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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025964
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】シンギュレーター
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20220203BHJP
   B65G 47/31 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B65G47/28 M
B65G47/31 D
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129189
(22)【出願日】2020-07-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】514154813
【氏名又は名称】フィブイントラロジスティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】水野 俊二
(72)【発明者】
【氏名】井上 俊博
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA01
3F081BC04
3F081BD08
3F081BD15
3F081BD16
3F081CC08
3F081CC12
3F081CC20
3F081DA02
3F081DA10
3F081DA14
3F081EA08
3F081EA09
3F081EA15
3F081EA18
3F081FA03
3F081FB03
(57)【要約】
【課題】シンギュレーターの整列用コンベヤにおいて物品の詰まりなどの停滞状況が生じた場合にその状況を早期に自動的に検知し、解消し、復旧する。
【解決手段】整列用コンベヤ3の最下流部において整列用コンベヤの外端12に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイド9が設けられ、サイド可動ガイドが、整列用コンベヤの下流側を鉛直回転軸として副戻り部側の方に特定の位置まで水平回転して開放するように構成される。詰まった物品がサイド可動ガイドを整列用コンベヤ側から副戻り部4の方に押して副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、整列用コンベヤが停止し、サイド可動ガイドが副戻り部側にさらに開放した特定の位置まで水平回転し、整列用コンベヤのローラーコンベヤが逆回転して物品を副戻り部側に促す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無秩序な向きを有する物品を進路方向に移動させて単一縦列に整列させるシンギュレーターであって、前記シンギュレーターが、長手方向に直線状に延びる側壁を形成する機枠と、前記側壁に沿って設けられた整列用コンベヤと、前記整列用コンベヤの前記側壁の側とは反対側に設けられた副戻り部と、前記副戻り部の前記整列用コンベヤの側とは反対側に設けられた主戻り部とを備え、
前記整列用コンベヤが、前記側壁に隣接する側の内端と、前記側壁から離れた側の外端とを有し、
前記整列用コンベヤが、物品が載る斜め配置の複数の駆動ローラーからなるローラーコンベヤを備え、かつこれらの駆動ローラーで物品を搬送出口端に向かう進路方向成分と前記側壁に向かう横方向成分とを有する方向に促して単一縦列に整列させるように構成され、前記副戻り部が、前記整列用コンベヤから受けた物品を前記整列用コンベヤから離れる方向に促して前記主戻り部に渡すように構成され、前記主戻り部が、前記副戻り部から受けた物品を前記整列用コンベヤの上流に戻すように構成され、
前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記外端に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイドが設けられ、前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベヤの下流側を鉛直回転軸として前記副戻り部側の方に特定の位置まで水平回転して開放するように構成されているものにおいて、
前記整列用コンベヤの最下流部において物品が前記サイド可動ガイドを前記整列用コンベヤ側から前記副戻り部の方に押して前記サイド可動ガイドを前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、前記整列用コンベヤがいったん停止し、前記サイド可動ガイドが前記副戻り部側に開放した特定の位置まで水平回転し、前記整列用コンベヤの最下流部のローラーコンベヤが逆回転して物品を前記副戻り部側に促す動作を行なうように構成されていることを特徴とするシンギュレーター。
【請求項2】
前記動作を行なった後、整列用コンベヤのローラーコンベヤが停止し、サイド可動ガイドが、整列用コンベヤの外端に沿って略直線状に延びる元の位置に戻り、整列用コンベヤが、物品を単一縦列に整列させる動作に戻るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシンギュレーター。
【請求項3】
前記特定の位置が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から60~100度の範囲で水平回転した位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシンギュレーター。
【請求項4】
前記特定の角度が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から10~40度になる角度であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項5】
