(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025855
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】足踏み式ディスペンサー、足踏み式ディスペンサーを用いた入退場管理システム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/00 20200101AFI20220203BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20220203BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20220203BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G07C9/00 Z
A61H33/00 T
A61L2/18
A61L2/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128984
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】514059301
【氏名又は名称】株式会社アルファTKG
(74)【代理人】
【識別番号】100160060
【弁理士】
【氏名又は名称】湯口 文丸
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊郎
【テーマコード(参考)】
3E138
4C058
4C094
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138CA03
3E138CA07
3E138CC01
3E138DA07
3E138EA02
3E138GA02
3E138JA02
3E138JB02
3E138JB16
3E138JC30
3E138JD09
4C058AA28
4C058BB07
4C058JJ06
4C058JJ22
4C058JJ23
4C058JJ24
4C094AA03
4C094BC11
4C094GG07
(57)【要約】
【課題】 入退場の管理と感染症対策を両立させるための技術を提供することを提供する。
【解決手段】 来場者が足踏み式ディスペンサーを利用する際に体の向きが一方向に誘導されることに着目し、検温手段を備えたカメラ付き通信端末を固定する固定部をペダル前方の正面に備えることにより、足踏み式ディスペンサーの来場者の顔の正面にカメラ付き通信端末に位置させ、入退場の管理と手指の消毒をシームレスに行えるシステムを実現させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座に載置されたボトルが備えるポンプを、本体下部のペダルの踏み込みにより押圧することによりボトル内の液体を噴射する機構を備えた足踏み式ディスペンサーにおいて、
前記足踏み式ディスペンサーは、検温手段を備えたカメラ付き通信端末を固定させる固定具を、前記ペダル前方の正面に備えた足踏み式ディスペンサー。
【請求項2】
前記ペダルが、左右方向よりも前後方向に長い形状または左右方向と前後方向で長さが同じ形状を有する請求項1の足踏み式ディスペンサー。
【請求項3】
前記ペダルが、足を乗せる位置を示すマークを備える請求項2の足踏み式ディスペンサー。
【請求項4】
請求項1の足踏み式ディスペンサーを用いた入退場管理システムであって、
前記カメラ付き通信端末は、前記検温手段により来場者の体温として測定された数値を受信し、当該数値と、カメラにより撮影した来場者の顔写真と、をシステムサーバーへ送信する通信手段を備え、
前記カメラ付き通信端末から受信した来場者の顔写真を用いて個人認証を行う顔認証プロセスと、
前記カメラ付き通信端末から受信した来場者の体温として測定された数値を用いて来場者の入場を認めるか否かの判定を行う検温プロセスと、
を実行する
システムサーバーを備えた
入退場管理システム。
【請求項5】
前記足踏み式ディスペンサーは、ポンプが押圧された回数を数える圧力センサーまたはボトルの重さを測る重量センサーを備え、
前記圧力センサーまたは重量センサーは、ポンプが押圧された回数の数値またはボトル の重さの数値を前記カメラ付き通信端末へ送信する通信手段を備え、
前記カメラ付き通信端末は受信した、ポンプが押圧された回数の数値またはボトルの重さの数値を、前記システムサーバーへ送信し、
前記システムサーバーは、受信した数値があらかじめ設定された所定の値を上回るとき、または下回るときは、入退場管理システムの利用者の使用する通信端末に前記ボトルへの液体の補充を促すアラートを送信する補充アラートプロセスを実行する
請求項4の入退場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペダルを足踏みすることにより液体を噴射する機構を備えた足踏み式ディスペンサーと、これを用いた入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1ないし3には、足踏みされたペダルと接続されたシャフトが、消毒液等の液体が入ったボトルのポンプを押圧することにより、液体を噴射する機構を備えた足踏み式ディスペンサーが開示されている。
