(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025316
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置群、表示制御装置、登録装置、容器、表示システム、表示方法、表示制御方法、登録方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20220203BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220203BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/00 550X
G09G5/00 555D
G09G5/36 520P
G06F3/14 350A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128067
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴一
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幸一
【テーマコード(参考)】
5B069
5C182
【Fターム(参考)】
5B069AA20
5B069BA04
5B069CA14
5B069KA02
5C182AA03
5C182AA24
5C182AC02
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA14
5C182BA47
5C182BB04
5C182BB22
5C182BC03
5C182BC25
5C182CB44
5C182DA41
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】リーダを予め多数配置することなく簡易な構成で各表示装置の相対位置を特定し、表示データを適切に表示装置群に表示することができる。
【解決手段】表示装置は、複数の表示装置が配置された表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで表示装置群によって表示データを表示させる表示制御装置に対して位置情報を送信する送信部と、位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置が配置された表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる表示制御装置に対して前記位置情報を送信する送信部と、
前記位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部と
を有する表示装置。
【請求項2】
複数の表示装置を含む表示装置群であり、
前記表示装置は、
前記表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる表示制御装置に対して前記位置情報を送信する送信部と、
前記位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部と
を有する表示装置群。
【請求項3】
複数の表示装置が配置された表示装置群において表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を表示装置から受信する受信部と、
表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させることが可能な前記分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部と、
前記受信部が受信した位置情報に対応する分割データを前記割り当てデータ記憶部から読み出して当該位置情報の送信元の表示装置に送信する送信部と、
を有する表示制御装置。
【請求項4】
前記受信部は、
位置情報の送信元の表示装置が属する表示装置群の表示装置の台数を前記表示装置から受信し、
前記表示制御装置は、
受信した位置情報の総数と前記台数とが一致するか否かを判定する台数判定部を有し、
前記送信部は、前記台数判定部によって前記総数と前記台数とが一致すると判定された場合に、前記分割データを送信する
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記受信部は、
表示装置を識別する識別情報であり前記位置情報の送信元の表示装置が属する表示装置群の配下にあるそれぞれの表示装置の識別情報を示す識別情報群を、表示装置群のうち少なくとも1台の表示装置から受信し、
前記表示制御装置は、
複数台の表示装置と通信を行った際に、各表示装置から送信される送信元の表示装置の識別情報が、前記識別情報群のいずれかの識別情報に対応するかを判定する識別情報判定部を有し、
前記送信部は、前記識別情報判定部によって前記識別情報群に対応する識別情報が割り当てられた表示装置に対して、前記分割データを送信する
請求項3または請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記識別情報判定部の判定結果に基づいて、
前記識別情報群のそれぞれの識別情報と、各表示装置から送信される送信元の表示装置のそれぞれの識別情報が一致した場合に、前記分割データを送信する
請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記受信部は、
表示装置から、当該表示装置の識別情報と、当該表示装置が属する表示装置群の特定の1つの表示装置である表示装置の識別情報である代表識別情報とを受信し、
前記表示制御装置は、
複数台の表示装置と通信を行った際に、各表示装置から送信される自表示装置の識別情報と代表識別情報とに基づいて、各表示装置から受信した代表識別情報が一致するか否かを判定する代表判定部を有し、
前記送信部は、前記代表判定部によって各代表識別情報が一致する場合に、前記分割データを送信する
請求項3または請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項8】
取り付け対象である対象物に複数の表示装置が取り付けられ、表示データが分割された分割データを前記複数の表示装置に送信することで前記複数の表示装置によって前記表示データを表示させる表示システムにおける各表示装置と通信を行う登録装置であり、
前記複数の表示装置のそれぞれから当該表示装置を識別する識別情報を受信する受信部と、
前記識別情報の送信元の表示装置に対して、それぞれ異なるテスト画像を送信する送信部と、
前記複数の表示装置における特定の表示装置の相対位置と、前記表示されたテスト画像との関係に応じて前記複数の表示装置のそれぞれに定められる位置情報を、対応する各表示装置に送信する位置情報送信部と、
を有する登録装置。
【請求項9】
請求項2に記載された表示装置群が取り付けられた容器。
【請求項10】
複数の表示装置を含む表示装置群と、表示制御装置を有する表示システムであって、
前記表示装置は、
前記表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる前記表示制御装置に対して前記位置情報を送信する送信部と、
前記位置情報を受信した前記表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部と
を有し、
前記表示制御装置は、
前記位置情報を前記表示装置から受信する受信部と、
表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させることが可能な前記分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部と、
前記受信部が受信した位置情報に対応する分割データを前記割り当てデータ記憶部から読み出して当該位置情報の送信元の表示装置に送信する送信部と、
を有する表示システム。
【請求項11】
複数の表示装置が配置された表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部を有する表示装置の表示方法であって、
送信部が、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる表示制御装置に対して前記位置情報を送信し、
受信部が、前記位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信し、
表示部が、前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する
表示方法。
【請求項12】
表示制御装置の表示制御方法であって、
受信部が、複数の表示装置が配置された表示装置群において表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を表示装置から受信し、
送信部が、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させることが可能な前記分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から前記受信部が受信した位置情報に対応する分割データを読み出して当該位置情報の送信元の表示装置に送信する
表示制御方法。
【請求項13】
取り付け対象である対象物に複数の表示装置が取り付けられ、表示データが分割された分割データを前記複数の表示装置に送信することで前記複数の表示装置によって前記表示データを表示させる表示システムにおける各表示装置と通信を行う登録装置の登録方法であって、
受信部が、前記複数の表示装置のそれぞれから当該表示装置を識別する識別情報を受信し、
送信部が、前記識別情報の送信元の表示装置に対して、それぞれ異なるテスト画像を送信し、
位置情報送信部が、前記複数の表示装置における特定の表示装置の相対位置と、前記表示されたテスト画像との関係に応じて前記複数の表示装置のそれぞれに定められる位置情報を、対応する各表示装置に送信する
登録方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の表示制御装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記表示制御装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示装置群、表示制御装置、登録装置、容器、表示システム、表示方法、表示制御方法、登録方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子的に書き換え可能な電子ペーパーを使用することで低消費電力の表示装置を構成することができる。特許文献1には、電子ペーパーを用いた複数の表示装置を一括して視認できるようにし、かつ各々の表示装置の表示データを把握し易くする表示システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、店舗や工場、流通過程等で使用する箱や容器等のコンテナの内容を示すために、電子ペーパーを用いた表示装置をコンテナに取り付けることがある。コンテナに取り付ける表示装置はコストや設置スペース等の問題からその表示サイズが制限される。そのため、表示する情報量を減らすことなく、表示の視認性から文字等の情報はできるだけ大きくするために、1つの表示対象のデータを1つの表示装置に表示するのではなく、複数の表示装置をコンテナに設置し、1つの表示対象のデータを、それぞれの表示装置に分割して表示することが考えられる。ここでは、分割されたデータは、各表示装置のお互いの配置位置に応じて振り分けることが考えられる。この場合、各表示装置の配置位置を特定する必要がある。しかしながら、上述した技術では、表示装置(電子ペーパー)の位置を把握するためには、パネル体にリーダを縦方向及び横方向に複数並べ、いずれのリーダにて表示装置と通信を行うことができたかを検出し、パネル体における当該通信を行ったリーダの相対位置を特定することで、表示装置の位置を特定している。そのため、当該表示システムでは、多数のリーダを予め配置する必要がある。