物品が前記サイド可動ガイドを前記外端から前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、機械的にオンになるリミットスイッチが設けられ、前記リミットスイッチがオンになることにより、前記動作を行なうように構成したことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項6】
前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベアの上流側のアームとそれに続く下流側のアームとから構成され、前記上流側のアームが、前記下流側のアームに対して前記副戻り部側に傾けられていることを特徴とする請求項5に記載のシンギュレーター。
【請求項7】
前記上流側のアームの前記下流側のアームに対する傾きが、10度以下であることを特徴とする請求項6に記載のシンギュレーター。
【請求項8】
前記上流側のアームが、前記上流側のアームのみが水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第一鉛直回転軸を前記上流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする請求項6又は7に記載のシンギュレーター。
【請求項9】
前記上流側のアームが、前記整列用コンベヤ側の物品からの圧力を吸収できる板バネを含むことを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項10】
前記上流側のアームが、前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転されると、前記リミットスイッチが機械的にオンになるように構成したことを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項11】
前記下流側のアームが、前記上流側のアームと前記下流側のアームがともに水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第二鉛直回転軸を前記下流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする請求項6~10のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項12】
前記整列用コンベヤが、前記ローラーコンベヤを進路方向に相次いで配設した複数のグループで有し、隣接するグループ間において進行方向側のグループの方が速いローラー速度を持つことができるように構成されていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項13】
前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記内端の外側に物品の進路方向を直角に横切る光を放出する光電センサーが設けられ、前記整列用コンベヤの最下流部において物品が進路方向に進まない状態を前記光電センサーが検出すると、前記動作を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項14】
前記光電センサーが、放出した光を特定の時間遮光し続ける事象により、物品が進行方向に進まない状態を検出するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のシンギュレーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無秩序な向きを有する包装荷物等の物品を進路方向に移動させて単一縦列に整列させるシンギュレーターにおいて、物品の詰まりなどの停滞が生じた場合に自動的に検知して解消、復旧することができるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の仕分け、配送を取り扱う業界では、大量の様々な物品を高速で効率良く仕分け地別に分類できることが求められる。搬送される物品は、大きさや形状が様々であり、コンベヤ上では無秩序な向きを有するため、これらを単一縦列に整列させて仕分けを容易にすることが必要である。
【0003】
かかる役割を有する搬送機構として、シンギュレーターが従来から使用されている(例えば特許文献1参照)。図1は、従来一般的に使用されているシンギュレーターの一例の概略平面図である。図中、1は、シンギュレーター、2は、長手方向に直線状に延びる側壁を形成する機枠、3は、側壁に沿って設けられた整列用コンベヤであり、整列用コンベヤ3は、物品を進路方向にかつ側壁に向かうようにして単一縦列に整列させる役割を有する。4は、副戻り部、5は、主戻り部であり、副戻り部4は、整列用コンベヤ3の側壁とは反対側の側方に設けられ、整列用コンベヤ3で整列できなかった物品を主戻り部5の方に促す役割を有し、主戻り部5は、副戻り部4の側方に設けられ、副戻り部4から受けた物品を整列用コンベヤ3の上流に戻す役割を有するものである。6は、シンギュレーター1への物品投入部、7は、シンギュレーター1の搬送出口端であり、ここから次の搬送経路へ物品を切り出す。
【0004】