【0003】
このような機構は消毒液の入ったボトルに手を触れることなく手指を消毒することができ、オフィスやイベント会場などの人の出入りの多い場所における感染症の拡大予防に効果的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-229296号公報
【特許文献2】特許第5409303号公報
【特許文献3】特開2015-100454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、オフィスやイベント会場において行われる入退場管理では、感染症対策の観点から出入り口において検温と消毒を行った上で入退場のための手続きをすることが一般的である。
【0006】
しかしながら、このような手法は非常に煩雑であるから多くの人を短時間に狭い空間に密集させることになり、感染症対策の観点から見て合理的ではない。
【0007】
したがって、会場の入退場管理のための列と消毒のための列はシームレス化されるとともにオートメーション化されることが好ましい。
【0008】
本発明の課題は、上記の技術的背景および社会的背景を踏まえ、入退場の管理と感染症対策としての消毒を両立させるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(足踏み式ディスペンサーの構成(1))
台座に載置されたボトルが備えるポンプを、本体下部のペダルの踏み込みにより押圧することによりボトル内の液体を噴射する機構を備えた足踏み式ディスペンサーにおいて、
前記足踏み式ディスペンサーは、検温手段を備えたカメラ付き通信端末を固定させる固定具を、前記ペダル前方の正面に備えた足踏み式ディスペンサー。
【0010】
また、本発明の足踏み式ディスペンサーは、前記ペダルが、左右方向よりも前後方向に長い形状または左右方向と前後方向で長さが同じ形状を有することが好ましい。
【0011】
また、本発明の足踏み式ディスペンサーは、前記ペダルが、足を乗せる位置を示すマークを備えることが好ましい。
【0012】
(入退場管理システムの構成(1))
前記足踏み式ディスペンサーを用いた入退場管理システムであって、
前記カメラ付き通信端末は、前記検温手段により来場者の体温として測定された数値を受信し、当該数値と、カメラにより撮影した来場者の顔写真と、をシステムサーバーへ送信する通信手段を備え、
前記カメラ付き通信端末から受信した来場者の顔写真を用いて個人認証を行う顔認証プロセスと、
前記カメラ付き通信端末から受信した来場者の体温として測定された数値を用いて来場者の入場を認めるか否かの判定を行う検温プロセスと、
を実行する
システムサーバーを備えた
入退場管理システム。
【0013】
また、前記足踏み式ディスペンサーは、ポンプが押圧された回数を数える圧力センサーまたはボトルの重さを測る重量センサーを備え、
前記圧力センサーまたは重量センサーは、ポンプが押圧された回数の数値またはボトル の重さの数値を前記カメラ付き通信端末へ送信する通信手段を備え、
前記カメラ付き通信端末は受信した、ポンプが押圧された回数の数値またはボトルの重さの数値を、前記システムサーバーへ送信し、
前記システムサーバーは、受信した数値があらかじめ設定された所定の値を上回るとき、または下回るときは、入退場管理システムの利用者の使用する通信端末に前記ボトルへの液体の補充を促すアラートを送信する補充アラートプロセスを実行する
ことが好ましい。
【0014】
(足踏み式ディスペンサーの構成(2))
台座に載置されたボトルが備えるポンプを、本体下部のペダルの踏み込みにより押圧しすることによりボトル内の液体を噴射する機構を備えた足踏み式ディスペンサーにおいて、
前記ペダルは左右方向よりも前後方向に長く、
前記足踏み式ディスペンサーは、非接触型体温計と、カメラ付き通信端末と、を固定させる固定具を、前記ペダル前方の正面に備えた足踏み式ディスペンサー。
【0015】
(入退場管理システムの構成(2))
前記非接触型体温計は来場者の体温として測定した数値を前記カメラ付き通信端末へ送信する通信手段を備え、
前記カメラ付き通信端末は、前記来場者の体温として測定された数値を受信し、当該数値と、カメラにより撮影した来場者の顔写真と、をシステムサーバーへ送信する通信手段を備え、
前記カメラ付き通信端末から受信した来場者の顔写真を用いて個人認証を行う顔認証プロセスと、
前記カメラ付き通信端末から受信した来場者の体温として測定された数値を用いて来場者の入場を認めるか否かの判定を行う検温プロセスと、
を実行する
システムサーバーを備えた
入退場管理システム。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、来場者が足踏み式ディスペンサーを利用する際に体の向きが正面方向に誘導されることに着目したものである。
【0017】
そして、検温手段を備えたカメラ付き通信端末を固定する固定部をペダル前方の正面に備えることにより、来場者の顔の正面にカメラ付き通信端末に位置することとなる。
【0018】
