IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社VOLLMONTホールディングスの特許一覧

特開2022-25179危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム
<>
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図1
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図2
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図3
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図4
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図5
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図6
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図7
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図8
  • 特開-危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025179
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システム
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20220203BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220203BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20220203BHJP
   E01F 13/04 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
E01F13/02 Z
G08B21/02
G08B23/00 510A
G08B23/00 520Z
E01F13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127831
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】518233501
【氏名又は名称】株式会社VOLLMONTホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】望月 武治
(72)【発明者】
【氏名】石黒 周
(72)【発明者】
【氏名】滝田 謙介
(72)【発明者】
【氏名】伊能 崇雄
【テーマコード(参考)】
2D101
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
2D101CA12
2D101DA05
2D101EA07
2D101FA12
2D101FA23
2D101FA27
2D101GA32
5C086AA22
5C086BA19
5C086CA11
5C086CB15
5C086CB36
5C086DA14
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA12
5C087AA12
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA42
5C087AA44
5C087DD03
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歩行者の工事現場への接近を防ぐことのできる装置を提供する。
【解決手段】工事現場に設置される危険防止バー1は、ロードコーン1000、1001に接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部20と、発光部30と、受光部40と、反射部50と、受光部40に接続された警告部60とを備える。受光部40は、反射部50により反射された発光部30からのレーザ光を受信する。警告部60は、発光部30から受光部40へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事現場に設置される危険防止バーであって、
ロードコーンに接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部と、
発光部と、
受光部と、
反射部と、
前記受光部に接続された警告部と
を備え、
前記受光部は、前記反射部により反射された前記発光部からのレーザ光を受信し、
前記警告部は、前記発光部から前記受光部へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発することを特徴とする危険防止バー。
【請求項2】
前記反射部は再帰性反射シートを備えることを特徴とする請求項1に記載の危険防止バー。
【請求項3】
前記警告部は、前記発光部からのレーザ光の強度または強度の平均値が予め定められた値より弱くなったとき、歩行者または管理者に警告を発することを特徴とする請求項1または2に記載の危険防止バー。
【請求項4】
人感センサを備え、
前記警告部は、前記人感センサが人の接近を検知したとき、歩行者または管理者に警告を発することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の危険防止バー。
【請求項5】
スピーカを備え、
前記警告部は、スピーカから音声を発することにより警告を発することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の危険防止バー。
【請求項6】
LEDを備え、
前記警告部は、前記LEDを点灯または点滅させることにより警告を発することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の危険防止バー。
【請求項7】
前記発光部と前記反射部と前記受光部とを結ぶ光軸のずれを調整する光軸調整部を備える請求項1から6のいずれかに記載の危険防止バー。
【請求項8】
前記発光部、前記受光部および前記反射部は、前記ロードコーン接続部と一体になっていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の危険防止バー。
【請求項9】
前記発光部、前記受光部および前記反射部は、高さ調節が可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の危険防止バー。
【請求項10】
カメラと、
画像管理部と
を備え、
前記カメラは、前記危険防止バーの発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、工事現場周辺を撮影することを特徴とする請求項9に記載の危険防止バー。
【請求項11】
鉛直線を軸として水辺面内で回転する遮断バーを備え、
前記遮断バーは、通常時は前記危険防止バー内に収容され、前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたときは前記危険防止バーから歩行者通路側に回転してせり出し歩行者通路を遮断することを特徴とする請求項10に記載の危険防止バー。
【請求項12】
前記カメラが撮影した画像は、遠隔の端末に送信され、
前記端末は、
前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき前記遮断バーをせり出させるためのコマンドを送信し、