上述のような構成の従来のシンギュレーターでは、物品が整列用コンベヤを進路方向に進むにつれて斜め配置の駆動ローラーによって機枠の側壁に沿って単一縦列に整列されるようになっているが、整列用コンベヤの最下流部が、次の搬送経路に物品が進むための狭い切り出し部となっているため、物品が二列並走のように整列不良状態で流れてくると荷詰まりによって物品の停滞が発生する問題があった。かかる問題に対して、従来は作業者がチェックして作業者の人力で整列不良の物品を取り除いたり、副戻り部の方に促したりして対処していたが、近年、設備の高速化や取扱物品量の増大により作業者の能力や人力に依存した対応及び復旧を迅速に行なうことが困難になっているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-290912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、シンギュレーターの整列用コンベヤの最下流部において物品の詰まりなどの停滞状況が生じた場合に確実にかつ迅速に検知し、その状況を自動的に早期に解消し、復旧することができるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、整列用コンベヤの最下流部において整列用コンベヤの外端(機枠を構成する側壁から離れた側の端)に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイドを設け、このサイド可動ガイドが下流側を軸として水平回転して荷詰まりを起こした物品を開放して副戻り部の方に促せるように構成すること、さらに詰まった物品がサイド可動ガイドを副戻り部の方に押して特定角度以上水平回転させると、物品の停滞が生じたと判断して整列用コンベヤがいったん停止し、サイド可動ガイドがさらに副戻り部の方に開放するために水平回転し、最下流部のローラーコンベヤが逆回転して物品を副戻り部側に促すように構成することによって、作業者の能力や人力に頼らずに物品の詰まりによる停滞状況を早期に自動的に検知し、解消し、復旧することができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)~(14)の構成を有するものである。
(1)無秩序な向きを有する物品を進路方向に移動させて単一縦列に整列させるシンギュレーターであって、前記シンギュレーターが、長手方向に直線状に延びる側壁を形成する機枠と、前記側壁に沿って設けられた整列用コンベヤと、前記整列用コンベヤの前記側壁の側とは反対側に設けられた副戻り部と、前記副戻り部の前記整列用コンベヤの側とは反対側に設けられた主戻り部とを備え、
前記整列用コンベヤが、前記側壁に隣接する側の内端と、前記側壁から離れた側の外端とを有し、
前記整列用コンベヤが、物品が載る斜め配置の複数の駆動ローラーからなるローラーコンベヤを備え、かつこれらの駆動ローラーで物品を搬送出口端に向かう進路方向成分と前記側壁に向かう横方向成分とを有する方向に促して単一縦列に整列させるように構成され、前記副戻り部が、前記整列用コンベヤから受けた物品を前記整列用コンベヤから離れる方向に促して前記主戻り部に渡すように構成され、前記主戻り部が、前記副戻り部から受けた物品を前記整列用コンベヤの上流に戻すように構成され、
前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記外端に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイドが設けられ、前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベヤの下流側を鉛直回転軸として前記副戻り部側の方に特定の位置まで水平回転して開放するように構成されているものにおいて、
前記整列用コンベヤの最下流部において物品が前記サイド可動ガイドを前記整列用コンベヤ側から前記副戻り部の方に押して前記サイド可動ガイドを前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、前記整列用コンベヤがいったん停止し、前記サイド可動ガイドが前記副戻り部側に開放した特定の位置まで水平回転し、前記整列用コンベヤの最下流部のローラーコンベヤが逆回転して物品を前記副戻り部側に促す動作を行なうように構成されていることを特徴とするシンギュレーター。
(2)前記動作を行なった後、整列用コンベヤのローラーコンベヤが停止し、サイド可動ガイドが、整列用コンベヤの外端に沿って略直線状に延びる元の位置に戻り、整列用コンベヤが、物品を単一縦列に整列させる動作に戻るように構成されていることを特徴とする(1)に記載のシンギュレーター。
(3)前記特定の位置が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から60~100度の範囲で水平回転した位置であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシンギュレーター。
(4)前記特定の角度が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から10~40度になる角度であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(5)物品が前記サイド可動ガイドを前記外端から前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、機械的にオンになるリミットスイッチが設けられ、前記リミットスイッチがオンになることにより、前記動作を行なうように構成したことを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(6)前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベアの上流側のアームとそれに続く下流側のアームとから構成され、前記上流側のアームが、前記下流側のアームに対して前記副戻り部側に傾けられていることを特徴とする(5)に記載のシンギュレーター。
(7)前記上流側のアームの前記下流側のアームに対する傾きが、10度以下であることを特徴とする(6)に記載のシンギュレーター。
(8)前記上流側のアームが、前記上流側のアームのみが水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第一鉛直回転軸を前記上流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする(6)又は(7)に記載のシンギュレーター。
