(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025769
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】貼付剤
(51)【国際特許分類】
A61K 9/70 20060101AFI20220203BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220203BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220203BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220203BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220203BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220203BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220203BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220203BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220203BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61K9/70 405
A61K47/02
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/10
A61K47/12
A61Q19/00
A61K8/19
A61K8/81
A61K8/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128835
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】特許業務法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 聡之
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA74
4C076BB31
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD30
4C076DD37
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4C076DD51
4C076EE09
4C076EE23
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE53
4C083AA122
4C083AB012
4C083AB222
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC792
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD271
4C083AD272
4C083AD532
4C083BB01
4C083CC07
4C083DD12
4C083DD41
4C083EE05
(57)【要約】
【課題】皮膚染着性が抑制され、しかも、均一に着色された含水ゲル層を有する着色貼付剤を提供する。
【解決手段】含水ゲル層と、支持体層とを有する貼付剤であって、
上記含水ゲル層が、
(A)平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料、
(B)ポリアクリル酸及びその塩から選ばれる1種以上、
(C)セルロース誘導体、及び
(D)多価金属イオン
を含有し、上記(A)成分が分散媒に分散されてなり、含水ゲル層の25℃におけるpHが6以下である貼付剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水ゲル層と、支持体層とを有する貼付剤であって、
上記含水ゲル層が、
(A)平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料、
(B)ポリアクリル酸及びその塩から選ばれる1種以上、
(C)セルロース誘導体、及び
(D)多価金属イオン
を含有し、上記(A)成分が分散媒に分散されてなり、含水ゲル層の25℃におけるpHが6以下である貼付剤。
【請求項2】
上記(A)酸化鉄系無機顔料の平均粒子径が0.005~10μmであり、かつ最大粒子径が50μm以下である請求項1記載の貼付剤。
【請求項3】
上記分散媒が、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩及び界面活性剤から選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の貼付剤。
【請求項4】
含水ゲル層の水分含有量が40~90質量%である請求項1~3のいずれか1項記載の貼付剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化鉄系無機顔料を含有する含水ゲル層と支持体層とを有する貼付剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、湿布に適用される含水ゲルは、水の気化熱により患部を冷却し、また、薬剤を経皮吸収させるために好適な膏体として用いられている。最近では、消炎鎮痛を目的としたパップ剤の他、腕や脚等の疲れやむくみの回復、発熱時の身体の冷却等、冷却を主目的とした貼付剤の基剤としても使用されている。