前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき前記遮断バーを収容するためのコマンドを送信することを特徴とする請求項11に記載の危険防止バー。
【請求項13】
断面が凸面状の2本の金属製テープと、前記金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部とを有する遮断テープと、
前記遮断テープを水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部と、
前記遮断テープを巻き取る巻き取り部と、を備え、
前記引き出し部は、前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき前記遮断テープを引き出し、
前記巻き取り部は、前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき前記遮断テープを巻き取ることを特徴とする請求項10に記載の危険防止バー。
【請求項14】
前記カメラが撮影した画像は、遠隔の端末に送信され、
前記端末は、
前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき前記引き出し部に前記遮断テープを引き出すためのコマンドを送信し、
前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき前記巻き取り部に前記遮断テープを巻き取るためのコマンドを送信することを特徴とする請求項13に記載の危険防止バー。
【請求項15】
前記引き出し部は、モータと能動ローラーとを含むことを特徴とする請求項14に記載の危険防止バー。
【請求項16】
前記引き出し部は、気体源と空圧アクチュエータとを含むことを特徴とする請求項14に記載の危険防止バー。
【請求項17】
工事現場に設置される危険防止バーであって、
ロードコーンに接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部と、
発光部と、受光部と、反射部とで構成される複数のレーザラインモジュールと、
前記レーザラインモジュールの各々に接続された警告部と
を備え、
前記レーザラインモジュールの各々は、工事現場から異なる距離離れた位置に設置され、
前記警告部は、前記レーザラインモジュールの各々の発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に前記レーザラインモジュールごとに異なる種類の警告を発することを特徴とする危険防止バー。
【請求項18】
工事現場に設置される危険防止バーであって、
ロードコーンに接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部と、
発光部と、
前記発光部と対向に配置された受光部と、
前記受光部に接続された警告部と
を備え、
前記警告部は、前記発光部から前記受光部へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発することを特徴とする危険防止バー。
【請求項19】
複数の請求項1に記載の危険防止バーをロードコーンを介して接続してなる危険防止システムであって、
前記危険防止バーの各々には、前記危険防止バーの各々を区別するためのIDが付与されていることを特徴とする危険防止システム。
【請求項20】
前記危険防止バーの各々は、カメラと、画像管理部を備え、
前記カメラは、前記危険防止バーの各々の発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、工事現場周辺を撮影し、
前記画像管理部は、前記カメラが撮影した画像を、当該画像が撮影されたときレーザ光が遮断された危険防止バーのIDに紐付けて管理することを特徴とする請求項19に記載の危険防止システム。
【請求項21】
画像送信部を備え、
前記画像送信部は、前記カメラが撮影した画像と、当該画像が撮影されたときにレーザ光が遮断された危険防止バーのIDとを、外部のシステムに送信する請求項20に記載の危険防止システム。
【請求項22】
前記カメラと、前記画像管理部と、無線LAN親機とを備えた、遠隔の端末からアクセス可能な俯瞰用ユニットを備え、
前記危険防止バーの各々は、無線LAN子機を備え、
前記発光部から前記受光部へのレーザ光が遮断されたとき、
前記無線LAN子機は、前記俯瞰用ユニットの前記無線LAN親機に、前記カメラが撮影した画像と前記危険防止バーのIDとを送信し、
前記俯瞰用ユニットにアクセスした前記端末は、前記カメラが撮影した画像において歩行者が危険な状態にあると判断されたとき、前記警告部に警告を発するコマンドを送信することを特徴とする請求項20に記載の危険防止システム。
【請求項23】
前記俯瞰用ユニットは、前記カメラが撮影した画像と前記IDとを外部サーバに送信し、
前記無線LAN子機は、前記外部サーバにアクセスし、前記外部サーバから取得した画像において歩行者が危険な状態にあると判断されたとき、前記警告部に警告を発するコマンドを送信することを特徴とする請求項22に記載の危険防止システム。
【請求項24】
前記俯瞰用ユニットは、データ収集装置を備えることを特徴とする請求項23に記載の危険防止システム。
【請求項25】
学習部を備え、
前記学習部は、前記カメラが撮影した画像内の歩行者の動きを教師データとして機械学習を行い、工事現場に接近する歩行者の動作の特徴を予測することを特徴とする請求項20に記載の危険防止システム。
【請求項26】
前記危険防止バーの各々は、互いに通信するための通信部を備えることを特徴とする請求項19から25のいずれかに記載の危険防止システム。
【請求項27】
前記危険防止バーの各々は隣の危険防止バーと給電可能に有線接続されていることを特徴とする請求項19から26のいずれかに記載の危険防止システム。
【請求項28】
前記危険防止バーの各々のロードコーン接続部には非接触給電部が設けられていることを特徴とする請求項19から27のいずれかに記載の危険防止システム。
【請求項29】
工事現場に設置される接近防止システムであって、
距離測定部と、
前記距離測定部に接続された警告部と
を備え、
前記警告部は、前記距離測定部が、歩行者と工事現場との距離が予め定められた値より小さくなったとき、歩行者または管理者に警告を発することを特徴とする接近防止システム。
【請求項30】
前記距離測定部は、ミリ波レーダ装置であることを特徴とする請求項29に記載の接近防止システム。
【請求項31】
前記ミリ波レーダ装置のカバー領域を固定するためのカバー領域固定部を備える請求項30に記載の接近防止システム。
【請求項32】
工事現場において歩行者の通行を遮断する歩行者遮断システムであって、
カメラと、
画像管理部と、
断面が凸面状の2本の金属製テープと、前記金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部とを有する遮断テープと、
前記遮断テープを水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部と、
前記遮断テープを巻き取る巻き取り部と
を備え、
前記引き出し部は、前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき前記遮断テープを引き出し、
前記巻き取り部は、前記カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき前記遮断テープを巻き取ることを特徴とする歩行者遮断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険防止バー、危険防止システム、接近防止システムおよび歩行者遮断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
