(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026179
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/37 20200101AFI20220203BHJP
D06F 34/22 20200101ALI20220203BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F34/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129523
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】大槻 太郎
(72)【発明者】
【氏名】荒井 英行
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA15
3B167AB04
3B167AE01
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA12
3B167BA69
3B167BA82
3B167FB01
3B167FB05
3B167HA13
3B167HA34
3B167HA53
3B167HA54
3B167HA56
3B167JA62
3B167JC22
3B167JC23
3B167KA23
3B167KB01
3B167KB02
3B167LA07
3B167LA23
3B167LB03
3B167LC25
3B167LD03
3B167LE05
3B167LG08
(57)【要約】
【課題】一対の電極端子を用いて、これら電極端子の電蝕を抑制しつつ、タンク内の液剤の残量を検出でき得る洗濯機を提供する。
【解決手段】全自動洗濯機は、筐体内に配置され、洗濯物の洗濯が行われる洗濯脱水槽と、液体の洗剤が貯められる洗剤タンク400と、洗剤タンク400内の洗剤を洗濯脱水槽内に投入するための給水ユニットと、洗剤タンク400内に配置された一対の電極端子421,422と、一対の電極端子421,422間に生じる抵抗値の変化に基づいて、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低いか否かを判定する制御部と、表示部と、を備える。制御部は、所定の検出タイミングが到来したことに基づいて、所定時間、一対の電極端子421,422間ヘの通電を行い、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低いことを含む補充条件の成立に基づいて、表示部に、洗剤の補充が必要であることを示す報知を行わせる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置され、洗濯物の洗濯が行われる洗濯槽と、
洗濯用の液剤が貯められるタンクと、
前記タンク内の前記液剤を前記洗濯槽内に投入するための投入機構部と、
前記タンク内に配置された一対の電極端子と、
前記一対の電極端子間に生じる抵抗値の変化に基づいて、前記タンク内の液位が所定液位より低いか否かを判定する制御部と、
報知部と、を備え、
前記制御部は、
所定の検出タイミングが到来したことに基づいて、所定時間、前記一対の電極端子間ヘの通電を行い、
前記タンク内の液位が前記所定液位より低いことを含む補充条件の成立に基づいて、前記報知部に、前記液剤の補充が必要であることを示す報知を行わせる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記検出タイミングは、前記洗濯機に電源が投入されたタイミング、前記液剤の残量を確認するための操作が行われたタイミングおよび洗濯運転が終了したタイミングのうち、少なくとも1つのタイミングを含む、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗濯機において、
前記制御部は、前記タンク内の液位が前記所定液位より低くなったことに基づいて、洗濯運転毎の前記液剤の使用量または洗濯運転の運転回数の積算を開始し、
前記タンク内の液位が前記所定液位より低く、かつ前記使用量または前記運転回数の積算値が所定の閾値を超えた場合に、前記補充条件が成立する、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項1または2に記載の洗濯機において、
前記タンク内の前記液剤は、液体の洗剤を含み、
前記投入機構部により投入された前記洗剤が含まれた水が溜められる貯水槽を有し、当該貯水槽内の水に浸漬された洗濯物に超音波発生体が発生した超音波を作用させて洗濯物を洗浄する超音波洗浄装置を、さらに備え、
前記検出タイミングは、洗濯運転が終了したタイミングと前記超音波洗浄装置による洗浄運転が終了したタイミングとを含む、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯機において、
前記制御部は、前記タンク内の液位が前記所定液位より低くなったことに基づいて、洗濯運転毎および洗浄運転毎の前記洗剤の使用量または洗濯運転および洗浄運転の運転回数の積算を開始し、
前記タンク内の液位が前記所定液位より低く、かつ前記使用量または前記運転回数の積算値が所定の閾値を超えた場合に、前記補充条件が成立する、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯兼脱水槽内に液体の洗剤を自動投入できる洗濯機が、たとえば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の洗濯機は、外郭カバー内に設けられ、液体の洗剤が収容される洗剤タンクを備える。洗剤タンクは、洗剤を補給する補給口が洗剤タンク蓋により閉じられることにより内部が密閉されるとともに、空気流入口と液体排出口とを有している。空気流入口には、空気ポンプが繋がる。空気ポンプが動作すると、密閉された洗剤タンク内の空気圧が高まり、洗剤タンク内の洗剤が液体排出口から押し出され、洗濯兼脱水槽内に投入される。ユーザは、洗濯運転の都度、1回分の洗剤を洗濯機に投入せずに済み、便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗剤タンク内の洗剤の残量が少なくなったときには、洗剤タンク内に洗剤を補充する必要がある。そこで、洗剤タンク内の液位を検出することにより、洗剤タンク内の洗剤の残量が少なくなったタイミングで、洗剤の補充が必要である旨を報知するような構成を採ることが考えられる。
【0006】
このような場合に、洗剤タンク内の残液量が少なくなったことを検出するための構成として、一対の電極端子を洗剤タンク内に配置し、一対の電極端子間へ通電を行って、その導通状態を検出するような構成を採ることができる。洗剤タンク内の残液量が少なくなって一対の電極端子の間に洗剤が介在しなくなると、一対の電極端子が洗剤による通電状態でなくなる。
【0007】
しかしながら、上記の構成において、液中に浸漬した一対の電極端子間へ通電が行われる場合には、一対の電極端子の電蝕が懸念される。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、一対の電極端子を用いて、これら電極端子の電蝕を抑制しつつ、タンク内の液剤の残量を検出でき得る洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主たる態様に係る洗濯機は、筐体内に配置され、洗濯物の洗濯が行われる洗濯槽と、洗濯用の液剤が貯められるタンクと、前記タンク内の前記液剤を前記洗濯槽内に投入するための投入機構部と、前記タンク内に配置された一対の電極端子と、前記一対の電極端子間に生じる抵抗値の変化に基づいて、前記タンク内の液位が所定液位より低いか否かを判定する制御部と、報知部と、を備える。ここで、前記制御部は、所定の検出タイミングが到来したことに基づいて、所定時間、前記一対の電極端子間ヘの通電を行い、前記タンク内の液位が前記所定液位より低いことを含む補充条件の成立に基づいて、前記報知部に、前記液剤の補充が必要であることを示す報知を行わせる。
【0010】
上記の構成によれば、一対の電極端子を用いて、タンク内の液剤の残量が検出され、残量が少なくなった場合に、液剤の補充が必要であることがユーザに知らされる。これにより、ユーザは、タンク内の液剤が少なくなったときに液剤を補充できる。