【0003】
また、貼付剤の含水ゲルに、用途、性別、効能等に応じて異なる着色を施し識別力、商品価値を高めることが行われており、このような着色料としては、酸性染料等の水溶性染料が主に使用されている。
【0004】
しかしながら、酸性染料等の水溶性染料を含水率の高いゲルに使用すると皮膚への染着(皮膚への色移り)の問題が生じる。この皮膚への染着の問題は、冷却効果の向上(冷却時間の延長)を目的として水分量の高い含水ゲルが用いられ、更なる貼付時間の延長が可能な着色貼付剤の開発が望まれていることからより顕著となる傾向がある。
【0005】
このように、皮膚染着性が抑制され、しかも、均一に着色された含水ゲル層を有する着色貼付剤の開発が強く望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、皮膚染着性が抑制され、しかも、均一に着色された含水ゲル層を有する着色貼付剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、含水ゲル層と、支持体層とを有する貼付剤において、上記含水ゲル層が、特定の平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料を分散媒に分散させた分散液が配合されてなり、かつpHを6以下にすることで、上記課題が解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は下記貼付剤を提供する。
1.含水ゲル層と、支持体層とを有する貼付剤であって、
上記含水ゲル層が、
(A)平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料、
(B)ポリアクリル酸及びその塩から選ばれる1種以上、
(C)セルロース誘導体、及び
(D)多価金属イオン
を含有し、上記(A)成分が分散媒に分散されてなり、含水ゲル層の25℃におけるpHが6以下である貼付剤。
2.上記(A)酸化鉄系無機顔料の平均粒子径が0.005~10μmであり、かつ最大粒子径が50μm以下である1記載の貼付剤。
3.上記分散媒が、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩及び界面活性剤から選ばれる1種以上である1又は2記載の貼付剤。
4.含水ゲル層の水分含有量が40~90質量%である1~3のいずれかに記載の貼付剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、皮膚染着性が抑制され、しかも、均一に着色された含水ゲル層を有する着色貼付剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
I.含水ゲル層
含水ゲル層は、(A)平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料、
(B)ポリアクリル酸及びその塩から選ばれる1種以上、
(C)セルロース誘導体、及び
(D)多価金属イオン
を含有し、上記(A)成分が分散媒に分散されてなり、含水ゲル層の25℃におけるpHが6以下である。
【0012】
[(A)成分]
本発明の(A)成分は平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。(A)成分の配合により含水ゲル層を着色させることができる。酸化鉄系無機顔料としては、三二酸化鉄、水酸化鉄、γ-酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等が挙げられる。三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄が好ましい。
【0013】
酸化鉄系無機顔料の平均粒子径は、均一着色の点から50μm以下であり、0.005~10μmが好ましく、0.01~5μmがより好ましく、0.1~1μmがさらに好ましい。最大粒子径は50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。なお、最大粒子径は粒ゲージ法、平均粒子径は、赤外線散乱法により測定される。
【0014】
(A)成分の含有量は、含水ゲル層の着色の点から、含水ゲル層中0.001質量%以上が好ましく、含水ゲル層の保形性の点から、0.21質量%以下が好ましく、0.002~0.1質量%がより好ましく、0.002~0.01質量%がさらに好ましい。
【0015】
上記(A)成分は予め分散媒に分散されてなり、得られた分散液を含水ゲルに添加することが、均一な含水着色ゲルを得る観点から好ましい。分散媒としては、特に制限されないが、一価アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤及び吸水性高分子水溶液から選ばれるものが好ましい。中でも、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩及び界面活性剤が好ましい。一価アルコール、多価アルコール、脂肪酸又はその塩、界面活性剤及び吸水性高分子水溶液としては、特に制限されず、後述する含水ゲルにおいて例示する多価アルコール、脂肪酸又はその塩、界面活性剤及び吸水性高分子水溶液と同様のものを使用することができる。これらの中でも、グリセリン、POE(20)ソルビタンモノオレート、エチレングリコール、POE硬化ヒマシ油、エタノール、PEG1000等が好適である。
【0016】
分散媒の含有量は、含水ゲル層中1~20質量%が好ましく、6~16質量%がより好ましい。
【0017】
[(B)成分]