板状の基板と、基板表面に配される反射シートと、反射シートを覆う再剥離層とからなる路上工事用標示板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-57302
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路工事現場では、歩行者が工事現場を覗き込んだり、工事現場に不用意に接近したりすることにより事故が発生する危険がある。このため事故防止のための安全措置が不可欠となる。さらに、たとえ事故が発生してしまった場合であっても、十分な事故防止対策がとられていたことを証明できることは、事後の紛争解決においても重要となる。このため従来は工事現場に交通誘導員を複数配置し、歩行者を歩行者通路に誘導したり声掛けしたりするなどの対処を行っていた。
【0005】
しかしながら交通誘導員に頼る安全措置は、人的コストの高騰、人員確保の困難、交通誘導員自身の肉体的負担や事故リスク、さらには人的ミスなどを伴う。従ってこうした人間による安全措置は、自動化された装置によるものに置き換えられることが望ましい。さらにこうした装置は、工事現場にふさわしく安価で場所を取らないことが求められる。例えば特許文献1に記載の路上工事用標示板は、基板表面に配される反射シートと、反射シートを覆う再剥離層とからなるため、標示すべき文字を短時間に張り替えることができる。しかしながらこの表示版は、工事現場に接近した歩行者に反応して、警告を発したり歩行者用通路に誘導したりすることはできない。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、歩行者の工事現場への接近を防ぐことのできる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の危険防止バーは、工事現場に設置される危険防止バーであって、ロードコーンに接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部と、発光部と、受光部と、反射部と、受光部に接続された警告部とを備える。受光部は、反射部により反射された発光部からのレーザ光を受信する。警告部は、発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【0008】
反射部は再帰性反射シートを備えてもよい。
【0009】
警告部は、発光部からのレーザ光の強度または強度の平均値が予め定められた値より弱くなったとき、歩行者または管理者に警告を発してもよい。
【0010】
危険防止バーは、人感センサを備えてもよい。このとき警告部は、人感センサが人の接近を検知したとき、歩行者または管理者に警告を発してもよい。
【0011】
危険防止バーは、スピーカを備えてもよい。このとき警告部は、スピーカから音声を発することにより警告を発してもよい。
【0012】
危険防止バーは、LEDを備えてもよい。このとき警告部は、LEDを点灯または点滅させることにより警告を発してもよい。
【0013】
危険防止バーは、発光部と反射部と受光部とを結ぶ光軸のずれを調整する光軸調整部を備えてもよい。
【0014】
発光部、受光部および反射部は、ロードコーン接続部と一体になっていてもよい。
【0015】
発光部、受光部および反射部は、高さ調節が可能であってもよい。
【0016】
危険防止バーは、カメラと、画像管理部とを備えてもよい。このときカメラは、危険防止バーの発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、工事現場周辺を撮影してもよい。
【0017】
危険防止バーは、鉛直線を軸として水辺面内で回転する遮断バーを備えてもよい。このとき遮断バーは、通常時は危険防止バー内に収容され、カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたときは、危険防止バーから歩行者通路側に回転してせり出し歩行者通路を遮断してもよい。
【0018】
カメラが撮影した画像は、遠隔の端末に送信されてよい。端末は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき遮断バーをせり出させるためのコマンドを送信してよい。端末は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき遮断バーを収容するためのコマンドを送信してよい。
【0019】
危険防止バーは、断面が凸面状の2本の金属製テープと、金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部とを有する遮断テープと、遮断テープを水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部と、遮断テープを巻き取る巻き取り部と、を備えてもよい。引き出し部は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたときは、遮断テープを引き出してもよい。巻き取り部は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたときは、遮断テープを巻き取ってもよい。
【0020】
カメラが撮影した画像は、遠隔の端末に送信されてよい。端末は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき引き出し部に遮断テープを引き出すためのコマンドを送信してよい。端末は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき巻き取り部に遮断テープを巻き取るためのコマンドを送信してもよい。
【0021】
引き出し部は、モータと能動ローラーとを含んでもよい。
【0022】
引き出し部は、気体源と空圧アクチュエータとを含んでもよい。
【0023】
本発明の別の態様もまた、危険防止バーである。この危険防止バーは、工事現場に設置される危険防止バーであって、ロードコーンに接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部と、発光部と、受光部と、反射部とで構成される複数のレーザラインモジュールと、レーザラインモジュールの各々に接続された警告部とを備える。レーザラインモジュールの各々は、工事現場から異なる距離離れた位置に設置される。警告部は、レーザラインモジュールの各々の発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者にレーザラインモジュールごとに異なる種類の警告を発する。
【0024】
本発明のさらに別の態様もまた、危険防止バーである。この危険防止バーは、工事現場に設置される危険防止バーであって、ロードコーンに接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部と、発光部と、発光部と対向に配置された受光部と、受光部に接続された警告部とを備える。警告部は、発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【0025】
本発明のさらに別の態様は、複数の前述の危険防止バーをロードコーンを介して接続してなる危険防止システムである。危険防止バーの各々には、危険防止バーの各々を区別するためのIDが付与される。
【0026】
危険防止バーの各々は、カメラと、画像管理部を備えてもよい。カメラは、危険防止バーの各々の発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、工事現場周辺を撮影し、画像管理部は、カメラが撮影した画像を、当該画像が撮影されたときレーザ光が遮断された危険防止バーのIDに紐付けて管理してもよい。
