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特開2022-25313情報提供装置、情報提供プログラム及び情報提供システム
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  • 特開-情報提供装置、情報提供プログラム及び情報提供システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025313
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供プログラム及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20220203BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220203BHJP
【FI】
G16H20/60
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128064
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】503362784
【氏名又は名称】栢 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】栢 孝文
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】食品に関する情報をユーザに有効に提供する。
【解決手段】複数のユーザに向けた習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて尋ねる問診データをユーザ端末100に送信し、その問診データに対する回答を受信する通信手段210と、当該回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について学習済みのAI装置300から健康評価を取得して数値化する数値化手段240と、数値化手段240によって数値化された健康評価を含んでおり、ユーザ端末100でダウンロード可能なページを作成する作成手段250と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザに対して習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて問診を行う問診手段と、
前記問診手段による問診に対する回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について健康評価を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された健康評価を含んでおりユーザ端末でダウンロード可能なページを作成する作成手段と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記作成手段によって作成されたページの内容を特定のユーザからの前記回答に基づいてフィルタリングするフィルタリング手段を備える、請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記作成手段は、前記ページに食品を購入可能なECサイトにおける該当ページを示す情報を含める、請求項1記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記取得手段は、複数のユーザの問診データに対する回答を学習データとして学習済みの人工知能装置に対して、他のユーザからの問診データを入力した場合の出力を健康評価とする、請求項1記載の情報提供装置。
【請求項5】
複数のユーザに対して習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて問診を行うステップと、
前記問診に対する回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について健康評価を取得するステップと、
前記取得した健康評価を含んでおりユーザ端末でダウンロード可能なページを作成するステップと、
を含む、情報提供プログラム。
【請求項6】
請求項1記載の情報提供装置と、
前記ユーザ端末と、
前記作成手段によって作成されたページが蓄積されるサーバと、
を備える、情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供プログラム及び情報提供システムに関し、特に、食品に含まれる原材料と健康被害との観点から注文すべき商品を支援する、情報提供装置、情報提供プログラム及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、消費者の健康管理を行うにあたって重要な食品製品情報の管理方法を提供する食品製品情報の管理方法が開示されている。この食品製品情報の管理方法は、食品製品の食品添加物表示をスマートフォン等のカメラ機能を利用して撮影を行い、食品添加物表示の画像を得る。次に、所定のアプリケーションを利用して、食品添加物表示の画像を所定のデジタルデータに変換し、インターネット回線を介してサーバに送信し、サーバに保存する、というものである。特許文献1の発明によれば、食品添加物を取得して、食品と食品添加物とを一体化して、消費者が食品を購入する際に、食品のみならず食品添加物の提供をも受けられる、とされている。
