(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025183
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】所在地関連情報提供システム、サーバ、受信端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220203BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20220203BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127846
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】514263551
【氏名又は名称】ココロプラン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】前田 貴志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】 ユーザの所在地に基づく複合的で統一された情報提供を行う。
【解決手段】 複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工して各種端末へ送信する情報提供サーバであって、前記分析及び加工には、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工が含まれることを特徴とする。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工して各種端末へ送信する情報提供サーバであって、
前記分析及び加工には、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工が含まれる
ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記分析及び加工においては、前記複数の情報元サーバから収集した情報の対象エリアコードを規格化しておくことにより、前記各種端末にとって必要な情報が抽出されることを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記複数の情報元サーバから収集した情報の対象エリアコードは、地域コード、都道府県コード、前記都道府県コードにおける細分化コード、市区町村コードのうちの少なくとも2以上が含まれることを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工して各種端末へ送信する情報提供サーバ上で実行されるプログラムであって、
前記情報提供サーバに、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工を行わせるステップ
を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記分析及び加工においては、前記複数の情報元サーバから収集した情報の対象エリアコードを規格化しておくことにより、前記各種端末にとって必要な情報が抽出されることを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記複数の情報元サーバから収集した情報の対象エリアコードは、地域コード、都道府県コード、前記都道府県コードにおける細分化コード、市区町村コードのうちの少なくとも2以上が含まれることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工する情報提供サーバと、
前記情報提供サーバが分析及び加工して送信した情報を受信する各種端末と
を有する情報提供システムであって、
前記情報提供サーバは、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工を行う
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7に記載の前記情報提供システムにおける各種端末。
【請求項9】
複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工する情報提供サーバと、前記情報提供サーバが分析及び加工して送信した情報を受信する各種端末とを有する情報提供システム上で実行されるプログラムであって、
前記情報提供サーバに、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工を行わせるステップ
を実行することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くインターネット等の公衆回線を介して情報提供を行うシステム等に関し、より詳細には、ユーザの周辺領域に関する情報や地域ごとの情報を提供するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの位置情報に基づいて当該ユーザの近隣のサービス情報を提供することが行われている。
【0003】
例えば、ユーザの位置から距離が近い店舗を優先して選択し、当該選択した店舗の位置情報を商品又は区分に関する情報と共に提供するサービスが提案されている(特許文献1)。
【0004】
すわなち、特許文献1には、商品及び当該商品の区分を対応付けて記憶する記憶部と、ユーザの端末の位置情報を取得する取得部と、前記端末から検索対象である商品を特定するためのキーワードの入力を受け付ける受付部と、前記キーワードに適合する商品を決定する決定部と、前記決定部により決定された商品、及び当該商品に対応付けられている区分に基づいて所定のデータベースを検索し、当該商品又は当該区分を扱っている店舗の位置情報を取得する検索部と、前記検索部により取得された店舗のうち、前記端末の位置情報から距離が近い店舗を優先して選択し、当該選択した店舗の位置情報を前記商品又は前記区分と共に出力する出力部とを備える情報提供サーバが開示されている。
【0005】
また、ユーザの意図に沿った地点の気象情報を提供するも提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、車両に搭載され、地図上でユーザが指定した地点の気象情報を出力する情報処理装置であって、前記車両が走行する走行ルートを前記地図上に表示するルート案内部と、前記地図を分割して得られる複数のエリアのうち、前記地図上で前記ユーザが指定した地点を含むエリアに前記走行ルートが含まれず、かつ前記ユーザが指定した地点が前記走行ルートから所定の範囲内であると判定される場合、前記走行ルートを含む複数のエリアのうち前記ユーザが指定した地点から最も近いエリアの気象情報を出力する出力部と、を有する情報処理装置が開示されている。
【0007】
また、地域住民に適した公共サービスを提供する技術も提案されている(特許文献3)。
【0008】
すなわち、特許文献3には、複数のサービス提供者による公共サービスを連携させることで地域住民の生活を支援する行政生活支援サービスに関する情報を提供する行政生活支援サービスの情報提供システムであって、前記行政生活支援サービスに参画するサービス提供者の情報と前記サービス提供者が提供する公共サービスの利用を希望する地域住民の属性に関する条件を含む対象者情報と対応付けたサービス情報を格納したデータベースと、前記行政生活支援サービスの利用を希望する地域住民の属性情報の入力を受け付ける受付手段と、前記属性情報が前記対象者情報の前記条件に適合する前記公共サービスを前記データベースから検索し、検索された前記公共サービスを提供する前記サービス提供者の情報を抽出する抽出手段と、前記属性情報、抽出された前記サービス提供者の情報および前記公共サービスに関連する法令の情報に基づいて、前記地域住民と前記サービス提供者との関連の強さを示す関連度を算出する関連度算出手段と、前記地域住民を示す画像と、前記抽出手段によって抽出された前記サービス提供者を示す画像とを含む合成画像を出力する出力手段であって、前記合成画像は前記関連度に応じた形態の画像を含む画像として出力される出力手段とを備える行政生活支援サービスの情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015-194868号公報
【特許文献2】特開2019-120632号公報
【特許文献3】特開2017-199305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来技術におけるユーザへのサービス提供の態様は、単にユーザからの距離に基づいた情報提供であったり、ユーザの所在やユーザが所望する地域に関する情報提供であったりしたために、たとえば、ユーザの所在地に基づく複合的で統一された情報提供を行おうとすると、さらなる改善の余地があった。
【0011】
また、ユーザの位置情報に基づく情報提供を行う場合にも、単にユーザからの距離だけに留まらない複合的で統一された観点からの情報提供が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムは、複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工する情報提供サーバと、前記情報提供サーバが分析及び加工して送信した情報を受信する各種端末とを有する情報提供システムであって、前記情報提供サーバは、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一実施形態にかかる情報提供サーバは、複数の情報発信元サーバから収集した情報を分析及び加工して各種端末へ送信する情報提供サーバであって、前記分析及び加工には、前記各種端末の現在位置に基づいて導かれた前記各種端末の所在地に関わる情報であって、前記複数の情報元サーバから収集した情報の分析及び加工が含まれることを特徴とする
【0014】
また、前記分析及び加工においては、前記複数の情報元サーバから収集した情報の対象エリアコードを規格化しておくことにより、前記各種端末にとって必要な情報が抽出されることを特徴とする。
【0015】
また、前記複数の情報元サーバから収集した情報の対象エリアコードは、地域コード、都道府県コード、前記都道府県コードにおける細分化コード、市区町村コードのうちの少なくとも2以上が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態にかかる情報提供システム等によれば、ユーザの所在に基づく複合的で統一された情報提供や、単にユーザからの距離だけに留まらない複合的な観点からの情報提供ができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムの全体構成例を説明する説明図である。
【
図2A】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバ及びデータベースサーバの機能ブロック構成例を説明する説明図である。
【