【0027】
危険防止システムは、画像送信部を備えてもよい。このとき画像送信部は、カメラが撮影した画像と、当該画像が撮影されたときにレーザ光が遮断された危険防止バーのIDとを、外部のシステムに送信してもよい。
【0028】
危険防止システムは、遠隔の端末からアクセス可能な俯瞰用ユニットを備えてもよい。俯瞰用ユニットは、カメラと、画像管理部と、無線LAN親機とを備えてよい。危険防止バーの各々は、無線LAN子機を備えてもよい。発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、無線LAN子機は、俯瞰用ユニットの無線LAN親機に、カメラが撮影した画像と危険防止バーのIDとを送信してよい。
【0029】
俯瞰用ユニットは、カメラが撮影した画像とIDとを外部サーバに送信してよい。無線LAN子機は、この外部サーバにアクセスし、外部サーバから取得した画像において歩行者が危険な状態にあると判断されたとき、警告部に警告を発するコマンドを送信してよい。
【0030】
俯瞰用ユニットは、データ収集装置を備えてもよい。
【0031】
危険防止システムは、学習部を備えてもよい。このとき学習部は、カメラが撮影した画像内の歩行者の動きを教師データとして機械学習を行い、工事現場に接近する歩行者の動作の特徴を予測してもよい。
【0032】
危険防止バーの各々は、互いに通信するための通信部を備えてもよい。
【0033】
危険防止バーの各々は、隣の危険防止バーと給電可能に有線接続されていてもよい。
【0034】
危険防止バーの各々のロードコーン接続部には、非接触給電部が設けられていてもよい。
【0035】
本発明のさらに別の態様は、接近防止システムである。この接近防止システムは、工事現場に設置される危険防止システムであって、距離測定部と、距離測定部に接続された警告部とを備える。警告部は、距離測定部が、歩行者と工事現場との距離が予め定められた値より小さくなったとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【0036】
距離測定部は、ミリ波レーダ装置であってもよい。
【0037】
接近防止システムは、ミリ波レーダ装置のカバー領域を固定するためのカバー領域固定部を備えてもよい。
【0038】
本発明のさらに別の態様は、歩行者遮断システムである。この歩行者遮断システムは、工事現場において歩行者の通行を遮断する歩行者遮断システムであって、カメラと、画像管理部と、断面が凸面状の2本の金属製テープと、金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部とを有する遮断テープと、遮断テープを水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部と、遮断テープを巻き取る巻き取り部とを備える。引き出し部は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき遮断テープを引き出す。巻き取り部は、カメラが撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき遮断テープを巻き取る。
【0039】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、歩行者の工事現場への接近を防ぐことのできる機械を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】第1の実施の形態に係る危険防止バーの模式図である。
図2】第2の実施の形態に係る危険防止バーの模式図である。
図3】第3の実施の形態に係る危険防止バーの模式図である。
図4】第4の実施の形態に係る危険防止バーの模式図である。
図5図5の危険防止テープの一部の拡大図である。
図6】第5の実施の形態に係る危険防止バーを上から見た模式図である。
図7】第6の実施の形態に係る危険防止バーの模式図である。
図8】第7の実施の形態に係る危険防止システムの模式図である。
図9】第8の実施の形態に係る危険防止システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項の中で「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合、特に言及がない限りこの用語はいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するだけのためのものである。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0043】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る危険防止バー1の模式図である。危険防止バー1は、工事現場と歩行者用通路とを区別するために設置される安全バー10を含む。安全バー10は、ABS樹脂製のパイプ11(典型的には、長さ1~3m、直径30~40mm)と、当該パイプの両端部に設けられたポリエチレンのリングで構成されるロードコーン接続部20および21(典型的には内径80~90mm)とから構成される。しかしながら、安全バー10の材料およびサイズはこれらに限定されない。例えばロードコーン接続部はリングに代えて、C型などの任意の形状であってよい。なお安全バー10は、ロードコーン接続部20および21をそれぞれロードコーン1000および1001の上部に貫通させて接続しロードコーン1000および1001同士をつなぐために使われることから「コーンバー」と呼ばれたり、視認性を上げるためにパイプ11が二色で塗り分けられていることから「トラ棒」と呼ばれたりすることもある。危険防止バー1はさらに、発光部30と、受光部40と、反射部50と、受光部に接続された警告部60とを備える。
【0044】
発光部30、受光部40および警告部60は、一方のロードコーン接続部20の近辺に配置される。反射部50は、他方のロードコーン接続部21の近辺に配置される。発光部30は、反射部50に向けてレーザ光L1を送信する。反射部50は、発光部30からのレーザ光L1を反射し、反射したレーザ光L2を受光部40に向けて送信する。受光部40は、反射部50からのレーザ光L2を受信する。警告部60は、発光部30から受光部40へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【0045】
通常、すなわち危険なことが起きなければ、受光部40は反射部50からのレーザ光L2を受信し続ける。しかしながら、例えば歩行者が工事現場を覗き込もうとして歩行者通路側から工事現場側に接近すると、歩行者は工事現場に転落するなどの危険がある。このようなとき歩行者は、危険防止バー1に接近し、レーザ光L1またはL2を遮る。このとき発光部30から受光部40へのレーザ光は、歩行者の身体の一部によって遮断される。すると受光部40は、レーザ光L2の受信を停止する。これにより警告部60は、歩行者または管理者に警告を発する。
【0046】
警告部60の警告の仕方は任意である。例えば警告部60は、サイレンやブザーによる警告音、危険であることを知らせるアナウンス、発光、光の点滅などにより、歩行者や管理者に警告を発してよい。あるいは警告部60は、管理者の携帯用端末に警告用データを送信してもよい。
【0047】
本実施の形態によれば、通常工事現場で使用される安全バーを活用して危険防止バーを構成することができる。従って、安価でコンパクトな方法で歩行者の工事現場への接近を防ぐことができる。
【0048】
