(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025649
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】記録媒体ホルダー、及び本
(51)【国際特許分類】
B65D 85/57 20060101AFI20220203BHJP
G11B 23/03 20060101ALI20220203BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B65D85/57 E
G11B23/03 601A
B42D1/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128598
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】510331917
【氏名又は名称】株式会社シーズテック
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】戸井田 秀基
【テーマコード(参考)】
3E036
【Fターム(参考)】
3E036AA10
3E036EA01
3E036FA10
(57)【要約】
【課題】この発明は、円盤状の記録媒体を容易に出し入れすることができる記録媒体ホルダー、及び前記記録媒体ホルダーを備えた本を提供すること。
【解決手段】CDホルダー1は、記録媒体50の小口側、地側、のど側の三方向側を支持するとともに、裏面が裏面シート12に取り付けられる支持枠10と、支持枠10に囲われた支持空間2を、支持枠10の表面側から覆う表面シート11を備えているため、支持空間2に記録媒体50を出し入れする際に、支持空間2に向けて記録媒体50を面方向に動かすことで、裏面シート12と表面シート11の間隔t2をその都度広げることなく容易に出し入れすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に貫通孔を有する円盤状の記録媒体の上側、下側、左側、及び右側のうち下側を含む三方向側を支持するとともに、裏面が被固定部に取り付けられる支持枠と、
該支持枠に囲われた支持空間を、前記支持枠の表面側から覆う表面シートを備えた
記録媒体ホルダー。
【請求項2】
前記支持空間が、前記記録媒体と同等の厚さに形成された
請求項1に記載の記録媒体ホルダー。
【請求項3】
前記表面シートが、前記支持枠に支持された前記記録媒体の前記貫通孔に対応する位置に、前記支持空間と外部とを連通する連通孔を備え、
該連通孔から切り込まれる切込部が、支持された前記記録媒体を取り出す方向に沿って設けられた
請求項1又は請求項2に記載の記録媒体ホルダー。
【請求項4】
前記切込部の端部側が、端部に向かうに伴って幅広に形成された
請求項3に記載の記録媒体ホルダー。
【請求項5】
前記被固定部の前記支持空間側の摩擦係数が、前記表面シートの前記支持空間側の摩擦係数よりも低い
請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の記録媒体ホルダー。
【請求項6】
前記表面シートが、透明な部材により構成された
請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の記録媒体ホルダー。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の記録媒体ホルダーが、
固定された
本。
【請求項8】
中央に貫通孔を有する円盤状の記録媒体を保持する記録媒体ホルダーを備えた本であって、
前記記録媒体ホルダーは、前記記録媒体における当該本の地側、及び小口側に対応する側を支持するとともに、裏面が当該本に取り付けられる支持枠と、
該支持枠に囲われた支持空間を、前記支持枠の表面側から覆う表面シートを備え、
前記記録媒体ホルダーが、当該本の前記小口側に対応する側と反対側を、当該本ののどに近接して設けられた
本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、円盤状の記録媒体を容易に出し入れすることができる記録媒体ホルダー、及び記録媒体ホルダーを備えた本に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(コンパクトディスク)やLD(レーザーディスク(登録商標))、DVD、BD(ブルーレイディスク)等の円盤状の記録媒体は、販売や保存をされる際にケースや本等に収納される。