【0003】
【特許文献1】特開2015-82189号公報の要約書及び(0081)段落
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている発明は、今日において1000種類近く食品添加物が存在するので、食品添加物に精通している専門家又はこれと同程度の知識を有する者でなければ、そもそもある原材料名に接した場合に、それが食品添加物を示すか否かについてすら、把握できないといえる。
【0005】
また、特定の食品添加物は所定の安全試験に合格していても、その食品添加物が別の食品とともに飲食された場合、その食べ合わせについての安全試験はなされておらず、また、この十分な実証データも存在しない。そうすると、例えば、ユーザが何らかの症状の原因が自身の体質にあると思っていたとしても、実は食品の摂取に原因があるという可能性があることは否めない。
【0006】
このような事情に照らすと、特許文献1に開示されている発明では、折角取得した食品添加物の情報が、ユーザにとって有効に活用しきれているとは言い難く、これを改善することが求められている。
【0007】
付言すると、食品の販売は、いわゆる実店舗のみならず、いわゆるECサイトでも行われているが、商品パッケージ等に記載されている原材料が、ECサイトに必ずしも掲載されていないことが実情である。このため、ECサイトを通じて食品を購入しようとしたユーザが、例えば、食品添加物が極力含まれていない食品や、非食品添加物であってもあまり体にとって良くないものが極力含まれていない食品を選択したいと考えても容易ではない。
【0008】
また、例えばユーザの外食時に、ユーザがレストランで料理を注文する際に、店舗によって多少の原材料の相違はあるとしても、ユーザとしては、一般的に、どのような料理を選択すればよいかという情報を知りたいという要望もある。
【0009】
そこで、本発明は、食品に関する情報をユーザに有効に提供することを課題とする。
【0010】
また、本発明は、食品の購入時、外食の料理の注文時に、健康に関する情報を有効活用することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の情報提供装置は、
複数のユーザに対して習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて問診を行う問診手段と、
前記問診手段による問診に対する回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について健康評価を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された健康評価を含んでおりユーザ端末でダウンロード可能なページを作成する作成手段と、
を備える。
【0012】
すなわち、本発明の情報提供装置を一例として図1に基づいて説明すると、複数のユーザに向けた習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて尋ねる問診データをユーザ端末100に送信し、その問診データに対する回答を受信する通信手段210と、当該回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について学習済みのAI装置300から健康評価を取得して数値化する数値化手段240と、数値化手段240によって数値化された健康評価を含んでおり、ユーザ端末100でダウンロード可能なページを作成する作成手段250と、を備える。
【0013】
さらに、前記作成手段によって作成されたページの内容を特定のユーザからの前記回答に基づいてフィルタリングするフィルタリング手段を備えることもできる。
【0014】
前記作成手段は、前記ページに食品を購入可能なECサイトにおける該当ページを示す情報を含めることができる。
【0015】
前記取得手段は、複数のユーザの問診データに対する回答を学習データとして学習済みの人工知能装置に対して、他のユーザからの問診データを入力した場合の出力を健康評価としてもよい。
【0016】
また、本発明の情報提供プログラムは、
複数のユーザに対して習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて問診を行うステップと、
前記問診に対する回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について健康評価を取得するステップと、
前記取得した健康評価を含んでおりユーザ端末でダウンロード可能なページを作成するステップと、
を含む。
【0017】
さらに、本発明の情報提供システムは、
上記情報提供装置と、
上記ユーザ端末と、