本発明の(B)成分はポリアクリル酸及びその塩から選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。ポリアクリル酸としては、直鎖状、分岐鎖状等のいずれも使用可能である。分子量は1万~1,000万のものを用いることが好ましく、重量平均分子量が1万~50万未満、50万~200万未満、200万~400万の平均分子量を有するポリアクリル酸を2種以上組み合わせると、使用感が向上するので好適である。なお、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体の他、カーボポール( 商品名:米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋したものも好適に使用し得る。
【0018】
また、ポリアクリル酸塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩等が挙げられる。
【0019】
ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との配合比(ポリアクリル酸:ポリアクリル酸塩、質量比)は、1:0.1~1:10が好ましく、1:1~1:9がより好ましい。ポリアクリル酸又は塩を一部中和してポリアクリル酸塩が上記比率になるようにしたものを用いてもよい。
【0020】
(B)成分の含有量は、その重合度により適宜選定することができるが、粘着力の点から、含水ゲル層中1質量%以上が好ましく、含水ゲルの粘度の点から、20質量%以下が好ましく、3~15質量%がより好ましい。
【0021】
[(C)成分]
本発明の(C)成分はセルロース誘導体であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。セルロール誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びそれらの塩が挙げられ、中でも、カルボキシメチルセルロース及びその塩が好ましい。
【0022】
(C)成分は、25℃での1質量%水溶液粘度が2,000mPa・s以下、好ましくは1,000~2,000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムや、25℃での1質量%水溶液粘度が2,500mPa・s以上、好ましくは2,500~4,500mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むセルロース誘導体が好ましく、25℃での1質量%水溶液粘度が2,000mPa・s以下のカルボキシメチルセルロースナトリウム/25℃での1質量%水溶液粘度が2,500mPa・s以上のカルボキシメチルセルロースナトリウムを配合質量比、1/3~3/1で用いるのがより好ましい。
【0023】
(C)成分の含有量は、その重合度により適宜選定することができるが、保形性の点から、含水ゲル層中1質量%以上が好ましく、粘着力の点から、20質量%以下が好ましく、3~15質量%がより好ましい。
【0024】
[(D)成分]
本発明の(D)成分は多価金属イオンであり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。多価金属イオンとしては、水溶液中でマグネシウムイオンおよびアルミニウムイオンを放出する、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、含ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物、アルミニウム、マグネシウムを含む制酸剤が挙げられる。中でも、カリウムミョウバン、水酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイトが好ましく、アルミニウムグリシネート、合成ヒドロタルサイトがより好ましい。
【0025】
(D)成分の含有量は、保形性の点から、含水ゲル層中0.001質量%以上が好ましく、粘着力の点から、10質量%以下が好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。
【0026】
含水ゲル層の水分含有量は、冷却力の点から、含水ゲル層中40質量%以上が好ましく、保形性の点から、90質量%以下が好ましく、65~85質量%がより好ましい。
【0027】
含水ゲル層の25℃におけるpHは、粘着力の点から、6以下であり、3.5~5.5が好ましく、4.0~5.0がより好ましい。pHが高すぎると粘着力が悪くなるおそれがある。なお、含水ゲル層のpHが酸性の場合、無機顔料が酸から影響を受けてしまう可能性があるが、(A)酸化鉄系無機顔料を分散媒に分散させた分散液を含水ゲル層に添加することにより、pHの影響を受けず、高含水の含水ゲル層であっても、顔料による皮膚染着を効果的に抑制できる。
【0028】
[任意成分]
本発明の含水ゲル層には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常含水ゲル層に任意成分を適宜、適量配合することができる。任意成分は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。任意成分としては、以下のものが挙げられる。
【0029】
上記(B),(C)成分以外の水溶性高分子化合物としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0030】
分散媒としても用いられる、一価アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤及び吸水性高分子水溶液としては、以下のものが例示される。なお、含有量は分散媒として用いられているものも含む。
【0031】
