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  • 特開-ドア設置用温度計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026274
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ドア設置用温度計
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20220203BHJP
   G01J 5/06 20220101ALI20220203BHJP
   G01J 5/00 20220101ALI20220203BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61B5/01 350
G01J5/10 B
G01J5/00 101Z
E06B7/28 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129657
(22)【出願日】2020-07-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り これからどうなるコロナ新生活、裏面一面広告及び45頁、株式会社大洋図書 西日本新聞(北九州版)、16頁下段広告、株式会社 西日本新聞社 スポーツニッポン新聞西部版、1頁下段広告、株式会社スポーツニッポン新聞社 ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000053564.html ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000053564.html ウェブサイトのアドレス https://pebblecorp.co.jp/zero_release/ https://product.pebblecorp.co.jp/
(71)【出願人】
【識別番号】519026135
【氏名又は名称】ペブルコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100174850
【弁理士】
【氏名又は名称】大崎 絵美
(72)【発明者】
【氏名】藤方 裕伸
(72)【発明者】
【氏名】中野 零
【テーマコード(参考)】
2G066
4C117
【Fターム(参考)】
2G066AC13
2G066BB11
2G066BB20
2G066BC11
2G066CA04
2G066CA08
2G066CA15
4C117XE48
4C117XJ13
4C117XJ46
4C117XJ47
4C117XP01
4C117XP02
4C117XP11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定に際して感染拡大の懸念がなく、簡易に発熱の有無を確認できるドア設置用温度計を提供する。
【解決手段】ドア設置用温度計(温度計1)は、外気温を検知する気温検知部、被検体の温度を非接触により検知する温度検知部と、ドアに本体を設置するための取付部16と、警報を発報する警報部(発光部、発声部)と、被検体がドアノブに腕をかけた時の被検体の額と本体とのあらかじめ設定された距離(補正用距離)及び気温検知部が検知した外気温に基づいて温度検知部が検知した被検体の額の温度を補正して推定体温を求め、推定体温が第1の閾値を超えたと判定した場合警報を発報する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気温を検知する気温検知部と、
被検体の温度を非接触により検知する温度検知部と、
ドアに本体を設置するための取付部と、
あらかじめ設定された補正用距離及び前記気温検知部が検知した前記外気温に基づいて前記温度検知部が検知した前記被検体の温度を補正して推定体温を求める制御部と、
を備えるドア設置用温度計。
【請求項2】
警報を発報する警報部をさらに備え、
前記制御部は、
前記推定体温が第1の閾値を超えたと判定した場合、前記警報部から警報を発報する請求項1に記載のドア設置用温度計。
【請求項3】
前記あらかじめ設定された補正用距離は、
前記被検体がドアノブに腕をかけた時の前記被検体の額と前記本体との距離に基づいて設定される請求項1又は請求項2に記載のドア設置用温度計。
【請求項4】
前記被検体の体格に応じたレベルごとに前記被検体がドアノブに腕をかけた時の前記被検体の額と前記本体との距離に基づいて設定される基準距離を格納するレベル距離テーブルを格納する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
選択されたレベルに基づいて前記レベル距離テーブルから前記基準距離を読み出し、補正用距離に設定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のドア設置用温度計。
【請求項5】
前記制御部は、
一定時間ごとに節電状態と起動状態とを繰り返す請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のドア設置用温度計。
【請求項6】
前記制御部は、
前記温度検知部によって検知した温度が第2の閾値以上であると判定した場合、前記被検体の温度測定をする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のドア設置用温度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア設置用温度計に関する。
【背景技術】
【0002】
重篤な症状を呈する感染症が流行することがある。例えば、昨今では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大し多くの死者が出ている。
【0003】
このような感染症は発熱を伴うことがあるが、患者自身が発熱していることに気が付かない場合もある。このような場合、本人の意思に反して他人に感染症を感染させてしまう恐れがある。