このような構造により入退場の管理と手指の消毒をシームレスに行える入退場管理システムを安価に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の足踏み式ディスペンサーにおいて、固定具にカメラ付き通信端末を固定する前の状態を示した斜視図である。
【
図5】ペダルの上面に足を乗せる位置を示す足踏みマークを設けた実施例を示す図である。
【
図6】本発明の足踏み式ディスペンサーにおいて、固定具にカメラ付き通信端末を固定した状態を示した斜視図である。
【
図7】本発明の足踏み式ディスペンサーにおけるペダルとカメラ付き通信端末の位置関係を示した図である。
【
図8】本発明の足踏み式ディスペンサーを用いた入退場管理システムの構成を示す図である。
【
図9】検温装置とカメラ付き通信端末の通信手段の実施例を示した図である。
【
図10】検温装置とカメラ付き通信端末の通信手段の実施例を示した図である。
【
図11】システムサーバー上で実行される顔認証プロセスのフローチャートである。
【
図12】システムサーバー上で実行される検温プロセスのフローチャートである。
【
図13】入退場管理システムにおいて消毒液の補充アラートプロセスを実行する実施例の構成を示す図である。
【
図14】圧力センサーを用いた実施例における、システムサーバー上で実行される消毒液の補充アラートプロセスのフローチャートである。
【
図15】重量センサーを用いた実施例における、システムサーバー上で実行される消毒液の補充アラートプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態の構成を
図1ないし
図15によって説明する。
【0021】
(足踏み式ディスペンサー100)
図1に示すように、本発明の足踏み式ディスペンサー100は、ペダル台座200、ペダル台座200の中央もしくは中央よりやや手前方向に設置されるペダル300、ペダル台座200の中央より前方に立設されるL字型の支柱400を備える。
【0022】
ペダル300は、支柱400の内部を挿通するシャフト500を介して、シャフト先端部501と接続される。ペダル300を踏み込むことによりシャフト500が下方向に押し下げられ、それと連動してシャフト先端部501が同じく下方向に押し下げられる。
【0023】
支柱400の外周にはボトル台座600が設置される。ボトル台座600にはボトル700が設置される。また、ボトル台座600はレール等の機構により支柱400を上下に移動して高さを調節可能であることが好ましい。
【0024】
ボトル700は内部の液体を吸い上げるポンプ701と液体を噴射するノズル702を備え、ポンプ701が押圧されることによりノズル702より液体が噴射される。
【0025】
すなわち、ペダル300を踏み込むことによりシャフト500が下方向に押し下げられ、それと連動して下方向に押し下げられたシャフト先端部501によりポンプ701が押圧され、ノズル702より液体が噴射される。
【0026】
これら説明した機構については実施例の一部にすぎず、ペダル等を足踏みすることにより、ボトルのポンプに来場者が手を触れることなく液体を噴射する機構を持ったものであればどのような実施形態にも本発明は採用可能である。例えば特許文献1ないし特許文献3その他の先行技術において既に開示されている手段を用いればよいので、詳細は省く。
【0027】
(ペダル300)
本発明のペダル300の形状は
図2に示すように、前後方向と左右方向で概ね同じ長さを有する。
【0028】
より好ましい実施例においては
図3に示すように、ペダル300は左右方向よりも前後方向に長く形成される。これにより、来場者は足をペダル300の前方に向けて踏み込むように誘導されるから、来場者の顔と体は自然と前方を向きやすくなる。
【0029】
ただし、
図4に示すように、ペダル300は前後方向よりも左右方向に長く形成してもよい。図示した以外に多角形、円形などの形状でもよい。
【0030】
また、
図5に示すように、ペダル300の上面に足を乗せる位置を示す足踏みマーク301を設けてもよい。これにより、より確実に来場者が足をペダルに置く方向を誘導することができる。
【0031】
(固定具800)
次に、カメラ付き通信端末920を足踏み式ディスペンサー100に固定するための固定具800について説明する。
【0032】
固定具800はカメラ付き通信端末920を固定するためのアーム802を備え、固定ビス803により支柱400に固定される。なお、固定ビス803はあくまでも実施例の1つであり、本発明では何らかの手段により支柱400に固定具800を固定できればよい。もしくは、支柱400と固定具800を一体のものとして成型したものでもよい。
【0033】
図1に示すようにアーム802は、ペダル300の手前方向に伸長し、カメラ付き通信端末920を正面方向へ向くように固定するものである。カメラ付き通信端末920を固定した状態を
図6に示す。
【0034】
カメラ付き通信端末920を固定する手段は、例えばアーム802のカメラ付き通信端末920と接する面にゴム等の弾性部材を設け、その弾性部材の弾性により固定する手段、磁石により固定する手段、等があげられるが、カメラ付き通信端末920を正面方向へ向くように固定できるものであれば手段は問わない。
