(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025628
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】グリル
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20220203BHJP
F24C 3/10 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A47J37/06 366
F24C3/10 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128561
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】對馬 正樹
(72)【発明者】
【氏名】作田 寛和
(72)【発明者】
【氏名】垣内 資正
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB03
4B040AC04
4B040CB10
(57)【要約】
【課題】点火プラグとターゲットとの距離を安定的に管理することのできるグリルを提供する。
【解決手段】グリル2は、加熱室3と、加熱室3の天板部31に含まれた上バーナー311と、加熱室3に固定された点火プラグ4とを備える。天板部31は、天板部31の外側壁の一部を構成する第一側壁371と、第一側壁371よりも上バーナー311の近くに位置する第二側壁381とを有する。第一側壁371は、点火プラグ4の一部が挿し通される第一貫通孔411を有する。第二側壁381は、第一貫通孔411に対向して位置し、点火プラグ4の一部よりも先端側の部分が挿し通される第二貫通孔412を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱室と、
前記加熱室の天板部に設置された上バーナーと、
前記加熱室に固定された点火プラグとを備え、
前記天板部は、
前記天板部の外側壁の一部を構成する第一側壁と、
前記第一側壁よりも前記上バーナーの近くに位置する第二側壁とを有し、
前記第一側壁は、
前記点火プラグの一部が挿し通される第一貫通孔を有し、
前記第二側壁は、
前記第一貫通孔に対向して位置し、前記点火プラグの前記一部よりも先端側の部分が挿し通される第二貫通孔を有する、
グリル。
【請求項2】
前記加熱室に固定された熱電対を更に備え、
前記第一側壁は、
前記熱電対の一部が挿し通される第三貫通孔を更に有し、
前記第二側壁は、
前記第三貫通孔と対向して位置し、前記熱電対の前記一部よりも先端側の部分が挿し通される第四貫通孔を更に有する、
請求項1に記載のグリル。
【請求項3】
前記第一側壁と前記第二側壁の間に設置され、前記点火プラグを位置決めする押さえ部材を更に備える、
請求項1に記載のグリル。
【請求項4】
前記第一側壁と前記第二側壁の間に設置され、前記点火プラグと前記熱電対を位置決めする押さえ部材を更に備える、
請求項2に記載のグリル。
【請求項5】
前記押さえ部材は、前記点火プラグの先端との間で火花放電を生じさせる点火ターゲット部を有する、
請求項3又は4に記載のグリル。
【請求項6】
前記上バーナーの下面は、
前記点火プラグの先端との間で火花放電を生じさせる点火ターゲット部を有する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のグリル。
【請求項7】
前記点火ターゲット部は、前記上バーナーの前記下面に凸状で形成されている、
請求項6に記載のグリル。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のグリルを備えた、
加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グリルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のグリルは、グリル庫と、グリル庫の天井板に配置されたグリルバーナとを備えている。また、グリルは、グリルバーナを点火させる点火電極と、点火電極に隣接する火炎検知素子の熱電対とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のグリルでは、例えば掃除やメンテナンスの際に、天井板に取り付けられた点火プラグの位置がずれてしまいやすく、点火プラグとターゲットとの距離を安定的に管理しにくいという問題があった。
【0005】