図2B】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるデータベースの構造例を説明する説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバやデータベースサーバの機能ブロック構成例を説明する説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の外観構成例を説明する説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を構成するハードウェアの機能ブロック構成例を説明する説明図である。
【
図6A】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理フローを説明するフローチャートである。
【
図6B】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理フローを説明するフローチャートである。
【
図7A】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるピクトグラムの例を説明する説明図である。
【
図7B】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるピクトグラムの例を説明する説明図である。
【
図7C】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるピクトグラムの例を説明する説明図である。
【
図8】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【
図10】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【
図12】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理フローを説明するフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理概念例を説明する説明図である。
【
図15】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【
図16】本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報提供システム等について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムの全体構成例を示す。
【0020】
図1に示されるように、情報提供システム10は、その一実施形態における例示的構成として、収集情報提供サーバ11と、データベースサーバ12と、収集情報提供サーバ11が情報を収集する際の情報発信元となる情報発信元サーバ13a~13cと、収集情報提供サーバ11が情報を提供する際の情報提供先となる各種情報処理装置(図において、例示的に、電子看板14a、一般ユーザないし一般受信者が使用する携帯電話14bや携帯情報端末ないしタブレット端末14cが示されている。さらに、図示しないPC、カーナビ端末、複合機ディスプレイが含まれても良い。以下、総称して「各種端末」、「受信者端末」ないし単に「端末」とも言うこともある)とで構成されている。
【0021】
また、情報提供システム10は、その一実施形態における他の構成として、収集情報提供サーバ11と、データベースサーバ12と、各種情報処理装置14a~14cとで構成される。ここでは、上述の情報発信元サーバ13a~13cは必須の構成ではない。
【0022】
さらに、情報提供システム10は、その一実施形態における他の構成として、収集情報提供サーバ11に替えて、公知の機能を備える情報提供サーバと、データベースサーバ12と、各種情報処理装置14a~14とで構成される。この場合、本発明は、データベースサーバ12における独自の処理に基づく情報提供にその特徴が表れているのであり、以下の実施例において説明する収集情報提供サーバ11の構成の全てが必須とされるものではないことに留意されたい。
【0023】
図1において、収集情報提供サーバ11、データベースサーバ12、情報発信元サーバ13a~13c、各種情報処理装置14a~14cは、通信回線16a~16c、17a~17c、18、及び19a~19bによって相互に通信可能に接続されている。また、通信回線は有線のみならず無線であってもよく、
図1に示されるように、携帯電話14b、携帯情報端末ないしタブレット端末14cは、無線によって図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット19bに乗り入れ、更に回線17bを介して収集情報提供サーバ11と通信可能に接続されることができる。この場合の通信方向は、少なくも収集情報提供サーバ11から各種情報処理装置14a~14cへの通信が含まれるがこれに限定されるものではく、各種情報処理装置14a~14cから収集情報提供サーバ11へ向けた通信が行われても良い。
【0024】
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
【0025】
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末ないしタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)と同等の処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
【0026】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDD、SSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0027】
あるいは、ブラウザベースのコンピュータないし携帯情報端末を採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザではこれを実行するという構成になる。
【0028】
また、収集情報提供サーバ11やデータベースサーバ12のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、
図3を参照してその機能ブロック例を後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、収集情報提供サーバ11やデータベースサーバ12は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台~数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0029】
(情報発信元サーバ)
一実施形態において、情報発信元サーバ13a~13cには、様々な発信元が存在しうる。例えば、官公庁が運営するサーバ、地方公共団体が運営するサーバ、各機関が運営するサーバ、民間サービス業者が運営するサーバ、民間団体や個人が運営するサーバなどである。これらは一例であり、他の者によって運営されるサーバであってもよい。
また、道路交通に関する情報発信元サーバに着目した場合には、都道府県警察が運用するサーバ、国土交通省や地方自治体等の道路管理者が運用するサーバ、日本道路交通情報センターが運用するサーバ、河川情報センターが運用するサーバ等、複数の情報発信元サーバがある。
【0030】
(収集情報提供サーバ)
一実施形態において、収集情報提供サーバは、情報発信元サーバから収集した複数種類の情報を分析、加工等して必要な関連情報としてまとめたり、受信者に警戒意識を高めさせるような情報加工を行ったりして、各種端末へ送信することができる。
また、本発明の他の実施形態においては、収集情報提供サーバに替えて、公知の機能を備える情報提供サーバを採用することもできる。この場合において、情報提供サーバは、情報発信元サーバから収集した情報を、本発明の一実施形態におけるデータベースを参照しながら公知の技術に基づき分析、加工等して各種端末へ送信する。
【0031】
(各種端末)
各種端末には、
図1に示されるように、屋外や公共施設等に設置される電子看板14a、一般ユーザが使用する携帯電話14bや携帯情報端末あるいはタブレット端末14c等があるが、機能的には、端末等によってディスプレイを介して表示されるWEB画面、地理的ナビゲーション画面などがある。その意味で、各種端末は媒体としての役割を果たす。媒体は、これらに限られず、情報が表示できる表示デバイスを備えるものであれば、様々なデバイスを採用することができる。
【0032】
(情報提供システムの動作例1)
一実施形態において、収集情報提供サーバ11は、複数の情報発信元サーバから収集した情報を加工し、例えば受信者にとって俯瞰性の高い情報として媒体(各種端末)に送信する。この結果、媒体(各種端末)では、受信者が情報を把握しやすくかつ理解して対応が取れるような情報を表示させることができる。
【0033】
その結果、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいて、受信者は、俯瞰的かつ一体的に情報を把握することができる。また、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムは、時系列などに沿って受信者がどのように対応すれば良いかを把握できる情報を提供することができる。
【0034】
(情報提供システムの動作例2)
他の例として、ある地域において地震が発生したものとする。このとき、情報発信元サーバの1つである気象庁サーバは、地震発生に関する情報を発信する(収集情報提供サーバ11はこれらの情報を収集する)。また、この地震によって避難が必要な場合には、情報発信元サーバの1つである地方公共団体サーバは、避難所や避難方法に関する情報を発信する(収集情報提供サーバ11はこれらの情報を収集する)。また、他の官公庁サーバは、この地震が原因となって変動した交通情報を発信することもある(収集情報提供サーバ11はこれらの情報を収集する)。具体的には、その地域における道路の通行止めに関する情報や列車の運行止めに関する情報などである。
【0035】
また、情報発信元サーバの1つである気象庁サーバや日本気象協会サーバが、気象の警戒情報を発信することもある(収集情報提供サーバ11はこれらの情報を収集する)。例えば、この地震と相俟ってその地域の被害が拡大したり、住民等が受ける影響が大きくなったりすることを示す情報である。あるいは、情報発信元サーバの1つである民間サービス業者サーバが、各自に被害の情報を発信したりする(収集情報提供サーバ11はこれらの情報を収集する)。
【0036】
本発明の一実施形態において、収集情報提供サーバ11は、データベースサーバ12と連携し、上記収集した情報の集約や加工を行って、これらの情報が関連性を形成するようにまとめる。さらに、後述するように、地震の発生場所やそれによって生じている交通問題などの地理的位置も、警戒情報と合わせて把握できるように情報を整理する。その結果、受信者が全体を関連して俯瞰できるようになる「パッケージ情報」が生成され、各種端末(媒体)へ送信される。
