(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026337
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】洗浄液交換予測装置、洗浄液交換予測システム、洗浄液予測方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 33/00 20060101AFI20220203BHJP
B08B 3/08 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G01N33/00 B
B08B3/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020129744
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】牛山 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】黒飛 孝治
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA48
3B201AB03
3B201BB02
3B201BB95
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アルカリ浸漬脱脂処理に用いる洗浄液の交換時期を高精度に予測可能な技術を提供する。
【解決手段】洗浄液交換予測装置3は、洗浄槽61内の所定位置に設置されたpHセンサ2によって洗浄液60の交換後に逐次測定された洗浄液60のpH値を時系列に並べて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフを特定し、このグラフから、ボトム側変化点およびトップ側変化点を抽出する。そして、ボトム側変化点、トップ側変化点の順番で並ぶボトム側変化点とトップ側変化点との間の測定値を除去するフィルタリング処理を実施して、フィルタリング処理後のグラフから回帰直線を求める。そして、この回帰直線を用いて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が、洗浄液60の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、洗浄液60の交換予測時期として算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測装置であって、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得する測定値取得手段と、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に前記測定値取得手段により取得された前記洗浄液のpH値を前記測定時刻の順に時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点とプラスからマイナスに変化するトップ側変化点とを抽出する変化点抽出手段と、
前記変化点抽出手段により抽出された前記ボトム側変化点毎に、前記ボトム側変化点と当該ボトム側変化点に続いて前記変化点抽出手段により抽出された前記トップ側変化点との間の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出する回帰直線算出手段と、
前記回帰直線算出手段により算出された前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出する交換予測時期算出手段と、
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期を出力する交換予測時期出力手段と、を有する
ことを特徴とする洗浄液交換予測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄液交換予測装置であって、
前記フィルタ手段は、
前記フィルタリング処理において、前記変化点抽出手段により抽出された前記トップ側変化点毎に、前記トップ側変化点から所定のpH値安定化待機時間を経過するまでの期間に含まれる測定値も、前記グラフから除去する
ことを特徴とする洗浄液交換予測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の洗浄液交換予測装置であって、
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期と、前記洗浄液の実際の交換時期と、を用いて、前記pH値安定化待機時間を決定するpH値安定化待機時間決定手段をさらに有し、
前記pH値安定化待機時間決定手段は、
予め設定された仮値を前記pH値安定化待機時間に設定して、前記交換予測時期算出手段により前記洗浄液の交換予測時期を算出し、算出された前記洗浄液の交換予測時期と前記洗浄液の実際の交換時期との時間差が所定範囲内となるまで前記仮値を変化させ、当該時間差が所定範囲内となる前記仮値を、前記pH値安定化待機時間に決定する
ことを特徴とする洗浄液交換予測装置。
【請求項4】
請求項3に記載の洗浄液交換予測装置であって、
前記pH値安定化待機時間決定手段は、
前記時間差が所定範囲内となる前記仮値を前記pH値安定化待機時間として前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理された前記グラフにおいて、前記変化点抽出手段により抽出された前記トップ側変化点毎に、前記トップ側変化点の直前に抽出された前記ボトム側変化点から当該トップ側変化点までの上昇値を算出し、当該上昇値の平均値を基準上昇値とし、
前記フィルタ手段は、
前記変化点抽出手段により抽出された前記トップ側変化点毎に、前記トップ側変化点に続く前記pH値安定化待機時間を、前記変化点抽出手段により当該トップ側変化点の直前に抽出された前記ボトム側変化点から当該トップ側変化点までの上昇値と前記基準上昇値との比率に応じて補正する
ことを特徴とする洗浄液交換予測装置。
【請求項5】
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測装置であって、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得する測定値取得手段と、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に前記測定値取得手段により取得された前記洗浄液のpH値を前記測定時刻の順に時系列に並べることにより得られる前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点を抽出する変化点抽出手段と、
前記変化点抽出手段により抽出されたボトム側変化点各々について、当該ボトム側変化点以降、当該ボトム側変化点のつぎのボトム側変化点までの間に含まれる測定値のうち、当該ボトム側変化点より高いpH値の測定値を、前記洗浄液のpH値の推移を表すグラフから除去するフィルタリング処理を実施するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出する回帰直線算出手段と、
前記回帰直線算出手段により算出された前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出する交換予測時期算出手段と、