一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。
【0032】
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、マルチトール、キシリトール等が挙げられる。
【0033】
多価アルコールを配合する場合、その含有量は、含水ゲル層中50質量%以下が好ましく、0~20質量%がより好ましい。多価アルコールの配合量が50質量%を超えると、水性粘着基剤の凝集力が低下し、剥離時に水性粘着基剤が被着体に残る場合が生じる。
【0034】
脂肪酸、脂肪酸塩としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、及びそれらの塩が挙げられる。
【0035】
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
【0036】
ノニオン界面活性剤として、具体的には、(脂肪酸残基、アルキル基の炭素数8~22、好ましくは10~18)のポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ジグリセリンモノステアレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレングリセリル(POE10)モノオレート等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル(例えば、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等)、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、エタノールアミン脂肪酸部分エステル、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0037】
これらのノニオン界面活性剤の中でも、POE(25)ラウリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、グリセリルモノオレート、ラウリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ミリスチン酸グリセリル、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等がより好ましい。なお、上記表記において、例えば「POE(25)」は25モルのエチレンオキシドを付加した構造であることを示す。最も好ましいノニオン界面活性剤は、アルキル基の炭素数12~18のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。
【0038】
アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルイソチアネート塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸塩等が挙げられ、これらの塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩等が好ましく、アルキル基、アルケニル基の炭素数は、8~22が好適であり、10~18であるものがより好適である。
【0039】
中でも、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンナトリウム、グリチルリチン酸ナトリウム、グリチルレチン酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテル燐酸ナトリウム及びこれらのカリウム塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、N-アシルメチルタウリンナトリウム等がより好適である。
【0040】
カチオン界面活性剤としては、具体的には、第1~第3級脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物塩、ポリエチレンポリアミン脂肪アミドの尿素縮合物の第4級アンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、ラウリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ベンザルコニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
【0041】
両イオン性界面活性剤としては、具体的には、アミノ酸、スルホアミノ酸、4級化ベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、より具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン、セバシン酸ジエチル、レシチン等が挙げられる。界面活性剤を配合する場合、その含有量は、含水ゲル層中0~5質量%程度である。
【0042】
高吸水性高分子化合物としては、例えば、架橋ポリアクリル酸の部分中和物等のイオン性高吸水性高分子化合物、変性ポリアルキレンオキサイド、N-ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体等のノニオン性高吸水性高分子化合物が挙げられる。これらの中でも好ましいものは、ノニオン性高吸水性高分子化合物である。ノニオン性高吸水高分子化合物は、イオン濃度の高い水性液に対する吸水能力が、イオン性のものに比しては高いため、イオン濃度の高い製剤(例えば、ゲル状化粧料、医薬品、パップ剤等)中で安定に多量の水を保持することが可能である。
【0043】