本開示は、点火プラグとターゲットとの距離を安定的に管理しやすいグリルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るグリルは、加熱室と、前記加熱室の天板部に設置された上バーナーと、前記加熱室に固定された点火プラグとを備える。前記天板部は、前記天板部の外側壁の一部を構成する第一側壁と、前記第一側壁よりも前記上バーナーの近くに位置する第二側壁とを有する。前記第一側壁は、前記点火プラグの一部が挿し通される第一貫通孔を有する。前記第二側壁は、前記第一貫通孔に対向して位置し、前記点火プラグの前記一部よりも先端側の部分が挿し通される第二貫通孔を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のグリルは、点火プラグとターゲットとの距離を安定的に管理しやすいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態のグリルを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同上のグリルの内部構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、同上のグリルの天板部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のグリルの天板部を別の方向から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の押さえ部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
本実施形態のグリル2について、
図1~
図7に基づいて説明する。以下では、グリル2について、グリル2が設置された状態(
図1参照)を基準に前後方向、上下方向及び左右方向を定義して、各構成について説明する。
【0010】
図1に示すようにガスこんろ1は、グリル2付きのガスこんろ1であって、詳しくはキッチンカウンター(図示略)に形成された開口に上方より挿入されて設置されるドロップインこんろである。なお、本開示の技術は、グリル付きテーブルこんろや、こんろを備えないガスグリル等にも適用可能である。また、本開示でいうグリルとは、広義のグリルであって、肉や魚等の調理対象物を直火で焼く狭義のグリルはもちろん、直火で加熱したプレートからの伝導熱で調理対象物を加熱するグリドルや、調理対象物を直火によらず放射熱で加熱するオーブン等も含む。
【0011】
(ガスこんろ)
図1に示すように、ガスこんろ1は、筐体10、トッププレート11、複数のこんろバーナー12、複数の五徳13、操作部14及びグリル2を備えている。
【0012】
筐体10は、上方に開口した箱状に形成されている。筐体10の内部には、複数のこんろバーナー12が設置されている。トッププレート11は、筐体10上に設置されている。
【0013】
トッププレート11は、筐体10の開口を上方から覆うように、筐体10の上端部に固定されるものであり、上下に貫通したバーナー開口15を有している。複数のこんろバーナー12の各々は、バーナー開口15を通じて上方に突出するように構成されている。トッププレート11上には、複数のこんろバーナー12ごとに五徳13が設置されている。
【0014】
操作部14は、複数のこんろバーナー12を操作するためのこんろ用操作部140と、後述する上下のバーナー311,321を操作するためのグリル用操作部141とを有している。以下において、上側のバーナー311を上バーナー311と称し、下側のバーナー321を下バーナー321と称する。
【0015】
本実施形態のガスこんろ用操作部140は、複数の押し釦式の操作部を含んでいる。本実施形態のグリル用操作部141は、押し釦式の操作部と、操作パネル式の操作部とを含んでいる。
【0016】
ガスこんろ1の利用者は、こんろ用操作部140を操作することで、複数のこんろバーナー12のそれぞれの点火と消火の切り替え及び火力調節を行うことができる。また、利用者は、グリル用操作部141を操作することで、上バーナー311及び下バーナー321の点火と消火の切り替えを行うことができる。利用者は、グリル用操作部141を操作することで、上バーナー311及び下バーナー321の火力調節を行うことができ、また、上バーナー311及び下バーナー321の自動調理の設定と開始を行うことができる。
【0017】
(グリル)
グリル2は、筐体10の内部に配置されており、筐体10とトッププレート11とで囲まれた空間に位置している。
【0018】
図2に示すように、グリル2は、前方に開口したグリル庫を構成する加熱室3と、加熱室3に設けられた調理対象物受け22と、グリル扉23(