【0004】
従って、発熱しているかどうか簡易に検知できる温度計の需要が高まっている。
【0005】
この点に関し、ハンディタイプの非接触型温度計が市販されている。しかし、このタイプの温度計であっても、検温する場合には他人に測ってもらわなければならず、人手がいる。また、自分で測る場合には、温度計を触ることによって却って感染が広がってしまう懸念もある。
【0006】
このハンディタイプの温度計に対し、鏡とレーザーポインタを備える壁掛け型の温度計が提案されている(例えば特許文献1。)。
【0007】
しかし、このタイプの温度計は、検温に適した位置に顔を合わせるのが難しく、測定誤差が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5090483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、測定に際して感染拡大の懸念がなく、簡易に発熱の有無を確認できるドア設置用温度計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、外気温を検知する気温検知部と、被検体の温度を非接触により検知する温度検知部と、ドアに本体を設置するための取付部と、あらかじめ設定された補正用距離及び前記気温検知部が検知した前記外気温に基づいて前記温度検知部が検知した前記被検体の額の温度を補正して推定体温を求める制御部と、を備えるドア設置用温度計を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、測定に際して感染拡大の懸念がなく、簡易に発熱の有無を確認できるドア設置用温度計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ドア設置用温度計の外観斜視図である。
図2】ドア設置用温度計の構成を示すブロック図である。
図3】レベル距離テーブルのデータ構成を示す図である。
図4】ドア設置用温度計をドアに設置した様子を示す図である。
図5】平均的な体格の被検体の温度測定位置を示す図である。
図6】小柄な体格の被検体の温度測定の位置を示す図である。
図7】ドア設置用温度計の制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るドア設置用温度計を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のドア設置用温度計(以下、温度計1という。)の外観斜視図である。図1に示すように、温度計1は、通気口11と、温度センサ12と、LEDライト13と、スイッチ14と、給電端子15と、取付部16と、を備える。
【0015】
通気口11は、温度計1の本体の上端部に設けられ、外気を本体の内部に供給する。通気口11の近傍には気温検知部103が配置される。
【0016】
温度センサ12は、温度計1の本体の前面部に配置され、温度計1の前に位置する測定対象物である被検体の温度を非接触にて検知する。温度センサ12は、例えばサーマルセンサを用いることが、測定精度が高いという点において望ましい。
【0017】
サーマルセンサは、物体から放出される赤外線を吸収して温度が上昇すると、その温度に応じた電気信号を生じる検出素子(熱電対)を複数個アレイ状に配列したセンサである。
【0018】
LEDライト13は、温度計1の本体の前面部に配置され、フルカラーのLED(Light emitting diode)を複数個含む。
【0019】
スイッチ14は、温度計1の本体の側面部に配置され、電源のON-OFFを切り替える。
【0020】
給電端子15は、温度計1の本体の側面部に配置され、外部電源からの給電を行う。給電端子15は、USB(Universal Serial Bus)を用いることができる。
【0021】
取付部16は、温度計1の本体の背面部に配置され、温度計1をドアに設置する。取付部16は、例えば永久磁石、両面テープなどを用いることができる。
【0022】
図2は、温度計1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、温度計1は制御部101と、記憶部102と、気温検知部103と、温度検知部104と、発光部105と、発声部106と、を備える。
【0023】
制御部101は、CPU(central processing unit)やマイクロコンピュータなどの演算装置を含む。
【0024】
記憶部102は、メモリなどの記憶装置を含む。記憶装置はマイクロコンピュータの記憶エリアを使用してもよい。
【0025】
記憶部102は、制御プログラムとレベル距離テーブル102Aを記憶する。制御部101は制御プログラムを記憶部102から順次読みだして実行する。
【0026】
レベル距離テーブル102Aは、被検体の腕の長さを数段階にレベル分けしたレベルごとに、温度補正に用いられる基準距離を格納する。
【0027】
気温検知部103は、温度計1の本体周辺の外気温を検知する温度センサを含む。気温検知部103は検知した外気温を制御部101に出力する。
【0028】
温度検知部104は、温度センサ12を含む。温度検知部104は、温度センサ12によって被検体の温度、より望ましくは被検体の額の温度を非接触に検知し、検知した被検体の温度を制御部101に出力する。
【0029】
発光部105は、LEDライト13を含む。発光部105は制御部101からの信号に応じてLEDライト13を指定された色によって光らせる。
【0030】
発声部106は、ブザーやスピーカなどの音を発生させる部材を含む。発声部106は制御部101からの信号に応じて音を発生させる。
【0031】
図3は、レベル距離テーブル102Aのデータ構成を示す図である。図3に示すように、レベル距離テーブル102Aは、被検体の腕の長さを数段階にレベル分けしたレベルごとに、温度補正に用いられる基準距離を格納する。
【0032】