(9)前記上流側のアームが、前記整列用コンベヤ側の物品からの圧力を吸収できる板バネを含むことを特徴とする(6)~(8)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(10)前記上流側のアームが、前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転されると、前記リミットスイッチが機械的にオンになるように構成したことを特徴とする(6)~(9)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(11)前記下流側のアームが、前記上流側のアームと前記下流側のアームがともに水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第二鉛直回転軸を前記下流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする(6)~(10)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(12)前記整列用コンベヤが、前記ローラーコンベヤを進路方向に相次いで配設した複数のグループで有し、隣接するグループ間において進行方向側のグループの方が速いローラー速度を持つことができるように構成されていることを特徴とする(1)~(11)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(13)前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記内端の外側に物品の進路方向を直角に横切る光を放出する光電センサーが設けられ、前記整列用コンベヤの最下流部において物品が進路方向に進まない状態を前記光電センサーが検出すると、前記動作を行なうように構成されていることを特徴とする(1)~(12)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(14)前記光電センサーが、放出した光を特定の時間遮光し続ける事象により、物品が進行方向に進まない状態を検出するように構成されていることを特徴とする(13)に記載のシンギュレーター。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシンギュレーターは、整列コンベヤの最下流部の外端に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイドを設け、詰まった物品がサイド可動ガイドを特定角度以上押すことにより物品の停滞状況を検出し、さらに検出後に最下流部のローラーコンベヤを逆回転して物品の副戻り部への促しを行なうように構成しているので、整列用コンベヤの最下流部で二列並走などによって詰まった物品の停滞状況を作業者の能力や人手に頼らずに自動的に短時間で検知、解消、復旧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、従来から使用されているシンギュレーターの一例の概略平面図である。
図2図2は、本発明のシンギュレーターの一例の概略平面図である。
図3図3は、図2のシンギュレーターの整列用コンベヤ付近を拡大した概略平面図である。
図4図4は、本発明のシンギュレーターのサイド可動ガイドの部分の拡大図である。
図5図5は、本発明のシンギュレーターの光電センサーの部分の拡大図である。
図6図6は、本発明のシンギュレーターの整列用コンベヤの最下流部において物品が順調に単一縦列に流れている様子を示す説明図である。
図7図7は、本発明のシンギュレーターの整列用コンベヤの最下流部において物品が二列並走して詰まり停滞している様子を示す説明図である。
図8図8は、本発明のシンギュレーターの整列用コンベヤの最下流部において物品が二列並走して詰まり停滞している状況を解消している様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のシンギュレーターについて添付図面を参照しながら以下に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0012】
本発明のシンギュレーターは、無秩序な向きを有して流れてくる物品を仕分け等の引続く処理のために単一縦列に整列させるための装置であり、図1に示すような従来のシンギュレーターと同様の整列用コンベヤ、副戻り部、及び主戻り部からなる基本構成を有するが、整列用コンベヤの最下流部において物品の詰まりなどの停滞状況が生じた場合に自動的に早期に検知して解消、復旧することができる手段を新たに設けたことを特徴とする。
【0013】
図2は、本発明のシンギュレーターの一例の概略平面図である。図3は、図2に示す本発明のシンギュレーターの整列用コンベヤの最下流部付近を拡大した概略平面図である。図中、1は、シンギュレーター、2は、長手方向に直線状に延びる側壁を形成する機枠、3は、側壁に沿って直線状に設けられた整列用コンベヤであり、整列用コンベヤ3は、物品を進路方向にかつ側壁に向かうようにして単一縦列に整列させる役割を有する。4は、副戻り部、5は、主戻り部であり、副戻り部4は、整列用コンベヤ3の側壁とは反対側の側方に設けられ、整列用コンベヤ3で整列できなかった物品を主戻り部5の方に促す役割を有し、主戻り部5は、副戻り部4の整列用コンベヤ3から離れる側の側方に設けられ、副戻り部4から受けた物品を整列用コンベヤ3の上流に戻す役割を有するものである。6は、シンギュレーター1への物品投入部、7は、シンギュレーター1の搬送出口端であり、ここから次の搬送経路へ物品を切り出す。8は、シンギュレーターの整列用コンベヤ3の最下流部(整列用コンベヤの進路方向の最終駆動ユニット部(図ではベルトコンベヤ)とそれに隣接する一つ手前の駆動ユニット部(図ではローラーコンベヤ))であり、この最下流部8において、物品の整列不良の検出と解消を行なうサイド可動ガイド9と、必要によりサイド可動ガイド9の物品の整列不良の検出を補完する光電センサー10が設けられる。11(図3)は、側壁に隣接する整列用コンベヤ3の内端、12(図3)は、側壁から離れた側の整列用コンベヤ3の外端である。13は、ローラーコンベヤ、14及び14´は、ベルトコンベヤ、15は、ローラーコンベヤ付ターンテーブルである。