図1参照)と、調理対象物受け22が着脱自在に装着される枠状の支持部24と、グリル扉23及び支持部24を支持する支持機構25と、支持機構25を前後にスライド自在に支持するスライドレール26とを備える。
【0019】
本実施形態の調理対象物受け22は、上方に開口した皿状の調理容器であるが、これに限定されない。例えば、調理対象物受け22は、グリルプレート、グリル焼き網等であってもよい。
【0020】
支持部24及び調理対象物受け22は、グリル扉23及び支持機構25と共に、一対のスライドレール26を介して前後方向に移動する。グリル扉23が加熱室3の開口部36を閉じる閉位置に配置されたとき、支持部24及び調理対象物受け22は、加熱室3内に配置される。利用者は、閉位置に配置されたグリル扉23を前方に動かすことで、支持部24及び調理対象物受け22を、加熱室3の開口部36よりも前方に移動させることができる。
【0021】
加熱室3は、天板部31、底部32、後壁部33、左側壁部34、右側壁部35、開口部36、点火プラグ4及び熱電対5を備えている。
【0022】
加熱室3の内側には、底部32、左側壁部34、右側壁部35、天板部31及び後壁部33で囲まれた加熱空間が形成されている。
【0023】
加熱室3の前端部には、開口部36が形成されている。加熱室3内の加熱空間は、開口部36を介して筐体10(
図1参照)の前方に開放される。調理対象物受け22は、開口部36を通して加熱室3に(つまり加熱空間に)出し入れされる。
【0024】
図2に示すように、本実施形態の底部32には、下バーナー321が設けられている。下バーナー321は、グリル2内に配置された調理対象物受け22の下方に位置し、調理対象物受け22とこれが受ける調理対象物を下方から加熱するように構成されている。
【0025】
図3に示すように、天板部31は、天井部310、上バーナー311、ガス供給管312及び固定板313を有している。ガス供給管312には、ガス供給源(図示略)から燃料ガスが供給される。
【0026】
固定板313は、矩形の形状を有する。固定板313は、天井部310と上バーナー311とを固定するために設けられている。固定板313は、天井部310との間で上バーナー311の外周部を挟み込むように構成されている(
図3参照)。本実施形態において天板部31は固定板313を三つ有する。三つの固定板313は、天井部310の内側の縁に沿った三つの部分にそれぞれ固定されている。固定板313は、例えば、ネジにより天板部31に固定されている。
【0027】
図4に示すように、上バーナー311の下面は、バーナー面314を有している。バーナー面314は、複数の炎孔3141と点火ターゲット部3142を有している。複数の炎孔3141は、ガス供給管312からの混合ガスを吹き出すように構成されている。
【0028】
天井部310は、外側壁37と内側壁38を備えている。外側壁37の一部が第一側壁371を構成し、内側壁38の一部が第二側壁381を構成している。第一側壁371及び第二側壁381は、互いに対向する位置にあり、互いに平行である。
【0029】
第一側壁371及び第二側壁381は、複数の貫通孔41を備えている。複数の貫通孔41は、第一貫通孔411、第二貫通孔412、第三貫通孔413及び第四貫通孔414を含む。
【0030】
これら複数の貫通孔41のうち、第一貫通孔411及び第三貫通孔413は、第一側壁371に設けられ、第二貫通孔412及び第四貫通孔414は、第二側壁381に設けられている。
【0031】
第一側壁371の第一貫通孔411は、第二側壁381の第二貫通孔412と対向する位置に設けられている。第一側壁371の第三貫通孔413は、第二側壁381の第四貫通孔414と対向する位置に設けられている。
【0032】
本実施形態において、第二貫通孔412、第三貫通孔413及び第四貫通孔414は、円状に形成されており、第一貫通孔411は、斜方形に形成されている。第一貫通孔411だけが斜方形であることで、使用者が点火プラグ4と熱電対5とを取り付けるときに取り付け間違えを防ぐことができる。なお、第一貫通孔411の形状は、斜方形に限定されず、矩形状、多角形状、円状等の他の形状であってもよい。
【0033】
更に、第一側壁371には、後述する押さえ部材6の突起部63が嵌まり込むための第五貫通孔415が設けられている。第五貫通孔415は、楕円状の孔である。本実施形態の第五貫通孔415は、第一貫通孔411の近傍に位置している。
【0034】
点火プラグ4の一部は、第一側壁371の第一貫通孔411に挿し通され、該一部よりも先端部40に近い部分は、第二側壁381の第二貫通孔412に挿し通される。つまり、点火プラグ4は、第一側壁371の第一貫通孔411と第二側壁381の第二貫通孔412とに挿し通された状態で、安定的に保持される。