レベルは、例えば欧米人やスポーツ選手などの大柄の被検体の腕の長さに合わせた「長」、平均的な体格の被検体の腕の長さに合わせた「中」、幼児などの小柄な体格の被検体の腕の長さに合わせた「短」の3レベルを用いることができる。
【0033】
基準距離は、レベルごとに、温度計1をドア20に設置した場合の温度計1と被検体の額との距離に基づいて設定され格納する。
【0034】
図4は、温度計1をドア20に設置した様子を示す図である。図5は、平均的な体格の被検体の温度測定位置を示す図である。図6は、小柄な体格の被検体の温度測定の位置を示す図である。
【0035】
図4から図6に示すように、温度計1はドア20の平面部分の被検体の額の高さに合わせて設置される。大柄な被検体を多く測定する場合には、平均的な被検体を多く測定する場合よりもより高い位置に、小柄な被検体を多く測定する場合には、より低い位置に温度計1を設置する。
【0036】
平均的な体格の被検体31の場合、腕の長さL1も一定の長さの範囲に収まる。従って、被検体31がドアノブ21を掴んだ時の温度計1と被検体31の額との距離D1は、被検体の腕の長さL1に対応して一定の長さの範囲に収まる。
【0037】
小柄な体格の被検体32の場合、腕の長さL2は長さL1よりも短い一定の長さの範囲に収まる。従って、被検体32がドアノブ21を掴んだ時の温度計1と被検体32の額との距離D2は、被検体の腕の長さL2に対応して一定の長さの範囲に収まる。
【0038】
この各長さの中央値又は平均値をレベル距離テーブル102Aの基準距離に格納する。
【0039】
図7は、温度計1の制御部101の動作を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップ701において、制御部101は距離を設定する。制御部101は温度計1の本体に別途設けられるレベル選択部107であるレベルスイッチによって選択されたレベルに基づいてレベル距離テーブル102Aから基準距離を読み出し、読みだした基準距離を、温度検知部104が検知した温度を補正するための補正用距離として設定する。
【0040】
ステップ702において、制御部101は、制御部101を節電状態であるスリープ状態から起動状態に移行させる。また、制御部101は、発光部105を正常動作中であることを示す発光パターン、例えば一定間隔ごとに青色により発光させる。
【0041】
ステップ703において、制御部101は、温度検知部104によって温度測定を行う。
【0042】
ステップ704において、制御部101は温度計1の前に人がいるか否かを判定する。制御部101は、温度検知部104の検知温度が第2の閾値以上、例えば35℃以上である場合、人を検知したと判定して(ステップ704のY)ステップ705に進む。制御部101は、温度検知部104の検知温度が第2の閾値未満の場合、人を検知していないと判定して(ステップ705のN)ステップ710に進む。
【0043】
ステップ705において、制御部101は、温度検知部104によって温度測定を行う。
【0044】
ステップ706において、制御部101は、気温検知部103によって外気温の測定を行う。
【0045】
ステップ707において、制御部101は、温度補正を行う。被検体の額の温度は外気温によって被検体の内部体温より上下する。また、被検体の額から放射される赤外線の強さは、距離に応じて減衰する。
【0046】
従って、制御部101は、気温検知部103によって検知された外気温と、設定されたレベルに対応する距離(補正用距離)に基づいて、予め定められた数式又は換算表によって温度検知部104が検知した被検体の額の温度を補正して推定体温を算出する。
【0047】
ステップ708において、制御部101は、推定体温が第1の閾値を超えているか判定する。第1の閾値は、例えば37.5℃など、感染症に罹患したと疑われる体温に設定できる。制御部101は、推定体温が第1の閾値を超えていると判定した場合(ステップ708のY)ステップ709に進み、推定体温が第1の閾値以下であると判定した場合(ステップ708のN)、発光部105をその旨を示す発光パターン、例えば一定時間の間青色により発光させ、ステップ702に戻る。
【0048】
ステップ709において、制御部101は警報を発報する。制御部101は、警報として、発光部105を推定体温が第1の閾値を超えたことを示す発光パターン、例えば赤色により連続して発行させ、発声部106から警告音を発生させる。
【0049】
ステップ710において、制御部101は、所定時間経過したか判定する。制御部101は、所定時間経過したと判定した場合(ステップ710のY)ステップ711に進み、所定時間経過していないと判定した場合(ステップ710のN)ステップ703に戻る。
【0050】
ステップ711において、制御部101は節電状態であるスリープ状態に移行する。
【0051】
ステップ712において、制御部101は、所定時間経過したか判定する。制御部101は、所定時間経過したと判定した場合(ステップ712のY)ステップ702に戻り、所定時間経過していないと判定した場合(ステップ712のN)ステップ712に戻る。
【0052】
つまり、制御部101はスリープ状態と起動状態とを繰り返しながら節電する。
【0053】
以上述べたように、本実施形態の温度計1は、外気温を検知する気温検知部103と、被検体の温度を非接触により検知する温度検知部104と、ドアに本体を設置するための取付部16と、警報を発報する警報部(発光部105、発声部106)と、被検体がドアノブに腕をかけた時の被検体の額と本体とのあらかじめ設定された距離(補正用距離)及び気温検知部103が検知した外気温に基づいて温度検知部104が検知した被検体の額の温度を補正して推定体温を求め、推定体温が第1の閾値を超えたと判定した場合警報を発報する制御部と、を備える。
【0054】
従って、本実施形態によれば、測定に際して感染拡大の懸念がなく、簡易に発熱の有無を確認できるドア設置用温度計を提供することができるという効果がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7