【0014】
整列用コンベヤ3は、図2,3に示すように、物品が載る斜め配置の複数の駆動ローラーからなるローラーコンベヤ13を備えており、このローラーコンベヤ13により、物品を搬送出口端7に向かう進行方向成分と側壁に向かう横方向成分とを有する方向に促して側壁に沿って単一縦列に整列させることができる。整列用コンベヤ3は、駆動ローラーコンベヤ13以外に、物品を進行方向に促す駆動ベルトコンベヤ14や、物品を副戻り部4の方に促すことができる駆動ローラーコンベヤ付ターンテーブル15などの従来採用されている搬送機構を含むことができる。ローラーコンベヤ付ターンテーブル15は、流れてくる物品の数が多いときや物品が下流で詰まって停滞したときに後続の物品が下流に継続して流れてこないようにターンテーブルが回転して副戻り部4、主戻り部5の方に物品を促すものである。
【0015】
整列用コンベヤ3は、図2,3に示すように、ローラーコンベヤ13を進路方向に相次いで配設した複数の駆動ユニットのグループからなることができ、隣接するグループ間において進行方向側のグループの方が速いローラー速度を持つことができるように構成されることができる。ローラーコンベヤ13の速度をグループ間で進行方向に進むに従って高めるように構成することにより、隣接する物品を互いに間隔を置いて単一縦列に整列させることができ、隣接する物品間の接触やそれによる停滞を最小限にすることができる。また、整列用コンベヤ3は、図2に示すように、グループ間でローラーコンベヤ13のユニット部の幅を進行方向に従って狭小にして前後のグループ間でステップ状になるように構成させることができる。このステップ状部により、余分な物品を整列用コンベヤ3から離れる方向に案内させて物品の二列並走を最小に抑制することができる。
【0016】
副戻り部4は、図2,3に示すように、整列用コンベヤ3から受けた物品を整列用コンベヤ3から離れる方向(整列用コンベヤに対してほぼ垂直な方向)に促して主戻り部5に渡すように構成される。副戻り部4は、例えば整列用コンベヤ3側を高い方とし、主戻り部5側を低い方として、重力により自然に主戻り部5へと物品を促すことができる、駆動されていないローラーコンベヤもしくはシュート、又は駆動ローラーコンベヤで構成されることができる。副戻り部4は、図2に示すように、整列用コンベヤ3の狭小幅開始部分(ステップ状部の始まり)から整列用コンベヤ3の最下流部までの外端12に隣接して設けられることが好ましい。
【0017】
主戻り部5は、図2,3に示すように、副戻り部4から受けた物品を整列用コンベヤ3の進行方向と平行にかつ進行方向とは逆向きの方向へ搬送し、最終的に整列用コンベヤ3の上流に戻すように構成される。主戻り部5は、例えば駆動ローラーコンベヤ、駆動ベルトコンベヤなどの従来採用されているコンベヤで構成されることができるが、主戻り部5が副戻り部4によって整列用コンベヤ3より低い位置になった場合には、図2に示すように搬送経路のいずれかの位置で駆動ベルトコンベヤ14´などで整列用コンベヤ3と同じ高さの位置に戻すことが好ましい。
【0018】
本発明のシンギュレーター1では、図3に示すように、整列用コンベヤ3の最下流部8において整列用コンベヤ3の外端12に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイド9が設けられていることが特徴である。詰まった物品によって押された状態のサイド可動ガイド9付近を拡大した図を図4に示す。サイド可動ガイド9は、図4に示すように、整列用コンベヤ3の下流側を鉛直回転軸として整列用コンベヤ3の上流側に向いた先端を整列用コンベヤ3の外端12から副戻り部4側の方に特定の位置まで水平回転して開放するように構成される。ここで特定の位置は、詰まった物品を容易に開放するためにサイド可動ガイド9の上流側に向いた先端が整列用コンベヤ3の外端12から60~100度、特に60~90度水平回転した位置であることが好ましい。
【0019】
本発明のシンギュレーター1では、整列用コンベヤ3の最下流部において、図6に示すように物品が単一縦列で順調に進行方向に流れている場合は、サイド可動ガイド9は、整列用コンベヤ3の外端12にほぼ沿った通常位置にあり、何ら作動しないが、図7に示すように物品が例えば二列並走などにより詰まり、サイド可動ガイド9の整列用コンベヤ3の上流側に向いた先端を通常位置から副戻り部4の方に押してサイド可動ガイド9を副戻り部4の方に特定の角度以上水平回転させると、整列用コンベヤ3がいったん停止する。ここで特定の角度は、整列用コンベヤ3の最下流部の物品の詰まりを検出すれば十分であり、サイド可動ガイド9の上流側に向いた先端が整列用コンベヤ3の外端12から10~40度、特に12~35度となる角度であることが好ましい。そして、整列用コンベヤ3の停止後、図8に示すようにサイド可動ガイド9が副戻り部4の方にさらに開放した前述の特定の位置まで水平回転し、整列用コンベヤ3の最下流部のローラーコンベヤ13(さらに必要によりベルトコンベヤ14)が逆回転して物品を副戻り部4側に促す動作を行なう。この逆回転の時間は、1~10秒程度で十分である。
【0020】
前記動作により物品の詰まりなどによる停滞状況が解消された後、逆回転していた整列用コンベヤ3のローラーコンベヤ13(ベルトコンベヤ14)が停止し、サイド可動ガイド9が整列用コンベヤ3の外端12に沿って略直線状に延びる元の位置に戻り、整列用コンベヤが再び物品を単一縦列に整列させる動作に戻る。
【0021】
