(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025496
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20220203BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20220203BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H04N1/387
B41J25/20
B41J2/525
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128341
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 健一
【テーマコード(参考)】
2C262
5C076
【Fターム(参考)】
2C262AA02
2C262AA16
2C262AA24
2C262AB11
2C262AC04
2C262BC01
2C262BC19
5C076AA14
5C076AA26
(57)【要約】
【課題】色の識別性を向上させるとともに、元原稿の色の箇所を表示する。
【解決手段】カラー画像データに基づいて用紙に印刷するインクジェット記録装置1であって、ユニバーサルデザインカラーと所定の色範囲とを関連付けて、カラーテーブルとして記憶する外部記憶装置93と、カラーテーブルに基づいて、カラー画像データに含まれる文字データの色が色範囲内である場合に、文字データの色に対応するユニバーサルデザインカラーに変換する色変換手段95と、色変換手段95により変換された文字データに対して、ユニバーサルデザインカラーの目印を付加する付加手段97とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像データに基づいて用紙に印刷する印刷装置であって、
ユニバーサルデザインカラーと所定の色範囲とを関連付けて、カラーテーブルとして記憶するカラーテーブル記憶手段と、
前記カラーテーブルに基づいて、前記カラー画像データに含まれる文字データの色が前記色範囲内である場合に、前記文字データの色に対応するユニバーサルデザインカラーに変換する色変換手段と、
前記色変換手段により変換された前記文字データに対して、ユニバーサルデザインカラーの目印を付加する付加手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色の識別性を向上させつつ、元原稿の色の箇所を表示する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式のラインカラープリンタは、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備えている。そして、カラー画像データに基づいて、それぞれのインクヘッドからカラーインクを吐出して、搬送ベルト上の印刷用紙に複数の画像を互いに重なり合うように形成することにより様々な色を表現する。
【0003】
ここで、色覚障碍者にとっては、印刷用紙に印刷された色の中でも所定の色について認識し難い場合がある。
【0004】
引用文献1には、カラー画像データにおける所定の箇所の色を認識し、かつ、カラー画像データを表示可能な携帯端末装置であって、カラー画像データにおける所定の色を別の色に変換して表示するカラー画像データの表示方法の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のカラー画像データの表示方法では、カラー画像データにおける所定の色を別の色に変換して表示するので、カラー画像データ(元原稿)の色を変換した箇所が分からなくなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、色の識別性を向上させるとともに、元原稿の色の箇所を表示する印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、
カラー画像データに基づいて用紙に印刷する印刷装置であって、
ユニバーサルデザインカラーと所定の色範囲とを関連付けて、カラーテーブルとして記憶するカラーテーブル記憶手段と、
前記カラーテーブルに基づいて、前記カラー画像データに含まれる文字データの色が前記色範囲内である場合に、前記文字データの色に対応するユニバーサルデザインカラーに変換する色変換手段と、
前記色変換手段により変換された前記文字データに対して、ユニバーサルデザインカラーの目印を付加する付加手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る印刷装置の特徴によれば、多様な色覚を有するユーザに対して色の識別性を向上させるとともに、元原稿の色の箇所を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態のプリンタネットワークシステムの全体構成図である。
【
図2】本実施形態のインクジェット記録装置が備える外部記憶装置に記憶されているカラーテーブルの一例を示した図である。
【
図3】本実施形態のインクジェット記録装置が備える外部記憶装置に記憶されている表示方法テーブルの一例を示した図である。
【
図4】本実施形態のプリンタネットワークシステムのインクジェット記録装置における処理手順を示したフローチャートである。
【
図5】(a)は、本実施形態のインクジェット記録装置が備える色変換手段により変換された同色の文字データが連続しない場合の目印の付加を説明した図であり、(b)は、本実施形態のインクジェット記録装置が備える色変換手段により変換された同色の文字データが連続する場合の目印の付加を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
(プリンタネットワークシステムの全体構成)
