(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025282
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】調理器具システムおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
F24C 7/04 20210101AFI20220203BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20220203BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20220203BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220203BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20220203BHJP
【FI】
F24C7/04 301A
F24C7/04 301Z
F24C3/12 E
H05B6/12 304
G06Q30/06 350
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128016
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203862
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 香代子
(72)【発明者】
【氏名】安福 洋伸
(72)【発明者】
【氏名】祝 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】坂上 大希
(72)【発明者】
【氏名】岸 栄一
(72)【発明者】
【氏名】松村 寛樹
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
5L049
【Fターム(参考)】
3K151CA61
3K151CA63
3L087AA03
3L087AA04
3L087AA20
3L087BA04
3L087BC01
3L087DA24
5L049BB68
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】調理器具のリース使用を使用者においてより好ましく受けることが可能な調理器具システムおよびサーバを提供する。
【解決手段】調理器具システム1は、ガスコンロ10と、外部通信網40を介してガスコンロ10と通信可能なサーバ50と、を備える。ガスコンロ10は、当該ガスコンロ10の使用状況を監視する使用状況監視部111aと、使用状況に関する使用状況情報をサーバに送信する使用状況送信部133aと、を備える。また、サーバ50は、使用状況送信部133aから受信した使用状況情報に基づいてガスコンロ10の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部501aと、課金情報の送信先アドレスをガスコンロ10に対応付けて記憶する記憶部502と、外部通信網40を介して課金情報を送信先アドレスに送信する課金情報送信部501bと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具と、
外部通信網を介して前記調理器具と通信可能なサーバと、を備え、
前記調理器具は、
当該調理器具の使用状況を監視する使用状況監視部と、
前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部と、を備え、
前記サーバは、
前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記調理器具の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、
前記課金情報の送信先アドレスを前記調理器具に対応付けて記憶する記憶部と、
前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項2】
請求項1に記載の調理器具システムにおいて、
前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、
前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成する、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の調理器具システムにおいて、
前記調理器具は、ガスコンロであり、
前記使用状況情報は、前記ガスコンロのガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の調理器具システムにおいて、
前記調理器具は、誘導加熱型コンロであり、
前記使用状況情報は、前記誘導加熱型コンロの使用電力量および使用時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の調理器具システムにおいて、
前記調理器具は、レンジフードであり、
前記使用状況情報は、前記レンジフードのファン回転時間およびファン回転数の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の調理器具システムにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成する、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の調理器具システムにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用料金が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更する、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の調理器具システムにおいて、
前記調理器具は、近距離無線通信部を備え、
前記使用状況送信部は、前記近距離無線通信部を介して、前記使用状況情報を前記サーバに送信する、
ことを特徴とする調理器具システム。
【請求項9】
外部通信網を介して調理器具と通信可能なサーバであって、
前記調理器具は、当該調理器具の使用状況を監視する使用状況監視部と、前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部とを備え、
前記サーバは、
前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記調理器具の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、
前記課金情報の送信先アドレスを前記調理器具に対応付けて記憶する記憶部と、
前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバにおいて、
前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、
前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項11】
請求項9または10に記載のサーバにおいて、
前記調理器具は、ガスコンロであり、
前記使用状況情報は、前記ガスコンロのガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項12】
請求項9または10に記載のサーバにおいて、
前記調理器具は、誘導加熱型コンロであり、
前記使用状況情報は、前記誘導加熱型コンロの使用電力量および使用時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項13】
請求項9または10に記載のサーバにおいて、
前記調理器具は、レンジフードであり、
前記使用状況情報は、前記レンジフードのファン回転時間およびファン回転数の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項14】
請求項9ないし13の何れか一項に記載のサーバにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項15】
請求項9ないし14の何れか一項に記載のサーバにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用料金が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更する、