【0011】
しかも、一対の電極端子間ヘの通電は、予め決められた検出タイミングが到来したことに基づいて所定時間だけ行われるので、長い時間、一対の電極端子間に通電が行われることを回避でき、一対の電極端子の電蝕を抑制できる。
【0012】
本態様に係る洗濯機において、前記検出タイミングは、前記洗濯機に電源が投入されたタイミング、前記液剤の残量を確認するための操作が行われたタイミングおよび洗濯運転が終了したタイミングのうち、少なくとも1つのタイミングを含み得る。
【0013】
上記の構成によれば、洗濯機に電源が投入されたタイミング、液剤の残量を確認するための操作が行われたタイミングおよび洗濯運転が終了したタイミングに報知部による報知が行われた場合、ユーザは、洗濯機の近くに存在しやすいため、その報知に気づきやすい。よって、このようなタイミングの少なくとも何れかにおいて一対の電極端子間への通電を行うことにより、効果的で無駄のない通電を行うことができ、通電時間を短くできて一対の電極端子への電蝕の発生を抑制できる。
【0014】
本態様に係る洗濯機において、前記制御部は、前記タンク内の液位が前記所定液位より低くなったことに基づいて、洗濯運転毎の前記液剤の使用量または洗濯運転の運転回数の積算を開始するような構成とされ得る。この場合、前記タンク内の液位が前記所定液位より低く、かつ前記使用量または前記運転回数の積算値が所定の閾値を超えた場合に、前記補充条件が成立する。
【0015】
上記の構成によれば、液剤の残量が、タンク内の液位が所定液位より低くなったときの残量よりも少なくなったタイミングで、報知部による報知が行われるので、液剤の補充間隔を長くすることができ、ユーザの手間を減らすことができる。
【0016】
本態様に係る洗濯機において、前記タンク内の前記液剤は、液体の洗剤を含み得る。そして、洗濯機は、前記投入機構部により投入された前記洗剤が含まれた水が溜められる貯水槽を有し、当該貯水槽内の水に浸漬された洗濯物に超音波発生体が発生した超音波を作用させて洗濯物を洗浄する超音波洗浄装置を、さらに備え得る。この場合、前記検出タイミングは、洗濯運転が終了したタイミングと前記超音波洗浄装置による洗浄運転が終了したタイミングとを含む。
【0017】
上記の構成によれば、超音波洗浄装置による洗浄運転を行うことにより、洗濯に先立って、洗濯物の部分的な汚れ等を落とすことができる。さらに、洗濯運転が終了したタイミングと超音波洗浄装置による洗浄運転が終了したタイミングに報知部による報知が行われた場合、ユーザは、洗濯機の近くに存在しやすいため、その報知に気づきやすい。よって、超音波洗浄装置が備えられた場合に、このようなタイミングで一対の電極端子間への通電を行うことにより、効果的で無駄のない通電を行うことができ、通電時間を短くできて一対の電極端子への電蝕の発生を抑制できる。
【0018】
上記の構成とされた場合、さらに、前記制御部は、前記タンク内の液位が前記所定液位より低くなったことに基づいて、洗濯運転毎および洗浄運転毎の前記洗剤の使用量または洗濯運転および洗浄運転の運転回数の積算を開始するような構成とされ得る。この場合、前記タンク内の液位が前記所定液位より低く、かつ前記使用量または前記運転回数の積算値が所定の閾値を超えた場合に、前記補充条件が成立する。
【0019】
このような構成とされれば、液剤の残量が、タンク内の液位が所定液位より低くなったときの残量よりも少なくなったタイミングで、報知部による報知が行われるので、液剤の補充間隔を長くすることができ、ユーザの手間を減らすことができる。しかも、洗濯運転の洗剤の使用量または運転回数だけでなく、超音波洗浄装置による洗浄運転の洗剤の使用量または運転回数も積算されるので、洗剤の使用量または運転回数を精度よく取得できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、一対の電極端子を用いて、これら電極端子の電蝕を抑制しつつ、タンク内の液剤の残量を検出でき得る洗濯機を提供できる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の側面断面図である。
【
図2】
図2(a)は、実施の形態に係る、超音波洗浄部と貯水部が収納部に収納された状態の超音波洗浄装置および上面板の斜視図である。
図2(b)および(c)は、実施の形態に係る、超音波洗浄部と貯水部が収納部から引き出された状態の超音波洗浄装置および上面板の要部の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る、貯水部が本体部から離脱した状態の超音波洗浄装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る、超音波洗浄部および本体部の側面断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る、給水装置の構成を模式的に示す図である。
【
図6】
図6(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、洗剤タンクの平面図および底面図であり、
図6(c)は、
図6(a)のA-A´断面図である。
【
図7】
図7(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、柔軟剤タンクの平面図および底面図であり、
図7(c)は、
図7(a)のB-B´断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る、液剤補充報知機能のための制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、液剤補充報知機能のための制御処理に含まれる第1補充報知処理および第2補充報知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
【0025】
図1を参照して、全自動洗濯機1は、外郭を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物の投入口14が形成される。投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。上面板12の前部には、内部に制御ユニット16が配置される。制御ユニット16は、全自動洗濯機1による洗濯運転および超音波洗浄装置50による洗浄運転を制御する。
【0026】
筐体10内には、上面が開口する外槽20が、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20内には、上面が開口する洗濯脱水槽22が配される。洗濯脱水槽22は、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する。洗濯脱水槽22の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔22aが形成される。洗濯脱水槽22の上部には、バランスリング23が設けられる。洗濯脱水槽22の底部には、パルセータ24が配される。パルセータ24の表面には、放射状に複数の羽根24aが設けられる。なお、洗濯脱水槽22は、本発明の「洗濯槽」に相当する。
【0027】
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽22およびパルセータ24を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構32aを有し、当該クラッチ機構32aによる切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24のみに伝達してパルセータ24のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24および洗濯脱水槽22に伝達してパルセータ24および洗濯脱水槽22を一体的に回転させる。
【0028】
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽22および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