【0035】
本実施形態の点火プラグ4のうち、先端部40よりも基端側の部分は、斜方形の断面形状を有する。点火プラグ4の先端部40は、円状の断面形状を有し、その先端には先鋭状の放電電極45が設けられている。点火プラグ4のうち斜方形の断面形状を有する部分には、その全周にわたってつながる溝42が形成されている。溝42は、後述する押さえ部材6の第二切り欠き部642で押さえられる部分であり、その底面は円形状の断面形状を有する。なお、点火プラグ4の先端部40よりも基端側の部分の断面形状は、斜方形に限定されず、第一貫通孔411と対応する形状である限りにおいて、矩形状、多角形状、円状等の他の形状であってもよい。
【0036】
上バーナー311は、点火プラグ4によって、点火される。点火プラグ4は、グリル2内において複数の炎孔3141から混合ガスが吹き出される領域に、火花放電を生じさせることで、複数の炎孔3141から吹き出された混合ガスに点火し、上バーナー311は燃焼状態になる。
【0037】
点火ターゲット部3142は、点火プラグ4の放電の対象となるターゲットを有している。点火ターゲット部3142は、上バーナー311のバーナー面314に設けられている。点火ターゲット部3142は、凸状の形状で形成されている。本実施形態の点火ターゲット部3142は、導電性が高い部材で形成されているが、これに限定されない。例えば、点火ターゲット部3142が、ステンレス等の部材で形成されてもよい。
【0038】
本実施形態の加熱室3は、上バーナー311によって発生した炎の温度を検知するための熱電対5を備えている。熱電対5は、温度センサーである。
【0039】
熱電対5のうち先端部51よりも基端側の部分は、円柱状に形成されている。熱電対5の先端部51は、円錐状に形成されている。熱電対5のうち先端部51よりも基端側の部分には、その全周にわたってつながる溝52(
図5B参照)が形成されている。熱電対5の溝52は、後述する押さえ部材6の第四切り欠き部644で押さられる部分であり、断面円形状の底面を有する。
【0040】
熱電対5の一部は、第一側壁371の第三貫通孔413に挿し通され、該一部よりも先端部51に近い部分は、第二側壁381の第四貫通孔414に挿し通される。つまり、熱電対5は、第一側壁371の第三貫通孔413と第二側壁381の第四貫通孔414とに挿し通された状態で、安定的に保持される。
【0041】
熱電対5を用いて検知された温度のデータは、例えば、上バーナー311の燃焼の有無を判定するために用いられる。本実施形態のグリル2では、熱電対5と点火プラグ4とは、前後方向に間隔をあけて並んでいる。
【0042】
本実施形態の押さえ部材6は、第一側壁371と第二側壁381との間に設置されている。押さえ部材6は、固定部61、突起部63及び複数の切り欠き部64を備えている。
【0043】
複数の切り欠き部64は、第一切り欠き部641、第二切り欠き部642、第三切り欠き部643及び第四切り欠き部644を含む。
【0044】
第一切り欠き部641と第二切り欠き部642は、点火プラグ4を位置決めするために設けられている。第三切り欠き部643と第四切り欠き部644は、熱電対5を位置決めするために設けられている。
【0045】
図5Cに示すように、固定部61は、天板部31に固定されている。固定部61は、貫通孔611(
図6A、
図6B参照)及び固定具612を有している。固定部61は、貫通孔611に固定具612を挿通させることで、天板部31に固定されている。固定具612は、例えば、ネジ又はボルトである。
【0046】
押さえ部材6は、第一側壁371の側面と接する部分に突起部63を備えている。押さえ部材6の突起部63は、押さえ部材6に対して第一側壁371が位置する方向に突起している。突起部63は、第一側壁371の第五貫通孔415に嵌め込まれるように構成されている。押さえ部材6が有する固定部61は一つであるが、押さえ部材6の突起部63が第五貫通孔415に嵌め込まれることで、天板部31に対する押さえ部材6の位置ずれは効果的に防止されている。
【0047】
(変形例)
本実施形態のグリル2は、適宜に設計変更が可能である。例えば、
図7に示すように、押さえ部材6が点火ターゲット部3142を有してもよい。
【0048】
本実施形態の押さえ部材6は、点火プラグ4と熱電対5との両方を位置決めするように一部材で構成されているが、これに限定されない。例えば、押さえ部材6が、点火プラグ4だけを位置決めする部材で構成されてもよいし、押さえ部材6が、熱電対5だけを位置決めする部材で構成されてもよい。また、点火プラグ4を位置決めする押さえ部材6と、熱電対5を位置決めする押さえ部材6とが、別体で設けられてもよい。