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する表示装置、表示装置群、表示制御装置、登録装置、容器、表示システム、表示方法、表示制御方法、登録方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、表示装置は、複数の表示装置が配置された表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる表示制御装置に対して前記位置情報を送信する送信部と、前記位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明の他の一態様によれば、表示装置群は、複数の表示装置を含む表示装置群であり、前記表示装置は、前記表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる表示制御装置に対して前記位置情報を送信する送信部と、前記位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、表示制御装置は、複数の表示装置が配置された表示装置群において表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を表示装置から受信する受信部と、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させることが可能な前記分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部と、前記受信部が受信した位置情報に対応する分割データを前記割り当てデータ記憶部から読み出して当該位置情報の送信元の表示装置に送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、登録装置は、取り付け対象である対象物に複数の表示装置が取り付けられ、表示データが分割された分割データを前記複数の表示装置に送信することで前記複数の表示装置によって前記表示データを表示させる表示システムにおける各表示装置と通信を行う登録装置であり、前記複数の表示装置のそれぞれから当該表示装置を識別する識別情報を受信する受信部と、前記識別情報の送信元の表示装置に対して、それぞれ異なるテスト画像を送信する送信部と、前記複数の表示装置における特定の表示装置の相対位置と、前記表示されたテスト画像との関係に応じて前記複数の表示装置のそれぞれに定められる位置情報を、対応する各表示装置に送信する位置情報送信部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の一態様によれば、容器は、上述した表示装置群が取り付けられた容器であることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の一態様によれば、表示システムは、複数の表示装置を含む表示装置群と、表示制御装置を有する表示システムであって、前記表示装置は、前記表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる前記表示制御装置に対して前記位置情報を送信する送信部と、前記位置情報を受信した前記表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信する受信部と、前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示する表示部とを有し、前記表示制御装置は、前記位置情報を前記表示装置から受信する受信部と、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させることが可能な前記分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部と、前記受信部が受信した位置情報に対応する分割データを前記割り当てデータ記憶部から読み出して当該位置情報の送信元の表示装置に送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の他の一態様によれば、表示方法は、複数の表示装置が配置された表示装置群において自表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部を有する表示装置の表示方法であって、送信部が、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させる表示制御装置に対して前記位置情報を送信し、受信部が、前記位置情報を受信した表示制御装置において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から、前記受信した位置情報に対応する分割データが読み出され当該表示制御装置から送信される分割データを受信し、表示部が、前記受信部が受信した分割データを表示画面に表示することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の一態様によれば、表示制御方法は、表示制御装置の表示制御方法であって、受信部が、複数の表示装置が配置された表示装置群において表示装置が配置された相対位置を識別可能な位置情報を表示装置から受信し、送信部が、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで前記表示装置群によって前記表示データを表示させることが可能な前記分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部から前記受信部が受信した位置情報に対応する分割データを読み出して当該位置情報の送信元の表示装置に送信することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の一態様によれば、登録方法は、取り付け対象である対象物に複数の表示装置が取り付けられ、表示データが分割された分割データを前記複数の表示装置に送信することで前記複数の表示装置によって前記表示データを表示させる表示システムにおける各表示装置と通信を行う登録装置の登録方法であって、受信部が、前記複数の表示装置のそれぞれから当該表示装置を識別する識別情報を受信し、送信部が、前記識別情報の送信元の表示装置に対して、それぞれ異なるテスト画像を送信し、位置情報送信部が、前記複数の表示装置における特定の表示装置の相対位置と、前記表示されたテスト画像との関係に応じて前記複数の表示装置のそれぞれに定められる位置情報を、対応する各表示装置に送信することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の一の態様によれば、プログラムは、コンピュータを、上述した表示制御装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記表示制御装置が備える各部として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リーダを予め多数配置することなく簡易な構成で各表示装置の相対位置を特定し、表示データを表示装置群に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態による表示システムの概略構成図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態による表示装置が取り付けられたコンテナの斜視図である。
【
図2B】本発明の第1の実施形態による表示装置が取り付けられたコンテナの斜視図である。
【
図2C】本発明の第1の実施形態による表示装置が取り付けられたコンテナの斜視図である。
【
図2D】本発明の第1の実施形態による表示装置が取り付けられたコンテナの斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による表示装置の外観を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態による表示装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態による表示装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態による表示装置に表示する表示データの一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態による表示装置の配置関係と表示例を示すイメージ図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態による表示装置の配置関係と表示例を示すイメージ図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態による表示装置が表示する番号画像の表示例を示すイメージ図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態による位置情報の登録方法を説明するための説明図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態による表示装置群に属する表示装置がN台である場合における各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図14】本発明の第1の実施形態による表示システムが実行する登録処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の第1の実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の第2の実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の第3の実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図20】本発明の第3の実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図21】本発明の第3の実施形態による表示装置群に属する表示装置が4台である場合における各表示装置の配置例を示す図である。
【
図22】本発明の第3の実施形態による表示装置群に属する表示装置が4台である場合における各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図23】本発明の第3の実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図24】本発明の第4の実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図25】本発明の第4の実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図26】本発明の第4の実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
【
図27】本発明の第4の実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図28】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【
図29】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【
図30】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【
図31】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【
図32】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【
図33】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【
図34】各表示装置が備える位置情報記憶部の他のデータ構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による表示システムを図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態による表示システムの概略構成図である。
