹部内に進出するようスライドする。結合部(39b)が係合解除された後、ハンドルを手動で動かすことによって、患者自身が人工心臓を左右に操作することができる。これは、心臓マッサージの改善を表し、肋骨を折るリスクを含む胸部の圧迫よりも安全である。
【0111】
安全性を高めるために、歯車装置の各スピンドル(40)は、単一の歯車装置が存在する場合には2つの電気モータ(M1およびM2)によって、または時計回りおよび反時計回りに回転する2つの軸受の場合には(M1およびM3)および(M2およびM4)によって、両側から駆動される。電気モータとスピンドルドライブとの間の一方向クラッチとの結合部(48)は、電気モータが故障した場合にスピンドル回転の緩慢さまたはブロックを防止する。
【0112】
図15は、製造が容易であり、心臓弁または静脈弁として医療技術において、または廃水技術または化学産業のような他の部門において使用される、安全に作動する逆止弁(17c)を示す。弁リング(26c)は、管状中空ケース(51)内に設けられ、少なくとも三角形または好ましくは六角形の貫通孔(すなわちボア)を有する段部として作用する。このボアの各面は、非対称ピラミッドのような4つの三角形面を有する中空の幾何学的本体を形成し、これらの面のうちの1つは、上面図d)に示すように二等辺三角形を形成する。2つの面は同一であり、ケースの中心軸(D)上の共通の縁部(52)を有する。他の2つの面は全体にわたって中空であり、ガスまたは液体媒体が軸(D)に沿って貫流ことを可能にする。多角形ボアの面の数に応じてこのようにして形成された中空体を軸(D)の周りに複数配置することにより、ガスおよび液体が両側から通過可能な管片(51)内に、ピラミッド状格子(54)を作り出す。格子構造上の多角形ボアの側面に三角形の弁薄板を旋回可能に取り付ければ、1つの流れ方向のための非常に安定した逆止弁を構成することができる。弁薄板の後側には、膨らんだ形状のリブ(53)が設けてある。リブは、一方で、たわみに対して弁薄板を補強するために使用され、他方、ケース(51)の壁に直接接触して配置されることによって弁開口を制限するために使用される。
【0113】
図16は、a)にはピストンロッド(34a)に対して垂直な図11による2つの駆動システム(40および42)とシリンダピストンユニット(31および32)との間の機械的結合部(39a)を通る断面を示し、b)にはピストンロッドに対して垂直な図14による駆動システム(40および42)と2つのシリンダピストンユニット(32および34b)との間の機械的結合部(39b)を通る断面を示す。
【0114】
図17は、心臓のハーフシェルのコネクタ(4,5,6)と静脈および動脈との迅速な接続を示す。コネクタのために、図a)に記載の正の膨らみ(55)が設けられる。バッグ(12または13)の一方のスリーブ(15、16または49)をそのコネクタ上に配置し、静脈、動脈またはホースでその上を覆うことで、迅速接続部(56)がその周りに配置され、返し(58)によって適所に保持され、スライドゲート(59)によってロックされることになる。迅速接続機構は、側面図c)に示すように、コネクタの膨らみ(55)に一致する負に形成されたくぼみ(60)を有する。スライドゲート(59)は、誤って開くことを防止する二部構成の安全ノーズ(61aおよび61b)を備える。
【0115】
図18は、好ましくは三次元楕円体形状を特徴とする、合成または生物学的布または織物から構成されるシームレスな血液バッグ(12)を示す。そのサイズは心臓の完全な半分に相当する。入口および出口(15および16)が設けられ、好ましくは円筒状に、血液バッグと一体となるよう織られている。
【0116】
その上半分(12.1)において、血液バッグは、接続部と共に比較的薄い構造をしている。硬質の上側ハーフシェル内へ挿入された後は、このゾーン(12.1)は、硬質の上側ハーフシェルの壁においてその位置がほぼ不動のままである。下半分(12.2)は、鎌または放物線のように肥厚しており、最下点で最大の厚さを有し、厚さはバッグの中央平面(E)に向かって全体的に放物線状に減少する。肥厚化処理は通常、ポリカーボネートウレタン(PCU)のような高弾性材料を3Dプリンタによって血液バッグの裏側に付着させることによって行われるため、血液との接触が回避される。