【0037】
また、地震そのものの状況、この地震を起因とする交通状況や被害状況も時間の経過とともに変化する。収集情報提供サーバ11は、これらの時系列での変化についても追従し、タイムリーな情報を媒体へ送信する。この結果、受信者は、時系列の変化にも迅速かつ適切に対応することができるようになる。
【0038】
(収集情報提供サーバ等の機能ブロック構成例)
図2Aに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システム10における収集情報提供サーバ11及びデータベースサーバ12の機能ブロック構成例を示す。
【0039】
図2Aにおいて、収集情報提供サーバ11は、情報受信部111、情報分類部112、抽出部113、解析部114、生成部115、送信部116を備える。
また、データベースサーバ12は、気象・防災・公共情報に対応した色調連携ピクトグラムを提供するためのデータベース121を備える。
【0040】
情報受信部111は、
図1に示した複数の情報発信元サーバ100から収集される異なる種類の情報を受信する。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、一実施形態例において、収集情報提供サーバ11の運営者は、複数の情報発信元サーバの運営者のそれぞれとの間において、情報の受信(および加工なども含めて)についての契約処理等が交わされる。
【0041】
情報分類部112は、情報受信部111が複数の情報発信元サーバから集約的に受信した複数の情報のそれぞれを、所定条件に基づき複数の種類に分類する。ここで、本発明はこれに限定されるものではないが、一実施形態例において、情報分類部112では、分類した異なる複数の種類の情報は、それぞれの分類種別ないし分類区分に対応して複数の記憶部1121~1124に記憶される。これらの記憶部の区分数は任意であり、また、これらの記憶部の区分は、物理的になされてもよいし論理的になされてもよい。
【0042】
本発明の一実施形態において、記憶部1121~1124のそれぞれは、所定条件に基づき分類された分類情報を、種類ごとに区分して記憶する。一例として、情報分類部112では、異なる情報発信元サーバ100からの情報であっても、これらの情報が同じ種類あるいは同じ区分に属する情報である場合には、同じ分類あるいは同じ区分として格納される。
【0043】
本発明の一実施形態において、記憶部1121~1124に分類されて記憶されている分類情報は、抽出部113における必須情報(あるいは有益情報)の抽出に用いられる。分類情報の具体例は、警告情報、緊急情報、公的情報、案内情報、民間情報、広告情報などである。
【0044】
一実施形態において、これらの情報は、受信者に対して提供することが必須である必須情報、また、必須ではないが有益である有益情報、あるいは、それ以外の情報に区分されることができる。このとき、必須情報や有益情報においては、これらを区別する識別情報や優先順位あるいは重要度をあらわす付帯情報が含まれうる。
【0045】
本発明の一実施形態において、収集情報提供システム11は、緊急情報や警告情報など、災害や人災に関しての対応を即座に行わなければならないような情報を最優先に提供するように運用することができる。この場合には、抽出部113が、分類された分類情報から必須情報を抽出する。例えば、上述の通り、分類情報の中の地震に関する情報(群)や、豪雨や土砂崩れなどの災害に関する情報(群)、テロなどの人災に関する情報(群)などが抽出される。抽出された情報は、優先して受信者に提供される。
【0046】
抽出部113は、抽出した必須情報を解析部114に送信する。このとき、抽出部113は、必須情報と判断したものをまとめて解析部114に送信してもよいし、順次解析部114へ送信してもよい。
【0047】
解析部114は、抽出部113から受け取った必須情報から、一元的な軸となる事象である中心項目を解析して特定する。
【0048】
ここで、中心項目は、必須情報とされる情報のそれぞれにおいて軸と認定できる事実項目や特徴となる項目である。以下、例を挙げながら中心項目の特定過程や生成過程を具体的に説明する。
【0049】
必須情報として送信されてきた情報が、ある場所である時刻に発生した地震に基づく様々な情報であるとする。それらは、地震の発生そのものに関する情報、地震の規模に関する情報、地震によって生じた二次災害の情報、地震に関連して生じている交通規制の情報、地震に関連して生じた注意情報や案内情報、地震に関連して変更等の生じたイベントの案内情報、地震に備えるべき地震保険などの企業の広告情報などである。これらの情報は、必須情報の群として、解析部114へ送信される。
【0050】
解析部114は、これら必須情報の群に対し、例えば、優先度や見せ方の観点から加工されたパッケージ情報とするために、まず、一元的な軸となる中心項目を解析して特定する。地震の例においては、「ある場所である時刻に発生した地震」が中心項目となりうる。
【0051】
次に、解析部114は、一実施形態において、必須情報の群のキーワード分析や頻出用語分析などによって、中心項目を解析して特定する。あるいは、他の実施形態において、必須情報を発信した情報発信元サーバの優先度を考慮し、中心項目が解析・特定されてもよい。一例として、警告情報や災害情報を発する官公庁やこれの委託団体である情報発信元サーバは、高い優先度として設定される。
【0052】
そして、解析部114は、特定された中心項目を、生成部115へ送信する。
【0053】
生成部115は、中心項目を軸として、必須情報の群から一元的な関連性を有するパッケージ情報を生成する。一例として、「ある場所である時刻に発生した地震」を中心項目として関連付けられた必須情報が生成される。このとき、生成される情報に優先順位が付けられてもよい。下表は、本発明の一実施形態において生成されたパッケージ情報例である。
【0054】
【0055】
優先順位1位の情報は、もっとも注意喚起を促すための最優先情報であるので1位とされている。以下、受信者にとって自分の地域に関連するかどうか、避難をすべきか、対応をすべきかの判断基準となるかどうか、受信者の理解促進に役立つか、余計な渋滞や二次災害を防止できるかどうか等の観点から順位付けされている。
また、優先順位8位の案内情報は、上表において最下位の優先度ではあるが、発信する企業にとっては宣伝効果が高く、他方、受信する受信者にとっても中長期的観点から良い契機となるものである。
【0056】
このように、特定の地震を中心項目として一元的に関連付けられた複数の情報が、優先順位、表示の仕方などにおいて加工されてパッケージ情報として生成される。
【0057】
また、こうしたパッケージ情報は、種々の媒体に表示されることができ、受信者は、地震に起因して知っておくべき必須情報や、必須情報でなくても有益となる有益情報を集約的に受信することができる。この結果、受信者自身の対応行動(避難やその他)を適切に判断させることができる。
【0058】
ここで、必須情報は、緊急情報、災害情報、特定気象情報(集中豪雨、台風、突風、暴風雨など)、避難情報および警察情報の少なくとも一つの特性を含む。
【0059】
また、本発明の一実施形態において、抽出部113は、必須情報とは別に有益情報を抽出し、この有益情報を必須情報と関連するものとして、必須情報とは独立したものとして抽出することができる。これらの有益情報は、それ自体パッケージ情報として生成されてもよいし、必須情報に追加される形でパッケージ情報に含められてもよい。
【0060】
必須情報が、災害情報、特定気象情報、避難情報および警察情報の少なくとも一つの特性を含む場合には、解析部114は、当該特性の起因となった事象を、中心項目とすることができる。例えば、地震、集中豪雨、台風、テロ、凶悪事件の発生、大規模交通事故などの事象が、中心項目として解析・決定される。すなわち、中心項目の例として、地震、津波、気象災害、火災、交通事故、刑事事件、テロなどの少なくとも一つであって、同一発生源に基づくものが、中心項目として解析・決定される。同一発生源に基づくこれらの事象は、複数の必須情報を関連付ける軸となるものである。このため、これらの事象のいずれかが、中心項目として解析・決定される。
【0061】
一方で、必須情報ではなく有益情報からパッケージ情報が生成される場合には、解析部114は、単数または複数の有益情報において、共通する事象を中心項目として解析・決定することができる。例えば、ある場所でのイベントや、ある新しい商品に関する宣伝・広告での特定商品などが、中心項目として解析・決定される。
【0062】
生成部115は、解析部114が決定した中心項目を軸に、複数の必須情報や有益情報を一元的に関連付けてパッケージ情報を生成する。
【0063】
このように、パッケージ情報の一形態は、同一発生源(例えば、地震)に基づく一つの中心項目を軸として、複数の必須情報が一元的に関連付けられた関連情報(警告情報や避難情報)である。また、パッケージ情報の他の形態は、必須情報に加えて、あるいは、必須情報に替えて、企業の広告やイベント案内情報、あるいは道路情報のような有益情報が含まれる情報である。このため、必須情報及び有益情報が、中心項目に基づいて関連付けられてパッケージ情報が構成されてもよい。この有益情報は、公的情報、案内情報、民間情報および広告情報の少なくとも一つに関する情報を含む。
下表は、本発明の一実施形態におけるパッケージ情報(必須情報を含まず有益情報によって構成されている)の例である。
【0064】
【0065】
以上のように、生成部115は、必須情報のみ、必須情報と有益情報の混合、有益情報のみなどの多彩バリエーションに加えて、関連付けの基準や関連付けによる見せ方を、様々に加工することで、受信者の便益に供するパッケージ情報を生成することができる。
【0066】
送信部116は、生成部115において生成されたパッケージ情報を各種の媒体(各種端末)へ通信回線を介して送信する。各種端末については、
図1を参照して説明したとおりである。
【0067】
図2Bに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるデータベースの構造例を示す。
【0068】
同図において、データベース121は、色調連携ピクトグラムを格納しているデータベースであり、情報識別データ1211~1213を格納している。情報識別データ1211~1213の数は任意であり、これに限定されない。また、情報識別データ1211~1213は、それぞれ図示しない紐付けテーブルによって、情報分類部112に格納されている記憶部のいずれか1以上の情報と紐付け管理されることができる。
【0069】
本発明の一実施形態において、情報識別データ1211~1213は、それぞれひとまとまりのピクトグラムのグループとして管理される。一例として、情報種別データ1211は、大雨警報に関するピクトグラムのグループであり、画像データA(1211A)には大雨警報発表を表すピクトグラムデータが格納され、画像データB(1211B)には大雨警報継続を表すピクトグラムデータが格納され、画像データC(1211C)には大雨警報解除のピクトグラムデータが格納される。