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期を出力する交換予測時期出力手段と、を有する
ことを特徴とする洗浄液交換予測装置。
【請求項6】
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測システムであって、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の洗浄液交換予測装置と、
前記洗浄槽内の所定位置に設置され、前記洗浄槽に溜められた前記洗浄液のpH値を逐次測定し、測定時刻が付加された測定値を逐次出力するセンサと、
前記センサから逐次出力された、前記測定時刻が付加された前記測定値を、前記洗浄液交換予測装置に送信する通信装置と、を有する
ことを特徴とする洗浄液交換予測システム。
【請求項7】
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測方法であって、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得し、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に取得した前記洗浄液のpH値を測定時刻に基づいて時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点とプラスからマイナスに変化するトップ側変化点とを抽出し、
抽出した前記ボトム側変化点毎に、前記ボトム側変化点と当該ボトム側変化点に続いて抽出した前記トップ側変化点との間の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施し、
前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出し、
算出した前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出し出力する
ことを特徴とする洗浄液交換予測方法。
【請求項8】
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測方法であって、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得し、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に取得した前記洗浄液のpH値を測定時刻に基づいて時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点を抽出し、
抽出したボトム側変化点各々ついて、当該ボトム側変化点以降、当該ボトム側変化点のつぎのボトム側変化点までの間に含まれる測定値のうち、当該ボトム側変化点より高いpH値の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施し、
前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出し、
算出した前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出し出力する
ことを特徴とする洗浄液交換予測方法。
【請求項9】
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測装置として機能させ、
前記洗浄液交換予測装置は、前記プログラムにより、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得する測定値取得手段、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に前記測定値取得手段により取得された前記洗浄液のpH値を前記測定時刻の順に時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点とプラスからマイナスに変化するトップ側変化点とを抽出する変化点抽出手段、
前記変化点抽出手段により抽出された前記ボトム側変化点毎に、前記ボトム側変化点と当該ボトム側変化点に続いて前記変化点抽出手段により抽出された前記トップ側変化点との間の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施するフィルタ手段、
前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出する回帰直線算出手段、
前記回帰直線算出手段により算出された前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出する交換予測時期算出手段、および
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期を出力する交換予測時期出力手段として機能する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測装置として機能させ、
前記洗浄液交換予測装置は、前記プログラムにより、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得する測定値取得手段、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に前記測定値取得手段により取得された前記洗浄液のpH値を前記測定時刻の順に時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点を抽出する変化点抽出手段、
前記変化点抽出手段により抽出されたボトム側変化点各々について、当該ボトム側変化点以降、当該ボトム側変化点のつぎのボトム側変化点までの間に含まれる測定値から、当該ボトム側変化点より高いpH値の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施するフィルタ手段、
前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出する回帰直線算出手段、
前記回帰直線算出手段により算出された前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出する交換予測時期算出手段、および
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期を出力する交換予測時期出力手段として機能する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ浸漬脱脂処理等の洗浄処理に用いる洗浄液の交換時期の予測技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属加工等において、必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液を洗浄槽に溜め、この洗浄槽に溜められた洗浄液にワークを浸漬することにより、ワークの表面に付着した防錆油、加工油等を除去するアルカリ浸漬脱脂処理が用いられている。ここで、洗浄液はアルカリ度が高いほど洗浄力が強い。しかし、長期の使用によりアルカリ度が低下して洗浄力が劣化するため、洗浄液の交換が必要となる。
【0003】