例えば、特許文献1には、袋状に形成したCD用袋部を備えた書籍付きのCD用ケースが公開されている。
【0003】
この書籍付きのCD用ケースにおいてCDを収納するCD用袋部は、書籍の小口側で折り返された一枚の柔軟なシートが、地側同士、及びのど側同士を糊付けされることで、天側に差込口を備えた袋状に形成している。
【0004】
このため、CD用袋部は、折り返されたシート同士が貼り付くように密着しやすい。
【0005】
すなわち、特許文献1に記載の書籍付きのCD用ケースは、CD用袋部にCDを出し入れする際に、CD用袋部の差込口を広げて隙間を作る必要のある場合があり、煩わしさを伴うものであった。
【0006】
また、特許文献2には、表紙の内側にCDの収納部が設けられたCD等の収納書籍が公開されている。このCD等の収納書籍においてCDを収納する収納部は、表紙の一部を凹ませてCDを設置する凹部を設け、凹部を開閉可能に覆う扉部を有している。
このため、特許文献2に記載のCDの収納書籍は、CDを出し入れする際には、扉部を開いて露出させた凹部に対し、CDを面方向と直交する方向にも動かす必要があり、煩わしさを伴うものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-10252号公報
【特許文献2】特開平10-278449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述した問題を鑑み、円盤状の記録媒体を容易に出し入れすることができる記録媒体ホルダー、及び前記記録媒体ホルダーを備えた本を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、中央に貫通孔を有する円盤状の記録媒体の上側、下側、左側、及び右側のうち下側を含む三方向側を支持するとともに、裏面が被固定部に取り付けられる支持枠と、該支持枠に囲われた支持空間を、前記支持枠の表面側から覆う表面シートを備えた記録媒体ホルダーであることを特徴とする。
またこの発明は、上述の記録媒体ホルダーが固定された本であることを特徴とする。
【0010】
前記記録媒体とは、前述したCD等の光ディスクの他、レコード等のアナログディスクを指すものである。
前記本とは、複数の頁を備えたものであればよく、絵本や書籍、冊子、雑誌等を指すものである。
【0011】
この発明により、前記記録媒体は、前記支持枠に支持されたうえ、前記記録媒体の面方向と直交する方向への動きが前記被固定部と前記表面シートによって規制されることで、前記支持空間において保持される。そして、このように前記被固定部と前記表面シートは前記支持空間を隔てて設けられているため、前記被固定部と前記表面シートが貼り付いて閉じることを防止できる。
【0012】
このため、前記支持空間に前記記録媒体を出し入れする際に、前記支持空間に向けて前記記録媒体を面方向に動かすことで、前記被固定部と前記表面シートの間隔をその都度広げることなく容易に出し入れすることができる。
【0013】
この発明の態様として、前記支持空間が、前記記録媒体と同等の厚さに形成されてもよい。
前記支持空間と同等の厚さとは、前記被固定部と前記表面シートの間の前記支持空間に対し、前記記録媒体を出し入れすることができる厚さを指すものであって、前記記録媒体と同じ厚さであってもよいし、前記記録媒体よりも僅かに厚くてもよい。
具体的には、前記支持空間の厚さは、前記記録媒体の厚さの1倍以上かつ1.2倍以下に形成されることが望ましい。
【0014】
この発明により、前記記録媒体の面方向と直交する方向から加わる荷重を、前記被固定部、及び前記支持シートが設けられた前記支持枠によって受け止めることができ、前記記録媒体に対して荷重が直接作用することを防止して、前記記録媒体を保護することができる。
【0015】
さらに、前記記録媒体ホルダーが前記本に固定される場合には、前記本を閉じた際に、他の頁や表紙等から加わる荷重や、例えば、前記本が平積みされる場合において、積み重ねられることで加わる荷重を、前記支持枠によって受け止めることで前記記録媒体を保護することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記表面シートが、前記支持枠に支持された前記記録媒体の前記貫通孔に対応する位置に、前記支持空間と外部とを連通する連通孔を備え、該連通孔から切り込まれる切込部が、支持された前記記録媒体を取り出す方向に沿って設けられてもよい。