【0070】
また、上記画像データA(1211A)~画像データC(1211C)に替えて、各画像データのIDを示す本体ID(画像ID)が可能されてもよい(その場合、画像自体のイメージはIDごとに別領域に管理される)。この場合、同じ画像を示すときには同じ本体ID(画像ID)が格納されることとなる。さらに、各画像に対する本体ID(画像ID)とともに、図示しない文字データや他の属性IDが紐付け管理されてもよい。
【0071】
図3に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバ11やデータベースサーバ12の機能ブロック図を示す。例示的に、これらサーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0072】
図3において、ハードウェアブロック全体としてのサーバ300は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU301と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部302と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部303と、ディスプレイやスピーカ等の出力部304と、各種信号制御のための制御部305と、通信(インタフェース)部306(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部307と、電源部308とからなる。
【0073】
これらのモジュールは、必要に応じて適宜通信バスや給電線(
図3においては、便宜上各線が適宜区分された結線399としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0074】
また、本発明の実施に必要な管理サーバ300上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部302を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部302内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU301において演算実行される。
【0075】
なお、演算実行は必ずしもCPU301等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0076】
図4に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置としてのタブレット端末14の外観構成を示す。
図4において、情報処理装置(タブレット端末)14は、筐体部141とディスプレイ142と筐体141の下部中央部に設けられたハードウェアボタン143とからなる。ディスプレイ142は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ142にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指ないしタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末14への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン143は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン143を、ディスプレイ142の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0077】
また、ディスプレイ142には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末14の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0078】
また、
図4には現れていないが、タブレット端末14は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、
図4には現れていないが、タブレット端末14の背面等にCMOS等のカメラデバイスを実装させることもできる。
【0079】
図5に、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末14を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末14の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0080】
図5において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末500は、大別すると、
図4におけるハードウェアボタン143、ディスプレイ142に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部501と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部502と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部503と、ディスプレイ142等で構成される表示部504と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部505と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部506と、スピーカやバイブレーション、赤外線プロジェクター等の出力部507と、時刻等を計時するための計時部508と、CMOS等のイメージセンサや赤外線センサ、慣性センサ等からなるセンサ部509と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部510とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(
図5においては、便宜上、結線599としてひとまとめに表すこととし、各線は適宜区分されているものとする)によって接続されている。
【0081】
なお、センサ部509には、タブレット端末500(14)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部509を構成するCMOS等のイメージセンサや赤外線センサ等によって検知された信号は、入力部501において入力情報として処理することができる。
【0082】
また、本発明の実施に必要なタブレット端末500上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部502を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部502内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU503において演算実行される。
【0083】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部503で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0084】
図6Aに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理フローを示す。本フローでは、
図1、
図2A及び
図2Bを参照して説明したシステムやサーバ等の動作を踏まえ、日時情報・時刻情報が含まれるパッケージ情報の生成及び送信についても説明を加える。
【0085】
図6AのステップS601において処理を開始すると、ステップS602へ進み、収集情報提供システム(
図1の11が対応する)が複数の情報発信元(
図1の13a~13cが対応する)から情報を収集(あるいは集約)する。このとき、収集した情報の日時情報あるいは時刻情報も収集される。この日時情報あるいは時刻情報の一例は、当該情報の発表時刻や取得時刻などが含まれる。本フローでは、これらの日時情報あるいは時刻情報は、情報内容それ自体と紐付けされて管理される。
【0086】
ステップS603では、収集情報提供システム内の情報分類部(
図2の112が対応する)において、収集した情報の分類が行われる。典型的には、収集した情報の特性等に基づく分類が行われ、一実施形態における分類処理は、
図1及び
図2Aを参照して説明したとおりである。
【0087】
ステップS604では、収集情報提供システム内の抽出部(
図2の113が対応する)において、分類された情報から必須情報(あるいは有益情報)の抽出が行われる。一実施形態における必須情報(あるいは有益情報)の抽出処理は、
図1及び
図2Aを参照して説明したとおりである。
【0088】
ステップS605では、収集情報提供システム内の解析部(
図2の114が対応する)において、分類された情報から必須情報(あるいは有益情報)の抽出が行われる。一実施形態における解析処理は、
図1及び
図2Aを参照して説明したとおりである。
【0089】
ステップS606では、収集情報提供システム内の生成部(
図2の115が対応する)において、パッケージ情報の生成が行われる。一実施形態におけるパッケージ情報の生成処理は、
図1及び
図2Aを参照して説明したとおりである。
【0090】
ここで、本発明の一実施形態においては、パッケージ情報生成の際に日時情報あるいは時刻情報が考慮される。そして、この日時情報あるいは時刻情報は、パッケージ情報の属性情報として紐付けされるか、当該パッケージ情報内に含められ、当該パッケージ情報の生成時、発信時、あるいはパッケージ情報内の情報(イベント等)に関する開催日時や開始時刻等として位置付けられることができる。
以下は、本発明の一実施形態において採用される日時情報あるいは時刻情報を含むパッケージ情報のフォーマット例である。
【0091】
【表3】
上表において、「パッケージID」は、当該パッケージ情報を識別するためのIDないし番号である。「情報ID」は、当該パッケージ情報内に含められる1つの情報に対する識別IDないし番号である。「情報内容」は、情報IDに対応する情報内容(情報の本体)であって、種々のフォーマットを採用しうる(また、ここには、情報本体が記憶されるメモリ情報別領域へのアドレスが格納されるものとしてもよい)。「日時/時刻情報」は、当該情報に紐付けされる日時情報あるいは時刻情報であり。「日時/時刻種別」は、さきの「日時/時刻情報」がどのような位置付けのものかの種別を記録するための項目である。たとえば、そのパッケージ情報の生成日時(時刻)であるとか、情報内容に関わるイベント等の開催日時(あるいは開催時刻)であるとか、などである。
【0092】
上表に示されたフォーマットは、これに限定されるものではなく、例えば、1つの情報ID(情報内容)に対して2以上の日時/時刻情報を紐付けることができる(例えば、あるイベントについての開催日時及び終了日時など)。