上記の一連の動作の開始は、従来公知のいずれの方法でも行なうことができるが、図7に示すように、物品がサイド可動ガイド9の上流側に向いた先端を整列用コンベヤ3の外端12から副戻り部4の方に特定の角度以上水平回転させると、機械的にオンになるリミットスイッチ19を設け、このリミットスイッチ19がオンになることにより上記の一連の動作を行なうように構成することが好ましい。
【0022】
サイド可動ガイド9は、整列用コンベヤ3の最下流部において整列用コンベヤ3の外端12に沿って略直線状に延び、上流側に向いた先端が副戻り部4の方に水平回転することができる構造を有する限り、いずれの構成も採用することができるが、例えば、図6に示すように整列用コンベヤ3の上流側アーム16とそれに続く下流側のアーム17から構成し、上流側アーム16を下流側アーム17に対して副戻り部4の側に若干傾けて上流からの物品の衝突圧力を受けやすくするように構成してもよい。この上流側アーム16の下流側アーム17に対する傾きは、10度以下であることが好ましく、さらには3~10度であることが好ましい。また、上流側アーム16は、整列用コンベヤ3側の物品からの圧力を吸収できる板バネを含むことが好ましい。
【0023】
サイド可動ガイド9が上流側アーム16と下流側アーム17から構成される場合には、図4図7に示すように、停滞した物品の押圧により上流側アーム16のみが水平回転して副戻り部4側の方に開放する第一鉛直回転軸18を上流側アーム16の整列用コンベヤ3の下流側に有するように構成してもよい。この場合、サイド可動ガイド9の上流側アーム16の部分が詰まった物品の停滞状況を検出する役割を担うことになる。特に、リミットスイッチ19が存在する場合は、この上流側アーム16が第一鉛直回転軸18を中心に特定角度以上水平回転することにより、リミットスイッチ19がオンになるように構成することができる。
【0024】
さらに、サイド可動ガイド9が上流側アーム16と下流側アーム17から構成される場合には、上流側アーム16が上述のように物品の停滞状況を検出した後、図8(但し、第一鉛直回転軸18及びリミットスイッチ19付近の機構は図示省略)に示すように、上流側アーム16と下流側アーム17が一緒に水平回転して副戻り部4側の方に開放するように駆動する第二鉛直回転軸20を下流側アーム17の整列用コンベヤ3の下流側に有するように構成してもよい。この場合、サイド可動ガイド9の下流側アーム17が詰まった物品の開放の役割を担う。これらにより、サイド可動ガイド9の上流側アーム16と下流側アーム17で物品の停滞状況の検出と停滞した物品の開放の役割を効果的に分担することができる。
【0025】
本発明のシンギュレーター1では、さらに、図5に示すように、整列用コンベヤ3の最下流部8において整列用コンベヤ3の内端11の外側に物品の進路方向を直角に横切る光を放出する(図5では、矢印の方向に光を放出する)光電センサー10が設けられることができる。光電センサー10は、当業界で従来使用されている透過型、反射型などのセンサーを使用することができ、例えば透過型の場合、光放出方向に受光部を設け、物品が進路方向に進めない状態があるとその物体により光放出部と受光部の間で一定時間以上遮光し続ける事象が生じ、この事象により物品の停滞が発生したことを検出することができるものが好ましい。サイド可動ガイド9による検出に加えて、この光電センサー10による検出によっても、前述の一連の物品の停滞状況の解消のための動作が自動的に開始されるように構成されることが好ましい。このようにサイド可動ガイド9以外に光電センサー10によっても物品の停滞状況の検出を行なうことによって停滞した物品の確実で迅速な検知を行なうことができる。
【0026】
本発明のシンギュレーターの実施形態を図面を参照しながら上で詳述したが、シンギュレーターの基本構成の各部の形態、サイド可動ガイドの形態や作動方法、光電センサーの形態や作動方法は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の独立請求項に規定される条件を満足し、本発明の目的を達成できる限り、上記実施形態の一部の技術の置換、追加、変更、削除は、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のシンギュレーターは、無秩序な向きを有して流れてくる物品を進路方向に単一縦列に整列させるだけでなく、整列時に物品の詰まりなどの停滞状況が生じた場合にも作業者に頼らずに自動的に早期にかかる状況を解消、復旧することができるので、流通業界における寄与は極めて大きい。
【符号の説明】
【0028】
1 シンギュレーター
2 機枠
3 整列用コンベヤ
4 副戻り部
5 主戻り部
6 物品投入部
7 搬送出口端
8 最下流部
9 サイド可動ガイド
10 光電センサー
11 内端
12 外端
13 ローラーコンベヤ
14 ベルトコンベヤ
14´ ベルトコンベヤ
15 ローラーコンベヤ付ターンテーブル
16 上流側アーム
17 下流側アーム
18 第一鉛直回転軸
19 リミットスイッチ
20 第二鉛直回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2020-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無秩序な向きを有する物品を進路方向に移動させて単一縦列に整列させるシンギュレーターであって、前記シンギュレーターが、長手方向に直線状に延びる側壁を形成する機枠と、前記側壁に沿って設けられた整列用コンベヤと、前記整列用コンベヤの前記側壁の側とは反対側に設けられた副戻り部と、前記副戻り部の前記整列用コンベヤの側とは反対側に設けられた主戻り部とを備え、
前記整列用コンベヤが、前記側壁に隣接する側の内端と、前記側壁から離れた側の外端とを有し、
前記整列用コンベヤが、物品が載る斜め配置の複数の駆動ローラーからなるローラーコンベヤを備え、かつこれらの駆動ローラーで物品を搬送出口端に向かう進路方向成分と前記側壁に向かう横方向成分とを有する方向に促して単一縦列に整列させるように構成され、前記副戻り部が、前記整列用コンベヤから受けた物品を前記整列用コンベヤから離れる方向に促して前記主戻り部に渡すように構成され、前記主戻り部が、前記副戻り部から受けた物品を前記整列用コンベヤの上流に戻すように構成され、