この発明により、前記記録媒体をから取り出す際に、例えば、利用者の指を、前記連通孔から挿通して前記貫通孔の縁に掛け、前記切込み部に沿って動かすことで、前記記録媒体を容易に取り出すことことができる。
【0017】
さらに、前記切込み部に沿って前記記録媒体を動かし、前記記録媒体の一部分を露出させ、露出した部分の外周と前記貫通孔の縁を挟むようにして持つことで、前記記録媒体の裏面にある記録面に触れることなく前記記録媒体を取り出すことができ、前記記録媒体の損傷を防止することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記切込部の端部側が、端部に向かうに伴って幅広に形成されてもよい。
この発明により、前記記録媒体の一部を、前記被固定部における前記切込部の他端側と対応する部分に当ててから、前記記録媒体を前記支持空間に入れることができる。
【0019】
すなわち、前記被固定部に当てた前記記録媒体を、前記被固定部に沿わせて前記支持空間に入れることで、前記記録媒体が前記被固定部、又は前記表面シートの縁とぶつかることを防止し、さらに、前記支持空間を狙うことなく前記記録媒体を前記支持空間に確実に入れることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記被固定部の前記支持空間側の摩擦係数が、前記表面シートの前記支持空間側の摩擦係数よりも低くてもよい。
【0021】
この発明により、前記記録媒体を出し入れする際に、前記記録媒体を前記被固定部に当てながら滑らせることで、前記支持空間に前記記録媒体をさらに容易に出し入れすることができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記表面シートが、透明な部材により構成されてもよい。
この発明により、保持された状態であっても前記記録媒体の表面を視認することができ、例えば、前記記録媒体に印刷されたレーベルを視認することができ、保持された状態で前記記録媒体の確認をすることができる。
【0023】
この発明は、中央に貫通孔を有する円盤状の記録媒体を保持する記録媒体ホルダーを備えた本であって、記録媒体ホルダーは、前記記録媒体における当該本の地側、及び小口側に対応する側を支持するとともに、裏面が当該本に取り付けられる支持枠と、該支持枠に囲われた支持空間を、前記支持枠の表面側から覆う表面シートを備え、前記記録媒体ホルダーが、当該本の前記小口側に対応する側と反対側を、当該本ののどに近接して設けられた本であることを特徴とする。
【0024】
前述する前記記録媒体ホルダーが、当該本の前記小口側に対応する側と反対側を、当該本ののどに近接して設けられたとは、前記記録媒体ホルダーののど側の端部と前記のどが、前記記録媒体の直径未満の距離を隔てて設けられたことを指すものである。
具体的には、前記記録媒体ホルダーののど側の端部から前記のどまでの距離が、記録媒体ホルダーの直径の三分の一以下に設定されることが望ましい。
【0025】
この発明により、前記本が閉じた状態において、前記記録媒体は、前記地側、及び前記小口側に対応する側を前記支持枠に支持されたうえ、前記のど側への動きが前記のどによって規制される。
【0026】
そして、前記支持枠に支持されるとともに、前記のどによって動きが規制された記録媒体は、前記記録媒体の面方向と直交する方向への動きが、前記本と前記表面シートによって規制されることで前記記録媒体ホルダーに保持される。
【0027】
加えて、前記本が開かれた状態においては、前記のどが前記記録媒体から離れることで、前記記録媒体を前記のど側から取り出すことができる。
【0028】
すなわち、前記本が閉じた状態において、前記記録媒体が前記のど側から意図せずに抜け落ちること防止し、前記記録媒体を確実に保持することができる。
そして、前記記録媒体を取り出す際には、前記本を開くことで、前記本の天側からだけでなく、前記のど側からも前記記録媒体を取り出すことができ、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、円盤状の記録媒体を容易に保持、及び出し入れすることができる記録媒体ホルダー、及び前記記録媒体ホルダーを備えた本を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】CDホルダーの固定された本を開いた状態の斜視図。
【
図5】CDホルダーからCDを取り出す方法の説明図。
【
図7】他の実施形態におけるCDホルダーの断面図。