図1に示すように、本実施形態のプリンタネットワークシステムは、インクジェット記録装置1と、クライアント端末14とを有している。
【0014】
各クライアント端末14は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成されるものである。このクライアント端末14は、ROM17に格納された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16を有している。また、CPU16には、ワーキングエリアとして機能するRAM18と、キーボードやマウス等から構成される入力部19と、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20と、外部記憶装置21とが接続されている。
【0015】
外部記憶装置21には、文書、画像等の印刷画像を含む原稿データ(カラー画像データ)を生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域や、インクジェット記録装置1のプリンタドライバプログラムの格納領域、その他各種アプリケーションプログラムの格納領域が確保されている。
【0016】
CPU16は、プロセッサやメモリその他の周辺装置によって構成される演算装置であり、入力部19から入力される起動要求にしたがって外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させる。また、CPU16は、入力部19からのパラメータ入力等により指示された画像を示す原稿データ(カラー画像データ)を、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された原稿データは出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21のデータベース領域に記憶される。
【0017】
そして、CPU16は、原稿アプリケーションプログラム等で生成した原稿データの印刷要求が入力された場合に、プリンタドライバプログラムをCPU16上で実行させることでCPU16上にプリンタドライバ110を仮想的に構築する。そして、プリンタドライバ110によってインクジェット記録装置1に印刷ジョブを出力させる。
【0018】
プリンタドライバ110は、印刷制御プログラムを含んでおり、原稿アプリケーション等が生成したカラー画像を有する原稿データを取得し、所定の印刷設定情報や色条件情報に従って、印刷データ(PRNデータ)を生成する。そして、生成した印刷データを含む印刷ジョブを外部インターフェイス部15から制御ユニット10の外部インターフェイス部11に出力する。
【0019】
インクジェット記録装置1は、インクジェット方式のラインカラープリンタであり、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の印刷用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成して様々な色を表現する。
【0020】
具体的には、
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、原稿上の画像情報をカラー画像データ(原稿データ)として読み取るスキャナ部101と、スキャナ部101により読み取られたカラー画像データ(原稿データ)、または印刷ジョブに含まれるに基づいて記録紙(片面又は両面)に印刷画像を印刷(記録)するプリンタ部102と、全体制御用の制御ユニット10とを備えている。プリンタ部102における印刷画像の印刷に使用する記録紙は、不図示の給紙部からプリンタ部102を介して不図示の排紙部に搬送される。
【0021】
また、制御ユニット10の外部インターフェイス部11には、ローカルエリアネットワークLANを介して、複数のクライアント端末14の外部インターフェイス部15(
図1中では、代表して1つのクライアント端末14についてのみ示している)がそれぞれ接続されている。制御ユニット10は、各クライアント端末14から印刷ジョブを受け取る。インクジェット記録装置1は、印刷ジョブにおいて指定された条件で、プリンタ部102において印刷処理を実行する。
【0022】
さらに、制御ユニット10にはディスプレイ80が接続されている。このディスプレイ80は、インクジェット記録装置1の上部に配置されている。このディスプレイ80は、スキャナ部101にセットした印刷画像を複写印刷する際の、複写枚数や複写倍率といった複写条件をユーザが入力する入力操作部等として利用できる。
【0023】
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェット記録装置1の制御ユニット10は、
図1に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ80から入力設定される内容に応じたスキャナ部101やプリンタ部102の動作を制御する。
【0024】
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブや、ディスプレイ80から入力されたコピー時の印刷枚数や各種の設定内容等が随時記憶される。
【0025】
さらに、制御ユニット10には外部記憶装置93が設けられており、この外部記憶装置93はCPU90に接続されている。外部記憶装置93には、上述したRAM92から転送された印刷ジョブを記憶する記憶領域、カラーテーブルを記憶する記憶領域、および表示方法テーブルを記憶する記憶領域が設けられている。
【0026】
図2は、外部記憶装置93に記憶されているカラーテーブルの一例を示した図である。
【0027】
カラーテーブルは、元原稿の所定の色範囲D111a~D111dと、ユニバーサルデザインカラーD112a~D112dとを関連付けて、それぞれ色の名称D110と、RGB値S120とを記憶している。