さらに、1つのパッケージ情報に2以上の情報ID(情報内容)を紐付けたり、あるいは含めたりすることもできる。
【0093】
ステップS607では、収集情報提供システム内の送信部(
図2の116が対応する)において、パッケージ情報の送信が行われる。一実施形態におけるパッケージ情報の送信処理は、
図1及び
図2Aを参照して説明したとおりである。
【0094】
ステップS608では、本フローとしての処理を終了する。
【0095】
図6Bに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理フローを示す。本フローは、特に、ステップS606及び/又はステップS607の詳細フローとして位置付けられるが、本フローは独立して実施可能である。つまり、本フローの実施にあたり、ステップS601~ステップS605が必ず前提となるのではなく、たとえば、いったんステップS601~ステップS605が実施された後、最新情報の細やかな更新のために、本フローが随時実施されても良い。以下、
図6Bを参照して処理の詳細を説明する。
【0096】
ステップS651では、パッケージ情報の作成が開始される。ここでのパッケージ情報の作成は、必ずしも新規の作成に限定されることはなく、既に作成されたパッケージ情報内容の更新処理の開始であってもよい。
また、すでに説明したとおり、パッケージ情報には種々の情報を含めることができる。そして、パッケージ情報として含められる種々の情報については、それらが同じ種類の情報であるか異なる種類の情報であるかを問わず、階層的に紐付けしたり関連付けたりすることができる。
【0097】
ステップS652では、パッケージ情報を作成ないし更新するために必要な項目単位の情報が取得される。つまり、本ステップでは、対象となるパッケージ情報を構成するすべての情報を取得する必要はなく、例えば、更新のために必要な項目のみ取得するよう細やかに制御することができる。
あるいは、ステップS652では、(1)収集情報提供システムにおいて逐次入手される項目単位の情報に基づいて、(2)その情報がどのパッケージ情報に該当するものか判断するという順序を踏んでもよい。
【0098】
ステップS653では、現在取り扱おうとしているパッケージ情報に対する処理が、新規に発生させる(生成させる)パッケージ情報にあたるか、あるいは、既に生成したパッケージ情報の更新にあたるかが判断される。本ステップにおいて、Yesの場合はステップS655へ進み、Noの場合はステップS654へ進む。
【0099】
ステップS655では、新規に生成されるパッケージ情報に関する日時情報あるいは時間情報を管理するための属性情報をリセットする。ここでの「リセット」は、必ずしも情報の初期化のみをいうのではなく、初期化後のしかるべき日時情報あるいは時間情報のセット(設定)も含まれる。
なお、実施態様によっては、時間情報の初期化(たとえば、カウント時間をゼロとする)のみの場合もあるが、この場合は、時間情報の初期化後に時間計測が開始されることが望ましい。これにより、当該パッケージ情報生成からの経過時間を抽出することができるようになる。
【0100】
ステップS657では、当該パッケージ情報に含まれる画像情報を生成する。本発明の一実施形態においては、ピクトグラムである。一実施形態において、当該パッケージ情報には、ピクトグラムのみが含まれてもよいし、ピクトグラムと文字情報とが含まれてもよい。さらに、複数のピクトグラム及び/または文字の組み合わせが含まれてもよい。
【0101】
また、ステップS657においては、ピクトグラム等の画像情報の生成とともに、当該画像情報を表示制御するための情報(表示制御パターン)をセットすることもできる。これによって、新規に生成したパッケージ情報(ピクトグラムを含む)を新たに媒体のディスプレイ上に表示させるときに、色をかえたり、点滅させたりすることができるようになる。
【0102】
ステップS659では、前ステップまでに生成ないし更新されたパッケージ情報を各種の媒体(各種端末)へ送信する。
【0103】
一方、ステップS654(ステップS653でNoであった場合)では、ステップS655でセットされた日時や時刻、あるいはリセット時刻(カウント時間ゼロ)からの経過時間を取得するために、現在の日時や時刻、あるいは経過カウント時間を取得する。これにより、新規にパッケージ情報を生成してから情報内容の変更事項あるいは更新事項が生じた場合の新規生成時からの経過時間が把握される。
【0104】
次に、ステップS656に進み、ステップS654にて取得された経過時間に基づき、一定時間が経過したかどうかが判断される。一定時間は任意の時間である。例えば、1分、5分、10分、30分、1時間、あるいはその他の時間でもよい。
ステップS656でYesの場合は、ステップ658へ進むが、Noの場合はステップS660へ進み、本フローとしては終了する。
【0105】
ステップS658では、当該パッケージ情報に含まれる画像情報(例えば、ピクトグラム)の表示態様を変更するための表示制御パターン(表示制御命令)がセットされる。本発明の一実施形態においては、この表示制御パターンは、当該パッケージ情報内に格納してもよいし、あるいは、収集情報提供サーバ内の図示しないメモリに記憶して管理してもよい。次に、ステップS659へ進み、変更あるいは追記された表示制御パターンとともにパッケージ情報が各種の媒体(各種端末)へ送信される。あるいは、他の実施形態においては、変更あるいは追記された表示制御パターンは収集情報提供サーバ内の図示しないメモリ上で当該パッケージ情報と関連付けられて記憶管理され、このパッケージ情報識別番号及び表示制御パターンが、対象となる各種の媒体(各種端末)に送信される。
【0106】
これらの情報を受信した各種の媒体(各種端末)では、受信した表示制御パターンに基づいて、対象となるパッケージ情報の表示態様を変更する。
【0107】
ステップS660では、本フローを終了し、システムの他の動作へ適宜復帰する。
【0108】
図7Aに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるピクトグラムの例を示す。ピクトグラム711~713は、気象情報に関するピクトグラムであり、大雨特別警報の状態を表すピクトグラムである。本発明の一実施形態においては、ピクトグラム711~713は個別のパッケージ情報として生成・管理されてもよいし、ピクトグラム711~713までをセットのパッケージ情報として管理することもできる。
また、ピクトグラム711~713は、それぞれパッケージ情報における情報内容の一部として含まれるものであってもよい。
【0109】
図7Aに示されるように、ピクトグラム711には「発表」、ピクトグラム712には「継続」、ピクトグラム713には「解除」との文字情報も含まれる。本発明の一実施形態において、収集情報提供サーバは、気象情報としての大雨特別警報に関する情報を収集してパッケージ情報を生成する。一例として警報発表時にピクトグラム711(「発表」の文字情報を含む)を生成し、各種端末へ送信する(あるいは、各種端末に記憶されているピクトグラム711を表示させるようなコマンドを送出することでもよい)。一実施形態において、警報発表後は、ピクトグラムの下部に「発表」という文字が表示されている。このとき、
図7Aには図示されていないが、予め定められた基準に基づいて事態の深刻度をあらわす数値(一例として、レベル1~レベル5までの5段階が採用されうるが、レベル数に制限はない。)を表示させることもできる。なお、このようなレベル表示は、例示的に、
図12~
図14のディスプレイの左上にピクトグラムとともに「レベル4」といった具合に表示されている。
【0110】
本発明の一実施形態において、上記レベルは、情報発信元サーバから収集される各種情報に付帯される「Extreme(著しく高い)/解除:None」「Severe(高い)/解除:None」「Moderate(中程度)/解除:None」「Minor(低い)/解除:None」といった定義コードを併せて読み取ることによって決定することができる。そして、重大性・緊急性の要素に応じて色調連携ピクトグラム及び数値レベルを時系列要素として対応させたり、情報の入れ替わり及び事実(トンネル内混雑)に応じて予め設定した色調で点灯させたりすることが可能になり、統一された定義コードのもと、情報発信者・情報伝達者・情報受信者がデジタルデバイスあるいはデジタル地図上で情報共有することができるようになる。
【0111】
次に、警報発表後、新たに継続が発表された場合(または、所定時間を経過しても事態が改善しない場合)には、ピクトグラム712に示されるように、「発表」から「継続」の文字に切り替わる。この場合の文字の切り替は、ピクトグラム711からピクトグラム712(新規パッケージ情報)への差し替えが行われてもよい。
図6Bのフローでは、ステップS653においてYesの場合のフローとなる。
あるいは、他の実施形態においては、ピクトグラム711とピクトグラム712の画像部分が共通する場合には、「発表」から「継続」への文字部分の差し替えのみが行われてもよい。
図6Bのフローでは、ステップS653においてNoの場合のフローとなり、ステップS658において、ピクトグラム表示制御パターンの一形態として文字部分の変更がセットされることとなる。
【0112】
次に、
図7Aを参照して例示した大雨特別警報が解除された場合には、同図に示されるピクトグラム713への差し替えが行われる。この制御については、
図6A及び
図6Bを参照して説明したとおりである。
【0113】
図7Bに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるピクトグラムの例を示す。ピクトグラム741a~743aは、避難所情報に関するピクトグラムであり、避難所の状態を表すピクトグラムである。本発明の一実施形態においては、ピクトグラム741a~743aは個別のパッケージ情報として生成・管理されてもよいし、ピクトグラム741a~743aまでをセットのパッケージ情報として管理することもできる。
また、ピクトグラム741a~743aは、それぞれ別のパッケージ情報における情報内容の一部として含まれるものであってもよい。
【0114】
さらに、ピクトグラム741a~743aには、避難所の込み具合をあらわす情報として、文字のみならず、視覚情報も採用している。ピクトグラム741a~743aに示されるように、避難所の込み具合に応じて中央部の人及び建物をあらわす画像を囲む割合を増大させるようにゲージ741b~743bが描かれている。このような描写により、情報を受信する者は、一目で避難所の込み具合を把握できるようになる。
【0115】
図7Cに、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおけるピクトグラムの例を示す。ピクトグラム751a~755aは、交通情報のうち、鉄道・鉄道会社に関するピクトグラムであり、たとえば特定の路線(一部区間を含む)の状態を表すピクトグラムである。本発明の一実施形態においては、ピクトグラム751a~755aは個別のパッケージ情報として生成・管理されてもよいし、ピクトグラム751a~755aまでをセットのパッケージ情報として管理することもできる。
