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特開2022-25448グリル装置及びこれに用いられる板ばね体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025448
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】グリル装置及びこれに用いられる板ばね体
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/02 20060101AFI20220203BHJP
   F24C 15/16 20060101ALI20220203BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
F24C15/02 D
F24C15/16 Y
A47J37/06 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128272
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】町田 義典
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB03
4B040AC02
4B040AD04
4B040CA02
4B040GA03
4B040GD04
(57)【要約】
【課題】衝撃が加わっても、第一係止部及び第二係止部が塑性変形しにくい保持部を有するグリル装置を提供する。
【解決手段】グリル装置1は、グリル庫51と、グリル扉52と、グリル扉52を第一位置と第二位置との間で移動可能に支持する支持機構6と、を備える。支持機構6は、グリル庫51に対して固定された固定部7と、グリル扉52の移動に応じて移動する可動部8と、グリル扉52が第一位置にあるときに、可動部8の移動を止めることで、グリル扉52が第二位置側へ移動するのを妨げる保持部9と、を有する。保持部9は、可動部8に設けられた第一係止部91と、固定部7に設けられ、グリル扉52が第一位置にあるときに、第一係止部91に対して、第二位置側に位置して、第一係止部91の第二位置側への移動を妨げる第二係止部922と、を含む。第一係止部91又は第二係止部922は、一端が固定端でありかつ他端が自由端である板ばね体92に形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口面を有するグリル庫と、
前記開口面を開閉可能なグリル扉と、
前記グリル扉を第一位置と第二位置との間で移動可能に支持する支持機構と、
を備え、
前記支持機構は、
前記グリル庫に対して固定された固定部と、
前記固定部に対し、前記グリル扉の移動に応じて移動する可動部と、
前記グリル扉が前記第一位置にあるときに、前記固定部に対する前記可動部の移動を止めることで、前記グリル扉が前記第二位置側へ移動するのを妨げる保持部と、
を有し、
前記保持部は、
前記可動部に設けられた第一係止部と、
前記固定部に設けられ、前記グリル扉が前記第一位置にあるときに、前記第一係止部に対して、前記第二位置側に位置して、前記第一係止部の前記第二位置側への移動を妨げる第二係止部と、
を含み、
前記第一係止部又は前記第二係止部は、一端が固定端でありかつ他端が自由端である板ばね体に形成されている、
グリル装置。
【請求項2】
前記第一係止部及び前記第二係止部の各々は凸部によって構成されている、
請求項1記載のグリル装置。
【請求項3】
前記板ばね体に形成された前記第一係止部又は前記第二係止部は、相対移動する対向面に対して弾性的に接触している、
請求項1又は請求項2記載のグリル装置。
【請求項4】
前記板ばね体が、前記固定部の少なくとも一部でありかつ前記グリル庫の底板に沿うベース板に取り付けられており、
前記板ばね体は、
前記ベース板よりも上方に突き出る前記第二係止部と、
前記第二係止部に対して前記固定端側に位置し、かつ前記ベース板の下面に沿う下延出部と、
前記下延出部から上方向に突き出て、前記ベース板に形成された係止孔に嵌まり込む突起部と、
を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のグリル装置。
【請求項5】
前記板ばね体は、
前記下延出部と前記第二係止部との間に設けられ、前記ベース板の貫通孔を貫通する貫通部と、
前記貫通部と前記第二係止部との間に設けられた抜け落ち防止部と、
を有する、
請求項4記載のグリル装置。
【請求項6】
前記抜け落ち防止部は、前記貫通部よりも幅広に形成された上延出部によって構成されている、
請求項5記載のグリル装置。
【請求項7】
前記板ばね体は、
前記第二係止部と前記下延出部との間に設けられ、前記ベース板の上面に沿う上延出部を有し、
前記下延出部は、自然状態において前記上延出部に対して傾斜している、
請求項4に記載のグリル装置。
【請求項8】
前記第一位置は、前記グリル扉が前記開口面を閉じた位置であり、
前記第二位置は、前記グリル扉が前記開口面を開いた位置である、