特許文献1には、洗浄液のpH値を洗浄操作の前後で測定し、それらの差分を指標値として洗浄液の洗浄力を評価する技術が開示されている。この技術を用いて洗浄液の洗浄力を評価することにより、ユーザは、その都度、洗浄液の交換の要否を判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルカリ浸漬脱脂処理設備の稼働中、洗浄槽に溜められたアルカリ性溶液の洗浄液は、循環ポンプにより洗浄槽から抜かれ、フィルタで不純物が除去された後、洗浄槽に戻される。このため、洗浄槽内の洗浄液が攪拌されて、洗浄槽内の洗浄液のpH値が均一になる。一方、アルカリ浸漬脱脂処理設備の非稼働中においては、循環ポンプが停止するため、洗浄槽内の洗浄液が攪拌されず、洗浄槽内の洗浄液のpH値が不均一になる。このため、アルカリ浸漬脱脂処理設備に特許文献1に記載の技術を適用して、洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサにより洗浄液のpH値を洗浄設備の稼働前後で測定し、それらの差分を指標値として洗浄液の洗浄力を評価した場合、タイミングによっては、センサで測定されるpH値に含まれるノイズ成分が大きくなり、洗浄液の洗浄力を正しく評価できない可能性がある。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術は、将来の交換時期を予測することについて何ら考慮されていない。将来の交換時期を予測することができれば、予測された交換時期までに洗浄液を調達すればよく、洗浄液の在庫管理コストを低減できるなどの利点がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗浄処理に用いる洗浄液の交換時期を高精度に予測可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、この洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、洗浄槽とフィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備において、洗浄液の交換時期を予測する。
【0009】
本発明の一態様では、洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサにより洗浄槽内の洗浄液のpH値を逐次測定し、測定時刻に基づいて測定値を測定時刻の順に時系列に並べて、洗浄液投入後あるいは交換後の洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフを特定する。そして、洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点とプラスからマイナスに変化するトップ側変化点とを抽出して、ボトム側変化点、トップ側変化点の順番に並ぶボトム側変化点とトップ側変化点との間の測定値を除去するフィルタリング処理を実施する。それから、フィルタリング処理後のグラフから回帰直線を求めて、この回帰直線を用いて洗浄液のpH値が、洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値に達する時期を算出し、この時期を洗浄液の交換時期の予測値として出力する。
【0010】
なお、フィルタリング処理において、トップ側変化点から所定時間(pH値安定化待機時間)を経過するまでの期間に含まれる測定値も、洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフから除去するようにしてもよい。
【0011】
例えば、本発明の一態様は、
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測装置であって、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得する測定値取得手段と、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に前記測定値取得手段により取得された前記洗浄液のpH値を前記測定時刻の順に時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点とプラスからマイナスに変化するトップ側変化点とを抽出する変化点抽出手段と、
前記変化点抽出手段により抽出された前記ボトム側変化点毎に、前記ボトム側変化点と当該ボトム側変化点に続いて前記変化点抽出手段により抽出された前記トップ側変化点との間の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出する回帰直線算出手段と、
前記回帰直線算出手段により算出された前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出する交換予測時期算出手段と、
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期を出力する交換予測時期出力手段と、を有する。
【0012】
また、本発明の他の態様では、洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサにより洗浄液のpH値を逐次測定し、測定時刻の順に測定値を時系列に並べて、洗浄液の投入後あるいは交換後の洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフを特定する。そして、洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点を抽出して、それぞれのボトム側変化点について、このボトム側変化点以降、このボトム側変化点のつぎのボトム側変化点までの間に含まれる測定値のうち、このボトム側変化点より高いpH値の測定値を除去するフィルタリング処理を実施する。それから、フィルタリング処理後のグラフから回帰直線を求めて、この回帰直線を用いて、洗浄槽内の洗浄液のpH値が、洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を算出し、この算出した時期を洗浄液の交換時期の予測値として出力する。
【0013】
例えば、本発明の他の態様は、
必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が溜められる洗浄槽と、前記洗浄液に含まれる不純物を除去するフィルタと、前記洗浄槽と前記フィルタとの間で洗浄液を循環させる循環ポンプと、を備えた洗浄設備における、前記洗浄液の交換時期を予測する洗浄液交換予測装置であって、
前記洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって逐次測定された前記洗浄液のpH値を測定時刻とともに取得する測定値取得手段と、
前記洗浄槽に対する前記洗浄液の投入後あるいは交換後に前記測定値取得手段により取得された前記洗浄液のpH値を前記測定時刻の順に時系列に並べることにより得られる、前記洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフの傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点を抽出する変化点抽出手段と、
前記変化点抽出手段により抽出されたボトム側変化点各々について、当該ボトム側変化点以降、当該ボトム側変化点のつぎのボトム側変化点までの間に含まれる測定値のうち、当該ボトム側変化点より高いpH値の測定値を、前記グラフから除去するフィルタリング処理を実施するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段により前記フィルタリング処理が実施された前記グラフから回帰直線を算出する回帰直線算出手段と、