【0029】
外槽20の上部には、溢水口20bが形成される。外槽20内に所定の溢水水位以上の水が溜められると、溢水口20bから水が排出される。外槽20の外面には、溢水口20bを覆うように溢水受け部25が設けられる。溢水受け部25の底部には、溢水パイプ26の一端が接続される。溢水パイプ26の他端は、排水ホース41に接続される。溢水口20bから排出された水は、溢水受け部25により受けられた後、溢水パイプ26を通って排水ホース41へ流れる。
【0030】
上面板12の後部のほぼ中央には、超音波洗浄装置50が配置される。超音波洗浄装置50では、主に、被洗浄物に部分的に付着した汚れを、全自動洗濯機1での洗濯に先立って除去するための洗浄運転が行われる。
【0031】
上面板12の後部には、超音波洗浄装置50の後方に貯留タンク60が配置され、超音波洗浄装置50の下方に排水受け部70が配置される。貯留タンク60には、超音波洗浄装置50の貯水槽210に供給される洗剤を含む水が、洗浄水として溜められる。貯留タンク60には、タンク内からの洗浄水の流出口を開閉する供給バルブ61が設けられる。
【0032】
排水受け部70は、貯水槽210から排出された水を受ける。排水受け部70には、受けた水が排出される排出孔71が形成される。排出孔71には、排水パイプ72の一端が接続される。排水パイプ72の他端は、溢水パイプ26の上部に接続される。排水受け部70が受けた水は、排水パイプ72および溢水パイプ26を通じて排水ホース41に排出される。
【0033】
上面板12の後部には、超音波洗浄装置50を取り囲むようにして、給水装置80が配置される。給水装置80は、水道栓に繋がり、洗濯脱水槽22内へ給水を行う機能を有する。また、給水装置80は、液体の洗剤および柔軟剤を洗濯脱水槽22内に自動投入する自動投入装置としても機能する。さらに、給水装置80は、貯留タンク60に洗浄水を供給する機能も備える。なお、洗剤および柔軟剤は洗濯に用いられる液剤であり、以降、洗剤と柔軟剤とをまとめて、「液剤」と称する場合がある。
【0034】
図2(a)は、超音波洗浄部100と貯水部200が収納部17に収納された状態の超音波洗浄装置50および上面板12の斜視図である。
図2(b)および(c)は、超音波洗浄部100と貯水部200が収納部17から引き出された状態の超音波洗浄装置50および上面板12の要部の斜視図である。
図2(c)では、収納部17の内部が見えるよう、カバー17bの図示が省略されている。
【0035】
上面板12には、後部の中央部に、超音波洗浄装置50が収納される収納部17が設けられる。上面板12は、収納部17の前方が出入口17aとして開口する。出入口17aにはカバー17bが設けられる。
【0036】
超音波洗浄装置50は、超音波洗浄部100と、貯水部200と、本体部300とを備える。超音波洗浄部100は、超音波を発生させる超音波発生体を有する。貯水部200には、超音波発生体の下方に位置し、洗浄水が溜められる貯水槽210が設けられる。貯水槽210には、貯留タンク60の供給バルブ61に繋がる供給ノズル62から洗浄水が供給される。
【0037】
図2(a)に示すように、洗浄運転が行われるとき、超音波洗浄装置50は収納部17から前方に引き出されて上面板12の投入口14の内側に張り出す。一方、
図2(b)および(c)に示すように、洗浄運転が行われないとき、超音波洗浄装置50は収納部17に収納される。出入口17aがカバー17bにより閉じられる。
【0038】
図2(a)に示すように、上面板12には、投入口14の左後方に漏斗状の洗剤注ぎ口18が形成され、投入口14の右後方に漏斗状の柔軟剤注ぎ口19が形成される。洗剤注ぎ口18の中央部に形成された開口18aが、後述する洗剤タンク400の投入口に繋がる。開口18aを通じて投入口にフィルタ410が装着される。また、柔軟剤注ぎ口19の中央部に形成された開口19aが、後述する柔軟剤タンク500の投入口に繋がる。開口19aを通じて投入口にフィルタ510が装着される。洗剤注ぎ口18を通じて洗剤タンク400内に液体の洗剤が投入され、柔軟剤注ぎ口19を通じて柔軟剤タンク500内に液体の柔軟剤が投入される。
【0039】
図3は、貯水部200が本体部300から離脱した状態の超音波洗浄装置50の斜視図である。
図4は、超音波洗浄部100および本体部300の側面断面図である。
【0040】
超音波洗浄装置50は、超音波洗浄部100が本体部300に保持され、貯水部200が本体部300に離脱可能に装着される。
【0041】
超音波洗浄部100は、超音波発生体110と、ハウジング120とを備える。超音波発生体110は、超音波振動子111と、超音波振動子111に結合される振動ホーン112とを含む。超音波発生体110は、超音波振動子111の高周波振動により、振動ホーン112の先端から超音波を発生させる。ハウジング120は、前後方向に長く、その先端部121が下方に屈曲するようなアーム形状を有する。ハウジング120内の前部に超音波発生体110が配置される。振動ホーン112の先端部がハウジング120の開口部122から露出する。ハウジング120の後部123が、本体部300の上部に固定される。
【0042】
貯水部200には、前面に取っ手201が形成される。また、貯水部200には、貯水部200の形状に沿った形状を有する貯水槽210が形成される。貯水槽210には、後面の下部に排水口211が形成される。排水口211は、弁体220により閉塞される。弁体220には、弁可動部材230が連結される。弁可動部材230は、後部231が貯水部200よりも後方に張り出す。弁可動部材230は、図示しないスプリングにより、弁体220が閉じる後方向に付勢される。
【0043】
超音波洗浄装置50が収納部17から引き出されているとき、弁体220により排水口211が閉鎖された状態となる。超音波洗浄装置50が収納部17に収納されると、弁可動部材230が、排水受け部70の後壁に当接して前方へ移動する。これにより、弁体220が前方へ移動し、排水口211が開放される。排水口211が開放されると、貯水槽210内の洗浄水が排水受け部70へ排出される。
【0044】
図5は、給水装置80の構成を模式的に示す図である。
図6(a)および(b)は、それぞれ、洗剤タンク400の平面図および底面図であり、
図6(c)は、
図6(a)のA-A´断面図である。
図7(a)および(b)は、それぞれ、柔軟剤タンク500の平面図および底面図であり、
図7(c)は、
図7(a)のB-B´断面図である。
【0045】
図5に示すように、給水装置80は、洗剤タンク400と、柔軟剤タンク500と、給水ユニット600とを備える。
【0046】
洗剤タンク400には、液体の洗剤が貯められる。柔軟剤タンク500には、液体の柔軟剤が貯められる。給水ユニット600は、洗剤タンク400および柔軟剤タンク500から、それぞれ、洗剤および柔軟剤を取り込み、取り込んだ洗剤および柔軟剤を、洗濯脱水槽22に供給される水により洗濯脱水槽22内に流し込む。このようにして、給水ユニット600は、洗剤タンク400内の洗剤および柔軟剤タンク500内の柔軟剤を洗濯脱水槽22内に投入する。洗剤タンク400および柔軟剤タンク500は、本発明の「タンク」に相当する。また、給水ユニット600は、本発明の「投入機構部」に相当する。
【0047】
図6(a)および(b)に示すように、洗剤タンク400は、たとえば樹脂材料により形成され、前後に長い箱状を有する。洗剤タンク400の上面には、前側に、円形の投入口401が形成される。投入口401には、フィルタ410が装着される。フィルタ410は、投入口401から洗剤タンク400内へ侵入した異物を捕獲する。洗剤タンク400の底面には、前側に、下方に突き出す円形の排出部402が形成される。排出部402の周面には、後方へ延びる円筒状の排出口403が形成される。
【0048】
図6(c)に示すように、洗剤タンク400には、当該タンク内の洗剤の残量が少なくなったことを検出するために、洗剤電極ユニット420が備えられる。洗剤電極ユニット420は、一対の電極端子421,422、即ち第1電極端子421と第2電極端子422とにより構成される。
【0049】
