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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026066
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】電池温調装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20220203BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220203BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220203BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M2/10 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129347
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】後藤 稔裕
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE01
5H031HH06
5H031KK08
5H040AA28
5H040AT02
5H040AT06
5H040JJ02
5H040LL01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】伝熱効率の低下を抑制しつつ、熱交換器にかかる負荷を抑制する。
【解決手段】第1板バネ20は、熱交換器に当接する第1当接部22と、電池モジュールと当接する第2当接部23と、第1当接部22から第2当接部23に延在する第1変形部24と、を有している。第2板バネ21は、熱交換器に当接する第3当接部25と、電池モジュールに当接する第4当接部26と、第3当接部25から第4当接部26に延在する第2変形部27と、を有している。熱交換器、複数の板バネ19、及び電池モジュールの積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とは交差している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体が流通可能な熱交換器と、
前記熱交換器と熱交換する電池と、
前記熱交換器と前記電池との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって前記熱交換器と前記電池との隙間を調整する複数の板バネと、を備え、
前記熱交換器、前記複数の板バネ、及び前記電池が順に配置されて積層状態となり、
前記複数の板バネは、第1板バネと該第1板バネに並設される第2板バネとを有し、
前記第1板バネは、
前記熱交換器に当接する第1当接部と、
前記電池に当接する第2当接部と、
前記第1当接部から前記第2当接部に延在し、前記熱交換器と前記電池との間で弾性変形する第1変形部と、を有し、
前記第2板バネは、
前記熱交換器に当接する第3当接部と、
前記電池に当接する第4当接部と、
前記第3当接部から前記第4当接部に延在し、前記熱交換器と前記電池との間で弾性変形する第2変形部と、を有し、
前記熱交換器、前記複数の板バネ、及び前記電池の積層方向からみて、前記第1変形部と前記第2変形部とが交差している電池温調装置。
【請求項2】
前記第1当接部と前記第3当接部とは、前記第1板バネ及び前記第2板バネの並設方向に前記第1当接部及び第3当接部の順に並んで配置され、
前記第2当接部と前記第4当接部とは、前記並設方向に前記第4当接部及び第2当接部の順に配置され、
前記第1当接部に対して前記第2当接部は、前記並設方向にずれて配置されている請求項1に記載の電池温調装置。
【請求項3】
前記第1板バネと前記第2板バネとが前記並設方向に複数配置され、
前記並設方向における前記第2当接部の外側縁から前記第4当接部の外側縁までの長さは、前記並設方向における前記第1当接部の外側縁から前記第3当接部の外側縁までの長さ以下である請求項2に記載の電池温調装置。
【請求項4】
前記第1板バネは、前記第2板バネに向けて前記第1板バネ及び前記第2板バネの並設方向に突出する第1突起部を有し、
前記第2板バネは、前記第1板バネに向けて前記並設方向に突出する第2突起部を有し、
前記第1突起部と前記第2突起部とは互いに当接可能に構成されている請求項2又は請求項3に記載の電池温調装置。
【請求項5】
前記第1突起部は、前記第1当接部から前記第3当接部に向けて突出しており、
前記第2突起部は、前記第3当接部から前記第1当接部に向けて突出している請求項4に記載の電池温調装置。
【請求項6】
前記第2当接部と前記第4当接部とは、前記並設方向で互いに離間している請求項2~請求項5のいずれか一項に記載の電池温調装置。
【請求項7】
前記熱交換器は、前記第1板バネ及び前記第2板バネが載置される載置面に設けられるとともに前記第1板バネ及び前記第2板バネの並設方向への前記第1板バネ及び前記第2板バネの移動を規制する規制部を有している請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の電池温調装置。
【請求項8】
前記熱交換器と前記第2当接部及び前記第4当接部との間、及び前記電池と前記第1当接部及び前記第3当接部との間の少なくとも一方に介在される弾性部材をさらに備えている請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の電池温調装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記電池と前記第1当接部及び前記第3当接部との間に介在されている請求項8に記載の電池温調装置。
【請求項10】
前記第1変形部と前記第2変形部とは、互いに接触しないように延びている請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の電池温調装置。
【請求項11】
前記第1変形部及び前記第2変形部の一方は、前記熱交換器に向けて膨らむように弧状に湾曲し、前記第1変形部及び前記第2変形部の他方は、前記電池に向けて膨らむように弧状に湾曲している請求項10に記載の電池温調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池温調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池等の電池を使用する際には、電池温調装置を用いて、電池の温度を適切な温度に調節する必要がある。電池温調装置は、熱媒体が流通可能な熱交換器を備えている。そして、電池と熱交換器とを互いに密着させて、熱交換器を介した熱媒体と電池との熱交換を行うことにより、電池の温度が適切な温度に調節される。ところが、電池や熱交換器に寸法公差があると、電池と熱交換器とが互いに密着せず、電池と熱交換器との間に隙間が生じてしまう虞がある。電池と熱交換器との間に隙間が生じると、電池と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまうため、熱交換器を介した熱媒体と電池との熱交換が行われ難くなってしまい、電池の温度を適切な温度に調節することができなくなってしまう虞がある。
【0003】
そこで、例えば特許文献1では、熱交換器と電池との間に板バネを介在させている。板バネは、熱交換器に当接する第1当接部と、電池に当接する第2当接部と、第1当接部から第2当接部に向かって延びる変形部と、を有している。このような板バネによれば、電池や熱交換器に寸法公差があったとしても、変形部が弾性変形することにより、電池や熱交換器の寸法公差を吸収しつつも、第1当接部を熱交換器に当接させるとともに、第2当接部を電池に当接させることができる。よって、電池や熱交換器に寸法公差があったとしても、熱交換器及び板バネを介した熱媒体と電池との熱交換が行われるため、電池の温度を適切な温度に調節することができる。このように、板バネは、熱交換器と電池との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって熱交換器と電池との隙間を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-186049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板バネの弾性力が大きいと、板バネが熱交換器を押圧する力が増大するため、熱交換器に負荷がかかってしまう。板バネの弾性力を下げるために、例えば、変形部の長さを長くすることが考えられる。変形部の長さを長くすると、変形部の長さを長くした分だけ、板バネ全体の長さも長くなる。ここで、熱交換器のサイズが予め決められている場合、板バネ全体の長さが長くなったことに伴って、第1当接部における熱交換器に対する相対位置がずれて、例えば、第1当接部の一部分が熱交換器からはみ出してしまう場合がある。すると、第1当接部における熱交換器との接触面積が減少して、第1当接部と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまう。また、電池のサイズが予め決められている場合、板バネ全体の長さが長くなったことに伴って、第2当接部における電池に対する相対位置がずれて、例えば、第2当接部の一部分が電池からはみ出してしまう場合がある。すると、第2当接部における電池との接触面積が減少して、第2当接部と電池との間の伝熱効率が低下してしまう。