表示システム100は、複数の表示装置1と、リーダライタ装置2と、表示制御装置3と、コンテナ4とを含んで構成される。表示システム100は、表示装置の取り付け対象である対象物に複数の表示装置1が取り付けられ、表示データが分割された分割データを複数の表示装置1に送信することで複数の表示装置1によって表示データを表示させる。これにより、1つの表示データを、複数の表示装置1を用いて表示することができる。
【0020】
表示装置1は、電子的に書き換え可能な電子ペーパーを有し、リーダライタ装置2から送信されるデータを受信し、当該電子ペーパーに情報を表示する。
リーダライタ装置2は、RFID(Radio Frequency IDentifier)により表示装置1と通信を行い、表示装置1に各種データを表示するリーダライタである。
表示制御装置3は、リーダライタ装置2に接続されており、リーダライタ装置2を介して表示装置1と通信することで、表示装置1にデータを表示させる制御等を行う。例えば、表示制御装置3は、表示データが分割された分割データを表示装置1群に送信することで表示装置1群によって表示データを表示させる。表示制御装置3は、例えばコンピュータが用いられる。
【0021】
コンテナ4は、複数の表示装置1が取り付けられる対象物である。対象物は、物品を収容可能な容器である。容器は収容された物品が取り出された後、折り畳むことができてもよい。容器の一例としては、例えば、コンテナ4、箱、カゴなどである。容器の材質は、収容物を収容することが可能であり、表示装置1とリーダライタ装置2との通信が成立する材質であればよく、例えば、樹脂、段ボール(紙)等である。
この実施形態においては、容器としてコンテナ4が用いられる場合について説明する。
また、コンテナ4の第1側面には把持部41が設けられるとともに、2台の表示装置1が取り付けられる。2台の表示装置は、把持部41を間に挟むようにしつつ第1側面の長手方向に並ぶように配置される。また、2台の表示装置の表示面の長手方向は、第1側面の長手方向に沿うように配置される。
【0022】
図2A、
図2B、
図2C、
図2Dは、表示装置が取り付けられたコンテナの斜視図である。この図では、コンテナの外観及び表示装置の配置位置の他の例について図示されている。
図2Aは、コンテナ4Aの斜視図である。コンテナ4Aの深さは、
図1に示すコンテナ4の深さよりも深い。コンテナ4Aの第1側面の上端部側には、把持部41Aを挟むようにしつつ、第1側面の長手方向に並ぶように2台表示装置1が配置される。
図2Bは、コンテナ4Bの斜視図である。コンテナ4Aでは2台の表示装置1が取り付けられているが、コンテナ4Bでは、4つの表示装置1が取り付けられる。コンテナ4Bの第1側面において、上端部側には把持部41Bが設けられている。4台の表示装置は、コンテナ4Bの第1側面において把持部41Bと第1側面の下端部との間において、縦横それぞれ2列ずつ並ぶように配置されている。
図2Cは、箱4Cの斜視図である。箱4Cは、コンテナ4よりもサイズが小さい。また、箱4Cの上面は、開口され収容物を出し入れ可能になっていてもよいし、開閉可能な蓋が取り付けられていてもよい。コンテナ4Cの第1側面には、縦一列に2台の表示装置1が配置されている。
図2Dは、箱4Dの斜視図である。箱4Dの深さは、コンテナ4の深さよりも深い。箱4Dの上面は、開口され収容物を出し入れ可能になっていてもよいし、開閉可能な蓋が取り付けられていてもよい。コンテナ4Dの第1側面には、縦横それぞれ2列ずつ並ぶように合計4台の表示装置1が配置されている。
図1、
図2Aから
図2Dに示すように、表示装置1を取り付ける容器は任意のサイズや種類(コンテナ、箱等)であってもよい。また、コンテナ4の大きさや種類に応じて、配置する表示装置1の台数及びその配置位置を変更してもよい。なお、コンテナ4に配置する表示装置1の台数は、リーダライタ装置2の通信可能領域内で同時に通信可能な台数以内であれば任意の台数でよい。
また、表示装置1は、コンテナ4等において第1側面に複数設ける場合には、複数のコンテナ4について第1側面が同じ向きを向くようにして高さ方向に積み重ねた場合、第1側面に対向する方向から見れば、各コンテナ4のそれぞれの表示装置を視認することができる。
また、表示装置1は、第1側面にのみ設ける場合について説明したが、第1側面と他の側面とに分けて設けるようにしてもよい。
【0023】
図3は、本実施形態による表示装置の外観を示す正面図である。
図示するように、表示装置1の正面には表示部11が設けられている。表示部11は、EPD(Electronic Paper Display;電子ペーパー)で構成されており、表示画面として機能する。電子ペーパーは、表示データを書き換えるときにのみ電力を消費するようになっており、電子ペーパーに電力が供給されていない状態でも、その表示状態が維持される。
【0024】
図4は、本実施形態による表示装置の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、表示装置1は、表示部11と、制御部12と、通信部13と、アンテナ14と、電源回路15と、駆動回路16とを備える。
制御部12は、表示装置1を統括して制御するCPU(Central Processing Unit)である。制御部12の機能うちの一つは、外部から問い合わせに応じて、自表示装置1に割り当てられたUID(Unique IDentification)を通信部13とアンテナ14を介して送信する機能がある。UIDは、各表示装置1それぞれに固有の識別情報である。
通信部13は、アンテナ14を介してリーダライタ装置2と通信をする。通信部13とアンテナ14との組み合わせによって、RFIDタグとして機能する。通信部13は、位置情報記憶部131と、送信部132と、受信部133と、通信制御部134とを備える。位置情報記憶部131は、種々の情報を記憶するユーザメモリ(不揮発性メモリ)である。例えば、位置情報記憶部131は、位置情報を記憶する。位置情報は、複数の表示装置1が配置された表示装置1群において表示装置1が配置された相対位置を識別可能な情報である。なお、位置情報記憶部131は、制御部12の内部に設けられていてもよいし、制御部12の外部に接続されていてもよい。
送信部132は、リーダライタ装置2を介して表示制御装置3と通信することで、表示制御装置3に対し、位置情報記憶部131に記憶された位置情報を送信する。
受信部133は、リーダライタ装置2を介して表示制御装置3と通信し、送信部132から送信した位置情報を表示制御装置3が受信することで当該表示制御装置3から送信される分割データを受信する。この分割データは、送信部132から送信された位置情報に対応した分割データであり、表示制御装置3内に記憶されたデータである。
通信制御部134は、通信部13を制御することで、リーダライタ装置2と通信を行うことができる。ここでは、通信制御部134は、制御部12から通信の指示を受けてリーダライタ装置2と通信を行うこともできるが、制御部12からの通信の指示を受けることなく、単独でリーダライタ装置2と通信を行うこともできる。単独で通信を行う機能は、一般的なRFIDタグが備える機能と同様であってもよい。
表示部11は、受信部133が受信した分割データをEPDの表示画面に表示する。
【0025】
アンテナ14は、リーダライタ装置2と無線通信する。図示する例では、アンテナ14は、HF(High Frequency)帯のコイルアンテナである。
電源回路15は、アンテナ14が受信した電波を整流して電気エネルギーに変換する。電源回路15は、得られた電気エネルギーを表示装置1の各部に供給する。
駆動回路16は、制御部12から制御信号に基づいて、表示部11の電子ペーパーを駆動することで、表示内容を表示画面に描画する。
【0026】
図5は、表示装置1の他の構成例である表示装置1Aの構成例を示すブロック図である。
表示装置1Aは、
図4に示す表示装置1と共通の機能については同一の符号を付し、説明を省略する。表示装置1Aでは、表示装置1におけるHF帯のコイルアンテナではなく、UHF(Ultra High Frequency)帯において無線通信を行うアンテナである点が異なる。このように、表示装置は、HF帯またはUHF帯のいずれの帯域のものを用いてもよい。
【0027】
図6は、本実施形態による表示制御装置3の構成を示すブロック図である。
図示するように、表示制御装置3は、受信部301と、テスト画像生成部302と、表示部303と、位置情報生成部304と、入力部305と、割り当てデータ記憶部306と、送信部307、分割データ生成部308とを備える。
受信部301と送信部307は、リーダライタ装置2と各種データの送受信を行うインタフェースとして機能する。受信部301と送信部307は、リーダライタ装置2と通信を行うことで、このリーダライタ装置2と通信可能な表示装置1に対して、通信を行うことができる。また、この実施形態において、受信部301と送信部307は、リーダライタ装置2を介して表示装置1と通信を行う場合について説明するが、表示制御装置3がリーダライタ装置2の機能を有する場合には、表示制御装置3が表示装置1と通信を行うこともできる。
受信部301は、複数の表示装置1のそれぞれから当該表示装置を識別する識別情報をリーダライタ装置2を介して受信する。また、受信部301は、複数の表示装置1が配置された表示装置1群において表示装置1が配置された相対位置を識別可能な位置情報を表示装置1からリーダライタ装置2を介して受信する。
【0028】
テスト画像生成部302は、識別情報の送信元の表示装置に対して、それぞれ異なるテスト画像を送信するためのテスト画像を生成する。テスト画像は、表示制御装置3がコンテナ4に配置された各表示装置1のうち通信を行うことができた表示装置1と、コンテナ4に実際に配置された表示装置1との対応関係を把握可能な画像である。すなわち、通信を行うことができた表示装置1が、コンテナ4に配置された複数の表示装置1のうちどれに対応しているかを識別するために用いられる画像である。
表示部303は、各表示装置1に表示されたテスト画像と、各表示装置1の相対位置との関係を入力するための設定画面を表示する。
位置情報生成部304は、複数の表示装置1における特定の表示装置1の相対位置と、表示されたテスト画像との関係に応じて複数の表示装置1のそれぞれに定められる位置情報を生成する。
入力部305は、設定画面において、各表示装置1に表示されたテスト画像と、各表示装置1の相対位置との関係の入力を受け付ける。この入力部305は、キーボードやマウス等の入力装置であってもよいし、外部から各種データを取り込むインタフェースであってもよい。
【0029】
割り当てデータ記憶部306は、表示データが分割された分割データを表示装置1群に送信することで表示装置1群によって表示データを表示させることが可能な分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する。
送信部307は、受信部301が受信した位置情報に対応する分割データを割り当てデータ記憶部306から読み出して当該位置情報の送信元の表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信する。
分割データ生成部308は、分割データを生成する。例えば分割データ生成部308は、表示データを入力部305を介して外部装置から取得し、この取得した表示データをどのように分割するかを示す分割指示を入力部305から取得し、得られた表示データをこの分割指示に従って分割する。分割指示は、いくつに分割するかを示す分割数であってもよいし、表示データを分割する範囲を指定する指示であってもよい。分割データ生成部308は、受信部301が受信した識別情報の個数を分割数として用いることもできる。
分割データ生成部308は、生成した分割データを割り当てデータ記憶部306に記憶する。分割データ生成部308は、分割データと位置情報を対付けて記憶する。
また、ここでは分割データ生成部308が分割データを生成する場合について説明するが、表示データが他の装置で予め分割され、得られた分割データを入力部305から入力するようにしてもよい。
【0030】