ある実施の形態では、反射部50は再帰性反射シートを備えてもよい。再帰性反射シートは典型的には、屈折率の高い微少ガラスビーズが均一に埋め込まれた柔軟なシートである。再帰性反射シートは、反射効率が高い、低コスト、取り扱いが容易、耐久性が高いといったメリットがある。すなわちこの実施の形態によれば、高性能の危険防止バーを低コストで実現することができる。
【0049】
ある実施の形態では、警告部60は、発光部40からのレーザ光の強度または強度の平均値が予め定められた値より弱くなったとき、歩行者または管理者に警告を発してもよい。歩行者が危険防止バー1に接近したとき、歩行者の身体の一部が完全にレーザ光を遮断しない場合もある。例えば歩行者の衣服が半透明であった場合、発光部40からのレーザ光の強度は弱められる。あるいは歩行者がレーザ光の前を横切ったりレーザ光から離れたりすることを繰り返した場合、レーザ光の強度の時間的な平均値は小さくなる。このように、発光部40からのレーザ光が完全に遮断されたときだけでなく、その強度または強度の平均値が予め定められた値より弱くなったときも歩行者が危険防止バーに接近したと考えることができる。このような場合も警告部60が警告を発することにより、より確実に危険を防止することができる。すなわちこの実施の形態によれば、さらに安全性の高い危険防止バーを実現することができる。
【0050】
ある実施の形態では、危険防止バー1は、人感センサを備えてもよい。このとき警告部60は、人感センサが人の接近を検知したとき、歩行者または管理者に警告を発してもよい。歩行者が危険防止バー1に接近したときであっても、当該歩行者とレーザ光L1およびL2との位置関係によっては、レーザ光が遮断されない場合もある。この場合、歩行者が危険防止バー1を乗り越えて工事現場に接近してしまう危険がある。そこで危険防止バー1に人感センサを設けることにより、レーザ光では検知できない歩行者の接近を検知して警告を発することができる。すなわちこの実施の形態によれば、より安全性の高い危険防止バーを実現することができる。
【0051】
ある実施の形態では、危険防止バー1は、スピーカを備えてもよい。このとき警告部60は、スピーカから音声を発することにより警告を発してもよい。音声は、予め録音されたものであってもよいし、警告を受けた管理者が歩行者に対して声掛けするものであってもよい。この実施の形態によれば、危険な状態にある歩行者に対し、音声を用いて注意を促すことができる。
【0052】
ある実施の形態では、危険防止バー1は、LEDを備えてもよい。このとき警告部は、LEDを点灯または点滅させることにより警告を発してもよい。この実施の形態によれば、危険な状態にある歩行者の視覚を刺激することにより注意を促すことができる。
【0053】
ある実施の形態では、危険防止バー1は、発光部30と反射部50と受光部40とを結ぶ光軸のずれを調整する光軸調整部を備えてもよい。危険防止バー1は道路工事現場に設置されるため、振動や人との接触が原因で光軸がずれることがある。そこで光軸調整部を設けることによりずれた光軸を調整し、危険防止バー1が正確に動作することができる。すなわちこの実施の形態によれば、正常動作の担保された危険防止バーを実現することができる。
【0054】
ある実施の形態では、発光部30、受光部40および反射部50は、ロードコーン接続部と一体になっていてもよい。これにより、よりコンパクトな危険防止バー1を実現することができる。
【0055】
発光部30、受光部40および反射部50は、高さ調節が可能であってもよい。これにより、地形や工事現場の状況に応じて最適な高さに調整された危険防止バー1を実現することができる。
【0056】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る危険防止バー2の模式図である。危険防止バー2は、図1の危険防止バー1の構成に加えて、カメラ70と、画像管理部72とを備える。このときカメラ70は、危険防止バー2の発光部30から受光部40へのレーザ光L2が遮断されたとき、工事現場周辺を撮影してもよい。すなわちこのときカメラ70によって撮影される画像は、危険な状態にある歩行者である。画像管理部72は、レーザ光を遮断した歩行者の画像を例えば時間データとともに管理する。この実施の形態によれば、危険な状態が発生したときの歩行者の画像を撮影し、これをデータベースとして管理することができる。
【0057】
[第3の実施の形態]
図3は、第3の実施の形態に係る危険防止バー3の模式図である。危険防止バー3は、図2の危険防止バー2の構成に加えて、鉛直線V1を軸として水辺面内で回転する遮断バーを80を備える。カメラ70は、例えば工事現場全体を俯瞰して撮影してもよい。このとき遮断バー80は、通常時は危険防止バー3内に収容され、カメラ70が撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたときは、危険防止バー3から歩行者通路側に約90度回転してせり出し、歩行者通路を遮断する。歩行者が移動すると危険であると判断されるのは、例えば工事車両等が歩行者通路上にはみ出したときや、歩行者通路上に障害物が存在するときなどである。これにより、歩行者通路の通行は停止される。その結果、歩行者は、歩行者通路を移動すると危険な状態にあるとき、安全な状態になるまでの間安全に待機することができる。この実施の形態によれば、歩行者が移動すると危険であると判断されたときに歩行者通路を遮断するので、より安全性の高い危険防止バーを実現することができる。
【0058】
ある実施の形態では、カメラ70が撮影した画像は、工事現場から離れた場所にいる警備員などが携帯する端末に送信される。この警備員は、歩行者が移動すると危険であると判断すると、危険防止バー3に遮断バー80をせり出させるためのコマンドを送信する。これにより遮断バー80はせり出して、歩行者通路が遮断される。警備員は、歩行者が移動しても安全であると判断すると、危険防止バー3に遮断バー80を収容するためのコマンドを送信する。これにより遮断バー80は収容され、歩行者通路が開放される。この実施の形態によれば、工事現場から遠隔にいる警備員が、危険防止バーをリモートで操作し、遮断バーをせり出させる/収容することにより、歩行者の安全を確保することができる。
【0059】
[第4の実施の形態]
図4は、第4の実施の形態に係る危険防止バー4の模式図である。図5は、危険防止バー4の一部を拡大した図であり、(a)は上面図であり、(b)は正面図である。危険防止バー4は、図2の危険防止バー2の構成に加えて、遮断テープ90と、遮断テープ90を水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部96と、遮断テープを巻き取る巻き取り部98Aおよび98Bと、を備える。遮断テープ90は、断面が凸面状の2本の金属製テープ92Aおよび92Bと、金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部94とを有する。引き出し部96は、カメラ70が撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたときは、遮断テープを引き出す。巻き取り部98Aおよび98Bは、カメラ70が撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたときは、遮断テープ90を巻き取る。歩行者が移動すると危険であると判断されるのは、例えば工事車両等が歩行者通路上にはみ出したときや、歩行者通路上に障害物が存在するときなどである。
【0060】
断面が凸面状の2本の金属製テープ92Aおよび92Bは一般にコンベックステープとも呼ばれ、典型的には金属製の巻き尺などに使われる。このようなコンベックステープは、引き出されたとき直線形状を保つ一方、力が加えられると簡単に折れ曲がるフレキシブルな性質を有する。
【0061】
