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  • 特開-電子機器及び非接触式充電システム 図1
  • 特開-電子機器及び非接触式充電システム 図2
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  • 特開-電子機器及び非接触式充電システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026100
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】電子機器及び非接触式充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20220203BHJP
   H02J 50/70 20160101ALI20220203BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20220203BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/70
H02J50/40
H02J7/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129401
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 清秀
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】横置き状態で、充電することができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器10は、バッテリ13を収納するケース11と、ケース11の側面を覆う磁性シート15と、磁性シート15の外面に設けられ、充電器21の給電コイル40との間で磁界共鳴して、当該給電コイル40から電力を非接触で受ける受電コイル17と、ケース11内に収納され、受電コイル17で受けた電力をバッテリ13に供給する充電回路14とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを収納するケースと、
前記ケースの側面を覆う磁性シートと、
前記磁性シートの外面に設けられ、充電器の給電コイルとの間で磁界共鳴して、当該給電コイルから電力を非接触で受ける受電コイルと、
前記ケース内に収納され、前記受電コイルで受けた電力を前記バッテリに供給する充電回路とを備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器と、
前記給電コイルを有する前記充電器とを備え、
前記給電コイルの巻き線は、複数の直線部を有する
ことを特徴とする非接触式充電システム。
【請求項3】
請求項1記載の電子機器と、
前記給電コイルを有する前記充電器とを備え、
前記給電コイルは、1つ以上の巻き線を有し、
各巻き線は、互いに直交する
ことを特徴とする非接触式充電システム。
【請求項4】
請求項1記載の電子機器と、
前記給電コイルを有する前記充電器とを備え、
前記給電コイルは、
渦巻き状に形成される第1巻き線と、
前記第1巻き線と直交するソレノイド形の第2巻き線とを有する
ことを特徴とする非接触式充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器及び充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
充電システムには、充電器から電子機器に対して、非接触で電力を送信して、当該電子機器の充電を行うものがある。このような、非接触式の充電システムは、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-161544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される非接触式充電システムは、充電器から携帯時計に対して、非接触で電力を送信して、当該携帯時計の充電を行うものである。このとき、携帯時計は、バンドを有しており、折り曲げたバンドを介して、充電器に載置される。
【0005】
具体的には、携帯時計を充電する場合、携帯時計は、携帯時計の受電コイル、バンドのバイパス部材、及び、充電器の給電コイルが、上下方向において重なり合うように、平置きされる。なお、バイパス部材は、軟磁性材料で形成されている。
【0006】
このため、特許文献1に開示される非接触式充電システムにおいては、電力の送信を効率的に行うためには、充電器に対して携帯時計をできる限り正確に置く必要がある。しかしながら、ユーザの利便性を考慮すれば、携帯時計が手間をかけずに簡単な方向で充電器に載置できることが好ましい。
【0007】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、横置き状態で、充電することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る電子機器は、バッテリを収納するケースと、ケースの側面を覆う磁性シートと、磁性シートの外面に設けられ、充電器の給電コイルとの間で磁界共鳴して、当該給電コイルから電力を非接触で受ける受電コイルと、ケース内に収納され、受電コイルで受けた電力をバッテリに供給する充電回路とを備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、横置き状態で、充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る非接触式充電システムの構成を示す図である。図1Aは、電子機器が充電器に載置された状態を示す図である。図1Bは、充電器の構成を示す平面図である。
図2】実施の形態1に係る非接触式充電システムに適用される電子機器の構成を示す縦断面図である。