請求項1~7のいずれか一項に記載のグリル装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のグリル装置に用いられる板ばね体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル装置及びこれに用いられる板ばね体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のグリル装置が記載されている。特許文献1記載のグリルは、固定レールと、固定レールに対してスライド可能な可動レールと、グリル扉が開口部を閉じた閉状態を維持する閉状態維持機構と、を備える。
【0003】
閉状態維持機構は、固定レールに一体に形成された第1突起と、可動レールに一体に形成された第2突起と、を備え、第2突起は第1突起の後方側に位置する。これによって、可動レールが前側に移動しようとしても、第2突起が第1突起に引っ掛かり、移動が規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-60507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載の閉状態維持機構では、グリル装置の搬送中に落下したり、地震が起こったりした際、第1突起と第2突起とが互いにぶつかって衝撃を受け、第1突起及び第2突起が塑性変形を起こすことがある。
【0006】
第1突起及び第2突起に塑性変形が起こると、閉状態維持機構によりグリル扉が閉状態に維持されていても、可動レールが前後方向にがたついたり、第1突起と第2突起とが係り合わなかったりすることがある、という問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、衝撃が加わっても、第一係止部及び第二係止部が塑性変形しにくい保持部を有するグリル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一態様のグリル装置は、前面に開口面を有するグリル庫と、前記開口面を開閉可能なグリル扉と、前記グリル扉を第一位置と第二位置との間で移動可能に支持する支持機構と、を備える。前記支持機構は、前記グリル庫に対して固定された固定部と、前記固定部に対し、前記グリル扉の移動に応じて移動する可動部と、前記グリル扉が前記第一位置にあるときに、前記固定部に対する前記可動部の移動を止めることで、前記グリル扉が前記第二位置側へ移動するのを妨げる保持部と、を有する。前記保持部は、前記可動部に設けられた第一係止部と、前記固定部に設けられ、前記グリル扉が前記第一位置にあるときに、前記第一係止部に対して、前記第二位置側に位置して、前記第一係止部の前記第二位置側への移動を妨げる第二係止部と、を含む。前記第一係止部又は前記第二係止部は、一端が固定端でありかつ他端が自由端である板ばね体に形成されている。
【0009】
本発明に係る一態様の板ばね体は、上記グリル装置に用いられる板ばね体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る上記態様のグリル装置及びこれに用いられる板ばね体は、衝撃が加わっても、第一係止部及び第二係止部が塑性変形しにくい保持部を有する、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るグリル装置の斜視図である。
図2図2は、同上のグリル装置のグリル部の斜視図である。
図3図3は、同上のグリル装置の可動部及び固定部周辺の断面図である。
図4図4(A)~図4(C)は、同上のグリル装置において、固定部に対して可動部が動く際の説明をするための断面図である。
図5図5(A)は、同上のグリル装置の板ばね体の正面図である。図5(B)は、同上のグリル装置の板ばね体の斜視図である。
図6図6(A)~(D)は、同上のグリル装置において、ベース板に板ばね体を設置する方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本実施形態に係るグリル装置1について、詳細に説明する。
【0013】
グリル装置1は、グリル庫51内に調理物を収容した状態で調理物を焼く調理器具である。グリル装置1は、グリル調理を行うことができる調理器具であれば、他の調理を行う機能が付加されていてもよい。また、本明細書でいう「グリル」とは、広義の「グリル」を意味する。すなわち、「グリル」には、肉や魚等の調理物を直火で焼く狭義の「グリル」だけでなく、グリル庫51に収容されたキャセロール又はプレートを直火で加熱し、その伝導熱で調理物を加熱したり、グリル庫51に収容された調理物を直火によらず放射熱で加熱したりする態様も含まれる。本実施形態に係るグリル装置1は、図1に示すように、グリル付きガスこんろ(以下、「ガスこんろ10」という)である。
【0014】
ガスこんろ10は、ガスを燃料とするこんろであり、図1に示すように、一の筐体31内にグリル部5と複数のバーナ部4とが配置される。ただし、本発明に係るグリル装置1としては、例えば、グリル調理のみを行うことができるグリル装置、オーブン機能を有するグリル装置、レンジ機能を有するグリル装置、オーブン・レンジ・炊飯機能を有するマルチグリル装置等であってもよい。