ことを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロ等の調理器具とサーバとを備える調理器具システム、および外部通信網を介して調理器具と通信可能なサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスコンロや電磁調理器等の調理器具が家庭内で用いられている。また、近年、インターネット等の外部通信網を介して、サーバから、調理器具に関する情報を使用者の端末に送信するシステムが開発されている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1に記載の情報提供システムでは、ガスコンロの表示部に、情報管理サーバのアドレスを示す識別コードが表示される。ユーザ端末は、ガスコンロの表示部に表示された識別コードを読み取り手段で読み取って、情報管理サーバに接続する。情報管理サーバは、ユーザ端末の要求に応じたガスコンロに関する情報をユーザ端末に送信する。これにより、当該ガスコンロの取扱説明書や、当該ガスコンロを用いた料理のレシピ等の情報が、ユーザ端末に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、調理器具のリース事業が展開されている。このリース事業では、月極の固定額を事業主に支払う方式が採用されている。しかし、調理器具の使用状況は、月ごとに変動し得る。このため、使用者は、調理器具の使用が少ない月に他の月と同様の固定額を支払うと、不合理感を持ってしまう。こうなると、使用者は、調理器具のリース使用を中止し兼ねず、事業主にとっても、リース事業の展開を円滑に進めにくくなる。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、調理器具のリース使用を使用者においてより好ましく行うことが可能な調理器具システムおよびサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、調理器具システムに関する。この態様に係る調理器具システムは、調理器具と、外部通信網を介して前記調理器具と通信可能なサーバと、を備える。ここで、前記調理器具は、当該調理器具の使用状況を監視する使用状況監視部と、前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部と、を備える。また、前記サーバは、前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記調理器具の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、前記課金情報の送信先アドレスを前記調理器具に対応付けて記憶する記憶部と、前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える。
【0008】
本態様に係る調理器具システムによれば、調理器具の使用状況に基づいて使用料金が設定される。これにより、使用料金の単位設定期間において、調理器具の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバから送信先アドレスに送信されて、使用者に通知される。これにより、使用者は、予め、課金の状況を把握でき、調理器具の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、調理器具のリース使用をより好ましく継続できる。
【0009】
本態様に係る調理器具システムにおいて、前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0010】
この構成によれば、使用状況情報が、所定期間において少なくとも1回サーバに送信されるため、サーバは、当該所定期間における調理器具の使用状況を把握でき、受信した使用状況情報に基づいて、当該所定期間における課金情報を円滑に生成できる。
【0011】
本態様に係る調理器具システムにおいて、前記調理器具は、たとえば、ガスコンロとされ得る。この場合、前記使用状況情報は、前記ガスコンロのガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間の少なくとも1つを含み得る。
【0012】
調理器具がガスコンロである場合、使用状況情報を上記のように設定することにより、サーバにおいて、ガスコンロの使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0013】
あるいは、本態様に係る調理器具システムにおいて、前記調理器具は、誘導加熱型コンロとされ得る。この場合、前記使用状況情報は、前記誘導加熱型コンロの使用電力量および使用時間の少なくとも1つを含み得る。
【0014】
このように、調理器具が誘導加熱型(IH)コンロである場合に、使用状況情報を上記のように設定することにより、サーバにおいて、誘導加熱型コンロの使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0015】
あるいは、本態様に係る調理器具システムにおいて、前記調理器具は、レンジフードとされ得る。この場合、前記使用状況情報は、前記レンジフードのファン回転時間およびファン回転数の少なくとも1つを含み得る。
【0016】
このように、調理器具がレンジフードである場合に、使用状況情報を上記のように設定することにより、サーバにおいて、レンジフードの使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0017】
本態様に係る調理器具システムにおいて、前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0018】
また、前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用料金が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更するよう構成され得る。
【0019】
このように、調理器具の使用状況に応じて使用料金の設定方法を調整することにより、使用者は、より好意的に、調理器具のリース使用を継続することができ、事業主は、より円滑にリース事業を進めることができる。
【0020】
本態様に係る調理器具システムにおいて、前記調理器具は、近距離無線通信部を備え得る。この場合、前記使用状況送信部は、前記近距離無線通信部を介して、前記使用状況情報を前記サーバに送信するよう構成され得る。
【0021】
この構成によれば、調理器具が使用状況情報を送信する際の消費電力を抑制できる。よって、たとえば、調理器具が電池電源を用いる構成である場合に、電池電源の消耗を抑制でき、より円滑に、使用状況情報をサーバに送信できる。
【0022】
本発明の第2の態様は、外部通信網を介して調理器具と通信可能なサーバに関する。ここで、前記調理器具は、当該調理器具の使用状況を監視する使用状況監視部と、前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部とを備える。本態様に係るサーバは、前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記調理器具の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、前記課金情報の送信先アドレスを前記調理器具に対応付けて記憶する記憶部と、前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える。
【0023】
本態様に係るサーバによれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0024】
本態様に係るサーバにおいて、前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0025】
また、前記調理器具が、ガスコンロである場合、前記使用状況情報は、前記ガスコンロのガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間の少なくとも1つを含み得る。
【0026】
あるいは、前記調理器具が、誘導加熱型(IH)コンロである場合、前記使用状況情報は、前記誘導加熱型コンロの使用電力量および使用時間の少なくとも1つを含み得る。
【0027】
あるいは、前記調理器具が、レンジフードである場合、前記使用状況情報は、前記レンジフードのファン回転時間およびファン回転数の少なくとも1つを含み得る。
【0028】