【0117】
図19は、同様に合成または生物学的布または織物から構成されるシームレスな駆動バッグ(13)を示す。このバッグの製織プロセスも、その接続部(49)と一体となるように行われ、形状は三次元楕円体であり、サイズは心臓の完全な半分に相当し、好ましくは円筒状に、入出口として使用される接続部(49)が設けられる。
【0118】
下半分(13.1)のゾーン内、すなわち中央面(E)の下において、駆動バッグは薄い織構造をしており、このゾーンは、硬質の下側ハーフシェルの壁においてほぼ不動の状態のままである。上半分(13.2)は、鎌または放物線のように肥厚している。肥厚化部分は、中央面(E)の高さから全体的に始まり、上側の点で最大値に達する。2つのバッグの少なくとも一方の可動半部の放物線状の肥厚化により、該バッグの曲げ波(63)すなわち変形波が、中央からすなわち平面(E)から明確に(explicitly)始まり、それぞれ上部心尖部、下部心尖部まで硬質のハーフシェルの壁に沿って全体的に再現されることが保証される。
【0119】
このように設計された駆動バッグは、その位置および運動方向とは無関係に移動し、その結果、バッグの端部または先端部は常に、反転される最後の部分である。厚さならびにこの位置での曲げに対する抵抗が最大であるためである。
【0120】
心臓半体の2つのハーフシェルを共に差し込む際、血液バッグの下半分(12.2.)は、駆動バッグの上半分(13.2)上に緩く配置される。これらの2つのバッグ半部は、好ましくは、パラフィンのようなゲル状物質を間に挟んで互いに重なるよう配置され、問題の2つの液体(一方が血液、他方が駆動流体)の間を移動すなわち遊動するが、身体の位置に応じて前後または上下にしわおよびよじれを形成することはなく応力が小さい。2つのバッグは互いに重ねて配置されるため、通常、それらのうちの1つのみを放物線状に肥厚化させる必要がある。
【0121】
図20は、下半分(12.2)が環状楕円歯状である血液バッグを示す。歯(61)の形状は、好ましくは円形であるが、インボリュートやサイクロイドの他の形状、またはギヤ歯形成に通常使われる他のデザインも可能である。厚みは、中央面(E)に対するリングの距離が増加するにつれて増加する。
【0122】
図21は、上半分(13.2)が全体にわたって環状楕円歯状である駆動バッグを示す。駆動バッグのダブテール(62)は、血液バッグのダブテールに対して、それぞれ一歯ずつずれる。両方のバッグを互いに重ねて配置させたとき、一方のバッグの歯は常に他方のバッグの歯の間隙に挿入される。
【0123】
図21cは、2つの位置(62aおよび62e)における駆動バッグ(13)の楕円環状ギヤ(62)の輪郭を示す。輪郭(62a)は、駆動バッグが完全に空であり、その上半分(13.2)が下半分(13.1)の内側に位置するときの環状ギヤの状態を視覚化したものである(図28および図29の13aを参照)。一方、輪郭(62e)は、図(21b)に示すように、駆動バッグが完全に充填されたときの環状ギヤの状態を示す(図28および図29の13eを参照)。2つのバッグの材料は伸張することができないが、ダブテールは弾性材料からなる。環状ギヤをその輪郭の楕円形の中心軸の周りで回転させるとき、異なる位置でのねじれに対する抵抗は同一ではない。このため、環状ギヤは、バッグが硬質シェルの一方の半分から他方の半分に移動する間、バッグが液体の間を浮遊している限り、反対側の硬質シェルの壁に到達するまで、その位置に留まる。各環状ギヤの最外点が硬質シェルに到達するとすぐに、駆動媒体は、環状ギヤの内側に位置するゾーンを押したり引いたりして、環状ギヤを1つの安定位置から第2の安定位置に回転させる。最も厚い環状ギヤは、ねじれに対する最大の抵抗をもたらすので、各移動中に反転される最後の要素である。
【0124】
血液および/または駆動バッグの肥厚化および/またはダブテールの組み合わせは、いつでも可能である。
【0125】