前記回帰直線算出手段により算出された前記回帰直線を用いて、前記洗浄液のpH値が、前記洗浄槽内の洗浄液の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値となる時期を、前記洗浄液の交換予測時期として算出する交換予測時期算出手段と、
前記交換予測時期算出手段により算出された前記洗浄液の交換予測時期を出力する交換予測時期出力手段と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明者は、アルカリ浸漬脱脂処理等の洗浄処理のための洗浄設備において、洗浄槽内に溜められたアルカリ性溶液の洗浄液のpH値は、稼働中に低下する一方、非稼働中に上昇することを見出した。さらに、稼働・非稼働を繰り返すことにより、低下・上昇のサイクルを繰り返しながら、時間の経過とともに全体として徐々に低下していくことを見出した。
【0015】
そこで、本発明の一態様では、洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって洗浄液の投入後あるいは交換後に逐次測定された洗浄液のpH値を測定時刻の順に時系列に並べて、洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフを特定し、このグラフのボトム側変化点およびトップ側変化点を抽出する。そして、ボトム側変化点、トップ側変化点の順番で並ぶボトム側変化点とトップ側変化点との間の測定値を除去するフィルタリング処理を実施し、フィルタリング処理後のグラフから回帰直線を求めて、洗浄液の交換時期を予測している。
【0016】
また、本発明の他の態様では、洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサによって洗浄液の投入後あるいは交換後に逐次測定された洗浄液のpH値を測定時刻の順に時系列に並べて、洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフを特定し、このグラフのボトム側変化点を抽出する。そして、抽出したボトム側変化点各々について、このボトム側変化点以降、このボトム側変化点のつぎのボトム側変化点までの間に含まれる測定値のうち、このボトム側変化点よりpH値の高い測定点を除去するフィルタリング処理を実施し、フィルタリング処理後のグラフから回帰直線を求めて、洗浄液の交換時期を予測している。
【0017】
このようにすることにより、洗浄槽内の洗浄液のpH値の推移を表すグラフから、洗浄設備の非稼働中におけるノイズ成分の大きいpH値を除外した上で回帰直線を求め、洗浄槽内の洗浄液の交換時期を予測することができる。したがって、本発明によれば、アルカリ浸漬脱脂処理等の洗浄処理に用いるアルカリ性溶液の洗浄液の交換時期を高精度に予測することができる。また、洗浄槽内の所定位置に設置されたセンサを洗浄設備の稼働・非稼働に関わらず常時稼働できるので、洗浄設備の保守に影響しない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る洗浄液交換予測システム1の概略図である。
【
図2】
図2は、洗浄槽61に溜められた洗浄液60のpH値の遷移を説明するための図である。
【
図3】
図3は、洗浄液交換予測装置3による洗浄液60の交換時期予測の原理を説明するための図である。
【
図4】
図4は、洗浄液交換予測装置3の概略機能構成図である。
【
図5】
図5は、洗浄液交換予測装置3の交換予測時期算出処理を説明するためのフロー図である。
【
図6】
図6は、洗浄液交換予測装置3のpH値安定化待機時間設定処理を説明するためのフロー図である。
【
図7】
図7は、洗浄液交換予測装置3の変形例による洗浄液60の交換時期予測の原理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明をアルカリ浸漬脱脂処理設備に適用した場合を例に挙げる。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る洗浄液交換予測システム1の概略図である。
【0021】
本実施の形態に係る洗浄液交換予測システム1は、アルカリ浸漬脱脂処理設備6における洗浄液60の交換時期を予測する。
【0022】
ここで、アルカリ浸漬脱脂処理設備6は、洗浄液60が溜められた洗浄槽61と、洗浄液60に含まれる不純物を除去するフィルタ62と、洗浄槽61とフィルタ62との間で洗浄液60を循環させる循環ポンプ63と、循環ポンプ63によって洗浄槽61に供給される洗浄液60の一部を洗浄槽61内に噴射するノズル64と、を備えている。なお、
図1では、循環ポンプ63によって洗浄槽61に供給される洗浄液60を、ノズル64から洗浄槽61内に噴射される系統およびノズル64を介さずに洗浄槽61内に供給される系統の2つの供給系統に分岐させているが、少なくともどちらか1系統が設けられていればよい。また、洗浄液60には、必要に応じて界面活性剤が添加されたアルカリ性溶液の洗浄液が用いられる。このようなアルカリ性溶液の洗浄液として、例えば日華化学株式会社の製品「ニッカサンクリーンLシリーズ」がある。
【0023】
アルカリ浸漬脱脂処理設備6の稼働中、洗浄槽61に溜められた洗浄液60は、循環ポンプ63により洗浄槽61から抜かれ、フィルタ62で不純物が除去された後、洗浄槽61に戻される。このため、洗浄槽61内の洗浄液60が攪拌されて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が均一になる。一方、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の非稼働中においては、循環ポンプ63が停止するため、洗浄槽61内の洗浄液60が攪拌されず、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が不均一になる。
【0024】
洗浄液交換予測システム1は、洗浄槽61内の所定位置に設置され、洗浄槽61に溜められた洗浄液60のpH値を逐次測定し、測定時刻が付加された測定値を逐次出力するpHセンサ2と、洗浄液交換予測装置3と、洗浄液交換予測装置3を操作するための操作端末4と、を備えている。
【0025】
洗浄液交換予測装置3および操作端末4は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク50に接続されている。また、pHセンサ2は、無線通信装置51および無線AP(アクセスポイント)52を介してネットワーク50に接続されている。無線通信装置51は、pHセンサ2から逐次出力された測定値を、無線AP52およびネットワーク50を介して洗浄液交換予測装置3に逐次送信する。なお、無線通信装置51に代えて、有線によりpHセンサ2をネットワーク50に接続する通信装置を用いてもよい。
【0026】
洗浄液交換予測装置3は、pHセンサ2から逐次出力された測定値を無線通信装置51より受信し、この測定値に基づいて、洗浄槽61に溜められた洗浄液60の交換時期を予測する。そして、操作端末4に予測結果を送信して表示する。
【0027】
本発明者は、