前記作成手段によって作成されたページが蓄積されるサーバと、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態の注文支援システムの模式的な構成図である。
図2図1の管理者サーバ200の通信手段210からユーザ端末100に送信する問診データの例を示す模式図である。
図3図2に示す問診データに続いて管理者サーバ200の通信手段210からユーザ端末100に会員番号が紐付けされて送信される後続の問診データの例を示す模式図である。
図4図2に示す問診データを各ユーザ端末100に送信した結果取得されるユーザからの回答のDB400への登録例を示す図である。
図5】本実施形態の管理者サーバ200の作成手段250によって作成される食品等の掲載ページ例を示す図である。
図6】本実施形態の管理者サーバ200の作成手段250によって作成される食品等の掲載ページ例を示す図である。
図7】特定のユーザ向けの具体的な掲載ページの例を示す図である。
図8】外食時に料理の注文を支援する手法の説明図である。
【符号の説明】
【0019】
100 ユーザ端末
200 管理者サーバ
210 通信手段
220 学習手段
230 登録手段
240 数値化手段
250 作成手段
300 人工知能(AI)装置
400 データベース(DB)
500 管理者端末
【発明の実施の形態】
【0020】
本発明の情報提供システムは、健康に関する情報をユーザが有効活用することができるようにするものであるが、本実施形態では、更に、食品(飲食商品)の購入を行うことができたり、外食の料理の注文時に参照することができたりする、注文支援システムを例に情報提供システムについて説明する。
【0021】
(概要の説明)
まず、本実施形態の注文支援システムの概要について説明する。この注文支援システムが実行する主要な各処理は、典型的には以下のものが挙げられる。
【0022】
(1)習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについての問診データを注文支援装置からユーザ端末に送信するなどして、ユーザ端末などから返信される問診データに対する回答を注文支援装置において取得してデータベース(以下、「DB」と称する)等に登録すること。
【0023】
(2)注文支援システムにおいて未登録の商品の商品名及び原材料などの商品情報、更には当該商品に対するユーザの口コミが、ユーザ端末から送信された場合に、注文支援装置がそれらを受信してDB等に登録すること。
【0024】
(3)処理(1)で収集した回答に加えて、公的機関が発表しているデータ及び/又は専門家の知見を踏まえて、注文支援装置によって登録済みの各食品について健康評価を行うこと。
【0025】
(4)処理(1)で登録した食品を購入可能なECサイトの該当ページに割り当てられているURL(当該商品がECサイトで取り扱われていない場合には、その類似商品等が掲載されているであろう検索結果ページのURL)を、注文支援装置によって取得してDB等に登録すること。
【0026】
(5)処理(2)で登録した商品情報と処理(4)で登録したURLなどを含む掲載ページであって、ユーザ端末で閲覧可能なものを注文支援装置によって作成すること。
【0027】
(6)処理(5)で作成した掲載ページの掲載内容を、処理(1)で取得した特定のユーザの回答に基づいて、ユーザが識別可能な状態に注文支援装置によって分別すること。
【0028】
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の注文支援システムの模式的な構成図である。図1には、以下説明する、ユーザ端末100と、管理者サーバ(注文支援装置)200と、人工知能(Artificial Intelligence)装置(以下、「AI装置」と称する。)300と、DB400と、管理者端末500とを示している。
【0029】
なお、図1には、管理者サーバ200に対して他の装置/端末等が直接接続されている状態を示しているが、実際にはいずれの装置等もインターネットなどのネットワークを介して接続される。
【0030】
ユーザ端末100は、ユーザによって操作される端末であり、主として、管理者サーバ200から送信される図2に示すような問診データを受信し、当該ユーザの問診データの回答を管理者サーバ200に対して適宜送信するものである。なお、問診データのやり取りは、ユーザ端末100を用いることなく、eメール、郵送、ファクシミリなどを用いて行ってもよい。
【0031】
また、ユーザ端末100は、図示しないウェブサーバに格納されている、図5に示すような商品情報等の掲載ページをダウンロードし、当該掲載ページを通じてユーザが特定の食品を注文する際に行う操作を受け付けて発注処理を行うものである。
【0032】
ユーザ端末100は、管理者サーバ200との間で無線通信又は有線通信を行うことが可能なものであることが必要である。ユーザ端末100としては、例えば、携帯電話機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、テレビゲーム、IT機器、AV機器などを用いることができる。
【0033】