第1電極端子421および第2電極端子422は、鋼などの導電性を有する材料により形成され、丸棒状の端子部421a,422aと、端子部421a,422aの上端部に設けられた頭部421b,422bとを含む。各端子部421a,422aの上部には、雄ネジが形成される。また、各頭部421b,422bには、第1電極端子421および第2電極端子422をドライバにより回すことができように、十字形状の溝が形成される。
【0050】
洗剤タンク400の天面部には、タンクの内部に突出する第1取付ボス404および第2取付ボス405が、左右方向に並ぶように形成される。第1取付ボス404および第2取付ボス405を通じて、第1電極端子421および第2電極端子422が、上方から洗剤タンク400の内部に挿入される。この際、雄ネジを有する各端子部421a,422aの上部が、回されながら第1取付ボス404および第2取付ボス405を通されて固定される。このようにして、第1電極端子421および第2電極端子422が、洗剤タンク400の天面部に固定される。第1電極端子421および第2電極端子422の端子部421a,422aは、洗剤タンク400の天面部から下方へ延びて、その先端が洗剤タンク400の底面部の近傍に位置する。第1電極端子421と第2電極端子422との間隔は、比較的小さく、たとえば、十数ミリ程度とされている。
【0051】
洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より高く、即ち洗剤の残量が所定量より多く、一対の電極端子421,422間に洗剤が十分に介在するとき、一対の電極端子421,422間に生じる抵抗値は相対的に小さくなり、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低く、即ち洗剤の残量が所定量より少なく、一対の電極端子421,422間に洗剤が殆どあるいは全く介在しないとき、ほぼ空気が介在することになるため、一対の電極端子421,422間に生じる抵抗値は相対的に大きくなる。よって、一対の電極端子421,422間に通電が行われたとき、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より高ければ、一対の電極端子421,422が洗剤による通電状態となるが、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低ければ、一対の電極端子421,422が洗剤による通電状態とならいない。
【0052】
図7(a)および(b)に示すように、柔軟剤タンク500は、たとえば樹脂材料により形成され、前後に長い箱状を有する。柔軟剤タンク500の上面には、前側に、円形の投入口501が形成される。投入口501には、フィルタ510が装着される。フィルタ510は、投入口501から柔軟剤タンク500内へ侵入した異物を捕獲する。柔軟剤タンク500の底面には、前側に、下方に突き出す円形の排出部502が形成される。排出部502の周面には、後方へ延びる円筒状の排出口503が形成される。
【0053】
図7(c)に示すように、柔軟剤タンク500には、当該タンク内の柔軟剤の残量が少なくなったことを検出するために、柔軟剤電極ユニット520が備えられる。柔軟剤電極ユニット520は、一対の電極端子521,522、即ち第1電極端子521と第2電極端子522とにより構成される。
【0054】
第1電極端子521および第2電極端子522の構成は、洗剤電極ユニット420の一対の電極端子421,422と同様であり、雄ネジを有する端子部521a,522aと、十字形状の溝を有する頭部521b,522bとを含む。
【0055】
柔軟剤タンク500の天面部には、洗剤タンク400と同様、第1取付ボス504および第2取付ボス505が形成される。第1電極端子521および第2電極端子522が、これら取付ボス504,505を通じて上方から柔軟剤タンク500の内部に挿入されるとともに、これら取付ボス504,505に固定される。第1電極端子521および第2電極端子522の端子部521a,522aは、柔軟剤タンク500の天面部から下方へ延びて、その先端が柔軟剤タンク500の底面部の近傍に位置する。第1電極端子521と第2電極端子522との間隔は、比較的小さく、たとえば、十数ミリ程度とされている。
【0056】
柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より高く、即ち柔軟剤の残量が所定量より多く、一対の電極端子521,522間に柔軟剤が十分に介在するとき、一対の電極端子521,522間に生じる抵抗値は相対的に小さくなり、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より低く、即ち柔軟剤の残量が所定量より少なく、一対の電極端子521,522間に柔軟剤が殆どあるいは全く介在しないとき、ほぼ空気が介在することになるため、一対の電極端子521,522間に生じる抵抗値は相対的に大きくなる。よって、一対の電極端子521,522間に通電が行われたとき、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より高ければ、一対の電極端子521,522が柔軟剤による通電状態となるが、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より低ければ、一対の電極端子521,522が柔軟剤による通電状態とならいない。
【0057】
図5を参照して、給水ユニット600は、水路部材610と、給水バルブ620と、第1三方バルブ630と、第2三方バルブ640と、第3三方バルブ650と、ポンプ660とを含む。
【0058】
水路部材610には、注水室611が設けられる。注水室611の底部には、前端部に、注水口611aが形成される。注水口611aは、洗濯脱水槽22の上方に臨む。
【0059】
水路部材610には、注水室611に繋がる第1水路612と第2水路613が形成されるとともに、第1水路612への水の流入口614と第2水路613への水の流入口615が設けられる。さらに、水路部材610には、貯留タンク60内への給水のために第1水路612から分岐する分岐水路616が形成される。分岐水路616の流出口616aが貯留タンク60の流入口に接続される。
【0060】
第1水路612には、流入口614から注水室611までの経路の途中に、上流から順に、第2三方バルブ640と、第1三方バルブ630と、ポンプ660と、第3三方バルブ650とが配置される。このため、第1水路612は、これら第2三方バルブ640、第1三方バルブ630、ポンプ660および第3三方バルブ650の位置で分断され、それぞれの位置に、上流側接続口617a,617b,617c,617dと下流側接続口618a,618b,618c,618dと有する。
【0061】
給水バルブ620は、いわゆる2連バルブであり、第1バルブ621と、第1バルブ621よりも定格流量が多い第2バルブ622とを有する。給水バルブ620の入水口623は、図示しない給水ホースを介して水道栓に接続される。第1バルブ621の出水口624が流入口614に接続され、第2バルブ622の出水口625が流入口615に接続される。
【0062】
第1三方バルブ630および第2三方バルブ640は、第1入水口631,641と、第2入水口632,642と、出水口633,643とを有し、第1入水口631,641と出水口633,643とを連通する状態と、第2入水口632,642と出水口633,643とを連通する状態とに切り替えられる。第3三方バルブ650は、入水口651と、第1出水口652と、第2出水口653とを有し、入水口651と第1出水口652とを連通する状態と、入水口651と第2出水口653を連通する状態とに切り替えられる。
【0063】
第1三方バルブ630の第1入水口631および出水口633は、それぞれ、上流側接続口617bおよび下流側接続口618bに接続される。第3三方バルブ650の入水口651、第1出水口652および第2出水口653は、それぞれ、上流側接続口617d、下流側接続口618dおよび分岐水路616の接続口616bに接続される。第2三方バルブ640の第1入水口641および出水口643は、それぞれ、上流側接続口617aおよび下流側接続口618aに接続される。
【0064】
ポンプ660は、ピストン式ポンプである。ポンプ660の吸込口661および吐出口662が、それぞれ、上流側接続口617cおよび下流側接続口618cに接続される。
