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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026076
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】打設システム
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/10 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
E21D11/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129366
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】310005294
【氏名又は名称】北陸鋼産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】三角 公浩
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155BA05
2D155BB02
2D155CA08
2D155KA00
2D155KC02
(57)【要約】
【課題】 コンクリート打設用配管の切替え作業時の作業員の負担を軽減することのできる打設管移動装置と打設システムを提供する。
【解決手段】 本発明の打設システムは、インバートコンクリートの打設に用いるシステムであって、打設用配管30と打設管移動装置を備えている。打設用配管30として、直管部31の先方に左右に分岐する分岐部32が連結された打設用配管30を一本、又は、直管部31の先方にL字状に曲がった屈曲管が連結された打設用配管30を二本備えている。直管部31は分岐部32又は二本の屈曲管に着脱することができる。直管部31は複数本の直管構成部材が着脱可能に連結されて構成されている。打設管移動装置は、架台10と台車20を備えている。打設用配管の一部が台車20に載置され、台車20は打設用配管30の一部を載せた状態で架台10の長手方向に移動することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバートコンクリートの打設に用いる打設システムであって、
コンクリート供給装置に連結される打設用配管と、当該打設用配管の移動に用いる打設管移動装置を備え、
前記打設用配管として、直管部の先方に左右に分岐する分岐部が連結された打設用配管を一本、又は、直管部の先方にL字状に曲がった屈曲管が連結された打設用配管を二本備え、
前記直管部は、分岐部又は二本の屈曲管に着脱可能に設けられ、
前記直管部は、複数本の直管構成部材が着脱可能に連結されて構成され、
前記打設管移動装置は、トンネル縦断方向に配置される架台と、前記打設用配管を載置する載置部を有する台車を備え、
前記打設用配管の一部が前記打設管移動装置の台車に載置され、
前記台車は、前記載置部に前記打設用配管の一部を載せた状態で前記架台の長手方向に移動可能である、
ことを特徴とする打設システム。
【請求項2】
請求項1記載の打設システムにおいて、
台車に、打設用配管の一部を台車の移動方向と交差する方向に移動させる横移動機構が設けられ、
分岐部の先方又は二本の屈曲管のそれぞれの先方に枝管が着脱可能に設けられ、
前記枝管は前記横移動機構によって台車の移動方向と交差する方向に移動可能である、
ことを特徴とする打設システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の打設システムにおいて、
台車は分岐部又は二本の屈曲管を載せた状態で架台の長手方向に移動可能であり、
前記分岐部又は屈曲管にバルブが設けられ、
前記バルブの操作によってインバートコンクリートの打設流路の切替え又は打設量の調整を行うことができる、
ことを特徴とする打設システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の打設システムにおいて、
架台を縦断方向に移動する縦断方向移動手段を備え、
前記架台は、前記縦断方向移動手段によってトンネル縦断方向に移動させることができる、
ことを特徴とする打設システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバートコンクリートの打設に用いる打設システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル工事においては、掘削部分の底面にインバートコンクリートを打設してインバートが構築される。従来、インバートコンクリートの打設方法として、ブーム式コンクリートポンプ車を用いる方法や、トンネル工事用移動桟橋(以下、単に「移動桟橋」という)上のコンクリートミキサー車から直接打設する方法(特許文献1)などが知られている。
【0003】