管理者サーバ200は、本実施形態の注文支援システムの管理者によって管理されるサーバ(情報提供装置)である。管理者サーバ200は、以下説明する、通信手段210と、学習手段220と、登録手段230と、数値化手段240と、作成手段250と、を備える。これらの各手段による機能は、たとえば、CPUとメモリとの協働によって実現することができる。
【0034】
通信手段210は、図2に示す問診データなどの各種データを、ユーザ端末100に対して送信し、ユーザ端末100から返信される回答を受信するものである。また、通信手段210は、ユーザ端末100から送信される、商品の商品名・原材料・口コミなどの情報、食品を購入可能なECサイトにおける該当ページに割り当てられているURL等の各種データ/情報を受信するものである。
【0035】
学習手段220は、DB400に登録された問診データに対するユーザの回答に含まれている、食品と健康状態とのセットを学習データとして用いて、AI装置300の人工ニューラルネットワークに、複数のユーザ分の学習データを用いて学習させるものであり、例えば、プログラミングAPIを通じて学習データの入力をすることが考えられる。
【0036】
登録手段230は、通信手段210によって受信された各種データ/情報、AI装置300からの出力結果などを、DB400に登録するものである。この一部である問診データに対するユーザの回答は、上記のように、AI装置300の人工ニューラルネットワークの学習を継続的に実行するために用いられる。
【0037】
数値化手段240は、学習手段220によって学習されたAI装置300から出力される商品毎の健康度(健康評価)を取得して数値化するものである。この数値データは、図5に示すような掲載ページに反映される。
【0038】
作成手段250は、数値化手段240によって数値化された数値データを含む、図5に示すような掲載ページを作成するものである。作成手段250によって作成された掲載ページは、図示しないウェブサーバに格納され、ユーザ端末100からの要求によってユーザ端末100に送信される。
【0039】
AI装置300は、人工ニューラルネットワークといった数学モデルを活用して、ユーザ端末100から送信された問診データに対するユーザの回答と、公的機関が発表しているデータ及び/又は専門家の知見に基づいて、各食品について商品毎に統計上の健康評価を行うものである。
【0040】
なお、人工ニューラルネットワークとしては、経時的処理に強みのあるリカレントニューラルネットワークを用いることが好ましいが、これに限定されず、他の人工ニューラルネットワークを用いることもできる。
【0041】
ここで、公的機関が発表しているデータとは、内閣府消費者庁が公表している食品添加物データ、内閣府文部科学省が公表している栄養価データ、FAO/WHO合同食品添加物専門家会(JECFA)による安全性評価データなどをいう。また、専門家の知見とは、添加物研究家、栄養学研究家などによる著書に掲載されているものなどをいう。
【0042】
DB400は、ユーザ端末100から送信される問診データに対する回答、食品の商品名、原材料などの情報、各種評価情報、ECサイトの該当ページに割り当てられているURL等の各種データ/情報、食品添加物データ、栄養価データ、安全性評価データ、専門家の知見、原材料名の表記ゆれに対応するための変換リストが登録されるものである。
【0043】
上記変換リストを用いる理由は、例えば、同一原材料に対して、「Na」、「ナトリウム」、「塩」など複数態様の表記、「ビタミン」、「V.」などの複数態様の表記が認められていることから、これらの表記が相互に同一物を意味するとして扱うためである。
【0044】
管理者端末500は、本実施形態の注文支援システムの管理者によって操作される端末である。当該管理者は、管理者端末500を操作することによって、例えば図2及び図3に示す問診データを作成することができる。管理者端末500としては、これに限定されるものではないが、例えば、ノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータなどを用いることができる。
【0045】
なお、例えば、図1には、AI装置300及びDB400を、管理者サーバ200の外部に設けている例を示しているが、これらの少なくとも一方を、管理者サーバ200の内部に設けるようにしてもよい。
【0046】
(動作の説明)
以下、概要説明した処理(1)~(6)を中心として、図1に示す注文支援システムの動作について説明するが、既述の構成の説明によれば、本実施形態の注文支援装置の動作をプログラムによって実現する場合には、以下の各ステップを含む。
【0047】
すなわち、複数のユーザに対して習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とについて問診を行うステップと、
前記問診に対する回答に含まれる各食品の原材料と健康状態とに基づいて当該各食品について健康評価を取得するステップと、
前記取得した健康評価を含んでおりユーザ端末でダウンロード可能なページを作成するステップと、
を含む。
【0048】
・処理(1)について