【
図8】他の実施形態におけるCDホルダーの固定された本。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【0032】
図1は円盤状のCD50を保持するCDホルダー1が固定された本60を示している。
【0033】
CDホルダー1に保持されるCD50は、所定の厚さt1の円盤状に形成されている。そして、円盤状のCD50の中央には、CD50の面方向に直交する方向に沿って円形状に貫通する貫通孔51が設けられている。
【0034】
CDホルダー1が固定される本60は、厚紙で構成された表紙61と複数の頁62で構成され、複数の頁62のうち見返し64を、表紙61の裏側に貼り合わせることで形成されている。
そしてCDホルダー1は、見返し64のうち表紙61の裏表紙63に張り合わされた側の中央に、図示省略する接着剤を用いて固定されている。
【0035】
本60に固定されるCDホルダー1は、CD50よりも僅かに厚い正面視正方形の箱状に形成されている。このCDホルダー1は、内部にCD50を保持する支持空間2を備えるとともに、支持空間2にCD50を出し入れするための差込口3が設けられ、差込口3は本60の天側に向けて形成されている。
【0036】
図2はCDホルダー1の分解斜視図を示している。この図に示すように、CDホルダー1は、天側が開口する略コの字状の支持枠10と、支持枠10を表側から被覆する表面シート11と、支持枠10を裏側から被覆する裏面シート12で構成されている。
【0037】
すなわち、前述した支持空間2は、支持枠10、表面シート11、及び裏面シート12によって囲われた空間であり、前述した差込口3は、支持枠10の天側に向けられた開口部分、表面シート11の天側部分、及び裏面シート12の天側部分によって構成されている。
【0038】
略コの字状の支持枠10は、CD50よりも僅かに厚い厚紙によって形成されている。
そして、支持枠10は、本60の地に沿って延びる地側支持部101と、地側支持部101ののど側から天側に向けて延びるのど側支持部102と、地側支持部101の小口側から天側に向けて延びる小口側支持部103で構成されている。
【0039】
地側支持部101のから天側に向けて延びるのど側支持部102、及び小口側支持部103は、内側にCD50を設置できる間隔を隔てて略平行に設けられている。
【0040】
このため、支持枠10に囲われた空間である支持空間2において、CD50の地側、のど側、及び小口側を、地側支持部101、のど側支持部102、及び小口側支持部103で支持することができる。
【0041】
このように構成される支持枠10は、小口側からのど側までの長さと、のど側支持部102、及び小口側支持部103の地側から天側までの長さ、が同一に形成されている。すなわち、支持枠10は、正面視正方形状の木枠の天側を切り欠いた形状をしている。
【0042】
支持枠10を表面から被覆する表面シート11と、支持枠10を裏面から被覆する裏面シート12は、可撓性及び復元性を有する紙製シートにより形成され、支持枠10及び支持空間2を挟んで対向するように設けられている。
【0043】
表面シート11は、裏面シート12よりも摩擦係数の低い紙製シートによって構成されている。
そして、表面シート11は、一辺の長さが、支持枠10の小口側からのど側までの長さの正方形状の紙製シートに対して、支持空間2と外部を連通する円形の連通孔111と、連通孔111から天側に向けて差込口3まで切り込まれた切込部112を設けることで形成されている。
【0044】
連通孔111は、貫通孔51と略同一径の円形状に形成され、CDホルダー1に保持された状態のCD50の貫通孔51と重なる位置に設けられている(
図3参照)。
【0045】
連通孔111から切り込まれる切込部112は、連通孔111の直径と同一幅の直線状に天側に向かって切り込まれた直線切込部113と、直線切込部113の天側端部から天側に向かうに伴って幅広に形成される幅広切込部114で構成されている。
【0046】
幅広切込部114は、直線切込部113ののど側、及び小口側の辺と表面シート11の天側の辺によって形成される角の夫々を、円弧状に角取して形成されている。
【0047】
裏面シート12は、一辺の長さが、支持枠10の小口側からのど側までの長さの正方形状の紙製シートによって構成されている。
【0048】
この様に形成された表面シート11、及び裏面シート12を、支持枠10の表側、及び裏側の夫々に対して図示省略する接着剤で貼り付けることで、CDホルダー1は構成されている。