図2に示すように、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値は、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の稼働中においては低下(符号10)する一方、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の非稼働中においては上昇(符号11)することを見出した。そして、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の稼働・非稼働を繰り返すことにより、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値は、低下・上昇のサイクルを繰り返しながら、時間の経過とともに全体として徐々に低下していくことを見出した(符号12)。
【0028】
そこで、洗浄液交換予測装置3では、まず、
図3に示すように、洗浄槽61内の所定位置に設置されたpHセンサ2によって洗浄液60の投入後あるいは交換後に逐次測定された洗浄液60のpH値を時系列に並べて、投入以降あるいは交換以降の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13を特定し、このグラフ13の傾きの符号の変化点(傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点14および傾きがプラスからマイナスに変化するトップ側変化点15)を抽出する。そして、ボトム側変化点14とこのボトム側変化点14のつぎに出現するトップ側変化点15との間(ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間、つまり傾きがプラスの区間)の測定値(アルカリ浸漬脱脂処理設備6が非稼働中の測定値)、および、トップ側変化点15からpH値安定化待機時間(アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されてpH値が均一になるまでに要する時間)tの期間に含まれる測定値を除去するフィルタリング処理を実施する。そして、フィルタリング処理後のグラフ13(破線部分の測定値が除去されたグラフ13)から回帰直線16を求め、この回帰直線16を用いて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が、洗浄液60の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値17に達する時期を算出し、この時期を洗浄液60の交換予測時期とする。
【0029】
図4は、洗浄液交換予測装置3の概略機能構成図である。
【0030】
図示するように、洗浄液交換予測装置3は、ネットワークインターフェース部300と、測定値取得部301と、測定値記憶部302と、操作受付部303と、変化点抽出部304と、フィルタ部305と、回帰直線算出部306と、交換予測時期算出部307と、pH値安定化待機時間算出部308と、主制御部309と、を有する。
【0031】
ネットワークインターフェース部300は、ネットワーク50に接続するためのインターフェースである。
【0032】
測定値取得部301は、無線通信装置51から無線AP52およびネットワーク50を介して洗浄液交換予測装置3に送信された、pHセンサ2から逐次出力された測定時刻付きの測定値(洗浄槽61内の洗浄液60のpH値)を、ネットワークインターフェース部300を介して取得する。
【0033】
測定値記憶部302は、測定値取得部301により取得された、pHセンサ2から逐次出力された測定時刻付きの測定値を記憶する。
【0034】
操作受付部303は、ネットワークインターフェース部300を介して操作端末4から交換時期予測操作およびpH値安定化待機時間設定操作を含む各種操作を受け付ける。そして、必要に応じて受け付けた操作の処理結果を操作端末4に送信する。
【0035】
変化点抽出部304は、操作受付部303により操作端末4から受け付けた交換時期予測操作あるいはpH値安定化待機時間設定操作によって特定される期間内における洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13(pHセンサ2が出力した複数の測定値を、これらの測定値に付加されている測定時刻に従って時系列に並べたグラフ13)を特定し、このグラフ13の傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点14およびプラスからマイナスに変化するトップ側変化点15を抽出する(
図3参照)。
【0036】
フィルタ部305は、変化点抽出部304による特定結果(洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13、ボトム側変化点14、およびトップ側変化点15)と、pH値安定化待機時間算出部308により算出されるpH値安定化待機時間tとに従い、ボトム側変化点14とこのボトム側変化点14のつぎに出現するトップ側変化点15との間(ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で時系列に隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間)の測定値、および、トップ側変化点15からpH値安定化待機時間tの期間に含まれる測定値を除去するフィルタリング処理を実施する(
図3参照)。
【0037】
回帰直線算出部306は、フィルタ部305によるフィルタリング処理後のグラフ13を構成する複数の測定値を用いて、例えば最小二乗法により回帰直線16を算出する。
【0038】
交換予測時期算出部307は、回帰直線算出部306により算出された回帰直線16を用いて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が、洗浄液60の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値17に達する時期を、洗浄液60の交換予測時期として算出する(
図3参照)。
【0039】
pH値安定化待機時間算出部308は、変化点抽出部304、フィルタ部305、回帰直線算出部306、および交換予測時期算出部307と連携して、交換予測時期算出部307により算出された洗浄液60の交換予測時期と、操作受付部303により操作端末4から受け付けたpH値安定化待機時間設定操作で指定されている実際の交換時期との時間差が、所定範囲内となるpH値安定化待機時間を算出する。
【0040】
そして、主制御部309は、洗浄液交換予測装置3の各部300~308を統括的に制御する。
【0041】
なお、
図4に示す洗浄液交換予測装置3の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【0042】
図5は、洗浄液交換予測装置3の交換予測時期算出処理を説明するためのフロー図である。このフローは、操作受付部303が、ネットワークインターフェース部300を介して操作端末4から、洗浄槽61に溜められた洗浄液60の最新の交換時期あるいは投入時期の指定を伴う交換時期予測操作を受け付けることにより開始される。
【0043】
まず、操作受付部303は、主制御部309に、交換時期予測操作で指定されている最新の交換時期あるいは投入時期を通知して交換予測時期の算出を依頼する。これを受けて、主制御部309は、pH値安定化待機時間tが設定済みであるか否かを調べる(S100)。pH値安定化待機時間tが設定済みでないならば(S100でNO)、主制御部309は、その旨を操作受付部303に通知する。これを受けて、操作受付部303は、交換予測時期算出処理に先立ってpH値安定化待機時間算出処理を実施する必要がある旨のメッセージを、ネットワークインターフェース部300を介して操作端末4に送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S107)。