このような高吸水性高分子化合物として、より具体的には、サンウエットIM-100
0(三洋化成、吸水能800倍)、サンフレッシュAT-35(三洋化成、吸水能800
倍)、アクアコーク(住友精化:吸水能30倍)等の市販品を挙げることができる。
【0044】
高吸水性高分子化合物を配合する場合、その含有量は、特に制限されるものではないが、含水ゲル層中0.1~30質量%が好ましく、0.5~15質量%がより好ましい。
【0045】
有機顔料としては、アゾ化合物又はフタロシアニン化合物が好ましい。具体的には、青色404号、黄色205号、黄色401号、橙色203号、橙色204号、橙色401号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色228号、赤色404号、赤色405号などが挙げられる。有機顔料を配合する場合、その含有量は、含水ゲル層中0.0001~0.001質量%が好ましい。
【0046】
充填剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸等が挙げられる。充填剤を配合する場合、その含有量は、含水ゲル層中0~10質量%程度である。
油分としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類等を例示することができる。
【0047】
保湿剤としては、例えば、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質等を例示することができる。
【0048】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸及びその塩類等が挙げられる。
【0049】
紫外線吸収・散乱剤としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等が挙げられる。
【0050】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の4級カチオン、ソルビン酸、安息香酸等が挙げられる。
【0051】
有効成分としては、特に制限されず通常の貼付剤の有効成分に用いられているものを使用することができる。具体的には、以下のものが使用可能である。
〔非ステロイド系抗炎症剤〕
サリチル酸及びその塩類、アスピリン等のサリチル酸誘導体、アセトアミノフェン、アミノピリン、アンチピリン、オキシフェンブタゾン、スルピリン、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、イブプロフェン、スリンダック、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナメート、サリチルアミド、トリエタノールアミンサリチレート、フルフェナム酸とその塩類及びその誘導体、メクロフェナム酸とその塩類及びその誘導体、コルヒチン、ブフェキサマック、イブフェナック、ロキソプロフェン、フェンブフェン、ジフルニサル、アルクロフェナック、フェニルブタゾン、メフェナム酸とその塩類及びその誘導体、フェノプロフェン、ベンダザック、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ザルトプロフェン、エトドラク、スプロフェン、フェルビナク等が挙げられる。
【0052】
〔ステロイド系抗炎症剤〕
アムシノイド、吉草酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸ベータメタゾン、酢酸ベータメタゾン、酢酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベータメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、リルシノニド、ヒドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオトメトロン、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセテート、酪酸ヒドロコルチゾン等が挙げられる。
〔筋弛緩剤〕
ジアゼパム等が挙げられる。
〔制吐剤〕
クロルプロマジン等が挙げられる。
〔乾癬治療剤〕
メトキサレン等が挙げられる。
〔皮膚軟化剤又は皮膚緩和剤〕
ヒドロキノン、尿素、ヘパリン、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。
〔他の薬効成分〕
ジフェンヒドラミン、ジブカイン、プロカイン、リドカイン、グリチルレチン酸又はこれらの誘導体等が挙げられる。
〔酵素製剤〕
トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、リゾチーム、ストレプトキナーゼ、プラスミン、ウロキナーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-キモトリプシン、セラチオペプチダーゼ、ブロメライン、セミアルカリペプチダーゼ等が挙げられる。
〔清涼化剤〕
カンフル、チモール、ボルネオール、メントール、N-エチル-p-メンタン-カルボキシアミド、p-メンタン-3,8-ジオール、l-イソプレゴール、l-メンチルグリセリルエーテル等のメントール誘導体、ハッカ、ペパーミント油、スピラントール等を挙げることができる。
〔ビタミン類〕
パントテン酸、パンテノール、ビタミンA類(パルミチン酸レチノール等)、ビタミンE類(酢酸d-α-トコフェロール)、ビタミンK,ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンF、ビタミンP等が挙げられる
〔温感付与剤〕