【0015】
本実施形態に係るガスこんろ10は、キッチンカウンタのワークトップに形成された開口に、機器本体3が落とし込まれるビルトインこんろ(ドロップインこんろ)である。この場合、ワークトップの上面が設置面である。ただし、ガスこんろ10としては、ビルトインこんろに限らず、設置面を、例えばこんろ台等の台面とし、台面に載せて使用されるテーブルこんろであってもよい。
【0016】
以下では、説明の便宜上、ガスこんろ10の設置状態及び使用態様に基づいて、方向を定義する。すなわち、設置面に対して直交する方向を「上下方向」として定義する。また、ガスこんろ10に正対してユーザが立って調理することを想定し、図1に示すように、ガスこんろ10からユーザに向かい、かつ水平面に沿う方向を「前方向」とし、その反対方向を「後方向」として定義する。また、「上下方向」及び「前後方向」に直交する方向を「左右方向」として定義し、「右」及び「左」は、ユーザからガスこんろ10を見た視点を基準とする。ただし、これらの方向の定義は、本発明に係るグリル装置1の使用態様を限定する趣旨ではない。
【0017】
ガスこんろ10は、図1に示すように、複数の五徳23及び排気口カバー22が取り付けられるトッププレート2と、複数のバーナ部4及びグリル部5を有する機器本体3と、を備える。
【0018】
(1)トッププレート
トッププレート2は、ガスこんろ10の最上部の板である。トッププレート2は、略矩形板状に形成されている。トッププレート2には、各バーナ部4の上端部が通される複数の孔(不図示)が形成されており、トッププレート2は、機器本体3の筐体31の上端に載るようにして、筐体31に取り付けられる。また、トッププレート2には、排気口21が形成されている。排気口21は、トッププレート2の後縁部に沿って形成されており、グリル部5の排気を出す。排気口21には、排気口カバー22が取外し可能に取り付けられている。
【0019】
(2)機器本体
機器本体3は、ガスこんろ10の主体を構成する。機器本体3は、筐体31と、複数の機器と、を備える。本実施形態に係る機器本体3は、複数の機器として、グリル部5と、複数のバーナ部4と、を備える。
【0020】
(2.1)筐体
筐体31は、機器本体3において、機器が収まる箱である。筐体31は、直方体状に形成されており、上面に開口面(不図示)を有している。筐体31の前面には、図1に示すように、グリル部5のグリル扉52を通すための開口311と、各機器の点火/消火スイッチを通すための開口312と、ロックレバーを通すための開口313と、が形成されている。
【0021】
(2.2)バーナ部
バーナ部4は、五徳23に載った被加熱物を加熱する。本実施形態に係るガスこんろ10は、複数のバーナ部4として、左右方向に離れた一対の大バーナ41と、一対の大バーナ41の間でかつ大バーナ41よりも後方に配置された小バーナ42と、を備える。大バーナ41及び小バーナ42は、ガスを含む気体の供給を受け、予混合燃焼を行うブンゼンバーナであり、五徳23に載った被加熱物を加熱する。
【0022】
(2.3)グリル部
グリル部5は、グリル庫51に収容された調理物に対し、グリル調理を行うことができる。「調理物」としては、例えば、肉、魚、パン、コロッケ、野菜、フライ、ピザ、グラタン、とんかつ等が挙げられる。ここで、図2には、グリル部5の斜視図を示す。図2においては、トッププレート2、バーナ部4及び筐体31等のグリル部5以外の機器や、グリル皿、焼き網については省略している。グリル部5は、図2に示すように、グリル庫51と、グリル扉52と、支持機構6と、を備える。
【0023】
(2.3.1)グリル庫
グリル庫51は、グリル調理を行うための箱である。グリル庫51は、略直方体状に形成されており、前面に開口面511を有している。グリル庫51の内部には、左右方向の側面及び天面に沿ってグリルバーナ(不図示)が設けられている。グリルバーナによって、グリル庫51内に収容された調理物を加熱することができる。なお、本発明では、グリルバーナは、左右方向の側面及び天面に加えて、底面に設けられてもよい。
【0024】
グリル庫51は、例えば、金属板からなる各種プレス加工品を組み立てることで構成されている。グリル庫51は、筐体31内に配置されており、筐体31に対して固定されている。筐体31とグリル庫51との固定は、例えば、ねじ止め、嵌め込み、ピン止め、カシメ、溶接等によって実現される。グリル庫51の開口面511は、筐体31の前面の開口311(図1)に通じている。
【0025】
グリル庫51の開口面511の周縁には、開口周縁部512が形成されている。開口周縁部512は、グリル庫51の開口面511の外周の全長にわたって形成されており、正面からみて(以下、正面視)略矩形枠状に形成されている。開口周縁部512は鉛直面に沿う扉対向面513を有しており、扉対向面513は、グリル庫51の開口面511を閉じた状態のグリル扉52に対向する。なお、本実施形態に係るガスこんろ10では、開口周縁部512は、グリル扉52を磁力で保持するための磁石を有していない。
【0026】
(2.3.2)グリル扉