前述のように遮断テープ90は、カメラ70が撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき、すなわち歩行者が危険な状態にあるとき引き出される。これにより歩行者通路が遮断される。そしてカメラ70が撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき、すなわち歩行者が危険な状態を脱したとき、遮断テープ90は巻き取られる。これにより歩行者通路が開放される。これにより歩行者は、これ以上移動を続けると怪我などの危険があることを知ることができる。その結果、歩行者は、歩行者通路を移動すると危険な状態にあるとき、安全な状態になるまでの間安全に待機することができる。この実施の形態によれば、歩行者が危険な状態にあるときに歩行者通路を遮断するので、より安全性の高い危険防止バーを実現することができる。さらに遮断テープが簡単に折れ曲がるフレキシブルな性質を有するため、歩行者や車両が遮断テープに衝突しても、当該歩行者や車両がダメージを受けることがない。
【0062】
ある実施の形態では、カメラ70が撮影した画像は、工事現場から遠隔にいる警備員などが携帯する端末に送信される。この警備員は、歩行者が移動すると危険であると判断すると、引き出し部96に遮断テープ90を引き出すためのコマンドを送信する。これにより遮断テープ90は引き出されて、歩行者通路が遮断される。警備員は、歩行者が移動しても安全であると判断すると、巻き取り部98Aおよび98Bに遮断テープ90を巻き取るためのコマンドを送信する。これにより遮断テープ90は巻き取られ、歩行者通路が開放される。この実施の形態によれば、工事現場から離れた場所にいる警備員が、歩行者遮断システムをリモートで操作し、遮断テープを引き出す/巻き取ることにより、歩行者の安全を確保することができる。
【0063】
ある実施の形態では、図5に示されるように引き出し部96は、モータ96Cと、能動ローラー96Aおよび96Bとを含んでもよい。モータ96Cが回転すると、この回転が能動ローラー96Aおよび96Bに伝わる。これにより能動ローラー96Aおよび96Bは、遮断テープ90を水平面内で歩行者通路側に引き出す。この実施の形態によれば、モータと能動ローラーといったシンプルな機構を用いて引き出し部を構成することができる。
【0064】
別の実施の形態では、引き出し部96は、気体源と空圧アクチュエータとを含んでもよい。ここで気体源は、例えば空気ポンプやガスボンベなどであり、空圧アクチュエータに気体を送り込むための任意の源である。また空圧アクチュエータは、例えば風船、シリンダー、空圧モータなどであり、気体が送り込まれることにより膨張または運動する。空圧アクチュエータは、遮断テープ90内の、金属製テープ92Aおよび92Bと半球面状の先端部94とで囲まれた空間内に配置される。気体源は空圧アクチュエータに接続される。気体源が空圧アクチュエータに空気を送ると、空圧アクチュエータは膨張または運動する。この空圧アクチュエータの膨張または運動により、遮断テープ90を水平面内で歩行者通路側に引き出される。この実施の形態によれば、空圧アクチュエータと気体源といったシンプルな機構を用いて引き出し部を構成することができる。
【0065】
[第5の実施の形態]
図6は、第5の実施の形態に係る危険防止バー5を上から見た模式図である。危険防止バー5は、工事現場に設置される危険防止バーであって、ロードコーン1000および1001に接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部20および21と、発光部、受光部および反射部の組で構成された複数のレーザラインモジュールと、レーザラインモジュールの各々に接続された警告部とを備える。具体的には危険防止バー5は3つのレーザラインモジュール、すなわち発光部30A、受光部40Aおよび反射部50Aの組で構成されたレーザラインモジュール39Aと、発光部30B、受光部40Bおよび反射部50Bの組で構成されたレーザラインモジュール39Bと、発光部30C、受光部40Cおよび反射部50Cの組で構成されたレーザラインモジュール39Cとを備える。レーザラインモジュール39A、39Bおよび39Cの各々は、工事現場から異なる距離離れた位置に設置される。具体的には工事現場から遠い順に、レーザラインモジュール39A、39Bおよび39Cが配置される。
【0066】
警告部は、レーザラインモジュール39A、39Bおよび39Cの各々の発光部30A、30Bおよび30Cからそれぞれ受光部40A、40Bおよび40Cへのレーザ光Aライン、BラインおよびCラインが遮断されたとき、歩行者または管理者にレーザラインモジュールごとに異なる種類の警告を発する。例えば警告部は、工事現場から一番遠いAラインが遮断されたとき最も弱い警告を発し、中間のBラインが遮断されたとき中間の警告を発し、工事現場に一番近いCラインが遮断されたとき最も強い警告を発する。
【0067】
この例では危険防止バー5は3つのレーザラインモジュールを備えるが、これに限定されず、レーザラインモジュールの数は任意の複数であってよい。本実施の形態によれば、工事現場に接近した歩行者に対し、工事現場からの距離に応じて異なる警告を発することができるので、よりきめ細かい危険防止措置を執ることができる。
【0068】
[第6の実施の形態]
図7は、第6の実施の形態に係る危険防止バー6の模式図である。危険防止バー6は、工事現場に設置される危険防止バーであって、ロードコーン1000および1001に接続するための両端部に設けられたロードコーン接続部20および21と、発光部30と、発光部30と対向に配置された受光部40と、受光部に接続された警告部60とを備える。警告部60は、発光部30から受光部40へのレーザ光が遮断されたとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【0069】
理解できるように危険防止バー6は、図1の危険防止バー1の反射部50を取り除き、発光部30と受光部40とを対向配置した構成となっている。従ってレーザ光は、危険防止バー1ではL1(発光部30から反射部50へ)とL2(反射部50から受光部40へ)の2つがあったのに対し、危険防止バー6ではL3(発光部30から受光部40へ)だけがある。この実施の形態によれば、歩行者の工事現場への接近を防ぐことができる。
【0070】
[第7の実施の形態]
図8は、第7の実施の形態に係る危険防止システム7の模式図である。危険防止システム7は、複数の前述の危険防止バーをロードコーンを介して接続してなる。危険防止バーの各々には、危険防止バーの各々を区別するためのIDが付与される。
【0071】
具体的には図8では、ロードコーン1000Bを介して危険防止バー10Aと危険防止バー10Bとが接続され、ロードコーン1000Cを介して危険防止バー10Bと危険防止バー10Cとが接続されることにより、全体として危険防止システム7が構成されている。危険防止バー10AにはID_Aが、危険防止バー10BにはID_Bが、危険防止バー10CにはID_Cがそれぞれ付与される。
【0072】
危険防止バー10A、10B、10Cの各々は、発光部から受光部へのレーザ光が歩行者によって遮断されると、警告部が歩行者または管理者に警告を発する。このときそれぞれの危険防止バーにIDが付与されているので、どの危険防止バーで警告が発信されたかを管理することができる。この実施の形態によれば、危険防止バー同士を接続して危険防止システムを構築できるので、工事現場の状況や地理的条件に応じた危険防止措置を講じることができる。
【0073】