カプサイシン、ノニル酸バニリルアミド、ノニル酸バニリルエーテル等が挙げられる。
〔生薬類〕
オオバク等の生薬末、トウガラシエキス等の生薬軟エキス、オオバク乾燥エキス等の生薬乾燥エキス、センブリ流エキス等の生薬流エキス、アルニカチンキ等の生薬チンキ等が挙げられる。
〔植物抽出物〕
アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアアックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、マリーゴールド、ラベンダー、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズ、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダー等の精油類又はエキス類等が挙げられる。
〔海藻抽出物〕
アオサ科、オゴノリ科、テングサ科、ミリン科、コンブ科、アイヌワカメ科、ホンダワラ科、ヒバマタ科、フノリ科、ヒトエグサ科、ミル科、ウシケノリ科、スギノリ科、カギノリ科、イバラノリ科、ナガマツモ科、モヅク科、ダービリア科、レッソニア科及びダルス科に属する海藻の抽出物等が挙げられ、これらの中でもダービリア科に属する海藻の抽出物が好ましい。
【0053】
本発明の含水ゲルに上記有効成分を配合する場合、その物質が日本薬局方に収載されているか、他の文献等によって使用適量が定められている場合には、その使用適量に合わせて配合することが好ましい。特に使用適量が定められていない物質の配合量は0.0001~10質量%程度とすることが好ましい。
【0054】
前記香料としては、天然植物性香料、調合香料成分、合成香料成分等を使用することができ、これらを任意に組み合わせて基剤臭や薬剤臭のマスキングをしたり、付香することができる。
【0055】
前記天然植物性香料としては、例えば、ウイキョウ油、ヒマシ油、ハッカ油、ハッカハク油、ダイウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、チミアン油、テレビン油、ヘノポジ油、ヤマジン油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、オレンジ油、トウカ油、ベルガモット油、ローズ油、シトロネラ油、レモングラス油、樟脳油、ゼラニウム油等が挙げられる。
【0056】
前記調合香料成分としては、例えば、リモネン、テルピノレン、カンフェン、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メントール、ボルネオール、テルピネロール、シトロネラール、シトラール、メントン、カルボメントン、カンファー、シトロネル酸、シネオール、クルクメン、ファルネソール、ネロリドール、ヒノキ酸、サンタル酸等が好適である。
【0057】
その他、合成香料成分としては、例えば、1996年化学工業日報社刊 印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.テファン・アークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバー ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals」等に記載の香料が使用できる。
【0058】
II.支持体層
支持体層としては、特に制限されず通常の貼付剤の支持体層に用いられているものを使用することができる。このような材料としては、例えば、紙、厚織り、糸織り、ガーゼ、コール天、ネル等の織布、平編み、ゴム編み、タック編み、二目編み等の製法による編布、スパンレース、スパンボンド、サーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ等の製法による不織布、ニット、プラスチックフィルム、プラスチックフィルム/ 繊維積層シート、又はプラスチックフィルム/親水性樹脂積層シート等を用いることができる。
不織布の素材としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン、麻等が挙げられる。
プラスチックフィルムを使用する場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等の材料を用いることができる。なお、上記樹脂フィルムのフィルム厚さは、特に制限されるものではなく、通常5~100μm程度である。
【0059】
III.貼付剤
本発明の貼付剤は、(A)平均粒子径が50μm以下である酸化鉄系無機顔料を、分散媒に分散させた後、この分散液を(B)ポリアクリル酸及びその塩から選ばれる1種以上、(C)セルロース誘導体、及び(D)多価金属イオンを含有する含水ゲルに添加し、この(A)成分含有含水ゲルを支持体に展延し、適当な大きさに裁断することにより製造することができる。
【0060】
本発明の貼付剤は、顔用、体用、及び足用等に幅広く使用可能であり、乾燥でひび割れた荒れた皮膚(かかと等)にも使用することができるものである。また、本発明の貼付剤は着色貼付剤であり、色ムラがなく均一に着色された含水ゲル層を有する。後述する実施例に示すように、8時間以上貼付しても、皮膚に色移りが生じることがないものである。
【実施例0061】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0062】
[実施例、比較例]
表1に示す組成に従って、ヘンシェルミキサーに精製水を入れ、各成分を添加し、10分間攪拌(100rpm)して含水ゲルを調製した。この含水ゲルに、予め分散媒に分散させておいた顔料を添加し、100rpmで15分間攪拌して、着色含水ゲルを得た。なお、顔料の粒度は下記方法により測定した。なお、分散物として配合しているものについては、成分の量を記載し、分散媒の量は表中に記載していない。