グリル扉52は、グリル庫51の開口面511を開閉可能に閉じる扉である。グリル扉52は、鉛直面に沿った略矩形板状に形成されている。グリル扉52は、上下方向の中央よりも上側に形成された透光部521と、上下方向の下端部に形成された手掛かり部522と、を有している。
【0027】
グリル扉52は、支持機構6によって、グリル庫51とつながっており、グリル庫51の開口面511を閉じた位置である第一位置(本実施形態では「閉じ位置」という場合がある)と、開口面511を開いた位置である第二位置(本実施形態では「開き位置」という場合がある)と、の間で移動可能に支持されている。グリル扉52が開き位置にあると、支持機構6に対し、グリル皿や焼き網を載せることができ、また、当該グリル皿や焼き網に調理物を載せることができる。
【0028】
(2.3.3)支持機構
支持機構6は、グリル扉52を、閉じ位置(第一位置)と開き位置(第二位置)との間で移動可能に支持する。支持機構6は、グリル扉52を閉じ位置に位置させると、グリル扉52を閉じ位置に保持することができる。したがって、仮にガスこんろ10の設置面が傾いていても、調理中等に、グリル扉52が意図せず開くことを防ぐことができる。支持機構6は、グリル庫51に対して固定された一対の固定部7と、グリル扉52の移動に応じて移動する一対の可動部8と、グリル扉52を閉じ位置に保つ一対の保持部9(図4(B))と、を備える。これら一対の固定部7、可動部8及び保持部9は、グリル庫51の内部の左右方向の両端部において、対称に設けられている。以下では、一方の固定部7、可動部8及び保持部9について説明し、他方については説明を省略する。
【0029】
(2.3.3.1)固定部
固定部7は、支持機構6において、グリル庫51に対して固定された部分である。固定部7は、グリル庫51の内部における左右方向の端部に配置されている。ここで、「固定部7がグリル庫51に対して固定される」とは、グリル庫51に対して固定部7が動かない態様を意味する。したがって、「固定部7がグリル庫51に対して固定される」とは、固定部7がグリル庫51に対して動かなければ、固定部7が、グリル庫51に対して直接的に取り付けられていてもよいし、グリル庫51が取り付けられた筐体31に対して取り付けられてもよい。また、固定部7はグリル庫51と一体に形成されていてもよい。
【0030】
固定部7は、図3に示すように、ベース板71と、第一カバー板75と、を備えたカバー体で構成される。ベース板71は、水平面に沿った平板であり、グリル庫51の底板に沿って取り付けられている。ベース板71とグリル庫51の底板との取付けは、例えば、ねじ止め、嵌め込み、ピン止め、引っ掛け、カシメ、溶接等によって実現される。ベース板71は、グリル庫51内において、前後方向の略全長にわたって形成されている。
【0031】
第一カバー板75は、グリルバーナによる熱から可動部8を守る。第一カバー板75は、図3に示すように、左右方向において、可動部8よりもグリル庫51の中央側に位置する。第一カバー板75は、ベース板71の左右方向の端部のうち、グリル庫51の中央側の端部から立ち上げられている。第一カバー板75とベース板71とは、略L字状に形成されている。第一カバー板75の後端は、グリル庫51の後壁に対してねじ止めされている。
【0032】
(2.3.3.2)可動部
可動部8は、固定部7に対して移動する部分であり、グリル扉52の移動に応じて動く。ここでは、可動部8は、グリル扉52の前後方向に沿う移動に応じて、少なくとも一部が前後方向に移動する。可動部8は、図3に示すように、レールカバー81と、スライドレール84と、を備える。
【0033】
レールカバー81は、スライドレール84をカバーする。レールカバー81は、第二カバー板82と、天板83と、を備え、略L字状に形成されている。レールカバー81の前端にはグリル扉52が接続され、かつ第二カバー板82にはスライドレール84が取り付けられている。したがって、グリル扉52が前後方向に移動すると、レールカバー81は、グリル扉52の移動に応じて前後方向に移動する。
【0034】
スライドレール84は、グリル庫51に対し、前後方向に伸縮可能に取り付けられている。スライドレール84は、グリル扉52が前方向に移動すると伸長し、グリル扉52が後方向に移動すると収縮する。スライドレール84は、筐体31に対してブラケット32を介して取り付けられた固定子841と、固定子841に対して前後方向に移動する第一移動子842と、第一移動子842及び固定子841に対して前後方向に移動する第二移動子843と、を備える。固定子841及び第二移動子843は、各々が断面略C字状に形成されている。固定子841及び第二移動子843は、断面における開口が互いに向き合うように配置され、固定子841及び第二移動子843で囲まれた部分に第一移動子842が配置される。第二移動子843には、第二カバー板82が取り付けられている。
【0035】
第一移動子842は、固定子841及び第二移動子843に対して入れ子状に配置されており、固定子841及び第二移動子843に対して複数のボール844を介して接続されている。複数のボール844は、保持片845によって、第一移動子842と固定子841との間、及び第一移動子842と第二移動子843との間で保持されている。