【0049】
図3(a)はCD50を保持したCDホルダー1の、
図1におけるA-A断面図を示し、
図3(b)は
図3(a)におけるα部拡大図を示している。
この図に示すように、表面シート11、及び裏面シート12は、CD50よりも僅かに厚い支持枠10の表側、及び裏側に夫々が貼り付けられるため、CD50の厚さt1よりも僅かに広い間隔である間隔t2を隔てて設けられている。
【0050】
次に、CD50をCDホルダー1に保持させる方法と、CD50をCDホルダー1から取り出す方法について、
図4、及び
図5を用いて説明する。
【0051】
図4は、CDホルダー1によってCD50を保持する方法を説明する差込口3近傍の拡大図を示す。まずCD50の地側の裏面を、CDホルダー1の幅広切込部114の間、から裏面シート12に当たるまで挿通させる。
そして、CD50の裏面を摩擦係数の低い裏面シート12に当てながら、CD50を地側に向けて滑らせて、CD50を支持空間2に入れる。
【0052】
これにより、CD50の地側を地側支持部101に支持させたうえ、内側にCD50を設置できるように設けられたのど側支持部102、及び小口側支持部103によって、CD50の左側、及び右側が支持される。
【0053】
すなわち、CD50の地側、のど側、及び小口側が、支持枠10を構成する地側支持部101、のど側支持部102、及び小口側支持部103によって支持されるとともに、CD50の面方向と直交する方向への動きは、表面シート11、及び裏面シート12によって規制される。
このようにして、CDホルダー1によってCD50を保持することができる。
【0054】
したがって、幅広切込部114の間から裏面シート12に当てたCD50を、裏面シート12を滑らせながら支持空間2に入れることで、差込口3を狙わずにCD50を支持空間2に対して確実に入れることができる。
【0055】
さらに、表面シート11と裏面シート12の間隔t2が、CD50の厚さt1よりも広いため、表面シート11と裏面シート12の間を広げることなく容易にCD50を支持空間2の中に入れることができる。
【0056】
図5は、CDホルダー1に保持されたCD50を取り出す方法を説明する説明図を示す。
【0057】
CDホルダー1からCD50を取り出す際には、
図5(a)に示すように、最初に連通孔111から利用者Uの指を貫通孔51の中に挿入する。
【0058】
次に、貫通孔51の中に挿入した利用者Uの指を、貫通孔51の縁に引っ掛ける。そして、
図5(b)に示すように、利用者Uの指を切込部112に沿わせて本60の天側へと移動させることで、CD50は支持空間2から一部分が露出する。
【0059】
CD50の露出した部分の外周と貫通孔51の縁を挟むようにもつことで、利用者UはCD50の裏面である記録面に触れることなくCD50をCDホルダー1から取り出すことができる。すなわち、CDホルダー1からCD50を、損傷を防止しながら容易に取り出すことができる。
【0060】
以上のことから、このCDホルダー1によって、CD50を容易に出し入れ可能に保持することができる。
【0061】
以下、その他の例を説明する。
図6は、他の実施形態におけるCDホルダー1xの正面図を示す。CDホルダー1に対応するCDホルダー1xは、
図6に示すように、表面シート11に対応する表面シート11xが設けられている。
【0062】
この表面シート11xは、透明なフィルムによって形成されている。このため支持空間2に保持された状態のCD50において、表面であるレーベルを視認することができ、CDホルダー1xに保持された状態のCD50を確認することができる。
【0063】
図7は、他の実施形態におけるCDホルダー1yの断面図を示す。CDホルダー1に対応するCDホルダー1yは、
図7に示すように、支持枠10に対応する支持枠10yが設けられている。
【0064】
この支持枠10yは、地側支持部101に対応する地側支持部101yに、天側から地側に向けて貫通する貫通孔部104が設けられており、支持空間2の中に埃やゴミ等がたまることを防止できる。
【0065】
また、支持枠10yは、のど側支持部102に対応するのど側支持部102y、及び小口側支持部103に対応する小口側支持部103yを備えている。
こののど側支持部102y、及び小口側支持部103yの夫々は、天側の端部から地側に向けて所定長さ隔てた場所に、支持空間2に向かって僅かに突出する突起部105が設けられている。
【0066】