【0006】
一方で、板バネの弾性力を下げるために、板バネの板厚を薄くすることも考えられるが、板バネの板厚を薄くすると、板バネの伝熱断面積が減少するため、板バネを介した電池と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、伝熱効率の低下を抑制しつつ、熱交換器にかかる負荷を抑制することができる電池温調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する電池温調装置は、熱媒体が流通可能な熱交換器と、前記熱交換器と熱交換する電池と、前記熱交換器と前記電池との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって前記熱交換器と前記電池との隙間を調整する複数の板バネと、を備え、前記熱交換器、前記複数の板バネ、及び前記電池が順に配置されて積層状態となり、前記複数の板バネは、第1板バネと該第1板バネに並設される第2板バネとを有し、前記第1板バネは、前記熱交換器に当接する第1当接部と、前記電池に当接する第2当接部と、前記第1当接部から前記第2当接部に延在し、前記熱交換器と前記電池との間で弾性変形する第1変形部と、を有し、前記第2板バネは、前記熱交換器に当接する第3当接部と、前記電池に当接する第4当接部と、前記第3当接部から前記第4当接部に延在し、前記熱交換器と前記電池との間で弾性変形する第2変形部と、を有し、前記熱交換器、前記複数の板バネ、及び前記電池の積層方向からみて、前記第1変形部と前記第2変形部とが交差している。
【0009】
これによれば、熱交換器、複数の板バネ、及び電池の積層方向からみて、第1変形部と第2変形部とが交差していない状態で、第1変形部の長さ、及び第2変形部の長さを長くする場合に比べると、板バネ全体の長さが長くなり難くなる。したがって、第1変形部の長さ、及び第2変形部の長さを長くしても、例えば、第1当接部の一部分、及び第3当接部の一部分が熱交換器からはみ出してしまうことを抑制できる。その結果、第1当接部における熱交換器との接触面積が減少して、第1当接部と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できるとともに、第3当接部における熱交換器との接触面積が減少して、第3当接部と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できる。また、第1変形部の長さ、及び第2変形部の長さを長くしても、例えば、第2当接部の一部分、及び第4当接部の一部分が電池からはみ出してしまうことを抑制できる。その結果、第2当接部における電池との接触面積が減少して、第2当接部と電池との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できるとともに、第4当接部における電池との接触面積が減少して、第4当接部と電池との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できる。よって、伝熱効率の低下を抑制しつつ、第1板バネの弾性力、及び第2板バネの弾性力を下げるために、第1変形部の長さ、及び第2変形部の長さを長くすることができる。したがって、伝熱効率の低下を抑制しつつ、第1板バネ及び第2板バネが熱交換器を押圧する力を抑えることができる。また、第1板バネの弾性力、及び第2板バネの弾性力を下げるために、第1板バネの板厚、及び第2板バネの板厚を薄くする必要がない。したがって、第1板バネの伝熱断面積が減少して、第1板バネを介した電池と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまったり、第2板バネの伝熱断面積が減少して、第2板バネを介した電池と熱交換器との間の伝熱効率が低下してしまったりすることが無い。以上のことから、伝熱効率の低下を抑制しつつ、熱交換器にかかる負荷を抑制することができる。
【0010】
上記電池温調装置において、前記第1当接部と前記第3当接部とは、前記第1板バネ及び前記第2板バネの並設方向に前記第1当接部及び第3当接部の順に並んで配置され、前記第2当接部と前記第4当接部とは、前記並設方向に前記第4当接部及び第2当接部の順に配置され、前記第1当接部に対して前記第2当接部は、前記並設方向にずれて配置されているとよい。このような構成は、熱交換器、複数の板バネ、及び電池の積層方向からみて、第1変形部と第2変形部とが交差する構成として好適である。
【0011】
上記電池温調装置において、前記第1板バネと前記第2板バネとが前記並設方向に複数配置され、前記並設方向における前記第2当接部の外側縁から前記第4当接部の外側縁までの長さは、前記並設方向における前記第1当接部の外側縁から前記第3当接部の外側縁までの長さ以下であるとよい。
【0012】
ここで、例えば、熱交換器、複数の板バネ、及び電池の積層方向からみて、第1変形部と第2変形部とが交差している第1板バネ及び第2板バネを1組とし、1組の第1板バネ及び第2板バネを、例えば、第1当接部及び第3当接部を基準として配置していくことを考える。このとき、例えば、第1板バネと第2板バネの並設方向における第2当接部の外側縁から第4当接部の外側縁までの長さが、第1板バネと第2板バネの並設方向における第1当接部の外側縁から第3当接部の外側縁までの長さよりも長い場合を考える。この場合、1組の第1板バネ及び第2板バネ同士で隣り合う第2当接部と第4当接部との干渉を考慮しながら第1板バネ及び第2板バネを配置すると、1組の第1板バネ及び第2板バネ同士で隣り合う第1当接部と第3当接部とが不必要に離間した状態で配置されることになる。したがって、第1板バネ及び第2板バネを効率良く配置することができなくなってしまう。
【0013】
そこで、第1板バネと第2板バネの並設方向における第2当接部の外側縁から第4当接部の外側縁までの長さを、第1板バネと第2板バネの並設方向における第1当接部の外側縁から第3当接部の外側縁までの長さ以下にした。これによれば、1組の第1板バネ及び第2板バネを、例えば、第1当接部及び第3当接部を基準として配置していく場合に、1組の第1板バネ及び第2板バネ同士で隣り合う第1当接部と第3当接部とを極力接近させても、1組の第1板バネ及び第2板バネ同士で隣り合う第2当接部と第4当接部とが干渉しない。よって、第1板バネ及び第2板バネを効率良く配置することができる。したがって、第1板バネ及び第2板バネを効率良く敷き詰めて配置することができる。
【0014】
上記電池温調装置において、前記第1板バネは、前記第2板バネに向けて前記第1板バネ及び前記第2板バネの並設方向に突出する第1突起部を有し、前記第2板バネは、前記第1板バネに向けて前記並設方向に突出する第2突起部を有し、前記第1突起部と前記第2突起部とは互いに当接可能に構成されているとよい。
【0015】
これによれば、第1突起部と第2突起部とが互いに当接することにより、第1板バネと第2板バネとがそれ以上移動してしまうことが回避される。したがって、例えば、第1板バネ及び第2板バネを熱交換器に組み付ける際に、第1突起部と第2突起部とを互いに当接させることにより、第1板バネと第2板バネとを互いに位置決めした状態で、熱交換器に組み付けることができるため、組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0016】
上記電池温調装置において、前記第1突起部は、前記第1当接部から前記第3当接部に向けて突出しており、前記第2突起部は、前記第3当接部から前記第1当接部に向けて突出しているとよい。