【0028】
ここで、色覚の多様性に配慮して、多くの色弱者に関して、認識し難い色(色の組み合わせ)を視覚的に認識可能な色(色の組み合わせ)に変換することを「カラーユニバーサルデザイン」と言い、カラーユニバーサルデザインに基づき選定された色を、本明細書において「ユニバーサルデザインカラー」と言うものとする。
【0029】
図2に示した例では、例えば、色の名称D110が「元原稿の濃い赤」であるD111aは、RGB値D120がR値:128~255、G値:0~75、B値:0~65と、定められている。
【0030】
そして、色の名称D110が「ユニバーサルデザインカラーオレンジ」であるD112のRGB値D120は、R値:255、G値:153、B値:0と定められている。
【0031】
すなわち、RGB値D120がR値:128~255、G値:0~75、B値:0~65である元原稿の濃い赤は、RGB値D120がR値:128~255、G値:0~75、B値:0~65であるユニバーサルデザインカラーオレンジに色変換可能であることを示している。
【0032】
図3は、外部記憶装置93に記憶されている表示方法テーブルの一例を示した図である。表示方法テーブルでは、目印の表示方法についてルールが規定されている。
【0033】
図3に示すように、表示方法テーブルは、目印を付加する文字データの向きを示す文字向きD210と、目印の記載位置を示す記載位置D220と、文字データが連続しているか否かによって目印の位置を示す連続有無記載位置D230と、変換したユニバーサルデザインカラーの名称を示す登録色名記載D240とが関連付けられて記憶されている。
【0034】
ここでは、目印として、丸点D211と、矢印D212とが記憶されている。
【0035】
丸点D211は、連続有無記載位置D230の同色文字連続が「無し」で、色文字個別が「個々」と設定されているので、文字データが連続していない場合に用いられることを示している。
【0036】
矢印D212は、連続有無記載位置D230の同色文字連続が「先頭と最後尾各1ケ所」で、色文字個別が「無し」と設定されているので、文字データが連続している場合に用いられることを示している。
【0037】
図1に戻り、CPU90は、その機能上、色変換手段95と、文字連続判定手段96と、付加手段97とを有している。
【0038】
色変換手段95は、外部記憶装置93に記憶されているカラーテーブルに基づいて、カラー画像データに含まれる文字データの色が色範囲内か否かを判定する。具体的には、色変換手段95は、文字データの色がカラーテーブルの元原稿の所定の色範囲D111a~D111dのRGB値D120に含まれるか否かを判定する。そして、カラー画像データに含まれる文字データの色が色範囲内であると判定した場合、色変換手段95は、文字データの色に対応するユニバーサルデザインカラーに変換する。
【0039】
例えば、元原稿の文字データのRGB値D120がR値:250、G値:241、B値:0である場合、元原稿の所定の色範囲D111bに該当するので、RGB値D120がR値:250、G値:245、B値:0であるユニバーサルデザインカラー黄色に色変換する。
【0040】
文字連続判定手段96は、色変換手段95により変換された同色の文字データが連続しているか否かを判定する。例えば、ユニバーサルデザインカラーオレンジに色変換された「A」、「B」、「C」、「D」の文字が横書きで連続している場合、文字連続判定手段96は、同色の文字データが連続していると判定する。
【0041】
付加手段97は、外部記憶装置93に記憶されている表示方法テーブルに基づいて、色変換手段95により変換された文字データに対して、ユニバーサルデザインカラーの目印を付加する。このとき、付加手段97は、文字連続判定手段96により連続していると判定された文字データの先頭と末尾に目印を付加するようにしてもよい。
【0042】
図4は、本実施形態のプリンタネットワークシステムのインクジェット記録装置1における処理手順を示したフローチャートである。
【0043】
図4に示すように、スキャナ部101が原稿データ(カラー画像データ)を読み込むと(ステップS101;YES)、ステップS103において、ユーザ指定に基づいて、読み込まれたカラー画像データが、縦書きか横書きかを設定する。
【0044】
ステップS105において、色変換手段95は、読み込まれたカラー画像データに、黒以外の文字データが含まれるか否かを判定する(ステップS105)。
【0045】
黒の文字データのみ含まれている場合(ステップS105;NO)、色変換する必要がないので、そのまま処理をステップS127へ移行する。
【0046】
一方、黒以外の文字データが含まれる場合(ステップS105;YES)、色変換手段95は、外部記憶装置93に記憶されているカラーテーブルに基づいて、カラー画像データに含まれる文字データの色が色範囲内か否かを判定する(ステップS107)。
【0047】
文字データの色が色範囲内であると判定された場合(ステップS107;YES)、色変換手段95は、文字データの色に対応するユニバーサルデザインカラーに変換する(ステップS109)。
【0048】
ステップS111において、文字連続判定手段96は、色変換手段95により変換された同色の文字データが同列または同行で連続しているか否かを判定する。
【0049】
同色の文字データが同列および同行のいずれも連続していないと判定された場合(ステップS111;NO)、連続しない一文字だけ色変換されたことになる。
【0050】
そこで、ステップS113において、付加手段97は、外部記憶装置93に記憶されている表示方法テーブルに基づいて、目印として、文字データの上または横に丸点を付加する。
【0051】
図5(a)は、色変換手段95により変換された同色の文字データが連続しない場合の目印の付加を説明した図であり、
図5(b)は、色変換手段95により変換された同色の文字データが連続する場合の目印の付加を説明した図である。