【0065】
第1三方バルブ630の第2入水口632が、ゴム製の洗剤供給パイプ430を介して洗剤タンク400の排出口403に接続される。また、第2三方バルブ640の第2入水口642が、ゴム製の柔軟剤供給パイプ530を介して柔軟剤タンク500の排出口503に接続される。
【0066】
図8は、全自動洗濯機1の構成を示すブロック図である。
【0067】
全自動洗濯機1は、上述した構成に加え、操作部710および表示部720を備える。また、制御ユニット16は、制御部801、記憶部802、操作検出部803、洗剤量検出部804、柔軟剤量検出部805、表示駆動部806、モータ駆動部807、クラッチ駆動部808、6つのバルブ駆動部809~814、ポンプ駆動部815、振動子駆動部816を含む。
【0068】
操作部710および表示部720は、たとえば、上面板12の前部や上蓋15の前部に設けることができる。
【0069】
操作部710は、電源オンボタン711、電源オフボタン712、スタートボタン713、コース選択ボタン714、洗浄ボタン715、洗剤投入ボタン716、柔軟剤投入ボタン717等の各種の操作ボタンを含む。電源オンボタン711および電源オフボタン712は、それぞれ、全自動洗濯機1に電源を投入および遮断するためのボタンである。スタートボタン713は、洗濯運転および洗浄運転をスタートさせるためのボタンである。コース選択ボタン714は、洗濯運転に係る複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択するためのボタンである。洗浄ボタン715は、洗浄運転を選択するためのボタンである。洗剤投入ボタン716は、洗剤の自動投入を設定するか否か、自動投入を設定する場合は、洗剤の量を、通常、多め、少なめの何れにするかを選択するためのボタンである。柔軟剤投入ボタン717は、柔軟剤の自動投入を設定するか否か、自動投入を設定する場合は、柔軟剤の量を、通常、多め、少なめの何れの設定とするかを選択するためのボタンである。なお、電源オフボタン712が操作された場合の他、電源が投入された後に洗濯運転または洗浄運転が開始されないまま所定時間が経過した場合、および、洗濯運転終了後に所定時間が経過した場合に、全自動洗濯機1の電源が遮断される。
【0070】
表示部720は、複数のLEDおよび7セグ表示器を含み、コース選択ボタン714により選択された運転コースの表示、洗濯運転の進行度合や残り時間の表示、洗剤投入ボタン716および柔軟剤投入ボタン717による設定結果の表示、即ち「普通」、「多め」、「少なめ」および「なし」の何れかの設定表示、洗剤および柔軟剤の補充が必要であることを示す表示などを行う。表示部720は、本発明の「報知部」に相当する。
【0071】
操作検出部803は、操作部710の各種操作ボタンの中から、ユーザに操作された操作ボタンに応じた操作信号を制御部801に出力する。
【0072】
洗剤量検出部804は、洗剤電極ユニット420の一対の電極端子421,422に接続される。洗剤量検出部804は、矩形波発生回路を含み、一対の電極端子421,422に生じる抵抗値に応じたハイ電圧のパルス幅を有するパルス信号を制御部801に出力する回路構成とされている。たとえば、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より高く、一対の電極端子421,422間の抵抗値が相対的に低い状態にあるときには、ハイ電圧のパルス幅が相対的に広くなり、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低く、一対の電極端子421,422間の抵抗値が相対的に高い状態にあるときには、ハイ電圧のパルス幅が相対的に狭くなる。
【0073】
柔軟剤量検出部805は、柔軟剤電極ユニット520の一対の電極端子521,522に接続される。柔軟剤量検出部805は、矩形波発生回路を含み、一対の電極端子521,522に生じる抵抗値に応じたハイ電圧のパルス幅を有するパルス信号を制御部801に出力する回路構成とされている。たとえば、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より高く、一対の電極端子521,522間の抵抗値が相対的に低い状態にあるときには、ハイ電圧のパルス幅が相対的に広くなり、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より低く、一対の電極端子521,522間の抵抗値が相対的に高い状態にあるときには、ハイ電圧のパルス幅が相対的に狭くなる。
【0074】
なお、洗剤および柔軟剤は、その種類に応じて抵抗値が異なり得る。よって、洗剤タンク400内に貯められる洗剤の種類が変更されると、それに伴って、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より高いときの洗剤量検出部804からのパルス信号のハイ電圧のパルス幅が変化し得る。同様に、柔軟剤タンク500内に貯められる柔軟剤の種類が変更されると、それに伴って、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より高いときの柔軟剤量検出部805からのパルス信号のハイ電圧のパルス幅が変化し得る。
【0075】
表示駆動部806、モータ駆動部807、クラッチ駆動部808、6つのバルブ駆動部809~814、ポンプ駆動部815および振動子駆動部816は、それぞれ、制御部801からの制御信号に従って、表示部720、駆動モータ31、クラッチ機構32a、給水バルブ620、第1三方バルブ630、第2三方バルブ640、第3三方バルブ650、供給バルブ61、排水バルブ40、ポンプ660および超音波振動子111を駆動する。
【0076】
記憶部802は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部802には、各種運転コースの洗濯運転および超音波洗浄装置50による洗浄運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部802には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0077】
制御部801は、CPU等を含み、操作検出部803、洗剤量検出部804、柔軟剤量検出部805等からの各信号に基づいて、記憶部802に記憶されたプログラムに従い、表示駆動部806、モータ駆動部807、クラッチ駆動部808、6つのバルブ駆動部809~814、ポンプ駆動部815、振動子駆動部816等を制御する。
【0078】
全自動洗濯機1では、各種運転コースの洗濯運転を行うことができる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。
【0079】
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽22内に水が溜められた状態で、パルセータ24が右方向および左方向に回転する。パルセータ24の回転により洗濯脱水槽22内に水流が発生する。洗い工程では、発生した水流と水に含まれる洗剤とにより洗濯物が洗われる。すすぎ工程では、発生した水流により洗濯物がすすがれる。
【0080】
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽22およびパルセータ24が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽22に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
【0081】
洗剤投入ボタン716の操作に基づいて洗剤の自動投入が設定されている場合、洗い工程での給水時に、給水装置80により、洗濯脱水槽22内に洗剤が自動投入される。このとき、第3三方バルブ650は、入水口651と第1出水口652が連通する状態に切り替えられており、第1水路612が、貯留タンク60と遮断されて注水室611と繋がる状態となっている。また、第2三方バルブ640は、第1入水口641と出水口643が連通する状態に切り替えられており、第1水路612が、第2三方バルブ640の位置で繋がった状態となっている。
【0082】