続いて、本表示システム100の動作について説明する。
図7は、本実施形態による表示装置に表示する表示データの一例を示す図である。このような表示データは、例えば、外部装置において予め記憶されており、入力部305を介して表示制御装置3に取り込まれてもよいし、入力部305のキーボードやマウス等によって文字データが入力されることで作成されてもよい。
本例に示す表示データIFには、複数の項目と、各項目に対する値が含まれる。ここでは、項目の一例として、管理番号、配送先、便数、品名、年月日、担当者の各項目が含まれる。そして、管理番号には「999999」、配送先には「AAAAA」、便数には「NNNN」、品名には「XXXXXXX」、年月日には「YYMMDD」、担当者には「ZZZZZZZ」の値が対応付けられている。
図示するように、表示データIFの全てを1台の表示装置1に表示すると、表示画面のサイズが一定であるため、表示データIFが全て表示画面に収まるように表示文字を小さくする必要がある。文字を一定程度まで小さくすると、視認性が低下してしまう。
そこで、本実施形態による表示システム100では、表示データIFをコンテナ4に設置された表示装置1の台数に基づいて分割し、分割された表示データIFを複数の表示装置1にそれぞれ表示する。以下、2台の表示装置1で表示データIFを表示する場合を例に説明する。
【0031】
本例では、表示データIFは、分割データIF01と分割データIF02の2つの分割データに分割される。ここでは、表示データIFに含まれる6つの項目のうち、3つずつ含まれるように2つの分割データに分割された場合が図示されている。分割データIF01には、管理番号と、配送先と、便数とが含まれるように分割されている。分割データIF02には、品名と、年月日と、担当者とが含まれるように分割されている。
このような分割データは、外部装置から入力部305を介して取得してもよいし、分割データ生成部308が表示データを分割することで生成するようにしてもよい。
【0032】
分割データ生成部308が分割データを生成する場合、分割データ生成部308は、コンテナ4に設置された表示装置1の台数を分割数として取得し、この分割数に応じて表示データIFを分割してもよいし、オペレータの指示入力に従って表示データIFを分割してもよい。
また、割り当てデータ記憶部306が予め分割ルール(例えば、上3行を位置情報01の表示装置1に表示し、下3行を位置情報02の表示装置1に表示する等)を記憶しておき、分割データ生成部308がこの分割ルールを読み出し、表示データを分割ルールに従って分割してもよい。
表示制御装置3の分割データ生成部308は、分割データが得られた場合には、例えば、分割データIF01と第1の位置情報(例えば位置情報01)とを対応づけて位置情報記憶部131に記憶し、分割データIF02と第2の位置情報(例えば位置情報02)とを対応づけて位置情報記憶部131に記憶する。第1の位置情報が示す位置と第2の位置情報が示す位置は、異なる位置である。
【0033】
次に、
図8は、本実施形態による表示装置の配置関係と表示例を示すイメージ図である。
本図に示す例では、表示装置1は、コンテナ4に対して横一列に2台配置されている。また、この2台の表示装置1のうち、図を正面からみて左右方向における配置関係において、左側を第1の位置とし、右側を第2の位置として割り当てた場合、第1の位置を示す位置情報に「位置情報01」を割り当て、第2の位置を示す位置情報に「位置情報02」を割り当てた例が図示されている。
そして、2台の表示装置(表示装置1-1、表示装置1-2)のうち、位置情報01が示す位置に表示装置1-1が配置され、位置情報02が示す位置に表示装置1-2が配置されている。なお、以下、位置情報N(Nは正の整数)に配置された表示装置1を表示装置1-Nと記す。
そして、左側(位置情報01)の位置に設置された表示装置1-1には、分割データ01「管理番号:999999、配送先:AAAAA、便数:NNNN」が表示される。一方、右側(位置情報02)の位置に設置された表示装置1-2には、分割データ02「品名:XXXXXXX、年月日:YYMMDD、担当者:ZZZZZZZ」が表示される。
なお、位置情報は、表示装置1群において表示装置が配置された相対位置が特定できればよく、任意のものであってよい。例えば、位置情報は、左側に「位置情報02」を割り当て、右側に「位置情報01」を割り当ててもよい。
【0034】
図9は、本実施形態による表示装置の配置関係と表示例を示すイメージ図である。
本図に示す例では、表示装置1は、コンテナ4に対して縦一列に2台配置されている。この2台の表示装置1のうち、上側を表す位置情報に「位置情報01」を割り当て、下側を表す位置情報に「位置情報02」を割り当てた例が図示されている。
そして、2台の表示装置(表示装置1-1、表示装置1-2)のうち、位置情報01が示す位置に表示装置1-1が配置され、位置情報02が示す位置に表示装置1-2が配置されている。その上で、表示装置1-1は、分割データ01を表示する。一方、下側に設置された表示装置1-2は、分割データ02を表示する。
このように、1台の表示装置に表示データの全体を表示するのではなく、表示データを複数の表示装置1に分割して表示することにより、複数の表示装置の表示画面全体で1つの表示データを表示するようにしたので、表示データを表示できる表示画面の面積を増やすことができるため、表示する情報量を減らすことなく、その表示文字を大きくすることができ視認性が向上する。
【0035】
続いて、コンテナ4に設置された複数の表示装置1それぞれの相対位置を特定し、各表示装置1に位置情報を登録する登録処理について説明する。
まず、表示制御装置3を操作するオペレータは、リーダライタ装置2の通信可能領域内へ、複数の表示装置1が配置されたコンテナ4を設置する。表示制御装置3の送信部307は、UIDを取得するための問い合わせ信号を送信する。受信部301は、この問い合わせ信号に応じて複数の表示装置1から送信される、各々のUIDをリーダライタ装置2を介して取得する。
続いて、表示制御装置3のテスト画像生成部302は、テスト画像を生成する。ここではテスト画像生成部302は、受信したUIDの個数が2である場合には、数字「1」を示す番号画像と、数字「2」を示す番号画像とをそれぞれテスト画像として生成する。テスト画像が生成されると、送信部307は、UIDを取得(受信)した順に、その順番を示す番号画像(テスト画像)を各表示装置1それぞれに対してリーダライタ装置2を介して送信することで表示させる。
【0036】
図10は、本実施形態による表示装置が表示する番号画像の表示例を示すイメージ図である。
本例では、表示制御装置3の送信部307は、先にUIDを取得した表示装置1-2に数字「1」を示す番号画像1をリーダライタ装置2を介して送信し、次にUIDを取得した表示装置1-1に数字「2」を示す番号画像2をリーダライタ装置2を介して送信している。ここでは、表示装置1-1と表示装置1-2とのうち、表示装置1-2、表示装置1-1の順にUIDを受信した場合には、この図に示すように、位置情報01の位置(左側)に配置された表示装置1-1には、番号画像2が表示され、位置情報02の位置(右側)に配置された表示装置1-2には、番号画像1が表示される。
【0037】
図11は、本実施形態による位置情報の登録方法を説明するための説明図である。
表示制御装置3の表示部303は、位置情報01(左側)に配置された表示装置1、及び位置情報02(右側)に配置された表示装置1それぞれの番号画像が示す数字の入力を受け付ける設定画面SSを表示する。ここでは、
図10において説明したように、位置情報01の位置(左側)に配置された表示装置1-1には、番号画像2が表示され、位置情報02の位置(右側)に配置された表示装置1-2には、番号画像1が表示されている場合について説明する。
オペレータは、各表示装置1に表示された数字を目視し、設定画面SSにおいて、左側に配置された表示装置1-1が表示する数字「2」を位置情報01に対応する入力欄に入力し、右側に配置された表示装置1-2が表示する数字「1」を位置情報02に対応する入力欄に入力する。なお、本例ではオペレータが各表示装置1の位置及び番号画像を目視しているが、これに限らず、カメラで表示装置1群を撮像し、各表示装置1の相対位置及び表示している番号画像を画像解析してもよい。この場合には、表示制御装置3は、カメラが表示装置1群を撮像した撮像画像を取得し、取得した撮像画像を解析して各表示装置1の相対位置及び番号画像を判定し、それぞれを対応付ける。
【0038】
表示制御装置3の送信部307は、入力された順番に従い、リーダライタ装置2を介して、番号画像2が表示されている表示装置1-1へ位置情報01と番号画像1とを送信する。表示装置1-1は、リーダライタ装置2を介して位置情報01と番号画像1とを受信すると、位置情報記憶部131に位置情報01を書き込み、番号画像1を表示部11に表示する。続いて、表示制御装置3は、リーダライタ装置2を介して、番号画像1が表示されている表示装置1-2へ位置情報02と番号画像2を送信する。表示装置1-2は、リーダライタ装置2を介して位置情報02と番号画像2とを受信すると、位置情報記憶部131に位置情報02を書き込み、番号画像2を表示部11に表示する。これにより、表示位置01に配置された表示装置1-1には番号画像1が表示され、表示位置02に配置された表示装置1-2には番号画像2が表示されるため、各表示装置1に表示されている番号が、その位置情報と対応する。そして、オペレータは、正確な位置情報が各表示装置1に書き込まれたことを確認することができる。
【0039】
図12は、本実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
位置情報記憶部131が備えるユーザメモリは、ページ(又はブロック)毎にデータを記憶管理する。
本図に示す例では、1ページが4Byte単位である。通信部13は、表示制御装置3から受信した位置情報を位置情報記憶部131のページNo.0のByte0に対応する領域に書き込む。
以下、説明の便宜を図るため、表示装置1-1が備える位置情報記憶部131のユーザメモリをユーザメモリ131-1と記し、表示装置1-2が備える位置情報記憶部131のユーザメモリをユーザメモリ131-2と記す。以下、同様に、位置情報Nに配置された表示装置1-Nが備える位置情報記憶部131のユーザメモリをユーザメモリ131-Nと記す。
図示するように、ユーザメモリ131-1のページNo.0のByte0(符号P01)には、位置情報01を示す「01h」が書き込まれている。また、ユーザメモリ131-2のページNo.0のByte0(符号P02)には、位置情報02を示す「02h」が書き込まれている。
【0040】
これにより、各表示装置1は、自表示装置1に対して割り当てられた位置情報については、予め決められたメモリ領域(一例として、ページNo.0のByte0)に記憶する。登録処理は、コンテナ4に表示装置1群が配置された際や最初に表示データを表示装置1群に表示する際に1度実行すれば、表示装置1群の組み合わせや配置位置、表示のルールに変更がなければ、再度実行しなくてもよい。
【0041】
図13は、本実施形態による表示装置群に属する表示装置がN台である場合における各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
図示するように、表示装置1-1のユーザメモリ131-1のページNo.0のByte0fには、位置情報01を示す「01h」が書き込まれおり、表示装置1-2のユーザメモリ131-2のページNo.0(符号P02)のByte0には、位置情報02を示す「02h」が書き込まれており、表示装置1-3のユーザメモリ131-3のページNo.0のByte0(符号P03)には、位置情報03を示す「03h」が書き込まれており、表示装置1-Nのユーザメモリ131-NのページNo.0(符号PN)のByte0には、位置情報Nを示す「nnh」が書き込まれている。
この例では、ユーザメモリには、位置情報を記憶することが可能であるが、ある表示装置におけるユーザメモリには、自身の表示装置1に割り当てられた位置情報のみを記憶する例について説明した。すなわち、他の表示装置1の位置情報を記憶する構成をとることも可能であるが、自身の表示装置1に割り当てられた位置情報のみを記憶するようにした場合には、表示装置1群に属する表示装置1の台数が増えた場合であっても、各表示装置1に登録する登録情報は、自身の表示装置の位置情報のみ記憶すればすむため、各表示装置1におけるユーザメモリの使用量が増大してしまうことを防ぐことができる。