図2は、図1の管理者サーバ200の通信手段210からユーザ端末100に送信する問診データの例を示す模式図である。この問診データには、病院等においてなされる健康診断或いは初診の際に被験者或いは患者から回答してもらう、病歴、病状などの問診項目に加えて、そのユーザにとっての習慣的な食品を例えば10個回答してもらうための問診項目が含まれる。
【0049】
すなわち、本実施形態では、ユーザの年齢・性別・身長・体重といった「基本情報」の入力欄10と、発熱しやすいか否かなどの複数項目が列挙されたユーザの体質に起因すると思われる「悩みの症状や病気」の選択欄12と、体質的等の原因により「毎年なる(なりやすい)病気」の選択欄14及び「なったことのある病気」の選択欄18と、入力欄10の性別の選択結果に応じて表示される「男性特有」或いは「女性特有」の症状の選択欄16と、ユーザにとっての習慣的な食品として「普段よく食べる食品」の入力欄19と、をそれぞれ問診データにおける問診項目としている。
【0050】
各選択欄12~18では、ユーザによる問診データの回答を簡易なものとするため、該当する項目の表示箇所をクリック又はタップすることによって選択できるようにしている。
【0051】
なお、「基本情報」の入力欄10についても、例えば、年齢について「20代」、「30代」のように年代別選択欄、性別を「男性」女性「2」などのように性別選択欄、身長について「高い」、「普通」、「低い」、体重については「痩せすぎ」、「痩せ気味」、「ふつう」、などの選択欄とすることもできる。
【0052】
また、「普段よく食べる食品」の入力欄19では、これに限定されるものではないが、例えばユーザ端末100としてスマートフォンを用いる場合には、スマートフォンのカメラによって商品パッケージ又は当該商品に割り当てられているバーコードを撮影して、その撮像データ又はバーコード情報を入力欄19の「1」~「10」を押下することによって撮像データ等を選択できるようにして、管理者サーバ200に送信することが考えられる。
【0053】
こうすると、管理者サーバ200では、予め、商品名等とパッケージ又はバーコードの情報とをDB400に対応させて登録しておき、通信手段210によって受信した撮像データ等に基づいてDB400を参照すれば、その商品を特定することが可能となる。
【0054】
一方、例えばユーザ端末100としてユーザがパーソナルコンピュータを用いる場合には、ユーザがパーソナルコンピュータを通じて各商品の商品名(及びメーカ名)を入力すればよい。その際、商品名の少なくとも一部を入力すると、候補となる商品を予測して表示することで、所望の商品名をユーザが選択できるようにすると簡便である。
【0055】
もっとも、ユーザ端末100がスマートフォンの場合に説明した商品の特定手法を、ユーザ端末100がパーソナルコンピュータである場合にも採用してもよいし、その逆でもよい。また、その他の手法を採用してもよい。
【0056】
このように、各ユーザに普段よく食べる食品について問診することによって、例えば、特定のユーザが、飴を沢山食べる傾向にある、清涼飲料水を多く飲む傾向にある、炭水化物を多く食べる傾向にあるといったユーザの食生活に関する情報と、当該ユーザの症状や病気についての健康情報とを取得することが可能となる。
【0057】
なお、図2に示す問診項目はあくまで例示であり、これらとともに又はこれらの少なくとも一部に代えて、血圧、血糖値、更には、体を動かす習慣の有無等を含む各種情報を尋ねるようにしてもよい。こうすると、例えば、体を動かす習慣があるならば摂取を推奨するが、そうでなければ摂取を推奨しない食品を特定することも可能となる。
【0058】
また、図2に示すような問診データをユーザ端末100に送信するタイミングは、ユーザが初めて本注文支援システムを利用する初期設定時とすることは必須とする。
【0059】
なお、初期設定時には、ユーザに対して、通常、ユーザIDとパスワードとを割り当て、さらにこれらに紐づけて固有の会員番号(会員No)を割り当て、これらを一組でDB400に登録する。
【0060】
その後に問診データを送信するタイミングとしては、例えば、その利用日から1カ月毎、1年毎、或いは、ユーザの操作に応じてユーザ端末100からの要求があったときなど、が考えられる。
【0061】
これは、本実施形態の注文支援システムによって提供されるサービスを受けることによって、ユーザが普段よく食べる食品が変わる可能性があると想定されることによる。普段よく食べる食品が変わると、その結果、症状や病気の改善がみられることも想定される。
【0062】
つまり、問診データに対するユーザの回答は、本実施形態の注文支援システムによって提供されるサービスを受けることによって、変化していくという性質を有している。
【0063】
ユーザ端末100は、ユーザから問診データに対する回答が入力/選択され、図2に示す送信ボタンがタップされると、それらの回答を当該ユーザの会員番号とともに管理者サーバ200に送信する。
【0064】
管理者サーバ200では、ユーザ端末100から回答が送信されると、通信手段210によって当該回答を受信して、登録手段240によって当該ユーザに割り当てられる会員番号と対応付けた状態でDB400に登録する。