【0017】
これによれば、例えば、第1板バネ及び第2板バネを熱交換器に組み付ける際に、第1突起部と第2突起部とを互いに当接させることにより、第1当接部と第3当接部とを互いに位置決めした状態で、熱交換器に組み付けることができるため、組み付け作業をさらに容易なものとすることができる。
【0018】
上記電池温調装置において、前記第2当接部と前記第4当接部とは、前記並設方向で互いに離間しているとよい。
これによれば、例えば、第2当接部及び第4当接部に電池が載置された際に、第2当接部及び第4当接部の移動が許容されるため、第1変形部及び第2変形部それぞれが弾性変形し難くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第1変形部の弾性力、及び第2変形部の弾性力が上がってしまうことを抑制できるため、第1板バネ及び第2板バネが熱交換器を押圧する力を抑えることができ、熱交換器にかかる負荷を抑制することができる。
【0019】
上記電池温調装置において、前記熱交換器は、前記第1板バネ及び前記第2板バネが載置される載置面に設けられるとともに前記第1板バネ及び前記第2板バネの並設方向への前記第1板バネ及び前記第2板バネの移動を規制する規制部を有しているとよい。
【0020】
これによれば、熱交換器と電池との間で第1変形部及び第2変形部それぞれが弾性変形する際に、規制部によって、第1板バネ及び第2板バネの並設方向への第1板バネ及び第2板バネの移動を規制することができる。したがって、熱交換器と電池との間で第1変形部及び第2変形部それぞれが弾性変形した後で、第1板バネ及び第2板バネが、第1板バネ及び第2板バネの並設方向において、意図しない位置に移動してしまうことを抑制することができる。
【0021】
上記電池温調装置において、前記熱交換器と前記第2当接部及び前記第4当接部との間、及び前記電池と前記第1当接部及び前記第3当接部との間の少なくとも一方に介在される弾性部材をさらに備えているとよい。
【0022】
これによれば、例えば、電池温調装置が弾性部材を備えていない構成に比べると、電池と熱交換器との間での伝熱経路が増加するため、伝熱効率をさらに向上させることができる。
【0023】
上記電池温調装置において、前記弾性部材は、前記電池と前記第1当接部及び前記第3当接部との間に介在されているとよい。
これによれば、例えば、弾性部材が熱交換器と第2当接部及び第4当接部との間にのみ介在されている場合に比べて、電池に直接接触する伝熱経路を増加させることができる。したがって、電池の温度を適切な温度に調節し易くすることができる。
【0024】
上記電池温調装置において、前記第1変形部と前記第2変形部とは、互いに接触しないように延びているとよい。
これによれば、第1変形部と第2変形部とが互いに接触するように延びている場合に比べて、第1変形部及び第2変形部それぞれの弾性変形が行われ易くなる。その結果、第1変形部の弾性力、及び第2変形部の弾性力が上がってしまうことを抑制できるため、第1板バネ及び第2板バネが熱交換器を押圧する力を抑えることができ、熱交換器にかかる負荷を抑制することができる。
【0025】
上記電池温調装置において、前記第1変形部及び前記第2変形部の一方は、前記熱交換器に向けて膨らむように弧状に湾曲し、前記第1変形部及び前記第2変形部の他方は、前記電池に向けて膨らむように弧状に湾曲しているとよい。
【0026】
第1変形部及び第2変形部の一方が、熱交換器に向けて膨らむように弧状に湾曲し、第1変形部及び第2変形部の他方が、電池に向けて膨らむように弧状に湾曲している構成は、第1変形部と第2変形部とが、互いに接触しないように延びている構成として好適である。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、伝熱効率の低下を抑制しつつ、熱交換器にかかる負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態における電池温調装置を示す斜視図。
図2】熱交換器上に第1板バネ及び第2板バネを配置した状態の一部分を拡大して示す斜視図。
図3】電池温調装置の一部分を示す正面図。
図4】板バネの一部分を拡大して示す上面図。
図5】電池温調装置の一部分を拡大して示す側面図。
図6】電池温調装置の一部分を拡大して示す斜視図。
図7】弾性部材の一部分を示す斜視図。
図8】別の実施形態における電池温調装置及び電池モジュールの一部分を拡大して示す正面図。
図9】別の実施形態における板バネの一部分を示す上面図。
図10】別の実施形態における板バネの一部分を拡大して示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、電池温調装置を具体化した一実施形態を図1図7にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、電池温調装置10は、熱交換器11と、電池としての電池モジュール12と、複数の板バネ19と、を備えている。熱交換器11、電池モジュール12、及び複数の板バネ19は、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12が順に配置されて積層状態となっている。なお、以下の説明では、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12が積層される方向を、単に「積層方向」と記載する場合もある。電池モジュール12は、図示しない電池セルが複数並設されることにより構成されている。電池セルは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池である。
【0030】
複数の板バネ19は、第1板バネ20と、第1板バネ20に並設される第2板バネ21と、をそれぞれ複数有している。各第1板バネ20及び各第2板バネ21は、熱交換器11と電池モジュール12との間に介在して伝熱する。
【0031】
熱交換器11は、扁平長四角筒状である。熱交換器11は、上壁13、下壁14、第1側壁15a、及び第2側壁15bを有している。上壁13及び下壁14は、薄板平板状である。上壁13及び下壁14は、長四角板状である。上壁13及び下壁14は、互いに平行に延びている。上壁13及び下壁14は、上壁13の長手方向と下壁14の長手方向とが一致するとともに、上壁13の短手方向と下壁14の短手方向とが一致した状態で配置されている。上壁13の長手方向の長さと下壁14の長手方向の長さは同じである。上壁13の短手方向の長さと下壁14の短手方向の長さとは同じである。
【0032】
第1側壁15a及び第2側壁15bは、薄板平板状である。第1側壁15a及び第2側壁15bは、細長四角板状である。第1側壁15aは、上壁13における短手方向の一方に位置する縁部と、下壁14における短手方向の一方に位置する縁部とを接続している。第1側壁15aの長手方向は、上壁13の長手方向及び下壁14の長手方向に一致している。第1側壁15aの長手方向の長さは、上壁13の長手方向の長さ及び下壁14の長手方向の長さと同じである。第1側壁15aの短手方向は、上壁13の板厚方向及び下壁14の板厚方向に一致している。
【0033】
第2側壁15bは、上壁13における短手方向の他方に位置する縁部と、下壁14における短手方向の他方に位置する縁部とを接続している。第2側壁15bの長手方向は、上壁13の長手方向及び下壁14の長手方向に一致している。第2側壁15bの長手方向の長さは、上壁13の長手方向の長さ及び下壁14の長手方向の長さと同じである。第2側壁15bの短手方向は、上壁13の板厚方向及び下壁14の板厚方向に一致している。第1側壁15a及び第2側壁15bは、互いに平行に延びている。第1側壁15a及び第2側壁15bは、上壁13及び下壁14に対して直交する方向に延びている。
【0034】
上壁13、下壁14、第1側壁15a、及び第2側壁15bそれぞれの長手方向は、熱交換器11の長手方向である。上壁13及び下壁14の短手方向は、熱交換器11の短手方向である。なお、以下の説明では、熱交換器11の短手方向を第1方向Xとし、熱交換器11の長手方向を第2方向Yとして説明する場合もある。
【0035】