【0052】
図5(a)に示す文字データG110は、横書きの「A」の文字を示している。
図3に示した例では、丸点D211では、横書きの記載位置D220は、「上」となっている。そのため、
図5(a)に示すように、文字データが横書きの場合、付加手段97は、横書きの「A」の文字データG110の上側に、丸点G111を付加する。
【0053】
また、
図5(a)に示す文字データG120は、縦書きの「A」の文字を示している。
図3に示した例では、丸点D221では、縦書きの記載位置D220は、「右」となっている。そのため、
図5(a)に示すように、文字データが縦書きの場合、付加手段97は、縦書きの「A」の文字データG120の右側に、丸点G121を付加する。これにより、どの文字データが色変換されたのかが明確になる。上記丸点G111及びG121は、
図2の左上に記載されているように、変更されたユニバーサルデザインカラーと同じ色で記載される。
【0054】
図4に戻り、ステップS111において、同色の文字データが同列または同行で連続していると判定された場合(YES)、連続する文字列全体が色変換される。
【0055】
そこで、ステップS121において、付加手段97は、縦書きの場合には、連続する文字データのうち、同列の最上段(先頭)の文字を特定するとともに最下段(末尾)の文字を特定し、横書きの場合には、連続する文字データのうち、同行の最先端(先頭)の文字を特定するとともに最後尾(末尾)の文字を特定する(ステップS121)。
【0056】
ステップS123において、付加手段97は、外部記憶装置93に記憶されている表示方法テーブルに基づいて、文字連続判定手段96により連続していると判定された文字データの先頭と末尾に目印として、文字列の内側を向くように矢印を付加する。
【0057】
図5(b)に示す文字データG210は、横書きの「ABCD」の文字列G210a~G210dを示している。
図3に示した例では、矢印D212では、横書きの記載位置D220は、「上」となっている。そのため、
図5(b)に示すように、文字データが横書きの場合、付加手段97は、横書きの「ABCD」の文字データG210のうち、先頭である「A」を示すG210aの上に文字列の内側(ここでは、右側)を向くように矢印G211aを付加する。
【0058】
また、付加手段97は、横書きの「ABCD」の文字データG210のうち、末尾である「D」を示すG210dの上に文字列の内側(ここでは、左側)を向くように矢印G211bを付加する。
【0059】
図5(b)に示す文字データG220は、縦書きの「ABCD」の文字列G220a~G220dを示している。
図3に示した例では、矢印D212では、縦書きの記載位置D220は、「右」となっている。そのため、
図5(b)に示すように、文字データが縦書きの場合、付加手段97は、縦書きの「ABCD」の文字データG220のうち、先頭である「A」を示すG220aの右側に文字列の内側(ここでは、下側)を向くように矢印G221aを付加する。
【0060】
また、付加手段97は、縦書きの「ABCD」の文字データG220のうち、末尾である「D」を示すG220dの右側に文字列の内側(ここでは、上側)を向くように矢印G221bを付加する。上記矢印G211a、211b、221a、及び221bは、
図2の左上に記載されているように、変更されたユニバーサルデザインカラーと同じ色で記載される。
【0061】
次に、付加手段97は、登録色名を追記する(ステップS125)。例えば、付加手段97は、色変換したユニバーサルデザインカラーの色の名称を用紙の一部に記載する。
【0062】
ステップS127において、CPU90は、色変換されたカラー画像データに基づいて、プリンタ部102を制御して印刷させる。
【0063】
また、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置1では、ライン単位で印刷を行うインクジェット方式のラインカラープリンタを例に挙げて説明したが、これに限らず、シリアルタイプのインクジェット記録装置であってもよい。すなわち、カラー画像データに基づいて用紙に印刷する印刷装置であればよい。
【0064】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0065】
(付記1)
カラー画像データに基づいて用紙に印刷する印刷装置であって、
ユニバーサルデザインカラーと所定の色範囲とを関連付けて、カラーテーブルとして記憶するカラーテーブル記憶手段と、
前記カラーテーブルに基づいて、前記カラー画像データに含まれる文字データの色が前記色範囲内である場合に、前記文字データの色に対応するユニバーサルデザインカラーに変換する色変換手段と、
前記色変換手段により変換された前記文字データに対して、ユニバーサルデザインカラーの目印を付加する付加手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【0066】
これにより、多様な色覚を有するユーザが識別し難い色が使用されている場合であっても、識別可能なユニバーサルデザインカラーに色変換されるため、色覚障碍者にとっても、色の識別性が向上するとともに、色変換された文字データにユニバーサルデザインカラーの目印が付加されるので、色変換される前の元原稿の色の箇所を表示し、認識することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 画像形成装置
1 インクジェット記録装置
10 制御ユニット
11 外部インターフェイス部
14 クライアント端末
15 外部インターフェイス部
19 入力部
20 出力部
21 外部記憶装置
80 ディスプレイ
93 外部記憶装置
95 色変換手段
96 文字連続判定手段
97 付加手段
101 スキャナ部
102 プリンタ部
110 プリンタドライバ