【0035】
本発明の足踏み式ディスペンサー100は、以上説明した構成により、
図7に示すように、イベント等の来場者の顔の正面に自然とカメラ付き通信端末920が位置することとなる。
【0036】
(入退場管理システム900)
本発明の足踏み式ディスペンサーを用いた入退場管理システム900について説明する。入退場管理システム900は、
図8に示すように、足踏み式ディスペンサー100に固定された、検温装置910により測定した体温を来場者に表示し、来場者の顔を撮影してシステムサーバー930に送信するカメラ付き通信端末920、カメラ付き通信端末920から送信されたデータに基づいて入退場に関する処理を行うシステムサーバー930、入退場管理システム900の利用者が用いる通信端末940、からなる。
【0037】
(検温装置910)
検温装置910は来場者の体温を測定する装置である。検温装置910は、機械的もしくは電気的なスイッチまたはセンサーにより、来場者がペダル300を踏み込んだときに、来場者の体温を測定する。
【0038】
また、検温装置910は、来場者の体温として測定した数値をカメラ付き通信端末920へと送信する通信手段を備える。
【0039】
検温装置910と後述するカメラ付き通信端末920との通信手段の実施例は下記3つが挙げられる。
(1)
図6に示すように、検温装置910が図示しない接続端子を介してカメラ付き通信端末920と接続され、通信するもの。
(2)
図9に示すように、検温装置910の実施例である非接触型体温計がカメラ付き通信端末920とは別に固定具800の小アーム801に固定され、無線通信手段により来場者の体温として測定した数値をカメラ付き通信端末920へと送信するもの。
(3)
図10に示すように、カメラ付き通信端末920自体に検温装置910がハードウェアとして組み込まれている、もしくはカメラ付き通信端末920がソフトウェア的に検温装置910の機能を持っているもの。
【0040】
ただし上記の手段に限らず、来場者の体温を測定してカメラ付き通信端末920によりシステムサーバー930へと来場者の体温の数値を送信できる構成であればよい。
【0041】
(カメラ付き通信端末920)
カメラ付き通信端末920は下記の役割を持つ装置である。
(1)検温装置910が測定した来場者の体温の数値を受信手段により受信してディスプレイ921に表示して来場者に提示する。
(2)カメラ922により来場者の顔を撮影する。
(3)来場者の体温の数値と、撮影した来場者の顔の画像データを送信手段によりシステムサーバー930へ送信する。
(4)システムサーバー930における入退場に関する処理の結果を受信し、ディスプレイ921に出力して来場者に提示する。
【0042】
また、カメラ付き通信端末920は、機械的もしくは電気的なスイッチまたはセンサーにより、来場者がペダル300を踏み込んだときに、来場者に対して個人認証の案内をする画面をディスプレイ921に表示する。
【0043】
(システムサーバー930)
システムサーバー930は、カメラ付き通信端末920から受信した来場者の顔の画像データを用い、データベースに格納されている顔写真と照合することにより個人認証を行う顔認証プロセスを用いて実行する。顔認証プロセスについては例示するまでもなく複数の先行技術が存在するが、いずれも本発明に利用可能である。なお、本発明における顔認証プロセスはICカード等、他の手段による個人認証プロセスを複合させる可能性を排除するものではなく、適宜組み合わせて実施しうる。
【0044】
図11に示すように、システムサーバー930は、顔認証プロセスの結果、データベースに格納されている顔写真に受信した顔写真と一致するものがあるときは、その顔写真の来場者の来場をデータベースに登録するとともに、入退場管理システム900に接続されているゲートを開く等の指示情報をカメラ付き通信端末920へと送信する。この際に、カメラ付き通信端末920は「ようこそ」「お通りください」等の来場者に対する案内をディスプレイ921に表示する。
【0045】
図11に示すように、システムサーバー930は、顔認証プロセスの結果、データベースに格納されている顔写真に受信した顔写真と一致するものがないときは、登録のない来場者としてデータベースに登録するとともに、入退場管理システム900の利用者であるオフィスのセキュリティ部門、イベント等の主催者、等の使用している通信端末940にアラートメッセージを送信する。この際に、カメラ付き通信端末920は「お待ちください」「係員が参ります」等の来場者に対する案内をディスプレイ921に表示する。
【0046】
また、
図12に示すように、システムサーバー930は、カメラ付き通信端末920から受信した来場者の体温の数値を用いて、来場者の入場を認めるかどうかの判定を行う検温プロセスを実行する。システムサーバー930は、カメラ付き通信端末920から送信された来場者の体温の数値が、あらかじめ設定された所定の値(例えば摂氏37.5度)を上回るときは、入退場管理システム900の利用者であるオフィスのセキュリティ部門、イベント等の主催者、等の使用している通信端末940にアラートメッセージを送信する。この際に、カメラ付き通信端末920は「お待ちください」「係員が参ります」等の来場者に対する案内をディスプレイ921に表示する。