また、本態様に係るサーバにおいて、前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0029】
また、前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記調理器具の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用量が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更するよう構成され得る。
【0030】
これらの構成によれば、それぞれ、上記第1の態様の対応する構成による効果と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0031】
以上のとおり、本発明によれば、調理器具のリース使用を使用者においてより好ましく行うことが可能な調理器具システムおよびサーバを提供することができる。
【0032】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る、調理器具システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る、ガスコンロの燃焼系の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る、調理器具システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る、課金データベースの構成を示す図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(c)は、それぞれ、実施形態1に係る、単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
図5(d)~
図5(f)は、それぞれ、実施形態1に係る、総使用累積値が所定の閾値を超えた場合の単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態1に係る、サーバの制御部において行われる課金情報の生成および送信の処理を示すフローチャートである。
図6(b)は、実施形態1に係る、総使用累積値に基づいて使用料金の設定方法を変更するための処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態2に係る、調理器具システムの構成を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態2に係る、調理器具システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態2に係る、課金データベースの構成を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態3に係る、調理器具システムの構成を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態3に係る、調理器具システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態3に係る、課金データベースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0035】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る調理器具システム1の構成を示す図である。
【0036】
実施形態1では、調理器具としてガスコンロ10が使用者にリースされる場合のビジネスモデルが、調理器具システム1において構築されている。ガスコンロ10は、当該ガスコンロ10の使用状況に関する使用状況情報を、外部通信網40を介して、サーバ50に送信する。サーバ50は、受信した使用状況情報に基づいて、当該ガスコンロ10の使用料金を算出し、算出した使用料金を含む課金情報を、当該ガスコンロ10に対応付けられている携帯端末装置30に送信する。使用者は、携帯端末装置30を介して、ガスコンロ10の課金情報を確認できる。使用料金は、たとえば、月締めで算出される。
【0037】
図1に示すように、調理器具システム1は、ガスコンロ10と、サーバ50とを備える。携帯端末装置30が宅内H10にある場合、サーバ50は、ルータ20および外部通信網40を介して、携帯端末装置30と通信可能である。また、サーバ50は、携帯端末装置30が宅外にある場合も、外部通信網40および宅外に配置された公共の通信システム(基地局や民間のルータ)を介して、携帯端末装置30と通信可能である。
【0038】
ガスコンロ10は、天面にコンロ部11を備える。たとえば、3つのコンロ部11が、ガスコンロ10の天面に配置される。コンロ部11は、ガスを燃料として燃焼するガスバーナと、鍋等を設置するためのごとくとを備える。さらに、ガスコンロ10は、本体中央にグリル部12を備える。グリル部12には、上下にグリルバーナが設けられ、グリルバーナの燃焼によりグリル調理が行われる。グリル部12は、ガスコンロ10の前面の扉により開閉可能である。
【0039】
グリル部12の右側および左側に、それぞれ、コンロ部11用の3つの操作ツマミ13aと、グリル部12用の操作ツマミ14aとが設けられている。右側の3つの操作ツマミ13aは、天面に配置された3つのコンロ部11に対応付けられている。操作ツマミ13a、14aは、ガスコンロ10の前面に対して面一の状態から押し込まれることにより、ガスコンロ10の前面から突出し、再度、この状態から押し込まれることにより、ガスコンロ10の前面に対して面一な状態に係止される。
【0040】
操作ツマミ13aがガスコンロ10の前面に対して面一な状態から押し込まれて突出することにより、対応するコンロ部11が所定の火力で点火される。その後、操作ツマミ13aが回転されることにより、コンロ部11の火力が調整される。操作摘まみ13aが突出位置から押し込まれることにより、コンロ部11が消化される。操作ツマミ14aについても、同様の操作により、グリル部12の点火および消化と火力調整が行われる。
【0041】
3つの操作ツマミ13aの下方に、カンガルーポケット型の操作パネル13bが配置されている。操作パネル13bには、コンロ部11に関する所定の設定を入力するための複数の操作キーが配置されている。また、操作ツマミ14aの下方にも、カンガルーポケット型の操作パネル14bが配置されている。操作パネル14bには、グリル部12に関する所定の設定を入力するための複数の操作キーが配置されている。
【0042】
3つの操作ツマミ13aの上方に、電源スイッチ15が配置されている。電源スイッチ15は、ガスコンロ10に電源を投入するためのスイッチである。使用者は、電源スイッチ15を操作することにより、ガスコンロ10に対して電源のオン、オフを切り替えることができる。
【0043】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40に接続するための通信中継器である。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0044】
外部通信網40には、ガスコンロ10を管理するためのサーバ50が接続されている。ガスコンロ10は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。
【0045】
ガスコンロ10には、調理器具システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ50からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報が含まれている。ガスコンロ10は、このアドレス情報に基づいて、サーバ50にアクセスし、通信を行う。
【0046】
ガスコンロ10のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。さらに、ガスコンロ10のID情報(識別情報)が、ガスコンロ10からサーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。
【0047】
また、ガスコンロ10のID情報に対応付けて、携帯端末装置30のアドレス情報が、サーバ50に登録される。たとえば、携帯端末装置30が受信可能な電子メールのアドレス情報(Emailアドレス)が、携帯端末装置30のアドレス情報として登録される。後述のように、サーバ50は、このアドレス情報を送信先アドレスとして、当該携帯端末装置30に対応付けられているガスコンロ10の課金情報を送信する。
【0048】