熱交換器11は、熱媒体が流通可能な熱媒体通路16を有している。本実施形態において、熱媒体は、冷媒である。熱媒体通路16は、上壁13、下壁14、第1側壁15a、及び第2側壁15bによって区画される空間である。また、熱交換器11は、複数のフィン17を有している。複数のフィン17は、熱媒体通路16内に配置されている。各フィン17は、薄板平板状である。各フィン17は、細長四角板状である。各フィン17は、上壁13と下壁14とを繋ぐように延びている。各フィン17は、互いに平行に延びている。各フィン17の板厚方向は、熱交換器11の第1方向Xに一致している。各フィン17の長手方向は、熱交換器11の第2方向Yに一致している。各フィン17の長手方向の長さはそれぞれ同じである。各フィン17の長手方向の長さは、上壁13、下壁14、第1側壁15a、及び第2側壁15bそれぞれの長手方向の長さと同じである。各フィン17は、熱交換器11の第1方向Xにおいて、第1側壁15aと第2側壁15bとの間で、等間隔置きに配置されている。各フィン17は、第1側壁15a及び第2側壁15bと平行に延びている。
【0036】
熱交換器11は、各第1板バネ20及び各第2板バネ21がそれぞれ載置される載置面11aを有している。載置面11aは、平坦面状である。載置面11aは、上壁13における下壁14とは反対側の面である。電池モジュール12は、各第1板バネ20及び各第2板バネ21を介して載置面11aに対向する対向面12aを有している。対向面12aは、平坦面状である。
【0037】
図2図3図4及び図5に示すように、各第1板バネ20及び各第2板バネ21は、例えば、アルミニウム製である帯状の板材を折り曲げることにより形成されている。各第1板バネ20は、第1当接部22、第2当接部23、及び第1変形部24をそれぞれ複数有している。各第1当接部22は、薄板四角平板状である。各第1当接部22は、熱交換器11に当接する第1当接面22aをそれぞれ有している。したがって、各第1当接部22は、熱交換器11に当接する。各第1当接面22aは、熱交換器11の載置面11aに面接触している。
【0038】
各第2当接部23は、薄板四角平板状である。各第2当接部23は、電池モジュール12に当接する第2当接面23aをそれぞれ有している。したがって、各第2当接部23は、電池モジュール12に当接する。各第2当接面23aは、電池モジュール12の対向面12aに面接触している。
【0039】
各第1変形部24は、薄板四角板状である。各第1変形部24は、各第1当接部22から各第1当接部22に延在している。各第1変形部24は、熱交換器11に向けて膨らむように弧状に湾曲している。したがって、各第1変形部24は、湾曲板状である。第1変形部24は、第1当接部22と第2当接部23とを接続している。第1変形部24は、熱交換器11と電池モジュール12との間で弾性変形する。よって、第1板バネ20は、熱交換器11と電池モジュール12との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって熱交換器11と電池モジュール12との隙間を調整する。
【0040】
第1板バネ20は、第1当接部22、第1変形部24、第2当接部23、及び第1変形部24が、この順で複数回繰り返されることにより形成されている。各第1当接部22、各第2当接部23、及び各第1変形部24は、それぞれの板厚が同じである。
【0041】
各第2板バネ21は、第3当接部25、第4当接部26、及び第2変形部27をそれぞれ複数有している。各第3当接部25は、薄板四角平板状である。各第3当接部25は、熱交換器11に当接する第3当接面25aをそれぞれ有している。したがって、各第3当接部25は、熱交換器11に当接する。各第3当接面25aは、熱交換器11の載置面11aに面接触している。
【0042】
各第4当接部26は、薄板四角平板状である。各第4当接部26は、電池モジュール12に当接する第4当接面26aをそれぞれ有している。したがって、各第4当接部26は、電池モジュール12に当接する。各第4当接面26aは、電池モジュール12の対向面12aに面接触している。
【0043】
各第2変形部27は、薄板四角板状である。各第2変形部27は、各第3当接部25から各第4当接部26に延在している。各第2変形部27は、電池モジュール12に向けて膨らむように弧状に湾曲している。したがって、各第2変形部27は、湾曲板状である。第2変形部27は、第3当接部25と第4当接部26とを接続している。第2変形部27は、熱交換器11と電池モジュール12との間で弾性変形する。よって、第2板バネ21は、熱交換器11と電池モジュール12との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって熱交換器11と電池モジュール12との隙間を調整する。したがって、板バネ19は、熱交換器11と電池モジュール12との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって熱交換器11と電池モジュール12との隙間を調整する。
【0044】
第2板バネ21は、第3当接部25、第2変形部27、第4当接部26、及び第2変形部27が、この順で複数回繰り返されることにより形成されている。各第3当接部25、各第4当接部26、及び各第2変形部27は、それぞれの板厚が同じである。
【0045】
第1板バネ20と第2板バネ21とは隣り合うように並設されている。第1板バネ20と第2板バネ21とが並設される方向である並設方向は、第1方向Xと一致している。第1当接部22と第3当接部25とは、熱交換器11の第1側壁15a側から第2側壁15b側に向けて、第1当接部22及び第3当接部25の順に並んで配置されている。各第1当接部22及び各第3当接部25は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において交互に並んで配置されている。第1当接部22と第3当接部25とは、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で隣り合っている。
【0046】
第2当接部23と第4当接部26とは、熱交換器11の第1側壁15a側から第2側壁15b側に向けて、第4当接部26及び第2当接部23の順に並んで配置されている。各第2当接部23及び各第4当接部26は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において交互に並んで配置されている。第2当接部23と第4当接部26とは、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で隣り合っている。よって、第1当接部22に対して第2当接部23は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向にずれて配置されている。第2当接部23と第4当接部26とは、第1方向Xで互いに離間している。
【0047】
このとき、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1当接部22と第4当接部26とは、熱交換器11における第2方向Yの一方に位置する端部から他方に位置する端部に向けて、第2方向Yに第1当接部22及び第4当接部26の順に並んで配置されている。また、第2方向Yからみて、第1当接部22と第4当接部26とは、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向にずれて配置されている。
【0048】
熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第2当接部23と第3当接部25とは、熱交換器11における第2方向Yの一方に位置する端部から他方に位置する端部に向けて、第2方向Yに第2当接部23及び第3当接部25の順に並んで配置されている。また、第2方向Yからみて、第2当接部23及び第3当接部25とは、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向にずれて配置されている。
【0049】
熱交換器11、電池モジュール12、及び複数の板バネ19の積層方向からみて、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で隣り合う第1変形部24と第2変形部27とは、交差している。各第1変形部24は、各第2変形部27よりも熱交換器11側の空間を通過しながら、熱交換器11に向けて膨らむように弧状に湾曲して延びている。各第2変形部27は、各第1変形部24よりも電池モジュール12側の空間を通過しながら、電池モジュール12に向けて膨らむように弧状に湾曲して延びている。各第1変形部24と各第2変形部27とは、互いに接触しないように延びている。
【0050】