【0049】
本実施形態のグリル2は、上バーナー311及び下バーナー321の両方を有しているが、これに限定されない。グリル2が上バーナー311だけを備えてもよい。
【0050】
(作用効果)
上記の実施形態に基づいて説明したように、本開示のグリル2は、加熱室3と、加熱室3の天板部31に設置された上バーナー311と、加熱室3に固定された点火プラグ4とを備え、天板部31は、天板部31の外側壁の一部を構成する第一側壁371と、第一側壁371よりも上バーナー311の近くに位置する第二側壁381とを有し、第一側壁371は、点火プラグ4の一部が挿し通される第一貫通孔411を有し、第二側壁381は、第一貫通孔411に対向して位置し、点火プラグ4の一部よりも先端側の部分が挿し通される第二貫通孔412を有するように構成されている。
【0051】
したがって、本開示のグリル2によれば、点火プラグ4が第一側壁371の第一貫通孔411と第二側壁381の第二貫通孔412とに挿通することで、例えば使用者が掃除等を行うときに誤って点火プラグ4に接触しても、点火プラグ4には位置ずれが生じにくく、点火プラグ4とターゲットとの距離を安定的に管理しやすい。そのため、本開示のグリル2によれば、安定して上バーナー311に点火することができる。
【0052】
また、本開示のグリル2は、加熱室3に固定された熱電対5を更に備える。第一側壁371は、熱電対5の一部が挿し通される第三貫通孔413を更に有し、第二側壁381は、第三貫通孔413と対向して位置し、熱電対5の一部よりも先端側の部分が挿し通される第四貫通孔414を更に有する。
【0053】
したがって、熱電対5を第一側壁371の第三貫通孔413と第二側壁381の第四貫通孔414とに挿通することで、例えば使用者が掃除等を行うときに誤って熱電対5に接触しても、熱電対5には位置ずれが生じにくい。そのため、安定して上バーナー311の温度を計測することができる。
【0054】
また、本開示のグリル2において、第一側壁371と第二側壁381の間に設置され、点火プラグ4を位置決めする押さえ部材6を更に備えている。
【0055】
したがって、本開示のグリル2によれば、押さえ部材6を用いたシンプルな構造で、点火プラグ4を位置決めすることができる。
【0056】
また、本開示のグリル2において、押さえ部材6は、第一側壁371と第二側壁381の間に設置され、点火プラグ4と熱電対5を位置決めする押さえ部材6を更に備えている。
【0057】
したがって、本開示のグリル2によれば、押さえ部材6を用いたシンプルな構造で、点火プラグ4及び熱電対5を位置決めすることができる。
【0058】
また、本開示のグリル2において、押さえ部材6は、点火プラグ4の先端側との間で火花放電を生じさせる点火ターゲット部3142を有する。
【0059】
したがって、本開示のグリル2によれば、押さえ部材6が有する点火ターゲット部3142と点火プラグ4との間で、安定的に火花放電を発生させることができる。
【0060】
また、本開示のグリル2において、上バーナー311の下面は、点火プラグ4の先端との間で火花放電を生じさせる点火ターゲット部3142を有する。
【0061】
したがって、本開示のグリル2によれば、点火プラグ4は、上バーナー311の下面が有する点火ターゲット部3142と点火プラグ4との間で、安定的に火花放電を発生させることができる。
【0062】
また、本開示のグリル2において、点火ターゲット部3142は、上バーナー311の下面に凸状で形成されている。
【0063】
したがって、本開示のグリル2によれば、点火ターゲット部3142に対する火花放電が安定することができる。
【0064】
本開示の加熱調理器は、前述したグリル2を備えた加熱調理器である。
【0065】
したがって、本開示の加熱調理器によれば、点火プラグ4が第一側壁371の第一貫通孔411と第二側壁381の第二貫通孔412とに挿通することで、例えば使用者が掃除等を行うときに誤って点火プラグ4に接触しても、点火プラグ4には位置ずれが生じにくく、点火プラグ4とターゲットとの距離を安定的に管理しやすい。そのため、本開示の加熱調理器によれば、グリル2の上バーナー311に安定して点火することができる。
【符号の説明】
【0066】
2 グリル
3 加熱室
31 天板部
311 上バーナー
3142 点火ターゲット部
371 第一側壁
381 第二側壁
4 点火プラグ
411 第一貫通孔
412 第二貫通孔
413 第三貫通孔
414 第四貫通孔
5 熱電対
6 押さえ部材