【0042】
図14は、本実施形態による表示システムが実行する登録処理の手順を示すフローチャートである。
まず、オペレータは、リーダライタ装置2の通信可能領域へ表示装置1群が配置されたコンテナ4が入るように、リーダライタ装置2とコンテナ4と位置を相対的に近づける。このとき、オペレータは、表示装置1群に属する全ての表示装置1がリーダライタ装置2の通信可能領域に入るように、リーダライタ装置2とコンテナ4との位置を調整する。
次に、リーダライタ装置2は、通信可能領域にある表示装置1を検出(UIDを受信)する(ステップS101)。各表示装置1の通信部13は、衝突を防止するための衝突防止処理を実行する(ステップS102)。衝突防止処理は、1つのリーダライタ装置が複数のRFIDタグと通信する場合であっても、各RFIDタグとの間で通信上の衝突が生じないように通信順序を制御する処理である。表示制御装置3の受信部301は、予め設定された所定数のUIDを検出したか否かを判定する(ステップS103)。当該所定数は、コンテナ4に配置された表示装置1の台数である。所定数のUIDを検出していない場合(ステップS103;No)、ステップS102の処理に戻る。一方、所定数のUIDを検出した場合(ステップS103;Yes)、表示制御装置3の送信部307は、リーダライタ装置2を介して、検出した順番に表示装置1に番号画像をリーダライタ装置2を介して送信することで書き込む(ステップS104)。ここでは、検出した順番が後になるほど、番号画像として表示される数が大きくなるような番号画像である。例えば、検出した順番が1番である表示装置1には、番号画像として「1」、検出した順番が2番である表示装置1には、番号画像として「2」のように、検出順と表示される数が対応する。
表示装置1の制御部12は、書き込まれた番号画像を表示部11に表示する。続いて、表示制御装置3の送信部307は、検出した全てのUIDの表示装置1に対して番号画像の書き込み(送信)が終了したか否かを判定する(ステップS105)。全ての表示装置1に対して番号画像の書き込みが終了していない場合(ステップS105;No)、ステップS104の処理に戻る。一方、全ての表示装置1に対して番号画像の書き込みが終了した場合(ステップS105;Yes)、表示制御装置3のテスト画像生成部302は、設定画面SSを表示部303に表示し、各位置にある表示装置1が表示する数字の入力を受け付ける(ステップS106)。オペレータは、並べたい順番に表示装置1が表示する数字を入力する。テスト画像生成部302は、入力部305から入力された、並べたい順番と番号画像が示す番号との対応関係を送信部307に出力する。表示制御装置3の送信部307は、並べたい順番と番号画像が示す番号との関係に基づいて、リーダライタ装置2を介して、数字が入力されたUIDの表示装置1に対し、位置情報を含む登録情報を送信することで書き込む(ステップS107)。表示制御装置3の送信部307は、検出した全てのUIDの表示装置1に対して登録情報の書き込みが終了したか否かを判定する(ステップS108)。全ての表示装置1に対して登録情報の書き込みが終了していない場合(ステップS108;No)、ステップS107の処理に戻る。一方、全ての表示装置1に対して登録情報の書き込みが終了した場合(ステップS108;Yes)、処理を終了する。
【0043】
続いて、登録情報の書き込みが完了した表示装置1群に表示データを表示する際の動作について説明する。
図15は、本実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
まず、オペレータがリーダライタ装置2の通信可能領域へ表示装置1群が配置されたコンテナ4を配置する。リーダライタ装置2は、通信可能領域にある表示装置1を検出する(ステップS201)。各表示装置1の通信部13は、衝突を防止するための衝突防止処理を実行する(ステップS202)。表示制御装置3の受信部301は、予め設定された所定数のUIDを検出したか否かを判定する(ステップS203)。当該所定数は、コンテナ4に配置された表示装置1の台数である。所定数のUIDを検出していない場合(ステップS203;No)、ステップS202の処理に戻る。
一方、所定数のUIDを検出した場合(ステップS203;Yes)、表示制御装置3の受信部301は、検出したUIDの表示装置1の位置情報記憶部131から位置情報を読み込む(ステップS204)。続いて、表示制御装置3の送信部307は、読み込んだ位置情報に対応する分割データ(画像や情報)を割り当てデータ記憶部306から読み出し、読み出した分割データを表示装置1に送信することで書き込み、表示装置1の表示を更新する(ステップS205)。表示制御装置3の送信部307は、検出した全てのUIDの表示装置1に対して分割データの書き込みが終了したか否かを判定する(ステップS206)。全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了していない場合(ステップS206;No)、ステップS204の処理に戻る。一方、全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了した場合(ステップS206;Yes)、処理を終了する。
なお、ステップS203、ステップS206のそれぞれのステップにおいて、「No」と判定された回数が一定数に到達した場合に、エラー表示をするようにしてもよい。
【0044】
このように、本実施形態によれば、表示システム100は、表示装置1と、表示制御装置3とを備える。表示装置1は、複数の表示装置1が配置された表示装置1群において自表示装置1が配置された相対位置を識別可能な位置情報を記憶する位置情報記憶部131と、表示データが分割された分割データを表示装置群に送信することで表示装置1群によって表示データを表示させる表示制御装置3に対して位置情報を送信する送信部132と、位置情報を受信した表示制御装置3において位置情報と分割データとが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部306から、受信した位置情報に対応する分割データが読み出され表示制御装置3から送信される分割データを受信する受信部133と、受信部133が受信した分割データを表示画面に表示する表示部11とを有する。表示制御装置3は、複数の表示装置1が配置された表示装置1群において表示装置1が配置された相対位置を識別可能な位置情報を表示装置1から受信する受信部301と、表示データが分割された分割データを表示装置1群に送信することで表示装置1群によって表示データを表示させることが可能な分割データと位置情報とが対応付けられた割り当てデータを記憶する割り当てデータ記憶部306と、受信部301が受信した位置情報に対応する分割データを割り当てデータ記憶部306から読み出して当該位置情報の送信元の表示装置1に送信する分割データを生成する分割データ生成部308と、分割データを送信する送信部307と、を有する。
【0045】
このような構成により、各表示装置1が表示装置1群における自表示装置1の相対位置を記憶しているため、多数のリーダを配置することなく、表示制御装置3が各表示装置1の表示装置1群における相対位置を特定することができる。また、各表示装置1の相対位置を外部のコンピュータ(例えば、サーバ装置)等により管理する必要もない。すなわち、簡易な構成によって、各表示装置1の表示装置1群における相対位置を特定することができる。これにより、表示制御装置3は、各表示装置1に適切な分割データを割り当てて表示させ、表示装置1群によって正確な表示データを表示させることができる。よって、表示装置1群により表示する情報量を低下させることなく、文字のサイズを大きくし、視認性を向上させることができる。また、表示装置1の位置情報記憶部131に書き込む登録情報は位置情報のみであり情報量が少ないため、ユーザメモリの使用量が比較的少なく、書込み時間も短くすることができる。
【0046】
また、表示制御装置3は、取り付け対象である対象物に複数の表示装置1が取り付けられ、表示データが分割された分割データを複数の表示装置1に送信することで複数の表示装置1によって表示データを表示させる表示システムにおける各表示装置1と通信を行う登録装置として機能することもできる。表示制御装置3は、複数の表示装置1のそれぞれから当該表示装置1を識別する識別情報を受信する受信部301と、識別情報の送信元の表示装置1に対して、それぞれ異なるテスト画像を生成するテスト画像生成部302とテスト画像データを送信する送信部307と、複数の表示装置1における特定の表示装置1の相対位置と、表示されたテスト画像との関係に応じて複数の表示装置1のそれぞれに定められる位置情報を、対応する各表示装置1に送信する位置情報を生成する位置情報生成部304と、位置情報を送信する送信部307と、を有する。
このような構成により、表示制御装置3は登録装置として機能することで、各識別情報の表示装置1の相対位置を特定し、各表示装置1に正確な位置情報を書き込むことができる。これにより、容易に正確な位置情報を各表示装置1に登録することができる。
【0047】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態における表示システム100では、表示処理を実行する前に予め表示装置1群に属する表示装置1の台数を表示制御装置3に設定しておく場合について説明した。本実施形態では、都度台数を設定しなくても表示装置1群を登録する場合について説明する。また、ここでは、各表示装置1は、自身に割り当てられた位置情報の他に、自表示装置1が属する表示装置1群の配下にある表示装置1の台数を登録情報として記憶する。
【0048】
図16は、本実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態における表示制御装置3Aは、第1の実施形態における表示制御装置3の構成に加えて台数判定部309を備える。
本実施形態における受信部301は、上述の機能の他にさらに、位置情報の送信元の表示装置1が属する表示装置1群の表示装置1の台数を表示装置1からリーダライタ装置2を介して受信する機能を有する。
台数判定部309は、受信部301が受信した位置情報の総数と台数とが一致するか否かを判定する。判定に用いられる総数は、自表示装置1が属する表示装置1群に属する表示装置の台数である。また、判定に用いられる台数は、表示装置1群と通信を行い各表示装置1からその表示装置1に割り当てられた位置情報をそれぞれ受信することで得られた位置情報の個数である。
分割データ生成部308は、台数判定部309の判定結果に基づいて分割データを生成し、生成した分割データを位置情報に対応付けて割り当てデータ記憶部306に記憶する。例えば、分割データ生成部308は、受信部301が受信した位置情報の総数と台数とが一致すると台数判定部309によって判定された場合に、分割データを生成する。この場合、分割データ生成部308は、台数判定部30の判定に用いられた総数または台数と同じになるような分割数で分割データを生成する。
送信部307は、上述の機能の他にさらに、台数判定部309によって総数と台数とが一致すると判定された場合に、分割データを送信する機能を有する。
送信部307は、上述した登録処理におけるステップS107において、登録情報として位置情報とともに、表示装置1群の表示装置1の台数(以下、「総数」とする。)を各表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信する。これにより、送信部307は、位置情報とともに総数を各表示装置1の位置情報記憶部131に書き込む。この台数が書き込まれることで、表示装置1群に属する表示装置1の台数が、各表示装置1に登録される。
表示制御装置3Aの他の構成は、第1の実施形態における表示制御装置3と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