第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で隣り合う第1変形部24と第2変形部27とを、第1方向Xからみたとき、第1変形部24及び第2変形部27は、第1変形部24の一部分と第2変形部27の一部分とが重なった状態で配置されている。また、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で隣り合う第1変形部24と第2変形部27とを、第2方向Yからみたときも、第1変形部24及び第2変形部27は、第1変形部24の一部分と第2変形部27の一部分とが重なった状態で配置されている。したがって、第1変形部24と第2変形部27とは、立体的に交差している。
【0051】
各第1変形部24の長さと各第2変形部27の長さとは同じである。ここで、「第1変形部24の長さ」とは、第1変形部24における第1当接部22から第2当接部23に至るまでの長さであり、「第2変形部27の長さ」とは、第2変形部27における第3当接部25から第4当接部26に至るまでの長さである。
【0052】
図4に示すように、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さL1は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さL2と同じである。したがって、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さL1は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さL2以下である。
【0053】
ここで、例えば、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とが交差している第1板バネ20及び第2板バネ21を1組とする。このとき、「第2当接部23の外側縁231」とは、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみたときに、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において、第2当接部23における第4当接部26とは反対側に位置する側縁を指す。「第4当接部26の外側縁261」とは、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみたときに、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において、第4当接部26における第2当接部23とは反対側に位置する側縁を指す。「第1当接部22の外側縁221」とは、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみたときに、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において、第1当接部22における第3当接部25とは反対側に位置する側縁を指す。「第3当接部25の外側縁251」とは、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみたときに、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において、第3当接部25における第1当接部22とは反対側に位置する側縁を指す。
【0054】
各第1板バネ20は、第1突起部28を複数有している。各第1突起部28は、各第1当接部22の側縁220から各第3当接部25に向けて突出している。各第1突起部28は、薄板四角平板状である。第1突起部28の板厚は、第1当接部22の板厚と同じである。各第1突起部28は、各第1当接部22と一体形成されている。
【0055】
各第2板バネ21は、第2突起部29を複数有している。各第2突起部29は、各第3当接部25の側縁250から各第1当接部22に向けて突出している。各第2突起部29は、薄板四角平板状である。第2突起部29の板厚は、第3当接部25の板厚と同じである。各第2突起部29は、各第3当接部25と一体形成されている。
【0056】
第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で隣り合う第1当接部22と第3当接部25とを平面視したとき、第1突起部28における第1当接部22の側縁220からの突出位置と、第2突起部29における第3当接部25の側縁250からの突出位置とは、第2方向Yにおいて互いにずれている。したがって、第1突起部28と第2突起部29とは、第2方向Yにおいて互いに当接可能である。したがって、第1突起部28と第2突起部29とは、互いに当接可能に構成されている。また、各第1突起部28の突出先端部は、各第3当接部25の側縁250に当接可能であり、各第2突起部29の突出先端部は、各第1当接部22の側縁220に当接可能である。
【0057】
第1突起部28と第2突起部29とが第2方向Yにおいて互いに当接することにより、第1当接部22と第3当接部25とが第2方向Yにおいてそれ以上移動してしまうことが回避されている。また、第1突起部28の突出先端部が第3当接部25の側縁250に当接し、第2突起部29の突出先端部が第1当接部22の側縁220に当接することにより、第1当接部22と第3当接部25とが第1方向Xにおいてそれ以上移動してしまうことが回避されている。
【0058】
図1図6及び図7に示すように、電池温調装置10は、弾性部材30をさらに複数備えている。各弾性部材30は、電池モジュール12と各第1当接部22及び各第3当接部25との間に介在されている。各弾性部材30は、例えば、アルミニウム製である帯状の板材を折り曲げることにより形成されている。
【0059】
各弾性部材30は、第3熱交換器側当接部31、第3電池側当接部32、及び第3変形部33をそれぞれ複数有している。各第3熱交換器側当接部31は、薄板四角平板状である。各第3熱交換器側当接部31は、第1当接部22及び第3当接部25に当接する第3熱交換器側当接面31aをそれぞれ有している。したがって、各第3熱交換器側当接部31は、第1当接部22及び第3当接部25に当接する。各第3熱交換器側当接面31aは、第1当接部22及び第3当接部25に面接触している。
【0060】
各第3電池側当接部32は、薄板四角平板状である。各第3電池側当接部32は、電池モジュール12に当接する第3電池側当接面32aをそれぞれ有している。したがって、各第3電池側当接部32は、電池モジュール12に当接する。各第3電池側当接面32aは、電池モジュール12の対向面12aに面接触している。
【0061】
各第3変形部33は、薄板四角平板状である。各第3変形部33は、各第3熱交換器側当接部31から各第3電池側当接部32に延在している。各第3変形部33は、第3熱交換器側当接部31とのなす角度が鋭角になるように各第3熱交換器側当接部31に対して折り曲げられている。また、各第3変形部33は、第3電池側当接部32とのなす角度が鋭角になるように各第3電池側当接部32に対して折り曲げられている。
【0062】
弾性部材30は、第3熱交換器側当接部31、第3変形部33、第3電池側当接部32、及び第3変形部33が、この順で複数回繰り返されることにより形成されている。各第3熱交換器側当接部31、各第3電池側当接部32、及び各第3変形部33は、それぞれ板厚が同じである。
【0063】
図2図3及び図6に示すように、熱交換器11は、複数の規制部40を有している。ここで、第1方向Xと直交し、且つ第2方向Yと直交する方向を第3方向Zとする。なお、第3方向Zは、熱交換器11、電池モジュール12、及び複数の板バネ19の積層方向に一致している。各規制部40は、載置面11aから第3方向Zに突出する薄板平板状である。各規制部40は、細長四角板状である。各規制部40の長手方向は、上壁13の長手方向に一致している。各規制部40の板厚方向は、上壁13の短手方向に一致している。各規制部40は、互いに平行に延びている。各規制部40の長手方向の長さは、上壁13の長手方向の長さと同じである。各規制部40の長手方向は、熱媒体通路16が延びる方向に一致している。各規制部40の突出長さは、第1当接部22の板厚及び第3当接部25の板厚よりも僅かに大きい。複数の規制部40は、熱交換器11に一体形成されている。本実施形態において、熱媒体通路16が延びる方向と各規制部40の長手方向とが一致しており、且つ、熱交換器11と複数の規制部40とが一体形成されている熱交換器11は、例えば、押出成形によって製造される。
【0064】