【0065】
図3は、図2に示す問診データに続いて管理者サーバ200の通信手段210からユーザ端末100に会員番号が紐付けされて送信される後続の問診データの例を示す模式図である。ここでは、図2の選択欄12において「発熱」が選択され、選択欄14において「花粉症」及び「肺炎」が選択された場合の例を示している。
【0066】
図3に示すように、例えば、「発熱」については、そのおおよその頻度が、「毎日」、「毎週」、「毎月」、「毎年」のいずれかであるかを選択させ、「花粉症」については、その症状が出るおおよその頻度が年間に、「1回」、「2回」、…「30回以上」のいずれであるかを選択させるようにしている。
【0067】
ユーザ端末100は、ユーザから図3に示す問診項目に対して適宜選択回答された後に送信ボタンがタップされると、それらの回答を当該ユーザの会員番号とともに管理者サーバ200に送信する。
【0068】
管理者サーバ200では、ユーザ端末100から回答が送信されると、通信手段210によって当該回答を受信して、先に登録されている回答に付随して登録手段240によってDB400に登録する。
【0069】
図4は、図2に示す問診データを各ユーザ端末100に送信した結果取得されるユーザからの回答のDB400への登録例を示す図である。図4に示す項目は、図2に示した問診データのものと対応しており、ユーザ毎に割り当てられる「会員No」とともに、これに対応する、「年齢」、「性別」、「身長」、「体重」、「発熱」、「胃痛」、…、「物忘れ」、「花粉症」…などであり、ユーザによって選択された項目については「1」を付すようにしている。
【0070】
この例では、図3に示す問診データに対する回答については、登録内容に反映されておらず、別途、登録することを想定しているが、例えば、ユーザによって選択された項目について単に「1」を付すのではなく、図3に示す問診データに対する回答が送信されてきた場合に、「1」が付されている項目について、回答内容の程度に応じて「2」~「9」で上書きするようにしてもよい。
【0071】
・処理(2)について
本実施形態では、ユーザが、図1のDB400に未登録であろう商品情報を登録したい考えた場合に、ユーザ端末100から管理者サーバ200に送信できるようにし、更に、当該商品に対するユーザの口コミも送信できるようにしている。
【0072】
本実施形態の注文支援システムは、ユーザ端末100から送信された商品情報等を管理者サーバ200が受信すると、その情報がDB400に未登録であるか否かを判定し、判定の結果、未登録であれば登録手段240によって、その情報をDB400に登録する。
【0073】
なお、ユーザ端末100が商品情報を送信する際には、例えば特許文献1で採用されている手法と同様との手法を採用することができる。
【0074】
まとめると、ユーザ端末100から送信された情報が、DB400に登録されてないのであれば、管理者サーバ200は、当該情報をDB400に登録することになるが、この場合、ユーザ端末100から送信された情報が商品情報のみである場合には、管理者サーバ200は、当該商品情報のみ登録を行い、ユーザ端末100から送信された情報が商品情報に加えて当該商品の口コミ等も含む場合には、それらの全ての情報を当該商品情報に紐づけて登録する。
【0075】
一方、既にある商品情報がDB400に登録されている状態で、ユーザ端末100から商品情報が送信された場合には、重複登録を避けるために登録は行わない。ただし、ユーザ端末100から当該商品の口コミ等が送信されてきた場合には、その商品の口コミ等を登録済みの商品情報に紐づけて登録する。
【0076】
・処理(3)について
処理(1)で収集した問診データに対するユーザの回答には、各ユーザが習慣的に摂取している幾つかの食品と健康状態とを示す情報が含まれているが、これらの情報に加えて、公的機関が発表しているデータ及び/又は専門家の知見も考慮して、商品毎に統計上の健康評価を行う。
【0077】
この評価をする際には、膨大な量の計算が必要となるので、既述のように、本実施形態ではAI装置300を用いて、この計算を行うことにしている。もっとも、DB400には、この評価に必要な情報が蓄積されているので、AI装置300を用いることなく、データベース処理によって評価をすることが排除されるものではない。
【0078】
ここで、当該評価の考え方について説明しておく。例えば、問診データに対して、「腹痛」、「肌あれ」、「イライラ」といった症状があると回答したユーザらの多くが、「普段よく食べる食品」として、飴と清涼飲料水とに属する商品が多く含まれていたとする。
【0079】
また、例えば数百人の専門家のうち多くの専門家の知見として、例えば、公的機関が発表している食品添加物に含まれるアスパルテームという人工甘味料は、腸に悪影響を及ぼす可能性があり、これに付随して肌の調子も悪くなる可能性があるという情報と、砂糖などの糖分の過剰摂取が、肌に悪影響を与えたり、イライラする原因であったりする可能性が高いという情報とがあったとする。
【0080】