図17は、本実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
ここでは、表示装置1群に表示装置1-1と表示装置1-2の2台が属する場合について、各表示装置1-1、表示装置1-2の位置情報記憶部に記憶される情報について説明する。
図示するように、表示装置1-1のユーザメモリ131-1が備えるユーザメモリのページNo.0のByte1(符号TN)には、総数「02h」が書き込まれている。ユーザメモリ131-1において、第1の実施形態と同様に、ページNo.0のByte0(符号P01)には、位置情報「01h」が書き込まれている。
表示装置1-2のユーザメモリ131-2が備えるユーザメモリのページNo.0のByte1(符号TN)には、総数「02h」が書き込まれている。ユーザメモリ131-2において、第1の実施形態と同様に、ページNo.0のByte0(符号P02)には、位置情報「02h」が書き込まれている。
なお、本例では、位置情報記憶部131は、ユーザメモリのページNo.0のByte0に位置情報を記憶し、Byte1に総数を記憶する場合について説明するが、各情報を記憶する領域はこれに限らず、例えば、ユーザメモリのページNo.0のByte1に位置情報を記憶し、Byte0に総数を記憶してもよい。
【0050】
このように、表示装置1が属する表示装置1群の総数を記憶することで、表示制御装置3Aは、表示装置1群に属するいずれかの表示装置1と通信をすることができれば、その通信を行うことができた表示装置1のユーザメモリに記憶された「総数」を参照することで、表示装置1群に属する表示装置1の総数が何台であるかを容易に把握することができる。よって、表示制御装置3Aは、各表示装置1と通信を行って得られた位置情報の個数が、総数と一致するか否かを判定することで、1つのコンテナ4に設置された各表示装置1と通信を行うことができたかを確認することができ、総数を正確に把握して表示データを各表示装置1に適切に表示することができる。
【0051】
続いて表示装置1群に表示データを表示する際の動作について説明する。ここでは、上述した総数や位置情報等を含む登録情報が各表示装置1に対して、表示処理を行う前に登録処理が行われることで書き込みされてある場合について説明する。
図18は、本実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS301~ステップS302までの処理は、第1の実施形態におけるステップS201~ステップS202までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS302に続いて、表示制御装置3Aの受信部301は、UIDを検出したか否かを判定する(ステップS303)。
UIDを検出していない場合(ステップS303;No)、ステップS302の処理に戻る。一方、UIDを検出した場合(ステップS303;Yes)、表示制御装置3Aの受信部301は、検出したUIDの表示装置1の位置情報記憶部131から位置情報及び総数をリーダライタ装置2を介して受信することで読み込む(ステップS304)。例えば、受信部301は、リーダライタ装置2を介して2台の表示装置1と通信を行うことができた場合には、これら2台の表示装置1からそれぞれ位置情報と総数を受信することで読み込む。
続いて、表示制御装置3Aの台数判定部309は、読み込んだUIDの個数をカウントするとともに、UIDの個数をカウントすることで得られた個数と、読み込んだ総数とが一致するか否かを判定することで、読み込んだ総数全てのUIDを検出したか否かを判定する(ステップS305)。この判定に用いる総数は、いずれの表示装置1から受信したデータを用いてもよい。台数判定部309は、カウントすることで得られた個数と読み込んだ総数が一致していなければ、総数全てのUIDを検出していないと判定し(ステップS305;No)、ステップS302の処理に戻る。一方、台数判定部309は、カウントすることで得られた個数と読み込んだ総数が一致していれば、総数全てのUIDを検出したと判定する(ステップS305;Yes)。総数全てのUIDが検出された場合、表示制御装置3Aの送信部307は、読み込んだ位置情報に対応する分割データ(画像や情報)を割り当てデータ記憶部306から読み出し、読み出した分割データを表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信することで書き込み、表示装置1の表示を更新する(ステップS306)。
表示制御装置3Aの送信部307は、検出した全てのUIDの表示装置1に対して分割データの書き込みが終了したか否かを判定する(ステップS307)。全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了していない場合(ステップS307;No)(分割データの送信が完了していない場合)、ステップS306の処理に戻る。一方、全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了した場合(ステップS307;Yes)(分割データの送信が完了している場合)、処理を終了する。
なお、ステップS303、ステップS305、ステップS307のそれぞれのステップにおいて、「No」と判定された回数が一定数に到達した場合に、エラー表示をするようにしてもよい。
【0052】
このように、本実施形態によれば、表示装置1の位置情報記憶部131は、位置情報とともに、自表示装置1が属する表示装置1群の表示装置1の台数を記憶する。表示制御装置3Aの受信部301は、位置情報の送信元の表示装置1が属する表示装置1群の表示装置1の台数を表示装置1から受信し、表示制御装置3Aは、受信した位置情報の総数と台数とが一致するか否かを判定する台数判定部309を有し、送信部307は、台数判定部309によって総数と台数とが一致すると判定された場合に、分割データを送信する。
【0053】
このような構成により、表示制御装置3Aは、表示装置1群に属する表示装置1の台数を容易に把握することができるため、表示装置1群に属する全ての表示装置1の位置情報を取得することができたか否かを判定することができる。これにより、表示処理を行う際に台数を予め表示制御装置3Aに設定する必要がない。例えば、複数のコンテナ4に対してそれぞれ分割データを書き込む際に、1つめのコンテナ4に取り付けられた表示装置1の総数と、2つめのコンテナ4に取り付けられた各コンテナ4の表示装置1の総数が異なる場合には、今回通信を行う対象のコンテナ4の表示装置1が何台であるかの台数を表示制御装置に都度、設定する必要がある。しかし、この実施形態によれば、表示装置1に記憶されているため、各コンテナ4に配置されている表示装置1の台数が異なる場合であっても、表示装置1に記憶された総数を読み出せば総数を把握することができ、各表示装置1群に表示データを適切に表示することができる。よって、本実施形態によれば、位置情報のみを記憶する第1の実施形態と比較して信頼性の高い表示システム100を構築することができる。また、表示装置1の位置情報記憶部131に追加して書き込む情報は台数のみであるため、ユーザメモリの使用量の増加は比較的少ない。
【0054】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態においては、表示処理の際に、リーダライタ装置2の通信可能領域に他の表示装置1群に属する表示装置1が混在している場合について説明する。また、本実施形態では、各表示装置1がどの表示装置1群に属するかを容易に判別するために、各表示装置1は、位置情報及び総数に加えて、自表示装置1が属する表示装置1群の配下にある他の全ての表示装置1の識別情報(UID)を登録情報として記憶する。
【0055】
図19は、本実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態における表示制御装置3Bは、第2の実施形態における表示制御装置3Aの構成に加えて識別情報判定部310を備える。
本実施形態における受信部301は、第2の実施形態において説明した機能の他にさらに、表示装置1を識別する識別情報であり位置情報の送信元の表示装置1が属する表示装置1群の配下にあるそれぞれの表示装置1の識別情報を示す識別情報群を、表示装置1群のうち少なくとも1台の表示装置1からリーダライタ装置2を介して受信する機能を有する。
識別情報判定部310は、複数台の表示装置1と通信を行った際に、各表示装置1から送信される送信元の表示装置1の識別情報が、識別情報群のいずれかの識別情報に対応するかを判定する。例えば、識別情報判定部310は、この判定を、受信部301が受信した位置情報の総数と台数とが一致すると台数判定部309によって判定された場合に行う。識別情報判定部310は、この判定を行うにあたり、受信部301によって受信され、台数判定部309を介して得られる識別情報が、識別情報群のいずれかの識別情報に対応するかを判定するようにしてもよい。
分割データ生成部308は、各表示装置1から送信される送信元の表示装置1の識別情報が、識別情報群のいずれかの識別情報に対応すると識別情報判定部310によって判定された場合に、分割データを生成する。
送信部307は、第2の実施形態において説明した機能の他にさらに、識別情報判定部310によって識別情報群に対応する識別情報が割り当てられた表示装置1に対して、分割データをリーダライタ装置2を介して送信する機能を有する。例えば、送信部307は、識別情報判定部310の判定結果に基づいて、識別情報群のそれぞれの識別情報と、各表示装置1から送信される送信元の表示装置1のそれぞれの識別情報が一致した場合に、分割データをリーダライタ装置2を介して送信する。
送信部307は、上述した登録処理におけるステップS107において、登録情報として位置情報及び総数とともに表示装置1群に属する他の全ての表示装置1の識別情報を各表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信する。これにより、送信部307は、位置情報及び総数とともに表示装置1群に属する他の表示装置1全ての識別情報を各表示装置1の位置情報記憶部131に書き込む。
表示制御装置3Bの他の構成は、第2の実施形態における表示制御装置3Aと同様であるため、その説明を省略する。
【0056】
図20は、本実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
ここでは、表示装置1群に表示装置1-1と表示装置1-2の2台が属する場合について、各表示装置1-1、表示装置1-2の位置情報記憶部に記憶される情報について説明する。
図示するように、ユーザメモリ131-1が備えるユーザメモリのページNo.1及びページNo.2には表示装置1群に属する他の表示装置1のUIDが書き込まれている。具体的には、ユーザメモリ131-1のページNo.1及びページNo.2の2つのページを用いて、表示装置1-2のUID「0000000000000002」(符号UID02)が書き込まれている。また、ユーザメモリ131-2のページNo.1及びページNo.2の2つのページを用いて、表示装置1-1のUID「0000000000000001」(符号UID01)が書き込まれている。位置情報記憶部131の他のデータ構成及びデータ例(総数や位置情報)は、第2の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0057】
図20に示す例では1つの表示装置1群に属する表示装置1の数が2である場合について説明したが、3以上の表示装置1が属する場合でも、各表示装置1のUIDをユーザメモリに記憶することもできる。
図21は、本実施形態による表示装置1群に属する表示装置が4台である場合における各表示装置の配置例を示す図である。
この例では、4台の表示装置1-1、表示装置1-2、表示装置1-3、表示装置1-4が縦横それぞれ2列に配置されている。これ表示装置のうち、位置情報01(紙面に向かって左上)に配置される表示装置1を表示装置1-1と記し、位置情報02(右上)に配置される表示装置1を表示装置1-2と記し、位置情報03(左下)に配置される表示装置1を表示装置1-3と記し、位置情報04(右下)に配置される表示装置1を表示装置1-4として説明する。
【0058】