【0047】
システムサーバー930は単一のサーバーである必要はなく、複数のサーバーが共同して上記で説明した一連の処理を実行するものとして構成してよい。
【0048】
(入退場管理システム900の作用)
通常の手押し式のディスペンサーに入退場管理システムを組み合わせようとすると、テーブルに置いた手押し式のディスペンサーは来場者があらゆる方向から手を出して消毒可能であるから、来場者の体温を正確に測定し、来場者の顔をシステム上で照合可能な形で撮影することは困難である。
【0049】
本発明は、人の顔と足踏み式ディスペンサーの位置関係に着目した発明であり、来場者は足をペダル300の前方に向けて踏み込むように誘導されるから、来場者の顔と体は自然と前方を向くこととなる。
【0050】
その来場者の顔の向いた正面に検温手段を備えたカメラ付き通信端末920を設置することにより、来場者の体温を正確に測定し、来場者の顔をシステムサーバー903上で照合可能な形で撮影することが容易となる。
【0051】
このような構成とすることにより、来場者が入退場の手続と手指の消毒をシームレスに行うことができるから、入口付近に来場者が密集することによる感染症の拡大リスクを抑える効果が期待できる。
【0052】
また、足踏み式ディスペンサー100が備える機械的もしくは電気的なスイッチまたはセンサーにより、来場者の手の消毒・体温の計測・来場者の顔の撮影・入退場の管理という一連の動作がオートメーション化されるため、スタッフの配置を最小限にすることができる。
【0053】
さらに、従来であればスタッフが体温計を手に持って来場者に向けることにより生じていた、来場者の心理的ストレスを低減させる効果が期待できる。
【0054】
(消毒液の補充アラートプロセス)
本発明においてボトル700に入っている消毒液の量が減った際に、入退場管理システム900の利用者へ消毒液の補充を促すアラートを送るための補充アラートプロセス実施例について説明する。
【0055】
本実施例では、
図13に示すように、ボトル台座600は底面にセンサー601を備える。センサー601の種類はポンプ701が押圧された回数を数える圧力センサー602、もしくはボトルの重さを測る重量センサー603を用いる。なおセンサー601は必ずしもボトル台座600に設ける必要はなく、台座200やペダル300、支柱400、もしくはシャフト500に設けてもよい。すなわち、消毒液の残量の変化を何らかの方法でモニタリングできる手段であればよい。
【0056】
(圧力センサー602)
圧力センサー602は圧力の変化を検知したときは、そのことをカメラ付き通信端末920に送信する通信手段を備えている。カメラ付き通信端末920は、圧力センサー602から受信した圧力の変化の回数を数え、その数値を逐時システムサーバー930に送信する。
図14に示すように、システムサーバー930は、受信した圧力の変化の回数の数値が、あらかじめ設定された所定の値を上回るときは、入退場管理システム900の利用者であるオフィスのセキュリティ部門、イベント等の主催者、等の使用している通信端末940に消毒液の補充を促すアラートメッセージを送信する。
【0057】
(重量センサー603)
重量センサー603は所定の時間毎の重さの数値をカメラ付き通信端末920に送信する通信手段を備えている。カメラ付き通信端末920は、圧力センサー602から受信した重さの数値を逐時システムサーバー930に送信する。
図15に示すように、システムサーバー930は、受信した重さの数値が、あらかじめ設定された所定の値を下回るときは、入退場管理システム900の利用者であるオフィスのセキュリティ部門、イベント等の主催者、等の使用している通信端末に消毒液の補充を促すアラートメッセージを送信する。
【0058】
(結び)
本発明の各構成はいずれも機能概念的なものであり、専用の装置として機能するものであることを要しない。
【0059】
また、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明の用途を限定するために記載されたものではなく、本発明の各実施形態は上記で説明したもの以外にも適宜組み合わせて実施しうる。
【0060】
また、本発明におけるハードウェア装置の構成、ハードウェア装置の形状、各ハードウェア動作に関わるプログラム、データ形式、プログラム言語等は、特定のものに依存しておらず、上記説明した実施形態は一例にすぎない。
【0061】
したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物が含まれる。
【符号の説明】
【0062】
100 足踏み式ディスペンサー
200 ペダル台座
300 ペダル
301 足踏みマーク
400 支柱
500 シャフト
501 シャフト先端
600 ボトル台座
601 センサー
602 圧力センサー
603 重量センサー
700 ボトル
701 ポンプ
702 ノズル
800 固定具
801 小アーム
802 アーム
803 固定ビス
900 入退場管理システム
910 検温装置
920 カメラ付き通信端末
921 ディスプレイ
922 カメラ
930 システムサーバー
940 システム利用者の通信端末