【0036】
固定子841、第一移動子842及び第二移動子843の各々は、図2に示すように、前後方向に延びている。第二移動子843は、上述の通り、レールカバー81に取り付けられており、グリル扉52の移動に応じて移動する。したがって、グリル扉52が、例えば閉じ位置から開き位置に向かって移動すると、グリル扉52の移動に応じて、第二移動子843が前方向に移動し、さらに第二移動子843の移動に応じて第一移動子842が移動する。これにより、スライドレール84は、収縮した状態から伸長する。一方、グリル扉52が開き位置から閉じ位置に向かって移動すると、グリル扉52の移動に応じて、第二移動子843及び第一移動子842が後方向に移動し、スライドレール84が伸長した状態から収縮する。
【0037】
保持部9は、グリル扉52が閉じ位置(第一位置)にあるときに、固定部7に対する可動部8の移動を止めることで、グリル扉52が開き位置(第二位置)側へ移動するのを妨げる。ここで、図4(A)~(C)には、固定部7に対する可動部8の動きを断面図で示している。図4(A)~(C)に示すように、保持部9は、第一係止部91と、第二係止部922と、を備え、図4(C)に示すように、第一係止部91と第二係止部922とが係り合うことで、固定部7に対する可動部8の開き位置に向かう動きを止めることができる。
【0038】
第一係止部91は、可動部8に設けられている。より具体的に説明すると、第一係止部91は、レールカバー81の第二カバー板82の下端における後端部に形成されている。第二カバー板82の後端部の下端には、後ろから前に向かって、導入部821と、第一係止部91とが連続して形成されている。
【0039】
導入部821は、可動部8の後端に近づくほど上方向に位置するように、ベース板71に対して傾斜している。グリル扉52を開き位置から閉じ位置に移動させると、導入部821は、第二係止部922に最初に当たり、可動部8の移動に従って第二係止部922を下方向に移動させる。
【0040】
第一係止部91は、下方向に突き出る凸部によって構成されている。ここでいう「突き出る」とは、第二カバー板82の下端における第一係止部91よりも開き位置側(前側)の部分よりも下方向に突き出ることを意味する。なお、第二カバー板82の下端面における第一係止部91よりも第二位置側(前側)の部分は平面であり、ベース板71に対して略平行である。
【0041】
第二係止部922は、図4(C)に示すように、グリル扉52が閉じ位置にあるときに、前後方向において、第一係止部91よりも開き位置側(前側)に位置し、第一係止部91が開き位置に向かって移動するのを妨げる。第二係止部922は、板ばね体92の一部によって構成されている。
【0042】
板ばね体92は、図5(A)(B)に示すように、当たり部921と、上延出部923と、第二係止部922と、貫通部924と、下延出部925と、一対の突起部926と、を備える。板ばね体92は、長手方向に沿って(本実施形態では前後方向に沿って)、当たり部921、上延出部923の一部、第二係止部922、上延出部923の他の部分、貫通部924、下延出部925及び突起部926の順に一体に形成されている。板ばね体92は、長手方向のうちの突起部926側の端部がベース板71に固定される固定端であり、当たり部921側の端部が自由端である片持ち梁状をなす。板ばね体92の材質としては、弾性変形し得る材料であれば特に制限はないが、例えば、ばね用ステンレス鋼、ばね用炭素鋼、ばね用炭素工具鋼、りん青銅、合成樹脂板等が挙げられる。板ばね体92は、本実施形態では、プレス加工により一体に形成されているが、本発明では、溶接によって接合された部分を有してもよい。
【0043】
当たり部921は、ベース板71の下面に当たる部分であり、図4(A)に示すように、当たり部921がベース板71の下面に当たることで、板ばね体92をしなった状態で、ベース板71に設置することができる。当たり部921は、略C字状に形成されており、その先端面がベース板71の下面に当たる。ただし、当たり部921としては、少なくとも一部がベース板71の下面に当たればよく、形状に制限はない。当たり部921の形状としては、略C字状のほか、例えば、略L字状、略I字状、略コ字状等が挙げられる。
【0044】
上延出部923は、ベース板71の上面に沿う部分である。上延出部923は、前後方向に延びた平面からなる帯状に形成された部分である。上延出部923の後端には、当たり部921が設けられている。上延出部923の長手方向の中間部分には、上延出部923から上方向に突き出る第二係止部922が形成されている。
【0045】
第二係止部922は、上延出部923よりも上方向に突き出ており、これにより、ベース板71の上面よりも上方向に突き出る(つまり、凸部である)。第二係止部922は、上方に湾曲しており、アーチ状に形成されている。したがって、第二係止部922は、図4(C)に示すように、第一係止部91の前方向への移動を妨げることができるが、第一係止部91から一定の力以上の力が加わると、第二係止部922が下方向に沿って移動し(図4(B)参照)、第一係止部91との引っ掛け状態が解除される。第二係止部922は、アーチ状に限らず、略三角状であってもよいし、半球状に形成されてもよい。