ある実施の形態では、危険防止バー10A、10B、10Cの各々は、カメラと、画像管理部を備えてもよい。カメラは、危険防止バー10A、10B、10Cの各々の発光部から受光部へのレーザ光が遮断されたとき、工事現場周辺を撮影し、画像管理部は、カメラが撮影した画像を、当該画像が撮影されたときレーザ光が遮断された危険防止バーのIDに紐付けて管理してもよい。この実施の形態によれば、ある危険防止バーの近辺で危険な状態が発生したときの歩行者の画像を撮影し、これを当該危険防止バーのIDごとにデータベースとして管理することができる。
【0074】
危険防止システム7は、画像送信部を備えてもよい。このとき画像送信部は、カメラが撮影した画像と、当該画像が撮影されたときにレーザ光が遮断された危険防止バーのIDとを、外部のシステムに送信してもよい。この実施の形態によれば、ある危険防止バーの近辺で危険な状態が発生したときの歩行者の画像を、外部のシステムにおいて当該危険防止バーのIDごとに管理することができる。これは、万一事故が発生してしまった場合においても、十分な危険防止措置が執られていたことを示す証拠ともなる。
【0075】
危険防止システム7は、学習部を備えてもよい。このとき学習部は、カメラが撮影した画像内の歩行者の動きを教師データとして機械学習を行い、工事現場に接近する歩行者の動作の特徴を予測してもよい。学習は、既知のAIにより行われてよい。AIの具体的な手法は特に限定されないが、例えば畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)、再帰形ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)、LSTMネットワーク(Long Short Term Memory:LSTM)などのニューラルネットワークを用いてもよく、この場合入力層を共通にした上で計算モデルごとに異なるニューラルネットワークを混在させてもよい。この実施の形態によれば、工事現場に接近する歩行者の動作の特徴を予測することができるので、予測に基づくより効果的な危険防止措置を実現することができる。
【0076】
ある実施の形態では、危険防止バー10A、10B、10Cの各々は、互いに通信するための通信部を備えてもよい。通信部は例えば、警告が発信された日時、頻度、カメラが撮影した画像などの情報を他の危険防止バーとの間で交換する。この実施形態によれば、危険防止バー同士でアクシデント等の情報を共有できるので、より効果的な危険防止措置を実現することができる。
【0077】
ある実施の形態では、危険防止バー10A、10B、10Cの各々は隣の危険防止バーと給電可能に有線接続されていてもよい。あるいは危険防止バー10A、10B、10Cの各々はバッテリーを備え、それぞれが当該バッテリーにより駆動されてもよい。危険防止システム7を構成する危険防止バー10A、10B、10Cには、発光部、受光部、警告部、カメラといった装置が実装されている。従ってこれらの装置に対する給電は不可欠である。この実施形態によれば、隣接する危険防止バー同士が給電可能に有線接続されているので、各危険防止バーに個別に給電することなく、危険防止システム全体に給電することができる。
【0078】
ある実施の形態では、危険防止バー10A、10B、10Cの各々のロードコーン接続部には、非接触給電部が設けられていてもよい。危険防止バー10A、10B、10Cは、各々のロードコーン接続部をロードコーンの上部に貫通させ、隣の危険防止バーのロードコーン接続部に重ねることにより危険防止バー同士の接続を形成している。この場合各ロードコーン接続部に非接触給電部を設けることにより、ロードコーン接続部間の位置がずれたり、ロードコーン接続部間に絶縁物がはさまったりすることによりロードコーン接続部同士の接触が失われたときも、隣接する危険防止バーへの給電が可能となる。この実施の形態によれば、継続的に危険防止システム全体に給電することができる。
【0079】
[第8の実施の形態]
図9は、第8の実施の形態に係る危険防止システム8の機能ブロック図である。危険防止システム8は、遠隔の端末110からアクセス可能な俯瞰用ユニット100を備える。俯瞰用ユニット100は、カメラ70と、画像管理部72と、無線LAN親機120とを備える。危険防止バー6の各々は、無線LAN子機130を備える。発光部30から受光部40へのレーザ光が遮断されたとき、無線LAN子機130は、俯瞰用ユニット100の無線LAN親機120に、カメラ70が撮影した画像と危険防止バー6のIDとを送信する。俯瞰用ユニット100にアクセスした端末110は、カメラ70が撮影した画像において歩行者が危険な状態にあると判断されたとき、警告部60に警告を発するコマンドを送信する。
【0080】
前述のように俯瞰用ユニット100は、無線LAN親機(アクセスポイント)として機能する。そして危険防止バー6の各々は、無線LAN子機として機能する。端末110は、工事現場から離れた場所にいる警備員などが携帯するタブレット端末などであり、俯瞰用ユニット100で動作するWEBサーバなどにアクセスすることができる。発光部30から受光部40へのレーザ光が遮断されたときは、歩行者が工事現場を覗き込もうとして歩行者通路側から工事現場側に接近した可能性がある。このとき無線LAN子機130は、俯瞰用ユニット100の無線LAN親機120に、カメラ70が撮影した画像、危険防止バー6のID、時刻データなどを送信する。端末110は、俯瞰用ユニット100のWEBサーバにアクセスし、カメラ70が撮影した画像や、レーザの状態を表示する。端末110を操作する警備員は、カメラ70が撮影した画像を見て、歩行者が危険な状態にあると判断された場合は、警告部60に警告を発するコマンドを送信する。
【0081】
この実施の形態によれば、工事現場から離れた位置に警備員を配置し、歩行者が危険な状態にある可能性があるときは、警備員がリモートで歩行者の状態を確認し、必要な場合は警告を発することができる。
【0082】
ある実施の形態では、俯瞰用ユニット100は、カメラ70が撮影した画像とIDとを外部サーバに送信してもよい。無線LAN子機110は、外部サーバで動作しているWEBサーバにアクセスし、当該外部サーバから取得した画像において歩行者が危険な状態にあると判断されたとき、警告部60に警告を発するコマンドを送信してもよい。この実施の形態によれば、カメラが撮影した画像、各危険防止バーのID、時刻データなどを一元的に管理することができるので、信頼性の高い危険防止措置を講じることができるとともに、危険が発生したときの状況を記録しておくことができる。
【0083】
ある実施の形態では、工事現場に歩行者誘導用ロボットなどのロボットを配置してもよい。この場合ロボットは無線LAN親機として機能する。発光部30から受光部40へのレーザ光が遮断されたとき、無線LAN子機130は、俯瞰用ユニット100とロボットに、カメラ70が撮影した画像と危険防止バー6のIDとを送信する。端末110は、俯瞰用ユニット100またはロボットにアクセスし、カメラ70が撮影した画像や、レーザの状態を表示する。端末110を操作する警備員は、カメラ70が撮影した画像を見て、歩行者が危険な状態にあると判断された場合は、警告部60に警告を発するコマンドを送信する。あるいは警備員は、ロボットに歩行者誘導をさせるためのコマンドを送信してもよい。この実施の形態によれば、危険防止システムがロボットを備えるので、よりきめ細かい歩行者誘導をすることができる。
【0084】
ある実施の形態では、俯瞰用ユニット100は、データ収集装置を備えてもよい。データ収集装置は、カメラ70が撮影した画像の他、通過する人や車両の数、時刻、天候、温度、工事の進捗状況など、必要なデータを収集して記録する。これらのデータは、警備員が持つタブレット端末に映像を配信するためのシステム開発や、問題発生時の状況に関する情報として役立てることができる。さらにこのデータ収集装置をネットワークを介して外部に接続することにより、外部からリアルタイム情報を確認することもできる。すなわちこの実施の形態によれば、現在の工事現場の安全が確保できるとともに、将来のさらなる安全対策に必要なデータを得ることができる。