まず、第1三方バルブ630が、第2入水口632と出水口633とが連通する状態に切り替えられる。これにより、洗剤が第1水路612に流入できる状態となる。ポンプ660が作動し、第1水路612内のポンプ660の上流側の空気が吸引されて上流側が負圧になる。これにより、
図5の一点鎖線に示すように、洗剤タンク400内の液体の洗剤が、洗剤供給パイプ430を介して第1水路612内に吸引される。ポンプ660の動作時間に応じた量の洗剤が第1水路612内に溜まる。
【0083】
次に、第1三方バルブ630が、第1入水口631と出水口633とが連通する状態に切り替えられる。これにより、洗剤が第1水路612に流入できない状態となる。また、第1水路612が、第1三方バルブ630の位置で繋がった状態となる。給水バルブ620の第1バルブ621が開かれ、
図5の実線矢印に示すように、水道栓からの水が第1水路612内に供給される。第1水路612内を流れる水は、第1水路612内に溜まった洗剤を押し流す。水に押し流された洗剤は、水とともに注水室611へと流れ、注水口611aから洗濯脱水槽22内へ投入される。
【0084】
さらに、給水バルブ620では、第1バルブ621が開かれると同時に第2バルブ622が開かれて、洗濯脱水槽22内への給水が行われる。
図5の破線矢印に示すように、水道栓からの水が第2水路613内に供給され、第2水路613内を流れて注水室611に至り、注水口611aから洗濯脱水槽22内に放出される。このとき、第2水路613を流れる水の流量は、第1水路612を流れる水の流量より多くなる。洗濯脱水槽22内の水位が所定の洗い水位に到達すると、第1バルブ621と第2バルブ622が閉じられて、給水が終了する。
【0085】
柔軟剤投入ボタン717の操作に基づいて柔軟剤の自動投入が設定されている場合、すすぎ工程での給水時に、給水装置80により、洗濯脱水槽22内に柔軟剤が自動投入される。このとき、洗い工程と同様、第1水路612は、注水室611と繋がった状態となっている。また、第1三方バルブ630は、第1入水口631と出水口633が連通する状態に切り替えられており、第1水路612が、第1三方バルブ630の位置で繋がった状態となっている。
【0086】
まず、第2三方バルブ640が、第2入水口642と出水口643とが連通する状態に切り替えられる。これにより、柔軟剤が第1水路612に流入できる状態となる。ポンプ660が作動し、
図5の二点鎖線に示すように、柔軟剤タンク500内の液体の柔軟剤が、柔軟剤供給パイプ530を介して第1水路612内に吸引される。ポンプ660の動作時間に応じた量の柔軟剤が第1水路612内に溜まる。
【0087】
次に、第2三方バルブ640が、第1入水口641と出水口643とが連通する状態に切り替えられる。これにより、柔軟剤が第1水路612に流入できない状態となる。また、第1水路612が、第2三方バルブ640の位置で繋がった状態となる。第1バルブ621が開かれ、
図5の実線矢印に示すように、水道栓からの水が第1水路612内に供給される。第1水路612内に溜まった柔軟剤は、第1水路612内を流れる水に押し流されて注水室611へと流れ、注水口611aから洗濯脱水槽22内へ投入される。
【0088】
さらに、洗い工程と同様、第1バルブ621と同時に第2バルブ622が開かれて、洗濯脱水槽22内への給水が行われる。
【0089】
洗い工程およびすすぎ工程での洗濯脱水槽22内の水位、即ち水量は、給水前に検出される洗濯物の負荷量に応じて決定される。そして、洗濯脱水槽22内に投入される液剤の量、即ち液剤の使用量は、水量に応じて決定される。
【0090】
たとえば、基準水量、一例として30リットルに対する液剤の量が、各種液剤の種類に対応付けられて、予め記憶部802に記憶されている。ユーザは、所定の設定操作により、洗剤タンク400および柔軟剤タンク500に収容した液剤の種類を、各種液剤の種類の中から選択し、設定する。制御部801は、設定された種類の基準水量に対する液剤の量を記憶部802から読み出し、読み出した液剤の量と負荷量に応じて決定された水量とから、当該水量に見合う液剤の量を算出し、算出された液剤の量を、今回の洗濯運転での液剤の使用量とする。洗剤投入ボタン716および柔軟剤投入ボタン717により、「多め」または「少なめ」の設定がなされている場合は、算出された液剤の量が、所定の割合だけ増加または減少されて、液剤の使用量とされる。
【0091】
洗い工程の給水時には、決定された使用量の洗剤が、ポンプ660の動作により洗剤タンク400から給水ユニット600の第1水路612に導入される。同様に、すすぎ工程の給水時には、決定された使用量の柔軟剤が、ポンプ660の動作により柔軟剤タンク500から給水ユニット600の第1水路612に導入される。
【0092】
なお、洗剤の自動投入が設定されていない場合、洗い工程での給水時、洗剤タンク400内から給水ユニット600への洗剤の導入および第1水路612へ水道水の供給は行われず、洗濯脱水槽22内への洗剤の自動投入は行われない。この場合、給水ユニット600の第2水路613による洗濯脱水槽22への給水のみが行われる。洗剤は、ユーザにより手動で洗濯脱水槽22内に投入される。同様に、柔軟剤の自動投入が設定されていない場合、すすぎ工程での給水時、柔軟剤タンク500内から給水ユニット600への柔軟剤の導入および第1水路612へ水道水の供給は行われず、洗濯脱水槽22内への柔軟剤の自動投入は行われない。この場合、給水ユニット600の第2水路613による洗濯脱水槽22への給水のみが行われる。柔軟剤は、ユーザにより手動で洗濯脱水槽22内に投入される。
【0093】
全自動洗濯機1では、超音波洗浄装置50による洗浄運転を行うことができる。
【0094】
洗浄運転の際には、貯留タンク60から貯水槽210へ洗浄水が供給された後に、洗濯物の汚れの付着部分が貯水槽210と超音波発生体110との間にセットされる。汚れの付着部分が、貯水槽210内に溜められた洗浄水で浸されるとともに、超音波発生体110の先端面に接触する。超音波発生体110が作動すると、その先端から超音波が発生する。超音波の作用によって被洗浄物から汚れが剥離する。この際、洗剤の力が加わることにより、洗浄力が高まる。
【0095】
洗浄運転での給水時には、貯水槽210へ給水が行われる前に、給水装置80により貯留タンク60内に洗浄水が供給される。このとき、供給バルブ61は、閉じられる。
【0096】
まず、第3三方バルブ650が、入水口651と第2出水口653が連通する状態に切り替えられる。これにより、第1水路612は、注水室611と遮断され、分岐水路616を介して貯留タンク60と繋がった状態となる。洗い工程と同様、第1三方バルブ630が、洗剤が第1水路612に流入できる状態に切り替えられた後、ポンプ660が作動し、洗剤タンク400内の液体の洗剤が第1水路612内に吸引され、第1水路612内に溜まる。
【0097】
次に、第1三方バルブ630が、洗剤が第1水路612に流入できず、第1水路612が第1三方バルブ630の位置で繋がる状態に切り替えられる。その後、給水バルブ620の第1バルブ621が開かれ、水道栓からの水が第1水路612内に供給される。第1水路612内に溜まった洗剤が、第1水路612内を流れる水に押し流され、洗剤が水に混合されて洗浄水となる。洗浄水は、分岐水路616を通り、貯留タンク60内に流入する。貯留タンク60内に所定量の洗浄水が溜まると、第1バルブ621が閉じられる。
【0098】
供給バルブ61が開かれ、貯留タンク60内の洗浄水が、供給ノズル62を介して貯水槽210内に供給される。その後、洗浄運転中、貯水槽210内の洗浄水が洗濯物への吸水により減少するたびに、その減少分の洗浄水が貯留タンク60から貯水槽210へ補給される。
【0099】
洗浄水に含まれて貯留タンク60内に投入される洗剤の量は、洗剤タンク400内に貯められた洗剤の種類に応じて変更される。たとえば、制御部801は、洗剤タンク400内の洗剤の種類における、基準水量に対する洗剤の量を記憶部802から読み出し、読み出した量を所定の割合だけ減少させて、投入される洗剤の量、即ち使用量とする。
【0100】