このような場合に、AI装置300は、上記のユーザらからの回答が学習手段220によって学習データとして入力され、さらに、上記の専門家の知見も入力されたとすると、AI装置300としては、原材料にアスパルテームや砂糖を含む商品が、腹痛等の原因である可能性が高いということが学習されていき、この種の商品については健康度が低いという健康評価が出力されることになる。
【0081】
また、上記のような学習済みのAI装置300に対して、他のユーザから送信された問診データに対する回答を入力した場合に、当該他のユーザの問診データに対する回答も、「腹痛」、「肌あれ」、「イライラ」といった症状があり、かつ、「普段よく食べる食品」として、飴と清涼飲料水とが多く含まれていたとすると、学習済みのAI装置300から、アスパルテームや砂糖を含む商品については、摂取を推奨しないという結果が出力されることになる。
【0082】
なお、ここでいう「ユーザらの多く」の回答及び「多くの専門家の知見」であるか否かの判断には、例えば、異なる集団の母比率の差の検定(z検定)、同一集団の母比率の差の検定(カイ2乗検定)、同一カテゴリの項目の母比率の差の検定(z検定)、全体と一部カテゴリの母比率の差の検定(z検定)などの仮説検定を用いればよい。
【0083】
・処理(4)及び処理(5)について
図5及び図6は、本実施形態の管理者サーバ200の作成手段250によって作成される食品等の掲載ページ例を示す図である。
【0084】
図5及び図6に示すように、商品等掲載ページは、少なくとも、以下の説明する、商品情報欄20と、スコア欄22と、美味しさ欄24と、原材料欄25と、口コミ欄26と、検索条件欄28と、買い物欄30と、を有している。
【0085】
商品情報欄20は、本実施形態の注文支援システムに登録済みの商品情報に含まれている商品名と、そのパッケージ画像などとが掲載されるものである。図5の商品情報欄20の一番上には「エキストラバージンオリーブごま油」なる商品名と、そのパッケージ画像及び当該商品のごま油を皿に注いだ画像とが表示された例を示している。
【0086】
スコア欄22は、処理(3)によって、AI装置300から出力される健康評価が掲載されるものである。具体的には、商品情報欄20に掲載された食品に含まれる原材料等に基づく当該商品の健康度を取得して数値化手段240によって数値化された数値データと、その数値データが属するA~Eの5段階の評価情報とが掲載される。図5のスコア欄22の一番上には、数値データが99.8であり、Aランクに属することが表示された例を示している。もっとも、数値データのみ或いは5段階の評価情報のみを掲載するようにしてもよい。
【0087】
美味しさ欄24は、商品情報欄20に掲載された商品についてユーザ端末100から送信された例えば1~5の5段階の評価の平均値が掲載されるものである。図5の美味しさ欄24の一番上には、ユーザ端末100から送信された美味しさの評価の平均が5.0であることが表示された例を示している。
【0088】
原材料欄25は、商品情報欄20に掲載された商品パッケージに印字又は貼付されているラベルに記載されている原材料名が掲載されるものである。図5の原材料欄25の一番上には、「胡麻」が表示された例を示している。
【0089】
一方、図6の原材料欄25の一番上には、「有機野菜・果実(りんご、にんじん、トマト、その他)、…、有機こんにゃく粉、麦芽水飴」が表示された例を示している。これらのうち「麦芽水飴」は、あまり体にとって好ましいものではないことから、例えば赤色で表示したり、下線を付したり、ボールドとしたりといった表示態様とする。
【0090】
口コミ欄26は、本実施形態の注文支援システムに登録済みの商品についてユーザ端末100から送信された口コミ内容及び口コミ数が掲載されるものである。図5の口コミ欄26の一番上には、ユーザ端末100から送信された口コミ内容が「ごま油特有の独特な香りが一切なく、あっさりとした風味が特筆もの。サラダや和え物などに使っても◎。」ということ、及び、口コミ数が1件であることが表示された例を示している。
【0091】
検索条件欄28は、商品情報欄20に掲載された商品のうち、表示したい食品が属するジャンルを選択したり、関連するキーワードが記載されている商品のみを表示するための条件を選択/入力したりするものである。図5及び図6には、特段のキーワードが入力されることなく、ジャンルとして「調味料」が選択された場合の表示例を示している。
【0092】
買い物欄30は、DB400に登録済みの商品情報に係る食品を、ECサイトを通じて購入したい際にユーザによってクリック又はタップするものである。図5及び図6には、ECサイトを運営するA社、Y社、R社で用意されている商品掲載ページにリンクが張られた各表示領域と、商品の購入決済を行うための決済ページにリンクが張られた表示領域とを示すようにしている。
【0093】
このリンクは、例えば、商品情報欄20に掲載される情報が初めて登録された際に、或いは、毎月1日など定期的に、A社、Y社、R社が運営する各ECサイトにアクセスして、商品名を検索キーワードとして用いて検索をした結果得られるウェブページに割り当てられているURLを用いればよく、取得したURLは買い物欄30における、A社、Y社、R社に対応する表示領域にリンクが張られるようにしている。