【0044】
一方、pH値安定化待機時間tが設定済みである場合(S100でYES)、主制御部309は、測定値記憶部302から、操作受付部303より受け取った最新の交換時期あるいは投入時期以降の測定時刻が付加された複数の測定値(洗浄槽61内の洗浄液60のpH値)を読み込む(S101)。それから、主制御部309は、変化点抽出部304に測定値記憶部302から読み込んだ複数の測定値を渡して変化点の抽出を指示する。これを受けて、変化点抽出部304は、
図3に示すように、最新の交換時期あるいは投入時期以降の測定時刻が付加された複数の測定値を、これらの測定値に付加されている測定時刻に従って時系列に並べて、交換以降あるいは投入以降における洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13を特定し、このグラフ13からボトム側変化点14およびトップ側変化点15を抽出する(S102)。
【0045】
つぎに、主制御部309は、フィルタ部305に、変化点抽出部304により特定されたグラフ13と、変化点抽出部304により抽出されたボトム側変化点14およびトップ側変化点15と、設定済みのpH値安定化待機時間tと、を渡してフィルタリング処理を指示する。これを受けて、フィルタ部305は、
図3に示すように、ボトム側変化点14とこのボトム側変化点14のつぎに出現するトップ側変化点15との間(ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で時系列に隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間)の測定値(アルカリ浸漬脱脂処理設備6が非稼働中の測定値)、および、トップ側変化点15からpH値安定化待機時間tの期間に含まれる測定値(アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されてpH値が均一になるまでの時間帯に属する測定値)を除去するフィルタリング処理を実施する(S103)。
【0046】
つぎに、主制御部309は、回帰直線算出部306に、フィルタ部305によるフィルタリング処理後のグラフ13(ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で時系列に隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間の測定値、および、トップ側変化点15からpH値安定化待機時間tの期間に含まれる測定値が除去されたグラフ13)を渡して回帰直線算出を指示する。これを受けて、回帰直線算出部306は、
図3に示すように、フィルタ部305によるフィルタリング処理後のグラフ13を構成する複数の測定値を用いて、例えば最小二乗法により回帰直線16を算出する(S104)。
【0047】
つぎに、主制御部309は、交換予測時期算出部307に、回帰直線算出部306により算出された回帰直線16を渡して交換予測時期算出を指示する。これを受けて、交換予測時期算出部307は、
図3に示すように、回帰直線算出部306により算出された回帰直線16を用いて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が、洗浄液60の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値17に達する時期を、洗浄液60の交換予測時期として算出する(S105)。
【0048】
つぎに、主制御部309は、交換予測時期算出部307により算出された洗浄液60の交換予測時期を操作受付部303に渡す。これを受けて、操作受付部303は、ネットワークインターフェース部300を介して操作端末4に、主制御部309より受け取った洗浄液60の交換予測時期を送信する(S106)。
【0049】
図6は、洗浄液交換予測装置3のpH値安定化待機時間設定処理を説明するためのフロー図である。このフローは、操作受付部303がネットワークインターフェース部300を介して操作端末4から、洗浄槽61に溜められた洗浄液60の最新の交換時期と、その一つ前の交換時期(最新の交換時期が初回の場合は最新の交換時期のみ)との指定を伴うpH値安定化待機時間設定操作を受け付けることにより開始される。
【0050】
まず、操作受付部303は、主制御部309に、pH値安定化待機時間設定操作で指定されている最新の交換時期およびその一つ前の交換時期(最新の交換時期が初回の場合は最新の交換時期のみ)を通知して、pH値安定化待機時間の算出を依頼する。これを受けて、主制御部309は、測定値記憶部302から、操作受付部303より受け取った最新の交換時期とその一つ前の交換時期との間(最新の交換時期のみの場合は最新の交換時期以前)の測定時刻が付加された複数の測定値(洗浄槽61内の洗浄液60のpH値)を読み込む(S110)。また、主制御部309は、pH値安定化待機時間算出部308に、pH値安定化待機時間設定操作で指定されている最新の交換時期を通知してpH値安定化待機時間の算出を指示する。これを受けて、pH値安定化待機時間算出部308は、仮pH値安定化待機時間t’を「0」、前回時間差を初期値(例えば、S116で用いる値S)に設定する(S111)。
【0051】
つぎに、主制御部309は、変化点抽出部304に測定値記憶部302から読み込んだ複数の測定値を渡して変化点の抽出を指示する。これを受けて、変化点抽出部304は、上述の交換予測時期算出処理のS102と同様に、主制御部309から受け取った測定時刻が付加された複数の測定値を、これらの測定値に付加されている測定時刻に従って時系列に並べて、最新の交換時期とその1つ前の交換時期との期間における洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13を特定し、このグラフ13の傾きがマイナスからプラスに変化するボトム側変化点14およびプラスからマイナスに変化するトップ側変化点15を抽出する(S112)。
【0052】
それから、主制御部309は、フィルタ部305に、変化点抽出部304により特定されたグラフ13と、変化点抽出部304により抽出されたボトム側変化点14およびトップ側変化点15と、仮pH値安定化待機時間t’と、を渡してフィルタリング処理を指示する。これを受けて、フィルタ部305は、上述の交換予測時期算出処理のS103と同様に、各ボトム側変化点14とそのつぎに出現するトップ側変化点15との間(ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で時系列に隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間)の測定値、および、トップ側変化点15から仮pH値安定化待機時間t’内に含まれる測定値を除去するフィルタリング処理を実施する(S113)。
【0053】