図22は、2つの半体(IRおよびIL)から構成される人工心臓全体を示す。各心臓半体は、共に差し込まれて気密的に締め付けられる2つのハーフシェル(2および3)から構成される硬質シェルを特徴とする。各ハーフシェルは、バッグ(12および13)を収容する。このバッグの容積は、心臓全体の半分の容積に相当する。血液バッグ(12)の上半分は、上側ハーフシェル内に位置し、ほぼ不動である。その下半分は、放物線状に肥厚化しており、自由に移動可能である。
【0126】
駆動バッグ(13)の半分は、下側ハーフシェル内に位置し、ほぼ不動である。この図では、駆動バッグ(13)の半分は、肥厚化していない。
【0127】
これらのバッグの一方の半分は相対的に見て不動であり、硬質のハーフシェルの内側に位置するが、第2の半分は背中合わせに配置され、ここに示すように、位置a(両方の血液バッグが満杯)からb、c、およびdを横切ってe(この位置では、両方の心臓半体が完全に空になっている)まで一緒に移動する。両方の心臓半体は、本物の心臓のように同期して機能する。この位相は収縮期に対応する。
【0128】
図23は、図22に示す人工心臓の2つのバッグの2つの可動半部の位置e(=空)から位置f、gおよびhを横切って位置a(=満杯)までの拡張期における同期運動を示す図である。2つのバッグの一方の異なる壁厚により、中央平面(E)から一方または他方の方向に硬質シェルの壁に沿って移動するときに、両方のバッグが曲げられ、このようにして血液バッグを完全にかつ層状の状態にして空にすることが保証される。
【0129】
図24は、歯付き血液バッグ(12)および歯付き駆動バッグ(13)がそれぞれ収縮期にある、2つの半体(IRおよびIL)から構成される人工心臓全体を示す。両方の心臓半体は同期して機能する。バッグの半部の動きについて言えば、2つのバッグの裏側のダブテールの効果は、半部の肥厚化の効果と同一である。バッグのダブテールは、部分的または不規則な肥厚化に対応する。このため、肥厚化したバッグの外側エンベロープを波状のモデルとして考えることもできる。この方法は、肥厚化とダブテールとの組み合わせに相当する。
【0130】
図25は、図24に示す人工心臓を示し、今回は拡張期にある。両方の心臓半体は、身体の末梢および肺から血液を吸引する。
【0131】
図26は、本発明による肥厚化した血液バッグ(12)と非同期的に拍動する人工心臓を示す。心臓の右半体は身体から血液を吸引するが、左半体はそれを大動脈内に押し込む。
【0132】
図27は、図26に示す非同期的に拍動する人工心臓を示し、ここでは反対の位相にある。心臓の右半体が肺動脈に血液を送り込むのに対して、左半体は同時に肺から酸素に富む血液を吸引する。理論的には、このようにして非同期的に拍動する心臓によって各心拍中に肺を通って圧送される血液の量は、本物の心臓によって送られる量を超えるが、これは弛緩期中の本物の心臓が、強制誘導ポンプのように血液を吸引することができないためである。このように拍動する人工心臓は、吸引効果により、より大きな静脈の負の拍動さえも引き起こす。
【0133】
図28は、図26のように非同期的に拍動するが、ダブテール付きの血液バッグおよび駆動バッグを有する心臓の拍動を示す。
【0134】
図29は、図27のように非同期的に拍動するが、ダブテール付きの血液バッグおよび駆動バッグを有する心臓の拍動を示す。
【0135】
図30は、2ピースケース(31cLおよび31cR)と、シーリングなしで両側にピストン(32bRおよび32bL)を有するピストンロッド(34c)とから構成されるダブルピストンポンプユニットを示す。ピストンロッド(34c)は、2つのピストンの間の中央において、連結要素(36)と凹部(37)とを有する駆動要素(またはリング状要素)(35)を備えている。2つのピストンの各々の前後には、2つの別個の動作室(VR1およびVL1、ならびにVR2およびVL2)が設けられている。右側(VR1およびVR2)および左側(VL1およびVL2)の動作室は、それぞれホース(18Rおよび18L)によって、相互に接続されるとともに駆動バッグのうちの1つに接続される。各ピストンには、貫通孔(64)、保持ボール(65)、圧力ばね(66)、およびカニューレ挿入調整ねじ(67)から構成される2つのリリーフ弁が設けられている。各動作室の容積は、ストローク毎にオーバーランが一方のピストン側から他方のピストン側へリリーフ弁を介し、またピストン上を流れるよう、必要な駆動媒体の容積よりも大きい。