図2は、ガスコンロ10の燃焼系の構成を示す図である。
【0049】
ガスコンロ10は、燃焼系の構成として、ガスバーナ101~103と、グリルバーナ104、105を備える。
【0050】
ガスバーナ101~103は、上述の3つのコンロ部11にそれぞれ設置される。グリルバーナ104、105は、グリル部12に設置される。グリルバーナ104は下側のバーナであり、グリルバーナ105は上側のバーナである。
【0051】
ガスバーナ101~103に着火を行うための点火器111~113と、グリルバーナ104、105に着火を行うための点火器114、115が設けられている。また、ガスバーナ101~103が着火したことを検出するための熱電対121~123と、グリルバーナ104、105が着火したことを検出するための熱電対124、125が設けられている。
【0052】
ガスバーナ101~103およびグリルバーナ104、105には、配管130~134を介して、燃料ガス(以下、単に「ガス」という)が供給される。配管130から、4つの配管131~134が分岐し、さらに配管134から2つの配管134a、134bが分岐している。配管131~133が、それぞれ、ガスバーナ101~103に接続され、配管134a、134bが、それぞれ、グリルバーナ104、105に接続されている。
【0053】
配管130には、ガスの導通および遮断を制御するための元ガス電磁弁140が設けられている。また、配管131~134には、それぞれ、ガスの導通および遮断を制御するための安全弁141~144が設けられている。さらに、配管131~134には、それぞれ、ガスの流量を制御するための流量調節弁(以下、「流調弁」という)151~154が設けられている。流調弁151~154は、ステッピングモータ151a~154aによって駆動され、開放量が制御される。この他、配管134bには、ガスの流通を遮断するための閉止電磁弁161が設けられている。
【0054】
元ガス電磁弁140と、安全弁141~144および閉止電磁弁161が開放されることにより、ガスバーナ101~103とグリルバーナ104、105にガスが供給される。ステッピングモータ151a~154aにより流調弁151~154の開放量が調節されることにより、ガスバーナ101~103とグリルバーナ104、105に供給されるガスの量が調節される。グリル部12において、下側のグリルバーナ104のみが用いられる場合、閉止電磁弁161が閉じられる。こうして、コンロ部11およびグリル部12において、燃焼動作が行われる。
【0055】
図3は、調理器具システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0056】
ガスコンロ10は、制御部171と、記憶部172と、操作部173と、駆動部174と、検出部175と、無線通信部176とを備える。制御部171は、マイクロコンピュータを備え、記憶部172に記憶されたプログラムに従って、ガスコンロ10内の各部の制御を行う。記憶部172は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0057】
操作部173は、
図1に示した操作ツマミ13a、14aや、操作パネル13b、14bに配置された操作キーを含む。駆動部174は、
図2に示した点火器111~115や、元ガス電磁弁140および流調弁151~154等、ガスコンロの駆動系を駆動するための駆動源(ステッピングモータ151a~154a等)および駆動回路を備える。検出部175は、
図2に示した熱電対121~125等の各種センサを備える。
【0058】
無線通信部176は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、ガスコンロ10のID情報として、無線通信部176のID情報(たとえば、MACアドレス)が登録される。
【0059】
本実施形態では、記憶部172に記憶された制御プログラム(調理器具システムのアプリケーションプログラム)によって、使用状況監視部171aの機能と、使用状況送信部171bの機能が、制御部171に付与される。
【0060】
使用状況監視部171aは、ガスコンロ10の使用状況を監視し、使用状況に関する使用状況情報を生成する。使用状況送信部171bは、使用状況監視部171aで生成されたガスコンロ10の使用状況に関する使用状況情報を、サーバ50に送信する。
【0061】
使用状況監視部171aは、たとえば、
図2の熱電対121~125により燃焼が検知されている期間において、流調弁151~154の開閉量で規定されるガス流量に基づき、所定の算出式により、ガスコンロ10のガス燃焼量を算出する。あるいは、使用状況監視部171aは、
図2の熱電対121~125により燃焼が検知されている期間を、ガスコンロ10のガス燃焼時間として検出する。あるいは、使用状況監視部171aは、
図1の電源スイッチ15がON状態にある期間を、ガスコンロ10の電源ON時間として検出する。使用状況監視部171aは、これらの検出結果を、ガスコンロ10の使用状況を示す使用状況情報として取得する。
【0062】
使用状況送信部171bは、使用状況監視部171aで生成された使用状況情報を、所定のタイミングで、自身のID情報とともに、サーバ50に送信する。使用状況送信部171bは、ガスコンロ10の使用料金を算出するための単位設定期間(たとえば、1ヶ月)において、少なくとも1回、使用状況情報を、無線通信部176を介して、サーバ50に送信する。
【0063】
たとえば、単位設定期間に1回だけ使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部171bは、当該単位設定期間について使用状況監視部171aが生成した使用状況情報(たとえば、上述のガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間の何れか)を累積し、累積結果を、サーバ50に送信する。あるいは、単位設定期間に複数回、使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部171bは、前回の送信時から今回の送信時までの間に使用状況監視部171aが生成した使用状況情報(たとえば、上述のガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間の何れか)を累積し、累積結果を、各回の送信時に、サーバ50に送信する。この他、使用状況送信部171bは、使用状況監視部171aがガスコンロ10の使用に応じて使用状況情報を生成するごとに、生成した使用状況情報をサーバ50に送信してもよい。
【0064】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503を備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0065】
本実施形態では、記憶部502に記憶された制御プログラムによって、課金情報生成部501aの機能と、課金情報送信部501bの機能が、制御部501に付与される。
【0066】
課金情報生成部501aは、ガスコンロ10の使用状況送信部171bから受信した使用状況情報に基づいて、単位設定期間におけるガスコンロ10の使用料金を算出し、算出した使用料金を含む課金情報を生成する。課金情報送信部501bは、課金情報生成部501aによって生成された課金情報を、当該ガスコンロ10に対応付けられている携帯端末装置30に送信する。
【0067】
図4は、サーバ50の記憶部502に保持されている課金データベースの構成を示す図である。
【0068】
図4において、「ガスコンロID」とは、ガスコンロ10のID情報(無線通信部176のID情報)を意味する。「期間使用累積値」とは、現在進行中の単位設定期間におけるガスコンロ10の使用累積値を意味する。「総使用累積値」とは、ガスコンロ10の使用開始時(リース開始時)から現在までのガスコンロ10の使用累積値を意味する。「使用料金」とは、期間使用累積値に基づいて算出される使用料金を意味する。「送信先アドレス」とは、課金情報の送信先アドレスを意味する。本実施形態では、送信先アドレスとして、携帯端末装置30が受信可能な電子メールのアドレス情報(Emailアドレス)が設定される。
【0069】
「期間使用累積値」は、現在進行中の単位設定期間において、ガスコンロ10から受信した使用状況情報を累積して求めた値である。たとえば、使用料金の算出にガスコンロ10のガス燃焼量が用いられる場合、現在進行中の単位設定期間において、ガスコンロ10から使用状況情報として受信したガス燃焼量を累積することにより、期間使用累積値が算出される。また、使用料金の算出にガスコンロ10のガス燃焼時間または電源オン時間が用いられる場合、現在進行中の単位設定期間において、ガスコンロ10から使用状況情報として受信したガス燃焼時間または電源オン時間を累積することにより、期間使用累積値が算出される。