つぎに、主制御部309は、回帰直線算出部306に、フィルタ部305によるフィルタリング処理後のグラフ13(ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で時系列に隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間の測定値、および、トップ側変化点15から仮pH値安定化待機時間t’内に含まれる測定値が除去されたグラフ13)を渡して回帰直線算出を指示する。これを受けて、回帰直線算出部306は、上述の交換予測時期算出処理のS104と同様に、フィルタ部305によるフィルタリング処理後のグラフ13を構成する複数の測定値を用いて、例えば最小二乗法により回帰直線16を算出する(S114)。
【0054】
それから、主制御部309は、交換予測時期算出部307に、回帰直線算出部306により算出された回帰直線16を渡して交換予測時期算出を指示する。これを受けて、交換予測時期算出部307は、上述の交換予測時期算出処理のS105と同様に、回帰直線算出部306により算出された回帰直線16を用いて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が、洗浄液60の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値17に達する時期を、洗浄液60の交換予測時期Tとして算出する(S115)。
【0055】
つぎに、主制御部309は、pH値安定化待機時間算出部308に、交換予測時期算出部307により算出された交換予測時期Tを通知する。これを受けて、pH値安定化待機時間算出部308は、交換予測時期算出部307により算出された交換予測時期Tと、pH値安定化待機時間設定操作で指定されている最新の交換時期T0との時間差を算出し、この時間差(T―T0)が所定範囲内(例えば、―S<T―T0<S)であるか否かを調べる(S116)。そして、この時間差が所定範囲内でない場合(S116でNO)、pH値安定化待機時間算出部308は、仮pH値安定化待機時間t’に所定値aを加算し、この加算値(t’+a)を新たな仮pH値安定化待機時間t’として設定して(S118)、ステップS113に戻る。
【0056】
また、この時間差が所定範囲内である場合(S116でYES)、この時間差が前回算出された時間差より減少しているならば(S117でYES)、pH値安定化待機時間算出部308は、仮pH値安定化待機時間t’に所定値aを加算し、この加算値(t’+a)を新たな仮pH値安定化待機時間t’として設定して(S118)、ステップS113に戻る。一方、この時間差が前回算出された時間差と同じか、あるいは増大しているならば(S117でNO)、pH値安定化待機時間算出部308は、仮pH値安定化待機時間t’から所定値aを減算した値を、アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されてpH値が均一になるまでに要する時間であるpH値安定化待機時間tに設定する(S119)。
【0057】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0058】
上述したように、本発明者は、
図2に示すように、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の稼働中においては低下(符号10)する一方、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の非稼働中においては上昇(符号11)することを見出した。そして、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の稼働・非稼働を繰り返すことにより、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値は、低下・上昇のサイクルを繰り返しながら、時間の経過とともに全体として徐々に低下していくことを見出した(符号12)。
【0059】
そこで、本実施の形態では、
図3に示すように、洗浄槽61内の所定位置に設置されたpHセンサ2によって洗浄液60の交換後あるいは投入後に逐次測定された洗浄液60のpH値を時系列に並べて、交換以降あるいは投入以降の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13を特定し、このグラフ13のボトム側変化点14およびトップ側変化点15を抽出する。そして、時間軸の方向において、ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で並ぶボトム側変化点14とトップ側変化点15との間の測定値を除去するフィルタリング処理を実施して、フィルタリング処理後のグラフ13から回帰直線16を求める。さらに、この回帰直線16を用いて、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が洗浄液60の交換を必要とするpH値として予め定められた閾値17となる時期を、洗浄液60の交換予測時期として算出している。
【0060】
このように、本実施の形態では、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13から、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の非稼働中におけるノイズ成分の大きいpH値を除外した上で回帰直線16を求め、洗浄液60の交換時期を予測することができるので、洗浄槽61内の洗浄液60の交換時期を高精度に予測することができる。また、洗浄槽61内の所定位置に設置されたpHセンサ2をアルカリ浸漬脱脂処理設備6の稼働・非稼働に関わらず常時稼働できるので、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の保守に影響しない。
【0061】
また、本実施の形態では、フィルタリング処理において、
図3に示すように、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13から、ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間の測定値に加えて、トップ側変化点15からpH値安定化待機時間tの期間に含まれる測定値も除去している。したがって、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13から、アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されてpH値が均一になるまでのノイズ成分の大きいpH値も除外して回帰直線16を求めることができるので、洗浄槽61内の洗浄液60の交換時期をより高精度に予測することができる。
【0062】
また、本実施の形態では、仮pH値安定化待機時間t’を用いて洗浄液60の交換予測時期を算出し、算出された洗浄液60の交換予測時期と洗浄液60の実際の交換時期との時間差が所定範囲内となるまで仮pH値安定化待機時間t’を変化させ、この時間差が所定範囲内となる仮pH値安定化待機時間t’をpH値安定化待機時間tに設定している。したがって、アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されてpH値が均一になるまでの時間であるpH値安定化待機時間tをより正確に設定することができる。
【0063】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0064】