このため、例えば、本60が天地を逆さまにしておかれた場合に、CD50がこの突起部105に引っ掛かり、意図せずにCD50が支持空間2から抜け落ちることを防止できる。
【0067】
図8は、他の実施形態におけるCDホルダー1zを有する本60の斜視図を示す。このCDホルダー1zは、支持枠10に対応する支持枠10zを備えており、支持枠10zは、本60の見返し64に直接固定されている。
すなわち、見返し64が裏面シート12として利用されている。
【0068】
また、支持枠10zは、地側支持部101と小口側支持部103によって構成され、地側支持部101ののど側の端部が、本60ののど部65からCD50の直径の十分の一程度の長さを隔てて設けられている。
【0069】
すなわち、図示省略する本60を閉じた状態において、CDホルダー1zに保持されるCD50は、地側、及び小口側を支持枠10zに支持されたうえ、のど部65によってのど側への動きが規制される。
【0070】
そして、表面シート11に対応する表面シート11zは、地側支持部101と小口側支持部103を結ぶ四分の一円状に形成されている。
また、切込部112に対応する切込部112zは、見返し64の中央から本60の天側とのど側の間に向けて傾いて形成されている。
【0071】
このため、本60が閉じられている場合には、CD50を支持枠10zとのど部65によって確実に保持できる。そして、CD50を取り出す場合には、本60を開き、のど部65をCD50から離れさせることで、CD50を容易に取り出すことができる。
【0072】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の記録媒体ホルダーは、実施形態のCDホルダー1,CDホルダー1x,CDホルダー1y,CDホルダー1zに対応し、
以下同様に、
記録媒体は、CD50に対応し、
貫通孔は、貫通孔51に対応し、
上側は、天側に対応し、
下側は、地側に対応し、
左側は、のど側に対応し、
右側は、小口側に対応し、
支持枠は、支持枠10に対応し、
被固定部は、裏面シート12,見返し64に対応し、
表面シートは、表面シート11,表面シート11zに対応し、
支持空間は、支持空間2に対応し、
連通孔は、連通孔111に対応し、
切込部は、切込部112,切込部112zに対応し、
本は、本60に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0073】
例えば、本実施形態において、CDホルダー1は、本60の天側に差込口3を向けて、見返し64の中央に固定されているが、本60ののど側に差込口3を向けて、見返し64の中央に固定されていてもよい。
【0074】
また本実施形態において、表面シート11と裏面シート12は、異なる紙製シートにより構成されているが、1枚の大きな紙製シートを折り曲げて構成してもよいし、樹脂製のシートにより構成してもよい。
【0075】
また本実施形態において、支持枠10の裏側に裏面シート12を貼り付けているが、裏面シート12を設けることなく、支持枠10の裏側を平らな面に貼り付けてもよい。
【0076】
また本実施形態において、連通孔111は、貫通孔51と同径の円形状に形成されているが、CDホルダー1の外部から貫通孔51の縁に、例えば、利用者Uの指をかけることができればよく、連通孔111が、貫通孔51より大径の円形状であっても、小径の円形状であってもよい。
さらに、連通孔111が、三角形や四角形等の多角形状に形成されていてもよい。
【0077】
また本実施形態において、CDホルダー1は、本60の一箇所に固定されているが、本60の異なる頁に対して、CDホルダー1が複数固定されてもよい。
なお、同一ページに複数のCDホルダー1が固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1,1x,1y,1z・・・CDホルダー
50・・・CD
2・・・支持空間
3・・・差込口
10,10y,10z・・・支持枠
11,11x・・・表面シート
12・・・裏面シート
51・・・貫通孔
60・・・本
61・・・表紙
62・・・複数の頁
63・・・裏表紙
64・・・見返し
65・・・のど部
101,101y・・・地側支持部
102,102y・・・側支持部
103,103y・・・小口側支持部
104・・・貫通孔部
105・・・突起部
111・・・連通孔部
112,112z・・・切込部
113,113a,113b・・・直線切込部
114・・・幅広切込部
U・・・利用者
t1・・・厚さ
t2・・・間隔