得られた着色含水ゲルを支持体(ポリエステルニット)上に0.1g/cm2展延後、10cm×14cmに裁断して、含水ゲル層を有する着色貼付剤を調製した。
【0063】
得られた各着色貼付剤について、下記方法により特性を評価した。結果を表中に併記する。
更に、支持体をポリエステル不織布、発泡ウレタンフィルム、ウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルム/ ポリエステル不織布、ポリエステルフィルム/ポリエステルニット、ウレタンフィルム/ ポリエステル不織布、ウレタンフィルム/ポリエステルニットに代えて製造しても、本発明の良好な着色貼付剤が得られた。
【0064】
<含水ゲル層のpH>
平面型ガラス電極を用いて、25℃で直接測定した。
【0065】
<顔料の粒度測定>
最大粒子径は、粒ゲージにより測定した。
<顔料の粒度測定>
平均粒子径は、赤外線散乱法による粒度分布測定器を用いて、エタノールを分散媒に用いて湿式測定で行った。実施例で使用した無機顔料の最大粒子径、平均粒子径は表中に記載する。
【0066】
<貼付剤(含水ゲル層)の着色性(色ムラのなさ)>
目視評価により、各貼付剤(含水ゲル層)の色ムラの有無を下記基準で確認した。
評価基準
◎:均一に着色
○:わずかに色ムラあり
△:やや色ムラあり
×:かなり色ムラあり
【0067】
<皮膚への色移りのなさ>
10人のパネラーにより、室温、50%RHの条件で、各貼付剤をふくらはぎに8時間貼付した後の皮膚への色移りを下記基準で評価した。
評価基準
○:色移りなし
△:やや色移りあり
×:色移りあり
【0068】
<保形性>
着色貼付剤を手の甲に貼付し、20分後剥がしたときの皮膚への含水ゲル層の残存量を面積で評価した。
◎:含水ゲル層残りなし
○:皮膚上の含水ゲル層の残っている面積が貼付面積の5%未満
△:皮膚上の含水ゲル層の残っている面積が貼付面積の5%以上20%未満
×:皮膚上の含水ゲル層の残っている面積が貼付面積の20%以上
【0069】
<粘着力>
着色貼付剤をふくらはぎに貼付し、4時間後に剥がれた面積で評価した。
◎:膏体残りなし
○:はがれている面積が製剤面積の10%未満
△:はがれている面積が製剤面積の10%以上50%未満
×:はがれている面積が製剤面積の50%以上
【0070】
<剥がす時の痛みのなさ>
着色貼付剤を貼付し、4時間後に剥離した時の痛みを評価。
◎:痛みを感じない
○:やや痛みを感じる
△:かなり痛みを感じる
×:非常に痛みを感じる
【0071】
<冷却力>
着色貼付剤を貼付し、30分後に貼付部位の温度をサーモグラフィーで測定し、貼付周囲の皮膚温との差で評価した。
◎:温度差が4℃以上
△:温度差が2℃以上4℃未満
×:温度差が2℃未満
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
黄色三二酸化鉄:癸巳化成(株)製、「薬添規 黄色三二酸化鉄」
三二酸化鉄:癸巳化成(株)製、「薬添規 三二酸化鉄」
黒酸化鉄:癸巳化成(株)製、「薬添規 黒酸化鉄」
ポリアクリル酸1:東亜合成(株)製、「ジュリマーAC-10H」、質量平均分子量:15万、中和度:0モル%
ポリアクリル酸2:東亜合成(株)製、「ジュリマーSH8」、質量平均分子量:100万、中和度:0モル%
ポリアクリル酸部分中和物:東亜合成(株)製、「アロンビスAH-106X」、質量平均分子量:450万、中和度:40モル%
ポリアクリル酸ナトリウム:東亜合成(株)製、「アロンビスSX」、質量平均分子量:450万、中和度:100モル%
カルボキシメチルセルロースナトリウムA:ダイセルファインケム(株)製、「CMC1380」
カルボキシメチルセルロースナトリウムB:ダイセルファインケム(株)製、「CMC1390」
合成ヒドロタルサイト:協和化学工業(株)製、「アルカマックSH」
濃グリセリン:阪本薬品工業(株)製、「日本薬局方濃グリセリン」
ポリアルキレンオキサイド系吸水性樹脂:住友精化(株)製、「アクアコークTWB-P」
ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート:協和化学工業(株)製、「グリシナール」
エデト酸二ナトリウム:中部キレスト(株)製、「エデト酸ナトリウム」
パラオキシ安息香酸メチル:上野製薬(株)製、「パラオキシ安息香酸メチル」
パラオキシ安息香酸プロピル:上野製薬(株)製、「パラオキシ安息香酸プロピル」
ポリソルベート80:日光ケミカルズ(株)製、「TO-10MV」
酒石酸:磐田化学工業(株)製、「酒石酸」
メタリン酸ナトリウム:太平化学産業(株)製、「メタリン酸ナトリウム」
ヒマシ油:小堺製薬(株)製、「ヒマシ油」
l-メントール:高砂香料工業(株)製、「l-メントール」
ラベンダー油:高砂香料工業(株)製、「ラベンダー油」
ハッカハク油:高砂香料工業(株)製、「ハッカハク油」
ユーカリ油:高砂香料工業(株)製、「ユーカリ油」
ローズマリー油:高砂香料工業(株)製、「ローズマリー油」
セージ油:ヴェマンフィス香料(株)製、「セージ油」
オレンジ油:高砂香料工業(株)製、「オレンジ油」
レモン油:高砂香料工業(株)製、「レモン油」
青色1号:癸巳化成(株)製、「青色1号」
青色404号:癸巳化成(株)製、「青色404号」
精製水:共栄製薬(株)製、「精製水(蒸留)」
香料:特開2002-128658号公報の段落[0065]~[0071]に記載された香料a~d、特開2003-73249号公報に記載のA~E、又は特願2019-023940[0016]~[0023]に記載の1~4から適宜選ばれる。