例えば、洗浄液交換予測装置3において、フィルタ部305は、変化点抽出部304により抽出されたすべてのトップ側変化点15に対して、トップ側変化点15を始点とするpH値安定化待機時間tとして、pH値安定化待機時間算出部308により算出されたpH値安定化待機時間tを共通に用して、フィルタリング処理を実施している。しかし、本発明はこれに限定されない。変化点抽出部304により抽出されたトップ側変化点15毎に、トップ側変化点15を始点とするpH値安定化待機時間tを変化させてもよい。
【0065】
例えば、
図6に示すpH値安定化待機時間設定処理において、S112により抽出されたトップ側変化点15毎に、トップ側変化点15の直前に抽出されたボトム側変化点14からこのトップ側変化点15までの上昇値hを求めて(
図3参照)、これらの平均値を基準上昇値hsとするとともに、S119で設定されたpH値安定化待機時間tを基準pH値安定化待機時間tsとする。
【0066】
つぎに、
図5の交換予測時期算出処理において、S102により抽出されたトップ側変化点15毎に、トップ側変化点15の直前に抽出されたボトム側変化点14からこのトップ側変化点15までの上昇値hを求めて(
図3参照)、求めた上昇値hをこのトップ側変化点15に紐付けておく。そして、S103において、フィルタ部305は、変化点抽出部304により抽出されたトップ側変化点15毎に、基準pH値安定化待機時間tsを、トップ側変化点15に紐付けられた上昇値hと基準上昇値hsとの比率h/hsで補正した値(t=ts(h/hs))を、トップ側変化点15を始点とするpH値安定化待機時間tとして用いて、フィルタリング処理を実施する。
【0067】
あるいは、
図6に示すpH値安定化待機時間設定処理において、S112により抽出されたトップ側変化点15毎に、トップ側変化点15の直前に抽出されたボトム側変化点14からこのトップ側変化点15までの経過時間mを求めて(
図3参照)、これらの平均値を基準経過時間msとするとともに、S119で設定されたpH値安定化待機時間tを基準pH値安定化待機時間tsとする。
【0068】
つぎに、
図5の交換予測時期算出処理において、S102により抽出されたトップ側変化点15毎に、トップ側変化点15の直前に抽出されたボトム側変化点14からこのトップ側変化点15までの経過時間mを求めて(
図3参照)、求めた経過時間mをこのトップ側変化点15に紐付けておく。そして、S103において、フィルタ部305は、変化点抽出部304により抽出されたトップ側変化点15毎に、基準pH値安定化待機時間tsを、トップ側変化点15に紐付けられた経過時間mと基準経過時間msとの比率m/msで補正した値(t=ts(m/ms))を、トップ側変化点15を始点とするpH値安定化待機時間tとして用いて、フィルタリング処理を実施する。
【0069】
本発明者は、洗浄槽61に溜められた洗浄液60が攪拌されない期間(アルカリ浸漬脱脂処理設備6の非稼働期間)が長く続くほど、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が上昇し、アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されて洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が均一になるまでに要する時間が長くなることを見出した。
【0070】
そこで、上述したように、フィルタリング処理において、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13から抽出されたトップ側変化点15毎に、トップ側変化点15を始点とするpH値安定化待機時間tとして、基準pH値安定化待機時間tsを、このトップ側変化点15の直前に抽出されたボトム側変化点14からこのトップ側変化点15までの上昇値hと基準上昇値hsとの比率h/hsで補正した値(t=ts(h/hs))、あるいは、このトップ側変化点15の直前に抽出されたボトム側変化点14からこのトップ側変化点15までの経過時間mと基準経過時間msとの比率m/msで補正した値(t=ts(m/ms))を用いることにより、アルカリ浸漬脱脂処理設備6が稼働してから洗浄槽61内の洗浄液60が十分に攪拌されて洗浄槽61内の洗浄液60のpH値が均一になるまでのノイズ成分の大きいpH値をより確実に除外して回帰直線16を求めることができる。このため、洗浄槽61内の洗浄液60の交換時期をより高精度に予測することができる。
【0071】
また、洗浄液交換予測装置3において、フィルタ部305は、
図3に示すように、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13から、ボトム側変化点14、トップ側変化点15の順番で隣接するボトム側変化点14とトップ側変化点15との間の測定値、および、トップ側変化点15からpH値安定化待機時間tの期間に含まれる測定値を除去するフィルタリング処理を実施している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0072】
例えば、フィルタ部305は、
図7に示すように、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13において、ボトム側変化点14毎に、このボトム側変化点14以降、このボトム側変化点14のつぎのボトム側変化点14までの間に含まれる測定値から、このボトム側変化点14のpH値xよりも高いpH値を有する測定値(破線部分の測定値)を除去するフィルタリング処理を実施してもよい。
【0073】
このようにした場合でも、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13から、アルカリ浸漬脱脂処理設備6の非稼働中に測定されるpH値を含むノイズ成分の大きいpH値を除外して回帰直線16を求めることができるので、この回帰直線16を用いて洗浄槽61内の洗浄液60の交換時期を高精度に予測することができる。この場合、変化点抽出部304は、洗浄槽61内の洗浄液60のpH値の推移を表すグラフ13からボトム側変化点14のみを抽出すればよい。また、フィルタリング処理にpH値安定化待機時間tを用いないので、
図5に示す交換予測時期算出処理のS100およびS107と、
図6に示すpH値安定化時間待機処理と、が不要となる。このため、pH値安定化待機時間算出部308を省略して、洗浄液交換予測装置3の構成を簡素化することができる。
【0074】
また、上記の実施の形態において、洗浄液交換予測装置3から測定値取得部301および測定値記憶部302を省略して、洗浄液交換予測装置3とは別に、測定値取得部301および測定値記憶部302を備えたデータベースを用意してもよい。そして、洗浄液交換予測装置3において、主制御部309は、ネットワークインターフェース部300を介してデータベースにアクセスし、測定値記憶部302から必要な測定値を取得してもよい。また、洗浄液交換予測装置3は、操作端末4と統合されていてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1:洗浄液交換予測システム 2:pHセンサ
3:洗浄液交換予測装置 4:操作端末
6:アルカリ浸漬脱脂処理設備 50:ネットワーク
51:無線通信装置 52:無線AP 60:洗浄液
61:洗浄槽 62:フィルタ 63:循環ポンプ
64:ノズル 300:ネットワークインターフェース部
301:測定値取得部 302:測定値記憶部 303:操作受付部
304:変化点抽出部 305:フィルタ部 306:回帰直線算出部
307:交換予測時期算出部 308:pH値安定化待機時間算出部
309:主制御部