図22は、これら4台の表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
この例において、位置情報記憶部131は、自表示装置1が属する表示装置1群の表示装置1のうち自表示装置1以外の表示装置1全てのUIDを、位置情報の指定順番(位置情報01、位置情報02、位置情報03、位置情報04の順)に記憶する。指定順番は、例えば、位置情報の数字が昇順となる順番である。位置情報記憶部131は、(総数‐1)台(本例では3台)分の表示装置1のUIDを記憶する。
【0059】
具体的には、表示装置1-1のユーザメモリ131-1は、ページNo.1及びページNo.2の2ページを用いて、表示装置1-2のUID「0000000000000002」を記憶し、ページNo.3及びページNo.4の2ページを用いて表示装置1-3のUID「0000000000000003」を記憶し、ページNo.5及びページNo.6の2ページを用いて表示装置1-4のUID「0000000000000004」を記憶している。
また、表示装置1-2のユーザメモリ131-2は、ページNo.1及びページNo.2の2ページを用いて表示装置1-1のUID「0000000000000001」を記憶し、ページNo.3及びページNo.4の2ページを用いて表示装置1-3のUID「0000000000000003」を記憶し、ページNo.5及びページNo.6の2ページを用いて表示装置1-4のUID「0000000000000004」を記憶している。
また、表示装置1-3のユーザメモリ131-3は、ページNo.1及びページNo.2の2ページを用いて表示装置1-1のUID「0000000000000001」を記憶し、ページNo.3及びページNo.4の2ページを用いて表示装置1-2のUID「0000000000000002」を記憶し、ページNo.5及びページNo.6の2ページを用いて表示装置1-4のUID「0000000000000004」を記憶している。
また、表示装置1-4のユーザメモリ131-4は、ページNo.1及びページNo.2の2ページを用いて表示装置1-1のUID「0000000000000001」を記憶し、ページNo.3及びページNo.4の2ページを用いて表示装置1-2のUID「0000000000000002」を記憶し、ページNo.5及びページNo.6の2ページを用いて表示装置1-3のUID「0000000000000003」を記憶している。
【0060】
このように、自表示装置1が属する表示装置1群の他の表示装置1全てのUID(識別情報群)を各表示装置1が記憶することで、表示制御装置3Bは、表示装置1群に属する1台の表示装置1からユーザメモリに記憶された登録情報を読み込むだけで、表示装置1群に属する全ての表示装置1のUIDを特定することができる。よって、表示制御装置3Bは、複数の表示装置1群がリーダライタ装置2の通信可能領域に混在する場合であっても、各表示装置1がどの表示装置1群に属するかを判別し、適切に表示データを各表示装置1に表示することができる。また、位置情報記憶部131に記憶されている他の表示装置1のUIDは、位置情報の指定順番に記憶されているため、表示制御装置3Bは、表示装置1群に属する1台の表示装置1から登録情報を読み込むだけで、表示装置1群に属する全ての表示装置1の配置位置を特定することができる。
【0061】
続いて、登録情報の書き込みが完了した表示装置1群に表示データを表示する際の動作について説明する。
図23は、本実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS401~ステップS403までの処理は、第2の実施形態におけるステップS301~ステップS303までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS403においてUIDを検出すると、表示制御装置3Bの受信部301は、検出したUIDの表示装置1の位置情報記憶部131から位置情報、総数及び識別情報群をリーダライタ装置2を介して受信することで読み込む(ステップS404)。例えば、受信部301は、リーダライタ装置2を介して4台の表示装置1と通信を行うことができた場合には、これら4台の表示装置1からそれぞれ位置情報、総数及び識別情報群を受信することで読み込む。
続いて、表示制御装置3Bの台数判定部309は、読み込んだUIDの個数をカウントするとともに、UIDの個数をカウントすることで得られた個数と、読み込んだ総数とが一致するか否かを判定することで、読み込んだ総数に対応する個数の全てのUIDを検出したか否かを判定する(ステップS405)。この判定に用いる総数は、いずれの表示装置1から受信したデータを用いてもよい。台数判定部309は、カウントすることで得られた個数と読み込んだ総数が一致していなければ、総数全てのUIDを検出していないと判定し(ステップS405;No)、ステップS402の処理に戻る。
一方、台数判定部309は、カウントすることで得られた個数と読み込んだ総数が一致していれば、総数全てのUIDを検出したと判定する(ステップS405;Yes)。総数全てのUIDが検出された場合、表示制御装置3Bの識別情報判定部310は、読み込んだ識別情報群に含まれる全てのUIDと、通信を行った各表示装置1のそれぞれから送信された当該送信元のUIDとを比較することで、読み込んだ識別情報群に含まれる全てのUIDを検出したか否かを判定する(ステップS406)。識別情報群に含まれる全てのUIDを検出していない場合(ステップS406;No)、ステップS402の処理に戻る。一方、識別情報群に含まれる全てのUIDを検出した場合(ステップS406;Yes)、表示制御装置3Bの送信部307は、読み込んだ位置情報に対応する分割データ(画像や情報)を割り当てデータ記憶部306から読み出し、読み出した分割データを識別情報群に含まれるUIDの表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信することで書き込み、表示装置1の表示を更新する(ステップS407)。
表示制御装置3Bの送信部307は、識別情報群に含まれる全てのUIDの表示装置1に対して分割データの書き込みが終了したか否かを判定する(ステップS408)。全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了していない場合(ステップS408;No)(分割データの送信が完了していない場合)、ステップS407の処理に戻る。一方、全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了した場合(ステップS408;Yes)(分割データの送信が完了している場合)、処理を終了する。
なお、ステップS403、ステップS405、ステップS406、ステップS408のそれぞれのステップにおいて、「No」と判定された回数が一定数に到達した場合に、エラー表示をするようにしてもよい。
また、ステップS406において総数およびUID(全てのUID、代表UID)が揃ったか否かを判定することができるため、ステップS405がなくてもよい。
【0062】
このように、本実施形態によれば、表示装置1の位置情報記憶部131は、位置情報及び自表示装置1が属する表示装置1群の表示装置1の台数とともに、自表示装置1が属する表示装置1群の配下にあるそれぞれの表示装置1の識別情報を示す識別情報群を記憶する。表示制御装置3Bの受信部301は、表示装置1を識別する識別情報であり位置情報の送信元の表示装置1が属する表示装置1群の配下にあるそれぞれの表示装置1の識別情報を示す識別情報群を、表示装置1群のうち少なくとも1台の表示装置1から受信し、表示制御装置3Bは、複数台の表示装置1と通信を行った際に、各表示装置1から送信される送信元の表示装置1の識別情報が、識別情報群のいずれかの識別情報に対応するかを判定する識別情報判定部310を有し、送信部307は、識別情報判定部310によって識別情報群に対応する識別情報が割り当てられた表示装置1に対して、分割データを送信する。
【0063】
このような構成により、表示制御装置3Bは、表示装置1群に属する1台の表示装置1から識別情報群を受信するだけで、表示装置1群に属する全ての表示装置1の識別情報を特定することができる。よって、表示制御装置3Bは、表示装置1群に属する表示装置1を識別することができるため、リーダライタ装置2の通信可能領域に他の表示装置1群に属する表示装置1が混在している場合であっても、表示装置1群に属する全ての表示装置1の位置情報を取得することができたか否かを正確に判定することができる。よって、リーダライタ装置2の通信可能領域に他の表示装置1群に属する表示装置1が混在している場合であっても表示データを正しく表示することができ、第1の実施形態及び第2の実施形態と比較して信頼性の高い表示システム100を構築することができる。
【0064】
また、送信部307は、識別情報判定部310の判定結果に基づいて、識別情報群のそれぞれの識別情報と、各表示装置1から送信される送信元の表示装置1のそれぞれの識別情報が一致した場合に、分割データを送信する。このような構成により、表示制御装置3Bは、表示装置1群に属する全ての表示装置1から位置情報を受信した場合にのみ、表示データを表示装置1群に表示させる。これにより、より信頼性の高い運用をすることができる。
【0065】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第3の実施形態における表示システム100では、各表示装置1は、表示装置1群に属する他の表示装置1全てのUIDを登録情報として記憶している。この実施形態において各表示装置1は、表示装置1群に属する表示装置1のうち特定の1台の表示装置1のUIDを登録情報として記憶する。
【0066】
図24は、本実施形態による表示制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態における表示制御装置3Cは、第2の実施形態における表示制御装置3Aの構成に加えて代表判定部311を備える。
本実施形態における受信部301は、第2の実施形態において説明した機能の他にさらに、表示装置1から、当該表示装置1の識別情報と、当該表示装置が属する表示装置1群の特定の1つの表示装置1である表示装置1の識別情報である代表識別情報とをリーダライタ装置2を介して受信する機能を有する。代表識別情報は、例えば、表示装置1群に属する表示装置1に割り当てられた位置情報のうち、先頭の位置情報を用いることができる。先頭の位置情報は、位置情報を昇順に並べたときに位置情報として付された番号が最も少ない位置情報を用いるようにしてもよい。
代表判定部311は、複数台の表示装置1と通信を行った際に、各表示装置1から送信される自表示装置1の識別情報と代表識別情報とに基づいて、各表示装置1から受信した代表識別情報が一致するか否かを判定する。例えば、代表判定部311は、この判定を、受信部301が受信した位置情報の総数と台数とが一致すると台数判定部309によって判定された場合に行う。代表判定部311は、この判定を行うにあたり、受信部301によって受信され、台数判定部309を介して得られる代表識別情報を用いることができる。
分割データ生成部308は、各表示装置1から受信した代表識別情報が一致したと代表判定部311によって判定された場合に分割データを生成する。
送信部307は、第2の実施形態において説明した機能の他にさらに、代表判定部311によって各代表識別情報が一致する場合に、表示装置1に割り当てられた位置情報に対応する分割データをそれぞれの表示装置1に送信する機能を有する。
送信部307は、登録処理における上述したステップS107において、登録情報として位置情報及び総数とともに表示装置1群に属する特定(例えば、先頭(位置情報01))の1つの表示装置1の識別情報を各表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信する。これにより、送信部307は、位置情報及び総数とともに表示装置1群に属する特定の表示装置1の識別情報(代表識別情報)を各表示装置1の位置情報記憶部131に書き込む。
表示制御装置3Cの他の構成は、第2の実施形態における表示制御装置3Aと同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