【0085】
[第9の実施の形態]
本発明のさらに別の態様は、接近防止システムである。この接近防止システムは、工事現場に設置される危険防止システムであって、距離測定部と、距離測定部に接続された警告部とを備える。警告部は、距離測定部が、歩行者と工事現場との距離が予め定められた値より小さくなったとき、歩行者または管理者に警告を発する。
【0086】
工事現場では、前述の危険防止バーのレーザ光が遮断されるほど近くなくても、所定の距離より近くまで歩行者が工事現場に接近することを防ぐニーズもある。この実施の形態によれば、距離測定部により歩行者と工事現場との距離が把握できるので、所定の距離より近くまで歩行者が工事現場に接近することを防ぐことができる。
【0087】
ある実施の形態では、距離測定部は、ミリ波レーダ装置であってもよい。この実施の形態によれば、精度の高い距離測定ができるので、より安全性の高い接近防止システムを実現することができる。
【0088】
ある実施の形態では、接近防止システムは、ミリ波レーダ装置のカバー領域を固定するためのカバー領域固定部を備えてもよい。歩行者の工事現場への接近を防ぐ目的で距離測定を行う場合、距離測定装置のカバー領域を一定の範囲に固定することが重要となる。この実施の形態によれば、ミリ波レーダ装置のカバー領域を固定できるので、より精度の高い接近防止システムを実現することができる。
【0089】
[第10の実施の形態]
第10の実施の形態は、歩行者遮断システムである。この歩行者遮断システムは、工事現場において歩行者の通行を遮断する歩行者遮断システムであって、カメラと、画像管理部と、断面が凸面状の2本の金属製テープと、金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部とを有する遮断テープと、遮断テープを水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部と、遮断テープと水平面内で巻き取る巻き取り部とを備える。引き出し部は、カメラが撮影した画像内に所定の距離より工事現場に接近した歩行者が映ったとき遮断テープを引き出す。巻き取り部は、カメラが撮影した画像内に映った歩行者と工事現場との距離が所定の距離以下となったとき遮断テープを巻き取る。
【0090】
図5に、第10の実施の形態に係る歩行者遮断システムの一部を拡大して示す。ここで(a)は上面図であり、(b)は正面図である。この歩行者遮断システムは、遮断テープ90と、遮断テープ90を水平面内で歩行者通路側に引き出す引き出し部96と、遮断テープを巻き取る巻き取り部98Aおよび98Bと、を備える。遮断テープ90は、断面が凸面状の2本の金属製テープ92Aおよび92Bと、金属製テープの先端部の間に取り付けられた半球面状の先端部94とを有する。引き出し部96は、カメラ70が撮影した画像において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき遮断テープを引き出す。巻き取り部98Aおよび98Bは、カメラ70が撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき遮断テープ90を巻き取る
【0091】
断面が凸面状の2本の金属製テープ92Aおよび92Bは一般にコンベックステープとも呼ばれ、典型的には金属製の巻き尺などに使われる。このようなコンベックステープは、引き出されたとき直線形状を保つ一方、力が加えられると簡単に折れ曲がるフレキシブルな性質を有する。
【0092】
前述のように遮断テープ90は、カメラ70が撮影した画像内に歩行者通路上において歩行者が移動すると危険であると判断されたとき、すなわち歩行者が危険な状態にあるとき引き出される。これにより歩行者通路が遮断される。歩行者が移動すると危険であると判断されるのは、例えば歩行者が所定の距離より工事現場に接近したような場合である。そしてカメラ70が撮影した画像において歩行者が移動しても安全であると判断されたとき、すなわち歩行者が危険な状態を脱したとき、遮断テープ90は巻き取られる。これにより歩行者通路が開放される。歩行者が移動しても安全であると判断されるのは、例えば歩行者と工事現場との距離が所定の距離以上となったような場合である。これにより歩行者は、これ以上移動を続けると怪我などの危険があることを知ることができる。その結果、歩行者は、歩行者通路を移動すると危険な状態にあるとき、安全な状態になるまでの間安全に待機することができる。この実施の形態によれば、歩行者が危険な状態にあるときに歩行者通路を遮断するので、歩行者の安全を確保することができる。さらに遮断テープが簡単に折れ曲がるフレキシブルな性質を有するため、歩行者や車両が遮断テープに衝突しても、当該歩行者や車両がダメージを受けることがない。
【0093】
ある実施の形態では、カメラ70が撮影した画像は、工事現場から離れた場所にいる警備員などが携帯する端末に送信される。この警備員は、歩行者が移動すると危険であると判断すると、引き出し部96に遮断テープ90を引き出すためのコマンドを送信する。これにより遮断テープ90は引き出されて、歩行者通路が遮断される。警備員は、歩行者が移動しても安全であると判断すると、巻き取り部98Aおよび98Bに遮断テープ90を巻き取るためのコマンドを送信する。これにより遮断テープ90は巻き取られ、歩行者通路が開放される。この実施の形態によれば、工事現場から離れた場所にいる警備員が、歩行者遮断システムをリモートで操作し、遮断テープを引き出す/巻き取ることにより、歩行者の安全を確保することができる。
【0094】
ある実施の形態では、図5に示されるように引き出し部96は、モータ96Cと、能動ローラー96Aおよび96Bとを含んでもよい。モータ96Cが回転すると、この回転が能動ローラー96Aおよび96Bに伝わる。これにより能動ローラー96Aおよび96Bは、遮断テープ90を水平面内で歩行者通路側に引き出す。この実施の形態によれば、モータと能動ローラーといったシンプルな機構を用いて引き出し部を構成することができる。
【0095】
以上、本発明を実施の形態にもとづいて説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0096】
1・・危険防止バー
2・・危険防止バー
3・・危険防止バー
4・・危険防止バー
5・・危険防止バー
6・・危険防止バー
7・・危険防止システム
8・・危険防止システム
10・・安全バー
10A・・危険防止バー
10B・・危険防止バー
10C・・危険防止バー
11・・パイプ
20・・ロードコーン接続部
21・・ロードコーン接続部
30・・発光部
30A・・発光部
30B・・発光部
30C・・発光部
39A・・レーザラインモジュール
39B・・レーザラインモジュール
39C・・レーザラインモジュール
40・・受光部
40A・・受光部
40B・・受光部
40C・・受光部
50・・反射部
50A・・反射部
50B・・反射部
50C・・反射部
60・・警告部
70・・カメラ
72・・画像管理部
80・・遮断バー
90・・遮断テープ
92A・・金属製テープ
92B・・金属製テープ
94・・先端部
96・・引き出し部
96A・・能動ローラー
96B・・能動ローラー
96C・・モータ
98A・・巻取り部
98B・・巻取り部
110・・端末
120・・無線LAN親機
130・・無線LAN子機
1000・・ロードコーン
1000A・・ロードコーン
1000B・・ロードコーン
1000C・・ロードコーン
L1・・レーザ光
L2・・レーザ光
L3・・レーザ光
V1・・鉛直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9