貯留タンク60内の洗浄水が貯水槽210に供給されると、貯留タンク60内の洗浄水の残量が少なくなる。この場合、給水装置80から貯留タンク60内へ再び洗浄水の供給が行われる。このときの洗剤の使用量は、たとえば、最初の給水時の使用量と同じとされる。あるいは、貯留タンク60内に洗浄水が残っている分、供給される洗浄水の量が少なくなることを考慮し、2回目の洗剤の使用量は、最初の給水時より少なくされてもよい。洗浄運転での洗剤の使用量は、最初の使用量と2回目の使用量とを合算したものとなる。
【0101】
なお、洗浄運転が開始されたときに前回の洗浄運転に使用された洗浄水が貯水槽210に残っており、貯留タンク60から貯水槽210へ洗浄水がほとんど供給されないような場合は、貯留タンク60への2回目の洗浄水の供給は行われない。
【0102】
さて、本実施の形態の全自動洗濯機1では、洗剤タンク400内や柔軟剤タンク500内の液剤の量が少なくなったときに、液剤の補充が必要であることを知らせる機能が備えられている。以下、この機能を、液剤補充報知機能と称する。
【0103】
図9は、液剤補充報知機能のための制御処理を示すフローチャートである。
図10(a)および(b)は、それぞれ、液剤補充報知機能のための制御処理に含まれる第1補充報知処理および第2補充報知処理を示すフローチャートである。
【0104】
洗剤タンク400内の洗剤と柔軟剤タンク500内の柔軟剤のそれぞれに関して、制御部801により、
図9の制御処理が並列的に繰り返し実行される。なお、超音波洗浄装置50による洗浄運転では、柔軟剤が使用されない。このため、柔軟剤タンク500内の柔軟剤に関しては、
図9のS12の洗浄運転の終了を判定する処理は行われない。
【0105】
以下、液剤補充報知機能の制御処理について、洗剤タンク400内の洗剤に関する制御処理を例にとって説明する。
【0106】
図9を参照し、制御部801は、洗濯運転が終了したか否か、洗浄運転が終了したか否か、電源オンボタン711の操作により全自動洗濯機1に電源が投入されたか否か、液剤の残量を確認するための確認操作がなされたか否かを監視する(S11,S12,S13,S14)。確認操作は、いわゆる特殊操作とすることができ、たとえば、電源オンボタン711と特定の操作ボタンとを同時に押す操作とすることができる。
【0107】
洗濯運転が終了した場合(S11:YES)、または、洗浄運転が終了した場合(S12)、制御部801は、
図10(a)に示す第1補充報知処理を実行する。
【0108】
図10(a)を参照して、制御部801は、所定時間、たとえば、2秒間、一対の電極端子421,422間に通電を行う(S101)。そして、制御部801は、通電の間に洗剤量検出部804から出力されたパルス信号のハイ電圧のパルス幅を検出し、検出したパルス幅に基づいて洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低いか否かを判定する(S102)。洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低いか否かは、検出されたパルス幅が、ユーザが設定した洗剤の種類に応じて設定された閾値より大きいか否かにより判定される。
【0109】
洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低い場合(102:YES)、制御部801は、使用量の積算値XTに、今回の洗濯運転または洗浄運転での洗剤の使用量Xを加算して、新たな使用量の積算値XTを求める(S103)。そして、制御部801は、使用量の積算値XTが閾値よりも大きいか否かを判定する(S104)。ここで、閾値は、たとえば、洗剤タンク400内の液位がほぼ所定液位L1にあるときの洗剤の量から閾値である量を差し引いたときに、洗濯運転1回分の量の洗剤が洗剤タンク400内に残るような値に設定される。
【0110】
使用量の積算値XTが閾値以下である場合(S104:NO)、制御部801は、使用量の積算値XTを記憶部802に記憶させる(S106)。このとき、使用量の積算値XTは、全自動洗濯機1の電源が遮断されても保持されるよう、記憶部802のEEPROMに記憶される。
【0111】
洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低い場合は、洗濯運転または洗浄運転が終了する度に洗剤の使用量Xが加算されるので、使用量の積算値XTが増加していく。これにより、使用量の積算値XTが閾値を超えた場合(S104:YES)、制御部801は、補充条件が成立したとして、洗剤タンク400内への洗剤の補充が必要であることを示す報知を表示部720に行わせる(S105)。たとえば、表示部720では、補充が必要であることを示す報知に割り当てられたLEDが点灯あるいは点滅する。表示部720による報知は、所定の時間、たとえば20分間行われる。表示部720による報知が終了すると、全自動洗濯機1の電源が遮断される。
【0112】
制御部801は、閾値を超えた使用量の積算値XTを記憶部802に記憶させる(S106)。
【0113】
S102において、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低くない場合(S102:NO)、制御部801は、使用量の積算値XTをゼロにする(S107)。即ち、使用量の積算値XTがゼロでなかった場合は、ゼロにリセットされ、使用量の積算値XTがゼロであった場合には、ゼロのままとなる。なお、所定液位L1より低くなった液位が、洗剤タンク400内への洗剤の補充により、所定液位L1以上になった場合に、使用量の積算値XTがゼロにリセットされる。
【0114】
制御部801は、ゼロである使用量の積算値XTを記憶部802に記憶させる(S106)。
【0115】
こうして、第1補充報知処理が終了する。
【0116】
一方、全自動洗濯機1に電源が投入された場合(S13:YES)、または、確認操作がなされた場合(S14:YES)、制御部801は、
図10(b)に示す第2補充報知処理を実行する。
【0117】
図10(b)を参照して、制御部801は、所定時間、一対の電極端子421,422間に通電を行う(S201)。そして、制御部801は、通電の間に洗剤量検出部804から出力されたパルス信号のハイ電圧のパルス幅を検出し、検出したパルス幅に基づいて洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低いか否かを判定する(S202)。
【0118】
洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低い場合(S202:YES)、制御部801は、使用量の積算値XTが閾値よりも大きいか否かを判定する(S203)。使用量の積算値XTが閾値より大きい場合(S203:YES)、制御部801は、補充条件が成立したとして、洗剤タンク400内への洗剤の補充を促す報知を表示部720に行わせる(S204)。表示部720による報知は、たとえば、全自動洗濯機1への電源が遮断されるまで行われる。但し、洗剤タンク400内に洗剤が補充され、洗濯運転終了時の第1補充報知処理において、一対の電極端子421,422への通電状態が確認された場合、報知が停止する。
【0119】
なお、第2補充報知処理において、使用量の積算値XTが閾値より大きいと判定され、表示部720による報知が行われるのは、前回の洗濯運転または洗浄運転が終了した後の第1補充報知処理において、使用量の積算値XTが閾値より大きいと判定され、表示部720による報知が行われたにもかかわらず、ユーザにより洗剤タンク400内に洗剤の補充が行われない場合となる。
【0120】
S202において、制御部801は、洗剤タンク400内の液位が所定液位L1より低くないと判定した場合(S202:NO)、使用量の積算値XTをゼロにする(S205)。そして、制御部801は、ゼロである使用量の積算値XTを記憶部802に記憶させる(S206)。
【0121】
こうして、第2補充報知処理が終了する。
【0122】
なお、柔軟剤タンク500内の柔軟剤に関する制御処理についても、洗剤タンク400内の洗剤に関する制御処理と同様である。即ち、洗濯運転が終了したタイミング、全自動洗濯機1に電源が投入されたタイミング、または、確認操作がなされたタイミングの到来に基づいて、一対の電極端子521,522間に通電が行われて、その導通状態により、柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L2より低いか否かが判定される。そして、液位が所定液位L2より低い状態において、柔軟剤の使用量の積算値XTが閾値を超えると、表示部720により報知が行われる。たとえば、表示部720において、柔軟剤の補充が必要であることを示す報知に割り当てられたLEDが点滅あるいは点灯する。