【0070】
なお、単位設定期間において、ガスコンロ10から使用状況情報が1回しか送信されない場合、すなわち、単位設定期間の終了時に、当該単位設定期間における使用状況情報の累積値がガスコンロ10からサーバ50に送信される場合、
図4の期間使用累積値には、この累積値がそのまま保持される。
【0071】
「総使用累積値」は、ガスコンロ10の使用開始時(リース開始時)から現在まで、ガスコンロ10の使用累積値を累積して求められる。より詳細には、
図2の制御部501は、
図4の期間使用累積値を更新するごとに、更新前後の期間使用累積値の差分値を更新前の総使用累積値に加算して、総使用累積値を更新する。
【0072】
「使用料金」は、期間使用累積値に所定のルールを適用して求められる。使用料金は、
図2の課金情報生成部501aにより求められる。課金情報生成部501aは、単位設定期間において、使用状況情報に基づくガスコンロ10の期間使用累積値の増加に伴い使用料金が上昇するように、使用料金を設定する。
【0073】
図5(a)~
図5(c)は、それぞれ、単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
【0074】
図5(a)の設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い、使用料金がリニアに増加する。この設定方法では、期間使用累積値がゼロ(または、誤差程度の閾値以下)である場合、ガスコンロ10の使用料金はゼロに設定される。
【0075】
図5(b)の設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い、使用料金が初期金額M1からリニアに増加する。この設定方法では、期間使用累積値がゼロ(または、誤差程度の閾値以下)である場合、ガスコンロ10の使用料金は初期金額M1に設定されるが、初期金額M1は、全使用者における平均的な使用頻度の場合に求められる使用料金よりも数段低額(たとえば1/10程度)に設定される。
【0076】
図5(c)の設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い、使用料金が初期金額M2からステップ状に増加する。この設定方法では、期間使用累積値がゼロ(または、誤差程度の閾値以下)である場合、ガスコンロ10の使用料金は初期金額M2に設定される。この場合も、初期金額M2は、全使用者における平均的な使用頻度の場合に求められる使用料金よりも数段低額に設定される。
【0077】
なお、使用料金の設定方法は、
図5(a)~
図5(c)に示した設定方法に限られるものではない。たとえば、
図5(a)および
図5(b)に示した設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い使用料金がリニアに増加したが、たとえば、期間使用累積値の増加に伴い使用料金の増加率が徐々に小さくなるように、使用料金が設定されてもよい。また、
図5(c)の設定方法では、各ステップの幅と高さがそれぞれ一定であったが、各ステップの幅と高さが所定の規則で変化するように設定されてもよい。たとえば、使用累積値が大きくなるに伴い、ステップの幅が長くなるように、各ステップが設定されてもよい。
【0078】
本実施形態では、
図4の総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、単位設定期間における使用料金が、総使用累積値が閾値を超えない場合に比べて低額になるように、使用料金の設定方法が変更される。
【0079】
図5(d)~
図5(f)は、それぞれ、総使用累積値が所定の閾値を超えた場合の単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
【0080】
ここでは、総使用累積値が所定の閾値を超えると、
図5(a)~
図5(c)の使用料金の設定方法が、それぞれ、
図5(d)~
図5(f)の使用料金の設定方法に変更される。
図5(d)~
図5(f)に示すように、変更後の使用料金の設定方法は、変更前の使用料金の設定方法に比べて、期間使用累積値に対する使用料金の増加率が小さくなっている。これにより、総使用累積値が閾値を超えることを条件に、同じ期間使用累積値に対する使用料金が減額される。
【0081】
なお、使用料金の減額の方法は、これに限られるものではなく、他の方法であってもよい。たとえば、
図5(b)、(c)の設定方法では、総使用累積値が閾値を超えたことを条件に、さらに、初期金額M1、M2が減額されてもよく、あるいは、期間使用累積値に対する使用料金の増加率は
図5(b)、(c)の設定方法のまま維持されて、初期金額M1、M2のみが
図5(b)、(c)の設定方法から減額されてもよい。また、
図5(a)の設定方法では、総使用累積値が閾値を超えたことを条件に、期間使用累積値の増加に伴い使用料金の増加率が、
図5(a)の増加率から徐々に小さくなるように、使用料金が設定されてもよい。
【0082】
図4の課金データベースには、このような設定方法に基づいて、期間使用累積値に対して設定された使用料金が、「使用料金」の欄に保持される。課金データベースには、それぞれのガスコンロIDに対応付けられて、当該ガスコンロIDで特定されるガスコンロ10の期間使用累積値、総使用累積値、使用料金および送信先アドレスが保持される。
【0083】
図6(a)は、サーバ50の制御部501において行われる課金情報の生成および送信の処理を示すフローチャートである。
【0084】
制御部501は、ガスコンロ10から使用状況情報を受信すると(S101:YES)、使用状況情報とともに受信したID情報に基づいて、
図4の課金データベース上におけるガスコンロIDを特定する。そして、制御部501は、特定したガスコンロIDに対応付けられている期間使用累積値および総使用累積値を、ステップS101で受信した使用状況情報に基づいて更新する(S102)。その後、制御部501は、課金のための単位設定期間(たとえば1ヶ月)が経過したか否か、すなわち、単位設定期間が終了したか否かを判定する(S103)。
【0085】
単位設定期間が経過していない場合(S103:NO)、制御部501は、処理をステップS101に戻して同様の処理を繰り返す。これにより、制御部501は、ガスコンロ10から使用状況情報を受信するごとに(S101:YES)、課金データベース上において当該ガスコンロのID情報に対応付けられている期間使用累積値および総使用累積値を更新する。
【0086】
単位設定期間が経過すると(S103:YES)、制御部501は、
図2の課金情報生成部501aの機能により、当該単位設定期間における課金情報を生成する(S104)。具体的には、制御部501は、課金データベース上の期間使用累積値を、
図5(a)~
図5(f)の例示した設定方法に適用して、当該単位設定期間に対する使用料金を設定する。
【0087】
たとえば、
図5(a)または
図5(b)の設定方法が用いられる場合、制御部501は、この設定方法を規定する算出式に期間使用累積値を適用して、当該単位設定期間に対する使用料金を算出する。また、
図5(c)の設定方法が用いられる場合、制御部501は、たとえば、この設定方法を規定するテーブルにおいて、期間使用累積値に対応付けられている使用料金を抽出し、抽出した使用料金を、当該単位設定期間に対する使用料金として取得する。
【0088】
制御部501は、こうして取得した使用料金を、該当するガスコンロ10のID情報に対応付けて、課金データベースに登録する。そして、制御部501は、登録した使用料金と、課金データベースにおいて当該ID情報に対応付けられている期間使用累積値および課金対象の単位設定期間を示す情報とにより、当該単位設定期間の課金情報を生成する。
【0089】
その後、制御部501は、生成した課金情報を、課金情報送信部501bの機能により、当該ガスコンロ10に対応付けられている携帯端末装置30に送信する(S105)。具体的には、制御部501は、課金データベースにおいて、ガスコンロ10のID情報に対応付けられている送信先アドレス(ここでは、Emailアドレス)に対し、課金情報を送信する。これにより、制御部501は、
図6(a)における処理を終了する。
【0090】
ガスコンロ10の使用者は、
図6(a)のステップS105において送信された課金情報を、自身の携帯端末装置30において参照できる。これにより、使用者は、当該単位設定期間における自身のガスコンロ10の使用状況と、これによる使用料金を円滑に把握できる。