【0094】
・処理(6)について
特定のユーザが本実施形態の注文支援システムによって提供されるサービスを受けるためにユーザ端末100を操作してログインをする場合には、通常、ユーザIDとパスワードとの組み合わせによってユーザ認証が行われる。
【0095】
特定のユーザのログインが完了すると、管理者サーバ200は、当該ユーザID等と紐づけられている会員番号に基づいて、当該特定のユーザの問診データに対する回答をDB400から読み出すことが可能となる。
【0096】
つぎに、当該特定のユーザが図5に示すような掲載ページをダウンロードして、ユーザ端末100のディスプレイに表示し、自己にとって摂取が推奨される食品を知りたいと考えて、ユーザ端末100を操作することによってフィルタリング処理の実行指示を行ったとする。
【0097】
管理者サーバ200は、ユーザ端末100からの指示を受けると、当該特定のユーザの問診データに対する回答をDB400から読み出して、学習済みのAI装置300に入力する。
【0098】
これによって、図5に示すような掲載ページに掲載されている商品情報等のうち、例えば、当該特定のユーザに対して推奨すべきでない食品のものを除外して、当該特定のユーザに対して推奨すべき食品のもののみとすることができる。
【0099】
図7は、上記説明事項を含む特定のユーザ向けの具体的な掲載ページの例を示す図である。図7には、当該特定のユーザにとって摂取することが推奨される食品に加えて、当該特定のユーザにとって摂取しないことが推奨される食品添加物及び食材の例として、還元水飴、pH調整剤、ソルビン酸、発色剤などが例示されている。
【0100】
図8は、外食時に料理の注文を支援する手法の説明図である。図8(a)には、居酒屋の料理メニュー例を特定のユーザのユーザ端末100(スマートフォン)のカメラで撮像した撮像データを示している。図8(b)には、図8(a)に示す撮像データに対して当該特定のユーザ向けの注文支援情報が重畳された状態を示している。
【0101】
居酒屋をはじめとするレストランでは、店舗毎に料理に含まれる原材料がどのようなものであるかを厳密には把握することは困難であるが、主原材料程度を把握することはできるので、主原材料等から当該ユーザ向けの健康評価を取得して、これを含む掲載ページを送信することは可能である。
【0102】
そこで、図8(a)に示す撮像データがユーザ端末100から管理者サーバ200に送信されてきた場合には、このような健康評価を含む掲載ページを管理者サーバ200の通信手段210からユーザ端末100に対して返信することで、ユーザが料理の注文をする際に支援する。
【0103】
管理者サーバ200では、通信手段210によって図8(a)に示す撮像データを受信すると、図8(a)に示す撮像データに含まれる文字情報の認識処理を行う。
【0104】
それから、管理者サーバ200は、このユーザからの問診データに対する回答をDB400から読み出す。つぎに、管理者サーバ200では、DB400から読みだした上記回答と、文字情報の認識処理によって特定される料理の原材料とを、学習済みのAI装置300に入力する。
【0105】
ここで、仮に、この回答の内容が、「目の疲れ」・「疲労感」といった症状があり、「心臓疾患」の病歴があるという回答をしていたとすると、図8(b)に示すようなデータが作成されることになる。
【0106】
すなわち、図8(b)に示す例では、スタミナ不足の解消効果の期待が指摘されているビタミンB1、疲労回復効果の期待が指摘されているオルニチンが多く含まれている「枝豆」、眼病予防の効果が指摘されているナスニンが多く含まれている「茄子漬け物」については、健康評価が高く(-5.0~+5.0の評価で「+3.5」と「+1.0」)、これらが注文支援情報であるところの注文推奨品として掲載されている。
【0107】
一方で、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈性心疾患のリスクが指摘されているトランス脂肪酸を含む「フライドポテト」、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが指摘されているコレステロールを含む「イカ唐揚げ」については、健康評価が低く(-5.0~+5.0の評価で「-.5」と「-0.5」)、注文支援情報であるところの注文非推奨品として掲載されている。
【0108】
なお、図8(b)に示す「???」は、文字認識ができなかった部分を示すものであり、このような表記がされている場合には、ユーザはユーザ端末100を操作して、該当部分の文字情報である「あげだしもち」と入力して管理者サーバ200に送信して情報のアップデートをさせてもよい。
【0109】
以上説明したように、本実施形態の注文支援システムは、ECサイトでの食品の購入時、レストランでの料理の注文時などに、ユーザに対して推奨する/しない注文支援情報を送信しているので、健康に関する情報を有効活用することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8