前者の方法では、ブーム先端に設けられた先端ホースを動かしながら打設が行われ、後者の方法では、専用シュートを利用して移動桟橋の桁や床の開口部からコンクリートの打設が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-288196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ブーム式コンクリートポンプ車を用いる方法では、打設位置を変える際に、作業員がブーム先端に設けられた先端ホースを持って所望位置に移動させる必要がある。また、移動桟橋上のコンクリートミキサー車から直接打設する方法では、打設位置を変える際に、作業員が専用シュートを移動させる必要がある。先端ホースも専用シュートも非常に重いため、これらの作業は作業員にとっては大変な重労働である。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、作業員の作業負担の軽減を図ることのできる打設システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[打設システム]
本発明の打設システムは、インバートコンクリートの打設に用いるシステムであって、打設用配管と打設管移動装置を備えている。打設用配管として、直管部の先方に左右に分岐する分岐部が連結された打設用配管を一本、又は、直管部の先方にL字状に曲がった屈曲管が連結された打設用配管を二本備えている。直管部は分岐部又は二本の屈曲管に着脱することができる。直管部は複数本の直管構成部材が着脱可能に連結されて構成されている。打設管移動装置は、架台と台車を備えている。打設用配管の一部が台車に載置され、台車は打設用配管の一部を載せた状態で架台の長手方向に移動することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の打設システムは、打設用配管を載置可能な台車と台車が移動可能なレールを有する打設管移動装置を備えているため、打設用配管の長さを変更する際の作業員の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の打設システムの一例を示す平面図。
図2図1のII-II矢視図。
図3図1に示す打設システムの平面図。
図4図1に示す打設管移動装置及び打設システムの部分拡大図。
図5図3のV-V矢視図。
図6】(a)は図5のVIa部拡大図、(b)は図5のVIb部拡大図。
図7図1の右側面図。
図8】(a)は図7のVIIIa部拡大図、(b)は図7のVIIIb部拡大図。
図9図3のIX-IX矢視図。
図10図9のX部拡大図。
図11】(a)~(c)は直管構成部材を取り除いて長さ調整する場合の手順説明図。
図12】(a)~(c)は枝管を取り除いて長さ調整する場合の手順説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
本発明の打設システムの実施形態の一例を、図面を参照して説明する。図1は本発明の打設システムの一例を示す平面図である。図1に示す打設システムは、打設管移動装置と打設用配管を備えている。本発明の打設システムは、トンネルA内にインバートBを構築するに際し、コンクリート(インバートコンクリート)の打設に用いるものである。図2に示すように、本発明の打設システムは、移動桟橋Cよりも低い位置に配置して使用するものであるため、インバートコンクリートの打設中であっても、移動桟橋Cを他の工事車両が通行することができる。
【0011】
前記打設管移動装置は、コンクリート圧送車E(以下「圧送車」という)などのコンクリート供給装置に連結された打設用配管30を移動するための装置である。一例として図1図4に示す打設管移動装置は、トンネル縦断方向に配置される架台10と、架台10に沿って移動可能な台車20を備えている。この架台10は、間隔をあけて平行に配置された二本の縦材11の間に、複数本の横材12が間隔をあけて架設された梯子状の部材である。縦材11や横材12は、I型鋼をはじめとする各種形状の鋼材で構成することができる。
【0012】
前記各縦材11の上面には、台車20が移動するためのレール13が設けられている。レールは、各縦材11の長手方向に沿って設けられている。図5及び図6(a)(b)に示すように、この実施形態では、レール13として山形鋼(アングル)を用いている。レール13はアングル以外の部材で構成することもできる。
【0013】
この実施形態の架台10は、図7及び図8(a)(b)に示すように、移動桟橋Cの底面側に設けられた縦断方向移動手段15によって、トンネル縦断方向に移動できるようにしてある。縦断方向移動手段15は、縦断レール15aと、縦断レール15aに沿って移動可能な吊り具15bと、吊り具15bの下端に設けられた支持材15cを備えている。
【0014】
図7及び図8(a)(b)に示すように、この実施形態の吊り具15bは、縦断レール15aに嵌合する戸車15dと、戸車15dに連結された吊りチェーン15eと、当該吊りチェーン15e用のチェーンブロック15fを備えている。吊りチェーン15eにはフック15gが設けられ、そのフック15gを介して支持材15cが保持されている。なお、縦断方向移動手段15には、架台10をトンネル縦断方向に牽引することのできる牽引車などを用いることもできる。
【0015】
前記台車20は打設用配管30を載置する移動車である。この実施形態の台車20は、打設用配管30を載置する平面視長方形状の載置部21と、当該載置部21の底面側に設けられた車輪22を備えている。
【0016】
前記載置部21は、打設用配管30を載置する部材であり、少なくとも打設用配管30を構成する分岐部32(後述する)を載置できるようにしてある。一例として図4に示す載置部21は、間隔をあけて平行に配置された縦フレーム21aと、当該縦フレーム21aの間に、前後方向に間隔をあけて架設された横フレーム21bを備えている。この実施形態では、縦フレーム21aとしてチャンネル鋼を、横フレーム21bとしてI型鋼を用いている。各横フレーム21bには車輪用フランジ21cが間隔をあけて二枚ずつ突設され、各車輪用フランジ21cに一つずつ車輪22が設けられている。