図2に示すように、第1方向Xで隣り合う規制部40同士の間には、第1板バネ20の第1当接部22及び第2板バネ21の第3当接部25が配置されている。第1当接部22の外側縁221は、第1方向Xで隣り合う規制部40の一方に当接可能であり、第3当接部25の外側縁251は、第1方向Xで隣り合う規制部40の他方に当接可能である。よって、第1当接部22が、第1方向Xで隣り合う規制部40の一方に当接することにより、第1板バネ20が第1方向Xにそれ以上移動してしまうことが回避されている。また、第3当接部25が、第1方向Xで隣り合う規制部40の他方に当接することにより、第2板バネ21が第1方向Xにそれ以上移動してしまうことが回避されている。したがって、各規制部40は、熱交換器11の載置面11aに設けられるとともに第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向への第1板バネ20及び第2板バネ21の移動を規制する。
【0065】
図6に示すように、各弾性部材30は、各第3熱交換器側当接部31が、各第1当接部22及び各第3当接部25にそれぞれ当接し、且つ隣り合う第3熱交換器側当接部31同士の間に、各規制部40がそれぞれ入り込むように、熱交換器11に対して配置されている。各弾性部材30は、隣り合う第3熱交換器側当接部31それぞれが規制部40に当接することにより、第1方向Xにそれ以上移動してしまうことが回避されている。
【0066】
本実施形態の電池温調装置10においては、まず、熱交換器11の載置面11aに各第1当接部22及び第3当接部25が当接するように、各第1板バネ20及び各第2板バネ21を載置面11aに載置する。このとき、第1変形部24と第2変形部27とが交差している第1板バネ20及び第2板バネ21を1組とし、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、例えば、第1当接部22及び第3当接部25を基準として配置していく。次に、各第1当接部22及び各第3当接部25に各第3熱交換器側当接部31が当接するように各弾性部材30を熱交換器11に対してそれぞれ配置する。すると、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12が順に配置されて積層状態となる。これにより、電池温調装置10の組み付け作業が完了する。
【0067】
そして、電池モジュール12の対向面12aが、各第2当接部23、各第4当接部26、及び各第3電池側当接部32にそれぞれ当接するように、電池モジュール12を各第1板バネ20、各第2板バネ21、及び各弾性部材30に対して載置する。これにより、熱交換器11と電池モジュール12とが、各第1板バネ20、各第2板バネ21、及び各弾性部材30を介して熱的に結合される。
【0068】
電池モジュール12が各第1板バネ20及び各第2板バネ21に対して配置されると、電池モジュール12の荷重により、各第1板バネ20及び各第2板バネ21が押圧されて、各第1変形部24及び各第2変形部27それぞれが弾性変形することによって熱交換器11と電池モジュール12との隙間を調整する。したがって、板バネ19は、熱交換器11と電池モジュール12との間に介在して伝熱するとともに、変形することによって熱交換器11と電池モジュール12との隙間を調整する。また、このとき、各第1板バネ20及び各第2板バネ21は、各第1変形部24及び各第2変形部27が弾性変形した分だけ、熱交換器11に対して第2方向Yにずれる。このように、各第1板バネ20及び各第2板バネ21が熱交換器11に対して第2方向Yにずれても、各第1板バネ20及び各第2板バネ21が、熱交換器11の載置面11aからはみ出さないように、各第1板バネ20及び各第2板バネ21の寸法が予め設定されている。
【0069】
次に、本実施形態の作用について説明する。
熱交換器11の熱媒体通路16内を流れる熱媒体と電池モジュール12との熱交換器11、各第1板バネ20、各第2板バネ21、及び各弾性部材30を介した熱交換が行われることにより、電池モジュール12が熱媒体によって冷却され、電池モジュール12が適切な温度に調節される。
【0070】
ここで、例えば、電池モジュール12や熱交換器11に寸法公差があったとしても、各第1変形部24、各第2変形部27、及び各第3変形部33が弾性変形することにより、電池モジュール12や熱交換器11の寸法公差が吸収される。したがって、電池モジュール12や熱交換器11の寸法公差が吸収されつつも、各第1当接部22及び各第3当接部25が熱交換器11に当接し、各第2当接部23、各第4当接部26、及び各第3電池側当接部32が電池モジュール12に当接する。その結果、電池モジュール12や熱交換器11に寸法公差があったとしても、熱交換器11、各第1板バネ20、各第2板バネ21、及び各弾性部材30を介した熱媒体と電池モジュール12との熱交換が行われ、電池モジュール12の温度が適切な温度に調節される。
【0071】
上記実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(1)熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とが交差している。これによれば、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とが交差していない状態で、第1変形部24の長さ、及び第2変形部27の長さを長くする場合に比べると、第1板バネ20及び第2板バネ21全体の長さが長くなり難くなる。したがって、第1変形部24の長さ、及び第2変形部27の長さを長くしても、例えば、第1当接部22の一部分、及び第3当接部25の一部分が熱交換器11からはみ出してしまうことを抑制できる。その結果、第1当接部22における熱交換器11との接触面積が減少して、第1当接部22と熱交換器11との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できる。さらに、第3当接部25における熱交換器11との接触面積が減少して、第3当接部25と熱交換器11との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できる。また、第1変形部24の長さ、及び第2変形部27の長さを長くしても、例えば、第2当接部23の一部分、及び第4当接部26の一部分が電池モジュール12からはみ出してしまうことを抑制できる。その結果、第2当接部23における電池モジュール12との接触面積が減少して、第2当接部23と電池モジュール12との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できる。さらに、第4当接部26における電池モジュール12との接触面積が減少して、第4当接部26と電池モジュール12との間の伝熱効率が低下してしまうことを抑制できる。よって、伝熱効率の低下を抑制しつつ、第1板バネ20の弾性力、及び第2板バネ21の弾性力を下げるために、第1変形部24の長さ、及び第2変形部27の長さを長くすることができる。したがって、伝熱効率の低下を抑制しつつ、第1板バネ20及び第2板バネ21が熱交換器11を押圧する力を抑えることができる。また、第1板バネ20の弾性力、及び第2板バネ21の弾性力を下げるために、第1板バネ20の板厚、及び第2板バネ21の板厚を薄くする必要がない。したがって、第1板バネ20の伝熱断面積が減少して、第1板バネ20を介した電池モジュール12と熱交換器11との間の伝熱効率が低下してしまったり、第2板バネ21の伝熱断面積が減少して、第2板バネ21を介した電池モジュール12と熱交換器11との間の伝熱効率が低下してしまったりすることが無い。以上のことから、伝熱効率の低下を抑制しつつ、熱交換器11にかかる負荷を抑制することができる。
【0072】
(2)第1当接部22と第3当接部25とは、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向に第1当接部22及び第3当接部25の順に並んで配置され、第2当接部23と第4当接部26とは、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向に第2当接部23及び第4当接部26の順に配置され、第1当接部22に対して第2当接部23は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向にずれて配置されている。このような構成は、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とが交差する構成として好適である。
【0073】