【0091】
図6(b)は、総使用累積値に基づいて使用料金の設定方法を変更するための処理を示すフローチャートである。この処理は、サーバ50の制御部501が、課金情報生成部501aの機能により行う。
【0092】
サーバ50の制御部501は、ガスコンロ10から受信した使用状況情報に基づいて、課金データベース上の総使用累積値を更新した場合に(S111:YES)、更新後の総使用累積値Vtが、所定の閾値Vthを超えたか否かを判定する(S111)。ここで、閾値Vthは、ガスコンロ10が平均的な使用状況で使用された場合に、所定期間(たとえば、1年ないし数年)の継続使用により、総使用累積値Vtが到達する程度の値に設定される。
【0093】
総使用累積値Vtが閾値Vthを超えていない場合(S112:NO)、制御部501は、処理をステップS111に戻す。他方、総使用累積値Vtが閾値Vthを超えた場合(S112:YES)、制御部501は、使用料金の設定方法を、使用料金がより減額される設定方法に変更する(S113)。設定方法の変更は、たとえば、
図5(d)~
図5(f)に例示した方法により行われる。これにより、制御部501は、
図6(b)の処理を終了する。
【0094】
こうして、使用料金の設定方法が変更されると、制御部501(課金情報生成部501a)は、変更後の設定方法に基づいて、
図6(a)のステップS104における課金情報の生成を行う。たとえば、単位設定期間の途中で総使用累積値Vtが閾値Vthを超えた場合、制御部501は、当該単位設定期間における使用料金を、変更後の設定方法により設定する。あるいは、単位設定期間の途中で総使用累積値Vtが閾値Vthを超えた場合、制御部501は、当該単位設定期間における使用料金は変更前の設定方法により設定し、次の単位設定期間から、使用料金を、変更後の設定方法により設定してもよい。
【0095】
このように、使用料金が減額されることにより、使用者は、長期に亘って安心かつより好ましく、ガスコンロ10を使用し続けることができる。
【0096】
なお、使用料金の設定方法の変更は、必ずしも、1回に限られなくてもよい。たとえば、互いに異なる値の閾値Vthを複数設定し、総使用累積値Vtが各閾値を超えるごとに、使用料金がより減額される設定方法に、使用料金の設定方法が変更されてもよい。このように、複数回に亘って使用料金が減額されると、使用者は、より一層好ましく、ガスコンロ10を使い続けることができる。
【0097】
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、以下の効果が奏され得る。
【0098】
図5(a)~
図5(c)に示したように、ガスコンロ10の使用状況に基づいて使用料金が設定される。これにより、使用料金の単位設定期間において、ガスコンロ10の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバ50から送信先アドレスに送信されて、使用者に通知される。これにより、使用者は、使用料金の支払い前に、予め、課金の状況を把握でき、ガスコンロ10の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、ガスコンロ10のリース使用をより好ましく継続できる。
【0099】
図2に示した構成において、使用状況送信部171bは、所定期間(単位設定期間)において、少なくとも1回、使用状況情報をサーバ50に送信し、課金情報生成部501aは、当該所定期間において受信した使用状況情報に基づいて、当該所定期間における課金情報を生成する。この成によれば、使用状況情報が、所定期間において少なくとも1回サーバ50に送信されるため、サーバ50は、当該所定期間におけるガスコンロ10の使用状況を把握でき、受信した使用状況情報に基づいて、当該所定期間における課金情報を円滑に生成できる。
【0100】
ここで、使用状況情報は、ガスコンロ10のガス燃焼量、ガス燃焼時間および電観オン時間の少なくとも1つを含んでいる。使用状況情報をこのように設定することにより、サーバ50において、ガスコンロ10の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0101】
また、
図5(a)~
図5(f)および
図6(b)に示したように、課金情報生成部501aは、使用状況情報に基づくガスコンロ10の使用開始時からの総使用累積値Vtが所定の閾値Vthを超えたことを条件に、単位設定期間における使用料金が、総使用累積値Vtが閾値Vthを超えない場合に比べて低額になるように、使用料金の設定方法を変更する。このように、ガスコンロ10の使用状況に応じて使用料金の設定方法を調整することにより、使用者は、より好意的に、ガスコンロ10のリース使用を継続でき、また、事業主は、より円滑にリース事業を進めることができる。
【0102】
<実施形態2>
上記実施形態1では、ガスコンロ10がリース対象の調理器具とされたが、実施形態2では、コイルに流れる電流により金属製の調理用具(鍋、ヤカン等)に熱を生じさせる誘導加熱型コンロ(以下、「IHコンロ」という)が、リース対象の調理器具とされる。
【0103】
図7は、IHコンロ60がリース対象とされる場合の調理器具システム1の構成を示す図である。
【0104】
IHコンロ60は、天面に誘導加熱式のヒータ61が配置されている。たとえば、3つのヒータ61が、IHコンロ60の天面に配置される。天面には、操作入力を行うための操作パネル(図示せず)が配置されている。また、IHコンロ60の本体左側には、グリル部62が配置される。グリル部62には、上下に電熱線からなるヒータが配置されている。グリル部62は、IHコンロ60の前面に配置された扉により開閉可能である。
【0105】
実施形態2においても、IHコンロ60は、ルータ20を介してサーバ50と通信可能である。IHコンロ60の使用状況に関する使用状況情報が、IHコンロ60からサーバ50に送信される。サーバ50は、受信した使用状況情報に基づいて、IHコンロ60の課金情報を生成し、生成した課金情報を携帯端末装置30に送信する。
【0106】
図8は、実施形態2に係る、調理器具システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0107】
IHコンロ60は、制御部601と、記憶部602と、操作部603と、駆動部604と、検出部605と、無線通信部606とを備える。制御部501は、マイクロコンピュータを備え、記憶部602に記憶されたプログラムに従って、IHコンロ60内の各部の制御を行う。記憶部602は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0108】
操作部603は、IHコンロ60の天面に配置された操作パネルを含む。駆動部604は、
図7に示すヒータ61や、グリル部62に配置されたヒータを含む。検出部605は、IHコンロ60に配置された各種センサを備える。
【0109】
無線通信部606は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、IHコンロ60のID情報として、無線通信部606のID情報(たとえば、MACアドレス)が登録される。
【0110】
本実施形態2では、記憶部602に記憶された制御プログラム(調理器具システムのアプリケーションプログラム)によって、使用状況監視部601aの機能と、使用状況送信部601bの機能が、制御部601に付与される。
【0111】
使用状況監視部601aは、IHコンロ60の使用状況を監視し、使用状況に関する使用状況情報を生成する。使用状況監視部601aは、たとえば、IHコンロ60の使用時に、3つのヒータ61や、グリル部62の上下のヒータ等の駆動部604の駆動より消費される使用電力量を検出する。あるいは、使用状況監視部601aは、調理において使用される3つのヒータ61およびグリル部62の上下のヒータの使用時間を検出する。使用状況監視部601aは、これらの検出結果を、IHコンロ60の使用状況を示す使用状況情報として取得する。
【0112】
使用状況送信部601bは、使用状況監視部601aで生成された使用状況情報を、所定のタイミングで、自身のID情報とともに、サーバ50に送信する。上記実施形態1と同様、使用状況送信部601bは、IHコンロ60の使用料金を算出するための単位設定期間(たとえば、1ヶ月)において、少なくとも1回、使用状況情報を、無線通信部606を介して、サーバ50に送信する。
【0113】