【0123】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内に配置された一対の電極端子421,422,521,522間に生じる抵抗値の変化に基づいて、それらタンク内の液位が所定液位L1,L2より低いか否かが判定され、液位が所定液位L1,L2より低いことを含む補充条件が成立したことに基づいて、液剤の補充が必要であることを示す報知が表示部720により行われる。これにより、ユーザは、洗剤タンク400内の洗剤および柔軟剤タンク500内の柔軟剤の残量が少なくなったタイミングで洗剤および柔軟剤を補充できる。
【0124】
また、本実施の形態によれば、洗濯運転が終了したタイミング、洗浄運転が終了したタイミング、全自動洗濯機1に電源が投入されたタイミングまたは確認操作がなされたタイミングの到来に基づいて、一対の電極端子421,422,521,522間に通電が行われる。これにより、ユーザが全自動洗濯機1の近くに存在しやすく、表示部720による報知に気づきやすいタイミングで一対の電極端子421,422,521,522間への通電を行うことができるので、効果的で無駄のない通電を行うことができ、通電時間を短くできて一対の電極端子421,422,521,522への電蝕の発生を抑制することができる。
【0125】
さらに、本実施の形態によれば、洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L1,L2より低くなったことに基づいて、洗濯運転毎の液剤の使用量の積算が開始され、液位が所定液位L1,L2より低く、かつ使用量の積算値XTが閾値を超えた場合に、補充条件が成立したとして、表示部720による報知が行われる。これにより、液剤の残量が、液位が所定液位L1,L2より低くなったときの残量よりも少なくなったタイミングで液剤の補充を行うことができるので、液剤の補充間隔を長くすることができ、ユーザの手間を減らすことができる。しかも、洗濯運転だけでなく超音波洗浄装置50による洗浄運転毎の洗剤の使用量も積算されるので、洗剤の使用量を精度よく取得できる。
【0126】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0127】
たとえば、上記実施の形態では、電源オンボタン711の操作により全自動洗濯機1に電源が投入されたタイミング、液剤の残量を確認するための確認操作が行われたタイミング、洗濯運転が終了したタイミングの全てのタイミングが、一対の電極端子421,422,521,522間に通電が行われる検出タイミングとされた。しかしながら、上記3つの全てのタイミングが検出タイミングとされなくてもよく、少なくとも1つのタイミングが検出タイミングとされればよい。また、上記実施の形態では、洗浄運転が終了したタイミングが検出タイミングとされたが、洗浄運転が終了したタイミングが検出タイミングとされなくてもよい。なお、洗濯運転が終了したタイミングが検出タイミングとされず、洗濯運転の終了に基づく第1補充報知処理が行われない場合、第2補充報知処理のS202において、洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L1,L2より低いと判定されたときには、使用量の積算値XTに前回の洗濯運転での洗剤の使用量Xが加算される処理と、加算後の使用量の積算値XTが記憶部802に記憶される処理とが実行される。
【0128】
また、上記実施の形態では、洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L1,L2より低くなったことに基づいて、洗剤については洗濯運転毎および洗浄運転毎の使用量の積算、柔軟剤については洗濯運転毎の使用量の積算が開始され、液位が所定液位L1,L2より低く、かつ使用量の積算値XTが閾値を超えた場合に、補充条件が成立したとして、表示部720による報知が行われた。しかしながら、使用量の積算に代えて、洗剤については洗濯運転および洗浄運転の運転回数の積算、柔軟剤については洗濯運転の積算が開始され、液位が所定液位L1,L2より低く、かつ運転回数の積算値が閾値を超えた場合に、補充条件が成立したとして、表示部720による報知が行われるようにされてもよい。この場合も、液剤の残量が、洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L1,L2より低くなったときの残量よりも少なくなったタイミングで液剤の補充を行うことができるので、液剤の補充間隔を長くすることができる。さらには、使用量および運転回数が成立条件に含まれない構成が採られてもよい。この場合、洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内の液位が所定液位L1,L2より低くなると、補充条件が成立したとして、表示部720による報知が行われる。
【0129】
さらに、上記実施の形態では、全自動洗濯機1に、超音波洗浄装置50が設けられ、超音波洗浄装置50への給水のために供給ノズル62と貯留タンク60とが設けられた。しかしながら、全自動洗濯機1は、超音波洗浄装置50、供給ノズル62および貯留タンク60が設けられない構成とされてもよい。この場合、給水装置80には、第3三方バルブ650と分岐水路616が設けられない。そして、
図9の液剤補充報知機能のための制御処理において、S12の洗浄運転の終了を判定する処理は行われない。
【0130】
さらに、一対の電極端子421,422,521,522の形状や洗剤タンク400内および柔軟剤タンク500内での配置は、上記実施の形態のものに限られず、液剤の残量が検出できれば、いかなる形状や配置であってもよい。
【0131】
さらに、上記実施の形態では、給水装置80が、洗剤タンク400と柔軟剤タンク500とを含み、洗剤と柔軟剤の双方を洗濯脱水槽22内に自動投入できる構成とされた。しかしながら、給水装置80が、洗剤タンク400および柔軟剤タンク500の何れかを含まない構成とされてもよい。
【0132】
さらに、上記実施の形態では、洗剤タンク400内の洗剤および柔軟剤タンク500内の柔軟剤を洗濯脱水槽22内に自動投入するための投入機構部として、洗剤および柔軟剤を第1水路612に取り込んで、第1水路612内を流れる水により洗濯脱水槽22内に流し込む給水ユニット600が用いられた。しかしながら、洗剤および柔軟剤を洗濯脱水槽22内に自動投入できれば、給水ユニット600と異なる構成の投入機構部が用いられてもよい。
【0133】
さらに、上記実施の形態では、洗剤量検出部804が、一対の電極端子421,422間に生じる抵抗値に応じてハイ電圧のパルス幅が変化するパルス信号を出力する回路構成とされたが、大きさの異なる電圧信号等、パルス信号とは異なる検出信号を出力する回路構成とされてもよい。同様に、柔軟剤量検出部805も、パルス信号とは異なる検出信号を出力する回路構成とされてもよい。
【0134】
さらに、上記実施の形態では、液剤の補充が必要であることを示す報知が表示部720により行われた。しかしながら、全自動洗濯機1に設けられた、図示しないスピーカから、液剤の補充が必要であることを示す音声等の音による報知が行われてもよい。
【0135】
さらに、上記実施の形態では、全自動洗濯機1が示された。しかしながら、本発明は、全自動洗濯機1以外の洗濯機、たとえば、洗濯槽として横軸型のドラムを有するドラム式洗濯機にも適用できる。また、本発明は、乾燥機能を有する全自動洗濯乾燥機およびドラム式洗濯乾燥機にも適用できる。
【0136】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 全自動洗濯機(洗濯機)
10 筐体
22 洗濯脱水槽(洗濯槽)
50 超音波洗浄装置
80 給水装置
110 超音波発生体
210 貯水槽
400 洗剤タンク(タンク)
421,422 一対の電極端子
500 柔軟剤タンク(タンク)
521,522 一対の電極端子
600 給水ユニット(投入機構部)
720 表示部(報知部)
801 制御部