【0136】
このように設計されたポンプはピストンシールなしで機能できる、ピストンが反対方向に移動すると、ピストンに沿ってまたはリリーフ弁を通って、ピストンの一方の側から他方の側に流れる駆動流体が同じ経路に沿って戻るためである。
【0137】
この構成は、人工心臓の安全性および耐用年数を特に増加させ、ピストンの摩擦およびエネルギー消費を減少させる自己完結型油圧システムを表す。
【0138】
本明細書に詳述されている特徴は、図面および特許請求の範囲において、個々に、ならびに任意の組み合わせで、本発明の実現に関連し得る。
【符号の説明】
【0139】
1 心臓半体
2 上側ハーフシェル
3 下側ハーフシェル
4 血液入口開口部
5 血液出口開口部
6 駆動媒体の入口および出口
7 潤滑剤の入口および出口
8 上側ハーフシェルの下縁部
9 下側ハーフシェルの縁部
10 シールリング、Oリング
11a ハーフシェルの正の締結具
11b ハーフシェルの負の締結具
12 血液室および血液バッグ
13 駆動室および駆動バッグ
14 血液バッグと駆動バッグとの間の隙間
15 スリーブ=血液バッグの入口
16 スリーブ=血液バッグの出口
17 人工弁(3つのバージョンa、b、およびc)
18 駆動媒体のラインすなわちホース
19 潤滑剤のラインすなわちホース
20 潤滑剤のボアすなわちコネクタ
21 小型カメラ収納用ボア
22 圧力センサ収納用ボア
23 2つのハーフシェルの赤道におけるリング状隙間
23a ハーフシェル内の縦溝
23b ハーフシェル内のリング状のそれぞれ横方向の溝
24 硬質のそれぞれ剛性の弁薄板(3つのバージョン-、bおよびc)
25 弁薄板と弁リングとの間のスイベルジョイント
26 弁リング(3つのバージョン-、bおよびc)
27 弁薄板と側方薄板との間のスイベルジョイント
28 側方薄板
29 2つの隣接する側方薄板間のスイベルジョイント
30 弓状ばね要素、弾性シャックル
31 シリンダピストンユニットのケース
32 シリンダピストンユニットのピストン
33 ピストンシール
34 ピストンロッド(2つのバージョンaおよびb)
35 ピストンロッドの駆動要素としての丸板
36 ピストンロッドの結合部すなわち結合要素
37 結合要素36内の凹部
38 アームまたはレバーとしてのピン
39 ハンドルまたはノブとの手動結合部
40 スピンドル、スピンドルドラム
41 スピンドルドラム上の螺旋溝
42 スピンドルナットとしてのスリーブ
43 摺動ブロックとしてのシャトル
44 軸受ピン
45 スリーブ壁の半径方向ボアの軸線
46 結合要素としてのスピンドルナット(スリーブ)の突出部分
47 46の凹部
48 一方向クラッチとの結合部
49 スリーブ=駆動バッグの接続部
50 粘性材料で充填された凸レンズ状パッド
51 リング状中空ケース、管片
52 中空および三角形の非対称ピラミッドの共通縁部
53 補強リブとしておよび弁薄板24cの開口を制限するための膨らみ
54 ピラミッド状格子構造
55 心臓半体のコネクタの膨らみ
56 静脈または動脈
57 クイックリリースとしてのアーチ形プラスチックテープ
58 返し
59 安全ノーズ付きスライドゲート
60 負にアーチ形の表面=くぼみ
61 引張剛性があり、リング状の肥厚したあるいはダブテール状の血液バッグの緯線平行線
62 引張剛性があり、リング状の肥厚したあるいはダブテール状の駆動バッグ緯線平行線
63 曲げ波、すなわち変形波
64 ピストンの孔
65 圧力制限弁のバルブボール(リリーフ弁)
66 リリーフ弁のばね
67 リリーフ弁のねじ
A 心臓半体の縦軸
B 2つの心臓半体間の弾性接続部の屈曲軸
C 2つの心臓半体間の中央平面
D 弁ケースの軸
E 心臓半体の赤道を通る縦軸(A)に対して垂直な平面
F ドラムを通る平面
G Fに対して垂直なドラムを通る平面
H 平面Cに垂直な人工心臓の中心に沿った平面
V 心臓半体全体の容積=最大心拍出量
n 弁リングの面の数=弁薄板(心臓弁の主ブレード)の数
図1
図1a
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【外国語明細書】