図3】実施の形態2に係る非接触式充電システムに適用される充電器の構成を示す図である。
図4】実施の形態3に係る非接触式充電システムに適用される充電器の構成を示す図である。図4Aは、充電器の構成を示す平面図である。図4Bは、図4AのIV-IV 矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
実施の形態1に係る電子機器10について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る非接触式充電システムの構成を示す図である。具体的には、図1Aは、電子機器10が充電器21に載置された状態を示す図である。図1Bは、充電器21の構成を示す平面図である。図2は、実施の形態1に係る非接触式充電システムに適用される電子機器10の構成を示す縦断面図である。
【0013】
図1に示した実施の形態1に係る非接触式充電システムは、磁界共鳴方式を用いて、非接触充電(給電)を行うシステムである。非接触式充電システムは、充電対象となる電子機器10及び充電器21を備えている。この非接触式充電システムは、充電器21から電子機器10に対して、非接触で電力を送信して、当該電子機器10の充電を行う。電子機器10は、例えば、腕時計型携帯機器等である。
【0014】
図1及び図2に示すように、電子機器10は、ケース11、ムーブメント12、バッテリ13、充電回路14、磁性シート15,16、受電コイル17、及び、バンド18を有している。
【0015】
ケース11は、電子機器10の本体を構成するものである。このケース11は、金属材料又は樹脂材料で形成されている。また、ケース11内には、ムーブメント12、バッテリ13、及び、充電回路14が、当該ケース11の外側から内側に向けて順に収納されている。
【0016】
ムーブメント12は、現時刻等を表示するものである。充電回路14は、受電コイル17で発生した電力をバッテリ13に供給するものである。バッテリ13は、ムーブメント12が駆動するための電力を蓄えるものである。また、バッテリ13は、蓄えた電力をムーブメント12に供給するものである。
【0017】
磁性シート15,16は、磁束を遮断するものである。この磁性シート15,16は、軟磁性材料で形成されている。磁性シート15は、ケース11の側面をその外側から覆うように設けられている。また、磁性シート16は、ケース11の内面をその内側から覆うように設けられている。即ち、磁性シート15は、ムーブメント12、バッテリ13、及び、充電回路14の外周を囲うように設けられている。また、磁性シート16は、充電回路14の下面を囲うように設けられている。
【0018】
ムーブメント12、バッテリ13、及び、充電回路14は、主に、金属製部材である。このような金属製部材が受電コイル17の近傍に存在していると、後述する給電コイル40で発生した磁界の磁束によって、その金属勢以部材に渦電流が発生してしまい、このように、電子機器10は、ムーブメント12、バッテリ13、及び、充電回路14の周囲に磁性シート15,16を設けることにより、当該ムーブメント12、バッテリ13、及び、充電回路14への磁束の侵入を防止している。
【0019】
受電コイル17は、後述する充電器21の給電コイル40との間で磁界共鳴して、当該給電コイル40から電力を非接触で受けるものである。この受電コイル17は、磁性シート15の外周面に設けられている。なお、図1及び図2は、受電コイル17がケース11の外周を周回するように配置される例である。
【0020】
バンド18は、ケース11を身体に装着するためのものである。このバンド18は、例えば、金属材料又は樹脂材料で形成されている。
【0021】
これに対して、図1に示すように、充電器21は、給電コイル40を有している。この給電コイル20は、上述したように、受電コイル17との間で磁界共鳴して、当該受電コイル17に対して電力を非接触で供給するものである。
【0022】
給電コイル40は、充電器21の内部に内蔵されており、当該充電器21の上面の下部において、広範囲に亘って配置されている。なお、充電器21の上面は、電子機器10を充電する際に、当該電子機器10が載置される面である。
【0023】
給電コイル40は、例えば、1つの巻き線41から構成されている。巻き線41は、複数の直線部41aを有している。このように、給電コイル40は、巻き線41が複数の直線部41aを有することにより、電子機器10の受電コイル17と上下方向において容易に重なり合うことができる。
【0024】
従って、非接触式充電システムにおいては、充電器21の給電コイル40に電力が供給されると、強力な磁界が給電コイル40において発生する。このとき、電子機器10が充電器21の上面に近づくと、その受電コイル17が給電コイル40において発生した磁界に晒されることになり、給電コイル40と受電コイル17とが磁界共鳴する。このため、充電器21の給電コイル40に供給された電力は、磁界の共鳴によって、受電コイル17に向けて非接触で送られる。そして、受電コイル17に電力が供給されると、その電力は、充電回路14を介してバッテリ13に送られ、当該バッテリ13が充電される。
【0025】
また、電子機器10は、ケース11の側面に受電コイル17を設けているため、充電器21の上面に対して横置きされた状態で、給電コイル40と受電コイル17とを上下方向において磁界共振結合させることができる。このため、電子機器10は、充電器21の上面に対して横置きされた状態で、バッテリ13を充電させることができる。なお、図1Aに示すように、電子機器10の横置き状態とは、ケース11の側面に設けられた受電コイル17が充電器21の上面に当接した状態のことである。また、図1Aに示した巻き線41の断面は、図1Bの断面I-I矢視の方向から見たものである。
【0026】
更に、電子機器10は、ケース11の側面に設けた受電コイル17を充電器21の上面に当接させることにより、充電可能となるため、バンド18の形状及び材質に関わらず、バッテリ13を充電することができる。