前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記外端に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイドが設けられ、前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベヤの下流側を鉛直回転軸として前記副戻り部側の方に特定の位置まで水平回転して開放するように構成されているものにおいて、
前記整列用コンベヤの最下流部において物品が前記サイド可動ガイドを前記整列用コンベヤ側から前記副戻り部の方に押して前記サイド可動ガイドを前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、前記整列用コンベヤがいったん停止し、前記サイド可動ガイドが前記副戻り部側に開放した特定の位置まで水平回転し、前記整列用コンベヤの最下流部のローラーコンベヤが逆回転して物品を前記副戻り部側に促す動作を行なうように構成されていること、及び
前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベアの上流側のアームとそれに続く下流側のアームとから構成され、前記上流側のアームが、前記下流側のアームに対して前記副戻り部側に傾けられていることを特徴とするシンギュレーター。
【請求項2】
前記動作を行なった後、整列用コンベヤのローラーコンベヤが停止し、サイド可動ガイドが、整列用コンベヤの外端に沿って略直線状に延びる元の位置に戻り、整列用コンベヤが、物品を単一縦列に整列させる動作に戻るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシンギュレーター。
【請求項3】
前記特定の位置が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から60~100度の範囲で水平回転した位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシンギュレーター。
【請求項4】
前記特定の角度が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から10~40度になる角度であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項5】
物品が前記サイド可動ガイドを前記外端から前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、機械的にオンになるリミットスイッチが設けられ、前記リミットスイッチがオンになることにより、前記動作を行なうように構成したことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項6】
前記上流側のアームの前記下流側のアームに対する傾きが、10度以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項7】
前記上流側のアームが、前記上流側のアームのみが水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第一鉛直回転軸を前記上流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項8】
前記上流側のアームが、前記整列用コンベヤ側の物品からの圧力を吸収できる板バネを含むことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項9】
前記上流側のアームが、前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転されると、前記リミットスイッチが機械的にオンになるように構成したことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項10】
前記下流側のアームが、前記上流側のアームと前記下流側のアームがともに水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第二鉛直回転軸を前記下流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項11】
前記整列用コンベヤが、前記ローラーコンベヤを進路方向に相次いで配設した複数のグループで有し、隣接するグループ間において進行方向側のグループの方が速いローラー速度を持つことができるように構成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項12】
前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記内端の外側に物品の進路方向を直角に横切る光を放出する光電センサーが設けられ、前記整列用コンベヤの最下流部において物品が進路方向に進まない状態を前記光電センサーが検出すると、前記動作を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載のシンギュレーター。
【請求項13】
前記光電センサーが、放出した光を特定の時間遮光し続ける事象により、物品が進行方向に進まない状態を検出するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載のシンギュレーター。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
即ち、本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)~(13)の構成を有するものである。