また、ピクトグラム751a~755aは、それぞれ別のパッケージ情報における情報内容の一部として含まれるものであってもよい。
【0116】
ピクトグラム751a~755aにおいては、その程度や状況をあらわす文字情報751b~755bがそれぞれ表示されているが、
図7Eに示されたピクトグラムに限らず、図柄は同じでも背景色を異ならせることで、それぞれの状況をより直観的に伝えることもができる。一例として、ピクトグラム751aの背景色は紫色、ピクトグラム752aの背景色は橙色、ピクトグラム753aの背景色は黄色、ピクトグラム754aの背景色は赤色、ピクトグラム755aの背景色は緑色とすることができる。
【0117】
図8~
図10に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を示す。
図8~
図10に示された端末800、900、1000は同一のものであるが、時系列に沿って表示させる内容が異なっているために、異なった番号を付している。
【0118】
図8において、端末800のディスプレイ上には、ある地域の地図上にその地域のパッケージ情報が表示されている。パッケージ情報は地図上の地域の規模に応じて階層的に構成されており、端末800のディスプレイ上には、この地域に出されている避難勧告に関するパッケージ情報810と、この地域に出されている他のパッケージ情報820と、地図上に表示されている各種パッケージ情報(ピクトグラム)が表示されている。ここでは、パッケージ情報810とパッケージ情報820を区別したがこれに限定されるものではなく、パッケージ情報810及びパッケージ情報820を合わせて1つのパッケージ情報と見ることもできる。さらに、パッケージ情報にはピクトグラムも含まれることから、パッケージ情報810及びパッケージ情報820、ならびに、地図上に表示された各種ピクトグラムを合わせてこの地域のパッケージ情報と呼ぶこともできる。
以下、発明の理解の容易のために、パッケージ情報を適宜区分して説明する。
【0119】
図8において、パッケージ情報810には、レベル表示を含むピクトグラム811と、このピクトグラムに関連する文字情報812とが含まれる。また、パッケージ情報820には、大雨警報に関するピクトグラム821と、洪水警報に関するピクトグラム822と、土砂災害警戒情報に関するピクトグラム823とが含まれる。
【0120】
また、端末800のディスプレイに表示された地図上には各種ピクトグラムがその発生位置や所在位置等を示すにように表示されている。これら全てを説明することはしないが、例えば、現在未開設の避難所を示すピクトグラム831a、831b、鉄道の災害情報を示すピクトグラム841、医療機関の注意情報を示すピクトグラム842、現在混雑している避難所を示すピクトグラム843、港湾の注意情報を示すピクトグラム844、現在混雑している避難所を示すピクトグラム845などである。
【0121】
図9に示された端末900のディスプレイ上には、端末800のディスプレイ上に表示された地図の一部をさらに拡大した地図が表示されている。
【0122】
図9において、ピクトグラム910、920は、ピクトグラム810、820にそれぞれ対応する。ピクトグラム931aは、鉄道の災害情報を示すピクトグラムであるが、地図の縮尺上、表示領域に余裕があるため、関連する文字情報931b(「JR○○線 大雨のために運休」)も表示されている。また、ピクトグラム932a、933aは、避難所を示すピクトグラムであるが、それぞれ関連する文字情報932b、933b(「○○避難所 災害時:開設(混雑)」)も表示されている。また、ピクトグラム934aは、港湾の注意情報を示すピクトグラムであるが、関連する文字情報934b(「○○フェリーターミナル 大雨のために時短営業」)も表示されている。
【0123】
このように、本発明の一実施形態にかかる端末においては、そのディスプレイ上に表示された地図の縮尺に応じて多様なピクトグラム情報を表示させることができる。
【0124】
図10において、端末1000のディスプレイ上には、地図上のピクトグラムをクリックないしタップ等した際に表示されるポップアップ画面例が示されている。なお、ピクトグラム1010、1020は、ピクトグラム810、820にそれぞれ対応する。
【0125】
図10において、ポップアップ画面1030上には、クリックされた避難所を示すピクトグラム1031aに加え、その避難所に関する詳細情報1031bが表示されている。
【0126】
受信者は、地図上に表示されたピクトグラムをクリックないしタップ等することにより、そのピクトグラムに関連付けられた詳細情報を適宜入手することができる。
【0127】
[本発明のさらなる特徴]
図11~
図12に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を示す。ここでは、ホームページ等の情報ページの任意の位置に配置されるウィジェット、及びそのウィジェット内のメニューを選択操作することによってポップアップされるウィンドウの表示位置に関する制御例を示す。
【0128】
図11において、画面1100には、本発明の一実施形態として、ホームページにおけるトップページ1110と、その画面左下に配置された、「気象・防災・公共情報」に関するウィジェットメニュー1111と、ウィジェットメニュー1111における有効情報表示ウィジェット1111aを選択操作したときにポップアップ表示される詳細ウィンドウ1120とが表示されている。一実施形態において、有効情報表示ウィジェット1111aは、地震、津波、台風といった災害に関する有効情報一覧を表示させたり、そのうちの1以上の項目について俯瞰的に詳細表示させたりするための表示要素である。
【0129】
ここで、ウィジェットとは、コンピュータのGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を構成する、何かしらの機能を持った操作要素、表示要素、あるいは部品要素をいう。本発明は、これらに限定されるものではないが、例示的に、デスクトップ画面に表示される検索ウィジェット、時刻を知らせるための時計ウィジェット、天気情報等を伝える気象ウィジェットなどのウィジェットがある。
また、ウィジェットは、ページや画面に埋め込み可能なアプリケーション、または、当該アプリケーションへのショートカットということもできる。
【0130】
図11に示されるとおり、詳細ウィンドウ1120は、ウィジェットメニュー1111の少なくとも一部を覆い隠すように重畳表示されている。その代わり、詳細ウィンドウ1120は、画面1100の領域に対して広い面積を占めるように大きく表示されている。その結果、詳細ウィンドウ1120内には、九州・沖縄地方に台風が接近しており、中心気圧がどれくらいであるとか、大雨や洪水等に関する警報レベルがそれぞれどの程度であるかとった情報を確認できる。さらには、背景となっているその地域の地図とともに、詳細ウィンドウ1120に表示されている地方に関する詳細な発表情報を確認することができる(
図11には、「鹿児島県気象警報・注意報[発表]」という件名の詳細情報が確認できる)。
しかしながら、詳細ウィンドウ1120をあまりに大きく表示し過ぎると、その背面に隠れた情報を読み取りづらくなるという不都合も生じうる。
【0131】
そこで、
図12に示されるように、詳細ウィンドウがウェジットメニューの邪魔にならないように表示させることもできる。
図12では、画面1200、トップページ1210、ウィジェットメニュー1211、有効情報表示ウィジェット1211a、詳細ウィンドウ1220は、それぞれ、
図11における画面1100、トップページ1110、ウィジェットメニュー1111、有効情報表示ウィジェット1111a、詳細ウィンドウ1120に対応している。詳細ウィンドウ1120は、ウィジェットメニュー1211に重畳しないように、ウィジェットメニュー1211の真横にスライドするように表示されている。このような表示制御をすることで、詳細ウィンドウ1220の表示内容(これらは、詳細ウィンドウ1120の表示内容と同様である)の視認性をある程度確保するとともに、このウィンドウを表示させる元となるウィジェットメニュー1211の表示内容の一覧性をも確保することができる。
この場合、本発明の一実施形態において、詳細ウィンドウ1220は、有効情報表示ウィジェット1211aが選択操作されると、ウィジェットメニュー1111の背面から右へスライドするようにして表示制御される。
【0132】
また、本発明の他の実施形態においては、
図11に示された表示形態の利点と
図12に示された表示形態の利点とを併せ持つような表示制御をさせることもできる。この場合、ウィジェットメニュー1111における有効情報表示ウィジェット1111aが選択操作されたあと、
図11に示されるように詳細ウィンドウ1120を表示させ、さらに一定時間経過後(例えば、1秒とか3秒とか5秒など、任意の時間を設定することができる)、
図12に示されるように、詳細ウィンドウをやや縮小させながらウィジェットメニュー1211と重畳しないように移動させる(詳細ウィンドウ1220)。
このような表示制御によって、
図11に示された表示形態の利点と、
図12に示された表示形態の利点とを併存させることができる。
【0133】
なお、詳細ウィンドウ1120を表示させたあと、詳細ウィンドウ1220へ移動させる契機は、一定時間の経過のみに制限されるものではなく、詳細ウィンドウ1120を表示させたあとのユーザ操作(たとえば、詳細ウィンドウ1120中のどこかの位置がタップされたことを検出するなど)を契機としてもよい。
【0134】
(ユーザの所在地に基づく情報提供に関する特徴的動作)
図13に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理フロー例を示す。より具体的には、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムから情報提供を受けるユーザの所在位置に基づいて抽出された情報を、ユーザ端末上の2次元あるいは3次元情報空間に反映して提供する処理フロー例を示している。
【0135】
ステップS1301において、処理を開始すると、ステップS1302へ進み、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバは、図示されない境界データシステムと連携する。この境界データシステムには、ユーザの位置(緯度・経度)及びユーザの位置を含む住所を一方方向あるいは相互に変換可能な公知のデータベースシステムを採用することができる。
【0136】
具体的には、住所から緯度・経度を取得するいわゆるためには、地名・住所を含む文書やある地点を撮影した画像に地理座標を与えたデータを整備することで実現される(ジオコーディング)。こうしたジオコーディングのための情報付加は、手動で行われて整備されるほか、コンピュータ処理により自動化されうる。そうして、こうしたジオコーディング工程の後に、緯度・経度等の座標情報によって特定されるある地点の地図を表示するソフトウェアを連動させることにより、例えば、地名を入力して、該当地点の地図を表示させる地図検索サービスが実現されている。