【0017】
前記載置部21の前方側には、横移動機構23が設けられている。横移動機構23は、分岐部32の各分岐先に連結された枝管33(後述する)を、台車20の移動方向と交差する方向に移動させるための機構である。一例として図3及び図4に示す横移動機構23は、ベース部23aと枝管保持具23bを備えている。ベース部23aは枝管保持具23bが移動するためのガイドレールとして機能する部材である。この実施形態のベース部23aは台車20の幅方向両外側に突き出す長さであり、その上面には長手方向に沿って横レール23cが突設されている。この実施形態ではベース部23aとしてI型鋼を用いているが、ベース部23aはI型鋼以外で構成することもできる。
【0018】
前記枝管保持具23bは、分岐部32の分岐先に連結された枝管33を保持する部材である。図9及び図10に示すように、この実施形態の枝管保持具23bは、上枠23dと縦枠23eと下枠23fが側面視コ字状の部材である。上枠23dの底面側には横レール23cに沿って移動する横移動車輪24と、枝管33を保持する枝管保持具23bが設けられている。図4に示すように、横移動車輪24は横レール23cの長手方向に沿って二つ設けられている。横移動車輪24は二つより多くても少なくてもよい。
【0019】
前記枝管保持具23bは、枝管33を下側から支持する側面視U字状の部材である。図10に示すように、枝管保持具23bは、枝管33を保持した状態でその上端部を上枠23dの底面側に固定できるようにしてある。
【0020】
前記下枠23fの上面側には反力受け具25が設けられている。反力受け具25は、枝管保持具23bで枝管33を保持した際に、縦枠23e及び下枠23fに働く力を受けるための部材である。この実施形態では、反力受け具25としてローラを用いている。各ローラは下枠23fから上向きに突設されたフランジ26に取り付けられている。ローラは横レール23cの長手方向に沿って二つ設けられている。ローラは二つより多くても少なくてもよい。
【0021】
図3に示す打設用配管30は、複数本の直管構成部材を着脱可能に連結することで構成された直管部31と、直管部31の先端に連結された分岐部32を備えている。この実施形態の分岐部32は、先方側が二股に分岐したY字管である。分岐部32にはインバートコンクリートの打設流路の切替えや打設量の調整を行うバルブ34が設けられている。この実施形態では、バルブ34としてピンバルブを用いている。バルブ34はピンバルブ以外であってもよい。
【0022】
前記分岐部32の各分岐先には枝管33が連結されている。この実施形態では、各分岐先に二本ずつ枝管33が連結されている。各分岐先に連結された最先方の枝管33の先端側には、打設箇所を変えるための首振り管35が設けられている。首振り管35は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。
【0023】
(使用例)
次に、本発明の打設システムの使用例の一例について説明する。ここでは、前記実施形態の打設システムを用いてインバートを構築する場合を一例として説明する。図1において、Dはコンクリートミキサー車(以下「ミキサー車」という)、Eは圧送車、Cは移動桟橋である。同図中、右側が切羽側、左側が坑口側である。図1に示す例では、移動桟橋CはトンネルAの幅方向右側に寄せて配置され、ミキサー車D及び圧送車Eは左側に寄せて配置されている。
【0024】
はじめに、打設管移動装置の架台10をトンネルAの縦断方向に配置する。図1及び図7に示すように、架台10は、前端側が現工事区Xよりも切羽側に、後端側が打設済み工事区Yに位置するように設置する。図1及び図7に示す例では、架台10は前端側と後端側が高さ調整台Fの上に載置されたジャッキGで支持され、このジャッキGによって水平になるようにしてある。なお、インバートBに中央通路を設ける場合のように、インバートコンクリートの打設に際して中央通路型枠H(図2参照)を設置する場合には、当該中央通路型枠Hの上に架台10を載せることもできる。
【0025】
架台10の設置後、当該架台10上に台車20を載置し、その台車20上に打設用配管30の分岐部32を載置する。分岐部32の手前には複数本の直管構成部材からなる直管部31を連結する。具体的には、台車20上の分岐部32に一本目の直管構成部材(第一直管構成部材31a)を連結したのち、台車20を第一直管構成部材31a一本分程度先方(切羽側)へ移動し、二本目の直管構成部材(第二直管構成部材31b)を第一直管構成部材31aに接続する。以後、台車20が現工事区Xの先方側の所望位置に到達するまでこの手順を繰り返すことで、分岐部32の手前に直管部31を連結することができる。なお、連結された直管部31は全体が水平になるように、架台10上に設けられた支持具14で支持されている。
【0026】
台車20上の分岐部32の各分岐先に枝管33を連結する。接続された枝管33のうち、最先方の枝管33を横移動機構23の枝管保持具23bで保持する。なお、各分岐先に枝管33を二本以上連結する場合、たとえば、一本目の枝管33(第一枝管33a)を枝管保持具23bで保持したのち、当該枝管保持具23bを枝管33一本分程度先方へ移動し、分岐部32と第一枝管33aの間に二本目の枝管33(第二枝管33b)を配置して、当該第二枝管33bの一端側を分岐部32に、他端側を第一枝管33aに接続する。さらに別の枝管33を接続するときは、同様の手順を繰り返せばよい。なお、最先方の枝管33の先端側には必要に応じて首振り管35を設けることができる。