【0046】
貫通部924は、ベース板71の貫通孔73を通してベース板71を貫通する部分である。貫通部924は、図5(B)に示すように、上延出部923の前側の端から延出している。貫通部924は、略L字状に形成されている。貫通部924の幅寸法は、上延出部923の幅寸法よりも短い。
【0047】
下延出部925は、ベース板71の下面に沿う部分である。下延出部925は、貫通部924の下端から前方向に延出している。下延出部925は、ベース板71の下面に沿って延びており、図4(A)に示すように、ベース板71の貫通孔73と突起部926が嵌まり込む係止孔74との間で、ベース板71と一体的になって、ベース板71に対して固定される。すなわち、下延出部925は、第二係止部922に対して固定端側に位置している。下延出部925の長さ寸法は、特に制限はないが、上延出部923の長さ寸法の半分以上であることが好ましい。
【0048】
下延出部925は、板ばね体92が自然状態の際、下延出部925の先端に近づくに従って上方向に行くように、上延出部923に対して傾斜している。したがって、下延出部925がベース板71の下面に沿って配置されると、上延出部923は後方向に行くに従って上方に位置するように、ベース板71に対して傾斜する。上延出部923と下延出部925とのなす角は、5°以上10°以下であることが好ましく、より好ましくは、7°以上8°以下である。
【0049】
このため、図4(C)に示すように、第二係止部922は、常に、対向面822(可動部8の第二カバー板82の下端面のうちの第一係止部91よりも前側の部分)に対して弾性的に接触し、当該対向面822に力を加え続ける。このため、仮に、第二係止部922及び第一係止部91の位置に、設計上の誤差が生じたとしても、第二係止部922と対向面822とは常に接触しているため、可動部8が前後方向にがたつくことが防止される。
【0050】
突起部926は、ベース板71に形成された係止孔74に嵌まり込み、板ばね体92が前後方向に動かないようにする。突起部926は、図5に示すように、下延出部925の先端部から上方向に突き出ている。一対の突起部926は、本実施形態では、下延出部925の先端部の幅方向の両側から上方向に突き出ているが、本発明に係る突起部926は、例えば、下延出部925の先端面から上方向に突き出ていてもよいし、下延出部925の長手方向の途中から上方向に突き出ていてもよい。
【0051】
このような構成の板ばね体92は、次のようにしてベース板71に取り付けられる。
【0052】
ベース板71には、図6(A)に示すように、板ばね体92のたわみを許容する孔(以下「ばね挿通孔72」という)と、貫通部924を通す穴(「貫通孔73」)と、突起部926を通す孔(「係止孔74」)と、が形成されている。ばね挿通孔72では、第二係止部922が上下方向に移動し得る。第二係止部922に一定の力が加わると、上延出部923及び第二係止部922は、ばね挿通孔72を通して下に向かってたわむことができる。貫通孔73は、ばね挿通孔72と係止孔74との間に形成されている。貫通孔73には、貫通部924が通され、これによって板ばね体92はベース板71を上下方向に貫通する。係止孔74は、突起部926が嵌まり込み、これによって板ばね体92の位置を決める。係止孔74とばね挿通孔72の後側の縁との間の寸法は、係止孔74に突起部926が嵌まり込んだ状態で当たり部921がばね挿通孔72の後側の縁部に当たる寸法に設定されている。ばね挿通孔72、貫通孔73及び係止孔74は、角孔(矩形状の孔)で構成されている。
【0053】
図6(A)に示すように、板ばね体92の突起部926、下延出部925及び貫通部924を、ベース板71の貫通孔73に対して上から通す。すると、上延出部923の幅寸法は、下延出部925及び貫通部924の幅寸法よりも広いため、貫通孔73を通らない。このため、図6(B)に示すように、板ばね体92は、設置時に貫通孔73から抜け落ちない。すなわち、本実施形態では、貫通部924よりも幅広に形成された上延出部923が、板ばね体92の抜け落ち防止部を構成する。
【0054】
次いで、図6(B)に示すように、板ばね体92の上延出部923を、後方向に向かってベース板71の上面に沿うように倒す。このとき、図6(C)に示すように、突起部926は、係止孔74よりも前側に位置している。上延出部923をばね挿通孔72に対して下方向に押し込み、当たり部921をベース板71の下面よりも下方に位置させる。
【0055】
次いで、図6(D)に示すように、ベース板71に対し、板ばね体92を後方向に移動させ、突起部926を係止孔74に嵌め込み、当たり部921をベース板71の下面に当てる。これによって、板ばね体92はベース板71に設置される。
【0056】
グリル扉52を開き位置(第二位置)から閉じ位置(第一位置)に向かって移動させると、図4(A)に示すように、グリル扉52の移動に応じて可動部8が後方向に沿って移動する。
【0057】