【0027】
以上、実施の形態1に係る電子機器10は、バッテリ13を収納するケース11と、ケース11の側面を覆う磁性シート15と、磁性シート15の外面に設けられ、充電器21の給電コイル40との間で磁界共鳴して、当該給電コイル40から電力を非接触で受ける受電コイル17と、ケース11内に収納され、受電コイル17で受けた電力をバッテリ13に供給する充電回路14とを備える。このため、電子機器10は、横置き状態で、充電することができる。
【0028】
また、実施の形態1に係る非接触式充電システムは、電子機器10と、給電コイル40を有する充電器21とを備える。その給電コイル40の巻き線41は、複数の直線部41aを有する。このため、非接触式充電システムにおいては、電子機器10が充電器21の上面に対してどこの位置で横置き状態になっても、電子機器10の受電コイル17と、充電器21の給電コイル40とは、上下方向において、重なり合うことができる。この結果、非接触式充電システムは、電子機器10を横置き状態で容易に充電させることができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態2に係る非接触式充電システムについて、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態2に係る非接触式充電システムに適用される充電器22の構成を示す図である。
【0030】
図3に示すように、実施の形態2に係る非接触式充電システムは、実施の形態1に係る充電器21に替えて、充電器22を備えている。
【0031】
充電器22は、給電コイル50を備えている。この給電コイル50は、1つ以上の巻き線51から構成されている。なお、図3は、給電コイル50が4つの巻き線51から構成される例である。各巻き線51は、互いに直交するように配置されている。
【0032】
具体的には、各巻き線51は、2つの直線部51a,51bをそれぞれ有している。各巻き線51は、自身が有する2つの直線部51a,51b同士が直交するように配置されている。更に、各巻き線51は、自身の一方の直線部51aと、他の巻き線51における他方の直線部51bとが直交するように配置されている。
【0033】
このように、給電コイル50は、複数の巻き線51を有し、各巻き線51は、互いに直交するように配置されている。このため、電子機器10が充電器22の上面に横置きされて、その横置き方向がどの方向であっても、受電コイル17が、一方の直線部51a及び他方の直線部51bのうち、当該受電コイル17との間の交差角度が小さい方の直線部とより強く磁界共振する。この結果、電子機器10は、横置き方向に関わらず、横置き状態で、充電することができる。
【0034】
以上、実施の形態2に係る非接触式充電システムは、電子機器10と、給電コイル50を有する充電器22とを備える。その給電コイル50は、1つ以上の巻き線51を有し、各巻き線51は、互いに直交する。このため、非接触式充電システムは、電子機器10を、横置き方向に関わらず、横置き状態で、充電することができる。
【0035】
実施の形態3.
実施の形態3に係る非接触式充電システムについて、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態3に係る非接触式充電システムに適用される充電器23の構成を示す図である。具体的には、図4Aは、充電器23の構成を示す平面図である。図4Bは、図4AのIV-IV 矢視断面図である。
【0036】
図4に示すように、実施の形態3に係る非接触式充電システムは、実施の形態1に係る充電器21に替えて、充電器23を備えている。
【0037】
充電器23は、給電コイル60を備えている。この給電コイル60は、巻き線61,62及び磁性シート63から構成されている。巻き線61,62は、互いに直交するように配置されている。なお、巻き線61は、第1巻き線を構成し、巻き線62は、第2巻き線を構成するものである。
【0038】
巻き線61は、1つの平面上において、渦巻き状に形成されている。巻き線62は、ソレノイド形状をなしている。この巻き線62は、巻き線61に対して、その中央孔を貫通して巻き付けられている。このとき、巻き線62は、巻き線61と共に、当該巻き線61の下方に配置される磁性シート63に対しても、巻き付けられる。
【0039】
このように、給電コイル60は、巻き線61,62を有し、この巻き線61,62は、互いに直交するように配置されている。このため、電子機器10が充電器23の上面に横置きされて、その横置き方向がどの方向であっても、受電コイル17が、巻き線61,62のうち、当該受電コイル17との間の交差角度が小さい方の巻き線とより強く磁界共振し、受電コイル17との間の交差角度が大きい方の巻き線と弱く磁界共振する。この結果、電子機器10は、横置き方向に関わらず、横置き状態で、充電することができる。
【0040】
以上、実施の形態3に係る非接触式充電システムは、電子機器10と、給電コイル60を有する充電器23とを備える。その給電コイル60は、渦巻き状に形成される巻き線61と、巻き線61と直交するソレノイド形状をなす巻き線62とを有する。このため、非接触式充電システムは、電子機器10を、横置き方向に関わらず、横置き状態で、充電することができる。
【0041】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、或いは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、若しくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 電子機器、11 ケース、12 ムーブメント、13 バッテリ、14 充電回路、15,16,63 磁性シート、17 受電コイル、18 バンド、21~23 充電器、40,50,60 給電コイル、41,51,61,62 巻き線、41a,51a,51b 直線部、63 磁性シート。
図1
図2
図3
図4