【0137】
また、緯度・経度等の座標情報を入力として、該当地点の地名・住所を取得するための技術(逆ジオコーディング)には、国土交通省の位置参照情報ダウンロードサービスや農研機構の簡易逆ジオコーディングサービス、GoogleのGeocoding API、YahooのローカルサーチAPIなど、種々のサービスやサービス提供のための技術が存在する。
【0138】
ステップS1303では、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバは、サービス提供先となるユーザ端末からユーザ識別情報を取得する。一実施形態において、このユーザ識別情報には、ユーザ自身を識別するためのユーザID等の個人情報が含まれてもよいが必須情報ではない。また、ユーザ識別情報には、ユーザが使用している端末に関する情報(端末識別IDやMACアドレス、その他端末の個体識別情報)が含まれてもよいが適宜割愛することができる。
【0139】
ステップS1304では、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバは、サービス提供先となるユーザ端末から当該端末(ユーザ)の位置情報を取得する。この位置情報取得には、スマートフォンなどの携帯情報端末が備えるGPS機機能を介して取得され端末から送信された位置情報を利用することができる。
【0140】
ステップS1305では、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバにおいて、前ステップまでに取得したサービス提供先となるユーザ端末の位置情報に基づいて、ユーザ端末が所在している都道府県・市区町村を取得し、現在ユーザが所在している都道府県・市区町村を特定する。続いて、ステップS1306へ進み、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバにおいて、ユーザ端末の位置情報に基づいて、ユーザ端末が所在している国・地域を取得する。
【0141】
ここで、ステップS1305及びステップS1306の順序は入れ替わってもよし、また、1つのステップで、ユーザが所在している国、地域、都道府県、市区町村のすべてを一度に抽出するように処理されてもよい。さらに、本発明の他の実施形態においては、ステップS1305及びステップS1306に相当するステップにおいて、国、地域、都道府県、市区町村の少なくとも1つを必要に応じて取得するように処理されてもよい。
【0142】
次に、ステップS1307へ進み、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける収集情報提供サーバにおいて、サービス提供先となるユーザ端末のために抽出すべき情報対象エリアが確定される。この情報対象エリアは、提供される情報がどのエリアに適用される情報であるのかに着目した場合の当該エリアである。本発明の一実施形態において、ユーザ端末(ユーザA)の現在の所在地が東京都新宿区西新宿2丁目8-1であるとすると、本ステップで確定される情報対象エリアは、次表のとおり確定される。
【表4】
上表では、ユーザ端末(ユーザA)の現在位置を含む最も多くの地域・所在地階層を示しているが、ステップS1307では、ユーザの所在地に関わる全ての階層を割り出す必要はない。また、確定される情報対象エリアは、システム側の設定やユーザによる設定に応じて、あるいは、災害等の状況の変化に応じて、適宜取捨選択されたり、選択した項目の切り替えが行われたりする。
【0143】
また、上表では、所在地の大小分類として最も小さな分類が「西新宿二丁目」となっているが、これはあくまでも例示である。また、時代によって行政区画が整理されて名称や区割りが変わることもある。この実施例の説明では、上表の分類を前提とし、また「西新宿二丁目」は、分類上最も小さな行政区域であるものとする。
【0144】
(階層ごとの情報対象エリアコードの規格化)
本発明の一実施形態においては、上表の右欄のように、所在地の大小分類に応じた地域・所在地ごとに情報対象エリアコード(以下、単に「エリアコード」ともいう)によって管理されている。上表のリストは、東京都新宿区西新宿2丁目8-1に所在するユーザが属する地域・所在地の階層ごとのリストということもできる。ここで留意すべき点は、所在地の大小分類として最も小さな分類である「西新宿二丁目」に対応するエリアコードCHは、その上位のエリアコードCA~CGに内包される関係にあるということである。
【0145】
視点を変えれば、「新宿区」を表すエリアコードCGは、エリアコードCH(西新宿二丁目)以外の他の町名(例えば、新宿区内の「新宿一丁目」~「新宿七丁目」、「神楽坂一丁目」~「神楽坂六丁目」までの各町、「市谷八幡町」、「新小川町」、「信濃町」といった他の多くの地名である)を表すエリアコードの和集合として表される。
【0146】
また、「東京都」を表すエリアコードCFは、新宿区以外の22区や、多摩地域にある市町村、伊豆諸島や小笠原諸島といった島嶼部にある町村を表すエリアコードの和集合として表される。
【0147】
そこで、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいては、地域・所在地階層ごとのエリアコードが、それぞれどのような下位構成のコードの和集合として成り立っているか、さらには、各階層にあるエリアコードが、所在地の大小分類として最も小さな分類(最小単位の分類)としてのエリアコードのみで表した場合にどのような和集合となるかが階層的に管理されている。そして、全ての階層におけるエリアコードが、最小単位の分類としてのエリアコードの和集合として管理される点は、情報対象エリアコードが規格化されているということができる。
以上のエリアコードに関する管理の概念例を所在地「千葉県千葉市」を軸にして表すと、下表のとおりとなる。
【0148】
【表5】
上表の最上段は、階層例であり、例示的に0次~3次までの4階層に区分されている。中段はそれぞれの階層におけるエリアの範囲例を示しており、下段はそれぞれのエリアの具体例を示している。千葉県は南関東に含まれるので、南関東というエリアに対して広域コード(0次コード)が割り当てられている。この次元での他の広域コード例は、「北関東」、「甲信越」、「北陸」、「東海」などがある。そして、千葉県というエリアに対しては都道府県コード(1次コード)が割り当てられている。この次元での他の都道府県例には、「北海道」から「沖縄」までの47都道府県がある。
また、千葉市は、千葉県でも北西部に位置するので、北西部というエリアに対して都道府県の細分化コード(2次コード)が割り当てられている。このような2次コードを採用する理由は、一例として、気象情報が都道府県内の細分化エリアごとに区分されて発信されることを想定したものである。なお、千葉県に対する気象情報は、千葉県「北西部」、同「北東部」、同「南部」というエリア単位で発信されることがある。そして、千葉市というエリアに対しては、市区町村コード(3次コード)が割り当てられている。この次元での他の市区町村には、「銚子市」、「市原市」、「勝浦市」、「九十九里町」、「長生村」などがある。
【0149】
本発明の他の実施形態においては、上記以外の階層(区分)や割り当てを採用することもできる。例えば、0次コード(南関東)を他の括り(例えば、首都圏)で区分したり、南関東よりも広域のエリアコード(例えば、関東地方)を導入したり、3次コード(千葉市)をさらに4次コード(例えば、中央区、稲毛区、美浜区など)に細分化して管理したりするなどである。
【0150】
ふたたび
図13に戻り、説明を継続すると、ステップS1308では、前ステップまでに確定した情報対象エリアに基づき、集約情報処理が行われる。一実施形態において、集約情報処理は、情報発信元サーバから収集した情報の解析・抽出等の処理である。あるいは、すでに収集情報提供サーバに蓄積されている収集情報に対するフィルタリング処理が行われてもよい。また、ステップS1308における集約情報処理には、出願人が既に特許出願をして登録に至った特許第6620369号に開示されている技術を採用することができる。
【0151】
ステップS1309では、前ステップにおいて処理された情報が出力され、提供先のユーザ端末に向けて送信される。このとき、本発明の一実施形態においては、ユーザ端末の画面上に構成される移動情報空間へ出力情報を反映させることもできる。
【0152】
そして、ステップS1310へ進み、本フローの処理としては終了する。
【0153】
(情報対象エリアコードの規格化に関するさらなる説明)
情報対象エリアコードの規格化の利点等について、別の視点から説明する。一般に、国民の安全を図るための情報提供は、国や政府から全国民に対して提供されるレベルを除くと、基本的に都道府県ごとに提供される(例えば、感染症拡大防止策に関する情報が都道府県ごとにその住民に対して提供されるなど)。
【0154】
また、災害時におけるライフライン(携帯電話等の通信網、電気・水道・ガスなど)の状況等の通知も都道府県ごとに提供されることが考えられる。一方で、気象庁からの情報提供は、その情報の種別ごとに対象エリアと細分化具合が異なることがある(ある情報は都道府県よりも広域の単位で、また、別の情報は道県を細分化したエリアごとになど)。
そして、住民に対する避難情報や避難所情報は、都道府県よりも小さな単位(市区町村など)で提供されることが考えられる。
【0155】
本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいては、情報提供元サーバからの提供情報の対象エリアが種々の階層レベルに散らばっていたとしても、それぞれを最小単位のエリアコードの和集合でとらえるように規格化されることで、ユーザの現在位置を最小単位のエリアコードに変換できた場合に複合的で統一された情報提供を行うことができる。その関係を下表に示す。
【表6】
上表右欄のような情報対象エリアの構成として管理することで、次のような利点があることがあらためて確認される。
・都道府県単位の分類処理が容易となる。
・九州、四国などの地方単位の分類が容易となる。
・災害名ごとの分類処理を容易に行える。
・例えば、位置情報を行政界地図データと連携することで、空間移動を伴うユーザに対する適切な情報提供が可能となる。
・任意の地域の時系列推移の分析が容易となる。
・任意の地域やエリアごとの時系列データの切り出しが容易となり、ビックデータとしての活用する場合の有用性が向上する。
【0156】
また、情報対象エリアコードの規格化概念についてのさらに別の説明として、情報対象エリアを大分類(1次)・中分類(2次)・小分類(3次)に分けたとき、それぞれの分類に着目した場合の上位エリアコードや下位コードの関係が下表のとおりであるとする。
【表7】
上表の関係にある場合、本発明の一実施形態において、大分類コードAは、次のように管理される。