たとえば、単位設定期間に1回だけ使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部601bは、当該単位設定期間について使用状況監視部601aが生成した使用状況情報(たとえば、上述の使用電力量および使用時間の何れか)を累積し、累積結果を、サーバ50に送信する。あるいは、単位設定期間に複数回、使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部601bは、前回の送信時から今回の送信時までの間に使用状況監視部601aが生成した使用状況情報(たとえば、上述の使用電力量および使用時間の何れか)を累積し、累積結果を、各回の送信時に、サーバ50に送信する。この他、使用状況送信部601bは、使用状況監視部601aがIHコンロ60の使用に応じて使用状況情報を生成するごとに、生成した使用状況情報をサーバ50に送信してもよい。
【0114】
本実施形態2においても、サーバ50の制御部501は、IHコンロ60から受信する使用状況情報に基づいて、
図4と同様の課金データベースを記憶部502に構築する。この場合、
図9に示すように、課金データベースは、IHコンロ60のID情報(無線通信部606のID情報)を「IHコンロID」として登録し、このID情報に対応づけて、各IHコンロ60の「期間使用累積値」、「総使用累積値」、「使用料金」および「送信先アドレス」を保持する。「期間使用累積値」および「総使用累積値」は、たとえば、上述の使用電力量または使用時間の累積値が用いられる。「使用料金」は、たとえば、
図5(a)~
図5(f)に示した設定方法と同様の設定方法により、単位設定期間の「期間使用累積値」を用いて設定される。
【0115】
さらに、制御部501は、
図6(a)、(b)の処理を実行して、使用料金を含む課金情報を生成し、生成した課金情報を、課金データベースの登録されている送信先アドレスに送信する。上記実施形態1と同様、送信先アドレスは、たとえば、携帯端末装置30が受信可能な電子メールのアドレス情報(Emailアドレス)である。
【0116】
本実施形態2においても、上記実施形態1と同様、IHコンロ60の使用状況に基づいて使用料金が設定されるため、使用料金の単位設定期間において、IHコンロ60の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバ50から送信先アドレスに送信されて、使用者に通知されるため、使用者は、予め、課金の状況を把握でき、IHコンロ60の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、IHコンロ60のリース使用をより好ましく継続できる。
【0117】
また、使用状況情報は、IHコンロ60の使用電力量および使用時間の少なくとも1つを含んでいる。本実施形態2のように、調理器具がIHコンロ60である場合、使用状況情報をこのように設定することにより、サーバ50において、IHコンロ60の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0118】
<実施形態3>
実施形態3では、調理の際にコンロから生じる排煙を屋外に導出するレンジフードが、リース対象の調理器具とされる。
【0119】
図10は、レンジフード70がリース対象とされる場合の調理器具システム1の構成を示す図である。
【0120】
レンジフード70は、下部が上部よりも前後に幅広な形状を有し、下面に吸気口を備える。レンジフード70の下部前面には、レンジフード70の動作状態を設定するための操作パネル71が配置されている。また、レンジフード70の内部には、吸気口から屋外に空気の流れを生成するためのファン72が配置されている。レンジフード70は、たとえば、
図1に示したガスコンロ10の上方に設置される。
【0121】
実施形態3においても、レンジフード70は、ルータ20を介してサーバ50と通信可能である。レンジフード70の使用状況に関する使用状況情報が、レンジフード70からサーバ50に送信される。サーバ50は、受信した使用状況情報に基づいて、レンジフード70の課金情報を生成し、生成した課金情報を携帯端末装置30に送信する。
【0122】
図11は、実施形態3に係る、調理器具システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0123】
レンジフード70は、制御部701と、記憶部702と、操作部703と、駆動部704と、検出部705と、無線通信部706とを備える。制御部701は、マイクロコンピュータを備え、記憶部702に記憶されたプログラムに従って、レンジフード70内の各部の制御を行う。記憶部702は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0124】
操作部703は、レンジフード70の下部前面に配置された操作パネル71を含む。駆動部704は、
図7に示すファン72を含む。検出部705は、レンジフード70に配置された各種センサを備える。
【0125】
無線通信部706は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、レンジフード70のID情報として、無線通信部706のID情報(たとえば、MACアドレス)が登録される。
【0126】
本実施形態2では、記憶部702に記憶された制御プログラム(調理器具システムのアプリケーションプログラム)によって、使用状況監視部701aの機能と、使用状況送信部701bの機能が、制御部701に付与される。
【0127】
使用状況監視部701aは、レンジフード70の使用状況を監視し、使用状況に関する使用状況情報を生成する。使用状況監視部701aは、たとえば、レンジフード70の使用時に、ファン72の駆動開始から駆動終了までの時間(ファン回転時間)を検出する。あるいは、使用状況監視部701aは、レンジフード70の使用時に、ファン72の総回転数(ファン回転数)を検出する。ファン回転数は、たとえば、操作パネル71への操作によって設定されたファン強度に対応する単位時間当たりのファン72の回転数に、ファン72の駆動時間を乗算することにより算出される。使用状況監視部701aは、これらの検出結果を、レンジフード70の使用状況を示す使用状況情報として取得する。
【0128】
使用状況送信部701bは、使用状況監視部701aで生成された使用状況情報を、所定のタイミングで、自身のID情報とともに、サーバ50に送信する。上記実施形態1と同様、使用状況送信部701bは、レンジフード70の使用料金を算出するための単位設定期間(たとえば、1ヶ月)において、少なくとも1回、使用状況情報を、無線通信部706を介して、サーバ50に送信する。
【0129】
たとえば、単位設定期間に1回だけ使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部701bは、当該単位設定期間について使用状況監視部701aが生成した使用状況情報(たとえば、上述のファン回転時間およびファン回転数の何れか)を累積し、累積結果を、サーバ50に送信する。あるいは、単位設定期間に複数回、使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部701bは、前回の送信時から今回の送信時までの間に使用状況監視部701aが生成した使用状況情報(たとえば、上述のファン回転時間およびファン回転数の何れか)を累積し、累積結果を、各回の送信時に、サーバ50に送信する。この他、使用状況送信部701bは、使用状況監視部701aがレンジフード70の使用に応じて使用状況情報を生成するごとに、生成した使用状況情報をサーバ50に送信してもよい。
【0130】
本実施形態2においても、サーバ50の制御部501は、レンジフード70から受信する使用状況情報に基づいて、
図4と同様の課金データベースを記憶部502に構築する。この場合、
図12に示すように、課金データベースは、レンジフード70のID情報(無線通信部706のID情報)を「レンジフードID」として登録し、このID情報に対応づけて、各レンジフード70の「期間使用累積値」、「総使用累積値」、「使用料金」および「送信先アドレス」を保持する。「期間使用累積値」および「総使用累積値」は、たとえば、上述のファン回転時間またはファン回転数の累積値が用いられる。「使用料金」は、たとえば、
図5(a)~
図5(f)に示した設定方法と同様の設定方法により、単位設定期間の「期間使用累積値」を用いて設定される。
【0131】
さらに、制御部501は、
図6(a)、(b)の処理を実行して、使用料金を含む課金情報を生成し、生成した課金情報を、課金データベースの登録されている送信先アドレスに送信する。上記実施形態1と同様、送信先アドレスは、たとえば、携帯端末装置30が受信可能な電子メールのアドレス情報(Emailアドレス)である。