【0027】
打設用配管30に圧送車Eの配管を接続し、ミキサー車Dから圧送車Eにインバートコンクリートを投入して打設用配管30からインバートコンクリートを現工事区Xに打設する。このとき、インバートコンクリートは分岐部32の左右両側に同時に打設することも、一方側にのみ打設することもできる。打設流路の切替えや打設量の調整は、分岐部32に設けられたバルブによって行うことができる。
【0028】
現工事区X内で前後方向の打設位置を変えたいときは、直管部31の長さ調整を行う。具体的には、図11(a)~(c)に示すように、分岐部32に連結された第一直管構成部材31aを分岐部32から取り外し、台車20を後方に移動し、移動した台車20上の分岐部32に第二直管構成部材31bを連結する。このとき、台車20の移動には、図示しない電動ブロックチェーンなどを用いることができる。
【0029】
また、現工事区X内で前後方向の打設位置を変えたいときは、枝管33の長さ調整を行う。具体的には、図12(a)~(c)に示すように、枝管保持具23bで保持された第一枝管33aと分岐部32との間に配置された第二枝管33bを第一枝管33a及び分岐部32から取り外す。その後、枝管保持具23bをベース部23aの中心側に向けて移動させ、移動させた枝管保持具23bで保持された第一枝管33aを分岐部32に連結する。
【0030】
以上の要領で所望工事区でのインバートコンクリートの打設が完了したら、打設管移動装置を撤去して洗浄する。以降、他の工事区についても同様の手順で作業を行い、インバートを完成させる。
【0031】
(その他の実施形態)
前記実施形態では、打設用配管30が直管部31の先端に分岐部32を備えたものの場合を一例としているが、打設用配管30は直管部31の先端にL字状に曲がった屈曲管を備えたものであってもよい。この場合、同構造の打設用配管30を二本並べて配置し、一方の打設用配管30から左側に、他方の打設用配管30から右側にインバートコンクリートを打設できるようにすることができる。
【0032】
前記実施形態で示した構成は一例であり、本発明の打設システムは、その要旨を逸脱しない範囲で構成の変更や省略をすることができる。
【0033】
従来のブーム式コンクリートポンプ車を用いる方法では、次の(1)~(5)に示す難点があったが、本発明の打設システムを用いることで、これらの難点を解消することができる。
(1)トンネル内に設置されるベルトコンベアや風管にブームが当たり作業性が悪く、現場の状況によっては作業ができないことがあった。
(2)ブーム式コンクリートポンプ車を、片側に寄せた移動桟橋の反対側に設置するが、移動桟橋側にインバートコンクリートを打設するためには、打設用配管を支持する構造物を別途計画する必要があった。
(3)反対側のコンクリート配管を切羽側から坑口側へ移動する際に、移動桟橋の下に打設用配管を吊るための設備や労力が必要であった。
(4)打設用配管の切替えやつなぎ換え等が必要であるため、連続的なコンクリート打設が困難であった。
(5)連続的なコンクリート打設ができないため、打設作業に時間がかかった。
【0034】
また、従来の移動桟橋上のコンクリートミキサー車から直接打設する方法には、次の(1)~(4)に示す難点があったが、本発明の打設システムを用いることで、これらの難点を解消することができる。
(1)インバートコンクリートの打設中は移動桟橋がコンクリートミキサー車に占有されるため、他の工事車両が通行できなかった。
(2)一般に高さ1.5m以上の高所から打設されるため、インバートコンクリートが分離する可能性があった。
(3)シュートを利用して移動桟橋の桁や床の開口部からコンクリートを流し込むため、所望箇所までコンクリートが届かないなど、施工不良が発生しやすかった。
(4)連続的なコンクリート打設ができないため、打設作業に時間がかかった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の打設システムは、車両用のトンネルのほか、鉄道用のトンネルのインバート工事に際して利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 架台
11 縦材
12 横材
13 レール
14 支持具
15 縦断方向移動手段
15a 縦断レール
15b 吊り具
15c 支持材
15d 戸車
15e 吊りチェーン
15f チェーンブロック
15g フック
20 台車
21 載置部
21a 縦フレーム
21b 横フレーム
21c 車輪用フランジ
22 車輪
23 横移動機構
23a ベース部
23b 枝管保持具
23c 横レール
23d 上枠
23e 縦枠
23f 下枠
24 横移動車輪
25 反力受け具
26 フランジ
30 打設用配管
31 直管部
31a 第一直管構成部材
31b 第二直管構成部材
32 分岐部
33 枝管
33a 第一枝管
33b 第二枝管
34 バルブ
35 首振り管
A トンネル
B インバート
C トンネル工事用移動桟橋(移動桟橋)
D コンクリートミキサー車(ミキサー車)
E コンクリート圧送車(圧送車)
F 高さ調整台
G ジャッキ
H 中央通路型枠
X 現工事区
Y 打設済み工事区
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12