(大分類コードA)=(中分類コードA)+(中分類コードB)
=(小分類コードA)+(小分類コードB)+(小分類コードC)
+(小分類コードD)+(小分類コードE)+(小分類コードF)
+(小分類コードG)+(小分類コードH)+(小分類コードI)
【0157】
また、中分類コードB、中分類コードGは、それぞれ次のように管理される。
(中分類コードB)=(小分類コードF)+(小分類コードG)+(小分類コードH)
+(小分類コードI)
(中分類コードG)=(小分類コードX)+(小分類コードY)
【0158】
本発明の一実施形態において、概念的には、上表のように管理することができるが、実装上は、リレーショナルデータベース上などで、適宜さらに正規化及び/最適化して関係性を保持させることもできる。
【0159】
さらに、それぞれの階層の分類コードに着目した場合に、自身がどの上位コードに属するのかについての関係性も容易に導けるように保持させたり、容易に検索できるように構成したりすることもできる。この場合、小分類A,小分類F、中分類Gを起点とした場合の上位コードは、それぞれ次のように導かれる。
(小分類コードA)→(中分類コードA)→(大分類コードA)
(小分類コードF)→(中分類コードB)→(大分類コードA)
(中分類コードG)→(大分類コードC)
【0160】
以上のような構成によって、ユーザ(端末)の現在位置に基づいて導かれるあらゆる階層の情報対象エリアへ向けた多様な配信情報をひとまとめにして当該ユーザ(端末)に対して提供できるようになる。より具体的には、大型台風に見舞われたユーザ(端末)の現在所在地が「千葉県南房総市富浦町」であった場合には、上記の情報対象エリアの関係性を導きだし、
(1)広域エリアである「南関東」を対処として発令されている災害情報を取得。
(2)都道府県としての「千葉県」が提供している災害時行政情報を取得。
(3)気象庁が提供している「千葉県南部」を対象とした気象情報を取得。
(4)市区町村レベルとしての「南房総市」が提供している避難情報を取得。
(5)市区町村レベルとしての「富浦町」が提供している避難場所情報を取得。
というように、複合的な情報を統一した観点から容易に取得することができる。
【0161】
図14に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける処理概念例を示す。
図14に示される領域1400は、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムが把握しているユーザ1421~1423の所在地を含む地図情報である。また、一点破線で表された1410は、行政区の境界(例えば、市と市の境界線)を表している。この境界線1410によって隔てられた右側が行政区Aであり、左側が行政区Bである。
図14に示されるとおり、ユーザ1421及び1423の現在の所在地は、行政区A内であり、ユーザ1422の現在の所在地は、行政区B内であることがわかる。
【0162】
ここで、仮に、距離のみに基づいたサービス情報提供を想定した場合、例えば、地点1450(ここに店舗があるなど)から所定距離内(領域1451内)にいるユーザに対してサービス情報提供(タイムサービス情報提供など)を行おうとした場合には、ユーザ1421及び1422は、地点1450を起点とした場合の情報提供を受けられるが、ユーザ1423は地点1450から所定距離外にあるのでこの情報提供を受けられないことになる。しかしながら、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムによれば、ユーザの現在の所在地(住所や行政地域)に基づく情報提供を行うので、ユーザ1421及び1423には、行政区Aからの情報提供を行い、ユーザ1422には、行政区Bからの情報提供を行うことができる。そして、各ユーザに対しては、それぞれが所在している行政区の情報のみならず、それぞれの行政区が属する上位の地域等の情報提供を行うことができる(その場合、ユーザ1421~1423は、上位地域からの共通の情報提供を受ける場合もあろう)。
【0163】
このように、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムによれば、単にユーザからの距離だけに留まらない複合的で統一された観点からの情報提供が可能となる。
【0164】
図15に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を示す。
図15に示された1510、1520は、それぞれユーザ端末画面上のウィジェットメニュー例であるが、ウィジェットメニュー1510及び1520に表示されている内容の違いは、ウィジェットメニュー1520には、広域情報欄1590が追加されていることである。この広域情報欄1590が表示される契機は、本発明の一実施形態において、(a)災害規模が大きくなってきたので、広く共通の情報を多くのユーザに発信する必要が生じた場合、(b)当該ユーザが所在する地域等における全域停電(ブラックアウト)等が発生したために、他地域の情報の提供が必要になった場合、(c)当該ユーザの関係者(遠方の親類など)が所在する地域等における情報提供を当該ユーザから要求された場合等が想定される。
【0165】
一実施形態において、ウィジェットメニュー1510は、タイトル欄1511、気象関連ウィジェット1512、国民保護関連ウィジェット1513、避難関連ウィジェット1514、有効情報一覧ウィジェット1515、利用規約欄1516、及びロゴ表示欄1517から構成されている。それぞれのウィジェットは、押下等の選択をされることによって詳細画面へ遷移したり、ポップアップ表示されたり、スライド表示されたりする(ポップアップ表示、スライド表示については、
図11、
図12を参照して説明したとおりである)。
【0166】
また、ウィジェットメニュー1510の中には、ウィジェットそれ自体に概要情報を表示するものもある。例えば、気象関連ウィジェット1512上には、ユーザの現在地「鹿児島市」と、現在地を含む地域の最高気温/最低気温、降水確率、及び現在の天気を示すアイコンが表示されている。また、国民保護関連ウィジェット1513には、現在通知する情報がないことが表示されている。避難関連ウィジェット1514には、現在避難情報が発令中であることが表示されている(当然、このウィジェットを押下等すると詳細画面が現れるなどする)。有効情報一覧ウィジェット1515には、略丸い形状のアイコンが複数表示されており、各アイコンが意味する警報等が実際に発令されるなどにより、点灯したり点滅したりする。
【0167】
ウィジェットメニュー1520の中の、1521~1527は、1511~1517にそれぞれ対応する。ここでは、ウィジェット1525と1526との間に、広域情報ウィジェット1590が新たに表示されている。広域情報ウィジェット1590が表れる契機は上述したとおりである。
【0168】
なお、本発明はこれに限定されるものではないが、一実施形態においては、広域情報ウィジェット1590が表れる契機を緊急時開放システム作動時としてもよい。この緊急時開放システムは、一実施形態において、全域停電(ブラックアウト)等が発生した際に当該地域への情報提供を他地域へ提供された情報によって補完するために作動する緊急時システムという位置付けを担う。
【0169】
図16に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおける情報処理装置(受信者端末)の表示例を示す。
図16に示されたウィジェットメニュー1610は、ウィジェットメニュー1520に対応する(1611~1617は、1521~1527にそれぞれ対応する)。ここでは、ウィジェット1690を押下等することにより、詳細ウィンドウ画面1621~1622、並びに、1631~1634が、
図11、
図12を参照して説明したポップアップ形式またはスライド形式で、あるいは、他の公知の方法で表示される様子を概念的に示している。
【0170】
ウィンドウ1621には、地域選択のための全国地図が表示されている。ここでは、ユーザは任意の地方・地域を選択可能であるが、当該ユーザの現在地(鹿児島市)を含む広域情報提供が優先される場合には、システム側により九州地方が予め選択されるように制御されてもよい。
【0171】
ウィンドウ1622には、九州地方の災害情報・避難情報等が視覚的に表示されている。これらの情報は、複数の情報提供元から収集した多くの情報を整理して視覚化表示させたものである。ウィンドウ1622では、ユーザは任意の市区町村を選択可能であるが、特定の市区町村に関する情報提供が優先される場合には、システム側により当該市区町村が予め選択されるように制御されてもよい。
【0172】
ウィンドウ1631~1634には、一実施形態において現在選択中の市区町村に関する避難指示や避難所情報が表示される。これらの情報内容それ自体は、
図8~
図12を参照して説明した情報等を含むものであり、さらに、単にユーザからの距離だけに留まらない複合的で統一された観点から収集・整理された情報が提供される。
【0173】
[情報提供に関するバリエーション]
図16を参照した説明の一部を除き、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいては、ユーザ端末(ユーザ)の現在位置を含む最も多くの地域・所在地階層に関する情報が、当該ユーザ端末(ユーザ)に対して提供される例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該ユーザ端末(ユーザ)の現在位置以外の任意の地点を含む多くの地域・所在地階層に関する情報が、当該ユーザ端末(ユーザ)に対して提供されるように制御することもできる。この場合、当該ユーザ端末(ユーザ)の現在位置以外の任意の地点は、当該ユーザによって指定可能に、あるいは、システム側によって設定可能に制御される。
【0174】
以上、具体例に基づき、情報提供システム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0175】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0176】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0177】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0178】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0179】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0180】
10 情報提供システム
11 収集情報提供サーバ
12 データベースサーバ
13a~13c 情報発信元サーバ
14a 電子看板(各種端末の一形態)
14b 携帯電話(各種端末の一形態)
14c タブレット端末(各種端末の一形態)
16a~16c、17a~17c、18 通信回線
19a、19b 公衆回線(専用線、インターネット等)