(3)例えば、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とが交差している第1板バネ20及び第2板バネ21を1組とし、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、例えば、第1当接部22及び第3当接部25を基準として配置していくことを考える。このとき、例えば、第1板バネ20と第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さL1が、第1板バネ20と第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さL2よりも長い場合を考える。この場合、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21同士で隣り合う第2当接部23と第4当接部26との干渉を考慮しながら第1板バネ20及び第2板バネ21を配置すると、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21同士で隣り合う第1当接部22と第3当接部25とが不必要に離間した状態で配置されることになる。したがって、第1板バネ20及び第2板バネ21を効率良く配置することができなくなってしまう。
【0074】
そこで、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さL1を、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さL2以下にした。これによれば、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、例えば、第1当接部22及び第3当接部25を基準として配置していく場合に、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21同士で隣り合う第1当接部22と第3当接部25とを極力接近させても、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21同士で隣り合う第2当接部23と第4当接部26とが干渉しない。よって、第1板バネ20及び第2板バネ21を効率良く配置することができる。したがって、第1板バネ20及び第2板バネ21を効率良く敷き詰めて配置することができる。
【0075】
(4)第1突起部28と第2突起部29とが互いに当接することにより、第1板バネ20と第2板バネ21とがそれ以上移動してしまうことが回避される。したがって、例えば、第1板バネ20及び第2板バネ21を熱交換器11に組み付ける際に、第1突起部28と第2突起部29とを互いに当接させることにより、第1板バネ20と第2板バネ21とを互いに位置決めした状態で、熱交換器11に組み付けることができるため、組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0076】
(5)第1突起部28は、第1当接部22から第3当接部25に向けて突出しており、第2突起部29は、第3当接部25から第1当接部22に向けて突出している。これによれば、例えば、第1板バネ20及び第2板バネ21を熱交換器11に組み付ける際に、第1突起部28と第2突起部29とを互いに当接させることにより、第1当接部22と第3当接部25とを互いに位置決めした状態で、熱交換器11に組み付けることができる。したがって、組み付け作業をさらに容易なものとすることができる。
【0077】
(6)第2当接部23と第4当接部26とは、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で互いに離間している。これによれば、例えば、第2当接部23及び第4当接部26に電池モジュール12が載置された際に、第2当接部23及び第4当接部26の移動が許容されるため、第1変形部24及び第2変形部27それぞれが弾性変形し難くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第1変形部24の弾性力、及び第2変形部27の弾性力が上がってしまうことを抑制できるため、第1板バネ20及び第2板バネ21が熱交換器11を押圧する力を抑えることができ、熱交換器11にかかる負荷を抑制することができる。
【0078】
(7)熱交換器11と電池モジュール12との間で第1変形部24及び第2変形部27それぞれが弾性変形する際に、規制部40によって、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向への第1板バネ20及び第2板バネ21の移動を規制することができる。したがって、熱交換器11と電池モジュール12との間で第1変形部24及び第2変形部27それぞれが弾性変形した後で、第1板バネ20及び第2板バネ21が、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において、意図しない位置に移動してしまうことを抑制することができる。
【0079】
(8)電池温調装置10は、電池モジュール12と各第1当接部22及び各第3当接部25との間に介在される弾性部材30をさらに備えている。これによれば、例えば、電池温調装置10が弾性部材30を備えていない構成に比べると、電池モジュール12と熱交換器11との間での伝熱経路が増加するため、伝熱効率を向上することができる。
【0080】
(9)弾性部材30は、電池モジュール12と第1当接部22及び第3当接部25との間に介在されている。これによれば、例えば、弾性部材30が熱交換器11と第2当接部23及び第4当接部26との間にのみ介在されている場合に比べて、電池モジュール12に直接接触する伝熱経路を増加させることができる。したがって、電池モジュール12の温度を適切な温度に調節し易くすることができる。
【0081】
(10)第1変形部24と第2変形部27とは、互いに接触しないように延びている。これによれば、第1変形部24と第2変形部27とが互いに接触するように延びている場合に比べて、第1変形部24及び第2変形部27それぞれの弾性変形が行われ易くなる。その結果、第1変形部24の弾性力、及び第2変形部27の弾性力が上がってしまうことを抑制できるため、第1板バネ20及び第2板バネ21が熱交換器11を押圧する力を抑えることができ、熱交換器11にかかる負荷を抑制することができる。
【0082】
(11)第1変形部24は、熱交換器11に向けて膨らむように弧状に湾曲し、第2変形部27は、電池モジュール12に向けて膨らむように弧状に湾曲している。このような構成は、第1変形部24と第2変形部27とが、互いに接触しないように延びている構成として好適である。
【0083】
(12)熱媒体通路16が延びる方向と各規制部40の長手方向とが一致しており、且つ、熱交換器11と複数の規制部40とが一体形成されている熱交換器11であるため、押出成形によって容易に製造することができる。
【0084】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0085】
図8に示すように、規制部40が、電池モジュール12の対向面12aに形成されていてもよい。この場合、電池温調装置10の組み付け作業の際には、第1板バネ20及び第2板バネ21を、まず、熱交換器11の載置面11aに載置するのではなく、まず、電池モジュール12の対向面12aに第1板バネ20及び第2板バネ21を載置する。
【0086】
図9に示すように、例えば、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向において、第1板バネ20及び第2板バネ21を2枚ずつ交互に並べてもよい。これによれば、各第1変形部24の長さ、及び各第2変形部27の長さが長くなるため、弾性力をさらに低下させることができる。また、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向での第1板バネ20と第2板バネ21との間の隙間を極力減らすことができるため、伝熱効率を向上させることができる。
【0087】