すると、第二カバー板82の下端に形成された導入部821が第二係止部922に当たり、第二係止部922に対して下方向に力を加える。板ばね体92はたわみ、上延出部923及び第二係止部922が下方向に移動し、可動部8は後方向に移動する。
【0058】
可動部8の第一係止部91は第二係止部922を乗り越え、第二係止部922よりも後側に移動すると、板ばね体92は復元し、図4(C)に示すように、第一係止部91の前側に第二係止部922が位置し、ベース板71に対する可動部8の前側への移動を妨げる。これによって、グリル扉52が第二位置側へ移動するのを妨げることができる。
【0059】
この状態で、グリル扉52に対して前方向へ一定以上の力を加えると、板ばね体92がたわみ、第二係止部922に対する第一係止部91の引っ掛かりが外れ、グリル扉52は前方向に移動する。
【0060】
<変形例>
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0061】
上記実施形態では、第一位置が、グリル扉52が開口面511を閉じた位置であり、第二位置が、グリル扉52が開口面511を開いた位置であったが、本発明ではこれに限らず、第一位置を、グリル扉52が開口面511を開いた位置とし、第二位置を、グリル扉52が開口面511を閉じた位置としてもよい。これにより、グリル扉52が開口面511を開いた状態に保つことができ、例えば、調理物をグリル皿や焼き網に載せる際に、使い勝手がよい。
【0062】
また、上記実施形態では、グリル扉52がグリル庫51の開口面511を閉じた位置にあるときにのみ、グリル扉52の位置を保持したが、本発明では、グリル扉52が開口面511を開いた位置にあるときと、開口面511を閉じた位置にあるときの両方で、あるいは、その中間位置で、グリル扉52の位置を保持してもよい。
【0063】
上記実施形態では、固定部7は、ベース板71がグリル庫51の底板に取り付けられたが、本発明では、ベース板71は、筐体31の底板に取り付けられてもよい。また、上記実施形態では、固定部7として、カバー体に第二係止部922が設けられたが、本発明では、カバー体に限らず、グリル庫51に対して固定されていれば、筐体31の底板を固定部7としてもよいし、グリル庫51の底板を固定部7としてもよい。
【0064】
上記実施形態に係る固定部7は、第一カバー板75とベース板71とで略L字状に形成されたカバー体で構成されたが、本発明では、固定部7は、第一カバー板75とベース板71とは略T字状に形成されていてもよいし、第一カバー板75は無くてもよい。
【0065】
上記実施形態では、第一係止部91は、可動部8の後端部に形成されたが、本発明ではこれに限らず、可動部8の長手方向の中央部に形成されてもよいし、前端部に形成されてもよい。
【0066】
上記実施形態に係る抜け落ち防止部は、貫通部924よりも幅広に形成された上延出部923で構成されたが、本発明では、突起によって抜け落ち防止部が構成されてもよいし、厚みを厚くした部分で構成されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、板ばね体92はベース板71に取り付けられたが、本発明では、板ばね体92とベース板71とは固定端で接続されて一体に形成されてもよい。
【0068】
上記実施形態では、第二係止部922が板ばね体92に形成されたが、第一係止部91を板ばね体92に形成してもよい。また、第一係止部91及び第二係止部922の両方を板ばね体92の一部で構成してもよい。
【0069】
上記実施形態では、第一係止部91及び第二係止部922は、凸部で構成されたが、本発明では、第一係止部91及び第二係止部922のいずれか一方は凹部で構成されてもよい。
【0070】
板ばね体92は、長手方向が前後方向に沿うように取り付けられたが、本発明では、板ばね体92は、その長手方向が前後方向に対して交差していてもよい。
【0071】
第二係止部922は、上延出部923の長手方向の途中に形成されたが、例えば、上延出部923の長手方向の端部に形成されてもよいし、上延出部923の全てに第二係止部922が形成されてもよい。
【0072】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0073】
また、本明細書において「端部」及び「端」等のように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端部」とは、「端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
【0074】
<まとめ>
以上説明したように、第1の態様に係るグリル装置1は、前面に開口面511を有するグリル庫51と、開口面511を開閉可能なグリル扉52と、グリル扉52を第一位置と第二位置との間で移動可能に支持する支持機構6と、を備える。支持機構6は、グリル庫51に対して固定された固定部7と、固定部7に対し、グリル扉52の移動に応じて移動する可動部8と、グリル扉52が第一位置にあるときに、固定部7に対する可動部8の移動を止めることで、グリル扉52が第二位置側へ移動するのを妨げる保持部9と、を有する。保持部9は、可動部8に設けられた第一係止部91と、固定部7に設けられ、グリル扉52が第一位置にあるときに、第一係止部91に対して、第二位置側に位置して、第一係止部91の第二位置側への移動を妨げる第二係止部922と、を含む。第一係止部91又は第二係止部922は、一端が固定端でありかつ他端が自由端である板ばね体92に形成されている。