図25及び
図26は、本実施形態による各表示装置が備える位置情報記憶部のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。
図25は、表示装置1群に属する表示装置1が2台(表示装置1-1,表示装置1-2)である場合におけるデータ例を示す。
図26は、表示装置1群に属する表示装置1が4台(表示装置1-1,表示装置1-2,表示装置1-3,表示装置1-4)である場合におけるデータ例を示す。
図25において、表示装置1-1のユーザメモリ131-1、表示装置1-2のユーザメモリ131-2が備えるそれぞれのユーザメモリにおいて、ページNo.1及びページNo.2を用いて、表示装置1群に属する先頭(位置情報01)の表示装置1-1のUID「0000000000000001」(符号R-UID)が書き込まれている。
ユーザメモリ131-1及びユーザメモリ131-2の他のデータ構成及びデータ例は、第2の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
図26において、表示装置1-1のユーザメモリ131-1、表示装置1-1のユーザメモリ131-1が備えるそれぞれのユーザメモリにおいて、表示装置1-3のユーザメモリ131-3、表示装置1-4のユーザメモリ131-4が備えるそれぞれのユーザメモリにおいて、ページNo.1及びページNo.2を用いて、表示装置1群に属する先頭(位置情報01)の表示装置1-1のUID「0000000000000001」(符号R-UID)が書き込まれている。
ユーザメモリ131-1、ユーザメモリ131-2、ユーザメモリ131-3、ユーザメモリ131-4の他のデータ構成及びデータ例は、第2の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
なお、本例では、代表識別情報とする特定の表示装置1を先頭の表示装置1-1としているが、これに限らず、代表識別情報は、先頭の位置情報を用いる代わりに、表示装置1群に属する特定の1台の表示装置1のものであってもよい。
【0068】
このように、自表示装置1が属する表示装置1群の代表識別情報を各表示装置1が記憶することで、表示制御装置3Cは、各表示装置1がどの表示装置1群に属するかを特定することができる。よって、表示制御装置3Cは、リーダライタ装置2の通信可能領域に複数の表示装置1群が混在する場合であっても、各表示装置1がどの表示装置1群に属するかを判別し、適切に表示データを各表示装置1に表示することができる。また、表示装置1群に属する表示装置1が多い場合であっても、他の表示装置1のUIDをそれぞれ記憶する必要がなく、特定の表示装置1のUIDを記憶すればよいため、位置情報記憶部131におけるメモリ使用量が増大してしまうことを抑えることができる。
【0069】
続いて、登録情報の書き込みが完了した表示装置1群に表示データを表示する際の動作について説明する。
図27は、本実施形態による表示システムが実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS501~ステップS503までの処理は、第2の実施形態におけるステップS301~ステップS303までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS502に続いて、表示制御装置3Cの受信部301は、UIDを検出したか否かを判定する(ステップS503)。
UIDを検出していない場合(ステップS503;No)、ステップS502の処理に戻る。一方、ステップS503においてUIDを検出すると(ステップS503;Yes)、表示制御装置3Cの受信部301は、検出したUIDの表示装置1の位置情報記憶部131から位置情報、総数及び代表識別情報をリーダライタ装置2を介して受信することで読み込む(ステップS504)。例えば、受信部301は、リーダライタ装置2を介して4台の表示装置1と通信を行うことができた場合には、これら4台の表示装置1からそれぞれ位置情報、総数及び代表識別情報を受信することで読み込む。
続いて、表示制御装置3Cの台数判定部309は、読み込んだUIDの個数をカウントするとともに、UIDの個数をカウントすることで得られた個数と、読み込んだ総数とが一致するか否かを判定することで、読み込んだ総数全てのUIDを検出したか否かを判定する(ステップS505)。この判定に用いる総数は、いずれの表示装置1から受信したデータを用いてもよい。台数判定部309は、カウントすることで得られた個数と読み込んだ総数が一致していなければ、総数全てのUIDを検出していないと判定し(ステップS505;No)、ステップS502の処理に戻る。一方、台数判定部309は、カウントすることで得られた個数と読み込んだ総数が一致していれば、総数全てのUIDを検出したと判定する(ステップS505;Yes)。総数全てのUIDが検出された場合、表示制御装置3Cの代表判定部311は、各表示装置1から読み込んだ代表識別情報がいずれも一致するか否かを判定する(ステップS506)。代表識別情報が一致しない場合(ステップS506;No)、ステップS502の処理に戻る。一方、代表識別情報が一致する場合(ステップS506;Yes)、表示制御装置3Cの送信部307は、読み込んだ位置情報に対応する分割データ(画像や情報)を割り当てデータ記憶部306から読み出し、読み出した分割データを代表識別情報が一致する表示装置1にリーダライタ装置2を介して送信することで書き込み、表示装置1の表示を更新する(ステップS507)。
表示制御装置3Cの送信部307は、代表識別情報が一致する全てのUIDの表示装置1に対して分割データの書き込みが終了したか否かを判定する(ステップS508)。全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了していない場合(ステップS508;No)(分割データの送信が完了していない場合)、ステップS507の処理に戻る。一方、全ての表示装置1に対して分割データの書き込みが終了した場合(ステップS508;Yes)(分割データの送信が完了している場合)、処理を終了する。
なお、ステップS503、ステップS505、ステップS506、ステップS508のそれぞれのステップにおいて、「No」と判定された回数が一定数に到達した場合に、エラー表示をするようにしてもよい。
また、ステップS506において総数およびUID(全てのUID、代表UID)が揃ったか否かを判定することができるため、ステップS505がなくてもよい。
【0070】
このように、本実施形態によれば、表示装置1の位置情報記憶部131は、位置情報及び自表示装置1が属する表示装置1群の表示装置1の台数とともに、自表示装置1の特定の1つの表示装置1の識別情報である代表識別情報を記憶する。表示制御装置3Cの受信部301は、表示装置1から、当該表示装置1の識別情報と、当該表示装置1が属する表示装置1群の特定の1つの表示装置1である表示装置1の識別情報である代表識別情報とを受信し、表示制御装置3Cは、複数台の表示装置1と通信を行った際に、各表示装置1から送信される自表示装置1の識別情報と代表識別情報とに基づいて、各表示装置1から受信した代表識別情報が一致するか否かを判定する代表判定部311を有し、送信部307は、代表判定部3110によって各代表識別情報が一致する場合に、分割データを送信する。
【0071】
このような構成により、表示制御装置3Cは、位置情報の送信元の表示装置1が属する表示装置1群を識別することができるため、リーダライタ装置2の通信可能領域に他の表示装置1群に属する表示装置1が混在している場合であっても、表示装置1群に属する全ての表示装置1の位置情報を取得することができたか否かを判定することができる。よって、リーダライタ装置2の通信可能領域に他の表示装置1群に属する表示装置1が混在している場合であっても表示データを正しく表示することができ、第1の実施形態及び第2の実施形態と比較して信頼性の高い表示システム100を構築することができる。また、第3の実施形態では、各表示装置1は、自表示装置1が属する表示装置1群に属する全ての他の表示装置1の識別情報を記憶しているため、表示装置1群に属する表示装置1の台数が多くなるほどメモリ使用量が多くなり、またその情報の書き込みにも時間がかかる。これに対し、本実施形態では、各表示装置1は、位置情報及び台数に加えて代表識別情報のみを記憶すればよいため、表示装置1群に属する表示装置1の台数が多くてもその情報量は増えない。よって、本実施形態によれば、第3の実施形態と比較してメモリ使用量を低減することができ、その書き込み時間も短縮することができる。
【0072】
上述した実施形態における表示システム100の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0073】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0074】
例えば、上述した実施形態では、表示装置1の位置情報記憶部131のユーザメモリがページ(又はブロック)単位でデータを記憶管理する場合を例に説明したが、これに限らず、
図28~
図30に示すように、予め定められた所定のアドレスに各情報を書き込むものであってもよい。
図28及び
図29では、位置情報記憶部131は、アドレス「00h」に位置情報を記憶している。例えば、ユーザメモリ131-1は、アドレス「00h」に位置情報「01h」を記憶している。ユーザメモリ131-2は、アドレス「00h」に位置情報「02h」を記憶している。ユーザメモリ131-3は、アドレス「00h」に位置情報「03h」を記憶している。ユーザメモリ131-4は、アドレス「00h」に位置情報「04h」を記憶している。ユーザメモリ131-Nは、アドレス「00h」に位置情報「nnh」を記憶している。
図30では、位置情報記憶部131は、アドレス「00h」に総数を記憶し、アドレス「01h」に位置情報を記憶している。例えば、ユーザメモリ131-1は、アドレス「00h」に総数「04h」を記憶し、アドレス「01h」に位置情報「01h」を記憶している。また、ユーザメモリ131-3は、アドレス「00h」に総数「04h」を記憶し、アドレス「01h」に位置情報「03h」を記憶している。
なお、
図28は、表示装置1群に属する表示装置1の総数がN台である場合におけるデータ例である。
図29及び
図30は、表示装置1群に属する表示装置1の総数が4台である場合におけるデータ例である。
【0075】
また、上述した実施形態では、表示装置1の位置情報記憶部131は、ユーザメモリのページNo.0のByte0に位置情報を記憶し、Byte1に総数を記憶しているが、各情報を記憶する領域はこれに限らず、例えば、
図31~
図34に示すように、ユーザメモリのページNo.0のByte1に位置情報を記憶し、Byte0に総数を記憶してもよい。
図31は、4台の表示装置1が属する表示装置1群において各表示装置1が位置情報及び総数を記憶する場合のデータ例である。
図32は、2台の表示装置1が属する表示装置1群において各表示装置1が位置情報、総数及び識別情報群を記憶する場合のデータ例である。
図33は、4台の表示装置1が属する表示装置1群において各表示装置1が位置情報、総数及び識別情報群を記憶する場合のデータ例である。
図34は、4台の表示装置1が属する表示装置1群において各表示装置1が位置情報、総数及び代表識別情報を記憶する場合のデータ例である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・表示装置、2・・・リーダライタ装置、3,3A,3B,3C・・・表示制御装置、4・・・コンテナ、11・・・表示部、12・・・制御部、13・・・通信部、14,14A・・・アンテナ、15・・・電源回路、16・・・駆動回路、100・・・表示システム、131・・・位置情報記憶部、132・・・送信部、133・・・受信部、134・・・通信制御部、301・・・受信部、302・・・テスト画像生成部、303・・・表示部、304・・・位置情報生成部、305・・・入力部、306・・・割り当てデータ記憶部、307・・・送信部、309・・・台数判定部、310・・・識別情報判定部、311・・・代表判定部