(1)無秩序な向きを有する物品を進路方向に移動させて単一縦列に整列させるシンギュレーターであって、前記シンギュレーターが、長手方向に直線状に延びる側壁を形成する機枠と、前記側壁に沿って設けられた整列用コンベヤと、前記整列用コンベヤの前記側壁の側とは反対側に設けられた副戻り部と、前記副戻り部の前記整列用コンベヤの側とは反対側に設けられた主戻り部とを備え、
前記整列用コンベヤが、前記側壁に隣接する側の内端と、前記側壁から離れた側の外端とを有し、
前記整列用コンベヤが、物品が載る斜め配置の複数の駆動ローラーからなるローラーコンベヤを備え、かつこれらの駆動ローラーで物品を搬送出口端に向かう進路方向成分と前記側壁に向かう横方向成分とを有する方向に促して単一縦列に整列させるように構成され、前記副戻り部が、前記整列用コンベヤから受けた物品を前記整列用コンベヤから離れる方向に促して前記主戻り部に渡すように構成され、前記主戻り部が、前記副戻り部から受けた物品を前記整列用コンベヤの上流に戻すように構成され、
前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記外端に沿って略直線状に延びるサイド可動ガイドが設けられ、前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベヤの下流側を鉛直回転軸として前記副戻り部側の方に特定の位置まで水平回転して開放するように構成されているものにおいて、
前記整列用コンベヤの最下流部において物品が前記サイド可動ガイドを前記整列用コンベヤ側から前記副戻り部の方に押して前記サイド可動ガイドを前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、前記整列用コンベヤがいったん停止し、前記サイド可動ガイドが前記副戻り部側に開放した特定の位置まで水平回転し、前記整列用コンベヤの最下流部のローラーコンベヤが逆回転して物品を前記副戻り部側に促す動作を行なうように構成されていること、及び
前記サイド可動ガイドが、前記整列用コンベアの上流側のアームとそれに続く下流側のアームとから構成され、前記上流側のアームが、前記下流側のアームに対して前記副戻り部側に傾けられていることを特徴とするシンギュレーター。
(2)前記動作を行なった後、整列用コンベヤのローラーコンベヤが停止し、サイド可動ガイドが、整列用コンベヤの外端に沿って略直線状に延びる元の位置に戻り、整列用コンベヤが、物品を単一縦列に整列させる動作に戻るように構成されていることを特徴とする(1)に記載のシンギュレーター。
(3)前記特定の位置が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から60~100度の範囲で水平回転した位置であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシンギュレーター。
(4)前記特定の角度が、前記サイド可動ガイドが前記整列用コンベヤの外端から10~40度になる角度であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載のシンギュレーター。
(5)物品が前記サイド可動ガイドを前記外端から前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転させると、機械的にオンになるリミットスイッチが設けられ、前記リミットスイッチがオンになることにより、前記動作を行なうように構成したことを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載のシンギュレーター。
)前記上流側のアームの前記下流側のアームに対する傾きが、10度以下であることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載のシンギュレーター。
)前記上流側のアームが、前記上流側のアームのみが水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第一鉛直回転軸を前記上流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載のシンギュレーター。
)前記上流側のアームが、前記整列用コンベヤ側の物品からの圧力を吸収できる板バネを含むことを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載のシンギュレーター。
)前記上流側のアームが、前記副戻り部の方に特定の角度以上水平回転されると、前記リミットスイッチが機械的にオンになるように構成したことを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載のシンギュレーター。
10)前記下流側のアームが、前記上流側のアームと前記下流側のアームがともに水平回転して前記副戻り部側の方に開放する第二鉛直回転軸を前記下流側のアームの前記整列用コンベヤの下流側に有することを特徴とする(1)~(9)のいずれかに記載のシンギュレーター。
11)前記整列用コンベヤが、前記ローラーコンベヤを進路方向に相次いで配設した複数のグループで有し、隣接するグループ間において進行方向側のグループの方が速いローラー速度を持つことができるように構成されていることを特徴とする(1)~(10)のいずれかに記載のシンギュレーター。
12)前記整列用コンベヤの最下流部において前記整列用コンベヤの前記内端の外側に物品の進路方向を直角に横切る光を放出する光電センサーが設けられ、前記整列用コンベヤの最下流部において物品が進路方向に進まない状態を前記光電センサーが検出すると、前記動作を行なうように構成されていることを特徴とする(1)~(11)のいずれかに記載のシンギュレーター。
13)前記光電センサーが、放出した光を特定の時間遮光し続ける事象により、物品が進行方向に進まない状態を検出するように構成されていることを特徴とする(12)に記載のシンギュレーター。