【0075】
この態様によれば、板ばね体92が、一端が固定端でありかつ他端が自由端である片持ち梁状に形成されているため、第一係止部91又は第二係止部922に対して、グリル装置1の搬送中の落下や地震等により衝撃が加わった際にも、第一係止部91又は第二係止部922は、たわみやすく、弾性変形しやすい。このため、第一係止部91及び第二係止部922が塑性変形しにくく、がたつき等が生じにくい。
【0076】
第2の態様に係るグリル装置1では、第1の態様において、第一係止部91及び第二係止部922の各々は凸部によって構成されている。
【0077】
この態様によれば、凸部同士の係り合いで移動を規制することができるため、シンプルな構造とすることができる。
【0078】
第3の態様に係るグリル装置1では、第1又は第2の態様において、板ばね体92に形成された第一係止部91又は第二係止部922は、相対移動する対向面822に対して弾性的に接触している。
【0079】
この態様によれば、仮に、製造時等に、第二係止部922及び第一係止部91の位置に、設計上の誤差が生じたとしても、グリル扉52が第一位置にあるときには、第二係止部922と対向面822とは常に接触しているため、可動部8が前後方向にがたつくことを防ぐことができる。
【0080】
第4の態様に係るグリル装置1では、第1~3のいずれか一つの態様において、板ばね体92が、固定部7の少なくとも一部でありかつグリル庫51の底板に沿うベース板71に取り付けられている。板ばね体92は、ベース板71よりも上方に突き出る第二係止部922と、第二係止部922に対して固定端側に位置し、かつベース板71の下面に沿う下延出部925と、下延出部925から上方向に突き出て、ベース板71に形成された係止孔74に嵌まり込む突起部926と、を有する。
【0081】
この態様によれば、ベース板71との別部材の板ばね体92を、治具などの取付け部品を用いることなく、片持ち梁状に設置することができ、組立性がよい。また、多くの部品点数を必要とすることなく、またグリル庫51とグリル扉52とをくっつける磁石を設ける必要もないため、コストを下げることができる。
【0082】
第5の態様に係るグリル装置1では、第4の態様において、板ばね体92は、下延出部925と第二係止部922との間に設けられ、ベース板71の貫通孔73を貫通する貫通部924と、貫通部924と第二係止部922との間に設けられた抜け落ち防止部と、を有する。
【0083】
この態様によれば、板ばね体92をベース板71に設置する際に、板ばね体92が貫通孔73から抜け落ちることが防止でき、組立性(製造性)を向上することができる。
【0084】
第6の態様に係るグリル装置1では、第5の態様において、抜け落ち防止部は、貫通部924よりも幅広に形成された上延出部923によって構成されている。
【0085】
この態様によれば、シンプルな構成で抜け落ち防止部を構成することができる。
【0086】
第7の態様に係るグリル装置1では、第4の態様において、板ばね体92は、第二係止部922と下延出部925との間に設けられ、ベース板71の上面に沿う上延出部923を有する。下延出部925は、自然状態において上延出部923に対して傾斜している。
【0087】
この態様によれば、第二係止部922に対して上方向に向かう弾性力を与えることができ、第二係止部922の対向面822に対して、第二係止部922を弾性的に接触させることができる。
【0088】
第8の態様に係るグリル装置1では、第1~7のいずれか一つの態様において、第一位置は、グリル扉52が開口面511を閉じた位置であり、第二位置は、グリル扉52が開口面511を開いた位置である。
【0089】
この態様によれば、グリル扉52が開口面511を閉じた際に、グリル扉52を保持することができ、グリル庫51の開口面511が、例えば調理中に不意に開くことを防止することができる。
【0090】
第9の態様に係る板ばね体92は、第1~8のいずれか一つの態様のグリル装置1に用いられる板ばね体92である。
【0091】
この態様によれば、第一係止部91又は第二係止部922に対して、衝撃が加わった際にたわみやすく、弾性変形しやすい板ばね体92を提供することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 グリル装置
51 グリル庫
511 開口面
52 グリル扉
6 支持機構
7 固定部
71 ベース板
8 可動部
822 対向面
9 保持部
91 第一係止部
92 板ばね体
922 第二係止部
923 上延出部
924 貫通部
925 下延出部
926 突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6