図10に示すように、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1当接部22と第3当接部25とが第2方向Yに並んで配置されており、第2当接部23と第4当接部26とが第2方向Yに並んで配置されていてもよい。具体的には、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1当接部22と第3当接部25とは、熱交換器11における第2方向Yの一方に位置する端部から他方に位置する端部に向けて、第2方向Yに第3当接部25と第1当接部22の順に配置されている。また、第2方向Yからみて、第1当接部22と第3当接部25とは、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向で同じ位置に配置されている。つまり、第2方向Yからみて、第1当接部22と第3当接部25とは互いに重なっている。熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第2当接部23と第4当接部26とは、熱交換器11における第2方向Yの一方に位置する端部から他方に位置する端部に向けて、第2方向Yに第2当接部23及び第4当接部26の順に並んで配置されている。また、第2方向Yからみて、第2当接部23と第4当接部26とは、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向で同じ位置に配置されている。つまり、第2方向Yからみて、第2当接部23と第4当接部26とは互いに重なっている。
【0088】
○ 実施形態において、第1板バネ20及び第2板バネ21は、アルミニウム製であったが、例えば、銅製であってもよい。要は、第1板バネ20及び第2板バネ21は、十分に熱伝導率を確保できれば、その材質は特に限定されるものではない。
【0089】
○ 実施形態において、弾性部材30は、電池モジュール12と第1当接部22及び第3当接部25との間に介在される構成であったが、弾性部材30は、熱交換器11と第2当接部23及び第4当接部26との間に介在される構成であってもよい。
【0090】
○ 実施形態において、弾性部材30は、電池モジュール12と第1当接部22及び第3当接部25との間に加えて、熱交換器11と第2当接部23及び第4当接部26との間にも介在されていてもよい。要は、弾性部材30は、熱交換器11と第2当接部23及び第4当接部26との間、及び電池モジュール12と第1当接部22及び第3当接部25との間の少なくとも一方に介在されていればよい。
【0091】
○ 実施形態において、電池温調装置10は、弾性部材30を備えていない構成であってもよい。これによれば、弾性部材30を有する構成に比べて、軽量で安価なものとすることができる。
【0092】
○ 実施形態において、第1突起部28は、第1当接部22から第3当接部25に向けて突出し、第2突起部29は、第3当接部25から第1当接部22に向けて突出する構成であったが、これに限らない。例えば、第1突起部28が第2当接部23から第4当接部26に向けて突出し、第2突起部が第4当接部26から第2当接部23に向けて突出する構成であってもよい。要は、第1板バネ20は、第2板バネ21に向けて第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向に突出する第1突起部28を有し、第2板バネ21は、第1板バネ20に向けて第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向に突出する第2突起部29を有し、第1突起部28と第2突起部29とは互いに当接可能に構成されていればよい。
【0093】
○ 実施形態において、電池温調装置10は、第1板バネ20が第1突起部28を有しておらず、第2板バネ21が第2突起部29を有していない構成であってもよい。
○ 実施形態において、第1変形部24と第2変形部27とは、互いに接触しないように延びている構成であったが、第1変形部24と第2変形部27とが弾性変形することができる状態であれば、互いに接触していてもよい。
【0094】
○ 実施形態において、第1変形部24は、熱交換器11に向けて膨らむように弧状に湾曲し、第2変形部27は、電池モジュール12に向けて膨らむように弧状に湾曲する構成であったが、例えば、第1変形部24が電池モジュール12に向けて膨らむように弧状に湾曲し、第2変形部27が熱交換器11に向けて膨らむように弧状に湾曲する構成であってもよい。要は、第1変形部24及び第2変形部27の一方が、熱交換器11に向けて膨らむように弧状に湾曲し、第1変形部24及び第2変形部27の他方が、電池モジュール12に向けて膨らむように弧状に湾曲していればよい。
【0095】
○ 実施形態において、第1変形部24及び第2変形部27が平板状であってもよい。この場合、第1変形部24及び第2変形部27が弾性変形する際に、第1変形部24と第2変形部27とが互いに干渉したとしても、互いに滑る構成になっているのが好ましい。
【0096】
○ 実施形態において、第1板バネ20及び第2板バネ21の形状は特に限定されるものではない。例えば、第1板バネ20及び第2板バネ21は、側面視で、Ω状や三角波形状であってもよい。要は、第1板バネ20は、第1当接部22、第2当接部23、及び第1変形部24を有している構成であればよく、第2板バネ21は、第3当接部25、第4当接部26、及び第2変形部27を有している構成であればよい。例えば、第1板バネ20及び第2板バネ21が側面視でΩ状である場合、第1当接部22及び第3当接部25は、熱交換器11に対して面接触するとともに、第2当接部23及び第4当接部26は、電池モジュール12に対して線接触する。また、例えば、第1板バネ20及び第2板バネ21が側面視で三角波形状である場合、第1当接部22及び第3当接部25は、熱交換器11に対して線接触するとともに、第2当接部23及び第4当接部26も、電池モジュール12に対して線接触する。
【0097】
○ 実施形態において、弾性部材30が、第1方向Xに不連続に配置されていてもよい。
○ 実施形態において、規制部40が、熱交換器11とは別体であってもよい。
【0098】
○ 実施形態において、規制部40が第1方向Xに延びるように配置されていてもよい。この場合、第1板バネ20及び第2板バネ21も第1方向Xに連続する。弾性部材30は、第2方向Yに連続する。
【0099】
○ 実施形態において、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さL1は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さL2よりも短くてもよい。要は、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さは、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さ以下であるとよい。
【0100】
○ 実施形態において、第1板バネ20と第2板バネ21の並設方向における第2当接部23の外側縁231から第4当接部26の外側縁261までの長さL1が、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向における第1当接部22の外側縁221から第3当接部25の外側縁251までの長さL2よりも長くてもよい。この場合、例えば、熱交換器11、複数の板バネ19、及び電池モジュール12の積層方向からみて、第1変形部24と第2変形部27とが交差している第1板バネ20及び第2板バネ21を1組とし、1組の第1板バネ20及び第2板バネ21を、例えば、第2当接部23及び第4当接部26を基準として配置していくのが好ましい。
【0101】
○ 実施形態において、熱交換器11は、規制部40を有していない構成であってもよい。
○ 実施形態において、第2当接部23と第4当接部26とが、第1板バネ20及び第2板バネ21の並設方向で接触していてもよい。
【0102】
○ 実施形態において、熱交換器11は、フィン17を有しない構成であってもよい。
○ 実施形態において、熱媒体として冷媒を用いたが、熱媒体として、水や空気を用いてもよい。
【0103】
○ 実施形態において、電池モジュール12を構成する電池セルは二次電池であったが、電池セルは、一次電池であってもよい。
○ 実施形態において、電池温調装置10は、熱媒体によって電池モジュール12を暖める構成であってもよい。要は、電池温調装置10は、電池モジュール12の温度を調節するものであればよい。
【符号の説明】
【0104】
10…電池温調装置、11…熱交換器、11a…載置面、12…電池としての電池モジュール、19…板バネ、20…第1板バネ、21…第2板バネ、22…第1当接部、23…第2当接部、24…第1変形部、25…第3当接部、26…第4当接部、27…第2変形部、28…第1突起部、29…第2突起部、30…弾性部材、40…規制部、221…外側縁、231…外側縁、251…外側縁、261…外側縁、L1…長さ、L2…長さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10