【0132】
本実施形態3においても、上記実施形態1と同様、レンジフード70の使用状況に基づいて使用料金が設定されるため、使用料金の単位設定期間において、レンジフード70の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバ50から送信先アドレスに送信されて、使用者に通知されるため、使用者は、予め、課金の状況を把握でき、レンジフード70の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、レンジフード70のリース使用をより好ましく継続できる。
【0133】
また、使用状況情報は、レンジフード70のファン回転時間およびファン回転数の少なくとも1つを含んでいる。本実施形態3のように、調理器具がレンジフード70である場合、使用状況情報をこのように設定することにより、サーバ50において、レンジフード70の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0134】
<変更例>
上記実施形態では、課金情報の送信先が携帯端末装置30であったが、課金情報の送信先はこれに限られるものではない。たとえば、宅内H10に配置された据え置き型パーソナルコンピュータ等の固定端末装置が、課金情報の送信先であってもよい。この場合、課金情報は、たとえば、当該固定端末装置で受信可能な電子メールのアドレスに設定されればよい。
【0135】
また、課金情報の送信は、必ずしも、電子メールにより行われなくてもよく、他の方法により行われてもよい。たとえば、携帯端末装置30に対するプッシュ通知によって、課金情報の通知が行われてもよい。この場合、課金データベースに登録される送信先アドレスは、携帯端末装置30に対してプッシュ通知を行うためのアドレス情報に変更される。
【0136】
また、課金情報が、サーバ50からガスコンロ10やIHコンロ60、レンジフード70に送信されて、これらの調理器具において表示されてもよい。この場合、ルータ20がサーバ50とこれらの調理器具の無線通信部との間の通信を中継することにより、サーバ50からこれらの調理器具に課金情報が送信される。
【0137】
また、
図6(a)のフローチャートでは、単位設定期間の終了時点で課金情報が送信先アドレスに送信されたが、単位設定期間の中間地点等、単位設定期間内の所定の時点で、当該時点までの使用料金を含む課金情報が、送信先アドレスに送信されてもよい。これにより、使用者は、単位設定期間の途中において、各調理器具の使用料金および使用状況を把握でき、当該単位設定期間における使用料金を予測できる。また、使用者は、単位設定期間の途中において、各調理器具の使用料金および使用状況を把握することにより、適宜、その後の調理器具の使用頻度等を修正することができる。
【0138】
また、上記実施形態1~3では、課金のための単位設定期間として、たとえば1ヶ月が例示されたが、単位設定期間はこれに限られるものではない。たとえば、単位設定期間が、2ヶ月や3ヶ月等の他の期間に設定されてもよい。
【0139】
また、調理器具の使用状況を示す使用状況情報は、上記実施形態1で例示したガスコンロ10のガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間や、上記実施形態2で例示したIHコンロの電力使用量および使用時間、あるいは、上記実施形態3で例示したレンジフード70のファン回転時間およびファン回転数に限られるものではなく、調理器具の使用状況に基づき使用料金を設定可能な限りにおいて、他の情報であってもよい。たとえば、実施形態1において、3つの操作ツマミ13aおよび操作ツマミ14aの少なくとも1つが突出状態にある時間が、使用状況情報として用いられてもよい。また、実施形態2において、操作パネルに、IHコンロ60の電源をオン/オフに切り替えるためのキーが含まれる場合、IHコンロ60の電源オン時間が、使用状況情報として用いられてもよい。同様に、実施形態3において、レンジフード70の電源オン時間が、使用状況情報として用いられてもよい。
【0140】
また、上記実施形態1では、使用状況情報として例示された複数のパラメータ(上記ではガス燃焼量、ガス燃焼時間および電源オン時間)の何れか1つが、使用料金の設定に用いられたが、これらのパラメータの2つ以上を所定のルール(たとえば算出式)で組み合わせることによって、使用料金を設定するための期間使用累積値が取得されてもよい。この点は、実施形態2、3においても同様である。
【0141】
また、上記実施形態1では、使用状況監視部171aおよび使用状況送信部171bがガスコンロ10に設けられたが、使用状況監視部171aおよび使用状況送信部171bの配置はこれに限られるものではない。たとえば、ガスコンロ10とルータ20との間にガスコンロ10用の制御装置が介在する場合、この制御装置に使用状況送信部171bが設けられてもよく、さらに、この制御装置に使用状況監視部171aが設けられてもよい。この点は、実施形態2、3においても同様である。
【0142】
なお、このように使用状況監視部が制御装置に配置される場合、制御装置に対し、使用状況を監視するための情報(たとえば、
図2の熱電対121~125の検知結果や、流調弁151~154の開閉量等)が随時送信される。使用状況監視部は、受信した情報に基づいて、調理器具の使用状況を監視する。
【0143】
また、調理器具の構成は、上記実施形態1~3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、ガスコンロ10にブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信部が配置され、この近距離無線通信部を介して、ガスコンロ10からサーバ50に使用状況情報が送信されてもよい。この場合、たとえば、ガスコンロ10と近距離無線通信が可能な携帯端末装置30がガスコンロ10に接近したタイミングで、ガスコンロ10から携帯端末装置30に使用状況情報が送信され、その後、携帯端末装置30からルータ20を介してサーバ50に使用状況情報が送信される。
【0144】
この変更例では、予め、サーバ50から携帯端末装置30に、調理器具システム1のアプリケーションブログラムがダウンロードされる。このアプリケーションプログラムには、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報が含まれている。また、サーバ50は、各ガスコンロ10に対応付けて、携帯端末装置30のID情報と、携帯端末装置30にアクセスするためのアドレス情報とを保持している。携帯端末装置30とガスコンロ10とが近距離無線通信により接続されると、携帯端末装置30は、上記アプリケーションプログラムにより、ガスコンロ10から使用状況情報を取得し、取得した使用状況情報をサーバ50に送信する。これにより、上記実施形態と同様の処理が、サーバ50において行われる。この構成は、ガスコンロ10以外の調理器具に対しても適宜適用され得る。
【0145】
このように、使用状況情報の送信に近距離無線通信を用いると、調理器具が使用状況情報を送信する際の消費電力を抑制できる。よって、たとえば、調理器具が電池電源を用いる構成である場合に、電池電源の消耗を抑制でき、より円滑に、使用状況情報をサーバに送信できる。なお、電池が電源に用いられる場合、調理器具は、未送信の使用状況情報を不揮発性メモリに保持しておき、電池交換に応じて、未送信の使用状況情報を、近距離無線通信を介して、サーバ50に送信すればよい。
【0146】
また、調理器具システム1を構成する調理器具は、上記実施形態1~3に示した調理器具に限られるものではなく、他の調理器具であってもよい。たとえば、調理器具システム1を構成する調理器具が、電子レンジやオーブンレンジであってもよく、あるいは、コンロ機能を有さないガスレンジであってもよい。
【0147】
また、上記実施形態1~3では、使用状況監視部、使用状況送信部、課金情報生成部および課金情報送信部が、制御プログラムによるソフトウエアの機能により実現されたが、これらがロジック回路を用いたハードウエアにより実現されてもよい。
【0148】
また、
図6(b)の処理が省略されて、使用料金の設定方法が1種類に固定されてもよい。
【0149】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0150】
1 調理器具システム
10 ガスコンロ
40 外部通信網
50 サーバ
60 IHコンロ
70 レンジフード
171a、601a、701a 使用状況監視部
171b、601b、701b 使用状況送信部
501a 課金情報生成部
501b 課金情報送信部